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★体重増加のヒント

2013年1月 3日 (木)

★体重増加のヒント

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★新生児の体重をおっぱいで順調に増加させるための秘伝その1
★新生児の体重をおっぱいで順調に増加させるための秘伝その2
★新生児の体重をおっぱいで順調に増加させるための秘伝その3
★新生児のお部屋、寒くないですか?
★体重増加が急激に少なくなってしまった!
★3回食段階時の体重増加と母乳分泌について。(生後10ヶ月)
★4か月健診でミルクを足すように指導されました。
★おっぱいが好きで哺乳瓶を受け付けない。
★夜中の頻回授乳が辛い。(生後2週間)
★離乳食は食べない、ミルクは飲まない、体重増えない。(9ヶ月)
★寝込みを襲う授乳スタイルについて。
★眠りこける新生児は育ちません。
★おっぱいの湧きだすタイミングをよく見て飲ませましょう!
★雨垂れ石をも穿つ。
★トータル的には充分育っていますが。(4ヶ月)
★非常に吐乳し易い赤ちゃんのおっぱいをあげるタイミングとは?
★赤ちゃんだってヤバいと思うことがある。(10ヶ月)
★それっておっぱいの回数が急に減っていませんか?
★体重増加度のコンサルテーションについて。

2012年2月22日 (水)

体重増加度のコンサルテーションについて。

2週間健診時も1ヶ月健診時も体重増加度が50g以上/日というハイペースだったKくんが、約5ヶ月ぶりにお母さんのRさんに連れられて、勤務先の母乳外来を受診されました。(Rさんは遠方からの里帰り出産の方です。)
※体重の推移:生下時 2988g
  2週間健診(14日目) 3400g
  1ヶ月健診(35日目) 4450g
SOLANINの知っているKくんは、おっぱいもガッツリ飲む子だったし、きっとビックベビーちゃんになるのだろうなという印象でした。

しかし、久しぶりにお会いしたRさんは浮かぬ表情です。
赤ちゃんのKくんも一緒でしたが、大きくはなっていらっしゃるものの、パッと見て月齢相当よりも小さめの印象です。
その日の日齢は155日目で、Kくんの体重は、6050gでした。
パーセンタイルグラフ下限ラインギリギリくらいです。
「もしかして授乳回数が少ない?夜中寝かせっ放し?」と、SOLANINが聞きましたら、Rさんは、「授乳回数は今でも10回/日はあげてます。夜中も3時間以上授乳間隔が空くことは滅多に無いです。」と仰います。
乳房のコンディションをチェックさせてもらっても、普通にに射し乳になっているだけで、気になる所見はありません。

里帰りゆえSOLANINには1ヶ月健診以降の情報が分からないので、、母子手帳の頁をめくると、2ヶ月時(62日目)に市の助産師の家庭訪問を受けておられました。
聞けばRさんは、4ヶ月の集団健診までに、念のために体重増加に問題が無いかフォローを受けておいた方がいいだろうと判断され、母子手帳巻末の葉書を出されていました。
お母さんとしては大変賢明な判断です。
ところが、その時の体重が4828gだったのですね。

以前からの当ブログの読者さんであれば、「あれっ?」「おやおや?」って気がつくと思います。
1ヶ月健診から家庭訪問までの体重増加度が、14g/日に急落しています。
生後1~2ヶ月の赤ちゃんが、27日間で378gしか増えていません!
それまでにガンガン増えていた頃の反動としても、月齢相当から鑑みて、尋常ではないなささやかな増え方です。
助産師だったら、いくら運動機能の発達や頭囲が正常であっても、「この急落は普通じゃない。」と、ピンとくる筈です。
ピンとこなきゃおかしいです。
なのに、その時の助産師のコメントが、「発育順調です。」とのことで、SOLANINは仰天しました。
そりゃあ、確かにパーセンタイルグラグで言えば、中央値よりも少し下くらいですよ。
1ヶ月健診まではガンガン増えていて、それ以降ペースダウンすることは不思議でもなんでもないけれど、50g/日ペースの増加度の赤ちゃんが短期間で14g/日に急落していたら、「飲ませ方に問題が無いか?」「しっかり飲めているのか?」「お母さんのおっぱいの分泌が低下していないか?」「乳頭や乳房にトラブルは無いか?」くらいはその場で見極めて、気になる点があれば対処して当たり前です。
そして、せめて7~10日後には、再度家庭訪問をして、赤ちゃんの体重増加度が回復してきているかを確認しなきゃ、助産師として一体何のために家庭訪問しているの?と、非難されても反論できませんよ。

なのに、コメントが「発育順調です。」ってか?
嘘でしょう?それは無いですわ。
「あなたの目は節穴ですか?」と聞きたいです!
過ぎたことを言っても詮ないですが、2ヶ月の家庭訪問の段階で適切な対処をしていれば、今になって、「ひょえ~、Kくんのキャッチアップって、ヤバいじゃないの!?」という状態にまで追い込まれることにはならなかったと思います。

家庭訪問される助産師はひとかどの方だと思っていましたが、そうでない人も混じっているってことですかね。(汗)
SOLANINはその場に居たわけではないので、同業他者を偉そうに批判できる立場でもないですが、やはり、この判断はおかしいです。

Rさんとは相談の上、遠方ではあるものの、「1ヶ月に1回くらいはどうにか里帰り可能です。」とのことでしたので、SOLANINが対応させてもらうことに決めました。
取り敢えずKくんはキョロちゃんなので、それについての対策をRさんには伝授しました。
今後Kくんが、しっかりキャッチアップできるように、離乳食開始以降もフォローしたいと思います。

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2012年2月17日 (金)

それっておっぱいの回数が急に減っていませんか?

早ければ生後2~4ヶ月過ぎから、夜間4~6時間、まとまって眠る赤ちゃんが出現されます。
産褥間もない頃と比べれば、徐々に乳房の緊満も落ち着いてきますから、3時間空いても平気で眠れるお母さんも出現されます。
あやすと笑うようになったり、喃語を喋るようになるので、相手をしていたら昼間の授乳もそれまで1~2時間毎だったのが、3時間毎に延びたりすることも稀ではありません。

新生児の頃のようなおっぱいに追い立てられる感じからは徐々に縁遠くなり、「ゆとりあるおっぱいライフに転換したようで何よりですね~。」と、言いたいところですが、このパターンに突入すると、赤ちゃんの体重増加度が一気に半減してしまいます。

「授乳表」を記入していると、赤ちゃんの哺乳パターンの変化が一目瞭然です。
ただ、残念なことに、そこに気が付くお母さんは非常に少ないのですね。
母乳外来にも、「最近、赤ちゃんの体重の増え方が一気に低下して、おっぱいが足りなくなったのかな?って心配で受診しました。」と、仰るお母さんがちょくちょくいらっしゃいますが、「授乳表」を見せていただくと、夜間ほぼ毎日、赤ちゃんがネンネするからと6時間くらい間隔が空いているのですね。
長いと8時間もネンネする赤ちゃんも いらっしゃいます。(冷汗)
なのに、昼間授乳回数を稼いで挽回するかと言えば、そんなことはないのです。

いきなり授乳回数がそれまでの2/3程度に減ってしまったら、キョロちゃんでなくても体重増加度が急降下するに決まっているじゃありませんか!
何故そこに気が付かないのかなぁ?
今の哺乳パターンを謳歌するために、単に気が付かないフリをしているのかなぁ?
「授乳表」は体裁はコンパクトでも、多くの情報が詰め込まれています。
記入した「授乳表」は、フル活用しなくちゃ勿体ないし、「この頃のこの哺乳パターン、なんかおかしくないか?ホントにこれでいいのかな?」という赤ちゃんへのアンテナは常にしっかり3本立てといてくださいね。

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2012年2月10日 (金)

赤ちゃんだってヤバいと思うことがある。(10ヶ月)

生まれてから少なくとも4ヶ月間くらいは順調に育っていたものの、離乳食が開始されるようになる頃から、体重増加度が月齢相当から大幅に逸脱して、パーセンタイルグラフの下限を割ってしまう赤ちゃんがいらっしゃいます。
運動機能の発達は問題なく、頭囲もギリギリながらグラフ内にはあるものの、いかんせん体重が停滞してしまっていることが10ヶ月健診で発覚し、すごい剣幕で集団健診のドクターに叱られた・・・というパターンです。
大抵はおっぱいやミルクはそこそこ飲むけれど、離乳食を殆ど受けつけない赤ちゃんです。
(※個人的には、そもそも体重増加が心配な赤ちゃんで、6ヶ月間も赤ちゃんの体重管理を放棄することは到底容認できません。栄養方法にかかわらず、せめて月イチペースで体重の推移を把握することは、お母さんとしての最低限の義務だと思います。)
とても元気で活発なのですが、受診した先の小児科ドクターから、「よく動けば動くほど消耗するから、次回再診時に体重が増えていなければ、一度採血して貧血の有無だけでも調べましょうかね?」みたいな話が進むことになるかと思います。
で、こういうやり取りを、赤ちゃんはしっかり聞いているのですね。
そして、10ヶ月にもなれば、採血が痛くて嫌なことだとある程度分かっていることが多いので、いきなり受診したその日から人が変わったように離乳食パクパク食べるようになったりするのです。
俄かには信じ難いかもしれませんが、この手の赤ちゃんに私は今まで何人も遭遇しています。
そして、1 ~2週間後の再診時には、新生児か?というくらいに目覚ましい勢いで体重が増え(≒月齢相当の5倍くらいのペース)、「こんなに増えて、しっかり食べられるようになったら、採血はしなくていいかな?でも、増え方が今イチだったらチクンやから、今後も気を抜かずに頑張って食べるように。」と指導されたりします。
これはひとえに、赤ちゃんが採血=ヤバいと思うからに違いないとSOLANINは睨んでいます。(笑)

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2012年1月27日 (金)

非常に吐乳し易い赤ちゃんのおっぱいをあげるタイミングとは?

「泣いたら直ぐにおっぱいをあげる。」昔から、普遍的に言われてきたことです。
しかし、過去記事にもあるように、ギャン泣き大将のような赤ちゃんであれば、おっぱいが飲めなくなる自分が悔しくて、泣けば泣く程テンパッてしまいますから、この論理が当て嵌まらないことは、読者のみなさんもご存知の通りです。

また、ギャン泣き大将とは逆ベクトルで、「泣いたら直ぐにおっぱいをあげる。」に該当しない赤ちゃんもいらっしゃいます。
それはですね、「泣いたら直ぐにおっぱいをあげる。」と、非常に吐乳し易い赤ちゃんです。
溢乳(いつにゅう)ではないですよ。
吐乳です。
それもかなり大量のを1日に数回します。
しかも、吐かない日は無いくらい、ほぼ毎日という状況です。
と申しますのも、このような状況が続くと、大抵月齢相当の体重増加が見込めません。
遊び飲みやチャラ飲みはわりかし少なく、飲み方は真面目なのに、1回の吐乳の量が多く、赤ちゃんの体重がパーセンタイル下限ギリギリで這い上がる感じであれば、敢えて、泣いたらあやしてください。
しっかりあやした上で、パクパクが激しくなりグズグズ言い始めた段階で、おっぱいをあげてください。
恐らくそうすることで、吐乳の量や1日の回数が減少する筈です。
そうなるとおっぱいの歩留まりが良くなり、赤ちゃんの体重増加度がアップしてくる筈ですから。
変化を正しく把握するには7~10日位の間隔で、体重チェックをしてください。

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2011年12月28日 (水)

トータル的には充分育っていますが。(4ヶ月)

<ご相談内容>
ウチの次男は、生まれた時の体重は3304gで少し大きめだったのと、頻回直母が効を奏したのか、1ヶ月健診時(30日目)には、5210gでした。2週間健診からの体重増加度は、66.7g/日でした。受診先の小児科ドクターから、「ガンガン増えてますねぇ。(笑)今日健診に来た赤ちゃんの中で一番沢山増えて一番大きいわ。」と、言われたくらいでした。
ところが、1ヶ月健診後は、どういうわけか1日のおっぱい回数が急激に減少しました。
平均して5~6回/日です。
あまり欲しがらなくなったのです。
それでも機嫌は良いし、おしっこやうんちも出ているし、あやすとよく笑うし、頸もしっかり据わってきているし、私も乳腺炎にならず、これといった問題も無く、何も困ったことがないので様子を見ていました。
そして、先日市の保健センターで行われた4ヶ月健診(120日目)では、赤ちゃんの体重は6930gでした。
そこのドクターは、「よく育っていますね。真ん中よりは、若干大き目のようですね。」と言われましたが、釈然としません。
私はおっぱいが沢山出る筈なのに、1ヶ月健診まではグングンと育っていたのに、明らかにペースダウンし過ぎだと思います。
おっぱいが足りなくなったのでしょうか?

<SOLANINの回答>
4ヶ月で6930gだったら、客観的に見て、順調に育っていると思います。
ただ、1ヶ月健診から4ヶ月健診迄の間の体重増加度を計算したら19.1g/日なので、確かに増え方は急激に低下していますが、パーセンタイルグラフを割ったわけではないので、大きな心配は不要でしょう。
1ヶ月健診迄の体重増加度の貯金があるので、トータルでは順調に大きくなっていらっしゃいますし、乳房トラブルとも無縁とのことですから、良いと言えば良いのですが・・・
大きく育つ子は大きく育てないといけない訳ではありませんが・・・
相談者さんが釈然としない理由は、やはりそこなのではありませんか?
でもそれは、率直に申し上げて、おっぱいが足りなくなったのではなく、飲ませ方が足りなかったのですね。
いくら、ガッツリのんで、ぐっすり眠る赤ちゃんだったとしても、1ヶ月やそこいらで、直母回数が5~6回/日なんて、どう考えても少な過ぎですよ。(汗)

月齢が若いほど、1回に沢山飲んでも、授乳回数が少なければ、思ったほどには、赤ちゃんの体重は増えません。(1日の総量として、そこそこの量を飲んでいたとしてもです。)
過ぎてしまったことをグダグダ悔やんでも仕方が無いので、これから心機一転、スクスクと育てていくためには、こまめにおっぱいをあげてほしいですね。

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2011年11月26日 (土)

雨垂れ石をも穿つ。

「雨垂れ(あまだれ)石をも穿(うが)つ。」
はい。諺です。
「点滴石を穿つ」とも言います。
英語では、Constant drippinng wears away the stone.ですな。
SOLANINは高校時代に英語で諺を憶えさせられた世代なので、未だに幾つか英語の諺を憶えています。
まぁ、それが母乳育児とどのような関係があるか?と言うことについて、今からお話しますね。

SOLANINは、書籍でもブログでも直母は(3~)5分2クールを推奨していますが、それは、吸わせる刺激でおっぱいを分泌させるのに有効であることと、左右バランス良く飲んで欲しことと、産褥早期から片方を長く吸わせていると、乳頭に過剰な負担がかかり乳頭損傷が重症化し易いので、それを防ぐためでもあります。

但し、赤ちゃんの月齢が2ヶ月以降で、ラッチオンが深く出来ていて、お母さんもアトピー性皮膚炎等で極端に皮膚が弱いということがなければ、もうちょっと長く(≒左右合わせて10分間くらい)吸いつかせてあげても、乳頭損傷をきたすリスクは低くなりますから、そのようにしてあげても良いかなと思います。
特に、新生児の頃は完母で順調に体重増加が見られたのに、2ヶ月以降で体重増加が今一つの状態にに低下して、「今後の発育のためには、1日に100(~150)ml程度のミルクの補足が必要ですよ。」と、指導されたのであれば、赤ちゃんにもうちょっと長く吸いつかせてあげることで、ミルクの補足はしなくて済む可能性が高くなるからです。

もうちょっと長く吸いつかせてあげて、果たしてどの位飲むか?ですが、これまで完母で充分足りていたのであれば、恐らく1回に10(~20)ml程度だと思われます。
でもね、1日に10回はおっぱいをあげるのであれば、毎回もうちょっと長く吸いつかせてあげるだけで、トータルすれば1日あたり100ml以上沢山飲めている可能性が芽生えるわけです。
つまり、完母で頑張りたいのに、「今後の発育のために、1日に100(~150}ml程度ののミルクの補足が必要ですよ。」と指導された方であれば、完母への復帰が期待出来るということです。
「雨垂れ石をも穿つ」という諺の意味することは、こういうことなのですよ。
もちろん、お母さんが現在の授乳方法で精一杯のコンディションであれば、負担になる(=効果が期待値よりも薄くなる)から、決して無理しないでくださいね。
そうじゃないなら、もうちょっと長く吸いつかせてあげることには意義がありますよということです。

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2010年12月18日 (土)

おっぱいの湧きだすタイミングをよく見て飲ませましょう!

これまでの記事で私は「出来るだけ(3~)5分2クールで。」というように、短時間で左右を切り替える飲ませ方をお勧めしてきました。
その理由は、ラッチオンが上手にできていたとしても、仮に片方30分飲ませるようなやり方だと、射し乳の方は、湧きだす回数が少なくなることや、乳頭がふやけてしまうと、乳頭損傷を来たし易くなり、「これでは痛くて飲ませられない。」という事態に陥る危険性が高いので、それを予防するためです。
長時間で1クールよりも現実的ではないかということで、お勧めしてきました。

確かに「●分で左右を切り替えて。」という説明は、誰にでも出来ます。
時計を見ればいいのですから、お母さんたちにしても飲ませる目安として分かりやすいと言えば分かりやすいでしょうね。
でも、逆にもしも時計が無ければ、何を目安にすればいいのか分かりませんから、いつも通りに授乳出来ないということになりますね。(困)

また、おっぱいが吸啜刺激を受けて湧きだす時間は、およそ3~5分くらいかかると言われています。
しかし、酷い乳頭亀裂を経験されたお母さんだったりすると、同じ方を3~5分飲ませるにも、「またキズがつくのではないか?」という不安と痛みへの恐怖で、自己流に1~2分くらいで左右を切り替えて頻回授乳を励んでおられる方もいらっしゃったりします。

その気持ちが分からなくもないのですが、あまりにも短時間で左右を切り替えることは、良くないと思います。
個人差があると思いますが、飲ませ始めて1~2分で確実におっぱいが湧きだすお母さんは割り合いとして少ないからです。
なので、1~2分では、「いよいよおっぱいが湧きだすぞ~。」という段階で左右を切り替えることになり、哺乳量が酷く少なくなることだって有り得るのです。
そして、結果、頻回直母に励んでいるにも拘わらず、おっぱいの分泌は非の打ちどころがないくらい素晴らしくても、赤ちゃんはおっぱいが飲めていない⇒体重が増えていない・・・ということだってあるのです。

赤ちゃんの飲み方を観察しているとよく分かりますが、アムアムして、やさしくお口を動かしたり休んだりしながら、暫くしたらゴックンゴックンとおっぱいを嚥下する音が聞こえてくると思います。
そのように喉を鳴らして飲み下す時間はおよそ30秒前後ですが、ゴックンゴックンという音が聞こえなくなれば、左右を切り替えるタイミングという風に考えてもらったら、大変合理的なのですね。

もちろん赤ちゃんはおなかを満たすためだけにおっぱいを飲むわけではありませんから、お楽しみタイムや、眠りにつくためのオプションもあるでしょうし、しゃっくりを止めるために飲ませてあげる時もあるでしょう。
それはそれでいいのですが、今回申し上げているのは、いかに確実に、赤ちゃんのおなかにおっぱいを入れてあげるか?ということなのですね。

赤ちゃんの飲み方を観察することは大事ですよ。
その旨、ご理解いただけましたでしょうか?

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2010年11月30日 (火)

眠りこける新生児は育ちません。

これは確率的に非常に高頻度に起こり得ることなので述べさせていただきます。
どんなににおっぱいの出方が素晴らしくても、入院中は頻回直母に努めていても、退院後片方ちょこ飲み&ぐっすり眠るタイプの新生児は、成長に急ブレーキが掛ってしまいがちで、そのままにしておくのは危険です。
普通に考えたら、片方3分の直母でクタクタになり、(おっぱいを飲ませた後の乳房のスッキリ感が得られず)その後ぐっすり眠る新生児は、碌におっぱいを飲んでいないであろうことくらい、分かると思うのですが・・・(汗)

もちろん、片方3分であっても、乳房がフニャフニャになるくらい勢いよくゴクゴク飲んでくれるのであれば違うかもしれません。
しかし、そういう新生児であれば、3時間以上眠りこけることは滅多に無く、自分から起きるし、ハフハフしておっぱいを欲しがると思われます。

先日、2週間健診を受診されたKくんも、ヤバかったです。
生まれた時の体重は3300gもありました。
生理的体重減少は2日目で7.4%と大過なく、生後5日目には3276gまで回復され、完母で退院されました。
1日の平均授乳回数は1回1~2クールで11回でした。
(ちなみにKくんのお母さんは以前も★病院でご出産され、1人目さんはもちろん完母でした。)
ここまでは問題無し。
ところが、生後13日目に2週間健診のため来院されたところ、体重は3312gしかありませんでした。
退院時から4.5g/日しか増加していません。
ハッキリ言うまでもなく、新生児で体重増加度が4.5g/日は論外です。

退院されてからは1日の授乳回数が9~10回/日に減り、しかも殆どが片方3分でクタクタになり、眠ってしまうとのことでした。
過去記事にも書いたかと思いますが、私の見る限り1クールで必要な哺乳量がほぼ毎回確保される新生児はせいぜい30%くらいです。
ですので、出来るだけ1回に2クールはしてくださいね~と申し上げているのですね。
Kくんは退院時から4.5g/日増加でしたが、こんな哺乳のし方では、退院時から体重減少しても不思議ではないくらいです。

Kくんの直母1回量は片方1回で26gでした。
いつも通り(?)クタクタになって眠り始めました。
そこから起こすのを手伝って、必死に促したら、反対側1回で36g、元の側に戻って追加で14g、トータル1クール半で76gも哺乳してくれました。
Kくんのお母さんは「久しぶりに乳房がスッキリしました。」と仰っていました。
そりゃあそうでしょう!2週間健診で76gも哺乳出来たら大変ご立派です。

しかし、困ったことに、里帰り先のご実家のおじいちゃんやおばあちゃんは、どうしても「寝る子は育つ。」教の信者さんが多いようです。
Kくんのおじいちゃんやおばあちゃんは、Kくんのお姉ちゃんのお世話に手がかかることもあったためか、「寝てるのに、起こしてまでおっぱいをあげる必要はないのでは?」と仰ることが多く、Kくんのお母さんも直ぐにクタクタになるKくんを起こすのに時間がかかるため、「まぁ、いいか。」と思ってしまったとのことでした。

そうそう、「寝る子は育つ」教の信者さんは、「寝てるのに起こしたら可哀想。」「おなかが空いたら勝手に起きるから、その時に飲ませたらええのや。」という“忠告”を繰り返して仰るようです。
それって、少なくとも新生児には何の根拠もないのにね。

確かにクタクタで直ぐに眠りこける新生児を起こすよりも、そのまま寝かせておいた方がラクチンだから(?)大抵のお母さんは親御さんのご意見を尊重されるのでしょうね。
でも、その結果がこれではねぇ・・・(泣)

幸いKくんのおじいちゃんやおばあちゃんは違いましたが、2週間健診で新生児の体重が増えていない場合、母乳育児が分かっておられない&冷静な判断が出来ない系のおじいちゃんやおばあちゃんであれば、「おっぱいが足りないんだから、赤ちゃんの体重が増えない!だからミルクを足しなさい!」と、お母さんにさらなる“忠告”されると思われます。
もしも、その“忠告”を真に受けて、お母さんがホイホイと我が子にミルクの補足をしたらどうなりますか?
私はKくんのお母さんには、「おっぱいの分泌には何の問題も無いのだから、体重が停滞していてもミルクの補足は不要ですよ。なのでせめて1回1クールはしっかりと飲ませてあげて、頻回直母で頑張りましょう!1週間後に再診ですよ。」とフォローしましたが、もしもそういうフォローがされなければその後はどうなると思いますか?
当ブログの母乳育児アドバイザーさんだったら・・・予測できますよね。

おじいちゃんやおばあちゃんの仰る“忠告”の全てがダメだとは言いません。
けれども、母乳育児が分かっておられない&冷静な判断が出来ない系の方々の“忠告”を鵜呑みにするくらい危険なことはありませんからね。

くれぐれも、母乳育児をされるお母さんは、何が正しいのか?という判断力を養ってくださいね。

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2010年9月26日 (日)

寝込みを襲う授乳スタイルについて。

大抵の方は赤ちゃんが眠っていたら、寝かせてあげなさいと言われます。
「起こしてまであげる必要はない。」とか、「起こされて可哀想。」とか。
でも、これを満腹中枢が未形成な時期の赤ちゃん(特に新生児)にやらかしたら、十中八九は体重増加不良に陥り、「おっぱい出てないんぢゃないですか?ミルク補足しましょう。」という結果に突き進みます。
「起こすの反対!」と言った人達は、赤ちゃんが体重増加不良に陥っても何の責任を取ってくれません。
寝る子は育たない・・・それが現実です。

また、月齢が進んでキョロちゃんになってしまった場合、眠たくなって今から長く眠る前ですよ~という時や、うつらうつらと寝惚けている時が真面目に飲んでくれる最大のチャンスです。
夜中に起きるのは辛いでしょうが、母子同室の病産院で過ごした方なら記憶にあると思いますが、2日目・3日目の深夜帯は殆ど寝かせてもらえなかったでしょう?
あの日の苦労を思えば、1~2回起きて飲ませるくらい、比較にならないくらいマシな筈です。
しかも、その頑張りで赤ちゃんの体重増加度は確実にアップしますからね。
結果が改善すれば、充分に報われるのではないでしょうか?

世間一般では寝込みを襲う授乳って何だかなぁって思われがちでしょうが、母乳育児のスタイルは十人十色なんです。
だから、私は他人さんが何と言おうが、そのお母さんと赤ちゃんに適しているのであれば、それで善しだと思います。
ごちゃいことを言われても、凹む必要なんか無いし、気にしたら負けだと思います。

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