完母で分泌過多傾向の方であっても、恐らく当ブログの読者さんではない方は、授乳回数が少ない傾向にあるようです。
Sさんもその一人で、初めてお会いした2ヶ月の時点での授乳回数が6回/日でした。
1回哺乳量は120gもあり、飲み方も上手で、結果赤ちゃんの体重増加も良くて、赤ちゃんに助けられてギリギリ乳腺炎にはなっていない状態でした。
つまり、SOLANINから見れば、綱渡りをしているような母乳育児でした。
どう考えても赤ちゃんの満腹中枢が未形成なうちに、完母で6回/日は有り得ない(しかも夜間は8時間睡眠!)ので、私は「完母で2ヶ月で授乳回数が6回/日なんて、少な過ぎですよ。こんなことを続けていては、今に天見て唾を吐くようなことになりますからいけませんよ。」と、Sさんを懇々と諭しました。
しかし、残念ながら、SOLANINの説諭はSさんの心には響かなかったようです。
Sさん曰く、「懇々と言われたことは少しは気になっていたけれど、赤ちゃんが大して欲しそうにしていない時や眠っている時にあげることは、本当に必要なのか?と、疑問を感じていました。実際、4ヶ月の集団健診の際に、担当の小児科ドクターからも保健師さんからも、授乳回数について何も言われなかったですし。」だそうです。
しかも、「順調に育っていますね。」なぁんて言われたものだから、逆にすっかり気を良くされたらしい・・・(涙)
言い方が失礼かもしれませんが、医療者であっても、集団健診に携わられたその方達はどれだけ母乳育児のことをご存知なのでしょうね?
赤ちゃんの体重さえ増えてりゃイイってものでもないでしょうに。
母乳育児のことをあまりご存知ない方から褒めていただいて、それで善しとしていいのでしょうか?
少なくとも母乳育児を継続していく意思があるのならば、決して善かぁないと思いますよ。
そんなこんなしているうちに5ヶ月に入り、久しぶりにお会いしたSさんは持病が悪化され、急拠、遠方の病院に入院されることが決まったそうです。
Sさんは、「赤ちゃんのためにおっぱいを続けたいのです。退院してからもおっぱいが続けられるように分泌維持をしたいです。ついては何をどのようにすればいいのか教えてください。」ということで、受診されました。
病気のことはお気の毒だと思いました。
(赤ちゃんのお世話はご実家のご両親がみてくださるので安心とのことでしたが。)
遠方の病院で入院が決定している=母子分離になってしまうことで、Sさんが困っていらっしゃることは理解出来ますし、殊勝な発言に何とか力になれたらとは思いました。
しかし、念のためにと確認した授乳回数が、前回受診時よりもさらに減少し、4回/日と答えられた瞬間、あまりの授乳回数の少なさにビックリしました。
率直に申し上げて、現時点で母乳育児をしている&これからも続けていきたいと思っている方とは到底思えません。
納得がいかなくて、「どうして授乳回数が4回/日なのですか?」と、理由を尋ねると、「抱っこしたり、相手をしていたら機嫌が良く、おっぱいをあまり欲しがらないから。」だそうでした。
勿論、離乳食は開始していらっしゃいません。
あんなに、2ヶ月の時点で、「授乳回数が6回/日では、少ないのでいけませんよ。」と懇々と諭したのに。(涙)
それより減らすってどういうことやねん?
Sさんのしていらっしゃることは、SOLANINには意味不明です。
そんなことをしているから、案の定の言うべきか、乳房の活気は、♪昔の光ぃ~、今いずこぉ~♪状態に低下していました。
4ヶ月健診以降の赤ちゃんの体重増加度は、一気に激減していました。
危機的な状態になってきているのに、Sさんは意に介せず、「最近は授乳間隔を空けても乳房はガチガチに張らなくなって・・・射し乳になったのですかねぇ?」と、呆れるくらい呑気モード全開です。(汗)
でもまぁ、母子分離中の搾乳は必要なので、気を取り直して、搾乳の説明をしました。
今から手搾りを習熟されるのは難しいだろうということで、メ○ラ社のハ○モ○ーをお勧めしました。
一応、高価なお品なので、購入前にデモ用の搾乳器で試しに搾ってもらいましたが、タラリタラリと雫が垂れる程度で、とてもじゃないですが搾乳を冷凍して保存するほどには出ないのではないか?という体たらくでした。
SOLANINは母乳育児の推進とその支援を旨としてお仕事しています。
困っていらっしゃる方には、微力ながら何とかして助けて差し上げたいです。
でもね、こちらの助言したことは何一つ聞いて下さらなくて、ご自分のしたいことと、実際にやってることのベクトルが真逆の方には、どう対処させてもらったらいいのか、正直言って分かりませんです。
悪いですが、Sさんのような方には、付ける薬が見当たりません。