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★搾乳・冷凍母乳

2013年1月 5日 (土)

★搾乳・冷凍母乳

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★搾乳の活用方法!
★冷凍母乳の取扱いについて
★搾乳を常温で放置すると、どうなるのか?
★搾乳にまつわる、諸々の知識!
★上の子の入院による母子分離(前編)
★上の子の入院による母子分離(後編)
★おっぱいの後に乳房がカラになるまで搾れと指導されて・・・
★お母さんが手術などで入院した時のおっぱいは?
★搾乳器あれこれ・・・
★冷凍母乳の取り扱いについて
★搾乳生活が長期化しそうな場合の対処は?
★搾乳の保管と運搬について。(7ヵ月半)
★1か月の母子分離中、おっぱいを維持できるか?1
★1か月の母子分離中、おっぱいを維持出来るか?2(10か月)
★1回あたりの搾乳に要する時間について。(仕事復帰後)
★冷蔵したのに搾乳が変質?
★搾乳する期間と使用頻度で搾乳器を選びましょう!
★1年4ヶ月にわたる児の闘病生活と母乳育児。
★上の子の付き添い入院による母子分離時の注意点は?
★言い聞かせで、母子分離を乗り越える。(2歳2ヶ月)
★母子分離であれば、なおのこと頻回の刺激が必要です。
★搾乳器で搾乳できないっ!?
★分泌過多気味ですが、搾乳器を使って搾乳しても良いの?
★どうする?認可保育園が搾乳受け入れ拒否る!(3ヶ月)
★搾乳が必要な方は、滴下乳の採取もお忘れなく!

2012年11月19日 (月)

搾乳が必要な方は、滴下乳の採取もお忘れなく!

赤ちゃんが眠りがちだったり、体重が小さかったり、下手っぴちゃんだったり、お母さんの乳頭が陥没や扁平で非常に咥え難い形態だったり、お母さんの仕事復帰が速かったり・・・搾乳を必要とし、哺乳する赤ちゃんは、意外と大勢いらっしゃいます。

用手だったり、器械をつかったり・・・搾乳を採取する方法は数あれど、メ●ラ社の電動型シ●フォ●―で左右同時搾乳でもしない限り、片方の乳房から搾乳をしていたら、反対側の乳房からおっぱいが滴り落ちて、母乳パッドがズブズブになってしまった・・・という話をしばしば小耳に挟むことがあります。
考えてみれば勿体ない話ですねぇ。
ズブズブの母乳パッドを搾るわけにはいかないし、何とかならないかしら?
そう思うアナタに朗報があります。

授乳用ブラジャーをカシュクールタイプかユ●ク●のブラトップにしてください。
そして、消毒した小さなカップ(3個パックのプリンの空き容器や養●酒の薬杯などを代用しても構いませんよ。)を搾乳しない側の乳頭・乳輪に押し当て、授乳用ブラジャーの内側に仕込むのです。
そうすれば、滴下するおっぱいを漏れなく受け止めることが出来ます。
母乳パッドもあまり汚れすに済みます。
その量がたとえ5〜10ml/回であったとしても、チリも積もれば山となるように、大した手間や労力を掛けずに、ゲットできるおっぱいの量が増えるのは喜ばしいことではありませんか?

ここで一句。
滴下乳、パッドに落ちれば、廃棄物。
滴下乳、カップに受ければ、搾乳だ!
・・・おあとがよろしいようで(笑)


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2012年8月27日 (月)

どうする?認可保育園が搾乳受け入れ拒否る!(3ヶ月)

<ご相談内容>
生後3ヶ月の来月から仕事復帰します。
認可保育園に預けるのですが、搾乳を拒否されて困っています。
SOLANINさんのブログのおかげで、NICU入院になるも完母で育ててきたので、何とかならないかなぁと思って、悩み考えています。

<SOLANINの回答>
何処のまちの認可保育園かは存じませんが、酷い話です。
一般的に栄養の主体がおっぱい以外になる1歳代以降というならまだしも、3ヶ月っていえば、まだ満腹中枢が形成するかどうか、頸が据わるのもこれからという発達段階です。

相談者さんの赤ちゃんは、詳しい病名は存じませんが、NICU卒業生ということで、ある意味、満期産で出生&2500g以上の赤ちゃんよりも、より一層、おっぱいを飲ませてあげたい事情があります。
折角完母でイケるくらいの分泌があるのなら、出来るだけミルクは与えずに済むといいですね。

さて、どうしたものか?
福祉事務所には相談しましたか?
行政を通じて、指導してもらうことは出来ませんか?
それでも通らないですか?

NICU時代の主治医に急ぎお願いして、「この赤ちゃんは、NICU卒業生です。特段の事情があるので、搾乳・冷凍母乳を飲ませてあげてください。保育園の都合で、ミルクを与えるのは止めてください。」というお願い文書を書いていただき持参するのが良いと思いますよ。
腸の発達がどうとか、気管がどうとか、ミルクアレルギーの疑いとかナントカ、主治医の判断で理由づけしてもらったらいいと思います。

搾乳受け入れ拒否ってねぇ・・・酷い話ですよ。
だってね、仮にですがその認可保育園は、ミルクアレルギーの赤ちゃんは受け入れ拒否するのでしょうか?
認可保育園というトコロは、弱者である赤ちゃんを、そういう差別的な扱いをしても許されるのでしょうか?

いくら乳児の保育枠が激戦だとしても、そんな筈ないですよね?
入園前に保育園と争うのは出来れば避けたいことだけど、どうしても譲れないことがあるなら、赤ちゃんを守るためだったら、やるしかない場合もあると思います。
頭の硬い園長先生(?)や面倒臭がりの担任(?)を落とすには、お母さんはタフなネゴシエーターになってください。
簡単に泣き寝入りしちゃダメですぞ!

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2012年4月25日 (水)

分泌過多気味ですが、搾乳器を使って搾乳しても良いの?

<ご相談内容>
完母でスクスク赤ちゃんは育っています。
もうすぐ7ヶ月です。
現在の直母回数は8回/日ですが、それ以上は欲しがらないというか飲んでくれません。
どんなにお勧めしても、欲しくない時はプイッと横を向いたり、舌で乳首を押し出してしまい、ヤル気無しです。(涙)
ただ、困ったことに、いまだおっぱいの分泌が多いようで、授乳直後なのに乳房がスッキリしないことが、しばしばあります。
哺乳量は何回も測定しましたが、だいたい120〜150ml/回という感じで、決して少なくはないと思います。
搾乳器を使って搾るのは良くないですか?
実は3ヶ月頃から、辛抱出来ずに一日二回くらいのペースで搾乳器で搾乳していますが、手搾りだったら大丈夫でしょうか?

<SOLANINの回答>
必要のある方が搾乳器を使われるのは、問題ないです。
メーカーや機種選びを慎重にされ、その方に合ったものを使われたらいいのです。
手搾りが上手に出来ればいいのですが、技術的に難しかったり、腱鞘炎を患っておられたら、それは不可能ですからね。
くれぐれも、搾乳器=悪いモノ・・・という短急なレッテル貼りはしないでね。

ただ、分泌過多(気味)の方が、搾乳をされると、更に分泌過多になるというスパイラルに巻き込まれるリスクは否定できません。
基本的には分泌過多の方は、搾乳器であろうと手搾りであろうと、搾乳自体しない方がいいのです。
特に、度を越した搾乳を続けると、お母さんの体重がドンドン減少し、激ヤセ状態になったり、体力を消耗し尽くし、抵抗力まで低下することさえあります。
(そうなると、分泌を抑制することも一案ですが、それはしたくないのですね?)
(若しくは、相談者さんは決して激ヤセされたわけではないのですね?)

かといって、相談者さんの場合、今更いきなり搾乳をストップすれば、乳房トラブルを惹き起すことが考えられるので、それはしない方がいいでしょう。
もしかしたら、定期的に搾乳することで、乳房トラブルの回避が出来るというバランスが取れていたのかもしれませんからね。

ううむ。
なんだか堂々巡りになって来ましたねぇ。
どうしましょう?
やはり、色々考えたのですが、取り敢えずは現状続行するのが無難かと思われます。
これからは離乳食も開始され、どんどん進むようになるでしょうし、おっぱいの分泌をこれ以上増やす必要性は多分無いですから、お食事内容を見直したり、乳房に湿布をしたり、搾乳回数や一回量を徐々に減らしたりして、乳房トラブルの回避にも気配りしていきましょう。


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2012年4月 7日 (土)

搾乳器で搾乳できないっ!?

産後2日目以降位になると、多くの褥婦さんに訪れる乳房鬱積(うっせき)している状態では、どんな強力な搾乳器を使用しても、決してジャカジャカとはおっぱいは出て来ません。
じわ〜り、たら〜り、出てくれば恩の字です。
また、乳房鬱積(うっせき)の時期を過ぎても、搾乳器のチカラが赤ちゃんの吸啜力よりも強いと、乳腺や乳管が細い場合は、より一層引き延ばされて細くなり、まともにおっぱいが出て来ないことも普通にあります。

褥婦さんによりけりですが、乳房の状況によっては、手搾りの方が良いこともあります。
搾乳器を使う時は、必ず、助産師に相談してくださいね。

そうそう、話変わりますが、先月中旬にカ●ソ●から、新型の搾乳器が発売されましたね。
ハンドル式ですね。
前作の搾乳器は、使い勝手が今イチで、トライアルユースの褥婦さんからは正直言って不評でした。
でも、この新型搾乳器のトライアルユースの感想は、まずまずです。
ただ、やはり、褥婦さんが仰るには、メ○ラのハ○モ○ーに比較すると、やはり若干ハンドルが重たいそうです。
P社ほどの超ヘビーハンドルではないですが・・・
あくまで個人的な感想ですが、確かにSOLANINみたいに握力の弱めの褥婦さんには、ちと辛いかも?
ある程度、握力自慢の褥婦さんだったら大丈夫かもしれないです。(元弓道部・アーチェリー部の部員さんとか。)
価格はメ○ラのハ○モ○ーの4割以下の価格なので、その点はとても魅力的ではありますな。(定価での比較)

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2011年8月 1日 (月)

母子分離であれば、なおのこと頻回の刺激が必要です。

おっぱいの生産スイッチを起動させるためには、産後出来るだけ早い時期から、こまめに乳頭刺激をすることは欠かせません。
一番良いのは、産後すぐから母子同室で頻回直母をすることです。
このことは、読者のみなさんは既によ〜くご存知ですよね?

では、赤ちゃんがNICUに搬送されてしまったら、どうすればいいのでしょうか?
頻回直母をしたくても、環境的にどうにもならない状態だったら、母乳育児は諦めなくてはならないのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありませんよ。
そりゃあ、産後すぐから母子同室で頻回直母をしているお母さんと比較したら、明らかにハンディはあります。
でもね、たとえ母子分離状態になっても、産後間もなくから“頻回搾乳”をすれば、最初は人一倍の努力や苦労もあるでしょうけれど、大抵は何とかなりますよ。

但し、自己流はよくありません。
やるからにはどのようにすれば効果的な乳頭刺激が得られるのか、また、乳管が開通するかという視点が必要です。
ですので、詳細についてはあなたの傍に居る助産師にお尋ねくださいね。
最初のうち1回の搾乳量は、左右合わせて10〜15分間くらいを要しても、せいぜい1〜2mlくらいかもしれません。
よゐこの濱●さん流に表現すれば、「ちねった」ほどの少量ですが、それでもいいのです。
その代り、搾乳回数は最低7〜8回/日は行うこと。
夜中だって起きてくださいよ。
眠りこけている場合じゃありませんぞ!
(もちろん、夜通し起きる必要は無いですが、搾乳のためには、目覚ましを掛けてでも起きてください。)
夜中はおっぱいを作るホルモンが昼間の2倍も出るのですからね。
おっぱいの生産量を増やす絶好のチャンスなのですよ。
そこをみすみす逃しては、あまりにも勿体ない!

どんなことをするにも、タイミングがあります。
碌におっぱいを触ることなく何週間も経ってから、「じゃあ、頑張ってみようかな?」では、正直言って、期待したほどの効果は無いかもしれません。
やはり、こういうことは、「鉄は熱いうちに打て。」が、王道です。

「どうせ私は、母子同室や頻回直母が出来ないから、ハンディがあるから、母乳育児は無理なんだ・・・」と何もしないうちから早々と嘆いて諦めるのではなく、自分の置かれた状況の中で、「どうすればひとくちでも沢山のおっぱいを赤ちゃんにあげられるか?」と考え、行動してみましょうね。

先輩お母さんのお話しを伺うと、出産した病産院に助産師が居なかったり、居てもミルク推進病産院だったりすると、アドバイスを受けるのも期待できない場合もあるようです。
そういう時はどうされたのか?
地域で活躍している助産師と連絡を取り、お見舞客として、紛れ込んでもらうという高等テクニックを駆使された方もいらっしゃるようですよ。

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2010年11月15日 (月)

言い聞かせで、母子分離を乗り越える。(2歳2ヶ月)

先日、“1歳4ヶ月にわたる児の闘病生活と母乳育児”には続きのお話しがあります。
病気を克服したYちゃんには4年後に弟さんが生まれました。(仮にTくんとします。)
Tくんが2歳になった時、Yちゃんの定期カテーテル検査の予定が入りました。
Tくんは、筋金入りのおっぱい星人で、Kさんが何度か乳腺炎になっても、乳房マッサージのために通院を余儀なくされることが無く、大抵は1回だけで後はTくんが飲んで治してくれるという孝行息子でした。

Yちゃんは1年生になっていましたが、何分遠方の病院ですし、ひとりで入院というわけには行きません。
お母さんが付き添いということで、帯同されることになりました。
問題はTくんです。
2歳になり、ご飯も食べられるし、カタコトも言えるようになっていましたから、Yちゃんの入院中を預かるおばあちゃん、お父さんは、「断乳せな仕方が無いなぁ。」「おっぱいなしで対応できない。」というスタンスでした。
Kさん自身、Tくんをお家に置いていかねばならないわけで、家族に無理は言えないし、でも断乳はしたくないと、悩みに悩んで★病院の母乳外来を受診されました。

Yちゃんの入院期間はおよそ5日間とのことでした。
そこで、入院1ヶ月前から、Tくんのお姉ちゃんであるYちゃんの入院の際には、お母さんであるKさんが居なくなり、その間、おっぱいが飲めなくなること。
お父さんやおばあちゃんと過ごすこと。
大きいお姉ちゃんはお家に居てくれること。等を何度も説明されました。

そして、Yちゃんが退院できる日には、お部屋の壁に大好きなロボットの絵が出てくること。
退院のお迎えには一緒に連れて行ってもらえること。
車の中で直ぐにおっぱいを飲ませてもらえること。
もちろん、お母さんにはいっぱい抱っこしてもらえること。
お家に帰ったら、いつも通りに戻ることを、お父さんを含め家族全員でTくんに何度も説明されました。
耳にタコが出来るくらい・・・そう呪文のように言い聞かせてもらいました。

結果、Tくんは5日間、お母さんの帰りと、再びおっぱいを飲ませてもらえる日が戻ることを心の支えにして、ぐずることなく待ち続けることが出来ました。
朝起きて、壁にロボットの絵を見つけた時は、Tくんは嬉しくて、キャーキャー言っていたそうです。(笑)
Yちゃんの退院に際し、家族みんなが、Tくんからおっぱいを無理やり取り上げなくて良かったと、言って下さったそうです。
やればできる!と、言って下さったそうです。
そして話せば分かる男として、Tくんの株が上がったことは言うまでもありません。

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2010年11月10日 (水)

上の子の付き添い入院による母子分離時の注意点は?

母乳育児中の赤ちゃんに兄姉が居られ、その兄姉が検査や手術や急病等で入院され、付き添いが必要だと主治医から説明されたら、どうしたらいいのでしょうか?

まだ離乳食が始まっていない場合は、おっぱいは赤ちゃんの生命線ですから、検査や手術で時期的な融通が付くものでしたら、後回しにしてもらうのも一手です。
「どうせまだ何も分かっていないから。」と勝手に割り切って、赤ちゃんを24時間預け放しで兄姉の付き添い業務をするのは避けてほしいです。
付き添いは想像以上に重労働ですから、本来お母さん一人が抱え込むことではないと思います。
お父さんもおじいちゃんもおばあちゃんも・・・協力できそうな方(兄姉との人間関係がまずまず良好)が居られれば、数時間でも良いからシフトを組んで代わってもらましょう。
お母さんだってWCにも行かれるでしょうし、お風呂にだって入りたいでしょうし、お食事の調達も必要です。
仮眠くらいしないと、次はお母さんが倒れてしまいます。
そんなことになれば大変です。

離乳食が少しずつ始まってるとしても、1日のうちせめて1〜2回は、距離的に可能であればおっぱいをあげるために一時帰宅してください。
冷凍母乳のストックも作っておいてください。
哺乳瓶が嫌いな子でも、コップやストローでならば飲むことは可能ですから。
距離的に一時帰宅が不可能であれば、事前の言い聞かせを特に念入りにされ、「おっぱいを待っていて頂戴ね。」と、お願いしてください。
また、お母さんも乳房がトラぶったりしないように、且つ乳汁分泌維持が出来るように、授乳と同じようなペース配分で搾乳をしてください。

普段の授乳回数が3回以下/日くらいに少なかったとしても、丸1日、直母も搾母もしなかったら、乳房はびっくりするくらいパンパカパンになってしまいます。
決して乳房緊満の程度を軽く予測してはいけないのです。

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2010年11月 8日 (月)

1年4ヶ月にわたる児の闘病生活と母乳育児。

Nさんは1人目さんの時はおっぱいへの拘りはさほどなく、退院時は完母だったものの、1ヶ月健診時には混合栄養で育てておられる状態でした。
3年後に出産された2人目さんの時、生後間もなく発覚した病気のため、手術が出来る病院に赤ちゃんは搬送されて母子分離となりました。
手術は成功したものの、予後は手放しで喜べるような状態でもなく、数ヶ月の入院が必要な状態でした。

Nさんの自宅からその病院までは片道2時間半を要する距離でしたので、赤ちゃんの面会は週末に、日帰りもしくは1泊で面会時間中のみという状態でした。
距離的・時間的にも気軽に面会できない母子分離の状態でした。
私が最初に出会った時のNさんは、産後10日目頃でしたが、心労のためげっそりと面やつれされ、いつも泣いているのかな?という感じでした。

初めての面会の時はNICUの物々しさに圧倒され、看護師から「お母さん、保育器の窓から手を入れて、赤ちゃんの手を握ってあげてくださいね。」と声掛けされたものの、元気な体で産んであげられなかった申し訳なさで胸がいっぱいになったこと、触ったら心臓が止まるんじゃないかと思い、怖くてなかなか手が入れられなかったこと、本当にこの子を家に連れて帰ることが出来る日が来るのか?という想いで、涙が止まらなくなってしまったことなどをぽつりぽつりと話してくれました。

お母さんは1人目さんの時には1度もしたことが無い搾乳を、赤ちゃんのためにしておられましたが、1人目さんの時の記憶からか母乳不足感もあり、また、分泌の維持が出来るのか?ということに強い不安を感じておられました。
でも、「色々考えたのですが、私に出来ることはおっぱいを持って会いに行くことだけなんです。どうしてもおっぱいが出続けてほしいんです。どうしたらいいですか?」と聞いてこられました。
私にはNさんの必死な表情から強い決意を感じ、何とか力になりたいと思いました。
そこで搾乳の量や回数やお食事・水分摂取等を事細かに打ち合わせして、分泌がどんどん低下するような傾向がみられたら、早急に電話連絡して、母乳外来を受診されるようにとお話ししました。

赤ちゃんは搬送時を含め数ヶ月の入院と2回の手術をされました。
絶飲⇒鼻注⇒瓶哺乳⇒直母という変遷を2回も繰り返すことになりました。
普通なら乳頭混乱を起こしかねないシビアな条件でした。
しかし幸いにもそれは起きませんでした。
しかも、入院中冷凍母乳が不足する事態は1度も無く、自宅療養中も1度もミルクを補足することも無く、1歳4ヶ月の自然卒乳の日までNさんはおっぱいの分泌を維持され、完母でいけました。

何度か母乳外来を受診され、危機回避が必要な局面に差し掛かりましたが、搬送先の看護師さんからも「週1回しか面会に来られない条件なのに、こんなに長く入院したのに、おっぱいが途中で枯れないなんて奇跡的だね、凄い努力をしたんだね。」と驚かれたそうです。
Nさん自身も「私は1人目混合栄養だったけど、2人目はあんな状況だったのに完母でいけて、今ではよくやったなぁって自分でも驚いているんです。」
そして、「私がここまで続けられたのは上の子のお蔭です。この1年4ヶ月、何処にも遊びに連れて行ってあげられなかったし、退院してからも赤ちゃんを泣かせては心臓に負担がかかるのではないかと怖くて、上の子をまともに抱っこもしてあげられなかったんです。なのに甘えてくることもなくて。子どもなりに寂しくても辛抱してくれていたんだと思うんです。」と仰いました。

搬送先の看護師さんの仰るようにNさんの母乳育児はとても偉大で、奇跡なのかもしれません。
でも、周囲の協力やお母さんの意思や努力や赤ちゃんの頑張りや諸々の条件が好転すれば、Nさんのような奇跡は、何処(=いずこ)でも起こせるのではないか?と、私は思うのでした。

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2010年10月14日 (木)

搾乳する期間と使用頻度で搾乳器を選びましょう!

過去記事“搾乳器あれこれ”で複数の搾乳器をご紹介しておりますが、ほぼ確実に搾乳をしなくてはならないお母さんが居られます。
それは赤ちゃんがNICUに在籍しておられるお母さんです。
お母さんの退院が赤ちゃんの退院に先行し、自宅に戻り、搾乳・冷凍母乳を届けるという大事な使命を持ったお母さんです。
赤ちゃんの退院時期は病状にもよりますし、主治医から説明を受けておられる通りですが、体重・週数待ちがメインであれば、退院されるのはほぼ分娩予定日前後になるかと思われます。
若しくは赤ちゃんの体重が2300gくらいになったらというのも一つの目安のようです。

まともな母乳育児支援をしている病院であれば、赤ちゃんの退院前に母子同室で慣らし入院というのをしてくれ、助産師が授乳介助をしてくれることが期待出来ますが、この段階で量的には「完母」であっても一気に搾乳ゼロに出来るレベルに吸啜機能が到達している赤ちゃんは私の見た限りでは10人に1人という割合です。(汗)

つまり、残念ですが赤ちゃんの退院=直母のみに切り替えられる=一気に搾乳生活から離脱できる・・・ではないのですね。
量や回数を減らすのも、赤ちゃんの吸啜力に依るので、それこそ蓋を開けてみないと、何も分からないというのが正直なトコロです。
で、これも私の見た限りですが、NICU卒業生の赤ちゃんで直母のみに切り替えられるのは、(特にご病気が無ければ)少なくとも2800gを超えてからというパターンが多いようです。(くどいようですが、あくまで搾乳で「完母」の状態の赤ちゃんという条件付きです。)
つまり、退院時から500g増えることが直母のみに切り替えられるのではないかという一つの目安なのです。

一般的に成熟新生児よりもたくさん哺乳しても体重増加度が少なめになってしまうのがNICU卒業生の赤ちゃんの特徴です。
退院時から500g増えるのに、最低2〜3週間はかかると見做した方が間違いないと思います。

そう考えると、ご自分の搾乳生活がどのくらいの期間になるのか、おおよその見当がつくかと思います。

さてそこで、搾乳器の選び方になるのですが、搾乳期間が短くても1カ月半を超える見込みならば、私はメ○ラ社の電池式または電動式を選択されることをお勧めします。
理由はひとつ、手動式や用手法ではお母さんが腱鞘炎(先に書きました、ド・ケルバン病)になられる危険性がとても高いからです。
経験的に手動式で1カ月半というのが、腱鞘炎発症のリミットのようです。
赤ちゃんのために毎日複数回の搾乳をしなくては立ち往かないお母さんが腱鞘炎になられて、万一、搾乳のドクターストップがかかっちゃったら大変です。
手動式や用手法では誰が代わりに搾ってくれるのでしょうか?
誰も無理ですよね?
ぢゃあ止めるのか?と言ったら、そんなわけには行きませんよね?
だから最初から電動式をお勧めする・・・のです。

反対に職場復帰が早くて、搾乳が長期化しそうでも、搾乳回数が1〜2回/日で留まることが確定していれば、手動式でも大丈夫でしょう。

値が張りますが、メ○ラ社のミ○という電池式の機種(ACアダプター付きなので、コンセントからも電源が取れるタイプ)の場合、部品を分けてもらえれば、手動式のハ○モ○ーに変換することが出来ます。
(ハ○モ○ーは部品が摩耗・破損した時を想定し、丸ごと買い直さなくて済むように部品も販売されています。)
ハ○モ○ーを使用している病産院では、部品交換して使用していますから、事情を話し相談したら実費で分けてくれるか、部品の取り次ぎをしてくれるかと思いますよ。

搾乳器を購入する際は、期間や使用頻度を考えて、ご自分に合ったものを選択しましょうね。

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