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★妊婦さんから読んでね

2013年1月 6日 (日)

★妊婦さんから読んでね

[目次へ]

<はじめに>
★妊娠中から母乳育児を志向しよう
★WHO母乳育児を成功させるための10ヶ条知っていますか?
★おっぱいは赤ちゃんのためにある★
★哺乳瓶でミルクをあげる方が、ラクなのか?
★記事はくまなく読んでくださいね♪
★お産・子育ては加点法で考えよう。
★花畑妊婦以前の問題かもしれない。

<出産準備と豆知識>
★『なんちゃって母子同室』に気をつけて!
★出産時のお部屋は個室?それとも相室?
★おなかの赤ちゃんとお話していますか?
★お父さんもおなかの赤ちゃんにお話してね!
★経膣分娩における硬膜外麻酔
★会陰部マッサージについて
★葉酸はなぜ積極的な摂取を推奨されるのか?
★オキシトシン放出の抑制因子
★こま切れ睡眠に対応できます。
★陣痛はまだでも破水した時はどうすればいいの?(正期産)
★「上を向いて産まれた?」「引っかかった?」
★VBACについて。
★病産院選びは大事だよ。
★まぶたに鈴カステラ?(生まれ立て!)
★分娩進行しても、わりかし平気な方も居られます。
★2週間健診は何人目の赤ちゃんでも受診しましょう!
★母子異室の病産院は、ミルクをあげることが前提です。
★妊娠中は出産のことだけで頭がいっぱい?
★カンガルーケアの最中のおっぱいの注意ポイントとは?
★妊婦さん向けのお勧めの香り。
★バースプランはポジティヴにね♪
★微弱陣痛は大変です!その1
★微弱陣痛は大変です!その2
★微弱陣痛は大変です!その3
★微弱陣痛は大変です!その4
★クーファンは使って欲しくないです。
★出産で消費するカロリーってどのくらいですか?
★臨月のレジャーについて。
★ハプニング出産の当事者になってしまったら?

<母乳育児の基礎知識>
★たんぽぽ珈琲ってかなり良いと思います!
★ティラノちゃんへの食事指導
★クリーンコットンの清拭って要るの?
★授乳中の下着の選び方★毎日を快適に!
★お母さんにとっての母乳育児のメリット1
★お母さんにとっての母乳育児のメリット2
★産科入院中に夜間授乳をお休みするのは愚の骨頂!
★おっぱいのためにビタミン剤の補給は必要か?
★牛乳をお茶代わりに飲むとおっぱいはたくさん出るの?
★B型肝炎のお母さんとの出会い
★特に退院後10日前後迄の赤ちゃんが眠りがちなら注意してね!
★妊娠中の食生活で、羊水のにおいは変化する!
★哺乳瓶が使えないと赤ちゃんを預けられない?
★赤ちゃんの舌をよく見てください!
★おっぱいの消化時間は粉ミルクの半分です!
★乳房がカチカチだから、おっぱいが出る?
★一般的な育児書は母乳育児についての記載に問題が…
★出産後2~3日間はおっぱいは少ししか出ません。
★完母のお母さんはシリコンの乳首を安易に使用しないでね!
★おっぱいは吸わせれば出るんです。
★ミルクはお薬みたいなものと考えてください。
★お母さんの感染症で入院中母子分離になったら?
★母子分離を甘くみてはいけませんよ。
★おっぱいの飲み方は成長と共に変わってきますよ。
★母乳育児は究極のダイエット!
★日により時間により母乳分泌は変わるの?(産後3週間)
★産後も遊びに行きたいから、哺乳瓶の練習をする?
★口角から舌が見えていますか?
★母乳育児の根幹の理解が足りないのは助産師泣かせです。
★乳房がパンパンに張る=おっぱいが沢山出る…ではないです
★せっかくBFHで出産しても。
★陥没乳頭だからずっと乳頭保護器を使えばいいの?
★頸が据わっていない赤ちゃんは授乳時に後頭部をしっかり把持する?
★母乳育児をするつもりなら哺乳瓶は早くから買いなさんな。

<乳房・乳頭・乳輪のお手入れ>
★乳房の大きさとおっぱいの出具合の関連性は?
★おっぱいから、茶色っぽい汁がでてきた!
★扁平乳頭・陥没乳頭のお母さんの母乳育児
★ピペトップって知っていますか?
★乳頭・乳輪の鍛え方
★乳管が詰まりっ放しでおっぱいが出ない!
★妊娠中の血乳を放置すると…?
★妊娠中に乳管の詰まりだけは取り除いておきましょう!
★妊娠中の乳頭・乳輪ケアは何としてでも行ってくださいね!
★ペチャパイは定期的に乳房マッサージしないとおっぱいが出ない?
★妊娠中の乳頭。乳輪ケアが出来ないお母さん。
★乳首周りの体毛について
★陥没側の乳頭から飲めない(新生児)
★妊娠中のおっぱいケアは必要ですよ!
★切迫早産33週、今出来るおっぱいのお手入れは?
★切迫早産でおっぱいケアが出来ない方必読!
★妊娠中の乳頭・乳輪ケアはしなくていいってホントかな?(色々な考え方)
★妊娠中の乳頭・乳輪ケアはしなくていいってホントかな?(SOLANINの考え方)
★切迫入院中でもこれならできる!おっぱいお手入れ・その1
★あなたの乳輪硬くないですか?
★モントゴメリー腺のはたらきとは?
★P社の乳頭吸引器は超痛い!しかし良いことおある!
★IUGRでも妊娠中のおっぱいケアをすべきですか?(35週)
★いわゆる陥没乳頭のお手入れについて。
★乳房基底部マッサージの是非について。
★妊娠中のお手入れをする意義を再考する。
★双子ちゃんの母乳育児の確立にまず必要なのは?

<妊婦さんの健康>
★妊娠中や授乳中に牛乳やジュースをたくさん摂ってはいけないの?
★妊娠中や産後はカラダを冷やしちゃいけないの?
★マタニティーブルーから脱出するには?
★産後早期の脚や足背の浮腫みについて
★妊娠悪阻(=つわり)を少しでも軽くしてくれるアロマテラピー
★糖尿病合併妊娠のリスク1
★糖尿病合併妊娠のリスク2
★糖尿病合併妊娠のリスク3
★糖尿病合併妊娠のリスク4
★妊婦健診における内診の意義について1
★妊婦健診における内診の意義について2
★妊娠中に卵巣のう腫発見された!
★妊娠中に発見された卵巣のう腫の経過観察について
★切迫早産になったら安静にと指導される理由
★切迫早産の指標その1「顆粒球エラスターゼ」
★切迫早産の指標その2「癌性胎児フィブロネクチン」
★切迫早産のお薬のウテメリンについて
★妊娠中に低用量アスピリンの内服をする場合って?
★妊娠中の足趾の浮腫みは大丈夫?
★検査や手術前に指輪などの金属類を外す訳は?
★妊娠とてんかんについて
★妊娠末期にカロナールを内服してはいけない訳って?
★妊娠を持続させるチカラの強弱。
★円錐切除術後の妊娠。
★妊娠悪阻で入院するときってどんな時?
★お腹の張りというのが分かりません。(妊婦)
★B群溶連菌の治療について
★妊娠中の浮腫みに注意!
★妊娠中の鉄欠乏性貧血は出来るだけ早く治しましょう!
★恐るべし!食中毒「リステリア」
★逆子を甘く見ちゃいけませんよ!(32週以降)
★膝胸位の効果を高めるポイントとは?
★先天性トキソプラズマ症って知っていますか?
★赤ちゃんの虫歯予防の特効薬は妊婦時代のお口ケアです。
★卵膜遺残とは?
★臍帯巻絡って何のことかご存知でしょうか?
★妊娠中に便秘し易い理由と対策への道標。
★臍帯真結節って、何のことかご存知でしょうか?
★絨毛羊膜炎って言われたけど、大丈夫?
★絨毛膜下血腫って言われたけど、大丈夫?
★癒着胎盤って聞いたことありますか?
★靴下履いてますか?
★上を脱ぐか、下を脱ぐか?
★特に妊娠12週迄は、レバーや魚の肝の摂取にご用心。
★過剰な体重増加制限は、低出生体重児の増加を招く。

<赤ちゃんの基礎知識>
★おしゃぶりって…?
★退院日の新生児
★新生児の胃の容積ってどれくらいかな?
★おっぱいは足りていると思うけど、ずっと抱っこばかりでしんどい!
★ヒトの赤ちゃんは生物学的に早産であるということ
★おなかの赤ちゃんの腎臓が腫れていると言われて心配
★スムーズなおむつ交換のコツ~言い聞かせ~
★体重が2500g以上でも早産児は早産児です。
★赤ちゃんにミトンは不要?(生後1ヶ月)
★赤ちゃんのベビーパウダーって使わない方が良いと思いますが。
★赤ちゃんには靴下を履かせなくて良いと思います
★胎脂って知っていますか?
★保育器に入った赤ちゃんの心理。
★野生の勘を鈍らせる慢心すると、赤ちゃんが怪我をしますよ。
★赤ちゃんの耳が臭い!?(新生児~1ヶ月児)

<2回目以降の妊婦さんへ>
★妊娠したら断乳しないと流産する?
★妊娠中の母乳育児のマイナートラブルとは?
★愛と嫉妬は紙一重です。
★妊娠と授乳の両立について、問題ないと言える根拠。
★妊娠中に自然卒乳した場合の乳頭・乳輪ケアは?
★おっぱいの分泌がドンドン低下しています。(タンデム希望者)
★分泌停止したら言い聞かせ卒乳すべきか?(タンデム希望者)
★妊娠中の授乳を途中で止める子止めない子の違い。
★大きな子でも気持ちは揺れる。
★おっぱい星人は出てると言うが、分泌停止した模様(妊娠中)
★逆子が治り服薬中止、上の子に直母再開していいの?(36週)
★授乳中に懐妊し、流産しました(涙)
★悪阻がある時の授乳について。
★おっぱいの味がしょっぱくなったのは何故?(妊娠4ヶ月)

<その他>
★母乳外来を受診された妊婦さんに喜んでもらったこと
★旦那さんがリバビリンを内服している時の精子への影響は?
★最近は新生児の血液型を調べない理由
★妊娠発覚☆ガ~ン!排卵日お薬内服してた(汗)
★今年4~6月出産の方は、家族計画をしっかりと!
★産婦人科で働く助産師と看護師の違いって?
★赤ちゃん返りは幼児の専売特許でしょうか?
★送り出す側の医療者にお願いしたいこと。
★助産学生に遭遇した際のお願いです。

2012年12月 2日 (日)

おっぱいの味がしょっぱくなったのは何故?(妊娠4ヶ月)

<ご相談内容>
2才10ヶ月の我が子は現役おっぱい星人です。

そして、私は只今、妊娠4ヶ月です(^-^)
第1子の母乳育児について模索していた中こちらでたくさん勉強させていただいています。
最近の授乳回数は1日1、2回程で、くわえる程度、日によっては忘れちゃって飲まない日もありますが、それでも、楽しい親子のコミュニケーションという感じで続いています。
「赤ちゃんにもおっぱいどうぞできる?」と聞くと「できるー♪」と答えてくれたりもします。

ところで、最近我が子が飲んでいたおっぱいをぺっと吐き出したので、不思議に思い味見してみると、おっぱいの味が変わってしまっていて、しょっぱくて、たくさん出てた頃の薄甘い味とは全然違うのです。
これは私の食生活に問題があるのか、それとも飲む回数が減ったからか、妊娠したからなのか、疑問に思っています。

<SOLANINの回答>
ええっとですね、これは間違いなく妊娠経過に伴う現象です。
決して、妊婦さんでもある相談者さんの食生活や、お子さんの飲む回数が減ってきたからというわけではありません。
恐らく大抵の授乳中の妊婦さんの場合、中期(安定期)に向けて、おっぱいの分泌量は減ってきて、あたかも初乳のような感じになってきます。(ほぼ分泌が停止する方もいらっしゃいます。)
そして、傾向として、およそ8ヶ月(30週)を過ぎるころから、おっぱいの分泌が徐々に復活してきます。
薄甘い好みの味まではもう一歩かもしれませんが。

おっぱいの味が好きでここまで来たおっぱい星人の場合、味の変化が原因で、妊娠をきっかけに、自然に卒乳してしまうことも見受けられます。
逆に、お母さんにくっつくのが好きで、おっぱい星人している場合、味は不問に付すようですな。(笑)

余談ですが、出産後、おっぱいの味が良くなれば、一旦自然卒乳していても、おっぱい星人リターンズということも、有り得ることです。
どのような展開をするかは現段階で分かりませんが、仮にリターンズになったとしても、発達が後退するわけではありませんから、あまり深刻に考えず、ありのままを受け止めてあげてくださいませ。

 

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2012年11月26日 (月)

母乳育児をするつもりなら哺乳瓶は早くから買いなさんな。

殆ど全ての妊婦さん関係の雑誌や情報誌を読むと、出産準備用品として、「哺乳瓶はマストアイテムだ。」「取り敢えず小さめの容量のものでいいので1本は必要!」と書かれています。
「完母を目指していても、ミルクを与える予定がゼロでも」「現在完母であっても」購入すべし・・・だそうです。
理由は、赤ちゃんの水分補給の際に使うため用としゃっくりを止める時にお水を飲ませるため用だとか。

ふ~ん、あっそうですか・・・(怒)
尤もらしい理由に思えるかもしれませんが、それは違うと思いますな。
そもそも、赤ちゃんの水分補給って、何ヶ月の赤ちゃんに対してですか?
退院されたばかりの新生児の沐浴後にですか?
1ヶ月健診を過ぎて、日光浴や外気浴をした後の赤ちゃんにですか?
もしも、それらの問いに「イエス!」と答えるならば、勉強不足も甚だしい!
離乳食が開始される、(5~)6ヶ月頃までは、完母・混合・完ミいずれの栄養方法を問わず、お白湯も薄めたお茶も不要ですよ。
それどころか、与えることによるデメリットの方が大きいことを過去記事を読みこなしていらっしゃる読者のみなさんであれば、既にご存知ですよね?
また、それ以降月齢の赤ちゃんへの水分補給をどう考えるかについても、過去記事をご精読いただければ、正しくご理解いただけるかと存じますので、もしも未読の方につきましては、しっかり検索してくださいな。

大体、しゃっくり止めだったら、ちょこっとだけおっぱいを含ませれば、ヒックヒックしながらも赤ちゃんは噎せずに飲みますし、見計らいですが、およそ30秒~1分間程度でしゃっくりは止まりますよ。
しゃっくり止めのためにわざわざお水を哺乳瓶に入れて飲ませる必要性なんて何処にもありませんよ。

安易な哺乳瓶の使用は乳頭混乱のリスクが高まるだけなのに、敢えて出産準備用品のマストアイテム推しするなんて、意味分かんないですよね・・・何がしたいわけ?って逆に訊きたいですな。
こういう「売らんかな」的な情報を鵜呑みにして、挙句の果てに我が子が乳頭混乱になってしまい苦しんでいらっしゃるお母さんは少なくないのに、そういう実態を何も知らないくせに、1本必要だのマストアイテムだの、よくもまぁ、いけしゃあしゃあと御託を並べることができますな。(嘆)

哺乳瓶は、どうしても必要になったら、その時に買えばいいのです。
出来れば、助産師にどれがその赤ちゃんに合っているのか確認してみてください。
(ちなみに「母○実○®」は個人的にはお勧めできません。)
月齢によっては、哺乳瓶を使わずとも、ストローやコップで充分に飲めますし、百歩どころか1万歩譲っても、母乳育児をする予定ならば、哺乳瓶なんて妊娠中から張り切って購入するような物品ではないと言えますな。

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2012年11月20日 (火)

過剰な体重増加制限は、低出生体重児の増加を招く。

低出生体重児の出生する割合が年々ジワジワ増えていると言われています。
昔に比べ、妊娠前の体型がやせ形の20代30代女性が増えていることや、やせ形の女性は妊娠中にある程度体重増加が必要なのに、体型が変わるのが嫌だからとか、おなかの中で大きな赤ちゃんに育つと出産が大変だからとかの理由で極端に食事制限をして、結果おなかの赤ちゃんが発育不良になるという場合も珍しくないのが現状です。

低出生体重児に懸念されることは、将来生活習慣病になり易いとか肥満になり易いということです。
そういう内容の話を聞かれたことのある読者さんは少なくないと思います。
それは決して赤ちゃん時代にしっかり飲ませて体重を挽回しなければ!というのが原因ではなく、やはり、おなかの中に居るうちから、少ない栄養で必死に育たなくてはならないという過酷な状況がカラダに刻み込まれているので、普通~若干多めかな?という程度の摂取量であっても、ここぞとばかりにババ~ンと備蓄するようにプログラムされているからだと推察されているようです。

妊婦さんの体重の増え過ぎは良くないですが、増えなさ過ぎも良くないのですね。
最近は何処の産婦人科ドクターでも、BMIに基づき、「アナタに適正な妊娠中の体重増加は●kgです。」と妊娠初期に教えて頂ける筈です。
体重管理は妊婦さんが主体的に出来る、おなかの赤ちゃんのための大切なアクションなのです。
臨月には過不足ない適正な体重増加となるように、出来る限りのことをしていきましょうね♪

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2012年11月18日 (日)

双子ちゃんの母乳育児の確立にまず必要なのは?

双子ちゃんの場合、正期産まで妊娠を継続し、尚且つ二人とも2500g以上ということが皆無ではありませんが、大多数は週数に対して小粒な発育状態(いわゆるIUGR)になりがちです。
管理入院をしていても、止むを得ず早産になることもあります。
在胎週数や赤ちゃんの体重にもよりますが、特に日齢の若いうちは、ギャン泣きすることは少なく、よく眠っていることが多いです。

哺乳については、運良く鼻注(=赤ちゃんの鼻腔から胃に管を通して注入する栄養方法)を免れても、恐らくは柔らかいゴム乳首を含むのに精一杯という状態がしばらく続きます。
端的に申しまして、お母さんのおっぱいを吸啜する以前の、それこそ開口して咥えることすら難儀な段階が続くということです。
吸啜が出来たとしても、せいぜいお口を数回クチュクチュしたらもう体力の限界に達します。
頑張り過ぎると、小児科ドクターの指示量を哺乳出来なくなってしまうくらいの僅かなスタミナしか持ち合わせていません。

ですので、一般的な健常新生児とは異なり、双子ちゃんで母乳育児の確立を目指すには、理屈抜きに搾乳が重要になってきます。
直母だけでいきたい気持ちは分からなくもないですが、それはかなり高いハードルなので、敢えて当面の目標は、搾乳で哺乳量を確保することとしてください。
そのためには、過去記事にも書いていたかと思いますが、妊娠中から乳房基底部を揺らすマッサージを1日に2(~3)回程度行ってもらうと効果的かと思われます。

経産婦さんで、前回の出産時に分泌過多だったとしても、今回の妊娠が双子ちゃんの場合に限っては、乳房基底部を揺らすマッサージをしてください。
何故かというと、前回とは異なり、哺乳量が2人分必要だからです。
1人の赤ちゃんに母乳育児をするには分泌過多だったとしても、2人の赤ちゃんに母乳育児をするには、そのくらいで丁度必要な哺乳量に相当する分泌が賄えるであろうからです。
また、1回の授乳に要する時間も、お母さんの体力消耗も2倍以上になるので、お母さんの休憩時間を確保するためには、搾乳をがっつり哺乳させ、しっかり体重増加させることが不可欠になります。

ある程度双子ちゃんの哺乳力が向上すれば、直母は練習次第で可能になりますから、決して焦らず、慌てず、諦めず、まずは搾乳を頑張りましょう。

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2012年11月11日 (日)

赤ちゃんの耳が臭い!?(新生児~1ヶ月児)

1ヶ月の乳児健診の場で、時々お母さんがドクターに質問されることのうちのひとつが「赤ちゃんの耳が臭い!?」ということです。
恐らくですが、赤ちゃんに向き癖があり、同じ方向ばかり向いて寝かせているため、下側になる方の耳だけ蒸れてジメジメしてしまうことが大きな原因です。
そのため赤ちゃんの耳に鼻を近づけるとプ~ンと臭ってくるのです。(汗)

この場合、向き癖が問題発生の源なので、耳鼻咽喉科的というよりも、どちらかと言えば、整形外科的な視点から改善を図る必要があります。

赤ちゃんは明るい方を向きたがる習癖がありますので、普段向き難い方向を明るくするのもイイと思います。
頭の歪みを軽減させることにも繋がりますし。

そうではなくて耳掃除をしたら、かき氷のシロップのような綺麗なレモンイエローの滲出液が綿棒に付着した・・・なんてことがあったらそれはもしかしたら、緑膿菌に感染したのかもしれませんぞ。
SOLANINも大昔ですが、ひとりだけそのような新生児に遭遇したことがあります。
気のせいかもしれませんが、その赤ちゃんの耳の匂いは独特の生臭さというか、半乾きの海藻のような臭さがあったように記憶しています。

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2012年11月 7日 (水)

妊娠中のお手入れをする意義を再考する。

妊娠中に乳頭・乳輪のお手入れは不要と仰る方は少なくないようですが、お手入れをしている妊婦さんは、直母に向けてのコンディションは良くなることはあれ、悪くなることは無いです。

柔らかくて伸びが良くなることは、経験上間違いないと思います。

しかし、お手入れをしていないと、乳頭・乳輪のコンディションが整わないため、いざ授乳が始まると、口先だけで吸わざるを得ないので、浅飲みにならざるを得ないことがあります。

浅飲みの何が問題になるかと言えば、乳頭に亀裂が入ったり、乳輪が浮腫んだりする原因になるからです。

特に初めての妊娠である場合、妊婦さん自身が助産師でもない限り、ご自身の乳頭・乳輪のコンディションを客観的に評価をすることは困難です。

赤ちゃんの浅飲みを予防するためにも、しっかり深くラッチオンできるように妊娠中からケアをすることが重要です。

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2012年11月 2日 (金)

悪阻がある時の授乳について。

現役おっぱい星人が居ながらも次の赤ちゃんを妊娠した場合、授乳していない時の悪阻よりも授乳中の悪阻を強く感じる妊婦さんは多いものです。
これは授乳中に分泌されるホルモンの影響と言われています。

只でさえ、おなかが空いている時は悪阻が強く感じられるのですから、症状を緩和するためには、何か少しでも食べてから授乳することをお勧めします。
悪阻を我慢しながらギリギリまで授乳していると、最中にお母さんが嘔吐してしまうことがありますので、くれぐれも無理は禁物です。
「もうダメ、吐いてしまう!」となったら、速やかにおっぱい星人に「ごめんね。」と伝え、授乳を中断し、吐いても差し支えない場所に走り込んでください。

おっぱいを中断されたらお子さんは泣き出すでしょうが、お母さんが尋常ではない様子は子どもなりに感じ取りますから、暫くしたら泣き止み、お母さんのことを心配そうに見ていると思います。
悪阻はあるけれど短時間だったら耐えられそうな場合は、授乳前に「お母さんね、今しんどいからちょっとだけだよ。」と念押しの予告をして、心の準備をしてもらってから飲ませてあげてくださいね。

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2012年9月26日 (水)

頸が据わっていない赤ちゃんは授乳時に後頭部をしっかり把持する?

頸が据わっていない赤ちゃん(健常新生児であれば、概ね生後3ヶ月半頃以前・早産児は修正月齢で同様)に授乳する際は、深いラッチオンのためにも、後頸部を親指と人差し指の股の間で支えるように把持してください。
いかなるポジショニングであろうとも、赤ちゃんの後頭部がガクンと下がって、赤ちゃんの顎が上がり気味で、お母さんをグイッと見上げるような感じがベストです。(マーチングバンドのメジャーの決めポーズみたいですな。)
先日どこだったかで、「授乳時は赤ちゃんの後頭部を鷲掴みにしない。」という表現を耳にしました。
当たり前です。
頸の据わりの有無にかかわらず、赤ちゃんの後頭部を鷲掴みにして授乳なんかしようものなら、物凄く嫌がりますからね。
哺乳ストライキになっちゃうかもしれません。(汗)
かといって、頸の座っていない赤ちゃんなのに、恐る恐るそっと後頭部に手を添えるような支え方(卓球のサーブの時、手の平にピンポン球を載せて構えている感じですな。)では、相手も居ないのに、いきなりカクンと前のめりにお辞儀しちゃいます。
ラッチオンそのものがが出来なくなりますからNGですな。
冷静に考えれば判ると思いますが、カンガルーケア以外の時に、真下向いて、真っ当なラッチオンンなんか出来るわけがありませんよね?

後頸部をしっかり支えているつもりであっても、赤ちゃんをお母さんの太腿に跨らせたら赤ちゃんの頭部がカクンと前のめりにお辞儀しちゃうのであれば、それは、正しい支え方ではありません。
正しく支えていれば、赤ちゃんの頸はグラグラしません。
出来るまで、何度でも支え直して練習しましょう。
見切り発車で、ラッチオンさせても、乳頭や乳輪に傷が出来て痛い目に遭うか、時間をかけて授乳しても、浅飲みなので量にならないということも多々ありますので、ご注意くださいね。

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2012年9月10日 (月)

特に妊娠12週迄は、レバーや魚の肝の摂取にご用心。

妊娠中の貧血予防と言えば、「レバーや魚の肝を食べればいいのよね!」という妊婦さんや医療者は意外と多いものです。
しかし、レバーや魚の肝には鉄だけではなく、動物性ビタミンA(レチノール)がとても多く含まれます。
妊婦さんのビタミンAの上限許容量は、5000IU(レチノールに換算して1650㎍)/日ですが、読者のみなさんはご存知でしょうか?
これは鶏や豚のレバーであれば約12g程度、牛レバーであれば150g、フォアグラであれば165g、鮟鱇の肝であれば約20g程度、鰻の肝であれば、約38g程度です。
注)植物性ビタミンA(βカロテン)については、体内でビタミンAに変化する前駆体のプロビタミンAなので、過剰摂取による胎児奇形の危険性云々は心配ないとされています。

妊娠中の貧血予防は大事ですが、特に妊娠12週迄は、わざわざ胎児が奇形を起こすかもしれない危険を冒してまでレバーや魚の肝を食べるのは如何なものかと思います。

そもそも、妊婦さんが貧血になり易い時期は、「お腹の赤ちゃんがグングン大きくなる」&「循環血液量が増加する」妊娠後期です。
悪阻が収まれば、バランスを考えたお食事も作れると思います。
レバーや魚の肝以外にも、鉄を含む食品は色々ありますし、調理方法や味付けに工夫すれば、吸収率も高まります。

色々頑張ったにも関わらず、残念なことに鉄不足による貧血になってしまった場合は、産婦人科ドクターから、鉄剤を処方されることになるかと思います。
ただ、過去記事にも書きましたが、鉄剤の困ったトコロは、吐き気と便秘を伴い易いため、自己判断で服薬中止をする妊婦さんが居ることです。
でも、鉄剤の自己判断での服薬中止は、絶対にしないでくださいね。
吐き気と便秘を克服するには、服薬のタイミングを工夫したり、水分の摂取や食物繊維を含む野菜や海藻をメニューに採り入れることにより解決の糸口が見つかります。

余談ですが、どうしてもの場合は、鉄剤を注射に切り替えてもらうことも可能です。
(注射の場合、定期的な通院が必要ですが、自宅から罹りつけの産婦人科が遠くて足繁く通院するのが困難な場合は、近医宛に注射をしてくださいという旨の依頼書を産婦人科ドクターにお願いして書いていただき、通院の負担を減らすことも出来るかと存じます。)

※この記事のコメントは見つかっておりません。ご了承下さい。

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