母乳だけで育てられている赤ちゃんの占める割合を母乳率と称します。
我が国では従来、1ヶ月時の母乳率は概ね45%前後と発表されていました。
(昭和55年45.7%、平成2年44.1%、平成12年44.8%)
しかし、平成22年の厚労省の調査結果(10年毎に発表される、母子保健関係の公的な統計です。)によると、なんと51.6%にアップしているのです!!!
これは凄いことです。
ちなみに従来、4ヶ月時の母乳率は、概ね35%前後と発表されていました。
(昭和55年29.8%、平成2年35.3%、平成12年35.9%)
しかし、平成22年には、ななんと55.8%と、飛躍的に上昇しています。
しかも、下がる一方だった筈(?)の母乳率は1ヶ月時よりも増加しているのです。
混合の方の占める割合に大きな変化はないのですが、いわゆる完ミの方の割合が激減しているのですね。
SOLANINの個人的見解かもしれませんが、平成12年以降の10年間とそれ以前との大きな違いは、仮に入院中に母乳育児のスタートで躓いても簡単には諦めず、上手くいくためには退院後も努力を惜しまないお母さんが増えてきたこと、そういうお母さんのニーズに応えようとする、母乳育児を支援する産科施設(BFH認定病院やそれに準ずる病産院)及び医療者が少しずつ増えてきたからではないかと思います。
勿論、都道府県格差は大きく、なんちゃって母乳育児推進病産院やトンでも母乳育児支援医療者による保健指導に右往左往させられたり、傷つけられることも否めませんが、産婦人科医師の減少や助産師の飛躍的な増加が見込めないマンパワー不足に伴う産科施設の集約化という悩ましい産科医療にシフトしていく中で、母乳育児については、大健闘ではないでしょうか。
当ブログも、微力ながら読者のみなさんのリラクテーション(混合から母乳への移行・母乳復帰)や母乳育児のモチベーション継続に貢献できるような、正しい知識の発信を続けて行きたいと思います。
<ご相談内容>
ウチの祖母は昔からの風習というか因習に拘るタイプで、口癖のように、「産後は水を触ってはいけない。洗濯や茶碗洗い等もっての他!」と言います。
先日私が赤ちゃんの肌着をささっと手洗いしていたら、物凄く叱られました。
でも、正直言って、祖母のいうことは、私には意味不明です。
(祖母80歳。実母57歳。私29歳。)
ちなみに私は産後18日目です。
どうしたものでしょうか?
<SOLANINの回答>
産後の風習は色々あって、「水を触ってはいけない。」というのは、21世紀になって久しいのに、今でもしばしば耳にしますね。
これは、我が国がまだ貧しかったころの言い伝えの名残でしょう。
つまり、米を研ぐのも屋外の井戸端で、洗濯は川へ行きましたとさ・・・の昔話に出てくる時代は、確かに水を触ると体が冷えてしまいがちでした。
冷えは抵抗力の低下している産後の母体にダメージを与えます。
産後の肥立ちが悪いと、命取りになることが多かった昔は、母体を労わるために戒めの言葉として、そう言われたのでしょう。
しかし、相談者さんのお気持ちも分かります。
今どき、屋外の井戸端でコメを研ぎ、川へ洗濯に行く方はまずもっていらっしゃいませんね。
もしも、水を触るのが嫌ならば、大抵のお家では、蛇口を捻れば、適温のお湯が出てきます。
茶碗洗いも、お家によっては食器洗浄機が片付けてくれることもあるでしょうし、洗濯物は、通常、洗濯機を使います。
現代に生きる私たちは、産後であろうとも、体が冷えるほどの水を触ることは、殆ど無いと思います。
なので、相談者さんのおばあちゃんの仰ることは、内容的に今の時代とは合わないトコロもあるのですが、身内の年配者ゆえ、無下には出来ませんから、ここはひとつ、上手に受け流してくださいね。
<ご質問内容>
医療技術が日進月歩で進歩しているこの世の中で、なぜ「母乳」についてこんなに「昔からの言い伝え」的なものが「常識」として未だにまかり通ってしまっているのでしょうか…
母乳は、赤ちゃんを一人前の大人に成長させるための根本にあるもので、医療の根底にあるべきものだと思うのですが…
母乳育児については医療の世界ではあまりメジャーではないのでしょうか…
全く知識のない人間の生意気な発見をお許しください。
<SOLANINの回答>
仰る通りだと思います・・・と、言いたいところですが、これがどうもそうとは言い切れないのですね。
と申しますのも、「母乳育児」というモノは、厳密に言えば、医療の範疇に入らないという考え方が、医療者の多くの考え方でもあるからです。
医師や看護師の養成コースでは、「母乳栄養」についての講義は、ちょこっとだけあります。
栄養素や免疫の話ですね。
でもね、「母乳育児」については、ほぼ皆無といってよいくらい不毛なのですよ。
そもそも、教育のカリキュラムに入ってないのです。
助産師の養成コースで、かろうじて若干有るかどうかのレベルです。
助産師教育の中心は助産診断と分娩介助が中心ですからね。
「母乳育児」は習俗的なモノとか生活の一部というか、医療とは別のモノという考え方をされるエライさんはまだまだ多いのです。
確かに大昔はそれで良かったのかもしれません。
しかし、習俗的なモノとか生活の一部と見做したら、当然母から娘(や嫁)に伝えていけるはずのモノですが、今のおばあちゃん世代は、ミルク育児全盛時代に子育てをしていらっしゃったので、ミルクの調乳指導は出来ても、「母乳育児」のなんたるかを教えてあげられなくなっているのが現実なのですね。
ですので、「ミルクでも充分に赤ちゃんは育つのに、なんでウチの娘(や嫁)は母乳に拘るのかしら?」という疑問でモヤモヤしているおばあちゃんは実に多いです。
医療者の中にも教育に組み込まれていないが故に、また、勤務先がミルク屋さんと仲良しであればある程、授乳介助にかかわる業務がラクですし、給与にも反映されませんから、「母乳育児は総論賛成・各論反対」「母乳かミルクかはお母さんが選択されるものであり、医療者が母乳育児を推進するのは医療者のエゴではないか?」的な発言をされる方もいらっしゃるのですね。(泣)
もっと酷い方になると、産婦人科・小児科領域でお仕事していらっしゃっても、「母乳育児」には全く無関心・・・な方さえいらっしゃいます。(涙)
ということは、裏を返せば、産婦人科・小児科領域以外のの医療者のみなさんで本気で「母乳育児」の推進・支援を考えてくださる方は、BFH勤務者か恐らく当ブログの読者さんで、「母乳育児」を実践していらっしゃる方くらいではないかと推定されます。
現在の我が国で、いやしくも「母乳育児」の推進・支援している医療者と公言している方で、「あなたは何処で母乳育児の知識や技術を身につけましたか?」と聞かれて、「ほぼ全て学生時代です。」と、答えたら、その方は正直言って余り期待できないと考えてください・・・という過去記事、お読みになりましたか?
(唯一例外があるとしたら、BFHで臨床実習された方くらいですかね?)
以前震災関連の記事を書いた時に、「そもそ被災地で母乳育児を推進・支援する医療者の活動やPRが不足している。」と批判的なコメントが寄せられましたが、我が国のBFHで生まれる赤ちゃんの人数がようやく全出生数の3%にまで来た段階だということは読者のみなさんもあまりご存じではないかと思われます。
「今からBFHを目指そう!」という病産院や「BFH認定されていないけれどほぼ同等に近い?」という病産院、それと助産院で生まれる赤ちゃんの人数を入れても恐らく10%程度ではないかと思われます。
・・・ということは、母乳育児を推進・支援する、産婦人科・小児科領域の医療者の割合もそれとおっつかっつなのですよ。
3(~10)%VS97(~90)%。
正直言って、気の遠くなるような差ですわ。
でも、そこで諦めたら、救われない母子が如何に多いかということが、分かっているから、「母乳育児」の推進・支援をする医療者は頑張っているのですね。
SOLANINも毎日必死にボランティアで(←これも変な表現ですが)記事を書いているわけです。
長文になりましたが、SOLANINの言わんとすること、分かっていただけましたか?
ミルクナースって言葉、聞いたことがありますか?
ミルクナースとは、白衣姿のミルク屋さんの営業系社員です。
栄養士さんや看護師の資格を有する方たちが大半ですが、中にはそういう資格を持たない方も居たそうですよ。
一応、日本国内には、そういう名称の職業はありません。(近似値的な職業は有りますが・・・)、海外特にアジア・アフリカ諸国では、スタンダード化された職業でした。
ミルクナースとは、莫大な利益を生むと考えられた育児用粉ミルク市場を更に拡大させるための販売促進業務を担った人達を指します。
具体的な販売促進業務は、ミルクのサンプルの無償配布・調乳指導です。
産後間もないお母さんたちに、「おっぱいよりも、優れていますよ。」「簡単に準備できますよ。」「ミルクは先進国でも普及していて文化的なのですよ。」等の殺し文句を携えて、おっぱいの出方に関係なく、ミルクをどんどん言葉巧みに勧めます。
なにしろ、ミルクナースは貧しい地域の方に無償配布・調乳指導をするのですから、とても親切そうな善意の第三者に見えてしまいます。
ここで思い出してほしいのは、おっぱいはまともに吸わせないことが、1週間も続けば、おっぱいを作る「プロラクチン」の血中濃度は妊娠前のレベルにまで低下するということです。
貧しい地域のお母さんたちを、出産間もない頃から、さんさんミルク浸けにしておきながら、いよいよおっぱいが出なくなってきても、ミルクをそれ以降も無償で配布されることはありません。
そうです、購入せざるを得ない状況に追い込むわけです。
しかし、育児用粉ミルクはあまりに高価なので、貧しい地域のお母さんたちは長持ちさせようと、規定濃度よりも薄めてのませようとしてしまいます。
薄めると過去記事にも書いておりますように、栄養分の吸収率が悪くなりますね。
また、先進国のように上水道・下水道整備されておらず、泥や汚物の混じったようなお水で調乳し、結果乳児がバタバタと下痢で死んでしまうということも日常茶飯事に起こっています。
結果多産に拍車をかけ、さらに貧困化が進む・・・という悪循環があり、これを断ち切るのは母乳育児の推進しかないと、WHO/ユニセフも気が付き、WHOコードや10カ条がつくられるという流れになって行くのです。
「母乳外来」・・・恐らく、赤ちゃんのおばあちゃん世代以上の方は何故「母乳外来」なるものが存在するのか、良く分からないかも知れません。
一昔前は「乳房外来」と名乗っているところが多かったようですが、これはO式をはじめとする、乳房管理を中心として、乳腺炎の治療に重きを置いていたことの名残かと思います。
それと、マンモグラフィーが普及してきて、乳がん検診目的の部門だと誤解される方が続出したので、名称的に紛らわしいということもあって、「母乳外来」と言う名称に切り替わってきたようですね。
★病院も確か8年くらい前に改称しましたね。
で、記事タイトルの件ですが、これは何故かという話に戻りますと、赤ちゃんのおばあちゃん世代は今以上にミルク育児全盛期だったのですね。
ここ10年の日本に於ける1か月時点での完全母乳育児率は、40%台前半を推移しているのが現状ですが、赤ちゃんのおばあちゃん世代はそれ以下なのです。
最低ラインだった頃のそれはせいぜい20%台半ばという有様で、殆どの赤ちゃんのお母さんが母乳で育てるという意識が欠落していたのです。
もちろん、医療者もミルクを勧め、ミルク屋さんの営業活動もすさまじく、母乳で赤ちゃんを育てることは、時代遅れのような感覚だったのですね。
なので、昔は「母乳外来」なんてなかったわよ!・・・という発言を多く聞くのですね。
では、赤ちゃんのひいおばあちゃん世代以上はどうなのか?
その世代はおばあちゃん世代以降のように核家族が主流ではなく大家族で地域とのつながりが密接で世話焼きのおばちゃんが近くに居るという環境が普通でした。
そのため、母乳で赤ちゃんを育てることは論じるまでもないことで、当たり前だったから、「母乳外来」なんてものは存在しなかったのです。
家庭内で母から娘若しくはお嫁さんに伝承されることで、医療が介入するようなことではなかったのですね。
そういうことなんです。
確かに昔は「母乳外来」なんてなかったわよ!・・・なのですが、★病院の母乳外来にはご実家のお母さんとご一緒に受診される方も3割位は居られます。
で、同じことを仰るのですが、同伴されているだけあって、仰ることが違います。
記事タイトルのセリフの後に「でも、今はこうやって色々教えてもらえて良いわね。昔私が新米お母さんだった頃もこういう機会があれば、もっとおっぱい楽しくあげられたり、長くあげられたり出来たでしょうに。羨ましいです。退院後のサポートが行き届いているんですね。」という意味のことを口にされます。
母乳がたっぷり出たのに、敢えて薬で止めてミルクをあげた方も少なくありません。
赤ちゃんのおばあちゃん世代が完ミで育てたのはある意味時代の流れで、そういうサポートが皆無に近かったから上手く行かなかったという悲しい現実があったのですね。
完ミである理由が母乳育児が嫌だったから・・・という方は非常に稀だと思います。
止むを得ず、例えばミルク育児推進病院でサポートが無かったから、誤った知識を注入されて泣く泣く早期断乳を余儀なくされたからとか、お母さんや赤ちゃんの病気のためとか、そういう方が非常に多いのではないかという気がいたします。
一昔前よりも母乳育児支援は前進しているとは思いますが、まだまだ普及途上なのでしょうね。
ハーブの研究については日本よりも欧米の方が進んでいると、過去記事に書きました。(憶えておられますかな?)
読者さんの鮎美さんからコメント欄にお知らせいただきましたが、なんとD〇Cさん、販売終了されるそうです。
え~!なんで?マジですか?とても残念です。
つい数日前に私D〇Cのオンラインショップで購入したばかりです。
でも、そんなお知らせは、荷物の中には入っていなかったなぁ。
マリアアザミは7月7日(水)で販売終了。(1207円/30日分)
コロハ(=フェヌグリーク)は8月10日(火)で販売終了。(1155円/30日分)
お手軽なお値段で国産で購入手続きも簡単なのに・・・
マイナーなハーブだから、あまり売り上げにつながらなかったのかな?
マリアアザミはウコンと同じように、肝臓を強くする作用もあります。
コロハは桑の葉と同じように、血糖の気になる方にも良いとされています。
でも、そういった代替のサプリメントが無い、母乳育児中のお母さんは大変困られるかと思います。
細々でも販売継続してくれたら有り難いのですが。
お近くに直営店のある方はそちらで、そうでない方はオンラインショップで購入できたのに・・・
駆け込み購入するしかないのかな?
みんなで販売継続を訴えるか?
さて、どうしましょうか?
D〇Cの関係者さん、この記事を読んでくれたら助かるけど・・・
突然ですがカナダに在住のドクターでジャック・ニューマンさんという方がおられます。(以下ジャックさんと記載します。)
ジャックさんは母乳育児の大変深い理解がある方です。
ジャックさんのご著書には、おっぱいの分泌を高めるハーブの紹介があります。
日本国内ではまだ、おっぱいの分泌とハーブの関係については研究している方は殆どおられないようなので、知らない方の方が多いかもしれません。
さて、おっぱいの分泌を高めるハーブは何なのか?
興味のある方も少なからずおられるのではないでしょうか?
ジャックさんによれば、それらは「マリアアザミ」「フェヌグリーク」だそうです。
これらのハーブについては匂いが厭という方もおられるので、サプリメントで摂取する方法を勧めておられます。
「マリアアザミ」は一般的には肝臓に良いとされるハーブです。
「フェヌグリーク」はカレーの成分のひとつでもあります。
ジャックさんたちの経験によればこれらはおっぱいを増やし、流れをよくする効果があるそうです。
産後早期の方が良く効くそうですが、暫く経ってからでも、効く場合があるとのことです。
安全性については赤ちゃんへの影響は殆ど無いとのことです。
お母さんが大量摂取すると、腹痛や下痢をすることもあると言われています。
しかし、ジャックさんの患者さんの中には、副作用のあった方は居られないとのことです。
効果があるとしたら、早ければ24時間以内から、遅くとも1週間以内におっぱいの量が増えたと実感できるそうです。
どの位の量を摂取するかというと、1回各3錠(3カプセル)で1日3回とジャックさんは仰っています。
あまり耳にすることのない「マリアアザミ」「フェヌグリーク」なんてハーブのサプリメント、売ってあるのかしら?と検索したら、有るんですね。これが。
しかもお値段も決して高くはないし。
もちろん効果のほどには個人差があり、これらのハーブがお母さん各自のおカラダに合う・合わないということもあるでしょう。
なので、おっぱいの分泌で手を拱いているのなら、例えば1週間くらいならチャレンジしてみる価値があるのではないでしょうか?
トルコ帝国に占領されていた頃のギリシャの母乳を紹介する文章ががありました。
もう、24年くらい前の文献を読んでいたら出てきましたのでご紹介します。
昔のお母さんは当たり前ですが自分の赤ちゃんは自分の母乳で育てました。
赤ちゃんの養育に問題がある時(たとえばお母さんが病気・出産で死亡した時など)に限り、乳母を捜して飲ませてもらうという方法をとっていました。
ギリシャでは、自分の子以外に母乳を飲ませてあげる女性をフォスターマザーと呼んでいたそうです。(フォスターマザーとは直訳すると育ての母ですな。)
ギリシャ国内の宗教では、おそらく信者さんが一番多いのはギリシャ正教会でしょうが、教会がこれらのフォスターマザーをとても尊重していて、敬意を表していました。ギリシャ正教会の方たちは真夜中に礼拝をする習慣があるのですが、司祭さんはその際も真っ先にサクラメント(=聖体)をフォスターマザーの捧げました。
大勢の赤ちゃんに母乳を与えたフォスターマザーは自動的に罪が許されたり、9人以上の赤ちゃんに母乳を与えた場合は殆ど聖人と同格扱いで「聖マリナ」と呼ばれたました。
乳母が見つからない場合は牛・ヤギ・羊・ロバなどの乳が与えられた。
しかし、これらの動物の乳はたんぱく質が多過ぎて赤ちゃんの命にかかわる事態もしばしば見られました。
ちなみにたんぱく質の含有量はヒトの母乳に対しロバが2倍、牛・ヤギが3倍、羊に至っては5倍です。
(たんぱく質が濃過ぎることの弊害はフォロミに関する過去記事で書きましたので、読者のみなさんはご存知ですよね?)
ギリシャのお母さんたちは母乳生産のメカニズムがとても繊細なモノであるか、心理的・環境上の要因によって影響を受けるものであるということを体験的に知っていました。
それゆえ子どものころから娘には母乳哺育のてほどきをしていました。
娘の3歳の誕生日には洗礼を受けさせた花嫁人形を与え、その人形はその子に母乳を与える役割を担った。(もちろん作りごとですが。)
娘が12歳になり初潮が訪れたら胸のトコロが二つに割れた服をプレゼントする習慣もあり、赤ちゃんに授乳する準備が出来ていることを意味するものでした。
娘が結婚して最初の出産をしたら母親以外に2人の母乳哺育経験者の婦人もしくは助産師に助言を求めたり、手助けしてもらうことになっていた。
これらの習慣の大部分が今もギリシャ社会に根付き、今日も受け継がれているとのことです。
地域社会・信仰の場・母から娘へと様々な方向から母乳を与えることが保護されているって素晴らしいですね。
お国柄の違いでしょうが、中国人の方はあまり母乳育児に興味がないのか、ミルクを足したがる方が多い印象を受けます。
しばらく前なんて、「★病院はミルクが貰えないから・・・」と、予め入院の際にミルク缶・哺乳瓶・消毒セットなど一揃い準備して、初日から(もちろん医学的理由もないのに)いきなり病室で調乳して、赤ちゃんにミルクを与えるという暴挙に走ったお母さんがおられました。
出身地域にもよるのでしょうが、とにかく赤ちゃんは丸々と太らせるのが美徳のように捉えられており、生理的体重減少すら許せない口ぶりでしたが、根気よく説明して、どうにか理解してもらえました。
SOLANINは中国語が喋れないから、通常のお母さん向けのパンフレットを簡単に漢字に書き換えました。
赤ちゃんのABRの結果報告書まで、漢字に書き換えました。
(これも日中友好のためになるかって・・・なんちゃって。)
文法は英語と同じようだと聞いていたので、「主語+動詞+目的語」のみでしたが。
でも、それで十分に伝わりました。
尻込みせずに、やってみるものですね。
暴挙のお母さんも退院時以降はおっぱいのみで、育てておられます。
《追伸》
外国人のお母さんの場合、大事な説明は通訳か旦那さん(ほぼ全員日本人ですが稀に夫婦で外国人の場合もあり)と一緒にお話を聞いてもらいます。
私はこれまで、愛の力で旦那さんが外国語をマスターして結婚されたのだと思いこんでいましたが、最近は「電子辞書(翻訳機)」で愛の言葉も伝達事項も済ませる方もちらほらおられます。
ある意味凄いなぁって思いました。
★目次★ ★カテゴリー目次★ ★妊婦さんから読んでね ★今度こそ母乳育児 ★おっぱいに関する私見 ★おっぱいの神秘 ★おっぱい豆知識 ★母乳の歴史・風土・習慣 ★免疫 ★授乳回数と間隔 ★搾乳・ミルクの補足判断 ★混合栄養の方のミルクの補足の仕方 ★搾乳・冷凍母乳 ★卒乳 ★母乳分泌・不足感 ★乳房トラブル ★乳頭・乳輪トラブル ★おっぱいとお薬 ★乳頭混乱の予防・克服 ★お母さんの健康チェック ★仕事復帰との両立 ★産婦人科以外の不調時の対処 ★赤ちゃんのカラダと発達 ★赤ちゃんの個性 ★胎内記憶の実話 ★うんち ★睡眠時間・ねんね ★歯科・口腔ケア関連 ★予防接種・抗体接種 ★体重増加のヒント ★体重増加不良に影響する病気 ★赤ちゃんの病気・おっぱい ★吐乳・赤ちゃんの嘔吐 ★哺乳ストライキ ★水分・補完食(離乳食) ★フォロ-アップミルクは不要 ★アレルギー ★母子感染 ★母子整体関連 ★気をつけてね ★集団健診の実態 ★SOLANINの引き出し ★SOLANINの提案 ★SOLANINの本棚♪ ★SOLANINのブログ