無料ブログはココログ

« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »

2012年9月

2012年9月30日 (日)

お勧めしたい書籍『アエラ ウィズ べビー10月号』

今月は厳密に言えば、雑誌であり、書籍ではないのですみません。
手前味噌で恐縮ですが、9月中旬発売の隔月刊誌『アエラ ウィズ ベビー10月号』には別冊でスペシャル付録として、『最強母乳外来』第1弾&第2弾のお試しブックが付いています。
スペシャル付録が付いていて、価格はいつもと同じですから、お得ですよ♪

特集の「ちゃんとしつけができるママですか?」は、とても面白く読めました。
はぁ~、この記事は長男が生まれた時に読みたかったなぁ・・・

『アエラ ウィズ ベビー』という雑誌には、赤ちゃん雑誌全般から俯瞰(ふかん)すると、立ち位置的に、何となくちょっとお硬い印象があるかもしれませんが、ちっともそんなことはないです。
共感できる本音トークもあるし、絵や図表も多用されていて、分かり易いです。
個人的には、編集スタンスが、お母さんの気持ちに寄り添いつつも、一本芯が通っていて、ヘンに阿(おもね)たりしないトコロに好感が持てますね。
《定価は680円》
4910014631021
お近くの書店様でも、ネット書店各店でも販売していますので、是非手に取ってご覧ください。
「書籍を持っているから、スペシャル付録は要らないなぁ。」という方は、母乳育児で悩んでいらっしゃる周囲のママ友に、スペシャル付録をプレゼントしてあげたら喜んでいただけるかもしれませんよ。
ブログ読者さんの中で、書籍を買うかどうか迷っていらっしゃる方、取り敢えず雑誌のスペシャル付録をお読みいただいて判断されては如何でしょうか?

続きを読む "お勧めしたい書籍『アエラ ウィズ べビー10月号』" »

2012年9月29日 (土)

日本の母乳率 その2

母乳だけで育てられている赤ちゃんの占める割合を母乳率と称します。
我が国では従来、1ヶ月時の母乳率は概ね45%前後と発表されていました。
(昭和55年45.7%、平成2年44.1%、平成12年44.8%)

しかし、平成22年の厚労省の調査結果(10年毎に発表される、母子保健関係の公的な統計です。)によると、なんと51.6%にアップしているのです!!!
これは凄いことです。
ちなみに従来、4ヶ月時の母乳率は、概ね35%前後と発表されていました。
(昭和55年29.8%、平成2年35.3%、平成12年35.9%)
しかし、平成22年には、ななんと55.8%と、飛躍的に上昇しています。
しかも、下がる一方だった筈(?)の母乳率は1ヶ月時よりも増加しているのです。
混合の方の占める割合に大きな変化はないのですが、いわゆる完ミの方の割合が激減しているのですね。

SOLANINの個人的見解かもしれませんが、平成12年以降の10年間とそれ以前との大きな違いは、仮に入院中に母乳育児のスタートで躓いても簡単には諦めず、上手くいくためには退院後も努力を惜しまないお母さんが増えてきたこと、そういうお母さんのニーズに応えようとする、母乳育児を支援する産科施設(BFH認定病院やそれに準ずる病産院)及び医療者が少しずつ増えてきたからではないかと思います。

勿論、都道府県格差は大きく、なんちゃって母乳育児推進病産院やトンでも母乳育児支援医療者による保健指導に右往左往させられたり、傷つけられることも否めませんが、産婦人科医師の減少や助産師の飛躍的な増加が見込めないマンパワー不足に伴う産科施設の集約化という悩ましい産科医療にシフトしていく中で、母乳育児については、大健闘ではないでしょうか。
当ブログも、微力ながら読者のみなさんのリラクテーション(混合から母乳への移行・母乳復帰)や母乳育児のモチベーション継続に貢献できるような、正しい知識の発信を続けて行きたいと思います。

続きを読む "日本の母乳率 その2" »

2012年9月28日 (金)

乳汁生成Ⅰ期には、吸啜刺激は不要なのか?

ずっとずっと前の過去記事でも述べている通り、おっぱいが生産される時期はおおまかに分けて3つに分類されますが、そのことは、読者のみなさんだったら、既にご存知ですよね?
その中で一番初っ端の時期である、乳汁生成Ⅰ期というのは、妊娠中期からおよそ産後2日目迄を指します。
国際認定ラクテーションコンサルタント協会の文献に依りますと、「この時期に分泌される乳汁はほぼ初乳のような組成になっており、吸啜刺激が無くても分泌されるものである。」とされています。

「ええっ!吸啜刺激が無くても分泌?」
そうですねぇ~確かに母子分離されたお母さんのおっぱいをチェックしていると、1回も赤ちゃんに吸啜されていないor1回も搾乳もしていない・・・にも拘らず、じわじわと分泌している方は確かにいらっしゃいます。
そして、その方達が口を揃えて仰るには、「妊娠中からじわじわと分泌していました。」ということです。
妊娠中に上の子さんへの授乳継続中の経産婦さんだけではなく、初産婦さんでも同様のことを仰る方はいらっしゃいます。

これは一体どういうことなのか?
実は、妊娠中期以降は、非妊時の20倍の『プロラクチン』が分泌されているので、おっぱいの製造能力は有るのです。
それ自体はおかしなことでも何でもないのです。
しかし、妊娠中は、『プロラクチン』よりも、『プロゲステロン』や『エストロゲン』のチカラの方が強いので、おっぱいの分泌はセーブされているのですね。
つまり、間違っても妊娠中に、おっぱいがジャカジャカ出るというわけではないのです。(チョロチョロくらいは出ます・・・)
産後2日目迄に分泌される乳汁の存在を分かり易く説明すると、妊娠中に製造している、いわば帳簿に掲載していない、隠し預金みたいなものです。
それも、スイス銀行に預けるほど膨大なものではなく、タンス預金程度と見做すのが妥当でしょう。(授乳されている方は、勿論それより多いことは確かです。)

だからと言って、「だったら産後2日目までは、母子異室並にじっくり休んで面会者の相手をするくらいで、基本的に授乳関係は何もせず、のんびりしていればいいのよね。おっぱいは吸わせなくても勝手に出るらしいから。」と考えるのは早計です。
放置乳房にしておくと、乳汁生成Ⅱ期にスムーズな移行が出来なくなるかもしれません。
頻回直母が出来なければ、せめて1日7~8回の搾母をすることが、必要だということでしようね。

続きを読む "乳汁生成Ⅰ期には、吸啜刺激は不要なのか?" »

2012年9月27日 (木)

言語機能通過率とは?

SOLANINは第2弾書籍を書くにあたり、厚労省の出している統計を見るようになりました。
その中で幾つか気になったことがあり、その中の一つが記事タイトルの「言語機能通過率」です。

乳幼児が意味のある単語をひとつでも言えるようになる時期を表したものです。
何事も個人差がありますから、SOLANINは早ければ良いとか、早期教育がどうのこうのとか申し上げるつもりは毛頭ありません。
ただ、我が国の子ども全般という大きな括りで見てみると、90%の子どもが何らかの単語が言えるようになる時期というのが、明らかに遅くなっているのですね。
どのくらい遅くなってきているかと言いますと、概ね10年毎に1ヶ月遅くなるというペースのようです。
具体的には、グラフを読み取りますと、平成12年は1歳3ヶ月で平成22年は1歳4ヶ月なのですね。(ちなみに平成2年は1歳2ヶ月だったらしいです。)
ヒトとして退化してきた?
いやいや、さすがに10年でそれはありませんよ。(汗)
この統計は10年毎というスパンで集計しているのですが、「子どもへの関わり方」が時代と共に変化してきているからだと示唆されているそうです。
「子どもへの関わり方」という表現は、持って回った感じですので、具体的に申しますと、「2時間以上のTV視聴をしている」子どもの割合が増加していること」と、大きな関連性があるとのことです。
まぁ、ここでいうTVというのは、毎日のTV放映だけではなく、恐らくDVDなんかも含むのでしょうが、子どもだけで画面を眺めているということです。
番組を決めて短時間のみ視聴するとか、母子で一緒に視聴するとかだったら、違うのでしょうが、どんなに立派な内容だったとしても、一日中ダラダラとTVつけっ放しで子どもに見させるというのは、「子どもへの関わり方」として子どもの言語機能発達を阻害する危険性が高いので、アカンということですな。

肩肘張って気負う必要はないけれど、何気ない普段の日常生活の中で、赤ちゃんをひとりの人として話しかけたり、歌を歌ってあげたり、一緒に遊んであげることが、言語発達には大事なのだとSOLANINは強く思いました。

続きを読む "言語機能通過率とは?" »

2012年9月26日 (水)

頸が据わっていない赤ちゃんは授乳時に後頭部をしっかり把持する?

頸が据わっていない赤ちゃん(健常新生児であれば、概ね生後3ヶ月半頃以前・早産児は修正月齢で同様)に授乳する際は、深いラッチオンのためにも、後頸部を親指と人差し指の股の間で支えるように把持してください。
いかなるポジショニングであろうとも、赤ちゃんの後頭部がガクンと下がって、赤ちゃんの顎が上がり気味で、お母さんをグイッと見上げるような感じがベストです。(マーチングバンドのメジャーの決めポーズみたいですな。)
先日どこだったかで、「授乳時は赤ちゃんの後頭部を鷲掴みにしない。」という表現を耳にしました。
当たり前です。
頸の据わりの有無にかかわらず、赤ちゃんの後頭部を鷲掴みにして授乳なんかしようものなら、物凄く嫌がりますからね。
哺乳ストライキになっちゃうかもしれません。(汗)
かといって、頸の座っていない赤ちゃんなのに、恐る恐るそっと後頭部に手を添えるような支え方(卓球のサーブの時、手の平にピンポン球を載せて構えている感じですな。)では、相手も居ないのに、いきなりカクンと前のめりにお辞儀しちゃいます。
ラッチオンそのものがが出来なくなりますからNGですな。
冷静に考えれば判ると思いますが、カンガルーケア以外の時に、真下向いて、真っ当なラッチオンンなんか出来るわけがありませんよね?

後頸部をしっかり支えているつもりであっても、赤ちゃんをお母さんの太腿に跨らせたら赤ちゃんの頭部がカクンと前のめりにお辞儀しちゃうのであれば、それは、正しい支え方ではありません。
正しく支えていれば、赤ちゃんの頸はグラグラしません。
出来るまで、何度でも支え直して練習しましょう。
見切り発車で、ラッチオンさせても、乳頭や乳輪に傷が出来て痛い目に遭うか、時間をかけて授乳しても、浅飲みなので量にならないということも多々ありますので、ご注意くださいね。

続きを読む "頸が据わっていない赤ちゃんは授乳時に後頭部をしっかり把持する?" »

2012年9月25日 (火)

中央陥没・裂状乳頭のラッチオンの注意点とは?

乳頭の形態は人それぞれです。
耳慣れないかもしれませんが、パッと見は扁平乳頭のようでも、乳頭頂が凹んでいる乳頭を、助産師は通常、中央陥没乳頭と呼びます。
乳頭頂のど真ん中が小さく穴状に凹んでいるタイプが多い印象ですが、横一文字に切れ目のように凹んでいることもちょくちょくあります。
仮性陥没乳頭のようでもありますが、指先で刺激しなくても、僅かながら突出はしているので、ちょっと違います。

また、同様に乳頭自体は突出しているけれど、乳頭が2分割・3分割・4分割とかになっていて、中央が凹んでいる乳頭を裂状乳頭といいます。
この場合も、横一文字に切れ目のように凹んでいることが多いです。
凹んでいる部分に乳管開口部が一極集中しているので、これらの乳頭形態の場合、産後開口本数が少なくても当然と言えば当然なのですが、特に、横一文字に切れ目状に凹んでいるタイプの方が立て抱きばかりしていると、つぶし飲みのような感じになるので、乳房トラブルを招きやすいので、要注意です。

一般的に扁平乳頭の場合、乳房形態にもよりますが、日齢が若い(眠りがちでくたびれ易い)新生児は特に、立て抱きにした方がラッチオンが上手くいくことが多いので、ついつい立て抱きオンリーになりがちですが、赤ちゃんの成長と共に、ポジショニングにも変化をつけていきましょう。
日齢が進めば徐々にスタミナもアップしてくるし、お口の開け方も大きくなると思いますので、是非クッションを使って真横抱き(交差横抱き)かフットボール抱き(脇抱き)を採り入れてみてくださいね。

注)尚、担当助産師から予めポジショニングを指定されている場合につきましては、「そろそろ他のポジショニングを採り入れても大丈夫ですか?」ということを、確認してからにしてくださいね。
そうすることで、吸啜時に乳頭にかかる負荷が偏らなくなりますので、つぶし飲みによる乳房トラブルの発生防止が、期待出来ます。

続きを読む "中央陥没・裂状乳頭のラッチオンの注意点とは?" »

2012年9月24日 (月)

理想的なおっぱいの温度とは?

分泌する瞬間のおっぱいの温度を測定することは、事実上困難ですが、搾ってみて、手に付着した瞬間であれば、大まかな判断をすることは出来ます。
いわゆる人肌程度であれば、乳房トラブルが無く、順調に分泌されているおっぱいと見做して差し支えありません。
別の表現をすれば、出来たて直送状態とでも言いましょうか。
そう、赤ちゃん好みの温度は、人肌なのです。

逆に、おっぱいが乳房内に長く滞り(うっ滞して)、しこりが出来た場合、その部位から分泌されるおっぱいは、ひんやりしています。
おっぱいは、つくられてから時間が経過すればするほど、冷たくなるのです。
お母さんの身体、それも乳房内にあるのに、冷たくなるって不思議ですね。
乳房トラブルの自覚症状が無くても、ヤバい方にシフトしていることは間違いないので、対処法としては、しこりの部位から上手く飲み取れるように、ポジショニングを変更するのも善し、圧迫授乳をするのも善しです。
お食事の摂取に問題がある場合も否定できないので、思い当たるフシのある方は、出来る限り改善していきましょう。
授乳間隔が空き過ぎているならば、速攻でおっぱいをあげましょう。

まだまだ残暑厳しい折りですが、赤ちゃんは、「今日は暑いからおっぱいも“冷や“でええんとちゃう?」と訊いても、決して首を縦には振ってくれませんよ。
“冷や”≒不味いとインプットされていますから、背に腹代えられない時は、しゃあなしでも飲んでくれますが、余裕ぶっこいている時は、鼻でせせら笑って、飲まないこともありますよ。
でも、そういう振る舞いをされても、それは決して赤ちゃんの性質(たち)が悪くなったのではありませんから、誤解しないでくださいね。
“冷や”のおっぱいが赤ちゃん好みの温度、つまり人肌になるように、出来る限りの努力はしてくださいませ。

続きを読む "理想的なおっぱいの温度とは?" »

2012年9月23日 (日)

おっぱいを咥えて暫くしたら仰け反るのは何故?

おっぱいを飲み始めて、暫くして赤ちゃんがゴクゴクと喉を鳴らしたのも束の間、仰け反ることがあります。
「わたしのおっぱいの出方が悪いのかな?」「美味しくないから仰け反って口を離すのかな?」と気に病んでいるお母さん、違いますよ。

おっぱいは一定の割合で、コンスタントに出てくるわけではないのです。
飲ませ始めて暫くなので、おっぱいが出ていない筈はないタイミングで仰け反ってしまうのは、いわゆる射乳反射でおっぱいがフルスロットルでジャカジャカ出てくるから、溺れそうなのを必死に堪えているからなのです。

射乳反射によるものであれば、赤ちゃんの口の端から飲み込めないおっぱいが溢れてきたり(オーバーフローですな)、噎せたりします。
決して異常ではありませんよ。

そうではなくて、咥えるや否や仰け反るのは、もしかしたら哺乳ストライキか、そこまで行かなくてもどうしても飲みたくない時か、ポジショニングが気に入らないか、おっぱいの味が不味い場合(乳腺炎になりかけとか・・・)かもしれません。
思い当たるフシが無いか、見直しをしてみましょう。

続きを読む "おっぱいを咥えて暫くしたら仰け反るのは何故?" »

2012年9月22日 (土)

仕上げ磨きは、寝かせてするもの?(1歳代以降)

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「仕上げ磨きは寝かせてするもの?(改訂版)公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

1歳以上のお子さんのお母さんで、お母さんの膝枕での仕上げ磨きに四苦八苦していらっしゃる方、少なくないと思います。
なんとなくですが、昔のN●Kの「お●さんと一●」の“歯磨き上手かなぁ?”やしまじろうの教材の影響なのか、子どもの仕上げ磨きって、膝枕がセットになっている感じが強いのですが、そんなことはないでしょうか?
なのに、嫌がられて困っている方・・・発想を転換して、立たせてみては如何でしょうか?

お子さんを立たせて、その正面に向い合わせにお母さんが座って、磨いてあげるのです。
勿論上唇小帯は押さえつけず、軽く口唇をアヒルさんのお口になるようにめくってね。

但し、1歳代以降と申すのは、0歳代の場合、ひとり歩き出来るお子さんは割合的に極少なく、大抵はつかまり立ちや伝い歩きの段階だと思います。
その段階の脚力では、いつグラっときて転倒するか判りませんし、歯ブラシを構えているお母さんは咄嗟に手が出ないかもしれませんから、安全対策上懸念されるので、差し控えられた方が無難ではないかと思います。
お子さんが暴れたり、逃げ出さなければ、それで充分に磨けますよ。

続きを読む "仕上げ磨きは、寝かせてするもの?(1歳代以降)" »

2012年9月21日 (金)

お母さんが産後貧血になったら鉄分を摂取する重要性とは?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「お母さんが産後貧血になったら鉄分を摂取する重要性とは?(若干改訂版)公開中です。
最新の内容は、上記でご確認ください。

以下、過去記事。

出産時出血多量になってしまったら、産後の貧血が一日でも早く回復するように努力しましょう。
お母さんの貧血が長引くと、抵抗力が低下したり、家人に協力してもらっているにもかかわらず、身体が疲れ易く産後の回復が遅くなる感じが続くかと思います。

おそらく産婦人科のドクターから鉄剤の注射や内服を処方されると思いますから、確実に指示に従いましょう。
余談ですが、健常新生児の場合、妊娠中にお母さんが貧血になっても速やかに改善すれば、生まれた時に身体の中に予め備えた貯蔵鉄があるから、滅多に貧血にはならないでしょう。
しかし早産児・低出生体重児・お母さんが妊娠糖尿病・お母さんが妊娠高血圧症候群であると、生まれた時に身体の中に予め備えた貯蔵鉄が元々乏しいので、月齢が進むにつれ、赤ちゃんが貧血になるリスクが高まります。

既にご存知のように、おっぱいはお母さんの血液からつくられます。
産後のお母さんが貧血であると、それに比例しておっぱいに含まれる鉄分も少なくなります。
産後のお母さんの貧血が改善すれば、おっぱいに含まれる鉄もそれに比例して増えてきます。
つまり、おっぱいを通しての鉄分の供給は可能です。
あっ、勿論ヒトの身体には、バランスを取るはたらきがありますから、元々貧血が無い場合は、鉄を含む食品を沢山摂ったからといって、おっぱいに含まれる鉄分は増えないので、その点は理解してください。
おっぱいは工業製品ではありませんからね。(汗)
また、月齢を問わず赤ちゃんが貧血であると診断された場合は、小児科のドクターが、お薬を処方されるので、その際は確実に指示に従ってくださいね。

続きを読む "お母さんが産後貧血になったら鉄分を摂取する重要性とは?" »

2012年9月20日 (木)

言い聞かせ卒乳が成功するでしょうか?(1歳4ヶ月)

<ご相談内容>
言い聞かせ卒乳について相談です。
1歳4ヶ月の我が子は、現役おっぱい星人です。

現在2人目を妊娠し、6ヶ月になります。

元々アトピーがあり、1人目の妊娠中から乳頭や乳輪の荒れがひどい状態でしたが、母乳育児をしたくて頑張ってきました。
2,330g と小さめで生まれましたが、努力の甲斐があり直母が可能になり、今でもおっぱい大好きです。
但し、歯が生えてきた6ヶ月頃から乳首の根元でパックリ裂けてしまい、それ以来乳首の根元が裂けたまま授乳しています。

2人目の妊娠もわかり、お腹の張りは無かったのですが、乳首の傷がひどくなってきていたため、生まれる前に傷をどうにかしたいと思い、1歳2ヶ月の頃に言い聞かせをはじめました。
幸い、我が子は食欲旺盛で、歯も全部生えていましたし、歩きはじめて外にも興味ありましたので…
現在保育園に行っており、おっぱいは朝と夜寝る前のみです。
が、SOLANINさんのブログ等も参考にし、色々試しましたが傷が治りません…

1ヶ月の言い聞かせでは足りないのか、ただの時期が早かったのか、卒乳は拒否されました。
現在も飲んでいます。
そして、しばらくしたら再び言い聞かせをしようと思っているのですが、言い聞かせのマークは前回と同じでいいのでしょうか?
また、歩いて外遊びも好きですが、基本私にぴったりくっついています。
卒乳自体諦めた方がいいでしょうか?

<SOLANINの回答>
まずは、妊娠と授乳を両立させていらっしゃることに、敬意を表します。
相談者さんは元々アトピーで、乳頭・乳輪の荒れが酷く、過去記事を参考に色々試していただいたとのことでしたが、“まなりんさんの知恵”は試されましたか?
あの記事はとても実践的ですが、お薬も同じの処方していただかれ、塗布されたのでしょうか?
それでも全然効果が無かったですか?(汗)

最初に乳首の付け根がパックリ裂けてから、数ヶ月が経ちましたが、最近は吸啜時の傷の痛みはどうですか?
この数ヶ月、患部はジクジクしていたのでしょうか?
であれば、患部から逆行性に乳房に感染しませんでしたか?
その点(感染)は無事でしたか?
ジクジクがお薬で落ち着けば、最終手段としてキズ○ワーパ○ド®を使い患部を保護するという選択肢もあったかと思いますが、それは試されましたか?

少なくとも日中保育園に通園中であれば、8時間程度は授乳をお休みできる時間帯があるということなので、噛み傷はなおると思いますし、アトピーの治療もやり易くなりますよ。

言い聞かせ卒乳のマークは、前回と違うモノの方がいいと思います。
条件的にはほぼ揃っているので、出来なくはないと思います。
妊婦さんなので、抱っこしてあやして…というのは、難しいでしょうから、ある程度家族の協力も仰ぎつつ、実行してみてくださいね。
恐怖感を与えず、わりかし好きなキャラクターなんかを選んでくださいね。
授乳回数が減ってくれば、噛み傷はだんだんと軽快傾向になりますよ。

続きを読む "言い聞かせ卒乳が成功するでしょうか?(1歳4ヶ月)" »

2012年9月19日 (水)

上の子への夜間頻回直母に悲鳴!(2歳6ヶ月)

<ご相談内容>
上の子(2歳6か月)と下の子(3か月)にタンデム授乳中です。
下の子は3,455gで生まれ、満3か月で6,800gと順調に成長中です。
昼間は1~3時間に一度のペースで授乳、左右5分*2クールなんてとんでもなく、大抵早ければ2分、睡眠前などに長くても10分も飲めば満腹になるようで飲むのを止めます。
その後は溢乳しますので足りていないことはないのだと判断しています。
1日の授乳回数は10~12回です。夜間は6~7時間続けて眠る親孝行な子です。
しかしながら上の子は新生児の時からおっぱいっ子だったのですが、現在も一回の授乳時間も授乳回数も下の子を上回ります。
特に授乳時間が夜間は一度飲み始めると30分~1時間と大変長く、しかも毎晩2~4回。
下の子が朝までに1回程度なのに上の子が新生児並みにおっぱいから離れないのが苦痛でなりません。
自然卒乳を目指しているのですが、『おっぱい飲む』と言われるとストレスを感じる自分が嫌ですし、私自身も寝不足、上の子は果たして充分に眠れているのかと心配になります。
言い聞かせで『ご飯をしっかり食べて、寝るとき飲んだら朝までしっかり寝ようね』と話すのですが効果は見られません。
このまま上の子への授乳を続けるのが子どものためになるのか悩み中です。

<SOLANINの回答>
1歳以上の長期授乳をされる場合、おっぱいの役割は栄養の主体から徐々に心の安定剤的なものに変わってきます。
2歳でも3歳でも、おっぱいを飲みたいと思うこと、おっぱいを飲む行為自体は微笑ましく出来る限り受け止めてあげたいものですが、相談者さんのように昼夜を問わず新生児並の頻回直母、それも下の子さんの授乳回数を超える勢いともなれば、心身に苦痛を感じても致し方ないとお察しします。
お母さんだけが耐え忍んで、上の子さんの意を汲み頻回直母を受け入れるというのは、流石に如何なものかとSOLANINも思います。

かといって、タンデム授乳をされるまでの相談者さんに、今更ながら夜間断乳を勧めるのも何だかなぁ~という気がします。
相談者さんは、上記のように言い聞かせをしていらっしゃいますが、効果は無いとのこと。
となれば、別の形で言い聞かせをしませんか?

旦那さん(大家族であればおじいちゃん・おばあちゃんもアリです)に協力してもらい、「ネンネの前におっぱいは飲んでもいいけれど、もう2歳なんだからネンネはお父さんと一緒だぞ!」「2歳の子は赤ちゃんとは違うんだよ。」ということを、毎日何度でも根気よく、繰り返し言い聞かせて貰います。

その上で、夜間減乳(←SOLANINの造語です、多分)を試みては如何でしょうか?
2歳6ヶ月だったら、ギリギリ受け答えができるかと思います。
それだったら、この作戦は出来るかなと思います。
まず日中、上の子さんと一緒に、「おっぱいカード」を作成します。
一気にゼロは難しいでしょうが、一晩の授乳が4回が2回に減ったら、随分心身の負担感が減りませんか?
そこを狙います。
「ネンネの前に忘れないように「おっぱいカード」を枕元に置いておこうね。」
「おっぱいが欲しくて目が覚めた時は、この「おっぱいカード」を1枚だけ持ってくるのよ。」
「お母さんに「おっぱいカード」をどうぞ!してね。そしたらおっぱいあげるからね。」
「ただね、夜中におっぱいは今日から2回までだからね。」
「おっぱいを飲んだら、お父さんと一緒にネンネだよ。」
(おっぱいとネンネを切り離せればいいのですが、無理っぽかったら、寝落ちした後、旦那さんに上の子さんを引き取って貰います。)
「2回より多いとお母さんはしんどくなって、おっぱいあげられなくなっちゃうの。」
「3回目はナシだからね。お父さんと一緒にネンネだよ。」
「夜はおっぱいもネンネするんだよ。そうでないとおっぱいも元気がなくなって、出なくなっちゃうんだ。それって困るでしょ?お母さんも困るんだよね。」と説明してあげてください。

上の子さんが持参した「おっぱいカード」の取り扱いですが、取り敢えずお母さんの敷き布団の下にでも敷いて、朝まで隠しておいてください。(上の子さんに夜中に「おっぱいカード」を奪還されないようにするためです。)

恐らく2~3日はグズグズ、ブーブー文句を言われると思います。
それでも、お母さんの気持ちは変わらないことを実感できたら、きっと受け入れてくれます。
どうにか「おっぱいカード」で、夜中の授乳が2回迄に収まれば、必ず褒めてやってください。
「おっぱいカード」を差し出された時は、必ず受け入れてやってください。
そして、朝の目覚めのおっぱいは、お母さんから誘ってご馳走してやってくださいね。
「おっぱいカード」は毎晩リサイクルして活用してください。

続きを読む "上の子への夜間頻回直母に悲鳴!(2歳6ヶ月)" »

2012年9月18日 (火)

完母で順調に育つ健常新生児の1回哺乳量の目安とは?(2週間健診時)

これはあくまでSOLANINが経験上導き出した目安ですが、健常新生児で、昨日申し上げましたように受診時の条件を整えて(揃えて)、2週間健診の日まで完母で1日10回以上の頻回直母を実践し、新生児の体重増加度に余裕のある(≒30g以上/日)場合は、2週間健診当日、来院して1回哺乳量を測定した場合、大抵40g以上/回は哺乳出来ているということです。
「えっ?粉ミルクの缶蓋には2週間までの新生児は、〜80g/回って記載してあるよ。40g以上/回って少な過ぎやしない?」ですって?
それがねぇ、そうでもないのですよ。
完母で退院した健常新生児であれば、おっぱいの場合、粉ミルクの缶蓋に書いてあるほど沢山哺乳出来なくても、1日10回以上の頻回直母をしていたら、ちゃんと育っちゃうのです。

勿論、月齢が進んだり、体重が4kg以上になれば、1回哺乳量の目安は変わりますので、「へぇ〜、1回哺乳量って、おっぱいだったらずっと40g以上/回でいいんだ!」とは、早トチリしないでくださいね。(こういう人がいるだろうなと思うと、書きたいけれど書けない記事が多いです。)
失礼な物言いになって恐縮ですが、メッセージボードやブログ情報なんて、これまでまともに読んだことがない人や「メッセージボードやブログ情報って何のこと?」なんて仰る人は、飛ばし読みが常態化していると思われますので、くれぐれもご注意ください。

注)ここでいう健常新生児には、早産児・低出生体重児等の小児科入院の新生児や過期産児・巨大児は含みません。
37周0日以降41週6日までに出生した、2500g以上4000g未満の小児科入院をしなかった新生児を指します。
該当しない新生児のお母さんは、この目安を無理やり当て嵌めたり、拡大解釈しないでくださいね。
特に小児科入院となられた新生児の場合は、事情が違います。
入院中は主治医が1回哺乳量の指示を出していらっしゃるかと思いますので、指示に従うのが、ベストであることに間違いないと思います。

※この記事のコメントは見つかっておりません。ご了承ください。

2012年9月17日 (月)

2週間健診時の1回哺乳量測定の意義について。

母乳外来も2週間健診も無い病産院もまだまだ少なくないので、こんなことを言うのもナンですが、母乳外来が開設されていて、2週間健診がルーチン化されている病産院であれば、受診時に1回哺乳量を測定されているのではないかと思います。

「1回哺乳量を測定することにどれほどの意味があるのか?」という考え方をされる産婦人科・小児科ドクターや助産師諸姉もいらっしゃるようですが、SOLANINは意味があると思います。
勿論、測定前の条件がてんでバラバラではいけません。
面倒ですが、ある程度条件は整える(揃える)必要があります。
しかし、そうすることで、1回哺乳量は“使える指標”になるのです。

1回哺乳量を測定する際は、当たり前ですが来院直前の哺乳は避けて貰います。
来院直前に哺乳して、電車や自動車に揺られた日にゃあ・・・新生児はほぼ確実に爆睡してしまいますからね。(汗)
かといって、4~5時間も間隔を空けて、乳房を異様な位に緊満させて来院するのは間違いです。
授乳間隔を空け過ぎた状態で哺乳量測定して、1回に100g哺乳出来たとしても、それではしっかりおっぱいが飲めているとは到底評価できません。
なぜなら、ミルクよりも消化の早いおっぱいで、3時間以上の授乳間隔を空けることは、1回哺乳量測定の条件として最もフェアではないからです。

つまり2(~3)時間程度の常識な授乳間隔で、来院していただくのがベストなのです。
目が覚めていて、程よくおなかが空いて、ヤル気を見せてくれるコンディションとでも言えば分かり易いでしょうか?
だってね、新生児は、「久しぶりに病院に来たから、助産師に一丁イイトコロを見せてやるか!」的な努力はしないものです。
根っからのハフハフちゃんなのに、「おっぱいはゆっくり上品に飲むよ。がっついて飲むことなんてないなぁ。」的な演技も出来ませんからね。
自分をよく見せようという下心は皆無ですから、実態よりも盛ったり下げたりする概念もないのですね。
なので、条件を整えて(揃えて)測定すれば、普段どの程度の哺乳が出来ているかが推定出来るのです。

明日は、SOLANINの経験上から導き出した、2週間健診時に於ける具体的な健常新生児の1回哺乳量について記事化しますね。

 

続きを読む "2週間健診時の1回哺乳量測定の意義について。" »

2012年9月16日 (日)

搾乳で母乳育児をしてきた際の搾乳の止め時止め方とは?(1歳1ヶ月)

<ご相談内容>
出生時から今まで搾乳を母〇相〇室®で与えていました。
出生時から直母がうまくいかず、直母をしようとするといやがってギャン泣きし、2ヶ月になるまで一度も直接吸うことができませんでした。
(乳頭大、乳輪がほとんどない、陥没乳頭のためと思われます)。
2ヶ月に入り、初めておっぱいをくわえて吸うことができ、これで楽しいおっぱいライフと思ったものの、うまく吸啜ができていないようで、射乳でできてきたものだけを飲んでいる感じ(直母量測定しても最大で40ml:8ヶ月頃)でした。
(ちなみに、入院中病院での指導は忙しいと避けられ、母乳相談所では何故飲めないのかわからないと言われました・・・)

SOLANINさんの記事や言葉に励まされ、せっかく吸いついてくれるのだからと、搾乳をしつつ、くわえるのはスキンシップと思ってここまで頑張ってきました。
離乳食を始めるまでは、生後20日目から搾乳で完母、搾乳量は最大で900ml/日(6~7回)、現在は離乳食3回+マグマグでの授乳2回(朝食後+午後3時頃)+母〇相〇室®での授乳1回(寝る前)で搾乳量は300~400ml/日です。

現在、食後は特におっぱいを欲しがる風でもなく、眠い時、甘えたいときに抱っこすると服をめくってのませてほしいとアピールします。
で、おっぱいをくわえ、最初の射乳が出てきてごくごくと飲み、出てこなくなったら止めるという感じです。
今ようやく本人が飲みたいと服をめくってくれるなどかわいい姿がみれることが出来、本当の母乳育児ではないにしろ、母乳育児の醍醐味はこういうことなんだろうなと搾乳はしんどいながらも日々幸せをかみしめています。

本人がくわえてくれる間はこの状態を続けたいと思っていますが、特に欲しがる風でもないのでそろそろ飲むための搾乳は不要になるかなと思っています。
とはいえ、ここで搾乳をやめると、おそらく母乳はほとんど出なくなり、出なくなると、くわえることもなくなってしまうのかなとも思い、悩んでいるところです。
また、卒乳時のケアもどのようにしたらよいものかと・・・

直母のお子さんの卒乳については、色々な記事があるのですが、搾乳で母乳育児を続けておられる方は少ないようで他を探してもどのようにされているのかよく分かりません。
でもせっかくここまできたのだから、悔いのないようにしたいなと思っています。

<SOLANINの回答>

メッセージを拝読して、胸が痛くなりました。
本当の母乳育児じゃないですって?
何を仰いますやら・・・
紛うことなく、本当の母乳育児をされていますとも!

そして、胸が熱くなりました。
相談者さんとは少し事情は異なりますが、お子さんの先天的な口腔の病気や遠方の病院で循環器や消化器の手術のため母子分離となり、短期間しか直母が出来なかったり、お子さんが哺乳ストライキと乳頭混乱の合わせ技を繰り出すため、殆ど直母が出来なくて、止むを得ず数ヶ月~1年数ヶ月にわたり、搾乳生活を続けて来られたお母さん達を思い出したからです。
特に問題なく、母子分離にもならず、普通に直母が出来る方の何倍も苦労され、それでもお子さんのためにおっぱいを大切にされてきたお母さん達の存在をSOLANINは忘れることはありません。

相談者さんのお子さんは1歳1ヶ月なのですね。
離乳食も進み、搾乳も哺乳瓶だけではなく、マグマグも使って飲めるのですね。
これからは栄養の主体はお食事で、おっぱいは傍役に変わりつつあります。
しかし、おっぱいの免疫はまだまだ捨てたもんじゃありませんし、それを手放すのは惜しいです。
また、一気に搾乳を止めると、おっぱいのコンディションが悪くなってしまう恐れがあります。
今になって乳腺炎は避けたいですよね?

そこで、幼児期の乳製品推奨摂取量を調べてみたのですが、答えは200ml/日だそうです。
現在の搾乳量の半分くらいでしょうか。
なので、ひとまずは搾乳量を1~2週間毎に100mlずつ減量していき、暫くは200ml/日で様子を見ましょう。
搾乳量が減るので、お母さんのお食事は、ほんの少し減らしてください。
その結果、お子さんのお食事の食べっぷりは変わりないか、少し増えると想定されますが、直母の回数も少し増えても善しとしてください。

できれば、内臓負担を考えると、おっぱい以外の乳製品を摂取することになるとしたら、1歳3~6ヶ月頃以降がいいと思います。
もしもその頃に、以前よりも徐々に搾乳に時間が掛かるようになれば、分泌も低下してきて、搾乳減量による乳腺炎リスクも減ってきますから、搾乳もボチボチ止めて、自然な流れの中で、お食事と直母に切り替えて行き、フィナーレを迎えられたらいいと思います。

続きを読む "搾乳で母乳育児をしてきた際の搾乳の止め時止め方とは?(1歳1ヶ月)" »

2012年9月15日 (土)

心身の不調時におっぱい要求に応えるのがしんどい。(1歳5ヶ月)

<ご相談内容>
現在1歳5ヶ月のおっぱい星人の母です。
私は体力がないので完母になるのがとても大変で、母乳の頻繁回数が苦痛なときもありましたが、添い乳などでなんとか乗り切りました。
幸い離乳食はかなり順調で、食べないなどの悩みはまったくありませんでした。
そのような感じで現在のおっぱい星人が出来上がった(?)わけですが、最近かなりのおっぱい欲しい攻撃に悩まされています。
飲ませてあげればいいと言えばそれまでですが、私の精神がもたず…6月に月経再開して精神的にかなりブルーな症状が出てきました。
これまでにもイライラや、育児の疲れから夫や子どもにあたったり、子どもを怒り過ぎたりもありましたが、月経再開からそれが更に激しくなりました。
思い余り、先日婦人科に行き相談しまして、現在漢方薬で様子見です。

ただ、子どものおっぱい頂戴攻撃が、わたしの精神的にかなりブルーであることから来ているのだと思うと、申し訳なくて・・・
それで「このままでは可哀想、やはり、存分におっぱいをあげようと頑張るのですが、おっぱい頂戴攻撃が激しいとまた辛くなります。
子どもの癇癪が辛かったり、泣くのを我慢する行動に心を痛めて自責してしまったり・・・
こんな悪循環をどうにかしたい!どうしたらいい?と自問自答しています。

<SOLANINの回答>
おっぱい星人であってもなくても、幼児期の子どもは病気でない限り、元気が有り余っているかのように感じられます。
お母さんが心身共にくたびれていると尚更強く、そう感じられます。
(嘗て、私もそうでした。)

過去記事でもお話ししたことがありますが、1歳以降の長期授乳に於ける授乳のスタンスの基本は、「欲しがれば受け止め、お母さんからセールスするのは差し控える」だと思います。
けれども、心身共に不調気味の相談者さんにしてみれば、過度のおっぱい要求は、時には辛いことがあるのも理解出来ます。
相談者さんは、現在、漢方薬で心身の不調を整えている状態とのことですから、おっぱい要求の全てに応えるのは難しいこともあるでしょう。
なので、「今はどうしてもおっぱいをあげるのは無理だ。」と、感じた場合は、それはそれで我が子に伝えることも必要です。
おっぱいの要求に無い平常時に、「お母さんは時々、しんどくなることがあるの。すぐにおっぱいをあげられないこともあるの。分かってね。」と、繰り返し根気よくお話ししてください。
勿論、相手は1歳児ですから、直ぐに貰えないと、癇癪を起こすこともあるでしょう。
その泣き声を聞いて余計にしんどくなるかもしれませんが、それでもあげない方が、ラクだと感じる場合は、「お母さんは今は無理なの。ごめんね。」と伝え、抱き締めてあげてください。
ご自分の体調がまずまずであれば、気持ちを奮い立たせなくてもあげられると思いますので、「お母さんは今は大丈夫だから。」と伝え、おっぱいをあげたらいいと思います。
また今後に向けてですが、少しずつおっぱいから距離を持てるように、おっぱいよりも楽しいこと、美味しいものを見つけ、共有し合う時間が持てると良いですね。
ただ、気になるのは、旦那さんです。
相談者さんがイライラしてあたっても、受け止める度量をお持ちの方ですから、きっと心の広い方なのでしょうが、今よりもほんの少しでも助けて貰えたら、また状況が変わるかもしれませんね。
旦那さんにしてほしいことがあれば、率直に伝えた方が話が早いと思います。

続きを読む "心身の不調時におっぱい要求に応えるのがしんどい。(1歳5ヶ月)" »

2012年9月14日 (金)

2回食だけど1匙2匙しか食べてくれない。(8ヶ月)

<ご相談内容>
8ヶ月の我が子の離乳食の食べについてなのですが、何を与えても一匙二匙で嫌がります。
「もういい?」と聞くと泣きながら口に入れることもあります。
おっぱい前でもおっぱい後でも同様です。
常に泣きながら止めにしてます。
ほめても歌ってもすぐに嫌がってのけぞります。

一度、少し強引に食べさせたことがありますがそのせいでしょうか?
楽しくしたいのはもう手遅れでしょうか?
順調にいけば三回食でしょうが、二回で手こずってます。
母乳はよく飲むのですが、他にも美味しさを教えてあげられなくて困ってます。

<SOLANINの回答>
離乳食が3回食になるのは、昔は10ヶ月と言われましたが、今は1歳3ヶ月くらいまでに何とか進められればいいでしょうという風に変わってきていますので、焦らなくてもいいですが・・・
ただ、食べる量が増えず、美味しさを味わえないのは悩ましいですね。
食べるスイッチが入れば、「今までの悩みは何だったんだろう?」に変わりますが、そのスイッチが入るきっかけが作れると良いですね。

例えばですが朝のうち、赤ちゃんはご機嫌がいいと思いますが、思い切って公園まで散歩しましょう。
まだ歩けないと思いますので、ベビーカーで移動するのでいいです。
30分から1時間程度の外出ですね。
で、帰宅後、「おなかすいたよね。今からご飯だからね。」と、お母さんが食べるものを小さめに切って、お母さんの手で食べさせてあげてください。
恐らくお母さんが大して美味しいとは感じないものは、きっと赤ちゃんも美味しいとは感じないと思います。
おっぱい星人の場合、極度の空腹は、おっぱいじゃないとNGですが、ほどほどの空腹だったら、いつもよりも食べてくれると思います。
泣かれて即おっぱいというのが習慣化していると、まともにおなかが空いたという感覚が得られません。
それでは流石にちっとも食べてくれないと思います。
もしも、いつもよりもひとくちでも多く食べてくれたら、泣かないでいられたら、「頑張ったね。」と褒めるのも悪くは無いですが、「美味しかったね。また、一緒に食べようね。」と、次につながる声掛けをしてあげましょう。
お母さんと食べることが、何となく嬉しいこと遊びのように楽しいことというイメージ作りは今からでも充分間に合いますよ。
何とかうまくいきますように。

続きを読む "2回食だけど1匙2匙しか食べてくれない。(8ヶ月)" »

2012年9月13日 (木)

こんな感じの授乳ペースで大丈夫でしょうか?(3ヶ月半)

<ご相談内容>
我が子は2716gで産まれました。
産前からストレッチやおっぱいマッサージをしていたお陰で、産まれた日から順調に母乳が出て今も完母で育てられています。

1ヶ月健診では3870g(一日49g)
2ヶ月半で5780g(38g)
3ヶ月半で6200g(20g)

といった増加率です。

2ヶ月を過ぎた辺りから夜はまとまって寝るようになり、目覚ましをかけても私も6~7時間後に目覚めてしまうなんて事をしてしまうようになりました。
その分起きてる間に回数増やしていますが、一日の授乳回は5~7回です。
なのでこのペースでこのまま続けていっていつかガクッと体重が減る、もしくは母乳の分泌が減るのでは?と不安も感じています。

ですが母乳トラブルも無く、よく笑い寝返りも先日出来、成長が見られていますので不安を感じながらも現状を変えられておりません。
今のままのペースで続けていって大丈夫でしょうか?

<SOLANINの回答>
う~ん。
そうですねぇ。
今のところ、SOLANINが常々申し上げているところの「お母さんが乳房トラブルになっていない」&「赤ちゃんが順調に育っている」という二つの重要な条件がしっかり満たせているようですね。
ということは、今のところ、それでも良いかなと思います。
これからの体重増加度は、満腹中枢が形成してくることもあり、新生児の頃のように激増することはなくなります。
それでも、右肩上がりに増えて行き、パーセンタイルグラフを割り込むことも無く、運動機能の発達や頭囲の伸長も順調であれば、心配ないかと思います。

ただ、過去記事でも申し上げているかとは思いますが、毎日おっぱいをチェックして、おっぱいトラブルの予兆は無いか、赤ちゃんのおしっこの出方が急減していないか、せめて月イチペースで体重増加度が激減していないか等々については、確認してやってほしいと思います。

また、このように夜間の授乳ペースがかなり空く場合、完母であってもお母さんの月経が再来する可能性が高くなることも想定内にしておきましょう。
それから、月齢が進むと夜間の授乳が再開することもありますが、一旦減ってもそのペースがずっと続くとは限らないことも、決してネガティヴには捉えずに、織り込み済みにしておいてくださいね。

続きを読む "こんな感じの授乳ペースで大丈夫でしょうか?(3ヶ月半)" »

2012年9月12日 (水)

おしゃぶりを止めるにあたり注意すること。

当ブログの読者さんの場合、おしゃぶりを使っている方は少数派だとは思いますが、おしゃぶりの弊害を考えると、出来るだけ早く止められることをお勧めします。
しかしながら、習慣化とは恐ろしいもので、以下は使い続けて、例えばハイハイで自由に動けるようになる頃まで使っていた人の話ですが、おしゃぶりを隠した日には、それこそ物狂いのように家中をグチャグチャのガサ入れされる波目になります。
キャビネットの引き出しからゴミ箱まで、大泣きしながら捜索作業が続きます。

止めさせるにあたり、おしゃぶりを或る日突然、一方的に隠すor捨てるのは、お母さんのエゴです。
お母さんの都合(例:「お酒が飲みたいから」「預ける時に泣かれるから」等)だけで、或る日突然、一方的に断乳するのと同じです。
それはあんまりです。
可哀想過ぎます。

止めるのであれば、せめて、「おしゃぶりって長く使っていたら、壊れることもあるんだって。」と伝聞調でいいですから、《1ヶ月くらい前から事前情報を告知》してやってください。
そして、《おしゃぶりが壊れた》状況を作ってください。
何箇所か少し切れ目を入れたり、明らかに吸い心地に違和感が出るように。
「ずっと使っていたから壊れたんだね。」と、繰り返し声掛けしてあげましょう。
執着が強い赤ちゃんであれば、《新しいおしゃぶりを1つだけ買って》あげてください。
買う際の注意ポイントは、それまで使っていたおしゃぶりとはメーカーから形から大きさから素材から何から、似ても似つかないものを選ぶことです。
で、赤ちゃんにしゃぶって貰うのです。
赤ちゃんのお口は敏感ですから、「ええっ?何これ!」(怒)になる筈です。
しゃぶって引っ張り出して眺め、また口に入れという作業を何度も繰り返し、終いには、「これじゃないってば!」と、涙目になるかもしれません。
「あ~、やっぱりダメか。でも、前と同じのは見当たらなかったんだよね。」くらいは呟いてもらっていいです。

つまり、《どうにもならない》状況を作ってください。
そして、「こんなのは使えないよね。」
「仕方がないから捨てちゃおうか?」
「おしゃぶりはもうバイバイだね。」と、繰り返し囁いてください。

次に、赤ちゃん自らゴミ箱にポイしてもらいます。
切れ目の入った以前から使っていたのも、新しく買ったミスマッチなおしゃぶりも・・・です。
この際のゴミ箱は、外用のゴミ箱です。

そして、収集日にパッカ―車がやって来る直前に、集積場所に壊れたおしゃぶりの入ったゴミ袋を一緒に運び、パッカー車が収集を終えて走り去るのを見届けさせてやってください。
外用ゴミ箱にポイしてから収集されるまでは、記憶が薄れないように同じ日にしてください。
「もう、おしゃぶりは家にはないよ。」
「新しいのもダメだったから捨てちゃったしね。」
「○○ちゃんはポイしてバイバイしたもんね。見てたもんね。」と、繰り返し言い聞かせましょう。

“口封じ”が消失したら、やたらと賑やか(うるさく?)になりますが、それは織り込み済みですよ。
おしゃぶりにバイバイしたものの、暫くは口寂しいのでグズグズがあるかもしれません。
出来るだけ抱っこや優しい声掛けをして、気持ちを満たしてあげましょう。
また、ダラダラ喰いだけはさせないようにしましょうね。

続きを読む "おしゃぶりを止めるにあたり注意すること。" »

2012年9月11日 (火)

歯牙腫って聞いたことがありますか?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「歯牙腫って聞いたことがありますか?(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

乳歯が生え始める時期には個人差があります。
早ければ、生まれつき(=つまり魔歯)ということもありますが、まぁ、それはレアケースなので置いといて、そうですねぇ、早ければ4ヶ月くらいからでしょうか。
遅い場合は、そうですねぇ、1歳2ヶ月というお子さんがいらしたというのを聞いたことがあります。
まぁ、遅めであっても、それなりに生え始めてくれたらいいのですが、例えば1歳半になっても兆候すらないとなると、些か遅過ぎるので、心配になりますね。
そういう場合は、取り敢えず歯科受診してみましょう。

生えるべき時期に生えるべき歯が生えるべき部位に生えない理由には、先天的に歯が欠損している・・・という場合もありますが、実は、歯牙腫(しがしゅ)があるために、それに妨げられて歯が生えてこないということがあるからです。

歯牙腫の大きさはばらつきがありますが、およそは米粒程度のものが複数個見られるようです。
念のために申し添えますが、歯牙腫自体が進化して乳歯や永久歯になるわけではありません。
また、乳歯だけではなく、永久歯が生えない理由が歯牙腫があるからだったということもあるようです。
歯牙腫があることが明確になれば、摘出手術をして治すことになるかと思われます。

続きを読む "歯牙腫って聞いたことがありますか?" »

2012年9月10日 (月)

特に妊娠12週迄は、レバーや魚の肝の摂取にご用心。

妊娠中の貧血予防と言えば、「レバーや魚の肝を食べればいいのよね!」という妊婦さんや医療者は意外と多いものです。
しかし、レバーや魚の肝には鉄だけではなく、動物性ビタミンA(レチノール)がとても多く含まれます。
妊婦さんのビタミンAの上限許容量は、5000IU(レチノールに換算して1650㎍)/日ですが、読者のみなさんはご存知でしょうか?
これは鶏や豚のレバーであれば約12g程度、牛レバーであれば150g、フォアグラであれば165g、鮟鱇の肝であれば約20g程度、鰻の肝であれば、約38g程度です。
注)植物性ビタミンA(βカロテン)については、体内でビタミンAに変化する前駆体のプロビタミンAなので、過剰摂取による胎児奇形の危険性云々は心配ないとされています。

妊娠中の貧血予防は大事ですが、特に妊娠12週迄は、わざわざ胎児が奇形を起こすかもしれない危険を冒してまでレバーや魚の肝を食べるのは如何なものかと思います。

そもそも、妊婦さんが貧血になり易い時期は、「お腹の赤ちゃんがグングン大きくなる」&「循環血液量が増加する」妊娠後期です。
悪阻が収まれば、バランスを考えたお食事も作れると思います。
レバーや魚の肝以外にも、鉄を含む食品は色々ありますし、調理方法や味付けに工夫すれば、吸収率も高まります。

色々頑張ったにも関わらず、残念なことに鉄不足による貧血になってしまった場合は、産婦人科ドクターから、鉄剤を処方されることになるかと思います。
ただ、過去記事にも書きましたが、鉄剤の困ったトコロは、吐き気と便秘を伴い易いため、自己判断で服薬中止をする妊婦さんが居ることです。
でも、鉄剤の自己判断での服薬中止は、絶対にしないでくださいね。
吐き気と便秘を克服するには、服薬のタイミングを工夫したり、水分の摂取や食物繊維を含む野菜や海藻をメニューに採り入れることにより解決の糸口が見つかります。

余談ですが、どうしてもの場合は、鉄剤を注射に切り替えてもらうことも可能です。
(注射の場合、定期的な通院が必要ですが、自宅から罹りつけの産婦人科が遠くて足繁く通院するのが困難な場合は、近医宛に注射をしてくださいという旨の依頼書を産婦人科ドクターにお願いして書いていただき、通院の負担を減らすことも出来るかと存じます。)

※この記事のコメントは見つかっておりません。ご了承下さい。

2012年9月 8日 (土)

キョロちゃんの外出時、脱水が心配!(8ヶ月)

<ご相談内容>
我が子はもうすぐ8ヶ月です。
退院後はずっと完母で頑張っております。
最近悩んでいるのは、外出時にあまりおっぱいを飲んでくれないことなんです。
うちの子はキョロちゃんで。。。

一時期遊び飲みが激しかった時期はありました。
幸い、それはようやく治ってきました。
でも、自宅以外での授乳はすぐに飽きちゃって(?)きちんと飲まないんです。
ちょっと口にふくんで終わり。

もともと抱っこされてれば満足で、あまりおっぱいを欲しがらないタイプです。
なので、外出時は特に気を付けてこちらからおっぱいを押し売りしている毎日なのですが、暑くなる時期は、脱水にならないか心配で。

アレルギーが心配で離乳食も最近はじめたばかり、麦茶も飲む練習してますが、まだうまく飲めません。
授乳ケープしても、授乳室でも外だとあまり飲まないです。
どうしたら良いでしょうか?
お忙しい中恐縮ですが、良かったらアドバイスお願い致します。

<SOLANINの回答>
ここで言うトコロの外出先が炎天下なのか、空調の利いた公共施設やデパートなのかは分からないし、何時間くらい家を空けるのかも不明なので、大まかなことしか言えませんが、好奇心旺盛なキョロちゃんの場合、とかく周囲が気になって、季節に関わりなく、なかなか集中して飲めないことが多いようです。

飲めるようになるための環境作り(例えば、言い聞かせを続けることや、授乳ケープに慣らすことや、コップやストローの練習をすること等)は、これからも取り組んでいただきたいですが、それらが軌道に乗るまでは、一度にあまりたくさん飲めなくても、ほんのひと口ふた口でも、1~2時間毎に、こまめにおっぱいを飲ませてあげれば、まずは脱水に関しては、心配ないと思われます。

例えば、サウナに入っているかのようにダラダラ汗をと掻き続けている場合や、お昼寝と重なりそうな時間帯であれば、どんなにキョロちゃんであっても、強烈な渇きや眠さには勝てないので、自らおっぱいを欲しがり、夢中になって飲むだろうと思われます。
勿論、万一ですが出先で、明らかに体温が急上昇している、おしっこが全く出ない、ぐったりしている等の状態であれば、熱中症の疑いとなりますので、急いで受診しなくてはなりませんので、ご注意ください。
しかし、語弊があるかもしれませんが、抱っこやベビーカーで連れ歩く間、終始ご機嫌で、活気があり、キョロちゃんがキョロちゃんらしい状態であれば、その時点での熱中症の心配は無いと思います。

続きを読む "キョロちゃんの外出時、脱水が心配!(8ヶ月)" »

2012年9月 7日 (金)

浅飲みだけど大丈夫?(4ヶ月)

<ご相談内容>
はじめまして。
我が子はちょうど4ヶ月(産まれたとき3160g→現在7830g)です。
SOLANINさんのブログのお陰で退院後から完母でここまで来ることが出来ました。(本も二冊とも買いました♪)
突然の相談ですみませんが、我が子の浅飲みが気になります。
横から覗くと口角が90度位しか開いていません。
毎月定期的に出産した母乳外来でみてもらうのですが、「ここまで大きく育ってるから心配無い。気になるなら赤ちゃんが寝ぼけているうちに上唇をめくればいい。」と言われてしまいました。
私自身で乳輪から含ませようとするとえづかれたり、たまにそれまで飲んでいた母乳を吐かれてしまいます。
幸い乳房トラブルはあまり無く過ごせています。
赤ちゃんが順調に育っているのならばこのままで良いのでしょうか?

<SOLANINの回答>
ふむふむ、なるほど。
一読した限りでは、不思議な感じがします。
浅飲みで、口の開きが少ない赤ちゃんである。
しかし、しっかり飲めているのか、体重増加が良好な赤ちゃんである。
しかも、おっぱいトラブルもあまり無しとのこと。
二律背反というか、逆条件がそろっているのに、結果に問題が無いのですね。

おっぱいトラブルがあまり無しというのがどの程度かは想像するしかありませんが、恐らく相談者さんご本人が、気にならない程度なのでしょうね。

もしかして、流し込み直母なのか?と思いましたが、そうであれば、この位の時期から一気に体重増加度が月齢相当以下に激減しそうです。
そういう兆候は無いとしたら、流し込み直母ではないと思います。
たまたまラッキーなのか?
そうかもしれません。
罹りつけの母乳外来の助産師から、「ここまで大きく育っているから心配ない。」と言わしめたのですから、ホントに気にしなくていいのかもしれませんね。

では何故浅飲みなのに、しっかり育ち、乳房トラブルにならないかを考えてみました。(順不同です。)
1.お母さんの乳管が太い。
2.乳頭が長めの形であるか乳輪が柔らかくて、。
3.赤ちゃんのお口が、元々かな〜り大きめである。
(例:布袋○泰夫人の今井○樹さんか、ドリカムの吉○○和さんをイメージしてください。)
あくまで稀なケースだと解釈してくださいね。
これは、普遍的に当て嵌まる訳ではないですからね。

 

※この記事のコメントは見つかっておりません。ご了承ください。

2012年9月 6日 (木)

汗掻きっ子には一日一回は行水してやってください。

9月に入りましたが、まだまだ暑いですね。
汗疹も発現にもまだまだ注意が必要です。
この時節、おっぱいの最中に、頭髪びっしょりになるくらい汗掻きまくっているお子さん、少なくないと思いますから。
石鹸を付けて洗うのは入浴時(沐浴時)だけで結構ですが、それ以外に一日に一度でいいですから汗掻きっ子にはベビーバスやお子様プールにぬるめのお湯を張り、サブ~ンと浸からせてやってください。
大人だって炎天下で外仕事したら、滝汗状態になるから、シャワー浴びたい時ってありますでしょ?
ぬるめのお湯にサブ~ンと浸からせてもらえば、気分爽快になりますよ。
時間ですか?
汗取りの意味でしたら5~10分で充分ですよ。
押さえ拭きして、保湿ローションを塗るのも忘れないでね♪

勿論、溺れたら大変ですから、お座りや立っちが出来る月齢であっても、くれぐれもお子さんの傍を離れないでね。

続きを読む "汗掻きっ子には一日一回は行水してやってください。" »

2012年9月 5日 (水)

おっぱいには炎症性腸疾患に対する発症抑制作用がある!

母乳で育った赤ちゃんは感染症に強いというのは周知の事実ですが、炎症性腸疾患の発症を抑制することが示唆されていることをご存知でしょうか?
此処で言うところの炎症性腸疾患とは、潰瘍性大腸炎やクローン病のことです。(それがどういう病気なのかと言うことは、この記事では割愛させていただきますが、気になる方は検索してくださいね。)

母乳をあげずに全くの完ミである赤ちゃんと、1年間母乳を飲んでいた赤ちゃんとを比較すると、大きくなってからこれらの病気に罹る確率が1/10~1/5にまで低下します。
もしかしたら読者さんや読者さんのご身内、ご友人の中にもこれらの持病がある方もいらっしゃるかもしれませんね。
これらの病気がどんなに辛い病気かということは、闘病中の方は日々より一層強く感じていらっしゃるかと思われます。
寛解(かんかい)の状態がずっと続いてくれたらいいのですが、増悪して入院しなくてはならなくなれば、学業も仕事も家庭も・・・大変なことになりますからね。

勿論これらの病気には新しい治療法が色々出てきてはいるものの、最初からならずに済めば、こんな有り難いことはないですよね?
母乳をあげることで、我が子がこれらの病気を発症するのをかなりの確率で抑制出来たら、それは素晴らしいことです。
赤ちゃんのお母さん!
おっぱいあげるのに、しんどいこともあるかもしれませんが、あなたが我が子に飲ませてあげるおっぱいには、お金では買えない&頑張るだけの価値がありますよ。

続きを読む "おっぱいには炎症性腸疾患に対する発症抑制作用がある!" »

2012年9月 4日 (火)

うつぶせ寝による態癖について心配です。(6ヶ月)

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「うつぶせ寝による態癖について心配です。(6ヶ月)(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

<ご相談内容>
間もなく6ヶ月になる我が子のうつ伏せ寝についてです。
先月から寝返りが出来るようになったのですが、それ以降寝る時は必ずと言っていい程うつ伏せ寝をするようになりました。
呼吸は首を器用に動かしてきちんとしているのですが、このままうつ伏せ寝をさせて発育上の問題はないでしょうか?
大袈裟かもしれませんが、過去の態癖の記事を読み、カラダの歪みや今後の歯並びなどに影響が出ないか気になっています…。
なお、寝返り防止クッションは使ってみたのですが、これまた器用に乗り越えられてしまい意味無しの状態です(汗)
もしこの月齢でもうつ伏せ寝を避けたほうが良いのであれば、他に何か方法はありますでしょうか?
ちなみに我が子は現在70センチ・9.8キロのビッグなおっぱい星人です。

<SOLANINの回答>
うつぶせ寝は寝返りをする月齢の赤ちゃんであれば、ある意味とても好む寝姿です。
既に寝返りができるとのことですから敷き布団を固綿にしておけば、何かの拍子に窒息することも無いですし、SIDSのリスクも減少する月齢ですから、その点に関してはまず問題ないでしょう。


さて、態癖(たいへき)と歯並びとの関係性ですが、ううむ・・・今は6ヶ月ですし、月齢的にも寝返りが出来るようになってから1ヶ月程度ですからねぇ。
それにまだ乳歯が生え揃ったわけではないですし、噛み合わせについてはまだ完成していない現段階ではその心配はしなくていいと思いますよ。
どちらか一方しか向かないというのであればともかく、相談者さんの赤ちゃんの場合、器用に左右チェンジができているとのことですし。


矯正歯科の範疇になるので、あまり詳しいことは申せませんが、私の知る限り、歯の生え揃わない赤ちゃんのうつぶせ寝と態癖の関連性についての研究や調査報告はまだ無いようです。
現段階では相談者さんの赤ちゃんは寝返りをするようになったとのことですが、これからは寝返り返りもするようになるでしょうし、必ずしもうつぶせ寝ばかりするとは限りませんので、様子見でいいのではないでしょうか?


もしもですが、態癖により歯並びに問題が発生する傾向が見られるとしたら、乳歯が生え揃ってからの話、恐らく3歳以降になるかと思いますので、お近くの罹りつけの小児歯科・矯正歯科のドクターに相談してくださいね。

それから、態癖と身体の歪みとの関連性ですが、歪みを発生しないようにするためには、ラクだからと同じ姿勢を取らないように意識し、ストレッチ等をすることで改善できるそうです。
赤ちゃんは月齢が進むと、起きている時間が長くなりますし、幼い子どもはまさに動物(動き回る生き物)ですから、オトナのように毎日長時間同じ姿勢でデスクワークを続けたり、ごろ寝して日がなTVを視聴しているわけでもないので、現段階では心配しなくてもイイと思います。

続きを読む "うつぶせ寝による態癖について心配です。(6ヶ月)" »

2012年9月 3日 (月)

痩せすぎて身体が疲れ易くなる。(完母・6ヶ月)

<ご相談内容>
完母のおかげで妊娠中の体重増加分は1ヶ月ほどで元に戻ったのですが妊娠前の体重より3キロも痩せてしまいました。
痩せすぎると身体が疲れやすくなるのは経験済みだったので、どうにか体重を増やせないかと思っているのですが…
ご飯はいつもの二倍位食べています。
乳腺炎や乳口炎になったこともあり食事はいつもヘルシーメニューで揚げ物や甘いものは極力避けております。
書籍第2弾の実践編のなかにも二人分は食べなくてよいとのことですが、どうすればよいでしょうか?

<SOLANINの回答>
一般的に授乳中のお食事に関しては、妊娠前(大体1750 〜1800Kcal程度)に付加量が350Kcalだったと思います。
体重増加度が標準的な赤ちゃんの場合、これで問題ないのですが、たまにいらっしゃる標準の2倍以上のペースで増加しているような赤ちゃんや双子ちゃんで完母の場合、あっという間に妊娠前よりも痩せてしまうことも少なくありません。(このような方の場合、標準的な方よりも付加量をもう少し多くしても良いのではないかと思います。)
かと言って、カロリー的にハイパーなものを食べ続けると、おっぱいがヤバくなってしまいます。
さて、どうしたものか?
これから赤ちゃんは成長していくにつれ、動きが活発になるので、お母さんの運動量は増えると思いますので、直ぐに体重を増やすことは難しいかもしれません。

但し、体調を整え、疲れにくい身体作りをしていくことは可能です。
具体的には何をどうしたらいいのか?

一つ目は、免疫力が低くならないように、休養をしっかり取ることです。
毎日は無理でも1日置きに赤ちゃんと一緒にお昼寝をするのもいいですし、出来るだけその日の最後の授乳が終われば、一緒に眠るようにしましょう。
夜鍋仕事は止めておきましょう。
二つ目は、カラダを冷やさないことです。
出来るだけ暖かくしましょう。
暑い時期は保清もシャワーになりがちですが、バスタブに浸かるのは、新陳代謝を高めるので良いと思いますよ。
その他、飲み物・食べ物・服装・ツボ等、過去記事をご参照くださいませ。
三つ目は、食材選びです。
バランスよく摂るのは言うまでもありませんが、一歩進んで免疫力を高める食材を、日々の献立に採り入れましょう。
個人的にお勧めの簡単メニューとしては、長芋や大和芋のとろろ汁、納豆、青菜の煮浸し、大根おろしのなめ茸添え、蒸し鶏の梅肉和え、ニラ玉、青魚のツミレ汁等ですかね。(順不同)
それから、ご飯に雑穀を混ぜるのも、目先が変わるし、香ばしくて意外と食べ易いし、いいと思います。
四つ目は、ゆっくりよく噛んで食べることです。
唾液の分泌を多くするような食べ方をしましょう。

追記:産後の激やせは、もしかしたら、ホルモンバランスの変化からくるものかもしれません。
また、貧血になっている方もいらっしゃるようで、そのため疲れ易いということもあるようです。
「おかしいな?」という場合は、無理せず、取り敢えず産婦人科を受診してみましょう!血液検査等で、原因究明できるかもしれませんから。
お母さんが元気でいてくれないと、赤ちゃんは途方に暮れますよ。

続きを読む "痩せすぎて身体が疲れ易くなる。(完母・6ヶ月)" »

2012年9月 2日 (日)

時々たまり乳になりますが、どうしたらいいですか?(5ヶ月)

<ご相談内容>
私は現在産後5ヶ月で、2人目のおっぱいライフですが、入院中はさすがにはっていたものの、2ヶ月頃には差し乳気味になり1人目のときのようにカチカチおっぱいに悩まされる事もありませんでした。

しかしどうも左右で様子が違い、いつも左がたまり気味なのです。
調子がいいときは左右ともふにゃふにゃですが、ひどいときは左だけカチカチにはります。
最初は、同じように飲ませているつもりでも左を無意識に多めに飲ませているので左の方が分泌がいいのかと考え、右を多めに飲ませるようにしましたが事態は変わりませんでした。
次に、右があまり出がよくないのかと考えましたが、搾乳してみるとむしろ右の方が沢山乳腺が開いており、出方も太くしっかりしていました。

なので左が張りやすいのは飲み残しやすいからかとも考えたのですが、例えばしばらくおっぱいの調子がよくてつい食べ過ぎた後なども左だけカチカチになり右はふにゃふにゃな様子を見ると、飲み残し説より分泌説が強いような気がしたり…
いろいろ試行錯誤してみているのですが、そろそろ軌道にのってもよさそうな現在ですが、ちょいちょい左右で不均等になるので、どう対策すればよいか分からずにメッセージを送らせて頂きました。

<SOLANINの回答>
そうでしたか。
ご自身のおっぱいをじっくり観察されているのですね。
自分なりに検証されているところが素晴らしいです。

恐らくご指摘の通り、分泌の左右差があるのかな?とも思いますが、もしかして・・・ですが、乳管の走行といいますか、それもあるのかな?と思われます。
恐らく、左側乳房全体に溜まっているというよりも、乳房の腋窩や下縁の方が、スッキリしないのではないでしょうか?
出来る限りの是正となると、乳房下縁からリフトアップするように把持して、フットボール抱きして飲ませるか?ですね。
スッキリしない部分だけ、じゃがいも湿布しても良いと思います。
また、乳管の太さや開通している数の違いも影響しているかと思われます。
こうなると、解剖学的な話になるので、こればかりはどうにもならないと思います。

多分ですが、乳房の大きさも若干左右差があるのではないですか?
であれば、今まで通り、左右差が発生した場合にはそれを改善するような対処を早め早めにしていかれたら、授乳中に大きな問題は発生しないと思います。
また、卒乳後は徐々にですが、それ以前のように復旧してきますので、心配無用ですよ。

 

続きを読む "時々たまり乳になりますが、どうしたらいいですか?(5ヶ月)" »

2012年9月 1日 (土)

添い乳で眠らないためのケータイ使用って?

<ご相談内容>
産まれた時は3720gと大きめちゃんだった我が子は今、生後10ヶ月で、体重10kgになり、よく育っています。。
離乳食は食べたり食べなかったりです。
ほぼ添い乳で授乳してますが、現在までおっぱいトラブルは皆無で順調です。

よく雑誌等に載っているおっぱいのあげ方で、静かな部屋で(静かな音楽をかけたりして)赤ちゃんの目を見ながら、話しかけたりしてあげましょうってありますが、我が子はそれを実践した所、目を見たら、笑っておっぱいを離し、話しかけたら、遊んでくれるの?と言わんばかりに目を輝かせておっぱいを離し・・・というう風になって授乳どころじゃなくなります(^-^;

だから、携帯をいじったりして、我が子を見ないようにして授乳しているんですが、やっぱりよくないんでしょうか?
ちなみに今は、寝る時の授乳がほとんどで、30分以上おっぱいを咥えているのもザラで、一緒に寝る時は携帯いじらずに添い乳で寝たりしますが、昼寝の時は寝てる間に家事をしたくて、何もしないと寝ちゃいそうになるので、よくないかなぁと思いつつも携帯が必須になっちゃっています。(汗)

<SOLANINの回答>
まずは、今までおっぱいトラブルが無く、完母でしっかり充分に赤ちゃんが育ってくれて良かったなぁと思います。
離乳食の食べっぷりにムラがあっても、まだ気にしなくていいと思います。

赤ちゃんとの絆を育むには、スキンシップしながらアイコンタクトした上で語りかけることは効果的です。
それ自体は、とても良いことなのですが、頸が据わって以降の多くの赤ちゃんは、別にキョロちゃんではなくても、お母さんがおっぱいの時に語りかけたりした日にゃあとびきり嬉しくなってしまい、おっぱいを飲んでいるところじゃなくなってしまうのです。(汗)
ですので、哺乳最中のアイコンタクトや語りかけは、ハッキリ言って良くないと思います。

かと言って、添い乳時にケータイかぁ~、ううむ、それはどうかなぁ?
添い乳の最中に赤ちゃんを見ないようにするのではなく、ちょっとだけ視線をずらして、赤ちゃんを見てあげたらいいのではありませんか?
「湿疹や汗疹は出来ていないかな?」
「今日はうんちが少ないような気がするけど、こんなものかなぁ?」と観察することは、きっとこの後、役立つと思います。
添い乳をすれば、大抵ネンネするのでしょうが、そうではない時もあるでしょうし、そういう場合に、おっぱい終了時に、アイコンタクトをして、抱っこして、いっぱい語りかけてあげたら良いと思います。

続きを読む "添い乳で眠らないためのケータイ使用って?" »

« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »