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2012年9月10日 (月)

特に妊娠12週迄は、レバーや魚の肝の摂取にご用心。

妊娠中の貧血予防と言えば、「レバーや魚の肝を食べればいいのよね!」という妊婦さんや医療者は意外と多いものです。
しかし、レバーや魚の肝には鉄だけではなく、動物性ビタミンA(レチノール)がとても多く含まれます。
妊婦さんのビタミンAの上限許容量は、5000IU(レチノールに換算して1650㎍)/日ですが、読者のみなさんはご存知でしょうか?
これは鶏や豚のレバーであれば約12g程度、牛レバーであれば150g、フォアグラであれば165g、鮟鱇の肝であれば約20g程度、鰻の肝であれば、約38g程度です。
注)植物性ビタミンA(βカロテン)については、体内でビタミンAに変化する前駆体のプロビタミンAなので、過剰摂取による胎児奇形の危険性云々は心配ないとされています。

妊娠中の貧血予防は大事ですが、特に妊娠12週迄は、わざわざ胎児が奇形を起こすかもしれない危険を冒してまでレバーや魚の肝を食べるのは如何なものかと思います。

そもそも、妊婦さんが貧血になり易い時期は、「お腹の赤ちゃんがグングン大きくなる」&「循環血液量が増加する」妊娠後期です。
悪阻が収まれば、バランスを考えたお食事も作れると思います。
レバーや魚の肝以外にも、鉄を含む食品は色々ありますし、調理方法や味付けに工夫すれば、吸収率も高まります。

色々頑張ったにも関わらず、残念なことに鉄不足による貧血になってしまった場合は、産婦人科ドクターから、鉄剤を処方されることになるかと思います。
ただ、過去記事にも書きましたが、鉄剤の困ったトコロは、吐き気と便秘を伴い易いため、自己判断で服薬中止をする妊婦さんが居ることです。
でも、鉄剤の自己判断での服薬中止は、絶対にしないでくださいね。
吐き気と便秘を克服するには、服薬のタイミングを工夫したり、水分の摂取や食物繊維を含む野菜や海藻をメニューに採り入れることにより解決の糸口が見つかります。

余談ですが、どうしてもの場合は、鉄剤を注射に切り替えてもらうことも可能です。
(注射の場合、定期的な通院が必要ですが、自宅から罹りつけの産婦人科が遠くて足繁く通院するのが困難な場合は、近医宛に注射をしてくださいという旨の依頼書を産婦人科ドクターにお願いして書いていただき、通院の負担を減らすことも出来るかと存じます。)

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