乳房基底部マッサージの是非について。
妊娠中のおっぱいケアとして、乳房基底部マッサージ(つまり、乳房基底部に手を当て、乳房を揺らすというSMC式マッサージのようなおっぱい剥がし体操のようなアレです。)は、基本的にしなくていいと思います。
特に前回のお子さんの時、過分泌で乳房トラブルを繰り返したり、搾乳しないと乳房が暴れて大変だったというような経験のある場合は、止めておきましょう。
初産婦さんの場合は、出産後の分泌がいかほどのものなのかは未知数ですが、一般的に妊娠経過とともに順調に乳房が大きくなってきたり、開通マッサージをしてみたら、ジワジワ~タラタラ分泌しているのであれば、やはり不要かと思います。
強いて言うなら双子ちゃんの場合、初産婦さんであっても経産婦さんであっても、した方がいいかなと思います。
と申しますのも、管理入院中の妊婦さんにはご気分を害するようで申し訳ないのですが、次のようなことが想定されるからです。
①満期産まで保ってくれる可能性がおなかの赤ちゃんがひとりだけの方よりも低いこと。(途中で妊娠高血圧症候群が重症化して、救命優先で緊急帝王切開ということもあるかもしれません。)
②二人揃って2500g以上まで育つ可能性が低いこと。(妊娠週数その他諸々の条件を鑑みて。)
③そうなると、恐らく赤ちゃんたちは保育器に入って搾ったおっぱいを鼻腔から管で注入するか、哺乳瓶で飲ませるかという状況になることが想定されること。
④小さくても二人前のおっぱいを賄おうと思ったら、出産されて数日はともかく、ゆくゆくは一人前だけ賄えばいい方よりも沢山のおっぱいが必要であること。
⑤直母が上手く行けばいいけれど、口腔機能の発達が今イチで二人とも下手っぴちゃんだった場合、搾乳メインが続くので、容易に搾乳出来るようにするためには、おっぱいの分泌が常に多いほど、短時間で搾れるので、お母さんの身体的負担負担が減らせること。(例えば、二人前で80mlのおっぱいが必要だとして、充分に乳管開通していて、メ○ラ社の手動若しくは電動搾乳器を使ったとして、搾乳に要する時間が15~20分で済むのと30~40分もかかるのとでは、毎日のことですから疲労の度合いが違ってきますよね?疲労が蓄積するとおっぱいの分泌量も低下してきますからね。)
⑥直母による乳頭刺激が乏しければ、ひにちが経過してもおっぱいの分泌が勝手に増えることは期待できないこと。(定期的な乳頭刺激と1日7~8回以上のコンスタントな搾乳刺激があれば状況は改善しますが、病産院によっては帝王切開の場合、搾乳は乳房が張ってからという条件を出しておられるトコロもあるとのことですし、張らないタイプの方であれば、1回も搾ってもらえなかった方もいらっしゃるとか。また、赤ちゃんとの面会すら制限をされる場合もあります。お母さんが妊娠高血圧症候群や出血多量による重症の貧血等で病状が落ち着かなければ、やはり1日7~8回以上のコンスタントな搾乳をしたくても出来ないという事態も想定されます。)
・・・気が滅入りそうなことばかりかいて済みません。
そういうことって、言い方悪いですが、双子ちゃんのため管理入院中の妊婦さんに産婦人科医や助産師や看護師が言ってくれることってまず無いと思うのです。
だって、管理入院しているってことは、妊娠経過ができるだけ正常で週数を稼げることが最優先ですから。
切迫早産の気配もあり…だったら、尚更その傾向に拍車がかかります。
つまり、その妊婦さんの産後のおっぱいのことなんか誰も言わないし、妊婦さん自身も一日が過ぎていくのにやっとこさの心境ですから想定することが無いと思います。(要するに出産がゴールになり、産後の生活がイメージできない花畑妊婦と似通った状況に陥りがちなのです。)
そういう理由で、した方がいいと考えるわけです。
過去記事に書いているように、乳頭・乳輪を触るのとは異なり、乳房基底部を揺らすマッサージはおなかの張り(腹緊)には影響しないので。
直母できるようになるまでは、搾乳で分泌を賄うことも母乳育児をしていくうえでは大切なことですからね。
コメント
1 ■無題
おっぱい剥がし体操、マザークラスで話題になり妊娠中からやってた双子の母です。
管理入院は免れましたが35週で帝王切開で産まれ、低体重のため保育器にはいりました。
早産防止のために乳輪のマッサージは全くしていませんてましたが、入院中から分泌はよく、退院直前には100ml搾乳出来てました。
今思えばおっぱい剥がし体操のおかげだったのかな、と思います。
双子はもうすぐ10ヶ月になり、離乳食と母乳だけで育てています。
同時授乳時にキラキラした目で二人から見つめられるとおっぱいで頑張ってよかったなぁと思います。
SOLANINさんのブログのおかげです。ありがとうございます!
あさ 2012-08-04 00:43:53
2 ■二人目が
妊娠高血圧症候群で、二人目は、低体重早産児でした。
訳もわからないまま、緊急帝王切開。
よくわからないまま、母体も危険だとまわりは、大騒ぎ。
でも私は、上の子のときになかなか母乳が出なくて大変でしたので、術後すぐから、必死でマッサージしていました。手術後の痛みより、搾乳できるのか?搾乳で、退院まで母乳が出続けるのか?その心配ばかりでした(笑)上の子に飲ませたら、量が増えるんじゃないかと、助産師さんに言って笑われたこともありました。看護師さんには、呆れ気味に叱られましたけど。知らなければ、気にしないで入院生活を送ったと思います。懐かしくてついつい書き込みしてしまいます。大騒ぎの出産から一年。ピョンピョン跳ねて、おっぱいを催促する息子。もう小さかった面影は、ありません(笑)
ここぶ 2012-08-04 01:02:51
3 ■過分泌で、おっぱい暴れました(´Д` )
双子ではありませんが、基底部マッサージを妊娠中から産院で勧められ、
真面目に取り組んで居た所大変な事になりました!
生憎娘はちょこちょこ飲みの、眠り姫で、産後2ヶ月まで、O式で週に1~2回手技をうけて母乳を排出しなければ、すぐにパンパンに張って、乳腺炎になって痛くて歩く振動も辛いほどでした。
その頃の食事は、もちろん、ノンオイル、肉抜き、乳製品も抜きの、超ヘルシーメニュー。
体質もあるのでしょうが、産後一年経った今でも流し込み直母状態です…。
離乳食も進んできていますが、母乳の量ももう少し減ってくれるとありがたいです。
産前から、この最強母乳外来に出逢いたかったです~m(_ _)m
めいにゃん 2012-08-04 01:57:08
4 ■知りませんでした。。。
一人目が前置胎盤,次が双子でマッサージをすることなく出産しました。
「乳房基底部マッサージ」というマッサージがあることを知りませんでした。
混合で頑張りましたが,一人目は5か月で,双子は4か月で母乳はほとんど出なくなりました。
乳房基底部マッサージをしていれば違ったのかも,と悔やまれます。
sakura 2012-08-04 10:48:29
5 ■Re:無題
>あささん
あささんのおっぱいライフにいくばくかでも東部ログが貢献できたら幸いです。
SOLANIN 2012-08-04 21:50:55
6 ■Re:二人目が
>ここぶさん
1年のおっぱいライフ。
長いような短いような。
がんばった日が懐かしいね。
これからは、おっぱいライフ第2章ですよ。
醍醐味はここからですよ♪
SOLANIN 2012-08-04 21:53:02
7 ■Re:過分泌で、おっぱい暴れました(´Д` )
>めいにゃんさん
どういう場合に有効なのか?を考えることができるのが、当ブログの特徴ですからね。
万人向けのこともあるけれど、一見よさげで実はそうでもないこと、ケースバイケースってことを理由を述べて書いてますからね。
SOLANIN 2012-08-04 21:55:50
8 ■Re:知りませんでした。。。
>sakuraさん
それでも、4ヶ月のダブルおっぱいライフは誰にもまねできない宝物だと思いますよ。
SOLANIN 2012-08-04 22:06:27
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