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2012年5月

2012年5月31日 (木)

お勧めしたい書籍 『うちにあかちゃんがうまれるの』

生命を大切にするということを体験を通して我が子に教えるには、可能であれば、兄姉となる上の子さんに、お母さんのおなかに宿った赤ちゃんを感じられる機会を何度も作り、出産に立ち会わせてあげ、それを記録に残すことが有効かと思います。
でもそれって、具体的には何をどうしたら?ですよね。

この著者のいとうえみこさんは自宅出産をされた方です。
ちなみに写真はいとうえみこさんの旦那さんが撮影されたもので、アットホームな雰囲気が醸し出されています。
自宅出産は誰にでも真似のできることではありませんが、例えば、妊婦検診に上の子さんを連れて行き、一緒にエコーを見せてもらったり、心音を聞かせてもらうくらいは頼めばできると思います。
また、毎日おなかを触っての語りかけを繰り返すことは、兄姉になる自覚を少しずつ持たせていくことに繋がると思います。
出産の立ち会いも、まだ旦那さん限定の病産院が多いようですが、しっかりしたバースプランを立て、産婦さんが信頼できる方(旦那さんや実母さん)が上の子さんの子守りをするという条件を入れれば、交渉次第で受け入れてくれるかもしれません。
それでもどうしても上の子さんの出産立ち会いが許可していただけないなら、出産直後に分娩室に入室させてもらいたいと切望すれば、譲歩してくれるかもしれません。

この絵本には、妊娠・出産を記録として残すとしたら、こんな写真が素敵だな?と感動する場面が沢山あり、参考になります。
上の子さんへの読み聞かせにも良い本じゃないかと思います。
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(32頁で1260円)
記事アップ時点で判明しているのは、密林では中古本のみ取り扱いの様子。
楽天ブックスは取り扱い自体無し。
新品が入手したい方はlivedoorBOOKSかセブンネットショッピングにあるようです。
もしかしたら地域の図書館の蔵書の中にあるかもしれません。
捜すとしたら、「児童書」のジャンルですな。
ポプラ社から8年くらい前に発刊された本です。

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2012年5月30日 (水)

物凄く執着してるけれど、卒乳出来ますか?(2歳8ヶ月)

<ご相談内容>
2歳8ヶ月の我が子は、未だに現役バリバリのおっぱい星人です。
周囲からは「止めないと甘えん坊になる!」「せめて寝る前だけにしたら?」「おっぱい飲む分、栄養が偏るのでは?」とか散々な言われ方をされ、そう言われることが一番ストレスフルな毎日です。

ですが、ここまで大切に慈しんできたのですから、自然卒乳と決めて頑張っています。
幸い、これまでこれといって乳房トラブルもなく、徐々に直母回数は減り、おっぱいの分泌量も減っていきました。

それでも4~5回/日はおっぱいを欲しがります。

私としては少なくなったと思うのですが。
ただ、あまりにも執着が強い時は、「ホントに卒乳出来るのかな?」と、少々不安になってしまいます。

<SOLANINの回答>
2歳8ヶ月で現役バリバリなのですね。
それを受け止めてあげる相談者さん、素敵です♪
でも時々、相談者さんの気持ちが不安になってしまうのは、お子さんの執着だけではなく、母乳育児に対する周囲の理解不足発言のせいだと思います。
毎日毎日、おっぱいをあげることがイケナイことのように言われ続けるから、ついつい「我が子の辞書に“卒乳”の二文字は無いのではないか?」と思えてしまうから不安になるのではないですか?

それでも、2歳8ヶ月です。
外遊びは好きでしょう?
走り回って好きな遊びをして夢中になっている時、おっぱいを欲しがることは、殆ど無いのではありませんか?
運動量が多くなってきますから、おなかも空くし、ご飯だってそこそこ食べられるようになってきていますよね?
自分の希望することを言葉で伝えられるようになってきていますよね?
その上でのおっぱいだったら、何も問題ないですよ。
間違いなく、相談者さん家のおっぱい星人さんは、卒乳への道のりを歩き始めていますよ。
別に相談者さんは2歳8ヶ月のおっぱい星人さんにガンガンとセールスをしているわけではないでしょうし、お子さんが欲しがった時にあげているだけなのでしょう?
だったら、肩のチカラを抜いて!
「おっぱいはもうええんちゃう?と言われた時の対処法」の記事、憶えていますか?
もう一回あの記事を読みましょう♪
母乳育児に対する周囲の理解不足発言には、華麗にスル―(≒良い意味での図太さ、女優になったつもりでの長セリフ)が一番です。
おっぱい星人さんを信じ、待ってあげることが出来たら、最高ですね。

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2012年5月29日 (火)

日焼けについて気をつけること。

昨日、“日焼けと予防接種”という記事を書きましたが、お読みいただいていますか?もしかして、まだの方は、そちらも必ずお読みください。

脅かすつもりはありませんが、日焼け(≒紫外線)の影響について、もうひとつ付け加えたいことがあります。
日焼けして10日間くらいは、既に獲得している免疫力も低下するのです。
ということは、例えば、以前にBCGを接種して、ツベルクリン反応をしたら陽性に出る筈なのに、陰性に出てしまうなんてこともあるそうです。
ただ単に反応が陰性に出るだけではなく、その間の免疫力が低下していることを意味しますから、結核の方と接触したら感染る危険性が跳ね上がるといことです。
大袈裟でもなんでもなく、そういうことなのですね。(汗)

ここでクイズです。
Q「免疫力が低下したら、どんな病気が出易いか?」
A「ヘルペス?」・・・ピンポ〜ン!!正解です。
乳幼児であってもヘルペスを患ったことのある方は、いらっしゃいますからね。
日焼け(≒紫外線)により、一度は無事終息宣言を出していたヘルペスが再び蠢(うごめ)くなんてことも有り得るのです。

元気に外遊びをさせるのは良いことです。
しかし、免疫力が低下した状況では、日焼け(≒紫外線)避ける必要があるということですね。

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2012年5月28日 (月)

日焼けと予防接種。

乳幼児の肌はとてもデリケートです。
これからは特に紫外線の強い季節になりますからね。
外出時は日焼け止めクリームをマメに塗布しましょう。
どんな日焼け止めクリームが適しているかは、随分前に記事化していますから忘れちゃった方や知らない方は検索してくださいね。

さて、記事タイトルの“日焼けと予防接種”ってどういう意味なのか、不思議な感じがするでしょう?
実はですね、次の日に赤くなる位の度を越した日焼けをさせてしまうと、紫外線の影響で免疫抑制が起こることがあるようなのですね。
つまり、日焼け(≒紫外線)は、感染症の発症に関与している可能性があるらしいのです。

例えば殆どの予防接種は注射ですから、経皮的に感染症の抗原がカラダに入ることを意味していますよね?
なので、日焼け(≒紫外線)の影響で子どもの免疫力が低下した状況で、予防接種をしたらえらいことになってしまいかねません。

ちなみに注意を要する日焼けの影響は10日間くらいはあるそうです。
つまり、予防接種を受けて10日間くらいは、日焼けに注意する(=日焼けして10日間くらいは予防接種を受けない)ようにしましょう。

そう言えばSOLANINも、大昔に子どもが予防接種を受けた時(確かBCGだったと思う。)接種部位が乾燥するまで屋内待機で、帰る時も直射日光に当たらないように注意されましたな。
今更ながらですが、そういうことだったのね・・・

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2012年5月27日 (日)

逆子が治り服薬中止、上の子に直母再開していい?(36週)

<ご相談内容>
ウチのおっぱい星人は2歳1ヶ月です。
出産直後からこちらのブログを参考に、完母で育てることができました。
卒乳を目指していたのですが、先日二人目を妊娠し、34週で逆子になってしまったため、1日1回(就寝前)1錠のウテメリン®を内服の上逆子体操を指示されました。
お腹を張らせないようにとのことでしたので、泣く泣く断乳して1週間になります。
本日の検診で逆子が治っていることがわかり、服薬もなくなりました。
週末から36週です。
ウチのおっぱい星人はまだおっぱいと呟くこともあり、私の気持ちとしてもできれば再開したいなと思っています。
1週間、1日1錠のウテメリン®の服用で今後の授乳に影響はありますか?
また、1週間おっぱい飲めないよと言い聞かせていたので、もうあげない方がいいのでしょうか?

<SOLANINの回答>
おっぱい星人さんはその後いかがお過ごしですか?
36週に入り、おなかの赤ちゃんは再び逆子になることもなく、順調に発育されていますか?
医学的な定義で言えば、早産は36週6日までに出産することです。
勿論ここまで来たからには、SOLANINとしましても是非37週0日の満期産まで持ちこたえてほしいと思います。

さて、ご質問の件ですが、今回の妊娠で、1日1回1錠の張り止め薬を服用したことがあるからといって、今後の授乳には特に影響は無いと考えられます。
それから、母乳育児の主体は飲み手ですから、難しく考えず率直におっぱい星人さんにおっぱいが欲しいか欲しくないか聞いてみればいいのですよ。
その結果、欲しいと答えがあれば、これまでの経緯をきちんと説明をして直母再開されたら如何でしょうか?
36週といえば、切迫早産だった方であっても、そろそろ巻きでおっぱいのお手入れを頑張る時期ですからね。
もしも直母再開という運びになれば、それはおっぱい星人さんの気持ちを満たしつつ、おっぱいのお手入れもできることを意味します。
一石二鳥ではありませんか!
相談者さんの気持ちとしてタンデム授乳が想定内であれば、悩むことは何も無いと思いますよ。

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2012年5月26日 (土)

離乳食にハマる完母の赤ちゃんの授乳はどうするの?(8ヶ月)

<ご相談内容>
6ヶ月から離乳食を開始して、現在8ヶ月で2回食なのですが、急に食べる方にハマってしまい、おっぱいの飲み方が少なくなってきました。
下痢もアレルギーもこれといった好き嫌いも無く、離乳食を喜んで食べてくれるし、常にパーセンタイルグラフ下限ラインギリギリだった体重も、いつの間にか真ん中近くなりました。
赤ちゃんの発育が良くなったことは有り難いことなのですが、たまに乳房が痛くなり、ヤバくなることもあります。
その時は必死に飲ませて無事回復していますが・・・(汗)

おっぱいは与えれば当然のように飲みますが、いまだに大して飲んでいない段階でふぅ~っと眠りそうになります。
おっぱいよりも、食べる方が好きなように思えます。
こういう場合の授乳はどのように考えたらいいのでしょうか?

<SOLANINの回答>
完母の赤ちゃんには珍しいケースなのでしょうが、離乳食を喜んで食べてくれるというのは、有り難いことですね。
下痢もアレルギーも無いのであれば、この先も量や硬さを考慮しつつ、ボチボチと離乳食を進めることは、問題ないでしょう。

問題は、お母さんの乳房コンディションですね。
基本はヤバくなったら、必死に頻回直母する・・・で桶ですが、まずは授乳間隔が空きそうな時間帯の前のお母さんのお食事は若干控えめにされたら良いと思います。
若しくは、おっぱいをちょこっと飲ませてから離乳食を食べさせるか?ですね。
いくら順調に離乳食が進んでいても、まだたったの8ヶ月の赤ちゃんです。
いきなりおっぱいを止めさせて、離乳食だけで体重を増やしたり栄養成分の摂取を賄うことは難しいと思います。

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2012年5月25日 (金)

特に問題が無さそうなのに直母が出来ない!その1(新生児)

<ご相談内容>
助産師さんからは私の乳頭は突出しているし、分泌も問題ないし、赤ちゃんも吸啜する時、口角から舌が見えているし、下口唇はきちんとアヒル口になっているし、歯茎よりも前に舌は出ているし、ペチャペチャという効果音も無いのに、直母が量になりません。
搾乳中心でするしかないと思っていましたが、ふとしたきっかけで乳頭保護器を使用したら、充分な量が飲めるようになりました。
何故なのでしょうか?

<SOLANINの回答>
確かに相談者さんの赤ちゃんは、上手に直母が出来ている時のチェックポイントを多く満たしていらっしゃいます。
こんなに条件が整っているのに、直母が量にならないのは不思議な感じがしないでもありません。
ただ、実際にみさせていただいた訳ではないので、「何故上手くいかないのか?」という質問の答えは、ある程度推定によるしかないのですが、もしかしたら、上口唇が内側に巻き込んでいるのではありませんか?
特に内側に巻き込むだけではなく、吸啜時にウニュウニュと動いていませんか?
つまり、上口唇の密着が出来ていないことによる、直母困難だったのではないかと思われます。
乳頭保護器は使わずに済めば、それに越したことが無いでしょうが、使ってうまくいくのであれば、搾乳の手間が省けまますし、丁度いいかもしれません。
こういう場合もシリンジ授乳をして吸啜トレーニングをしていかなくてはなりません。

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2012年5月24日 (木)

添い乳のフィット感を高める簡単な方法。

<ご相談内容>
◆赤ちゃんに添い乳をしたいのですが、私の乳房が小さめなのかもしれませんが、添い乳する時、赤ちゃんの口の高さと、乳頭の高さが合わなくて、出来無くて困っています。(新生児の母)

◆添い乳をして寝かしつけているのですが、どうしてもラッチオンが浅くなり、乳首が痛くなるので困っています。(3ヶ月児の母)

◆赤ちゃんに覆いかぶさるようにして添い乳していたら、不自然な姿勢だったのか、腰を捻ったようで痛いです。添い乳はラクだと言われるけれど、腰が痛いのは困りました。(6ヶ月児の母)

<SOLANINの回答>
はいはいはい。
多くの方が実践され、しかし、不思議なことに様々な面で意見の割れるのが添い乳でもあります。
例えば、「したい」VS「出来ない」
「ラクだよ」VS「腰が痛いよ」
先日の記事は、価値観に関することでしたね。
「寝かしつけには打ってつけだよ」VS「寝かしつけるためであっても癖になったら困るのでは?」ってな論調で、多くの意見が出ましたね。

う~ん・・・この違いって何なのでしょうね?
それはですね、最も適した方法を教えてもらっていないからではないかとSOLANINは睨んでいます。
これら月齢の異なる3つのご相談を一気に解決するのが、これからお話しするやり方です。

とっても簡単。
だって横向きに寝かせる赤ちゃんのカラダの下に、四つ折りにしたバスタオルを適宜(赤ちゃんの体格にもよりますが、およそ2~3枚)敷けばいいのですから。
後は横向きの背中を支えるクッションやバスタオルを丸めたモノ。
嘘だと思ったらやってみんしゃい!

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2012年5月23日 (水)

断乳後のセルフケアをなおざりにすると、ヤバいです!

おっぱいをあげるお母さんに、個人的にしてほしくないことは幾つかありますが、その一つが断乳です。
自己流ならぬ自己チューで止めちゃうから、パンパンに張って痛くて辛くて・・・収拾がつかなくなって、駆け込み受診みたいなことをする人には、助産師も泣かされます。

《理由》
◆おっぱいに未練たっぷりのお子さんが可哀想でならない。
◆助産師の手がバカになるくらい搾らねばならないことがある。(大袈裟でもなんでもなく、「こんなに手を酷使して、万一動かなくなったら、労災だろうか?」と思ったことは一度や二度ではございません。)」

しかも、痛くて辛かったら助産師の指導(それもちっとも難しくないこと)を聴いてくれたら良いのに、聴く耳を持たない人が多い。
例えば、自分でするおにぎり搾り。
この間は、「おにぎり搾りは、次回来院時まで1日に1~2回/日くらいはしてくださいね。量は少なくても良いですから。」と注意念押ししたのに、「段々ラクになったし、変に刺激したらイケナイかと思って、自己判断でおにぎり搾り止めました。」などど抜かす人が居ました。(泣)

まったく、「○○様はアホでございますか?」と嘆きたくなりました。(by:ドラマ「謎解きはディナーの後で」の宝生家執事・影山役の櫻井翔くん風に。)
確かに段々ラクになるでしょうが、
次回来院時が2週間以上空く場合、全く触らなかったら、早々に乳管開口部が閉鎖してしまう危険性があるから、おにぎり搾りは勝手に止めちゃいけないのです。
段々ラクになったとしても、おっぱいの生産に急ブレーキが掛かったとしても、断乳したら即一滴もおっぱいがつくられなくなる・・・のではないですからね。
ジワジワつくられたおっぱいは放置すると、乳腺組織に溜まっているということですからね。
微量ならともかく、相当量が溜まってしこりみたいになっているのに、乳管開口血部が閉鎖してしまったら、助産師の手を借りても溜まったおっぱいが排出出来ないことだってあります。
そうなると、乳腺外科とかに受診して頂き、穿刺(せんし)して抜き取るなぁんてことになりかねないのですからね。

「そんな危険性があるのなら、もっと早くに再診させたらいいのでは?」ですって?
ところがギッチョン、お相手は自己チューさんですからねぇ。
「えぇ~っ、その週は都合が悪くて再診なんかできませんっ!」と返されるなんて普通にありますから。(涙)
どうにか予約を取ってくれても、結局後日キャンセルする人だっているんですよね。
で、「外科行って、針を刺されて痛かったし怖かった。」と呟かれてもねぇ。
対応させられる助産師としては、そういう物言いを付けられても、「ちょっとそれって違うんじゃないですか?(怒)」と逆に訊きたいですね。

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2012年5月22日 (火)

絨毛膜下血腫って言われたけど、大丈夫?

今月13日に記事化したタイトルと、似ているので間違えないでね。
13日のは「絨毛羊膜炎(じゅうもうようまくえん)」で、今日のは「絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)」ですからね。

「絨毛膜下血腫」とは、何なのでしょうか?
それは、子宮が大きくなることや、妊婦さんの動き過ぎ等が誘因となり、絨毛膜と子宮内膜の間に出来てしまった血の塊のことです。
それが或る日、何らかの刺激で子宮の外に流血し、そうなると当然ですが、「えらいこっちゃ!受診せねば・・・」となり、エコー検査で「絨毛膜下血腫」が発覚・・・というパターンは、かなりあります。
併せておなかが張ったり痛くなったりすることもあります。

但し、血腫が小さければ自然に吸収され、難を逃れることも可能です。
おなかの赤ちゃんに異常が無く心拍もハッキリ見え、産婦人科ドクターの指示通り安静に過ごし、止血剤や子宮収縮抑制剤等の内服を確実に行えば、胎盤が形成される頃には新しい出血は見られなくなってきます。
そうそう、血腫からの流血は、古くなると茶褐色になりますよ。
ダラダラ出血している場合であっても、茶褐色のみであれば、新たな出血は起きていないであろうと推測されるので、そんなにビビら無くても大丈夫ですよ。
つまり、「絨毛膜下血腫」と診断されても、出産に漕ぎ着けることは、決して不可能ではありません。

ちなみに「絨毛膜下血腫」になったからといって、「絨毛羊膜炎」になるとは限らないし、なるリスクが高まる訳ではないので、その点はご安心いただいても良いかと思われます。

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2012年5月21日 (月)

ポートワイン母斑って、聞いたことがありますか?

ポートワイン母斑とは、いわゆる単純性血管腫の一種で、俗に赤痣(あかあざ)とも呼ばれています。
イチゴ状血管腫のような盛り上がりは無く、主にお顔に出来ることが多いです。
脚や腕にも出来ることがあります。
場所的に目立つ部位なのに自然治癒は期待出来ないので、何らかの治療を受けることになります。

治療方法としては、全身麻酔下での手術、レーザー光線療法等がありますが、早い時期(だいたい生後3ヶ月頃から)に治療に踏み切れば効果が高いこともありますので、1ヶ月健診の際には、何処で治療が受けられるのか?を担当の小児科ドクターに情報提供していただき、紹介状持参の上、受診しましょう。
尚、受診する診療科は形成外科か皮膚科になるかと思われます。

赤痣を目立たなくするための治療ですから保険適用になりますし、乳児医療の範疇なので、経済的負担は少なくて済むと思います。

ごく稀にですが、ポートワイン母斑のある赤ちゃんには、痙攣等の神経症状が発現したり、発達遅延を伴う別の病気が隠れていることもありますので、見た目の治療が終了しても、これにて一件落着とばかりに放置しないようにしてください。
通常は小児科若しくは小児神経科で、定期的にフォローをしていくことになるかと思いますので、念のためその旨心得ておいてくださいね。

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2012年5月20日 (日)

メ○ラ社のソ○ト○ップ®のユーザーさんへ。

ユーザーさんの数は少ないかもしれませんが、搾乳やミルクの補足にメ○ラ社のスイス製ソ○ト○ップ®を使用されている読者さんもいらっしゃるかと思います。
乳頭混乱が起きない優れモノではありますが、容量が80mlと少なめであることがやや難点です。
例えば、1回に100ml補足が必要だとすると、お代りしなくてはなりません。
大人しく待っていてくれる赤ちゃんならお代り制でいいと思います。
しかし、補足する相手がイラチちゃんの場合、そのお代りタイムに機嫌を損ね、プチ・哺乳ストライキ状態になることもあるようです。(涙)
どうしても補足が必要な赤ちゃんなのに必要量を飲んでくれないと、体重増加が一気に不振になってしまいます。
イラチちゃんには、補足量の確保とスムーズに飲み切って貰うことが、重要なのです。

先日、勤務先でそのような場面に遭遇し、どうしたものか?と途方に暮れていましたが、SOLANINはピカッと閃きました。
メ○ラ社のソ○ト○ップのフード部分を一昨年参加したセミナーで貰ったドイツ製ヌー○の哺乳瓶(フードを外した状態)に接続させたところ・・・OKでした!
内径が合致したのね♪
ということは、もしかしたら国産従来型の細口哺乳瓶でも、イケるかもしれません。
ちなみに同じメ○ラ社であっても、ソ○ト○ップのフード部分は、新型哺乳器カ○ム®の内径とは合致しませんでした。

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2012年5月19日 (土)

食べるモノの硬さと大きさを変える時の注意点。

思いのほか赤ちゃんの離乳食の食べっぷりが良くて、量を増やしても下痢やアレルギーの心配もない場合、食べるモノの硬さを変えて離乳食の段階を進めたり、回数を増やしたりすることになるかと思います。

その際、注意して欲しいのは、全ての食べモノの硬さを一気にバ―ションアップしないようにということです。
例えば、主食を10倍粥から7倍粥にしてもいいですが、併せて主菜や副菜を裏漉しやマッシュしていたものから大き目のカケラやほぐし身にしてしまうと、モグモグするのに疲れてしまい、食べる量が急に減ったり、食欲不振なの?と言いたくなるくらい食べるスピードがノロノロ状態に低下することがあります。

なにしろ食べ手は赤ちゃんですから、まだ擂り潰す歯が生えていませんからねぇ。
自動ドアちゃんであっても、さすがに疲れてしまいます。
そのあたりは、手加減してやってくださいね。

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2012年5月18日 (金)

癒合歯と指摘されました。(1歳6ヶ月)

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「癒合歯と指摘されました。(1歳6ヶ月)(改訂版)」公開中です。
最新の内容は、上記でご確認ください。

以下、過去記事。

<ご相談内容>
先日保健センターで、1歳6ヶ月健診があり、歯科のドクターにも診ていただく機会がありました。
虫歯は無くて一安心だったのですが、歯科のドクターから「癒合歯(ゆごうし)がありますね。」と指摘されました。
歯科のドクターによると、「現代人は顎が小さくなってきているし、そのせいで歯の数も減ってきているのですね。」という説明を受けました。
ウチの子は生まれてこのかた完母で、体重増加にも問題なく、離乳食もそれなりに硬さのあるものを食べさせてきたのに、何故癒合歯になってしまったのでしょうか?
また、永久歯の数も少なくなるのでしょうか?

<SOLANINの回答>
歯科のドクターから癒合歯と指摘されたのですね。
完母なのに、何故なのか?と、思ってしまったのですね。
なんだか釈然としないお気持ちお察しします。

実は癒合歯のお子さんは近年増えてきているようで、10人に1人位の割合であるとの報告もあるそうです。
癒合歯というのは、歯の本数が生まれつき少ないためであり、栄養方法とは関係ありません。
つまり、完母でも癒合歯のあるお子さんはいらっしゃるし、完ミでも癒合歯は無いお子さんもいらっしゃるわけです。
生まれつき・・・ということは、遺伝なのか?妊娠中の過ごし方が悪かったのか?と思ってしまいがちですが、そうではなく、たまたまそうなった・・・と解釈していただいて差支えないと思われます。(昔は妊娠中に服薬したお薬の影響という説もあったようですが、何も服薬していない妊婦さんであっても赤ちゃんが癒合歯になることはあるので、決定的な原因とは断言できないそうです。)

ただ、癒合歯は虫歯になり易いと聞いたことがあります。
お口のケアはしっかりと行っていきましょう。
永久歯の数が減るかどうかは、実際に生えてくるのを待つか、レントゲンで確認しないと分からないと思います。
今はまだ1歳6ヶ月ですし、歯科のドクターから特別何かしなくてはならないとは言われた訳でもないと思いますので様子見でいいと思います。

<追記>
乳歯が癒合歯の場合まず心配なのが、他の歯に比べて虫歯になりやすい歯であること。
なぜかと言うと、2本の歯が癒合している部位に深い溝が作られることが多く、大変ブラッシングしにくいからです。

次に歯並びやかみ合わせに悪影響を及ぼしやすいこと。
癒合歯があることで左右の歯の本数が異なってしまいます。
左右で歯の本数が異なると、上下の正中がずれてしまったり、不必要な隙間が生じてしまったりする可能性が考えられます。

その後の永久歯のことも考えると、他にも色々心配なことがありますので、小児歯科に力を入れている歯科医院で管理してもらいましょう!!

(名古屋で開業されている高田兄弟歯科の天白八事さん(ご専門は小児歯科と矯正歯科)のコメントをご本人の了解を得て追記とさせていただきました。
(2012年7月7日23時00分)

 

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2012年5月17日 (木)

搾り残しによるトラブル回避のために出来ること。(9ヶ月)

<ご相談内容>
現在我が子は9ヶ月になりました。
離乳食はボチボチ程度の2回食です。
仕事(フルタイム)復帰前の直母回数は駆け込み需要もあり、チャラ飲みも入れたら新生児並にほぼ10~12回/日ペースに増えました。(それまでも直母回数は7~8回/日はあったので、元々若干多目かなとは思います。)

勤務先は理解があり、搾乳は2回/日は確保出来ます。
量としては少ない時は100ml/回、,多い時は160ml/回は搾乳出来ます。
手搾りとメ○ラ社の搾乳器の併用で、極力偏らないように搾っています。
ただ困るのは、週末にかけて徐々にしこりが出来ることです。
乳腺炎にはなりたくないんです。
しこりが出来る度にヒヤヒヤします。
何か良い対策は無いものでしょうか?

<SOLANINの回答>
仕事復帰と母乳育児の継続、立派にされていて、感服いたしました。
フルタイムのお仕事とのことですが、搾乳をする時間を2回分貰えるのは、「理解ある職場」だと私も思います。
搾る方法や角度についても考えながら搾乳されていて、凄いなと思いました。
大したものです。

ここには書いていらっしゃらないですが、恐らく昼食にもきめ細かな配慮をされたのでしょうね。
となると冷えないように服装に気をつけることや、たんぽぽ珈琲の飲用に加え、週末は、離乳食の食べっぷりは少々少なくても大目に見て、「どうぞ、どうぞ。好きなだけ飲みなさいね♪」と、おっぱいにぶら下がらせてあげてくださるのが良いと思います。。
9ヶ月のおっぱい星人の吸啜力はとても強いですから、おっぱいにぶら下がらせてあげることで、するするポンと、閉塞部の開通(乳房トラブルの芽の帳消し!)が期待出来ます。
それが一番簡単で確かな乳房管理術ではないかと思いますよ。

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2012年5月16日 (水)

直母の前に清浄綿を使わないでね!

私の勤務先でも10年ほど前までは直母の前に清浄綿で乳頭・乳輪を拭いていました。
でも、乳頭・乳輪の形態に問題が無く、尚且つ妊娠中に乳頭・乳輪のケアを充分にしていたのに、乳頭亀裂が入ってしまうことの元凶がこの清浄綿で拭くことだということに辿り着いてから、全面的に止めるようになりました。

ところが、経産婦さんで前回他院でご出産された方はこういう理由をご存じないようです。
また、若年(つまり10代の方)のお母さんの場合、赤ちゃんのおばあちゃんになられる方が直母に関しても干渉されると言うかイニシアチブを取られることもあり、清浄綿を持ち込まれ、娘さんに「使いなさい!」と指導されることがあります。(困)
モノの理(ことわり)から説明すると、やたら長くなるので、SOLANINも褥婦さんには、「あの~、そういうのは使わなくても大丈夫ですから、そのまま直母しましょう。」とか「清浄綿は買い足さないでね。」とかくらいしか言いませんが。(汗)

乳輪にあるプツプツしたトコロはモントゴメリー腺という名前だということは、以前からの読者さんや恐らく医療関係者の方はご存知でしょうが、モントゴメリー腺からは、乳頭・乳輪を保護する物質が分泌されます。
清浄綿で拭くと、困ったことにそれが取り除かれてしまうのです。
しかも、赤ちゃんが本気出した時の直母の際の吸啜力はハンパなく強いですね。
それはつまり、ただでさえ吸われ負けしてヒリヒしている乳頭が更にダメージを受けてしまうことを意味します。
特に産科入院中は、まだ直母に不慣れゆえ浅飲みをさせてしまいがちです。
そうするとあっという間に乳頭頂が発赤したり、水疱や血疱が形成されたり、それらが破裂したり、亀裂が入って流血したりという恐ろしいことが起こってしまいます。

こういう理由があるので、くれぐれも清浄綿は乳頭・乳輪には使わないでくださいね。
妊婦さんで出産準備用品の買い物がこれからの方、これは大事なことですから憶えておいてくださいね。

 

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2012年5月15日 (火)

単純なバキュームではおっぱいは飲めません。

最近気になるのは、お母さんが短小乳頭・扁平乳頭&乳頭・乳輪が硬くて伸びが少なくて、尚且つ赤ちゃんがおちょぼ口で舌が前に出にくいタイプの組み合わせです。何故かと言うと、直母困難に陥り易いので厄介だからです。
通常、赤ちゃんはお母さんの乳頭・乳輪を歯茎で扱いた後、左右からシンメトリーに舌で巻き付け、前から後ろにうねらせて哺乳します。
ところが、上記の条件が揃ってしまうと、赤ちゃんは直母の際、バキュームかけるかのような吸いつき方をしがちです。
両頬のお肉を思いっき吸い込んで、まんまる頬っぺをペッコ~ンと凹ませながら(≒まるでムンクの叫びのような顔つき!)をリズミカルに繰り返しながら吸啜しようとします。
直母の最中に口角をチェックしても、もちろんというべきか、やっぱりというべきか、赤ちゃんの舌はチラッとも見えやしません。
このような拙い吸啜技術の段階で、安易にゴムの乳首を使うと、この先直母は出来なくなってしまう危険性が高いので、人差し指とシリンジ(中身は搾乳がベストですが、状況に応じて糖水やミルクという場合もあるでしょう。)で吸啜トレーニングすることが必要です。
また、乳頭・乳輪刺激が乏しくておっぱい分泌のスイッチが入りにくいので、授乳時間以外であっても暇を見つけて乳頭・乳輪を摘まみ出したり引っ張ったりの用手的刺激を地道にしていくことが必要です。

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2012年5月14日 (月)

可能であれば、お昼寝しましょう!

おっぱいをつくるホルモンである「プロラクチン」ですが、夜間は昼間の2倍くらい沢山分泌されることはご存知かと思います。
夜間の授乳は赤ちゃんの発育にはとてもメリットがあります。
なにしろおっぱいが沢山つくられる⇒それをがっつり飲ませる⇒赤ちゃん発育ペース上昇する・・・という展開ですから。
赤ちゃんの体重増加度がギリギリOKの状態ならば、夜間の授乳がボーナスタイムになりますからね!
「じゃあ昼間の授乳は意味が無いのか?」と言えばそうではありません。
例えば昼間、少し体を休める意味で、お昼寝をされると、「プロラクチン」濃度が上昇するそうです。
この仕組みを活用しない手は無いですよ。
お昼寝開始までに家事をこなしていけば、赤ちゃんに添い寝した後に、「今夜晩御飯作れなかったの。」的発言は言わなくて済むかと思いますよ。

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2012年5月13日 (日)

絨毛羊膜炎って言われたけれど、大丈夫?

絨毛羊膜炎(じゅうもうようまくえん)とは、どういう病気なのでしょうか?
妊娠すると、普段よりもカラダの抵抗力が低下します。
そうすると、膣内の常在菌(じょうざいきん・・・普段から在住しカラダには特に「悪さ」はしない細菌)が子宮頸部からやがて体部に入り込み、感染し炎症を起こしたというものです。

感染による病気なので、厄介なのは、切迫早産を惹き起すことです。
過去記事でも書いている通り、「エラスターゼ」や「フィブロネクチン」等の検査結果から判明することもあるし、発熱、おなかの赤ちゃん及び妊婦さんの頻脈、おなかの張り等々の症状が増強し、血液検査でCRPという項目がハイスコアになったりすること等々から診断されるようです。

こうなると、自宅で様子見していれば徐々に落ち着くということはます不可能で、入院加療が必要になってきます。
放置して切迫早産が本物の早産になったら大変なことになってしまいますからね。
病状によっては個室に入らなくてはならないこともあります。
ひたすら安静に過ごすことになります。
WCやシャワーも勝手に行ってはいけません。
外出なんてトンでもないことで、週末に自宅に帰り、家事をして上の子の世話をして・・・なんてことは論外です。
また、カラダの炎症を抑えるための座薬(ミラクリッド®というお薬)での治療や、おなかの張りを和らげたりする点滴を24時間持続で行う治療をすることになると思われます。
決して楽観できる病気ではないので、なってしまったら覚悟を決めて、産婦人科のドクターや助産師の指示に従ってくださいね。

でも、可能であればそもそもこの病気にならなければ早産のリスクは減るわけです。出来るだけのことをしてこの病気の予防していくという知識を持ちましょう。
です。
まずはこの病気は感染症なのですから、ただでさえ妊娠中は抵抗力が低下するので、規則正しい生活を心掛けます。
睡眠不足は出来るだけ避けます。
免疫力を高めると言われる食品の摂取も良いと思います。
おシモのことなので、オリモノが増えたり色が変わったり、変なにおいがしたりというのは細菌性膣症の可能性があるので、特に内診を毎回しない病産院で妊婦検診を受けておられる場合は、そのような兆候がある場合は、自ら申し出て、内診していただくようにお願いしてみましょう。
このほか、性生活の際、コンドームを装着することも有効です。
精液の中には、おなかの張りを発現させる物質や赤ちゃんを包んでいる膜に炎症を起こす細菌が含まれますから、妊娠中は早産の回避のためにも、旦那さんの協力をしてもらうのがいいと思います。

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2012年5月12日 (土)

赤ちゃんの眼脂が気になります。

<ご相談内容>
赤ちゃんの目やにが気になります。
受診すべきでしょうか?
その場合、罹り付けの小児科ですか?
そうではなくて、最初から眼科ですか?

<SOLANINの回答>
目やに(眼脂・・・がんし)が出るにはそれなりの理由があります。
赤ちゃんの眼はとてもデリケートなので、お世話をする方が、何気に赤ちゃんの目頭を指先でちょちょいと触っただけでも感染を来たし、炎症を起こすので眼脂が出ることもあります。
グングン体重が増えると、赤ちゃんの頬っぺたがパンパンになるため、逆さまつ毛になり、それが刺激となってで眼脂が出ることもあります。

また、SOLANINが所属する日本母子ケア研究会の故・山西みな子先生は、感染云々とは別の考え方で、母乳育児中のお母さんであれば、大豆及び豆製品は眼脂が出る時は少なくとも1週間は控えて方が良いと仰っています。
また、同研究会の柳澤薫先生は対応として、母乳の点眼をお勧めしていらっしゃいます。
ちなみに、母乳の点眼は、我が国では江戸時代から行われていたそうです。

受診先は罹り付けの小児科でも大丈夫です。
その場合、赤ちゃんには申し訳ないですが、受診前は、わざと眼脂が付着した状態にしておいてください。
状態によっては、眼脂の培養検査をされることもありますし、どの程度の眼脂なのかということの判断材料にもなるからです。
拭き綿で綺麗サッパリ眼脂を拭き取り、眼元涼やかな状態で受診すると、小児科ドクターから、「う〜ん。お母さんどこが酷い眼脂なのですか?何も出ていませんよ。ちょっと大袈裟では?」と窘められかねませんからね。(汗)
万一特別な治療が必要なタイプの眼脂であることが発覚した場合は、小児科ドクターから眼科ドクターへ紹介状を出されることもありますので、心配は無用です。
もちろん最初から眼科受診してもいいと思いますが、赤ちゃんの診察はオトナの診察とは異なりますから、念のため(受け入れ態勢について)電話で確認してから受診した方が無難かと思います。

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2012年5月11日 (金)

乳頭損傷が増悪する場合は、無理せず直母お休みしましょう。

産科入院中に乳頭が発赤し、ヒリヒリ痛をラップパックして乳頭を養生させることはしばしば起こり得ることですが、上手にラッチオン出来るようになれば、乳頭損傷は徐々に軽快する筈です。
ところが、産科退院後に乳頭損傷が増悪して、発赤どころか乳頭頂全体に亀裂が入ったり、出血してくる方がおられます。
そういう場合は、思い切って頻回直母は一旦お休みにしましょう。
生後何日も経っているのに乳頭損傷が増悪するということは、真っ当な直母をマスターしていないままに退院してしまったことを意味しています。
つまり、根本的にラッチオンから見直さないと、痛みに耐えて直母しても意味がないということです。(多分、直母量も1ケタ〜10g台程度しか飲めていないと思います。)

産科退院後に乳頭損傷が増悪するパターンとしては、お母さんが扁平乳頭や陥没乳頭の場合だけではなく、舌が短い赤ちゃん、お口をすぼめて乳頭だけをクチュクチュする赤ちゃん、乳頭を歯茎でガジガジ齧る赤ちゃんは、下手っぴちゃんゆえ、直母の基本の「き」である、乳輪からがっぷりと咥え、乳頭を舌で左右から巻きつけて前から後ろにうねらせるという動作が出来ていません。

直母をお休みする場合、搾乳をして分泌の維持をすることは重要事項なので、していただきたいですが、効果的な乳頭刺激を得られないうちは、分泌量が伸び悩み・・・ということもあります。
搾乳の量が少なくて、ミルクの量の方が多くても、めげないでくださいね。
搾乳やミルクを飲ませる時は、必ずお母さんの人差し指の第一関節と第二関節の間までお口に入れ、指の腹を赤ちゃんの舌に当てがい、吸啜トレーニングさせつつ、口角からシリンジやスポイドの先を入れて補足してください。

健常新生児であっても、直母のラッチオンが上手く出来ていない赤ちゃんに哺乳瓶を使うことは避けたいのですが、どうしてもというのであれば、やはり「母●相●室」が無難かな?と思います。(その場合、必ず購入先で正しい使用方法の指導を受けるか、当ブログの過去記事の画像をご参照ください。)
早産児・低出生体重児等で、お口そのものが小さくて、まだ「母●相●室」を使いこなせない段階であれば、やはりシリンジやスポイドで頑張った方が良いと思います。

 

2012年5月10日 (木)

お気に入りのぬいぐるみでも許せないっ!(1歳)

1歳以降になると、色々な場面でお母さんの真似をしたがるようになってきます。
例えば,おんぶであれば、お子さんがお気に入りのぬいぐるみ(以下長いので、ぬいぐるみと表記します。)を腰紐か何かで背負わせてあげると、すっかりお母さん気分で、そのまま家の中を歩き回ったりします。
授乳であれば、直母する時の様子を真似て、ぬいぐるみ相手にに自分の服をめくっておっぱいを吸わせようとします。
見ていてほのぼのします。

ところが、お母さんがお子さんの真似をして、ぬいぐるみをおんぶしようとしたら、困ったような表情をしたり、背負うのを止めさせようとします。
お母さんの背中は自分の指定席だと思っているからです。
背負っている状態を見れば、「早くぬいぐるみを降ろせ!」と騒ぐお子さんも居ます。

・・・ぬいぐるみをおんぶしようとした時のお子さんのリアクションもかなりものですが、もっと凄いのは、おっぱい星人の面前で、ぬいぐるみに授乳しようとした時です。
お母さんがぬいぐるみに直母しようとするのに気がついたら、おっぱい星人は、大声で叫んだり、お母さんに向かって突進して、全力で阻止することもあります。
いつもはお気に入りのぬいぐるみであっても、お母さんの手から奪い放り投げることさえあります。
お母さんにしてみたら、真似のお返しくらいの軽い気持ちでしたことでも、おっぱい星人にしてみたら、マジ切れしそうな気持になるようです。
そして、相手がぬいぐるみであっても、「このぬいぐるみはライバルかもしれない。」と思った瞬間、お母さんを取られたくない&ぬいぐるみでも許せないっ!」という気持ちになり、武力「行使してしまうこともあるのですね。
オトナの理屈では推し量れないくらい、おっぱい星人はヤキモチ妬きでもあります。
これって何と表現するのでしょうね?
赤ちゃん返りじゃないし・・・ぬいぐるみ返り?
お母さん・・・愛されてますね♪

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2012年5月 8日 (火)

完母に移行できたけれど、便秘になるのは母乳不足?(2ヶ月半)

新生児のうちは混合栄養であっても、吸啜力が強さ的にもテクニックとしても向上し、直母が出来るようになれば効果的な乳頭刺激を得られるようになるので、2~3ヶ月頃には完母に移行できることがあります。

一般的な傾向ですが、新生児期以降は特にミルクの割合が多いほど、うんちの回数は少なめで、まとめてドカンと出すパターンが多いものです。
また、発育良好な完母の赤ちゃんであっても、丁度、胃-直腸反射が減弱する頃でもあります。
混合栄養だった新生児の頃に、「完母の赤ちゃんはチビリうんちである」と聞いていたお母さんにしてみたら、「完母になったのに、うんちがまとめてドカンとしか出ないのは、もしかして母乳が足りないのではないか?」と、不安になってくるかもしれません。

しかし、罹りつけの母乳外来や助産院で、「体重増加度は月齢相当よりも多い目くらいですよ。」と言われるくらいなら、何も心配要りませんよ。
但し、日にちの経過と共に、放置すればするほど、うんちは出にくくなるようです。
赤ちゃんの体重増加が順調で機嫌がよければ、カリカリすることはないのですが、過去記事にも書いているように、丸一日うんちが出ないなら、その段階で、綿棒を使って一応肛門刺激をしてみてください。

それから、産後暫くはご実家で過ごされたお母さんの殆どは、さすがにこの時期にもなれば、自宅に戻られるかと思います。
お食事の内容がご実家でお世話になっていた頃よりも野菜不足になり、野菜不足による便秘の方が増えてくる時期でもあります。
お母さんの召し上がったものがおっぱいになるのですから、もしもお母さんが便秘がちであれば、ご自身のお食事を見直して、規則正しく排便が出来るようにしていきましょうね。
お母さんの便秘が改善すると、不思議と赤ちゃんの便秘も改善することが見受けられるものです。
シンクロしているのでしょうかねぇ?

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2012年5月 7日 (月)

添い乳って良くないのですか?(1ヶ月半)

<ご相談内容>
添い乳ってあまりしない方がいいのですか?
なんか、癖になったら大変らしいって聞いたのですが?
今のところ、私の乳房が小さいせいか、横になった状態では、赤ちゃんがおっぱいに届かないためしたことはないのですが・・

<SOLANINの回答>
添い乳は広い意味でポジショニングのひとつです。
した方が良いのか?or 悪いのか?という訊かれ方に対しては、何に力点を置いていらっしゃるのか分からないので、ちょっと答えにくいですね。(汗)

添い乳のメリットとしては、抱っこの授乳ではなかなか眠ってくれない場合の寝かしつけに効果的ですし、夜中に何度もお布団を出て抱っこして授乳するのは億劫だとお母さんが感じられるのであれば、わざわざカラダを起こすという負担がないですし、した方がラクなのではないでしょうか?

反対に、寝かしつけを旦那さんにさせようという考えの方には不向きですね。
当り前ですが、添い乳で寝かしつけるのは、お母さんじゃないと出来ないワザですからね・・・

相談者さんからしたら、物凄く先のことですから、ここから先は余談ですが、1歳を過ぎてからの長期授乳のお子さんで、添い乳をする際に気をつけることは、寝る前の歯磨きをしっかりして、可愛い我が子のお口の環境を綺麗なままで維持することです。(勿論、添い乳をしていなくても、目指す方向は同じだと思いますが、一部(?)の歯科関係者は添い乳=虫歯、長期授乳=虫歯という視点で、断乳を勧められる方もいらっしゃるからです。折角楽しんでおっぱいをあげていこうとしているのに、そんな風に言われたら業腹ですやん?)
長期授乳で添い乳を続けるって何となく大変なイメージがあるかもしれませんが、SOLANINの経験上言えることは、添い乳でさえセルフで飲んでくれるようになりますから、手間要らずになってくるということです。(笑)

 

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2012年5月 6日 (日)

ご存知でしたか?成乳>初乳という栄養成分がありますよ。

初乳の色は真っ白ではなくフルーツ牛乳みたいだし、指先に付着したのを触ってもねちょいですね。
乾燥するとゴワゴワしますよね。
免疫物質の量を成乳と比較しても、初乳の方が桁違いに多いこともあり、栄養成分的にもこのうえなく濃ゆい物体のようなイメージがあるかもしれません。

しかし、実際には成乳の方に多い栄養成分もあるのですよ。

何だと思いますか?
それはですね、脂肪分と乳糖とビタミンB6なんだそうです。

脂肪分は主にカロリーを担うものですね。
生まれて間もない赤ちゃんは、歯が生えていませんから、固形物を食べてエネルギー補給をしていくというのは、不可能ですね。
また、胃袋の大きさも徐々に大きくなるとはいえ、限界がありますよね。
脂肪分が増えることで、発育に必要なカロリーを賄うのでしょうね。

乳糖については、おっぱい独特のほんのり甘いお味の主成分です。
赤ちゃんが飽きずに美味しく感じ、幾らでも飲みたくなるようなあの味は、乳糖によるトコロが大なのですね。

そして、ビタミンB6です。
健康な皮膚の形成や免疫機能の正常化の維持、そして神経伝達物質の合成及び脂質代謝の改善など、多岐にわたる働きを有します。

今更ながらですが、自然の摂理って素晴らしいですね。
その赤ちゃんが飲む時期に応じた成分変化が見られるということですね♪

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2012年5月 5日 (土)

臍帯真結節って、何のことかご存知でしょうか?

これは、とても恐ろしいことですが、同時に超レアケースですので、「こんなことがあるのか!」ということを知っていただけたらそれでイイかと思います。

臍帯とは、おなかの赤ちゃんと胎盤を結ぶ紐状の付属物です。
臍帯には動脈2本と静脈1本が通っていて、お母さんのカラダから酸素や栄養物を貰い、老廃物を排出してもらうために存在するものですね。

その臍帯に(超レアケースですが)おなかの赤ちゃんの動きにより結び目が出来てしまい、臍帯の血流が滞ってしまい、子宮内胎児発育遅延(IUGR)や胎児機能不全等を起こす場合があります。
妊婦検診の際に行う超音波検査(3Dや4Dであっても)では、臍帯真結節が起きているかどうかを見つけるのはほぼ不可能ですし、結び目を解くことも不可能です。

緩やかな結び目であれば、血流自体がが途絶えないので、赤ちゃんの生命に影響することはまず無いし、出産も無事終了するのですが、何かの拍子にキュ~ッと硬い結び目なると、血流自体が完全に遮断されるため、おなかの赤ちゃんの生命がジ・エンドになることもあります。

これがあくまで不幸なアクシデントであり、決してお母さんのせいではありません。
兆候として徐々に胎動が少なくなるという場合もあるし、昨日まで元気に動いていたのにいきなり・・・という場合もあり、まちまちです。
私の古くからの友人の一人も、3人目の赤ちゃんをこの臍帯真結節で亡くしたと聞きました。

医学の進歩と共に、世間一般の感覚として、おなかに宿ってくれた赤ちゃんが元気に問題なく生まれて来てくれることは当り前のように思いがちですが、本当は奇跡的であり、このうえなく有り難いことで、産声を上げてくれた赤ちゃんを抱きしめた瞬間から、授かった生命を慈しんで育てるという気持ちを日々忘れてはいけないなと思いました。

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2012年5月 4日 (金)

お母さんの絶妙なハンドアシストが必要なこともある!その2

授乳開始した産科入院中、乳頭・乳輪の奥(過去記事風に表現すれば、スィートスポット)が硬いのは、お母さんのカラダが冷え症で、しかも妊娠中の乳頭ケアが出来ていないためであることが多いです。
そのままでは深くラッチオンが出来ないことがしばしば起こります。
(出来たと思っても、じきに浅くなってきて、まともラッチオンが出来ていないのですね。)
同名記事のその1のように、圧迫授乳をしてもいいのですが、それだけでは難しいですね。
それはある程度開通し、分泌も良くて、例えば搾乳がスムーズに20~30ml/回程度は出来るようになってからの話です。
それまでの初期のうちはどうしたらいいのか?

それは、「先搾り」若しくは「先ほぐし」と言われる、乳輪の用手(用指と表現した方がより適切か?)マッサージです。
あまり痛いことはしたくないのですが、元々乳管が詰まっているであろうことに加えて、初乳や移行乳はねちょいですから、痛みを伴うこともあります。
乳輪の大きさにも依りますが、人さし指の幅一本分(だいたい1.2~1.5cmくらいだと思います。)乳輪の外側からマッサージします。
それを赤ちゃんにラッチオンさせる前に毎回行います。
滴たったおっぱいは捨てるのは勿体ないので、小さなカップ等に受けて後で飲ませましょう。

赤ちゃんがまともにラッチオンして量が飲めるようになるまでは続けてください。
1日10回以上の頻回直母をしていけば、やがて授乳前であっても乳頭・乳輪がソフトになって来ます。
その段階になれば、この作業は不要になります。
念のため申し添えますが、季節や気候にかかわりなく、このような状態の場合は冷たい飲み物を摂るのはNGですよ。

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2012年5月 3日 (木)

乳児寄生菌紅斑って知っていますか?

もしかしたら、母子健康手帳に書いてあるかもしれませんが、乳児寄生菌紅斑(にゅうじきせいきんこうはん)ってご存知でしょうか?
俗に、おむつカンジダ症ともいいます。

よくある普通のおむつかぶれだと思って、お母さんが自己判断で手持ちのおむつかぶれのお薬を塗ってみてても、ちっとも良くならないので、変だなぁ〜と思って小児科や皮膚科を受診したら、カンジダ菌の感染による皮膚病変ですよと指摘された・・・なぁんてことがちょくちょくあるようですね。
お母さんの自己判断で、その乳児寄生菌紅斑の部位に手持ちのステロイド入りの塗り薬なんかを使った日には、エライことになってしまいますよ。
こういうことは絶対に止めましょうね。

乳児寄生菌紅斑になると、水疱や膿を持ったブツブツが出来ることがあるし、皮膚の皺迄赤くなったり、皮膚がめくれてきているのが特徴です。
たかがおむつかぶれと言うなかれ。
よ〜く観察することが大事です。

以下の文章はコメント欄にてことちゃんママさん(お仕事は薬剤師さんをしていらっしゃる方です。)の了解を得て、まとめさせていただいたものです。
お嬢ちゃんが乳児寄生菌紅斑になった時の特徴的な所見について、大変分かり易くご教示していただきました。

カンジダは常在菌なので、風邪など体調を崩すとなることがあるようで、娘も2回とも、風邪気味の時になりました。
症状は、最初はパラパラ赤くできていた湿疹がどんどん広がってくっついて、おまた全体が赤くなっていました。
おまたのひだの裏まで赤くなっていました。
赤みも紫がかっていた気がします。
清潔にしても、おむつかぶれのクリームを塗っても全然よくならなかったのが、病院の抗真菌薬を塗ると、すぐよくなりました!
ふつうのおむつかぶれなら、おむつが当たっているところだけが炎症が起きているのが分かりますが、おむつカンジダの場合は、おむつが当たっていない場所も赤くなります。
女の子なら、おまたのひだの間などもなります。
・・・ということは職業柄知っていたのに、いざ、我が子がなると、「まさか?」と思い、数日受診しませんでした(^_^;)
※病院の抗真菌薬と、市販の水虫薬は同じ成分が使われているものもありますが、市販薬は、水虫・たむしの効能しかないですし、配合薬がほとんどで、赤ちゃんのおむつカンジダに使うことを想定して作られていないので、薬は病院で出してもらった方がいいですね(^-^)

症状をさらに思い出したので、追記します!
娘の場合、おまただけでなく、膝の裏のまで、とびひしてました(>_<)
膝裏のしわのところに、直径1cmくらいのぜにたむしが数個出てました。
土手状に周囲が赤くなっていて、まさに、たむし!
こんな症状、ふつうのおむつかぶれや汗疹ではあり得ませんので、こんな症状も見られたら、おむつカンジダ間違いなしです!」(2012年5月5日23時45分)

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2012年5月 2日 (水)

こういう指導による断乳の進め方は卑怯では?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「こういう指導による断乳の進め方は卑怯では?(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

自治体で行われる乳児後期の健診(だいたい10ヶ月とか1歳のいずれか)で、歯科指導がありますよね?
最近は少なくなったと思いますが、歯科指導の際に見せられた写真がショックで断乳した方が、今でも時々いらっしゃるようですね。

確か、えぇ~と、「ランパントカリエス」だったかな?・・・の写真です。
歯科関係の方はともかく、一般の方には耳に馴染みのない言葉だと思いますが、聞いたことありますか?
どのような状態なのかと簡単に申しますと、虫歯になりにくいとされる下の前歯(=下顎乳中切歯ですな)を含む乳歯が急激かつ同時多発的に虫歯になって乳歯が崩壊した状態といったらイメージが付き易いかもしれません。
(現代においてもレアケース的な存在感になっているものの、この「ランパントカリエス」は発症することはありますし、永久歯で起こることもあるようですが、ここでは本筋を外れるので割愛させていただきます。)
歴史を紐解くと、今からおよそ40年くらい前ですが、その頃はこの「ランパントカリエス」は、しばしば見受けられたそうです。
「乳歯は抜けて、永久歯に生え代わるから、別に虫歯になったって、どうってことないさ。」という、今では信じられないような考え方が罷り通っていたからでしょうね。

個人的な遭遇事例として今でもハッキリ憶えているのは、幼稚園で同級生の男の子(当時4歳)が、まさにこの状態でして、全ての歯が無くなっていて、総入れ歯をしていましたね。(汗)
“総入れ歯というものはお年寄りがするもの”という認識くらいはあったので、4歳児で総入れ歯ということが子ども心に衝撃的でした。

で、その乳児後期の集団健診に於ける歯科指導でですね、「いつまでも授乳をしていたら、やがてこの写真のお子さんのように虫歯だらけになってしまいますよ。可愛いお子さんの乳歯が壊滅してしまったら大変ですね。なので、今日を機会に授乳するのは止めましょうね。」みたいなことを指導されたそうです。
・・・ううむ。
およそ40年くらい前ならいざ知らず・・・それってなんだかねぇ。(汗)
お母さんの恐怖心を煽るような指導って、卑怯ではありませんか?
無論、大勢の中には我が子の乳歯を守るという意識の低いお母さんも居るのでしょうが、歯科の専門家が授乳=虫歯と決めつけてかかるのは如何なものかと思います。(怒)
おっぱい星人の我が子の大切な乳歯をどうすれば虫歯にしないで済むのか?
何に気をつければいいのか?を知ることは、楽しくて醍醐味堪能できるおっぱいライフの秘訣ですからね。

過去記事を読んでね♪

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2012年5月 1日 (火)

微弱陣痛は大変です!その4

微弱陣痛って、言葉のイメージでは、痛みのレベル的には大した痛みではないような印象ですが、実際はそうではないと思います。
あまりに痛くてベッドで横になっていたら、「寝転んでいちゃ駄目ですよ。そんなんじゃお産が進まないから、頑張って歩きましょう。」と助産師に叱咤激励された方もいらっしゃるでしょう。
微弱陣痛の性質の悪いトコロは、1にも2にも、産婦さん自身は涙枯れるくらい痛く感じるのに、残念ながら、お産を進めるチカラとしての有効性に乏しいということです。(泣)
微弱陣痛の特徴は、産婦さんはかなり強く痛みを感じるものの、冷静に観察すると陣痛の間隔が一向に縮まらないし、陣痛そのものは強くならないことです。
例えば、「こんなに痛かったらもう子宮口全開近いかな?」と思いきや、産婦人科ドクターや助産師に内診されて、「う~ん、まだまだかなぁ?3cmしか開いてないですからね。」と言われてガックリ項垂れた方も相当数いらっしゃるでしょう。
骨折り損のくたびれ儲けというヤツです。

しかし、いざ本陣痛が始まったら、痛みのレベルがグ~ンとアップしますから、「あぁ、やっぱり違ったんだわ。」と気がつくかと思います。

こうならないためには、これまで提案させていただいた様々な項目の実践と、それ以外にもうひとつ、トコちゃんベルトを装着することも良いと思います。
トコちゃんベルトの装着は、妊娠何週からでもOKです。
妊娠初期から装着したからといって、効果が薄れるとかそういうものではありませんので安心してくださいね。
微弱陣痛の要因となる回旋異常は骨盤の歪みも大きな要因です。
「挙げて」「支えて」「調える」ようにしていきましょう。
特に、盲点となるのが、幼少期より尻持ちを何度もついてしまったことによる骨盤の歪みもありますからね。

また、トコちゃんベルトは正しく装着しないと、違和感があったり、気持ち悪いことがあります。
お近くの母子ケア研究会の会員や整体の先生に相談・確認したうえで装着しましょう。

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