ATLのがんワクチン、臨床研究もうすぐ始まる?
数日前の新聞やネットの情報サイトで書いてあったことですので読者のみなさんもご存知かと思います。
大阪大学免疫学フロンティア研究センターと大阪大学病院が来月学内の倫理委員会に申請し、ウィルスが原因で発症する成人T細胞白血病(以下ATLと表記します)をがんワクチンで治療する臨床研究を始める予定らしいです。
ATLを発症した場合、効果的な治療方法として骨髄移植があります。
(でも、骨髄移植には年齢制限があるし、そもそも型の合うドナーがいなければどうにもならないものです。)
骨髄移植待機の場合は抗がん剤が投与されることになります。
ATLは感染=発症ではありません。
感染された方が発症する確率は5%前後と言われ、発症までに50年前後の期間があるものの、発症したら急速に悪化するため治療の難しい白血病でもあります。
ちなみに、ATLに感染しているかどうかは、大抵は妊娠初期の検査で判るようになっています。(公費負担や検査のルーチン化が拡がってきています。)
ATLの感染経路の主なものは母乳とされていますから、赤ちゃんが生まれたら好きなだけ&欲しがる間はずっとおっぱいをあげたい・・・と希望しても、ATLに感染している方は涙をのんで断念されているという重い事実を知って欲しいです。
これから臨床研究に参加される対象者さんの治療効果次第ですが、我が国にはおよそ100万人のATL感染者の方がいらっしゃいますので、実際にこのがんワクチンに副作用が無く、治療や発症予防に効果があることが立証されれば、実用化に向かい大きな希望の光になるでしょう。
「どうかこの臨床研究が成功しますように。」と、心から祈リたいと思います。
コメント
1 ■無題
私の友達もATLのキャリアで泣く泣く母乳育児を諦めたママの1人です。
幼少の頃受けたVSDパッチ閉鎖の際輸血によって感染したそうです。
5パーセントの確率だけど発症すると予後が悪いのは知りませんでした…
有効な治療法がもっと確実な物になると良いですね!!
うさこ 2012-01-26 00:26:43
2 ■幼なじみが…
幼なじみがATLです。
5人姉弟全員です。
お母様が発病され手の施しようが無く亡くなりました。
幼なじみの妹さんは3人の母ですが、母乳を一度もあげられませんでした。
私も妊娠し、血液検査結果の説明を受けた時にこの病気を知り、また幼なじみの親友がこの病に将来発症してしまうかも知れない恐怖にいると知りました。
発症し、治療となる特効薬の無いこの癌に一筋の光が灯されるように、親友の…この病に苦しんでいる方たちが救われますように…私も願います。
フリージア♪ 2012-01-26
00:35:53
3 ■無題
私も心底、予防できる病には一つでも多く、公費負担を望んでいます。
悲しむ母子が一組でも減りますように。
そのための様々な母子感染症に対しての忠告や予防を、全妊婦、全妊娠を希望する女性が知り、受けることができる国になってほしいです。
知識は子供を、自分を、守る鎧ですね。
何より、最終的な医療費削減に繋がるはず。
ソラニンさんの、こうした知識を広める活動に心から賛同します。
豆太郎 2012-01-26 01:39:43
4 ■Re:無題
>豆太郎さん
恐縮です。
いくばくかでもお役に立てればと思って記事を書いています。
SOLANIN 2012-01-26 06:52:07
7 ■ATLワクチンというのは…
すでにATLに感染している方が受けると、病気の発症を予防できるワクチンなのですか?
もしそうであれば是非実現してほしいです。
感染しているお母さんは母乳をあげられないとは知っていましたが、身近では聞いたことがなかったし、全国に100万人もいらっしゃるとは知りませんでした…。
健康な体でおっぱいをあげられることに日々感謝しなくてはいけませんね。
いつもありがとうございます!
ぷっちぃ 2012-01-26
14:01:28
10 ■Re:ATLワクチンというのは…
>ぷっちぃさん
発症予防も可能だそうです。
そこが凄いと思います。
SOLANIN 2012-01-26 18:21:22
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