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2011年10月

2011年10月31日 (月)

お勧めしたい書籍 『母乳増量マニュアル』

数日前に書籍『最強母乳外来』の担当編集者さんから、本の謹呈を受けました。
その本のタイトルは、『母乳増量マニュアル』です。

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高知県南国市の田村こどもクリニックの田村保憲ドクターと奥様の田村吉子助産師の共著です。
南国市は産科退院後に市の母乳率がアップしているトコロだそうです。
それは、きっと田村保憲ドクター・田村吉子助産師夫妻をはじめ、母乳育児を支援する小児科ドクターが日々フォローしていらっしゃるからなのでしょうね。

 

臨床的にリラクテーションを目指すにあたり、どのように対応したらいいのかという具体例が沢山掲載されているので助産師からみて勉強になる1冊です。
しかも税込みで500円!(頁数は67)
お値打ち価格です

もちろん、混合栄養中のお母さんで、「何とかおっぱいの量が増えないかしら?」と奮闘中の方、きっと参考になるのでは?と思い、ご紹介する次第です。

要チェックです。
密林でも販売しているようです。

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2011年10月30日 (日)

「トゥィーティーの嘴」作戦とは?

こと、直母をするということに関しては、おちょぼ口さんは不利ではあります。
おちょぼ口さんは、直母を諦めざるを得ないのか?
いいえ、そんなことはありません。
直母が上手くいくように仕向けていくことは可能です。

どうすればいいのか?
もちろん、左右の口角間の長さは一気に大きくすることは不可能ですが、縦方向であれば、ある程度お口の開け方を大きくすることは可能です。
直ぐに出来て、かなり効果的なのが、「トゥィ―ティーの嘴」作戦です。
お母さんの親指と人差し指で、赤ちゃんの両口角の外側から正中に向かって、指の腹同士がくっつくくらいに挟み込むのです。
そしたら、赤ちゃんの口元が、「トゥィーティーの嘴」みたいになるでしょう?
指の腹同士を挟み込んだり緩めたりしてみるのを何度でも何度でも繰り返すのです。
単純な動作なのですが、暇に任せて(?)赤ちゃんを抱っこしている時等に毎日延々と繰り返していくと、赤ちゃんのお口の開き方が改善してきます。

ちなみに、目の前の赤ちゃんがおちょぼ口か否かのチェックをするとしたら、どの辺りで判定すればいいのか?といいますと、少なくともSOLANINがチェックするポイントは、赤ちゃんの小鼻の幅よりも両口角が内側であれば、おちょぼ口だと見做しています。
反対に、小鼻の幅よりも両口角が外側であれば、おちょぼ口ではなかろうということで、「トゥィーティーの嘴」作戦は不要かと存じます。

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2011年10月28日 (金)

自然卒乳は母親の自己満足か?

記事コメントや読者登録のご挨拶文を拝読していますと、時々記事タイトルのような発言に悩んでいらっしゃるお母さんに遭遇します。

でも…いつも私は言っていますが、そんなこと、気にしなくていいですよ。
そもそもおっぱいは、「子どものために」「子どもの求めに応じて」飲ませるものであって、世間体を考えて、飲ませたり止めたりするものではないと思います。

おっぱいのことが良く分かっていない方であればあるほど、無責任なことを言い募り、お母さんを不安に陥れることを憶えておいてください。
長く飲ませていたからといって、意思の弱い子にどもになるわけではありません。
まして、恥ずべきことではありません。
期限を決めて止めなくてはならないものでもありません。
だいたい、お母さんが長く飲ませようと思っても、肝心の子どもがあっさりと1歳までに自然卒乳することだってあるのです。

恐らく、こういう不適切発言をシャラっとほざくのは、若かりし頃、ミルク育児をされたおばあちゃん、赤ちゃんを育てていない女性、旦那さん、母乳育児についてあまりお詳しくない保育士さん等の場合が殆どです。
長期授乳をされているお母さんを好奇の目で見たり、おっぱいを飲んでいる子どもに対し、怪しからんことに、「まだおっぱい飲んでるの?赤ちゃんみたいで恥かしいよ。」というような、パワハラもどきの暴言を繰り返すようですね。
そんなエビデンスの無い不適切発言は、華麗にスル―しちゃいましょう。
気にしたら負けです。

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2011年10月26日 (水)

搾乳を減量していいかどうかの判断とは?

正常新生児であっても、退院時に、お母さんのおっぱいの出方は良いのに、直母に加え搾乳補足をしなければ、発育に必要な哺乳量を確保出来ない赤ちゃんがいらっしゃいます。
その主な理由は、乳頭形態と赤ちゃんの哺乳技術との兼ね合いで、まだ直母が難しかったり、赤ちゃんが直ぐにスタミナ尽きてまともに吸啜できないとか、眠りがちで起こすのに大変で、頻回直母をしても追い付かないためです。
赤ちゃんの発育のために、止むを得ず搾乳の補足をするわけです。

このような場合、授乳表を正確に記入していただくことで、搾乳補足量と赤ちゃんの体重増加度で直母量の推定がかなり正確に出来ます。

そして、搾乳を減量しても差支えないのかどうかは、体重増加度に対する搾乳の比率が低くなる⇒推定直母量の増加が確定的である⇒直母のみに切り替えたとしても月齢相当の体重増加度が得られる場合のみです。

例えば、日齢20で3300gの正常新生児で、搾乳補足が200ml/日で、退院時からの体重増加度が30g/日であれば、搾乳補足によって順調な発育がなされていることが明らかです。
勝手に搾乳補足の減量をしてしまったら、とてもじゃないですが順調に発育することが見込めなくなります。
赤ちゃんの体重が増えるには増えても、増加度的にカツカツになる危険性が高いです。
また、お母さんの乳房がうつ乳状態になりかねません。
母子共に、かなり無理をすることになるので、このような段階で自己判断で搾乳の減量はしないでください。

しかし、赤ちゃんの体重と日齢と補足が同じ条件であっても、退院時からの体重増加度が45g/日であれば、搾乳の減量は充分可能です。
その場合も、搾乳を一気に止めるのではなく、搾乳の回数を徐々に減らしても、赤ちゃんの体重増加度がガタガタに急降下しないかどうかを、短いスパンで助産師に確認してもらいながら進めて行きましょう。

くれぐれも無理をしたり、焦ったりしてはいけませんよ。

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2011年10月25日 (火)

お産・子育ては加点法で考えよう。

私は池川明ドクターを尊敬しています。
ご著書も数冊持っていますし、何度も熟読しています。
セミナーに参加したこともあります。
サインを頂いたり、お写真を撮影させていただいたりしています。(これは単なるミーハーか?)
暫く前に出版されたご著書で、『生まれる前からの子育て』というものがあり、最近はそれをよく読んでいます。
「あぁ、なるほど。」と思うことが、沢山ありましたので、心に響いたことをご紹介させていただきます。

《人生に大きな波はそう何回も来るわけではありませんが、お産は確実に、最大の節目の一つです。
お産とは人生の総決算であると同時に、生き方を問い直し、新たなスタートを切るチャンスでもあるのです。
誤解されやすいのですが、いいお産とは決して、お産のスタイルに拘ることではありません。
ある大学病院の調査によると、九割のお母さんが、自分のお産に喪失感があると答えたそうです。
つまり、周りの人に「安産で良かったね」と言われても、自分ではそう思えない人がたくさんいるということです。
その理由の一つとしては、現代のお産が最悪の事態を避けることばかり念頭に置いて、赤ちゃんだけではなくお母さんの心にも配慮していないということがあります。
それは改善していくべきですし、お母さん自身、自分がどういうお産を望んでいるのかをよく考えて、お産する場所を決めていくことも必要でしょう。

しかし、お産に充実感を感じられない二つ目の理由としては、前もって100点満点のお産というのを自分でイメージしてしまい、実際のお産の後、「これはよくなかった、あれもうまく出来なかった」と、減点方で評価してしまうという要因があげられます。
すると、現実には100点満点のお産などほとんど存在しませんから、子育てのスタートからすっかり自信を失ってしまうのです。
このことは、特に自然分娩に拘っているお母さんに当てはまるようです。
ただし、ここで考えていただきたいのですが、子育てのゴールは、子どもが成長して一人で生きていけるようにすることであり、そういう長期的な展望からすると、お産は子育ての通過点に過ぎないということです。
確かに大切な通過点ではありますが、それですべてが決まるわけではありません。
自然分娩が望ましいのは、お母さんとの絆を確立しやすく、その安心感があると子どもは独立しやすいという点にあります。
しかし、帝王切開でも深い絆を築いている母子はたくさんいます。
無事に赤ちゃんを産んで抱っこできたなら、それは生まれたい赤ちゃんの想いを叶えてあげたことになるのですから、すべて100点満点のお産です。
その上で、もしも自然分娩ができたのだとしたらプラス10点というように、お産は加点法で考えるべきです。
そういう発想は変えることのできない過去を受け入れ、前向きに生きていくことに繋がります。
そしてその後も長く続く子育てにおいては、お母さんのそんな姿勢がとても大切なのです。
減点法ではなく加点法で子どもと向き合い、子どもの成長の一つ一つに気づけるなら、命を授かりその育ちを見守るという、お母さんならではの喜びを深く実感できるようになるでしょう。》・・・ほぼ原文ママ。

ううむ。
さすが池川明ドクターは深い洞察力をお持ちです。
確かにSOLANINも、2週間健診で退院後のお母さんと接していて、なんとなくお産の振り返りのような会話に突入することがありますが、お産に携わった産婦人科のドクターや助産師から、「上手にお産されましたよ。安産でしたね。」と、肯定的な言葉がけをされても、素直に受け止められなかったお母さんに対応することがあります。

例えば○○さんは、「あんなに長い間、痛くてしんどい目に遭って、どこが安産なのかと言いたくなりました。」と、仰いました。
別の方で●●さんは、「自分は初産ですが、5時間足らずのスピード出産でした。陣痛はメチャクチャ痛かったです。なのに、ドクターや助産師から安産、安産と言われると、段々と腹が立ってきました。」という気持ちの表出に遭遇しました。

そういう時、SOLANINは、「お産の後、周囲の人たちが何となくご自分の気持ちを分かってくれていなんだなと感じられたのですね。」と受け止めます。
その上で、池川明ドクターの仰るように、
「お産は無事に赤ちゃんを産むことが出来たら、それは生まれたいという赤ちゃんの想いを実現できたということですから、本来それだけで充分なものなのですよ。私が言うのもナンですが、こんな元気な赤ちゃんを産めたのですから、○○さんのお産は100点満点ですよ。」
「気を悪くしないで聞いてくださいね。昔、私は産婦人科のドクターから、初産の方だったら12~16時間で出産できたらそれは安産だって聞いたことがあります。きっとドクターや助産師は、それよりも圧倒的に早いお産だったから、●●さんを労うつもりだったんじゃないかなぁ?ドクターや助産師は、急激に進行するお産が物凄く痛いということはちゃんと理解していますよ。●●さんはホントに頑張られたんですね。」と、いうようにお話ししています。

すると、なんとなくですが、お母さんの表情や口振りが柔らかくなってくることが感じられます。
どうせなら、明るい気持ちでバースレビュー出来るといいですね♪

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2011年10月24日 (月)

恐るべし!食中毒菌「リステリア」

リステリア菌・・・聞いたことがあるようなないような感じ・・・ですか?
9月末から10月上旬にかけて、アメリカのコロラド州やニューメキシコ州ででリステリア菌による集団食中毒で13人?15人?にものぼる方が亡くなったことが報道されました。
今回はメロンに付着していたリステリア菌が原因だったそうです。
(そういえばアメリカでの集団食中毒は、3年くらい前にもピーナツバターに付着していたサルモネラ菌で同じくらいの人数が亡くなっていましたね。)

そもそもリステリア菌は、水や土壌中に棲息していることの多い菌なのですが、加熱処理がされていないナチュラルチーズ等の乳製品や生ハムや生ウインナ―等の食肉加工品にも付着しています。

妊婦さんがリステリア菌に感染すると、流早産を惹き起す危険性があります。
妊婦さんは妊娠をきっかけに一般の方よりも抵抗力が低下しているので、敗血症や髄膜炎を併発することもあるそうです。
対策としては、生モノを食べないようにするのが効果的なのだそうです。

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2011年10月23日 (日)

おしっこが1日8回以上出ていますか?(新生児期)

母乳の栄養分の約88%は水分です。
退院後は毎回直母量を測定するわけにはいかないので、しっかり飲めているかどうかはおしっこの回数が目安になります。
通常、新生児に限らず、授乳前後はおむつのチェックをされると思いますが、産科退院後の段階で、1日のおしっこの回数が8回以上であればまずは大丈夫です。

しかし、ひとつ注意して欲しいのは、おむつの1回あたりのおしっこ汚れの面積です。

お母さんの手の親指の先端同士と人差し指の先端同士をくっつけた輪っかくらいの面積であることが「おしっこが1回出た」と見做す条件です。

なので、例えば1日におしっこが8回出たとしても、仮に、1回あたりのおしっこ汚れの面積が500円玉くらいであれば、「おしっこが1回出た」と見做す条件の10分の1くらいしか出ていないということになります。
つまり言い換えれば、上記の条件に照らし合わせると1日1回未満しか出ていないという風にカウントされてしまいます。
残念ですが、そんなおしっこの出方では、母乳がしっかり飲めたとは言えないということです。

どんなに大人しく、し易い赤ちゃんであっても、これでは母乳は飲めていませんから、体重増加が振るわないと思われます。
その後の発育が心配です。

逆に、しっかり母乳が飲めていたら、泣き虫さんでも体重増加に問題は無く、1日当りのおしっこの回数として、「おしっこが1回出た」と見做す条件でカウントして8回以上である筈です。

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2011年10月21日 (金)

酸蝕症って聞いたことがありますか?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「酸蝕症って聞いたことがありますか?(改訂版)」公開中です
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事

酸蝕症は“さんしょくしょう”と読みます。
WHOによれば、酸性度の高いモノを頻回且つ多量に摂取することによる、歯のエナメル質が溶け易くなる病態を指します。
最近は、生活習慣病の一種とも考えられているそうです。
脱灰の原因は、酸性度の高いモノを頻回且つ多量に摂取することなので、細菌感染によるう蝕とは別のメカニズムで歯のエナメル質が溶けるということですね。
「あっ、そう、だったら心配ないモノなのね。」なぁ~んていうのは早計ですよ。
症状が進めば、虫歯になった時のような痛みや、知覚過敏か?というような症状が発現しますからね。
いよいよどうにもならなくなると、歯に被せモノをする羽目になっちゃいますよ。
酸蝕症・・・侮ってはいけませんぞ。

酸蝕症は予防が大事です。
酸性の飲食物はとても多いですが、可能であれば出来るだけ控えることです。
清涼飲料水・スポーツ飲料・100%果汁・栄養ドリンク・・・全部歯のエナメル質が溶けるph5.5以下です。
ちなみに、おっぱいのphは6.8くらいだそうです。
赤ちゃんや小さいお子さんにおっぱいやミルク以外の飲み物を与える際は、これからはphという視点も忘れず、基本的にお水やお茶くらいにしておきましょう。
生えたての乳歯のエネメル質はとても薄いので、上記のような飲み物を哺乳瓶に入れて赤ちゃんに与えたりするのは、お母さんとしては絶対にNGなので、止めてくださいね。
オトナであっても、酸性度の高いモノを口にした後は、必ずブクブク含嗽をしましょう。
その上で、磨き残しの少ない歯磨きをしましょうね♪

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2011年10月19日 (水)

言い聞かせ卒乳を始めたら、ごはんを食べなくなった。(2歳)

<ご相談内容>
言い聞かせ卒乳を始めたトコロ、これまでにも増して、おっぱいを欲しがる回数が増えました。
しつこく長時間吸いついていることは少ないのですが、勝手に服をめくったり手を突っ込んできておっぱいに吸いついてきます。
生れた時から筋金入りのおっぱい星人で、最近ようやく食べるスイッチが入ってくれたのに、ここにきてなんだか思いっきり逆走し始めたように思えます。
言い聞かせをし始めた理由は、未だに月経再来しておらず、元々妊娠しにくい体質で、次の赤ちゃんも治療を始めなければ授かることが難しいためです。
言い聞かせの最中は神妙に聞いていることもあるし、渋面を作っていることもあり、表情はまちまちです。
子どもの体調は万全です。
外遊びが好きな元気な子どもです。
ですが、もっとがっつり食べるようになってから、言い聞かせをすべきだったのでしょうか?
私の言い聞かせのタイミングは、早まったということでしょうか?

<SOLANINの回答>
何歳何ヶ月であろうとも、がっつり食べていたお子さんであっても、言い聞かせ卒乳を開始したら、程度の差はあれ、子どもはおっぱいちょうだいの方向にシフト(相談者さん風に言えば逆走ですか?)します。
そりゃあそうです。
考えてもみてください。
生れてこの方、おっぱいが好きで好きで、おっぱいを飲まない日なんて無かったでしょうから。
おっぱいを飲むという行為そのものが、お子さんの生活習慣の一部になっているでしょうから。
お母さんの言い聞かせを繰り返し聞くことで、お子さんは、もう残り少ない時間しか、おっぱいを味わうことが出来なくなってしまうこが理解できたから、いわゆる駆け込み需要状態になったってことですよ。

喩えてみれば、エコカー減税やエコポイントが終了する間際って、日本中が俄か好景気か?っていうくらい、盛り上がりましたよね?
消費者としても、凄く購買意欲をそそられましたよね?
あれと同じです。
だからせめて最後くらい、カタい話は抜きにして、お子さんの好きなように、気の済むようにおっぱいをあげてください。
お子さんがおっぱいに対し、思い残すことが無いくらい、後悔しないようにあげてください。
そうすれば、言い聞かせ卒乳の日以降は、きっと分かってくれますから。
相談者さんは心配でしょうが、ごはんはおっつけ食べるようになってくれます。
元気に動き回るタイプのお子さんなのでしょう?
だったら食べなきゃカラダが持たないですもの。

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2011年10月18日 (火)

カンガルーケアの最中のおっぱいの注意ポイントとは?

カンガルーケアの際、最初はお母さんのおなかに赤ちゃんを乗せます。
もぞもぞと這い上がり(場合によっては、助産師が手伝い)赤ちゃんはお母さんのおっぱいに吸いつきます。

その際、赤ちゃんが無事生まれてくれた嬉しさで、天にも舞い上がりそうだとは思いますが、気をつけてほしいことがあります。
赤ちゃんに吸わせる時間と、吸わせ方です。

時間というのは、赤ちゃんによっては決してお母さんの乳首を舐める程度にとどまらず、あたかもすっぽんのような勢いで20分でも30分でも吸いつきっぱなしということもあります。
そうではなく、(先に述べましたように)乳首というものは赤ちゃんが舐める程度であったとしても、長時間お口に含んでいるだけで、ふやけてしまいます。

また、お母さんがLDRベッドに横たわった姿勢で吸いつくわけですから、いわゆる引っ張り飲みのように、浅飲みがちになります。

経験のない妊婦さんには分からないのは当然ですが、「長い時間吸いつかせること」+「浅飲み」=乳頭損傷という公式が成り立ちます。

妊娠中頑張っておっぱいケアしたのに、「乳首が真っ赤になって痒くなった。」・・・くらいならまだマシな方なのですが、カンガルーケア中のおっぱい一発で「乳首に亀裂が入り、痛くて吸わせられない。」・・・なぁんてことにならないように、赤ちゃんにカンガルーケアでおっぱいに吸いつかせる際は、赤ちゃんが吸いたいだけ吸いつかせるのは避けた方が良いです。
ましてやアトピー等で皮膚が元々弱かったり、切迫早産で妊娠中のおっぱいケアがまともにできなかったお母さんであれば、言わずもがな・・・ですな。

あっ、もちろん、赤ちゃんの吸いつきたいという欲求は満たしてあげたいですから、「左右短時間(せいぜい3分、長くて5分程度)に交互にお代り制であげる」というのはOKです。
もちろん、赤ちゃんによっては咥えてちょこっと吸いついただけで満足してふぅ~っとなって眠ってしまうこともしばしば有り得ることです。
そうであれば、お母さんの傍で眠らせてあげてくださって結構です。
その後、赤ちゃんが目覚めて泣き出したら、改めて吸いつかせてあげればいいのですから。

えっ?「どうやってお代りさせてあげるのか?」ですって?
最初はもちろん助産師に頼んでみてください。
赤ちゃんにどうやって乳首を含ませるのか、外すかというスキル的なモノは会得しなければ出来ませんから、「すみませ~ん、教えてください。」「ちょっと手伝ってもらえませんか?」と、助産師に声掛けしてください。
カンガルーケア中は、助産師は母子の様子・気配が感じられる近辺で、見守りつつ、分娩セットの片づけをしている筈ですから。

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2011年10月17日 (月)

一番早い場合、2時間後に症状発現することがあります。

お母さんの食べたものがおっぱいになります。
それは当ブログの以前からの読者さんであれば、みなさん良くご存じの基礎知識かと思います。
それと関連していることなのですが、おっぱいにあまり良くないと言われる食べ物や以前乳腺炎の原因になったであろう食べ物を口にして、最短で乳腺炎の症状が発現してくるのに、どの位の時間を要するのかと申しますと、少なくとも私の経験では2時間後という方が複数人おられます。

乳房トラブルを繰り返し、乳腺炎の予兆に敏感になっていらっしゃるお母さんからの報告ですから、間違いないと思います。
大抵は、普段は食べ物には人一倍注意しつつも、たまに美味しそうな頂き物(=この場合、おっぱいに良くないと言われる食べ物)があったりすると、箍(たが)が緩んでしまうのか、ほんの一口しか食べていないのに結果的に乳腺炎再発というパターンでした。

食欲の秋ですが、、まだ夏の疲れが残っている時期なので、おっぱいにあまり良くないと言われる食べ物は控えめにしましょうね。
手痛いしっぺ返しがあるやもしれませぬゆえ。

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2011年10月16日 (日)

退院時の個別指導を無視することの危険性。

私の勤務先で出産されるお母さんの殆どが母乳育児を希望されます。(当り前か)
ですが、ごく僅かのお母さんですが、退院時に混合栄養となる方がいらっしゃいます。
混合栄養のお母さんに対し、何とか徐々にであってもおっぱいの比率をアップさせていきたいと、後々「指導した、指導してもらっていない」の水掛け論にならないように、退院時には母乳外来受診日時・直母回数・ミルク補足の1回量・補足回数・補足方法の選択・ポジショニング・授乳表の記載と持参・お母さんに処方があれば確実に行っていただくというようなことにまで、一覧表にして手渡ししています。

しかしながら、今イチご自身の置かれた状況に切迫感が無いのか、何なのか知りませんが、殆どすべて無視される方がいます。
母乳育児にまるっきり興味が無いのかといえば、決してそうではないので厄介です。

2週間健診までに別枠で母乳外来を受診していただかないと、場合によっては赤ちゃんの体重が退院時よりも減少する危険性が高いから、受診可能な日時を本人と相談の上、決めさせてもらっているのに、突発的にキャンセルするってどういうこと?
混合栄養の赤ちゃんにとって、ミルクは必要なお薬です。
意に染まないかもしれませんが、発育のためには止むを得ない補足があり、必要最小限の量と回数を指定しています。
指定された量や回数に対し、勝手に増減するのはNGです。
そして、乳頭混乱を来たしてはならないので、シリンジで補足をするのです。
なのに、哺乳瓶を使ったりおしゃぶりを使うって、考え方が安易過ぎますね。
院内至る所に10カ条のポスターが掲示してあるのに、見ていないのかな?
ポジショニングも一番確実な方法を指定しています。
他のポジショニングでは直母が量にならなかったり、乳頭損傷が酷くなることが入院中に判明しているからです。
授乳表は、真面目に記入してもらわないと、ミルクの減量が可能かどうかの計算が出来ません。
そして、授乳表を持参されないと、この目で確かめられないので、適切な判断が出来ません。
また、お母さんの心身の調子を整えなくては、先に進まない状況が長く続く恐れがありますから、服薬は欠かしてもらっては困ります。

なのになのに・・・無視なんですね。(涙)
心血注いで,身を粉にして、お母さんと赤ちゃんのためにと思ってお手伝いしようにも、これではねぇ。(溜息)

もちろん私も母乳育児支援のプロと自負していますから、患者さんにしっかり諫言しつつも、なんとか気持ちを奮い立たせ、前向きに対処していますが。
(でも、こういう方の対応後は、正直言って不毛な消耗戦に巻き込まれた感じがして、スタッフ控室では辛気臭い顔をしてしまいがちです。そして、翌朝起床時の疲労感がハンパないです。)

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2011年10月14日 (金)

お母さんが頑張ってくれないと、このうつ乳は治らないですよ。

もちろん生理的(一時的)うつ乳というのは、どのお母さんにもあります。
前回の授乳から2~3時間間隔が空けば、乳房が温かく、重くなった感じがするアレです。
でも、それであれば、哺乳後は乳房は柔らかくなり、軽くなった感じがします。
乳房の殆どがスッキリして、爽快感さえあります。
助産師がモノの喩えに、「双子ちゃんでも養っていけるおっぱいね。」というレベルで、赤ちゃんの体重増加も極めて良好です。

O式のセンセイに言わせると、「おっぱいが不味いゆえ、飲みつかないから起きる。」そうです。
確かに、硬結を形成して乳房マッサージのために受診された方の乳房から排出される乳汁は、黄白色で、マーブル状であることが多いです。
1時間くらいかけて乳汁を排出させるべく乳房マッサージをして、どうにかこうにか乳房がフワフワになります。

授乳間隔を空け過ぎないように気をつけていても、哺乳後の乳房がちっともスッキリしない、重たい感じや緊満感が残るのは、飲ませていても飲めていないからです。

正常新生児の赤ちゃんで、哺乳テクニックが下手っぴちゃんな「だけ」であれば、うつ乳については定期的に搾乳でコントロールしていけば、大抵は1ヶ月健診を少し過ぎる頃にはしっかり飲めるようになりますから、慢性的(病的)うつ乳問題は解決します。(定期的搾乳も止めても、乳房の状態は差し支え無くなります。)
しかし、それに加えてお母さん自身が不器用である場合は、慢性的(病的)うつ乳が長期化することが多いですね。(乳腺炎の一歩手前の状態が続くのですね。)

具体例を挙げると、2ヶ月近く経ってもラッチオンがまともに出来ず、突出した乳頭なのに乳頭痛のため乳頭保護器を使わねばならない方、そもそも、哺乳中のポジショニングを保つのが怪しい方の場合等です。
哺乳出来る時もあればそうでない時もあるという、まるでギャンブルのような哺乳状況の場合、2ヶ月を超えようとも、慢性的(病的)うつ乳対策として、定期的搾乳は必須です。
こういう慢性的(病的)うつ乳の場合、赤ちゃんの体重増加は一向に振るわず、標準的な増え方の半分レベルくらいに留まることもしばしばなので、基本的に搾乳は飲ませます。

但し、私たちも力になりたいのですが、助産師は1回毎の授乳が上手く出来ているか否かを自宅まで評価しに行くことは出来ません。(当り前か)
お母さん自身が、自分で乳房緊満のレベルを把握し、横着せず、「これでいいのか?」という評価をしてくださいね。
なぜなら、この慢性的(病的)うつ乳の評価は、お母さんに見極めていただくしかないからです。
「助産師任せ」ではイカンということですな。

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2011年10月12日 (水)

P社の「母●相●室®」がとあるネットで買えるらしいです。

過去記事に、止むを得ずミルク補足をする際は、大々的に宣伝されているP社の「母●実●®」を使うのはお勧めできないと書かせていただいたこと、憶えていらっしゃいますでしょうか?
母乳育児中の赤ちゃんの場合、一発で乳頭混乱になる事例が見受けられたり、直母がとっても下手っぴになったりするからです。

ですので、どうしてもミルクの補足や搾乳を哺乳瓶であげざるを得ないのであれば、同じP社の「母●相●室®」であれば、ギャップが少なく、リスクも少ない(もちろん、ギャップもリスクもゼロではないことはお含みおきください。それでもSOLANINの知る限り、現時点では、一歩先んじていると言うことです)ものを選択するのは大事なことだと思います。

しかし、残念なことに、P社の「母●相●室®」は市販されなくなりました。
ネットでも「現在お取扱していません」状態です。
どうしても手に入れたければ、病産院限定お取り寄せ販売もしくはO式でのみ販売ということでした。
ただ、O式の場合、通院している患者さんでないと、大抵は、一見さんが助産院に行って「売ってください。」と、頼んでも売ってくれないのですよね。

ところが、読者さんのmimiさんから有益な情報を教えていただきました。
下記のサイトに行けば、販売してくださるとか。(どうも、O式の助産師さんが運営していらっしゃるサイトのようですね。)
現在ユーザーの方は使用方法についてはご存知なので問題ないのですが、新規ユーザーさんは正しく使わないと、この乳首の最大のメリットである直接授乳訓練用というメリットがおじゃんになってしまいますので、そうならないようにするための説明の用紙を付けてくださるそうです。
そのサイトのURLをこの下に貼りますね。
↓     ↓     ↓

http://mothers-be.shop-pro.jp/

どうしても早急に「母●相●室®」のゴムの乳首や哺乳瓶を手に入れたい方は訪問してみてください。
カテゴリーの欄の哺乳の項目をクリックされると、商品のラインナップが出てきます。
但し、個人的な見解ですが、乳首のサイズはSSにしてくださいね。
サイトではSMというサイズがあるようですが、どうしても早飲みになるようですので、SOLANINは使用されるのは反対です。

また、このゴム乳首は「母●実●®」の哺乳瓶と互換性があるので、もしも、「母●実●®」の哺乳瓶は持っています・・・という方は、ゴムの乳首だけ購入されて、付け替えて使用されても良いかなと思います。

*注意事項が1点あります。
品薄なので、必要な方が最低限必要な数をお求めください。

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2011年10月11日 (火)

レアケースな哺乳ストライキ。

通常、哺乳ストライキというモノは、おっぱい(母乳)に対して起こります。
つまり、赤ちゃんは哺乳瓶からのミルクは美味しそうにゴクゴク飲みます。
反対に、おっぱいは頑として拒否ですから、お母さんの存在を拒否しているかのようです。
なので、お母さんの精神的なダメージはとてつもなく大きいです。

しかし、稀ではありますが、赤ちゃんが哺乳瓶からミルクを飲むのを拒否することがあります。
この場合、おっぱいに対しては赤ちゃんは目がハートマークになりますから、ミルクを止める踏ん切りがつかずでほぼ完母の混合栄養中のお母さんにとっては、渡りに船かまた、と思います。
母乳寄りの混合栄養中で、ミルクの補足が100ml程度/日の場合、月齢を問わず頻回直母で乗り切っていけば、脱・ミルクでも差支えないことは多々あります。

逆に、母乳分泌が今一歩で体重増加不良となり、ミルク寄りの混合栄養を余儀なくされている場合、緊急事態発生です。
離乳食開始前でしたら、月齢を問わず頻回直母を頑張りつつ、あの手この手でミルク補足を復旧していくことが望ましいです。
離乳食開始後でしたら、進みや食べっぷりにもよりますが、可能であれば、嫌がるミルクを強要するのではなく、離乳食を着々と進めるのが現実的ですね。

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2011年10月10日 (月)

やはり歯ブラシは1ヶ月で交換しましょう!

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「やはり歯ブラシは1ヶ月で交換しましょう!(改訂版) 」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

先日、「私は歯ブラシの毛先が開かない使い方をしているので、いつ歯ブラシを交換していいのかよく分かりません。」と仰る妊婦さんに遭遇しました。

ホントにそんなことってあるのでしょうか?
もしかして、それって超短時間のチャラ磨きではないかと思ってしまいました。
まともに使っていないから、毛先が開かない・・・というのであれば辻褄は合いますな。

歯科領域でお仕事をされている方に伺いますと、歯ブラシは耐毛検査でなくても、指先で毛先をいじっているだけでも開くそうです。
確かにパッと見で、毛先が開いていないような印象であっても、そういう歯ブラシで磨くということは、敢えて磨き残しを作っているようなものだそうです。
「磨き残しの無いように磨いてこそ虫歯予防」なのに、逆サイド突いてどうするのよって感じですな。
質の良い歯科専売の歯ブラシであっても、耐毛性を考えると、使用可能期間は1ヶ月だそうです。
100均とかのだったら、1週間足らずで毛先が開いてくるから、もっと早めに交換する必要性があるということですな。

赤ちゃんの虫歯予防のための方法は数あれど、お母さんのお口のメンテナンスがしっかりできていることが大前提ですからね。
家計のやりくり&節約は大事だけど、歯ブラシ交換にかかる費用はケチらないでいきましょう♪
憶えておいてね☆歯ブラシ交換のリミットは1ヶ月ですぞ.。

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2011年10月 9日 (日)

ソフトタイプの乳頭保護器について。

乳頭保護器は使わずに済めばそれに越したことはありません。
でも、使用するのが止むを得ない場合もあります。

乳頭保護器には大きく分けてハードタイプとソフトタイプがあります。
カタチのしっかりしている方が、ハードタイプ。
薄くて柔らかくてクニョクニョしてクラゲみたいなのがソフトタイプ。
いずれも、価格的には1000円前後だったかと思います。

今回お話しするのはソフトタイプについてです。
メーカーさんによっては、乳頭の大きさに合わせてMサイズとLサイズがありますね。

ソフトタイプの乳頭保護器がしっくりと適用するのは、基本的に小さくて短い乳頭か、扁平乳頭の場合です。
小さいというのは、ティーンの女の子みたいとうか、小学生の小指の爪くらいの大きさですね。
扁平乳頭って分かりますか?
乳頭の(直径の)大きさは正常なのですが、突出が小さくて、丁度くるみボタンみたいな感じの乳頭のことですね。
それに加えて、赤ちゃんのお口が小さいか、舌が前に出にくい場合という条件の時ですかな。
そういう場合は、かなりの確率で、乳頭保護器を使用しての直母で量が飲めます。
あっ、もちろん乳管開通が充分で、搾乳でコンスタントに量が確保されるくらいの分泌量があることが前提ですよ。
注意すべきは、小さくて短い乳頭や扁平乳頭のお母さんの場合、早い時期に乳頭頂に亀裂が発生し易いことです。
亀裂が発生してからソフトタイプの乳頭保護器を使用すると、亀裂部分を巻き込んで更に出血という事態も起こり得るのですね。
かといって、初っ端から乳頭保護器を使用すれば、効果的な乳頭刺激が得られにくいので、乳汁分泌の立ち上がりが遅れます。
すると、赤ちゃんの体重がドンドン減少するので、糖水やミルクの補足をせざるを得ない事態になりかねません。
軽々しく使うのは如何なものかと思います。

個人的には、小さくて短い乳頭や扁平乳頭の妊婦さんは、切迫早産での入院でもなければ、人一倍気合を入れて妊娠中から乳頭・乳輪のお手入れをしつつ、「大きなお口を開けてね」の胎教をして、出産後に乳頭保護器を使用しなくて済むように取り組んで欲しいなと思います。
もちろん、授乳開始時から助産師の介助は重要ポイントなので、確実なラッチオンが出来ているかどうかをチェックしてもらってくださいね。
(念のため申し添えますが、赤ちゃんのお口が大きく開けられて、舌先が下歯茎の中央“下顎乳中切歯の萌出する辺り”よりも前に出てくれれば、乳頭保護器の使用は不要かと存じます。)

 

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2011年10月 7日 (金)

どんなに輝かしいご経歴であっても。

当ブログの女性読者さんの中にも、周囲の人々から常に注目されたり、尊敬の眼差しで見つめられる方がいらっしゃるかと存じます。
どんなに輝かしいご経歴をお持ちであっても、特に初産婦さんであれば、妊娠経過・出産にまつわること・新生児のこと・おっぱいに関することは、ハッキリ言って
専門外=ド素人だと思います。
" なんちゃあ分かっていない"訳ですから、入院された病産院で偉そうなことをのたまうのは、人として傲慢だと思います。

もちろん入院された病産院で、ご自身よりも年の若い助産師や、年上でもユルキャラ代表のようなSOLANINみたいな助産師に何やかやを指導されるのは、どうにもプライドが許さない方もいらっしゃるかもしれません。

但し、私たちが指導する項目は、無事にご出産していただけるための手段や、お母さんとして赤ちゃんのために一渡りのことが出来るようになって退院するために必要な知識とスキルです。
身に付けなくては困ることばかりです。

上から目線でお話をする気は毛頭ないですが、ご出産で入院された折は、どうかその輝かしいご経歴は、目につかない所に仕舞い込んでくださいな。
「あなた私を誰だと思っているんですか。私は●●なんですよ。」
「この(優秀な)私が○○しなくちゃならないんですか。(そういうことは、もっと不出来な方のすることでしょう?)」的なリアクションをされると・・・さすがにげんなりします。

どんなに輝かしいご経歴をお持ちの方であっても、お母さん歴はその赤ちゃんの日齢(月齢)だとSOLANINは思います。

入院に際し、助産師に変にお気遣いいただく必要はございませんが、自分の知らないことをこれから学ぶ人間としての謙虚さ、素直さ、可愛らしさを忘れてほしくないですね。

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2011年10月 5日 (水)

HCV-RNA(+)のお母さんは母乳育児をしてはいけないの?

<ご相談内容>
私はいわゆるC型肝炎ウイルスのキャリア(持続感染者)の妊婦です。
現在アメリカに住んでいるのですが、主治医が、「あなたはHCV-RNA(+)と言う状態で、人に感染させるチカラが強いから、母乳はあげてはいけませんよ。最近はミルクも母乳に近付いているからね。」と宣告されました。
ちなみに、このドクターのトコロでは、数か月前にもC型肝炎ウイルスの妊婦さんがいらっしゃったそうですが、彼女は私とは異なり、HCV-RNA(-)でしたが、同様に主治医の指示に従って、感染予防のために万全を期して完ミにされたそうです。
赤ちゃんが生まれたら、母乳育児がしたかったのに。(涙)
でも、赤ちゃんの感染予防のためには、母乳を諦めるしかないのでしょうか?

<SOLANINの回答>
アメリカにお住まいなのですね。
そうですか・・・しかし、相談者さんの主治医の仰ることに関しては、私にはトンでもさんの臭いがしますな。(困)
少なくとも私の知る限り昔(!)から日本では、HCV-RNA(-)のお母さんに、母乳育児を制限しているということは、無い筈ですが。(汗)
HCV-RNAというのは、分かり易く言えば、C型肝炎ウイルスの成分です。
それが(+)の妊婦さんから生まれた赤ちゃんで、感染する危険性は、厚労省のデータによれば、約10%とのことです。

ただし、出生後はお母さんから移行した抗体のせいで、検査をしたら(+)ということはありますが、生後13ヶ月迄に95%の赤ちゃんから抗体は消失します。
(逆に、生後12ヶ月迄は抗体検査をしても、胎盤経由で移行する抗体が赤ちゃんのカラダに存在するため、感染の有無については判定できません。)
また、子どものうちは、肝臓病が進行し難いので、オトナになってからでもインターフェロン等の治療が可能なことが判明しています。
また、HCV-RNA(+)のお母さんが母乳育児をしたから、赤ちゃんが感染したというデータは無いし、リスクを考え泣く泣く完ミにしたのに、13ヶ月以降でお子さんを検査したら、結果がHCV-RNA(+)だったという症例もあるそうです。
しかし、C型肝炎の感染経路として血液からというのは間違いないので、仮に産後授乳中に乳頭亀裂が発生して出血しているのであれば、傷が治るまでは、直母はお休みしてください。
お休み期間中は、定期的な搾乳を行い、うつ乳によるトラブルの予防や分泌の維持に努めてください。

主治医対策(?)としては、厚労省のC型肝炎妊婦に関する指針のページを英訳されたものを持参されたり、そちらのC型肝炎の専門家やラクテーションコンサルタントに相談された内容を文書にして持参され、理解を深めていただくというのは如何でしょうか?
もしくは、妊娠経過や週数的に問題が無く、里帰りを受け入れてくれる病産院が見つかれば、日本に帰国して出産されても・・・と思ったりしました。

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2011年10月 4日 (火)

どうにかしてくださいと言われても。

勤務先の母乳外来では、「おっぱいのことや赤ちゃんのことで心配なことや困った時やおっぱいがトラぶったらいつでも連絡して受診予約を取ってくださいね。」と、赤ちゃんのお母さん達にお伝えしています。

しばらく前ですが、直母困難で搾乳併用中でフォローアップしているKさんからお電話がありました。
「お宮参りの日(昨日)からおっぱいが赤くなってちょっと痛いんです。どうしたらいいですか?」というヘルプコールでした。
Kさん曰く、両家揃っての中華の会食後から乳房がおかしくなってきたとのこと。
乳房がおかしくなってきたのが分かっていたのに、赤ちゃんが眠っているからと直母も搾乳もしなかったとのこと。
「はぁ?そんなん、アカンに決まってますやん!」と、思わず言ってしまいました。

受診枠がいっぱいに近く、捻り出した時間帯は、「都合が悪くて行けないです。」とのこと。
よく聞けば、運転免許を持っていないし、自宅はバス路線から遠く、電車に乗るにも小1時間歩かなくてはならないとのこと。(汗)
対処方法については口頭で説明しましたが、週末にかかるという要素もあり、「Kさん大丈夫かな?」と、こっちがハラハラします。
仕方がないので、訪問出張してくださる開業助産院を紹介しましたが、当院よりも若干価格が高い(出張交通費も要するため)ということを伝えると、微妙に難色を示されました。(泣)

でもね。
キツイことを言うようだけど、痛いのはKさんの乳房なのよね。
コスト的なことを論じている場合じゃないと思いますけどね。
これまでの受診の際、どうしたら良いか悪いかを私は伝えてきています。
アカンことをやってしまったのはKさん自身です。
★病院に受診できないなら、対処方法と、代替え機関をご紹介するしかないのですが、これ以上、私にどうせよと仰るのでしょうね。
もしかして仕事が終わったら、無償でKさんの自宅に出張せよと?
・・・そりゃあないですよね。
困った時に頼りにしてもらうのはいいのですが、頼られ過ぎというか、頼る方向が違うのではないかと思ってしまいました。

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2011年10月 2日 (日)

手掴みで離乳食を食べてくれません。(11ケ月)

<ご相談内容>
11ヶ月の赤ちゃんのことでご相談したいことがあります。
母乳育児中です。
ついこの間まで、1日10回くらいはおっぱいを咥えていましたがが、病気もせず、至って元気です。
正期産で2800gで生まれたのに、4ヶ月の集団健診で5250gと、小粒化兆候はあったものの、私自身赤ちゃんの時から小学校に入学するまで、クラス最小レベルだったらしいので、あまり気にしていませんでした。

しかし、10ヶ月の集団健診時で、6050gにしかなっていませんでした。
運動機能の発達は正常で、頭囲もパーセンタイルグラフを割り込むものの、一応右肩上がりではあります。
ただ、10ヶ月で6050gは、さすがに小さ過ぎやしないかということを集団健診のドクターから指摘され、念のため病院でCTやら血液検査までしましたが、調べた項目はすべて正常でした。

離乳食については、これまで全く興味を示さず、迷惑そうな表情で1匙2匙口に含む程度でした。
そして、何故だか分かりませんが、血液検査の予定が入った日(14日前)から、いきなり食べ始めるようになりました。
ただ、気になるのは、手掴み食べを始めるように集団健診で指導されたものの、手に持たせてもぼ~っとしているか、グチャグチャにするのが関の山で、口に運ぶことがありません。

ちなみに、離乳食を食べるようになってから、おっぱいの回数も5回くらい/日に落ち着いてきました。
体重は14日間で、350gも増えました。(1日当たり25gにペースで発育していました。)果たしてこれでいいのでしょうか?

<SOLANINの回答>
正期産で生まれた赤ちゃんにしては、確かに超小粒な発育状況ですね。
このレベルまで来ると、小児科ドクターも、色々検査して確認したいことが出てくるのは致仕方ないかもしれませんね。
ともあれ、検査の結果が正常であって何よりでした。

急に離乳食を食べるようになったのは、もしかしたら検査をすることを避けたかったのかもしれません。
「これはヤバいぞ!」と、気配を感じたのではないでしょうか?
もしくは、運動機能の発達が見られたとか。(例えば、歩けるようになったとか。)
なので、これまで不振を極めた体重増加も、今しばらくは、復旧するための挽回モードに変換したのでしょう。
このペースがある程度維持できるよう、何とかバックアップしたいですね。

なお手掴み食べについては、ある程度離乳食を食べられるようになって、自ら食べたいという意欲が湧いてきたら・・・の話です。
一般論として、6ヶ月頃から離乳食を食べ始めて、それなりに進み、自ら食べる意欲も湧いてきたら、手掴み食べをさせてみましょう!ということですよ。
でも、相談者さんの赤ちゃんは、11ケ月ではありますが、14日前からいきなり食べ始めたのでしょう?
だったら、手掴み食べに興味が無くても、まだ当然です。
これからってことです。
自ら食べたいという意欲が芽生えてきたら、させてあげればいいのですよ。
ですので、手掴みの時期が後ろへずれ込んでも不思議はないですよ。

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