HCV-RNA(+)のお母さんは母乳育児をしてはいけないの?
<ご相談内容>
私はいわゆるC型肝炎ウイルスのキャリア(持続感染者)の妊婦です。
現在アメリカに住んでいるのですが、主治医が、「あなたはHCV-RNA(+)と言う状態で、人に感染させるチカラが強いから、母乳はあげてはいけませんよ。最近はミルクも母乳に近付いているからね。」と宣告されました。
ちなみに、このドクターのトコロでは、数か月前にもC型肝炎ウイルスの妊婦さんがいらっしゃったそうですが、彼女は私とは異なり、HCV-RNA(-)でしたが、同様に主治医の指示に従って、感染予防のために万全を期して完ミにされたそうです。
赤ちゃんが生まれたら、母乳育児がしたかったのに。(涙)
でも、赤ちゃんの感染予防のためには、母乳を諦めるしかないのでしょうか?
<SOLANINの回答>
アメリカにお住まいなのですね。
そうですか・・・しかし、相談者さんの主治医の仰ることに関しては、私にはトンでもさんの臭いがしますな。(困)
少なくとも私の知る限り昔(!)から日本では、HCV-RNA(-)のお母さんに、母乳育児を制限しているということは、無い筈ですが。(汗)
HCV-RNAというのは、分かり易く言えば、C型肝炎ウイルスの成分です。
それが(+)の妊婦さんから生まれた赤ちゃんで、感染する危険性は、厚労省のデータによれば、約10%とのことです。
ただし、出生後はお母さんから移行した抗体のせいで、検査をしたら(+)ということはありますが、生後13ヶ月迄に95%の赤ちゃんから抗体は消失します。
(逆に、生後12ヶ月迄は抗体検査をしても、胎盤経由で移行する抗体が赤ちゃんのカラダに存在するため、感染の有無については判定できません。)
また、子どものうちは、肝臓病が進行し難いので、オトナになってからでもインターフェロン等の治療が可能なことが判明しています。
また、HCV-RNA(+)のお母さんが母乳育児をしたから、赤ちゃんが感染したというデータは無いし、リスクを考え泣く泣く完ミにしたのに、13ヶ月以降でお子さんを検査したら、結果がHCV-RNA(+)だったという症例もあるそうです。
しかし、C型肝炎の感染経路として血液からというのは間違いないので、仮に産後授乳中に乳頭亀裂が発生して出血しているのであれば、傷が治るまでは、直母はお休みしてください。
お休み期間中は、定期的な搾乳を行い、うつ乳によるトラブルの予防や分泌の維持に努めてください。
主治医対策(?)としては、厚労省のC型肝炎妊婦に関する指針のページを英訳されたものを持参されたり、そちらのC型肝炎の専門家やラクテーションコンサルタントに相談された内容を文書にして持参され、理解を深めていただくというのは如何でしょうか?
もしくは、妊娠経過や週数的に問題が無く、里帰りを受け入れてくれる病産院が見つかれば、日本に帰国して出産されても・・・と思ったりしました。
コメント
1 ■ご無沙汰しております。
以前相談させていただいたアメリカ住みのmijupoと申します。
私の場合は(-)でしたが同じく主治医は母乳がNGだとおっしゃいました。
そんな中、このブログと出会い見よう見まねで一歳まで完母で頑張る事が出来ました!!
(その後、数値が上がり治療へ踏み切りましたが・・・)
異国で大変かとは思いますが~お母さんが母乳で育てたいと言う気持ちが強ければ主治医も止めないと思います。(私の場合がそうでしたので)
幸い我が子は18ヶ月で検査をしたら感染していない様子。
SOLANINさんのおかげで少しでも母乳で育てる事が出来て本当に良かったと思っています!
言葉の壁や考え方の違いで何度も涙したのを思い出し、コメントさせていただきました。
~mijupo~ 2011-10-05 04:45:06
2 ■C肝の母乳で育ちました
いつもお世話になっています。
私の母はC肝キャリアですが、私は完母で1歳6ヶ月の断乳まで育ちました。それでも私はCもBも感染してません。
ひとえに自分の例が一般的なのかもわからないので、安全だとは簡単に言いたくありませんが、きちんと科学的根拠を説明して欲しいかな、と思います…
bambina* 2011-10-05 06:17:48
3 ■Re:ご無沙汰しております。
>~mijupo~さん
18ヶ月、おっぱいを続けられたのですね。
お母さんの検査データ上難しくなるまでよくぞあがられましたね。
素晴らしいです。
SOLANIN 2011-10-05 06:56:06
4 ■Re:C肝の母乳で育ちました
>bambina*さん
経験者?なのですね。
でも、無事で過ごせる。
出来のコメントにもありましたが、RNA(-)であれば、感染リスクはナシとみていいのに、NGと仰るDrもいらっしゃるので、是非厚労省のHP見ていただきたいですね。
SOLANIN 2011-10-05 06:58:43
5 ■それぞれなんですかね…
うちの病院は、母に感染する可能性もお話しして、場合によって本人に選択してもらっていますよ。
まいまい 2011-10-05 12:13:26
8 ■Re:それぞれなんですかね…
>まいまいさん
ん?母に感染する可能性とは?
HCV-RNA(+)であれば、感染していますよね?
発症するってことですか?
SOLANIN 2011-10-05 22:39:42
« どうにかしてくださいと言われても。 | トップページ | どんなに輝かしいご経歴であっても。 »
「 ★母子感染」カテゴリの記事
- 淋菌感染が発覚!(妊娠9ヶ月)(2011.12.19)
- HCV-RNA(+)のお母さんは母乳育児をしてはいけないの?(2011.10.05)
- 妊婦さんと新生児のいるご家庭で、おたふく風邪が発生したら?(2010.10.10)
- 出産後お母さんのHTLV感染が発覚したら?(2010.03.21)
- 産科退院翌日に上の子がおたふく風邪であることが発覚!(2010.03.05)