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2011年9月

2011年9月30日 (金)

途中から完母に変わることはある3(1歳以降)

厚労省の『授乳・離乳の支援ガイド』にも、離乳食の進みとともに、ミルクは減らしていく旨が記載されています。(ちなみに、おっぱいについては制限しなくてもいいと記載されています。)

1歳まではミルク寄りの混合栄養を余儀なくされていたお子さんで、それでもお母さんはおっぱいをあげたい場合で、お子さんも実はおっぱいが好きな場合、思い切ってミルクを止めても、おっぱいとお食事で充分育ってくれるようになります。

いつかは完母になりたいお母さんで、1歳まではそれが叶わなかったとしても、お子さんのお食事が進めば、ミルクを止めたって差し支えない日は来るのです!
だいたい、WHOやユニセフも、「2歳くらいまでは母乳をあげましょう!」って言っています。
SOLANINもたびたび、「1歳を過ぎてからが、おっぱいライフの醍醐味ですよ~!」と申し上げているではありませんか!

諦めたら、そこで試合終了ですからね♪
周囲には「何故、そこまで頑張るの?」と、なかなか理解してもらえないかもしれません。
母乳育児のモチベーションの維持には、当ブログを何度でも読み返してくださいね。
おっぱい星人は例外的ですが、1歳以降になると、徐々に栄養の主体はお食事に移行し、反対におっぱいやミルクに依存する割合は徐々に減ってきます。

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2011年9月27日 (火)

はぁ?おっぱいは6ヶ月もあげたら充分ですって?

先日、とある某政令指定都市のブック●ァ-●トさんに立ち寄ったら、書籍『最強母乳外来』が、背表紙ではなく、表紙が見えるように、ディスプレイしてありました。
もしかして、読者さんか、そのお友達が、配慮してくださったのかしら?
嬉しくて、写真撮影してしまいました。

(別の某政令指定都市の三●堂さんでは、背表紙だったからなぁ。)

そのついで・・・ではないですが、有名なカ●子おばあちゃんのご著書を立ち読みしたところ、仰天するようなことが書かれていました。

曰く、「6ヶ月で卒乳すればラク!」
「長く飲ませるのはお母さんのエゴ!」
「子どもをマザコンにしないためにも、母乳は(6ヶ月もあげれば充分だから)長く飲ませないのが良い!」

(注)いずれも、ご著書に記載してあることの要約です。

はぁ?
カ●子おばあちゃん、何言うてますのん!
6ヶ月なんて、離乳食がスタートしたばかりの時期ですやん。
栄養の主体は、あくまでおっぱいかミルクの時期とちがいますか?
赤ちゃんのカラダ、アレルギーのリスク、消化機能は無視ですか?

長く飲むか否かは、飲み手であるお子さんが主体的に決めることですなぁ。
だいたい、お母さんが長くおっぱいをあげようとしても、早く自然卒乳される赤ちゃんはいらっしゃるし、お母さんが早く止めたいと思っても、止めたがらないお子さんもいらっしゃいます。
要するに、おっぱいの飲み方、フィナーレの時期は個人差があり、十人十色です。
断乳の時期を勝手に一方的に決めて、お母さんがイニシアチブを取るのって、おっぱいを飲む子どもの権利を侵害してるんですけど。
百歩譲って、お子さんが、「俺は(私は)おっぱい依存症だから、どんなに泣き喚いても、心を鬼にして止めさせてくれ!」と、懇願したのならば別でしょうが。(汗)
居ないと思いますよ。
そんなお子さんは。

おっぱいを長く飲めばマザコンになるだなんて、脳科学者の奥様(&育児研究家?)とは思えない短絡的な発言で、びっくりしたわぁ。
子どもはね、納得のできないまま勝手に一方的な断乳をさせられるから、おっぱいを通してのお母さんとの絆が損壊させられるので、とても辛い想いをしているのですよ。
そういうことは、考えなくてもいいのですか?
SOLANINは、到底納得できませんな。

カ●子おばあちゃん、どうか子どもを見くびらないでやって。
自分で納得して卒乳出来た子どもは、間違いなくしっかりと自立できますよ。
確かにおっぱい星人は、人一倍お母さんが大好きですとも!
きっと、将来、お母さんを大切にする子に育つでしょうが、それはマザコンとは言いませんよ。
生涯のパートナーと出会ったのに、損壊させられたお母さんとの絆の修復を渇望し、前向きになれないというか未練たっぷりな子が、マザコン予備軍になるとSOLANINは睨んでいますが、違いますやろか?

しかも、ご著書には、強調項目は、マーカーで塗ったようにピンク色なのです。
(私が太字で要約した~曰く~の部分ですね。)
真に受ける方が多いだろうぁなと思うと、正直言ってゲンナリしました。

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2011年9月26日 (月)

同じ週数でも吸啜力の男女差を逆転させる要素がある!

一般的に同じくらいの週数で生まれたのであれば、男の子の方が女の子よりも吸啜力は強い傾向にあります。

しかし、例外もあります。
女の子の体重が、かなり大きかった場合です。
兄弟姉妹で、どちらも38週で出産されたお母さんがいらっしゃいます。
上の子は男の子でしたが、小粒ちゃん(生下時体重が2500~2800gくらい)で、大きなお口が開けられなくて、乳首は常にズタボロで、直母が難しかったそうです。
下の子は女の子でしたが、お兄ちゃんよりも体重が数百グラム大きかったら(生下時体重がだいたい3300g以上)、最初からすんなりとおっぱいだけで育てていけたそうです。
もちろん、上の子の時におっぱいで苦労した場合、妊娠中からの乳頭・乳輪ケアに取り組んだり、まだおなかの中に居る頃から、お母さんも無意識のうちに、「おっぱいだけは頼みますよ。」的な語りかけをしていらっしゃることが多く、きちんとお母さんの言いつけを守っているということも考えられますが。

上の子のおっぱいが上手くいかなくても、下の子のおっぱいが上手くいくことは結構あるのですよ。

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2011年9月25日 (日)

同じ週数でも同じ体重でも吸啜力に男女差はある!

一般的に同じくらいの週数で生まれたのであれば、男の子の方が女の子よりも吸啜力は強い傾向にあります。
もうひとつ、生下時体重が同じくらいだと、かなり高い確率で、男の子の方が女の子よりも吸啜力は強い傾向にあります。

典型的な実例を挙げます。
兄弟姉妹でどちらも38週で出産されたお母さんがいらっしゃいます。
上の子が女の子で、さほど小粒ちゃんではなかったものの(生下時体重が3000g前後)、何故か上手に吸啜できなかったそうです。
そのため、おっぱいの分泌量も赤ちゃんの哺乳量もなかなか増えなくて、悩ましい想いをされたそうです。
ところが、下の子が同じくらいの体重の男の子であれば、最初からガツガツしていますから、あの悩み苦しんだ日々は何だったのか?という日が、早々にやって来るようなのですね。

もちろん、上の子の時におっぱいで苦労した場合、妊娠中からの乳頭・乳輪ケアに取り組んだり、まだおなかの中に居る頃から、お母さんも無意識のうちに、「おっぱいだけは頼みますよ。」的な語りかけをしていらっしゃることが多く、きちんとお母さんの言いつけを守っているということも考えられますが。

上の子のおっぱいが上手くいかなくても、下の子のおっぱいが上手くいくことは結構あるのですよ。

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2011年9月23日 (金)

途中から完母に変わることはある2(離乳食開始後)

赤ちゃんの発達は体重増加が全てではありません。
心ある小児科ドクターであれば、運動機能の獲得や頭囲の伸長の方が優先順位として高いことは承知していらっしゃいます。

識別が難しいことは確かですが、当ブログの過去記事にもあるように、「ゆっくりと体重が増える」タイプの赤ちゃんは、補足はせずに経過観察されることが適切です。
但し、おっぱいの分泌が追い付かず、どうやら真正の「体重増加不良」タイプの赤ちゃんの場合、運動機能の発達に後れを生じたり、頭囲が一向に伸長しないという憂慮すべき状態であれば、やはりミルクの補足は止むを得ません。(これを医学的適応といいます。)

しかしながら、離乳食が開始されると、状況が変わることがあります。
決して急いではいないのに、赤ちゃんが食べることに対して意欲的で、離乳食が順調に進むことがあります。

育児雑誌に書いてある目安量を食べられる赤ちゃんは、実はさほど多くはないのですが、それをペロリと平らげてしまう健啖家の赤ちゃんもいらっしゃるわけです。
そうなると、ミルク200mlの栄養分が、およそ1食分の主食・主菜・副菜・デザートで賄えるようになられるのです。
あっ、重湯を開始した頃ではまだ無理ですよ。
だいたい2回食がしっかり食べられるようになる頃でしょうか。
そうすると、ミルクの補足量が何mlかによりますが、お食事が進めば進むほど、ミルクの減量が実際に可能になってくるわけです。

そして、最終的にはおっぱいとお食事で栄養分を賄えるようになるのです。
理論上は、例えばミルクの補足量が1日400ml迄で収められているのなら、2回食がスムーズに食べられる頃には、それが可能なのですね。
完母になりたいお母さんで、離乳食開始前はそれが叶わなかったとしても、赤ちゃんの離乳食が進み、ミルクの補足が止められたら、こんなに嬉しいことは無いと思います。
諦めたら、そこで試合終了ですからね♪
もちろん、ひとりでは挫けそうになることもあるでしょう。
母乳育児のモチベーションの維持には、当ブログを何度でも読み返してくださいね。

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2011年9月21日 (水)

乳頭混乱や哺乳ストライキの時の母乳管理はどうするの?

「乳頭混乱」も「哺乳ストライキ」も、大変辛い出来事です。
昔から、これが原因で母乳育児を諦めるお母さんは少なくありません。
復旧するのに数日で済めば奇跡的、数週間~数ヶ月を要することも、決して稀ではありません。
「乳頭混乱」は、安易に(新生児のうちからであっても!)哺乳瓶哺乳に慣れさせると、お母さんの乳首をどうすれば吸啜できるのかという基本的動作が、一瞬にして分からなくなり、結果直母が出来なくなることです。
注意したいのは、哺乳瓶を何度も使ったら起こるものとは限らず、たった1回2回の使用であっても、そうなってしまうことがあることです。

「哺乳ストライキ」は、まだ離乳の完了ではない時期なのに、赤ちゃんが心身にダメージを受けることがきっかけで、直母による哺乳自体をしてくれず、赤ちゃんが直母を拒否し続けることです。
いささか感性の鈍いお母さんだったら「早い卒乳」として片づけられることもありますが。(汗)

このような場合、一般的には、次のように指導されることが多かろうと思われます。

▼「とにかく吸わせなさい!吸わせれば分泌も増えます!」、
▼「搾乳なんてしなくていい。そんな暇があったら吸わせなさい!」
▼「寝ぼけているとちゃんと吸ってくれないから刺激にならないよ。耳を抓ってでも起こして吸わせなさい!」

ふむふむ。なるほどね。
確かに一理はありますね。
けれども、「乳頭混乱」や「哺乳ストライキ」という状態は、そもそも赤ちゃんがお母さんの乳首を咥えない、仰け反って嫌がる、吸啜もしないという困難な状態です。

おっぱいの分泌の維持向上のためには、赤ちゃんをしっかり起こして吸啜させないと、効果的な乳頭刺激にはならないことは事実ですが、それに該当するのは、単純な眠り姫・眠り王子の場合です。
眠り姫・眠り王子の場合は、ひたすら叱咤激励し、おっぱいセールスに励むことこそが、母乳育児確立のための最大の方法です。

しかし、「乳頭混乱」や「哺乳ストライキ」の場合、お母さんの乳首に咥えも吸いつきもしないのですから、この指導は論理的に矛盾しているのですな。
ハッキリ言って、このような指導は、「画餅」以外の何物でもありませんな。

では、差し当たりどうすればいいのか?
いつ咥えてくれるか、吸啜してくれるかは正直言って未知数ですから、それまでは最優先事項はおっぱいの分泌の維持向上です。
つまり、NICUに搬送されて母子分離状態のお母さん、仕事復帰が早くてなんとか母乳育児を続けようとしているお母さんと同様のことをされたらいいのです。(メッセージボード(ブログ情報)の「★仕事復帰との両立」「★搾乳・冷凍母乳」の復習は必須ですよ。)
その上で、過去記事の「★乳頭混乱の予防・克服」や「★哺乳ストライキ」の章を復習して対策を講じてください。
直母の練習は赤ちゃんの機嫌を見ながら慎重に進めます。
しっかりと覚醒している時は大抵失敗しますから、赤ちゃんが寝惚けているタイミングを見計らいましょう。

「乳頭混乱」の最大の予防は、赤ちゃんに安易に哺乳瓶を使ったり、おしゃぶりを与えないことです。
「哺乳ストライキ」の最大の予防は、赤ちゃんの心身の健康管理に尽きます。
美味しいおっぱいを落ち着いた環境で飲ませてあげること、口腔系や耳鼻咽喉科系の病気に罹らないことに尽きます。

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2011年9月20日 (火)

予防接種、何故遊び友達についてまで聞くの?

些細なことかもしれませんが、予防接種の問診票に、「1ケ月以内に家族や遊び友達に、○○,●●等の病気に罹った方がいましたか?」という項目がありますよね。

何故あのような質問が設けてあるのかご存知でしたか?

○○、●●というのは、いわゆる生ワクチンがある病名が書かれているかと思いますが、1ヶ月以内で、それらの病気に家族や遊び友達が罹患していると、既にあなたのお子さんもそれらの病気に罹っている可能性があるからです。
一見、お元気そうであっても、もしかしたらそれらの病気の潜伏期間かもしれないってことですね。

もちろん、病気の潜伏期間はそれぞれ違いますから、まずは該当する病気に罹っていないかどうかを確認してからでないと、予防接種は受けるべきではないのですね。
例えばの話ですが、生ワクチンの接種を複数種類予定するときは、1ヶ月以上の間隔を空けることが大前提であることはご存知ですよね?
それと同様に解釈・判断していただいたらいいのです。

ですので、「1ヶ月以内に家族や遊び友達に、○○、●●等の病気に罹った方がいる!」場合は予防接種を受ける時期を後にずらしてくださいね。

2011年9月19日 (月)

赤ちゃん返りは幼児の専売特許でしょうか?

赤ちゃん返りというのは幼児の専売特許でしょうか?
確かにそうではあるけれど、幼児以外の方にも起こります。
意味が・・・分かりませんか?

もちろん全員とは申しませんが、いわゆる出来婚の場合、その中でも妊娠の責任を取って結婚した場合、男性に父性が芽生えにくいようなのです。
最初の1ヶ月くらいは、仕事帰り(遠方への里帰り出産であれば休日)に、奥様の実家に訪問し、沐浴などを手伝い、夕飯をご馳走になって帰宅するというパターンが見受けられます。
この頃はまだいいのです。

問題は、奥様がご実家からご自宅に戻られてからですな。
▼授乳やおむつ交換等、赤ちゃんのお世話をしているときに限って、やたらと奥様に用事を言いつけたり頼んだりする。
▼おっぱいをあげることに対し、批判的でさえある。
▼赤ちゃんがなかなか泣き止まない時、舌打ちしたり、ため息をつく。
▼自分に構ってほしいそぶりが見え見え。
▼「君が家事と育児で大変なのは分かるけど、僕は僕の生活スタイルを変えるつもりはない。」と、言い放つ。

そうです。
赤ちゃん返りというのは一種の精神的退行現象ですが、暦年齢の半分くらいにまで戻っています。
例えば、20歳前後のヤンパパだったら、10歳くらいに、。
35歳くらいの方だったら高校生くらいでしょうか?
「ウチの旦那さんはこんな性格やったっけ?」と、思わずにいられない時は、確実に旦那さんは赤ちゃん返りしてますよ。

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2011年9月18日 (日)

赤ちゃんに声を掛ける時、どうしていますか?

赤ちゃんに声を掛けてあげる時は、どうしていますか?
離れた所から泣き声をキャッチしたのであれば、まずは大きめの声で、「どうしたの~?お母さんはここに居るよ~♪」といった感じになるでしょうが、赤ちゃんの視力はまだ未熟なので、お母さんが見えない、気配がない、肌の温もりが感じられないというのは、ある意味恐怖なのですね。

なぜなら、赤ちゃんは、自分を守ってくれる存在であるお母さんが傍にいてくれないと、一人では生きていけないことを本能的に知っているからです。
赤ちゃんが泣いているのであれば、お母さんは出来るだけ早く傍に行き、抱っこして安心させてあげてくださいね。

傍にいる時は、必ず赤ちゃんの目を見て声を掛けてあげましょう。
こう書くと、理屈っぽい方は、「では、絵本の読み聞かせのように、赤ちゃんの目を見ることが難しい状況ではどうなのか?」という質問を投げかけられそうですが、私が申し上げたいのはそういう時のことではなく、普段のコミュニケーションの時のことを指します。
視線が合っていないと、どんなに素晴らしい内容の声掛けであっても、赤ちゃんには、お母さんの想いは伝わりませんよ。
アイコンタクトって重要なのですよ。

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2011年9月16日 (金)

途中から完母に変わることはある1(離乳食開始前)

ご出産された病産院がバリバリの「ミルク育児推進病院」だったり、「なんちゃって母乳育児推進病院」だったりすると、母乳育児のスタートで大きく躓いてしまうことは有りがちです。
先に書いたような病産院では、授乳のたびにミルク補足が義務付けられていたり、マンパワー不足のせいか、助産師から直母ができるようになるためのお手伝いをしてもらえないことが、間々あるからです。

新生児のうちは赤ちゃんによっては吸啜力が弱い児や、乳首を咥えたらすぐに眠りこけてしまうスタミナ不足児や正常新生児であるにもかかわらず病産院の方針で頻回授乳を禁じられていたりといった要因で、乳頭刺激が乏しく、結果おっぱいの分泌量が伸びなくて混合栄養に至るというお母さんは相当数いらっしゃるようです。
また、おっぱいの分泌には問題なくても、乳頭の形云々のせいで直母自体が困難だったり、直母だけでは体重の増加を図ることが難しく、搾乳の形で補足の必要な方もいらっしゃいます。

実際、当ブログの読者さんでも、「1ヶ月半以降(5~6ヶ月迄=離乳食開始前)に完母に変われました。」と、ご報告してくださる方が、大勢いらっしゃいますからね。
しっかり飲めるようになれば、乳頭刺激が確実になり、結果分泌がアップするという典型例ですな。

しっかり飲めるようになる迄のおっぱいの分泌量の維持・向上のためには、効果的な頻回の乳頭刺激が欠かせません。
直母が出来なければ直母(をするであろう回数)と同じだけ搾乳をするのは必須ですぞ。
まだ直母がしっかりできていない状態なのに、搾乳を長期間(例:1週間とか)サボり・・・ではどんなに完母を期待できそうな条件が揃っていても、混合栄養離脱のチャンスを自らつぶしてしまっているように思えます。
「地道に搾乳していた頃は、1回に10~20ml(以上)はコンスタントに搾乳できていたけれど、サボってからは滲むくらいしか出ない。(泣)」な~んてことにだけはならないようにね!

母乳育児がなかなか上手くいかないと精神的に凹むでしょうが、吸啜力やスタミナ不足といった乳頭刺激乏しいことが主な要因であれば、いつか道は拓かれる筈です。
もちろ私はん医学的適応でミルクの補足が必要な赤ちゃんがいらっしゃることは承知しておりますし、完母が全てではないと思っていますが、少なくとも完母を目指していて、手伝ってくれる助産師が肯定的(例:「もう少しで完母になれそうですよ。」というようなアドバイスをもらえた。)であれば、ご自身と赤ちゃんの可能性を信じて、出来る限りの努力をしてみられることをお勧めします!

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2011年9月13日 (火)

南瓜仁(ナンカニン)を食べたことがありますか?

これまで当ブログは、おっぱいの分泌を高める働きがあるハーブ(サプリメントを含む)やたんぽぽ珈琲について記事を書いてきましたが、今日は南瓜仁(ナンカニン)について、書いてみたいと思います。

表記からも分かるでしょうが、南瓜仁(ナンカニン)とは「かぼちゃの種」のことです。
あっ、もちろん、かぼちゃの煮物を作る際に廃棄するものはそのまま食べられませんよ。
自家製(外皮を剝いて乾燥させてからフライパンで炒る)のやり方もあるようですが、炒り加減が難しいので、市販されているものを利用した方が無難です。
(1回分ずつパックされたモノもあるようですが、若干、割高感があります。1回分は大体15~20粒なので、それくらいなら数えてもいいのではないかと思いました。)
市販されているもモノは、私も買ったことがありますが、ピスタチオのような緑色をしていて、カリカリしていて、お菓子感覚で食べられます。
あくまで個人的な感想ですが、とても美味しくいただけました。
種実系の食べ物が好きな方だったら、打ってつけかもしれません。
なんでも中国や台湾では産後のおっぱいの出方を良くする滋養食として、認知されているそうです。
蛋白質・ビタミン・ミネラルが豊富であることからそう言われるのだと思います。
おっぱいの分泌向上にどのくらいの効果があるかというデータは、見当たりませんでしたが、それはモノの性質上、検証が難しいからでしょう。
もちろんカラダにも良いので、試してみる価値はあると思います。

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2011年9月12日 (月)

胃-直腸反射って知っていますか?

振り返ってみれば生まれて間もない頃、赤ちゃんがおっぱいを飲むやいなや、うんちがブリブリ出てくることが、日常茶飯事だったと思います。
あの頃はまるで、赤ちゃんのカラダが竹の筒みたいに思えませんでしたか?
恐らく、おっぱいの回数と同じくらいうんちの回数があった赤ちゃんもいらっしゃったのではないでしょうか?
特におっぱいをたくさん飲み、体重増加が著しい赤ちゃんはその傾向が強かったと思います。

これは、胃-直腸反射といって、赤ちゃんが飲んだおっぱいが胃の中に入ると、腸の出口付近の直腸が動いて、うんちが出ることなのですね。

どうしてこんな反射があるのかと申しますと、生まれて間もない頃の赤ちゃんは、うんちがしたくても、踏ん張るというか、気張る力が乏しいのですね。
そこで、踏ん張るというか、気張らなくても、すんなりとうんちが出るようにしてくれるシステムが赤ちゃんのカラダには備わっているのです。

厄介なのはこの反射があるうちは、お尻・肛門周囲が荒れやすいこと。

いつまで続くのかと申しますと、だいたい2ヶ月頃までですね。
その後は、徐々にお尻に向かって力をかけられるようになってきますから、この反射は消褪します。
また、おっぱいがしっかり飲めていても、消化能力も高まりますから、うんちの回数が減ってきて、お尻・肛門周囲の荒れも軽減してきます。

うんちの出方ひとつを取っても、赤ちゃんはどんどんカラダの機能を進化させていくのですね。

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2011年9月11日 (日)

予防接種、何故1ケ月以内の病気についてチェックするの?

予防接種の問診票、ご覧になったことがあると思いますが、その中で、「最近1ヶ月以内に病気に罹りましたか?病名(  )」という項目がありますよね。
何故、あのような質問が設けてあるのか、その意味をご存知ですか?

あれはですね、病気の種類によっては、病み上がり直後に予防接種をすると、ワクチンの効果が減弱してしまい、上手く免疫を獲得できない恐れがあるからなのですね。
時間を割いて、病院に出向き、痛い目をさせて、抗体が出来なかったら・・・
何のために接種したのか?ということになりますからねぇ。
そのため、病気が治った後4週間程度の間隔を空けて予防接種をすれば、そうではない場合よりも免疫を獲得しやすいことが分かっているから、あのような項目が設けられているのです。

*なお、具体的な病名については,接種されるドクターが判断されますので、ここでの回答は差し控えさせていただきます。

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2011年9月 9日 (金)

ぐっすり眠ったのに、何故寝起きが悪いの?(特に3ヶ月まで)

赤ちゃんでも大人でも、ぐっすり眠れたら、カラダがラクになることは間違いない筈なのですが、どういうわけか赤ちゃん(特に生後3ヶ月まで)は、目覚めるや否や「ウッ、ウギャア~!」と号泣することが多いのではないでしょうか?

それはですね、おむつが汚れていて気持ち悪いというのもありますが、おなかが空き過ぎていることに気が付いたという要素が大きいのですね。

当ブログの読者さんであれば、おっぱいの消化時間が1時間半、長く見積もって2時間までということはよ~くご存知ですよね?
ちなみに、粉ミルクの消化時間は?
・・・はい、そうですね、3時間を要しますね。
まぁ、それが事実なのですが、赤ちゃんって、昏々と眠る時ってあるでしょう?
仮にですが、完母の赤ちゃんで3時間眠っていたとか、完ミの赤ちゃんで4~5時間眠っていたら、胃の中のモノは消化されて,腸で吸収される段階ですよね。

大人でいえば、胃が痛くなってしまうくらいおなかが空いた時をイメージしてください。
ああいう感じなのです。
そう、長時間絶飲食で、「いつでも胃カメラOKですよん!」って感じかな?
赤ちゃんの、「ウッ、ウギャア~!」という激しい泣き声を、翻訳すると、「メッチャおなかが空いているのに、何故自分はこんなに寝過ごしちゃったのだろう?あぁしまった!、大いに不覚だった!」という叫びなのです。

そういう時は、お母さんとしての懐の深さを見せて、「あぁ、メッチャおなかが空いたのね。分かったよ。慌てなくても大丈夫だからね。」「落ち着いてね。今すぐあげますからね。」と、優しく声掛けしてあげてくださいね。

3ヶ月以降になると、多くの赤ちゃんは、「人は哺乳欲のみに非ず。」のステージに進出されますので、ぐっすり眠った後、「はっ!」と目覚めた時に、一瞬ヤバい雰囲気になっても、お母さんのお顔が見えて、直ぐに構ってもらえるなら、満面の笑みを見せてくれるかと思います。

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2011年9月 8日 (木)

育児の主体はお母さんです。

当り前のことですが、育児の主体はお母さんです。
栄養方法が何であっても。
もちろん、待望の初孫誕生に浮かれる新米おばあちゃんを否定する気はありません。
母と娘(若しくはお嫁さん)が仲良しなのは麗しきことです。
しかし、助産師の問診にまで、娘(若しくはお嫁さん)である赤ちゃんのお母さんにお尋ねしていることを新米おばあちゃんが代返するってどうなんでしょう?(例:陣痛が10分毎に開始したのは●時○分からです。1日のおっぱいの回数は●回です等々。)
また、父性を目覚めさせるには旦那さんの役目にしてもよさそうなことを、お婿さん(若しくは息子)が疲れるからと、敢えて新米おばあちゃんが代行するって変じゃないですか?

娘(若しくはお嫁さん)が育児に悩んでいて、新米おばあちゃんが新米お母さんだった頃の経験談を聞かせてほしいと求められたのならば、是非とも聞かせてあげてほしい。
SOSの手助けを求められたら、一肌脱いでやってほしい。
でも、そうではなく、頼まれもしないのに、「ああしろ、こうしろ」と、指図したり、昔はともかく今は良くないとされること(例:ベビーパウダーを使用すること、脚を伸ばしてグルグル巻きにすること、泣いても抱っこしないこと、早くから離乳準備食を食べさせること等々)を強要するか勝手にやったり、家事を娘(若しくはお嫁さん)にさせて、新米おばあちゃんが日がな赤ちゃんを囲い込んで、授乳以外は娘(若しくはお嫁さん)に抱っこさせない・・・って、やはりおかしいです。
まだるっこしいかもしれないけれど、娘(若しくはお嫁さん)を見守る姿勢を忘れないでいてやってね。

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2011年9月 7日 (水)

P社の乳頭吸引器は超痛い!しかし良いこともある!

P社(もちろん、読者のみなさんはどちらの会社なのかはご存知でしょうが・・・)の乳頭吸引器、使われたことのある方、いらっしゃいますか?
職業柄、私は持っています。(当り前か)
職場で妊婦さんにデモンストレーションする用と、自宅用。(ふ~ん)
自宅用は、自分で試す用です。(当たり前か)
吸引圧力を時々体感するためにです。(えっ?)

私は陥没乳頭ではありませんが、何回使っても超痛いと感じます。
乳輪から搾りとられるようなあの痛さは、ハンパではない痛さです。
痛みのあまり、陥没乳頭の妊婦さんがお手入れを挫折しそうな痛さです。
指先で圧迫していたゴム球をゆっくりジンワリ膨らませても痛いし、一気に膨らませたら更に悶絶しそうな痛さでした。
もちろん職場で妊婦さんに使用してもらっても、「うわっ、痛い!何なんですか、これ?」と、抗議のまなざしで、お叱りを受けることも毎度のこと。
「商品改善の余地ありだわ。」と、毒づいていました。

それでも、P社の乳頭吸引器には、良いところもあるのですね。
「何が?」ですって?
それはですね、乳管開通をする時期(個人的には、出来れば30週過ぎ、遅くても35週までには開通して欲しいと考えています。)になったら、とても役立つのです。
基本的に妊婦さんは乳管開口部が閉塞しています。
ですので、出産までにはある程度開通をしなくてはいけないのですが、閉塞状況がヘビーな方ほど乳頭は硬く、お手入れがヤワヤワモードになりがちで、効果的なお手入れにならないことが多いのですね。

なんて言うのかなぁ。
K社の毛穴スッキリパックでしたっけ?
P社の乳頭吸引器は、あの要領で、閉塞している乳管開口部を一気に開通することが出来るのです。
そりゃあ、痛いですよ。
もちろん個人差があるから、繰り返してやらなくてはならないことだってあるし、20週代では、数回しても滲みさえしない可能性があるから、早まる必要はありませんよ。
でも、妊娠中の乳管開通のお手入れをしようにも時間的余裕が無い場合、「えいやぁ!」的な荒療治ですが、効果的なのです。
乳管開口部は1回開くと、お手入れの際の痛みがかなりラクになります。

該当者の方、思い切ってやってみませんか?

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2011年9月 6日 (火)

母乳育児の根幹の理解が足りないのは助産師泣かせです。

多くのBFHがそうであるように、SOLANINの勤務先の母乳外来は、予約枠さえ押さえられたら、院外出産の方であっても受診していただけます。
しかし、母子異室でミルク推進病産院でご出産された方の場合、根幹となることが違うため、そもそもどの段階からおっぱいの話を始めたらいいのか、どうすれば理解していただけるのか、対応に苦心します。
受診枠の時間は限られていますからね。

▼「ひとくちでも多くおっぱいをあげたい。」「可能であれば完母になりたい。」と、受診動機を熱く語られ、私が頻回直母の重要性を力説するも、途中話の腰を折り、唐突に、「3時間以上、授乳間隔が空くのはいつですか?」な~んて質問をされる方。

▼「乳頭混乱で直母が出来ないなら、1日7~8回は搾母をしないと分泌の維持が出来ませんよ。そのためには・・・」と、具体的にアドバイスをして、次回受診時に実践出来ていたかを確認するも、「夜中は赤ちゃんと一緒に寝ているし、昼間は乳首舐めるくらいでも刺激のウチかなと思って、1回も搾っていません。」と、乳頭混乱克服やその間の分泌維持の努力を全く実行されない方。

▼「乳腺炎を繰り返したくない。早く治したい。」と言った舌の根も乾かないうちに、「私って肉食女子なんですけど、お肉を控えるなんて耐えられないです!」「えぇ~、夜中起きて授乳しなくちゃならないのですか?」と反論する方。

▼もっと凄いのは、「赤ちゃんが直母が出来ないので、授乳介助も含め、アドバイスしてほしい。」と言って予約枠を押さえられたのに、(俄かには信じ難いことでしょうが)当日、肝腎の赤ちゃんをご自宅に忘れて(?)来る方やわざわざおばあちゃんに赤ちゃんを預けて、お母さん単独で来院される方。
私、一体どうすれば授乳介助出来るのでしょうか?(汗)

こういうことが続くと、正直言ってどっと疲れます。
虚しくなります。
ヤル気あるんですか?と両肩を掴んでガシガシと揺らしたくなります。
なんだか、単に「★病院の母乳外来に行ったけれど、おっぱい駄目だった。」みたいなアリバイ作りか?と疑心暗鬼になりそうです。(泣)

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2011年9月 5日 (月)

BFHって、お母さんにキビシイ病院ですか?

BFHって、お母さんにキビシイ病院ですか?
じゃあ、お母さんにやさしい(?)病院ってどんな病院なんでしょうね?
チェック項目をあげてみましょうか?

▼お母さんの希望やドクターの都合だけでで帝王切開や誘発や吸引等の医療処置をしてくれることですか?
▼陣痛が嫌だと言えば麻酔薬をドンドン使ってくれることですか?
▼24時間母子異室ですか?

(もちろん、地域によっては母子異室の病産院しか存在しないことは理解しています。母子異室の病産院でも、自然分娩・母乳育児推進のトコロもあるかと思います。でも、すぐ近くに母子同室の自然分娩・母乳育児推進の病産院があるのを知っているのに、敢えてそこを外すってどうなのか?という意味です。)
▼夜間授乳時間は免除で、糖水でも粉ミルクでも医学的適応外なのに哺乳瓶を使ってバンバン補足してくれることですか?
▼ケーキバイキングがあることですか?
▼お食事が豪華絢爛で、ワインがいただけることですか?
▼院内の内装・調度品がデザイナーズで、セレブな雰囲気が味わえることですか?
▼退院時にはミルク屋さんのお土産がどっさり貰えるってことですか?

・・・要するに、出産では大金を払うのだから、非日常を楽しむアメ二ティ―が充実しているってことが優先なのですか?
それこそが、地に足が着いていない花畑妊婦丸出しの感覚ではないでしょうか?

そもそも、出産で入院するということは、あなたと、あなたのパートナーの間に生まれてくる新しい命を迎えて、母性に目覚める瞬間を迎えることですよ。
出産とは、あなたのおなかの中で育んできた赤ちゃんを、あなたの命を賭けて産み出すという大仕事ですよ。
SOLANINは、決して入院中のアメ二ティ―を否定する気は無いけれど、出産時の母子の安全に配慮することの方がもっと大事ではないでしょうか?
それに加えて、赤ちゃんのお母さんとして、新米であってもひとわたりの育児技術が身に付けられるように訓練することの方が、優先されて当然じゃないのでしょうか?

なのに、入院期間中に赤ちゃんのことを知ろうともせず、赤ちゃんのお世話はスタッフ任せで、ちっとも育児スキルを磨こうともせず、退院後は親や他人様に預けることばかり考えるって・・・どうかしてるんじゃないですか?
赤ちゃんはかけがえのない命なんです。
お母さんがしょっちゅう抱き締めて、肌と肌が触れ、見つめて、おっぱいをあげることで、赤ちゃんのお母さんに対する信頼感は育まれるのですよ。
お母さんになったんだなぁという実感が湧きあがるのですよ。
それって、育児の原点ではないでしょうか?

▼のチェック項目が多い病院が、果たしてホントにお母さんにやさしい(!)病院なのでしょうか?
SOLANINは違うと思います。
BFHこそが、お母さんにもやさしい(!)病院だと思います。

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2011年9月 4日 (日)

ひいおばあちゃんが産後は水を触るなと言う理由とは?

<ご相談内容>
ウチの祖母は昔からの風習というか因習に拘るタイプで、口癖のように、「産後は水を触ってはいけない。洗濯や茶碗洗い等もっての他!」と言います。
先日私が赤ちゃんの肌着をささっと手洗いしていたら、物凄く叱られました。
でも、正直言って、祖母のいうことは、私には意味不明です。
(祖母80歳。実母57歳。私29歳。)
ちなみに私は産後18日目です。
どうしたものでしょうか?

<SOLANINの回答>
産後の風習は色々あって、「水を触ってはいけない。」というのは、21世紀になって久しいのに、今でもしばしば耳にしますね。
これは、我が国がまだ貧しかったころの言い伝えの名残でしょう。
つまり、米を研ぐのも屋外の井戸端で、洗濯は川へ行きましたとさ・・・の昔話に出てくる時代は、確かに水を触ると体が冷えてしまいがちでした。
冷えは抵抗力の低下している産後の母体にダメージを与えます。
産後の肥立ちが悪いと、命取りになることが多かった昔は、母体を労わるために戒めの言葉として、そう言われたのでしょう。

しかし、相談者さんのお気持ちも分かります。
今どき、屋外の井戸端でコメを研ぎ、川へ洗濯に行く方はまずもっていらっしゃいませんね。
もしも、水を触るのが嫌ならば、大抵のお家では、蛇口を捻れば、適温のお湯が出てきます。
茶碗洗いも、お家によっては食器洗浄機が片付けてくれることもあるでしょうし、洗濯物は、通常、洗濯機を使います。
現代に生きる私たちは、産後であろうとも、体が冷えるほどの水を触ることは、殆ど無いと思います。
なので、相談者さんのおばあちゃんの仰ることは、内容的に今の時代とは合わないトコロもあるのですが、身内の年配者ゆえ、無下には出来ませんから、ここはひとつ、上手に受け流してくださいね。

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2011年9月 2日 (金)

離乳食を食べさせる時はプラスチック製のスプーンである理由。

離乳食に使うスプーンッて、大抵、プラスチック製ですよね?
あれはあれで意味があるのですよ。
熱伝導が高いステンレスや銀等の金属製の場合、熱さや冷たさが、スプーンを通して直に舌に伝わりますが、赤ちゃんの舌は基本的に猫舌なので、温度の極端なモノは好まないのですね。
ちょっと熱いとヤケドしそうになっちゃうし、冷たいのはそれだけで嫌な感触なのですね。
だから、同じものを食べさせても、舌の感触が嫌だから、金属製のスプーンは赤ちゃんにはミズマッチなのですね。
プラスチック製のスプーンの方が、受け入れやすいのです。

過去記事にも書きましたが、赤ちゃんにとっては“冷や”=“不味い”なんですね。

調乳してから時間が経って、冷めてしまったミルクは飲みが緩慢だったり、嫌がったりするでしょう?
搾乳や冷凍母乳であっても、加温が不充分だと、喜んで飲みませんからねぇ。
「今日は残暑が厳しいから、“冷や”にしませんか?」と勧めても、赤ちゃんの答えは「ノー」ですよ。

もちろん、赤ちゃんの時期を過ぎて、冷たいジュースやかき氷を楽しめるようになれば、スプーンの素材は余り気にならなくなるようですね。

それから、セット物のスプーン・フォークセットで柄の長いほうのスプーンは必ずお母さんが使ってくださいね。
月齢にもよりますが、何でも自分でやりたがるようになると、スプーンも使いたがりますが、短い柄の方を渡しておかないと、赤ちゃんは加減が分からないのでお口に突っ込み過ぎる恐れがあるので、危険ですからね。

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2011年9月 1日 (木)

指しゃぶりにご執心で、視線を合わせてくれません。(4ヶ月)

<ご相談内容>
ウチの赤ちゃんが指しゃぶりをするようになりました。
最初は拳骨を舐めまわし、色々な指をしゃぶる段階を経て、現在は左手の親指くんにご執心です。
現在4ヶ月ですし、発達段階として理解しています。
ウチの赤ちゃんは舌小帯短縮症もあるから、ベロのストレッチをしているのねぇ~とも、受け止めています。

ただ、気になるのは、指をしゃぶっている時って、機嫌は悪くないのですが、誰とも視線を合わせてくれないのです。
お顔を覗きこんでも、抱っこをしても、何処か遠くを見つめて、一心不乱に指をしゃぶります。
最近はささっとおっぱいを飲み終わるやいなや、左手の親指くんを美味しそうに吸いまくっています。
放っておいていいものなのでしょうか?

<SOLANINの回答>
過去記事をしっかり読んでいらしゃるようですね。
発達段階のこと、ベロのストレッチのこと、きちんと受け止めていらっしゃる。
確かに愛情いっぱいに育てられても、お腹いっぱいでも、指しゃぶりをする赤ちゃんは居ます。
指しゃぶりをして大人しくしてくれることで、家事が捗ったり、勝手に眠ってくれたりすることもあるでしょうから、お母さんとしては助かると言えば助かるのでしょう。

でも、お母さんが、赤ちゃんのお顔を覗きこんでも、視線が合わず、抱っこをしてもずっと指をしゃぶっているのは、気になりますね。
何となくですが、本来お母さんが大好きな筈の赤ちゃんが、自分の殻に引きこもっているような、心を閉ざしているような印象があります。
SOLANINは、指しゃぶりはともかく、この時期の赤ちゃんがお母さんと視線が合わないことが、どうにも気になります。
改善策として、赤ちゃんが視線を逸らせたら、その視線を追いかけ続けるのを遊び感覚でやってみませんか?
最初は何回も視線を逸らし続けるでしょうが、お母さんが構ってくれていることを認知出来れば、目が笑う筈ですよ。
そして、意識して見つめて、いっぱい語りかけてくださいね。

指しゃぶりをするのはひとまず置いといて、赤ちゃんが視線を合わせてくれるように、日々努めてみてくださいね。

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