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2011年8月

2011年8月31日 (水)

マタニティーブルーに効く香りとは?

マタニティーブルーの程度には個人差がありますが、多くのお母さんが経験されているのではないかと思います。
それは出産により女性ホルモンのバランスが激変することが、脳に影響を及ぼしているから起こることなのですが、実はマタニティーブルーの改善に有効な香りがあるそうです。

何だと思いますか?
長崎大学の篠原一之ドクターによれば、それは「β-カリオフィレン」という香りの成分だとか。
これはエキゾチックな苦みのある香りです。
アロマセラピーをされている方はご存知かと思いますが、エキゾチックでちょっと官能的で苦みのあるスパイシーな香りです。
精油で言えば、「イランイラン」です。
花で言えば、芳香シクラメンです。
スパイスで言えば、黒胡椒ですね。

該当するかもというお母さん、試してみてくださいね。

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2011年8月30日 (火)

何故駄々っ子になっちゃうのか?

私が子ども達をおんぶに抱っこで育てていた頃、スーパーで時々、駄々を捏ねてお母さんを困らせている幼児に遭遇しました。
最近は、買い物時間が異なるせいか、私自身がそういう光景を見かけることも少なくなりましたが、スーパーに勤務されている方に聞きましたところ、今でも駄々を捏ねる幼児が皆無というわけではなさそうですね。

 

そもそも、駄々を捏ねるという現象は、幼児が自分の要求をお母さんに通したいがために行う儀式のようなものですが、当事者のお母さんにしてみたら、「まともな躾をしていないのでは?」「あんなに暴れて泣かせてみっともないわね。」という声なき声が、幻聴のように聞こえてきて、いたたまれない気持ちになるかとお察しします。

 

その一方で、ほぼ駄々を捏ねることがない幼児もいるわけで、「これって性格なのかなぁ?(涙)」と、思わざるを得ないでしょうし、(もちろん個人差を否定するつもりはありませんが)どうも性格だけが要因であるとは断言できないようですね。
赤ちゃんの頃からの無条件のスキンシップを、毎日存分に満喫した経験のある幼児は、駄々を捏ねることがほぼ無いそうです。
赤ちゃんの時にう~んと甘えさせてもらえた子どもは、自己肯定感が育まれるので、一般的に情緒が安定し易いからです。

 

読者さんの中で、「実は、ウチには駄々っ子が居ます。」と、手を焼く毎日をお過ごし市の方もいらっしゃるかと思います。
この記事を読むことで、「赤ちゃんの頃からあんなに頑張って(スキンシップに努めて)いたのに、あれでは足りなかったのか?」と凹んでしまうかもしれません。
でも、私は決してみなさんを凹ませようと記事を書いているのではありません。

気を取り直し、「あっ、こんなトコロに大きな赤ちゃんが居ましたねぇ~!」と、発見(?)してあげて、兎に角抱っこしまくって、お子さんの心を癒してあげましょう。
赤ちゃん時代に無条件のスキンシップを毎日存分に満喫出来なかったことが駄々っ子になってしまう銃爪なのかもしれないし、受け手となる子どもがどう捉えるかという視点はやはり大事だと思うのです。
もちろん、抱っこと言いましても、重量級の幼児のお母さんは、腰を痛める恐れがありますから、“お座り抱っこ”にしてくださいね。

 

赤ちゃんの子育て奮闘するさなか、祖父母や無責任な外野陣から、「抱き癖を付けては今後の子育てが大変だよ。止めておきなさい。」とか、「ちょっとくらい泣かせておけば、肺の運動になるよ。」等のアドバイスに従って、赤ちゃん時代に無条件のスキンシップを意識的に控えられていたばっかりに、幼児の子育てに苦戦している・・・というパターンが結構あるそうです。
気がつくのが遅いほど、挽回するのが大変です。
取り敢えずでもいいからスキンシップに努めて行きましょう。
(2011年8月30日6時40分一部加筆訂正)

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2011年8月29日 (月)

ちょっと待った!それってホントに治ってる?

乳房が腫れて、しこり(硬結)が出来て、熱が出て、痛くなって・・・というのは、乳腺炎の症状ですね。
みなさんよ~くご存知かと思います。
これらも症状がスッキリとよくなれば、一応治ったのかなぁということになります。
でも、それってお母さんからみた所見に過ぎないのですね。
それだけでホントに治ったと言い切るのは早計ですぞ!

おっぱいの味は食べたものでも変化しますが、乳腺炎になると、乳汁が濃ゆくなるので、ドロドロしてきます。
(ドロドロとはねちょくなったり、マーブル状になったり、脂が浮いている状態です。)
味はテキメンに不味くなります。

ホントに治ったのかをチェックするには、上記の条件に加えて以下の条件が揃っていることが必要です。
まずは、少量でいいからしこり(硬結)に繋がる部位の乳管から、自分で乳汁を搾り出して性状をチェックしてください。
左右差はありませんか?
ドロドロしていませんか?

そして、赤ちゃんの飲みっぷりをチェックしてください。
左右差はありませんか?
唸ったり、小言を言ったり、カラダをくねらせたり、乳首を引っ張ったり、ちょっと咥えてはピッと離したり、溜息を付いたり、ニヤニヤ笑いをしながら飲んでいませんか?

ちなみに、喋るおっぱい星人だったら、お味を尋ねたら「美味しくなったよ!」と言ってくれます。

乳腺炎がホントに治ったのか、治る途中なのかは、乳汁の性状と赤ちゃんの飲みっぷりもチェックしてから判断しましょう。

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2011年8月28日 (日)

知覚過敏の歯磨きって効くの?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「知覚過敏予防・改善の歯磨きって効くの?(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

<ご相談内容>
最近知覚過敏みたいです。
歯が沁みるんです。
知覚過敏の歯磨き粉って市販されていますよね?
アレってホントに効くのでしょうか?
(メーカーさんごめんなさいね。)

<SOLANINの回答>
使った人に聞きましたが、やはり効くそうです。
歯磨きが苦痛にならないし、美味しく食べられるので良いそうです。
しかし、歯科・口腔ケア関係の方に伺いましたが、使っているうちに症状が収まる方も居るけれど、ずっと使い続けないと、症状が収まったから・・・と、途中で他の歯磨き粉に変更すると再び症状が出てきてしまう方も居るそうです。
使い続けて悪いモノではないので、必要な方は使われたら良いと思います。

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2011年8月26日 (金)

赤ちゃんを寝かせる時は3つの「安」を!

赤ちゃんを寝かせる時って、堅綿の敷布団をフラットな角度で、仰向けで寝かせるものだと思い込んでいらっしゃいませんか?
えっとね、それ違うんですよね。
それは大人の思い込み。
思い込みに拘るから、抱っこしてたら眠ってくれるのに、置いたらおめめパッチリでギャ~なのよね。(涙)

赤ちゃんを寝かせるのはタイミングも大事ですが、3つの「安」条件を満たしているかどうかのチェックは欠かせませんよ。

まずは安全。
当り前ですが、転落や窒息等の生命に関わる危険性が無いことです。

次に安楽。
生まれて3ヶ月くらい迄の赤ちゃんの脊椎のカーブがC字であることは、過去記事でも説明しましたから読者のみなさんはよ~くご存知かと思いますが、少し頭を高くしてC字を保つような姿勢を取らせてあげないと、カラダが辛いのです。
まして、寝返りする時期は早くても4ヶ月頃からですよね!
一度、お母さんはフラットなフローリングか畳の上に仰向けで寝てみて、何分間その姿勢で耐えられるか試してみてください。
脊椎のカーブが緩いS字の大人ですら、そうそう何十分もじっと仰向けで寝ていられないと思いますよ。
左右どちらか横向けになりたくなってきます。

最後に安心。
おなかの中に居るような、ちょっと窮屈な状態が、赤ちゃんの好みなのです。
それに近いのがぎゅっと抱き締められた時なのです。
お雛巻きの状態で、抱っこされた感じですね。
赤ちゃんだって不安感が強ければ、オチオチ眠ってなんかいられませんもの。

寝かせる際はオトナから見て良さそう・・・ではなく、赤ちゃんにとって必要な3つの「安」条件を満たしているかどうかチェックしてくださいね。

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2011年8月25日 (木)

食べた脂はおっぱいに出ますよ。

先日、2歳になられるお子さんのお母さんが2日間の暴飲暴食の果てに、酷い乳腺炎になり、SOLANINの勤務先の母乳外来を受診されたそうです。
「~そうです。」…という伝聞的な表現をする理由は、他の助産師が対応したことを後日伝え聞いたからです。

何でも、2日間バーベキューで焼き肉・ホルモン等たらふく食べまくったそうです。
アルコールは控えられたそうですが、ソフトドリンクもたっぷり飲まれたとか。
海水浴をして、浜辺でバーベキュー♪
夏の思い出。
家族そろって楽しかったろうと思います。
楽しむなとは言いません。
でもねぇ。

そのお母さんは乳房が痛くて、発熱して、どうにもならなくて駆け込んで来たそうです。
担当した助産師は私に、
「最初、乳汁が茶色っぽくてで獣臭かったんです。1時間以上頑張ってマッサージして、淡オレンジ色から初乳の色くらいまでになったんですけどそれでよかったんですかね?っていうか、その時はそれ以上(の改善)は無理だったんですけど。しかも、炒め物をした後のフライパンにお湯を入れた時みたいに、乳汁の表面に脂が浮きまくっていたんですよ。凄かったです。あんな酷いのは初めて見ました。」と、報告してくれました。

私もかつて何度も遭遇したことがありますが、動物性脂肪を含むものを過剰摂取したお母さんの乳汁はホントに獣臭がしますし、茶色っぽくて、脂が浮いています。
見た目も臭いも酷い代物ですし、味も最悪です。
お子さんが嫌がって、なかなか飲んでくれなかったとしても、止むを得ない状態のおっぱいです。
なので、お母さんは深く反省し、お子さんに心から謝って、拝み倒して飲んでもらわないと先に進まないわけで・・・
「何をどんだけ食べようとも、おっぱいの味なんて変わりゃあしないわよ!」という説を垂れる方々にホントお見せしたいくらいの酷さでした。
しかし・・・最近ここまで極端な暴飲暴食系のお母さんはトンとお見かけしなかったんだけどなぁ。
恐らくこのお母さんは、「何をどんだけ食べようとも、おっぱいの味なんて変わりゃあしないわよ!」と過信していたのか、油断していたのかでしょうなぁ・・・(滝汗)

バーベキューしたらイケナイとは言いません。
楽しむなとは言いません。
「私のこの飲食のペースって、暴飲暴食と違うか?」と、一旦踏みとどまって考えてほしいだけです。
あなたの可愛いおっぱい星人のために。
お願いします。

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2011年8月24日 (水)

実母さんとの関係に悩む方へ。

一般的には同じことをお願い・協力してもらうにしても、義母さんよりも実母さんの方が頼みやすかったり、協力してもらいやすかったりするものですが、こじれた母子関係が表面化すると、赤ちゃんのお母さんとしては、何かある度にぶつかり合い、悩み、対処を考えるのに必死だったりします。

先日、私は池川明ドクターの『生まれる前からの子育て』という本を購入しました。
その124ページから実に興味深いことが書かれていたので、要約してご紹介しますね。
おばあちゃんの中には偏った子育てが刷り込まれていて、それを修正するのは至難の業です。
生きる力を信じるということの意味が分からず、(妊娠・出産・育児の場面で)次から次へと心配の種を見つけてきて、(自分のやり方を強要するかのように)あれこれ口出しをされたりします。(そういう口出しが)子ども(=娘)の足を引っ張っているのですが、おばあちゃん本人は、娘と孫を愛するからこその助言だと思い込んでいるので厄介です。

私はそういうお母さんから相談を受けた時は、子どもは親を選んで生まれてくるという胎内記憶の話をして、「お母さんも、かつてはおばあちゃんを選んで生まれてきたのです。親の成長を助けるのも子どもの役目なのですよ。お母さんは、孫とのかかわりを通しておばあちゃんが子育ての視野を拡げるお手伝いが出来るといいですね。」と、アドバイスしています。

・・・というくだりでした。
おばあちゃんとお母さんのこじれた母子関係が出産・子育てを通して、表面化することもあるのです。(その前にお母さんの結婚や妊娠におばあちゃんが不満を抱いているパターンが多いらしいです。)
パワーも時間もかかりますが、ここはひとつ腹を括って、出産・子育てが、そのこじれた母子関係を修復する機会だと捉え、頑張るしかないのでしょうね。
大人になって家庭を持ってからも、実母を成長させようとする娘さんって、(ご本人は忘れていらっしゃるのでしょうが)魂を磨くために、物凄く難易度の高いことに果敢にチャレンジする崇高な使命感を持って生まれて来られたのでしょうね。
SOLANINは只々敬服いたします。

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2011年8月23日 (火)

母乳育児をしたいと思うなら、哺乳瓶は安易に使わないで!

乳頭混乱はどんな赤ちゃんにでも、何ヶ月でも起こり得る危険性があります。
或る日突然・・・ということだってあるのです。
もちろん、どこのどんなゴムの乳首を使って何ヶ月もミルクや搾乳を飲ませ続けても、是々非々で直母も両立出来る器用な赤ちゃんもいらっしゃいますよ。

 

でも、正直言って、それはたまたま大変ラッキーだっただけのこと。
普遍的に多くの赤ちゃんに当て嵌まることじゃないのです。
何せ、赤ちゃんのお口の中はとてもデリケートですからね。

 

先日、とても残念なことがありました。
お母さんが超扁平乳頭で、直母困難が予想され、妊娠中からお手入れを必死に取り組んで、どうにか直母のみで退院された母子がいらっしゃいました。
分泌は標準以上にあるお母さんでした。
お父さんが赤ちゃんに搾乳を飲ませたくて堪らなかったらしく、リクエストに応えようということで、何気に「母○実○®」というP社のゴム乳首の付いた哺乳瓶を購入し、で50~80mlを数回飲ませたそうです。

 

そうしたら・・・直母が全く出来なくなってしまったのです。
まだ2週間も経っていない赤ちゃんですよ。
もちろん私の勤務先では、安易なゴムの乳首の使用は止めるように指導しています。
でも、中には私たちの指導を聞いてくれない方もいらっしゃるのですね。

 

少なくとも私が携わった母子で、「母○実○®」のゴムの乳首の付いた哺乳瓶でミルク屋搾乳を飲ませていて、直母が上手になった方は居ません。
乳頭混乱で克服するのに何ヶ月もかかって茨の道を歩むか、諦めて完ミになっちゃった方は何人も居ますけどね。

 

百歩譲って未熟児ちゃんで、口腔機能の発達がこれから(鼻注から瓶哺乳への段階)の赤ちゃんであれば、もしかしたら大丈夫なのか?・・・ということはあるのかもしれませんが、私の知る限り、少なくとも正常新生児の直母が出来る赤ちゃんにアレは使ってはいけないと思います。
他社のゴムの乳首だったらいいのか?とは言いませんけれど。
ホント、院内に写真入りで「使うな!」と張り紙をしたいくらいです。

 

乳頭混乱の赤ちゃんのお母さん、克服するために再診の予約は入れてくれたけれど、ドタキャンされました。
取り敢えず搾乳補足時は同じP社の「母○相談○」に切り替えてもらいましたが・・・
やはり、大変だから挫けちゃったのかな?(涙)

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2011年8月22日 (月)

タンデムの最中、何故か上の子が疎ましくなるのです。

<ご相談内容>
みずから望み、兄弟でタンデム授乳をしています。
(妊娠経過は異常なしでした。)
(上の子2歳1ヶ月、下の子新生児です。)
旦那も理解があり、タンデム授乳に対し、協力的ですらあります。
先日の2週間健診でも、赤ちゃんは順調に育っていました。
上の子のおっぱいの回数も新生児と同じではなく、3~4回/日で収まっています。
きっと、おっぱいの分泌自体には問題は無く、上の子の情緒もそれなりに安定していて、傍から見れば、何の問題も無いように見えるかもしれません。

しかし、私の心の奥底には、どす黒いモノが、時々湧き出します。
毎回ではないですが、タンデム授乳中に上の子が疎ましくなるのです。
おっぱいを咥えて幸せそうな顔をしているのに、イライラしたり、突き飛ばしたくなるような衝動を感じます。
みずから望んでいたことなのに・・・マタニティーブルーではないですよね?

<SOLANINの回答>
そうですね。
マタニティーブルーとはちょっと違うようですね。
タンデム授乳はみずから望んだことなのに、それが問題なく実現し継続しているのに、上の子への嫌悪感が湧き出すことがあるのですね。
あぁ、なるほどね。

それは、相談者さんが、本能的に新生児ちゃんを守りたいと思う母性本能のなせる業ですよ。(ホルモンのせいですよ。)
だって、上の子さんにおっぱいをあげる目的は、お食事が出来る年代ですし、おっぱいからの栄養云々よりも情緒の安定としての意味合いが強い年代ですからね。
量的には何の問題も無いのでしょうが、ひとくちでも多く新生児ちゃんにあげたいという潜在意識があるからですよ。

どうしてもどす黒いモノが湧き出す際は、上の子さんに「ごめんね」と、待ってもらうことも必要かと思います。(旦那さんと共に、待機してもらうとか・・・)
でも、後で、上の子さんには濃厚なスキンシップをしてフォローすることをお忘れなく!
可能であれば、新生児ちゃんとは別口でおっぱいをあげても良いですね。

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2011年8月21日 (日)

上の子に吸われると、おっぱいが痛い。(妊娠中)

<ご相談内容>
近い将来、タンデム授乳になるであろう妊婦です。
タンデムになること自体は、夫も理解があり、私も意欲はあるのですが、妊娠の初期から乳頭が敏感になっているのか、ちょっと荒い吸い方をされると痛く感じます。
また、妊娠のいつからだったか、上の子に長く吸われると、乳房の奥の方から痛く感じます。
最近は分泌低下しているのか、「(おっぱいが出)ない!」と言ったりしています。
確かに以前よりはおっぱいが出ないようです。
ちなみに、妊娠経過に異常はなく、頸管長も短縮していません。
張り止めも飲む必要はないです。
どうしていけばいいでしょうか?

<回答>
妊娠中は程度の差はあれ、おっぱいの分泌自体が低下するようです。
妊娠初期に乳頭が痛くなるのは、ホルモンの影響で敏感になるからで母乳育児を継続していなくても、多くの妊婦さんが感じることです。
それ自体は異常ではありませんのでご安心ください。

吸わせている時の乳頭痛の原因は、恐らくおっぱいの分泌減少に対し、年齢と共に強くなる吸啜力とのギャップによるものです。
やはり、週数によっては頻回直母や1回に長時間ぶら下がられると、おなかの赤ちゃんも辛く感じたりするせいかもしれません。
それでも、相談者さんにおかれましては、現段階では頸管長も短縮化せず、おなかも張らず、切迫流早産の症状もなくてご無事でなによりですが、今後の妊娠経過で余計なリスクを減らすためにも、おっぱいの訪問販売は止めておきましょう。

妊娠中の母乳育児については、医学的な報告がとても少ない分野ですが、乳房の奥から痛く感じるのは、おなかの赤ちゃんからの「お母さん、僕(私)にも意識を向けてね。」のサインだと思い、おっぱい以外の方法で上の子の気が紛れる方法を考えたりしても良いと思います。
乳頭痛を必死に我慢してまで、常に上の子の要求に応えなくてはならないものではありません。
「お母さんは、おっぱいが痛くなっちゃったから、ちょっと今はおっぱいお休みさせてね。ごめんね。」と、ありのままに伝えることがあってもいいのです。

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2011年8月19日 (金)

完母で問題ないのに、ミルクを補足したがる祖母対策。

<ご相談内容>

私の赤ちゃんは生後3ヶ月ですが、生まれてこの方、完母で順調に育っています。
しかしながら、同居している義両親は自分の子どもを完ミで育てたたため、完母で育てられることが信じられないそうです。
呪文のように「意地を張らないでミルク足しなさい。」「ママのおっぱいだけでは足りないから可哀想。」と、言い続けるため、毎日イライラします。
旦那は義両親には頭が上がらないので、私の怒りのボルテージは上がる一方です。
どうしたらいいですか?

<SOLANINの回答>

まずは、赤ちゃんが完母で順調に発育されていることをお慶び申し上げます。
そして・・。義両親と同居なさっているのですね。
実・義を問わず、母乳育児に理解が足りない親世代と毎日顔を突き合わすのは、我慢の日々かとお察しします。
旦那さんが当てにならないなら、尚更です。(涙)

さて、どうしたものか?
この場合、ミルク育児を否定されるのだけは止めておきましょう。
あなたの愛する旦那さんも完ミっ子なわけですから。
焦点になっているのは、母乳が足りていないという「思い込み」をいかに払拭するかですね。
そうなると、それを変えるチャンスは赤ちゃんの健診です。
但し、集団健診の場合、時として
トンでもさんが居たりしますから、注意が必要です。確実なのは、母乳育児を推進・支援している小児科ドクターに、個別で罹っては如何でしょうか?
もちろん、義両親の両方は無理でもどちらかを赤ちゃんの健診に帯同させるのは言うまでもありません。
バトルフィールドは自分に有利なトコロに設定するのは基本的鉄則ですよ。
義両親ならではの母乳だけでは足りていないという「思い込み」を、小児科ドクターの医学的立場から論破してもらいましょう♪

こんなことをSOLANINが言うのもナンですが、母乳育児に限らず、嫁のいうことには聞く耳を持たない義両親は世間にゴマンと存在しますから、多少のことではメゲてはいけないよ!
きっと、義両親もクリニックを後にする頃には、かなり変化するのではないかな?
また、当ブログの書籍を老眼鏡掛けてでも、読んでもらうのも一計ですよ。

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2011年8月18日 (木)

ミレ―ナ52って、知っていますか?

ミレ―ナ52って、知っていますか?
誰かさんのニックネーム?
いいえ、違います。

今更ながらですがミレ―ナ52は、2007年春から認可された黄体ホルモン剤を付加したIUD(子宮内避妊具)のようなものです。
何と5年間(以上?!)ピル並の避妊効果を発揮するそうです。

IUDのようなもの…とは、微妙な言い回しですが、形状的にはIUDに近いので、(医療器具)だと思っていらっしゃる方も少なくないようですが、分類的には(医薬品)になります。
過多月経でお困りの方には、経血量が減少するので、一石二鳥ですね。

しかし、ネックとなるのは価格の高さです。
大体70000円前後が相場らしいです。
それから、黄体ホルモンが添加してあるということは、おっぱいにも影響(分泌低下)があるようです。
おっぱい卒業後に使用するのであれば、問題ないのでしょうが、おっぱいをあげていらっしゃる最中のお母さんには避妊方法として、ちと不向きかな?という気が致します。

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2011年8月17日 (水)

赤ちゃんの歯はまだ1本…ならば!

昨年秋、“2回目のディフェンスライン突破!”という記事を書きましたが、憶えていらっしゃいますか?
あの後、さすがに長男は次男の口に食べ物を入れることはなくなりました。
しかし、“恐怖の2歳児”を超える“無敵の3歳児”(多分こういう言葉は世間一般には無いと思います。記事の原稿を書いていて、何となく思い浮かんだ言葉です。)である長男は、小さい頭で、策を練っていたようです。

来る日も来る日も次男のお口を抉じ開けて、サルのように歯が生えたかどうか確認作業を繰り返していた長男は、私よりも先に次男の初の乳歯の萌出に気が付きました。
そして、初の重湯を作って食べさせる際、「お味見したい!」と言いましたのでさせましたら、案の定、顔を顰めて、「うへぇ~、不味い!」「なんかドロドロやし。」と、思いっきり不満顔。
それどころか、「こんな変な味のモノ、赤ちゃん食べないよ。」「すももの方が美味しいからすももをあげようよ。」と、粘りました。
私は、「歯が生えたけど、まだ1本だからねぇ。」「あまり硬いモノは無理なのよ。赤ちゃんにはすももでも硬く感じるかもしれないよ。」と、宥めました。
「ふ~ん。そっかぁ。」と、長男は一旦は矛先を収めたものの、本音では得心がいかなかったのだと思います。
そして或る日、「無敵の3歳児」は、オトナの想像を絶することを思いつきました。

「お母さん、綿菓子だったら、溶けるから喉につっかえないし、歯が1本でも大丈夫じゃないかなぁ?」と、尋ねてきました。
理論的にはそうでしょうが、私はすかさず、「んなもん甘過ぎるし、虫歯になっちゃうから駄目に決まっているでしょう!」と、返しました。
普通はここで、ショボンとしてしまうトコロ、この日の長男は、2段仕込みで怯まず続けてきました。
「あっ、そう。だったら僕、どうしたら赤ちゃんが美味しいモノを食べられるか分かった!これなら大丈夫や!」と満面の笑みです。
何を言い出すのかと固唾を呑んでいたら、長男は、「これから赤ちゃんを歯医者さんへ連れて行って、入れ歯を作ってもらうの!」と、まるで、“何でこんな簡単なことに今まで気が付かなかったのだろう?”とでも言いたそうな表情で、自信たっぷりに宣言しました。
「えっ?赤ちゃんに入れ歯?」
なんちゅう発想!私には思いも付かないセリフです。
残念ながら、赤ちゃんには入れ歯は作れないことや、仮に入れ歯があったとしても、使いこなせないことを説明しました。
ふぅ~やれやれ・・・
新生児の時からリンゴやポテチを食べさせられた(?)次男。
綿菓子を食べさせられそうになった次男。
もうちょっとで歯医者さんに連れて行かれて、入れ歯を作らされるトコロだった次男。(汗)
生まれて間もなくから、数々の受難続きの次男。
こういうお兄ちゃんが居たからか、ウチの次男はタフガイに育ちました。(爆)

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2011年8月16日 (火)

タンデム授乳の利点と注意点その3

タンデム授乳の利点その3としましては、過去記事にもありますように、免疫の効果です。
上の子さんの年齢や保育園・幼稚園通園の有無にも依るのでしょうが、外部と繋がりがあると、何やかやの病原体を家庭内に仕入れてくるのは避けられませんが、上の子がおっぱいを飲んでいると、貰いにくかったり、重症化・長期化しにくいことは、経験的に知られています。
「子育てのしんどい時はいつ?」というアンケートでは、「病気の看病の時」という答えが、かなりあるそうですからね。
病気に対する不安や、体調不良による機嫌の悪さに辟易することも相まってなのでしょうね。
それ以前にそもそも、旦那さんや周囲の理解が無いと、タンデム授乳以前に母乳育児自体が辛くしんどいばかりになってしまいますからね。

もちろん、SOLANINは、タンデム授乳を推奨しているとか、しなくてはならないと強要したりしているとか・・・ではありませんから、誤解しないでね。
従来は
“もってのほか”のように捉えられてきたけれど、必ずしもそうではないということを知っていただきたいのですね。

『万一、タンデム授乳になっても、悪いことばかりじゃないですよ。良いことだって有りますよ。』
『気をつけることがあるとしたら、こういうことですよ。』

・・・ということを、母乳育児を推進・支援する立場から情報提供しているわけですね。
公平(?)を期して、“その2”の記事にコメントに寄せられた、タンデム授乳で大変だった方の体験談を、コメント欄から拾ってみました。
注意点なのでよ~く読んでくださいね。

▼「要求が通らない時は、赤ちゃんを叩いたり、噛む時がある。」
▼「赤ちゃんを脚で踏もうとしたり、手を強くつねろうとしたりする。」
▼「いったんは自然卒乳していたものの、2ヶ月後に赤ちゃんが生まれたらおっぱい星人が復活し、赤ちゃんにおっぱいをあげていたら、勝手に服をめくって飲もうとした。」
▼「2人で仲良く飲んでいても、上の子のペースで左右交代を要求する。」
▼「2人同時にぐずった時は、お母さんの方が泣きたくなリ、精神的に追い詰められた。」
▼「旦那さんの家族の理解が乏しい。」
▼「実行するには、強い精神力が必要だと思う。」
▼「2人に頻回授乳なので身体的にしんどくて、悲鳴を上げたのか、寝込むことがあった。」

ううむ。
確かにこれは大変でしょうね。
大変さがとてもよく伝わってきました。
記事のコメントをじっくり読ませていただき、SOLANINなりに考えたのですが、タンデム授乳が吉と出るか凶と出るかは、「上の子さんの性格」や「お母さん以外の方(お父さんやおじいちゃん・おばあちゃん等育児をサポートしてくれる方)との人間関係をどの程度築いているか(懐いているか)」や「おっぱいをあげる頻度(保育園・幼稚園通園の有無)」にも依るのでしょうかねぇ・・・

それから、記事のコメントの方に出てくるご意見で気になったことがあります。
上手く表現できませんが、タンデム授乳は自然卒乳と同じく、あくまで結果です。
ですので、「タンデム授乳を目指す!」というのはちょっと違うかな?と思いました。

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2011年8月15日 (月)

妊娠中は出産のことだけで頭がいっぱい?

記事タイトルを見て、「そりゃそうでしょう!」と肯いた妊婦さん、率直に申しますが、それではいけませんぞ!
「産後のことを言われても、今はまだ想像つかないし・・・」という言い訳は、単なる逃げだと
私は思います。
出産するやいなやおっぱいライフは始まるのです。
母子同室でも、母子異室でもです。
赤ちゃんがNICUに搬送されて母子分離になったら尚更ですよ。
どうしてそこに想いを馳せることが出来ないのか?

 

確かに出産は命がけです。
何が起こるか分からない。
どんなに設備か整っていても、優秀なスタッフが揃っていても、出産に於いては100%の安全なんて何処にも存在しませんからね。
「出産のことを考えるだけで精一杯。」という気持ちも分からないではないけれど、それだけじゃ駄目なんですよ。

 

おなかの赤ちゃんに対し、お母さんとしての誠意を持っているのなら、せめて1日に1回は、「出産時に何があっても、お母さんは気をしっかり持つからね。あなたを受け入れるからね。そして、産後に始まるであろう、おっぱいライフに向けて、今からできることは何かを知り、準備しますよ。」・・・という意識を持って、語りかけてほしいのです。
つまり、ココロとカラダの準備をしていただきたいのです。

 

その対極とも言えるのが、デパートや通販の「出産用品・赤ちゃん用品大会」の物品購入と出産時の呼吸法の練習をチョイチョイとやっただけで、「妊娠中にすべきことは、何もかもやり切った!」と勘違い&自己満足する花畑妊婦です。(泣)
ちなみに花畑度が高ければ高いほど、産後ちょっとしたことが上手くいかないと、マタニティーブルーに陥り易いようです。

 

この記事を読まれた妊婦さん!
是非とも、「私は、花畑妊婦にだけはなるまい!」と、決意してくださいね。

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2011年8月14日 (日)

母乳育児を推進・支援している病産院の検索の仕方。

<ご相談内容>

里帰りでも自宅でも、お近くに母乳育児を推進・支援してくれる病産院・助産院は何処にあるのかという情報は、どうやって仕入れればいいでしょうか?

<SOLANINの回答>

「トンでも病産院の見分け方」という項目が、書籍の方にありますので、ご参考になさっていただけるといいかなと思います。
あとは、日本母乳の会の書籍で「母乳育児何でもQ&A」か「母乳育児心配ごと解決集」の巻末に、母乳育児推進・支援病産院の一覧表があります。
もちろん、ウ●メ○ズ●ー○等で、捜してみても良いです。
でも、地元のことは地元の保健センターの母子保健担当者に電話で聞いてみるといいと思います。
里帰りでも、自宅の戻れば、何処をかかりつけにしたらいいのか?
元気なうちに情報収集に努めておきましょう!

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2011年8月12日 (金)

どうしても強烈に乳房を冷罨法する必要があるならば。

ジャンル分けで乳房トラブルにしましたが、これはハッキリ言って断乳時の対処方法です。
基本的に乳房は強烈に冷やすものではありませんが、「車は急に止まれない!」状態の断乳時は、氷浸けにするくらいの勢いで冷罨法をするしかない場合もあるかと思います。

その際は、お刺身やケーキ等の運搬時に使用する保冷剤の登場です。
乳房内に熱いおっぱいが沢山溜まってジンジンして痛くてどうにもならないでしょうからねぇ。
また、分泌のセーブには冷罨法は効果的ですからねぇ。

その際の注意点ですが、必ずガ―セハンカチで包んでから使用してください。
包むとジンワリと冷えてくれますが、イラチの方は、きっとかったるくて、直に乳房に保冷剤を当てたくなるかと思います。
でも、それはやっちゃ駄目ですよ。
それはですね~下手をすると、凍傷になりかねませんからね。
冷やし過ぎて気持ち良いを通り越すと、ビリビリと皮膚が痛くなります。
しかも、乳房の皮膚の色がサツマイモの皮のような色に変色して元に戻らなくなったら大変ですからね。
大昔、一人だけですが、やった人を見たことがあります。
それから、保冷剤の溶けたものは凍らせて再使用できますが、その間は別の保冷剤を持ってきて、お休み無しに乳房を強烈に冷やすのも駄目ですよ。
アイスノンで冷やす?
15分間くらい両脇に抱えてみれば分かりますが、炎天下でも南極にいるような体感温度になってしまいます。

皮膚表面だけではなく、深部までダメージを与える恐れがありますからね。
過ぎたるは及ばざるが如しですぞ!
そういう荒くたい冷罨法だけは、決してしないでくださいよ。 

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2011年8月11日 (木)

ロタウイルスのワクチンについて。

冬場を中心に毎年のようにかなり流行する、乳幼児の嘔吐下痢症として、ポピュラーな病気で「ロタウイルスによる感染性胃腸炎」ってありますよね?
その「ロタウイルス」のワクチンが、2種類あり、そのいずれか若しくは両方が認可されている国は世界中で100を超えるらしいのですが、我が国では例によって、その存在すら知らない方も多いのが現状でした。

今年の7月2日に厚労省は、イギリスの大手製薬会社のひとつ、グラクソ・スミスクラインが開発した「ロタリックス®」というワクチンを承認しましたね。
「ロタリックス®」は、「ロタウイルスによる感染性胃腸炎」の65%を占めるウイルスの型から造られているとのことです。
もちろん、任意接種です。
年内には発売されるとのことです。
「ロタリックス」自体は、経口ワクチンで生後6週間から接種可能で、接種間隔は4〜8週間で、2回目の接種を6ヶ月迄に完了するものだそうです。
(別会社の別種のロタウイルスのワクチンでは3回目の接種が8ヶ月までに完了する必要があることという但し書きがあるそうです。)
ロタウイルスワクチン接種前後の接種制限は無いそうです。
ロタウイルス感染乳幼児の10%は入院加療が必要なので、それはそれで意味があるのでしょうが、なにぶん、発売前であり、夏場であることも関連してか、問い合わせは無いですね。

まぁ、個人的には、完母の赤ちゃんの場合、そもそも、「ロタウイルスによる感染性胃腸炎」になるリスクが少ないことや万一感染しても重症化しにくいことを経験的に知っているので(←勤務先で「ロタウイルスによる感染性胃腸炎」の入院加療が必要な患児がゼロとは申しませんが、この10年はホントに少ないので・・・)どうしても必要なのか?と言われたら、即答は出来ないです。
発売前のワクチンなので、何か情報が入り増したら、また、記事を書きますね。

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2011年8月10日 (水)

母乳育児は医療の一環でしょう?違うのですか?

<ご質問内容>
医療技術が日進月歩で進歩しているこの世の中で、なぜ「母乳」についてこんなに「昔からの言い伝え」的なものが「常識」として未だにまかり通ってしまっているのでしょうか…
母乳は、赤ちゃんを一人前の大人に成長させるための根本にあるもので、医療の根底にあるべきものだと思うのですが…
母乳育児については医療の世界ではあまりメジャーではないのでしょうか…
全く知識のない人間の生意気な発見をお許しください。

<SOLANINの回答>
仰る通りだと思います・・・と、言いたいところですが、これがどうもそうとは言い切れないのですね。

と申しますのも、「母乳育児」というモノは、厳密に言えば、医療の範疇に入らないという考え方が、医療者の多くの考え方でもあるからです。
医師や看護師の養成コースでは、「母乳栄養」についての講義は、ちょこっとだけあります。
栄養素や免疫の話ですね。
でもね、「母乳育児」については、ほぼ皆無といってよいくらい不毛なのですよ。
そもそも、教育のカリキュラムに入ってないのです。
助産師の養成コースで、かろうじて若干有るかどうかのレベルです。
助産師教育の中心は助産診断と分娩介助が中心ですからね。
「母乳育児」は習俗的なモノとか生活の一部というか、医療とは別のモノという考え方をされるエライさんはまだまだ多いのです。

確かに大昔はそれで良かったのかもしれません。
しかし、習俗的なモノとか生活の一部と見做したら、当然母から娘(や嫁)に伝えていけるはずのモノですが、今のおばあちゃん世代は、ミルク育児全盛時代に子育てをしていらっしゃったので、ミルクの調乳指導は出来ても、「母乳育児」のなんたるかを教えてあげられなくなっているのが現実なのですね。

ですので、「ミルクでも充分に赤ちゃんは育つのに、なんでウチの娘(や嫁)は母乳に拘るのかしら?」という疑問でモヤモヤしているおばあちゃんは実に多いです。
医療者の中にも教育に組み込まれていないが故に、また、勤務先がミルク屋さんと仲良しであればある程、授乳介助にかかわる業務がラクですし、給与にも反映されませんから、「母乳育児は総論賛成・各論反対」「母乳かミルクかはお母さんが選択されるものであり、医療者が母乳育児を推進するのは医療者のエゴではないか?」的な発言をされる方もいらっしゃるのですね。(泣)

もっと酷い方になると、産婦人科・小児科領域でお仕事していらっしゃっても、「母乳育児」には全く無関心・・・な方さえいらっしゃいます。(涙)
ということは、裏を返せば、産婦人科・小児科領域以外のの医療者のみなさんで本気で「母乳育児」の推進・支援を考えてくださる方は、BFH勤務者か恐らく当ブログの読者さんで、「母乳育児」を実践していらっしゃる方くらいではないかと推定されます。

現在の我が国で、いやしくも「母乳育児」の推進・支援している医療者と公言している方で、「あなたは何処で母乳育児の知識や技術を身につけましたか?」と聞かれて、「ほぼ全て学生時代です。」と、答えたら、その方は正直言って余り期待できないと考えてください・・・という過去記事、お読みになりましたか?
(唯一例外があるとしたら、BFHで臨床実習された方くらいですかね?)

以前震災関連の記事を書いた時に、「そもそ被災地で母乳育児を推進・支援する医療者の活動やPRが不足している。」と批判的なコメントが寄せられましたが、我が国のBFHで生まれる赤ちゃんの人数がようやく全出生数の3%にまで来た段階だということは読者のみなさんもあまりご存じではないかと思われます。
「今からBFHを目指そう!」という病産院や「BFH認定されていないけれどほぼ同等に近い?」という病産院、それと助産院で生まれる赤ちゃんの人数を入れても恐らく10%程度ではないかと思われます。

・・・ということは、母乳育児を推進・支援する、産婦人科・小児科領域の医療者の割合もそれとおっつかっつなのですよ。
3(~10)%VS97(~90)%。
正直言って、気の遠くなるような差ですわ。
でも、そこで諦めたら、救われない母子が如何に多いかということが、分かっているから、「母乳育児」の推進・支援をする医療者は頑張っているのですね。
SOLANINも毎日必死にボランティアで(←これも変な表現ですが)記事を書いているわけです。
長文になりましたが、SOLANINの言わんとすること、分かっていただけましたか?

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2011年8月 9日 (火)

タンデム授乳の利点と注意点その2

先月末にタンデム授乳の利点と注意点その1という記事を書きましたが、憶えていらっしゃいますかな?
早速ですが、その続きの記事を書きますね。

タンデム授乳の利点その2は、上の子さんの強い吸啜力が、妊娠中の乳頭・乳輪のお手入れを軽減させます。
授乳の回数やどのくらい真剣に飲んでいるかにもよりますが、真面目タイプのお子さんであれば、殆ど不要かもしれません。
遊び人タイプで、いささかチャラい飲み方をしているようであれば、お手入れは必要ですが、それでも、何もしていない方とは訳が違いますからね。
有り難いことです。
産後は、うっ積とうっ滞が混在しているような産褥早期(つまり入院中)であっても、解消するのが早まることが期待出来ます。

注意点その2は、オキシトシンレセプターの反応が出てくる週数(過去記事参照くださいね♪)に差し掛かると、それまでよりも腹緊が出易いということが想定されます。
お母さん本人の自覚が無くても、腹緊が見られるならば、お仕事を休まなくてはならなくなったり、進行すれば入院しなくてはならないことも有ります。
そうなると、母子分離状態ですから、上の子さんが可哀想ですよね。

産婦人科のドクターから、頸管長が短めだよと指摘されたり、腹緊を和らげるために内服が必要なのに、自己判断で休薬される方もいらっしゃいますが、それだけは無謀です。
絶対にしないでね。

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2011年8月 8日 (月)

磨き残しを撲滅するためのデンタルフロスの選び方。

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「磨き残しを撲滅するためのデンタルフロスの選び方。(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

オトナの歯から、磨き残しを撲滅していくことは、虫歯予防の観点からも、8020を目指すにしても、とても重要です。
お母さんの口腔内の環境(細菌叢)は、赤ちゃんにリンクすることが判明していますからね。
可愛い赤ちゃんを虫歯から守ってあげるには、まずお母さんが歯科クリニックを受診され、未治療の歯があればそれを治しましょう。
また、定期的にクリーニングに通うことが口腔内の環境を改善するのに効果的であることは、読者のみなさんはご存知ですよね?

そして、家庭内で毎日行える、磨き残しを撲滅するために効果的なケアのためのツールが、度々ご紹介している一歯(いっし)ブラシ・・・つまり「ワンタフト」ですが、もうひとつ、欠かせないのは、「デンタルフロス」なのです。
歯ブラシの毛先が届きにくい歯と歯の間を綺麗にするには「デンタルフロス」はうってつけなのですね。

但し、「デンタルフロス」は種類があるから、どれを選んだらいいのか分からない方が意外と多いようなので、自称“日本一歯科・口腔ケア領域に詳しい助産師”のSOLANINが、僭越ながらご説明させていただきたいと思います。

まず、大まかに分けて、ワックス有りとワックス無しの2種類に分けられますが、初心者の方であれば、ワックス有りの方が断然使い易いです。
スッと入るというか、引っかかりにくいので、歯と歯の間が狭い方にもお勧めですよ。
慣れてきたらワックス無しに切り替えても良いと思います。
但し、いわゆる被せモノの多い方がワックス無しを使われると、滑りが悪いので、取れるんじゃないか?ということがあるので、引き続きワックス有りを使われた方が無難かと思います。

実際に使用する際は、「デンタルフロス」を40cmくらいに切って、両端を指に巻き付けてくださいね。
当り前ですが1回使った部位は、ずらして使います。
歯ブラシの後に使うか前に使うかについては、これまでは後に使う的な見解が多かったようですが、最近は前に使う的な見解も聞かれるようですね。

そうそう、スーパー等でも販売されているホルダー付き(=糸楊枝タイプ)は、お子さんでも使える便利なモノですが、割高でもあります。

尚、「歯間ブラシ」という商品がありますが、あれは、歯肉が痩せたりして、歯と歯の間に食べ物がしょっちゅう詰まったりして、爪楊枝でほじくりたくなるくらい空いている状態の際に使うモノです。
赤ちゃんのお母さんで使われる方は・・・割合として少ないと思われます。
使うとしたらSSSという一番小さいサイズでしょう。(逆に「歯間ブラシ」のSSSをもってしてもお目当ての歯と歯の間に入らないとすれば、「歯間ブラシ」は使えない状態なので、やはり、「デンタルフロス」を使うことが適していると言えます。
素材としては、初心者の場合、出来ればブラシの軸が金属ではないものが良いかと思います。
ブラシも軸もゴム製の軸のモノの方が、歯肉に優しいようです。

理想を言わせてもらえば、ホントに生まれて初めて「デンタルフロス」を使用されるのであれば、歯科衛生士さんに正しい使いかたの指導を受けられることをお勧めします。

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2011年8月 7日 (日)

2週間健診のもう一つの意味とは?

母乳育児支援にあまり熱心ではない病産院では、2週間健診の機会そのものを設けていらっしゃらないかもしれません。
通常、2週間健診では、お母さんの乳房コンディションをチェックしたり、必要であれば乳房マッサージをしたり、身体面での不調(例:悪露の色や量の増加、発熱の有無等)をきたしていないかというようなことを確認したり、赤ちゃんは母乳が足りているか、赤ちゃんの身体面で気になる兆候は無いか、というような不安や疑問に答えています。

出来る限り、おっぱいをあげること自体がプレッシャーにならないようにするためには、助産師としてどのようにかかわればいいのかということは、SOLANINに限らず、日本全国津々浦々、どの母乳外来担当助産師もいつも念頭に置いている筈です。
大変なことがあっても、分かり易くきちんと説明し、対処法を提示していくことで、不安や疑問が少しずつ解消されれば、マタニティーブルーの迷路からも脱出できるし、育児に前向きに取り組めるのではないかと思います。
山あり谷ありのおっぱいライフであっても、助産師とコンタクトを取ることで、お母さん自身が「根拠のある自信」を持つことが出来たら、一見困難に思えることであっても、きっと乗り越えられると思います。

つまり、2週間健診のもう一つの意味は、母乳育児継続のモチベーションを維持出来る機会なので、誰が何と言おうとも、欠かせないものだということです。

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2011年8月 5日 (金)

おっぱいの後にミルクを飲んだら母乳不足?(3ヶ月迄)

おっぱいをあげた後でも、何となく赤ちゃんがソワソワしていたり、パクパクと金魚のようにお口を動かしたり、舌をペロペロしていると、「おっぱいが足りないのよ。」と決めつけるおばあちゃんは実に多いです。

けれども、何度も記事に書いていますが、およそ3ヶ月頃迄の赤ちゃんはスタミナが切れたら飲むのを止める状態ですから、ソワソワは、「スタミナが切れていないよ」の意思表示ですし、パクパクは、鼻先におっぱいの良い匂いがするから、「興奮しています」の意味ですし、ペロペロは、「おっぱいに吸い付かせてよ」と焦れったい気持ちを表しているのですね。

そりゃあ、試しにミルクの入った哺乳瓶を当てがったら、咥えて吸啜し始めることもあるでしょう。
でも、それって、ホントにおなかが空いていなくても、してしまうことなのです。
赤ちゃんが生きて行くためにカラダにプログラムされた原始反射の一種なのよね。
決して凹むことじゃないですからね。

おっぱいが足りているかどうかは、おしっこの出方や赤ちゃんの機嫌等で大抵分かるけれど、数字にならないと納得しないおばあちゃんであれば、体重増加をチェックしてもらえればいいのですよ。
おっぱいが足りてなくて、グングンと体重が増える赤ちゃんはいらっしゃいませんからね。
少なくとも、退院時に助産師から、「おっぱいだけで大丈夫よ!」と言われた方は、安直にミルクを足す前に、母乳外来か助産院で体重だけでも測ってもらいましょう♪

保健センターの家庭訪問も無料でしてくださるので、そちらに頼まれるのもいいとは思いますが、必ずしもおっぱいに明るい保健師さんが来てくれるとは限らないので、その点だけ注意が必要かな?とも思います。
(市区町村によっては助産師が訪問をしてくれるトコロもあるようですから、申し込みの葉書かお電話の際に、希望を伝えられるのをお勧めします。但し、その保健センターのマンパワーにもよりますから、必ず希望が通るとは限りませんが・・・)

ミルクは、あくまで赤ちゃんの発育がおっぱいだけで難しい場合に限り、必要最小限の量を補給するためにあるものです。
おっぱいだけでしっかり体重増加が見られるのに、不安に駆られて飲ませるものではありませんよ。
おっぱいの後に、ミルクを飲んでも母乳不足とは限りませんよ。

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2011年8月 4日 (木)

カルシウムの摂取・吸収率について。

カルシウムの補給と言えば、まず牛乳・乳製品が思い浮かびます。
従来より、牛乳・乳製品と比較すると、小魚や野菜のカルシウムは含有量や吸収率が悪いと言われてきました。

けれども、特に腸管からの吸収率は、野菜(例:小松菜・、チンゲン菜、キャベツ、レタスなど)でも、牛乳・乳製品と大差無いものもあるようですね。(グラム当たりの含有量は牛乳・乳製品よりは少なめですが・・・)
そもそもカルシウムの吸収率は、一定の数値ではなく、同じ個体であっても、人種・体調・ホルモンバランス・食べ合わせ・年齢・服薬の内容・日光浴の有無・運動の有無・ストレス等々の諸々の要素で変化するそうです。
現時点で判明しているカルシウムの吸収を高める物質は、乳糖・ビタミンD・マグネシウム・クエン酸・CPPです。
逆にカルシウムの吸収を低くする物質はシュウ酸・フィチン酸・“過剰な”リン・ナトリウム・たんぱく質・食物繊維(そして、妊産褥婦さんとはあまり縁がないでしょうが)アルコールです。
“過剰な”リン・ナトリウム・たんぱく質そしてアルコールの摂取は、カルシウムをおしっこに出してしまうのですね。

食物アレルギー等の事情があり、牛乳・乳製品の摂取が困難な方は、リン・ナトリウムの多い加工食品やスナック菓子を控え、主菜となるたんぱく質の量を適量にしつつ、豆発酵食品(例:味噌・納豆・ギンネム茶など)・海藻・小魚・シュウ酸の少ない野菜を組み合わせて摂取することで、カバーしていくのも一手ですね。

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2011年8月 3日 (水)

口蓋センサー(?)が敏感過ぎる?(新生児期)

理論的には少々お母さんの乳頭が短くても、乳輪の大きさが中程度以上で、且つ柔らかく、正期産で2500g以上の正常新生児で、舌の長さや舌小帯等にも問題が無ければ、赤ちゃんはおっぱいを飲める筈なのです。

しかし、私が暫く前に出会った赤ちゃんは、そうではありませんでした。
とても不思議な赤ちゃんでした。
おっぱいの分泌は何に問題もなく、ジャカジャカ出ているのですが、兎に角、口蓋に乳頭が当らないと、吸啜動作(=顎の動き)が起きないのです。
どんなに刺激を与えても1gも飲めないのです。

そのため止むを得ず搾乳を与えていましたが、シリンジでもダラダラと零しまくり、胸に当てたガーゼが搾乳を飲んでいる有様でした。(涙)
であれば、乳頭の長さがもう少し長ければ吸啜動作が起こるのではないかと考え、思い切ってチュ○○ベビー®というゴムの乳首をあてがい、促したトコロ、吸啜動作が見られました。
けれども、喜んだのも束の間、上手く表現が出来ませんんが、口蓋が吸啜動作のセンサー(?)になっているようで、乳頭・乳輪を含ませる角度がちょっとズレてしまうと、吸啜動作がピタリと停止するのです。
当ると復旧します。
出生時の条件は整った赤ちゃんではありましたが、もしかしたら口腔機能が若干未熟な赤ちゃんのようです。
そこで、お口の中を覗いて見ると、高口蓋ではないかという風な印象のある口蓋でした。
はは~ん、なるほどねぇ・・・私はどうすれば、吸啜動作が連続的に行えるのか?を考えました。

ちょっとイレギュラーなポジショニングですが、フットボール抱きで、U字クッションを使わないやり方(つまり、肩枕を入れると新生児は顎が挙上して、気道の確保みたいな姿勢になりますね。アレです。)にして、チュ○○ベビー®というゴムの乳首を装着してみると、持続的に吸啜行動が出来ました。
注意点としては、お母さんの手首に負担が掛かるので、手首だけを支えるクッションが必要です。
なお、過去記事にあるような下手っぴちゃんとは違い、今回の赤ちゃんの場合、下口唇はパカパカしませんでした。
いわゆる高口蓋の赤ちゃんに、乳頭保護器的にゴムの乳首をチョイスするならば、ビー○ス○ーク®のゴムの乳首は平べった過ぎて口蓋に当りませんから不適です。
丸みのあるチュ○○ベビー®が合う理由はそこだと思います。

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2011年8月 2日 (火)

露天プールに行ってもいいですか?(7ヶ月)

<ご相談内容>
7ヶ月の赤ちゃんの母親です。
完母です。
現在ベビースイミングに通っていますが、いわゆる露天プールに連れ出して、母子で楽しんでも大丈夫でしょうか?
つまらない事を聞いて済みません。
あまりにも暑い日々なので。
私は元々、泳ぐのが好きなので・・・どうなのかと思って。

<SOLANINの回答>
ううむ・・・7ヶ月ですか。
実は私もその頃から、長男をベビースイミングに連れて行ってました。
しかし、さすがにその頃はまだ露天のプールには行っていませんでしたね。(汗)
場所にもよるのでしょうが、お客さんが多過ぎて、芋の子を洗うようなプールだって有りますからね。
露天ということは、陽射しだって相当強いですよ。
プール熱に感染するリスクだって高まりますよ。
それに、日によっては水温が温水プールより低い可能性だってありますからね。
水に浸かる時間にもよるのでしょうが、お母さんのカラダが、冷えちゃいますよ。

ずっと前ですが、当ブログでも、「海水浴も乳児期は避けた方が良いですよ~」という記事を書いたような気がします。
プールによっては、おむつが外れていないお子さんはご遠慮くださいというトコロもあると聞きますし。
残念ですが、今年の夏は露天プールは、見送った方が無難だと思いますよ。

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2011年8月 1日 (月)

母子分離であれば、なおのこと頻回の刺激が必要です。

おっぱいの生産スイッチを起動させるためには、産後出来るだけ早い時期から、こまめに乳頭刺激をすることは欠かせません。
一番良いのは、産後すぐから母子同室で頻回直母をすることです。
このことは、読者のみなさんは既によ〜くご存知ですよね?

では、赤ちゃんがNICUに搬送されてしまったら、どうすればいいのでしょうか?
頻回直母をしたくても、環境的にどうにもならない状態だったら、母乳育児は諦めなくてはならないのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありませんよ。
そりゃあ、産後すぐから母子同室で頻回直母をしているお母さんと比較したら、明らかにハンディはあります。
でもね、たとえ母子分離状態になっても、産後間もなくから“頻回搾乳”をすれば、最初は人一倍の努力や苦労もあるでしょうけれど、大抵は何とかなりますよ。

但し、自己流はよくありません。
やるからにはどのようにすれば効果的な乳頭刺激が得られるのか、また、乳管が開通するかという視点が必要です。
ですので、詳細についてはあなたの傍に居る助産師にお尋ねくださいね。
最初のうち1回の搾乳量は、左右合わせて10〜15分間くらいを要しても、せいぜい1〜2mlくらいかもしれません。
よゐこの濱●さん流に表現すれば、「ちねった」ほどの少量ですが、それでもいいのです。
その代り、搾乳回数は最低7〜8回/日は行うこと。
夜中だって起きてくださいよ。
眠りこけている場合じゃありませんぞ!
(もちろん、夜通し起きる必要は無いですが、搾乳のためには、目覚ましを掛けてでも起きてください。)
夜中はおっぱいを作るホルモンが昼間の2倍も出るのですからね。
おっぱいの生産量を増やす絶好のチャンスなのですよ。
そこをみすみす逃しては、あまりにも勿体ない!

どんなことをするにも、タイミングがあります。
碌におっぱいを触ることなく何週間も経ってから、「じゃあ、頑張ってみようかな?」では、正直言って、期待したほどの効果は無いかもしれません。
やはり、こういうことは、「鉄は熱いうちに打て。」が、王道です。

「どうせ私は、母子同室や頻回直母が出来ないから、ハンディがあるから、母乳育児は無理なんだ・・・」と何もしないうちから早々と嘆いて諦めるのではなく、自分の置かれた状況の中で、「どうすればひとくちでも沢山のおっぱいを赤ちゃんにあげられるか?」と考え、行動してみましょうね。

先輩お母さんのお話しを伺うと、出産した病産院に助産師が居なかったり、居てもミルク推進病産院だったりすると、アドバイスを受けるのも期待できない場合もあるようです。
そういう時はどうされたのか?
地域で活躍している助産師と連絡を取り、お見舞客として、紛れ込んでもらうという高等テクニックを駆使された方もいらっしゃるようですよ。

※この記事のコメントは見つかっておりません。ご了承ください。

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