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2011年7月

2011年7月31日 (日)

タンデム授乳の利点と注意点その1

当ブログの読者歴の浅い方もいらっしゃるかと思いますので、まずはタンデム授乳とは何か?について簡単に説明します。

一般的には母乳育児中であっても次のお子さんを妊娠したら断乳という通説がまだまだ罷り通っていることはみなさんよ~くご存知かと思います。
しかし、必ずしもそうではないということや、その根拠については過去記事にも書いておりますので、それを書きだすと長くなるので、恐れ入りますが各自で検索してくださいね。

タンデム授乳とはですね~、兄弟姉妹でお母さんのおっぱいを分け合って飲むことです。
自然卒乳派のお母さん&お子さんのカップルの場合、妊娠経過に問題が無ければ、妊娠中も授乳することは一向に差支え無く、次のお子さん(=つまり赤ちゃんですな)が生まれられたら兄姉と並行して母乳育児を続けるということです。

「そんなことが出来るのか?」ですって?
出来ますとも!
「おなかの赤ちゃんが健康に育たないのではないか?」ですって?
問題なく発育していらっしゃいますよ。

タンデム授乳の利点その1は、上の子さんの赤ちゃん返りが軽いってことです。
お母さんを赤ちゃんに奪われた感があまりしないからです。
産褥期のお母さんの精神状態は繊細ですし、久々の新生児のお世話は楽しいものの、気が張るし、授乳のリズムがつかめるまでは大変な時も有ります。
そんな時に上の子さんが酷い赤ちゃん返りになり、しょうもないことでグダグダが続くと精神的にしんどくなります。
まぁ、そういう心配が少ないってことですね。

注意点その1としては、おっぱいを飲む優先順位は赤ちゃんが先ということです。
頻回直母をしている(通常10回以上/日)としても、毎回のように上の子さんがゴイゴイ飲んだ直後では、吸啜力がまだまだ弱い新生児が発育に必要なだけのおっぱいを飲むことが出来るか?という懸念があるからです。
赤ちゃんがおっぱいを飲んだ後であれば、兄姉が頂いてもよろしいのですね。
歯が生えているお子さんは、おっぱい以外にモノを食べることが出来ますから、基本おっぱいの優先度の高い赤ちゃんが先に飲むのがスジってものです。
家庭内のことであっても、相手が赤ちゃんであっても、順番抜かしはしてはいけないというルールを、出来る限り上の子さんに守っていただきたいと思います。

もちろん、兄姉とて、眠たくなったり、体調がすぐれず、機嫌が最悪で「分からんちん」になっている状態では、赤ちゃんのおっぱいを飲む姿を見つつ、号泣しながら待たせるのは忍びないこともあるかと思います。
「分からんちん」状態の上の子さんには2~3回/日程度であれば、おっぱいをあげる順番を優先してあげて、赤ちゃんが後というのはギリギリ有りだと思います。
そして、その際は必ず、「赤ちゃんお先に有り難うね!」と上の子さんから赤ちゃんに声掛けをしてもらってください。

余談ですが、上の子さんのメンタル面のフォローのため、タンデム授乳で上の子さんを優先(場合によっては赤ちゃんに粉ミルクを飲ませてでも・・・)ということをされるお母さんがいらっしゃいますが、それは間違っています。
基本おっぱいの優先度が高いのは赤ちゃんですから、上の子さんは赤ちゃんの上前を跳ねないでくださいね♪

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2011年7月28日 (木)

何となく覇気が無かったのです。

<ご相談内容>
仕事復帰を前にして、どうしても母乳育児を続ける自信が無くて、言い聞かせをして卒乳しました。
間違いなくおっぱい星人だったのに、我が子は泣き叫ぶこともありませんでした。
おっぱいを飲まなくなって早1ヶ月が経ちますが、夜中に1~2回目が覚めて泣くことがありますが、以前よりは夜も眠ってくれるようになり助かっています。
食事量も減ってはいません。
ちなみに、発疹・嘔吐・下痢・発熱等の症状は全くありません。
短時間ですが、一人遊びもできます。
卒乳以来、おっぱいを欲しがることはありません。

客観的に見て、言い聞かせ卒乳は上手く行ったと思います。
でも、おっぱいを飲まなくなってから、何となくですが覇気が無かったのです。
笑顔もあるにはあるのですが、ぎこちない感じがしました。
動き回ってはいるのですが、お父さんやおばあちゃんに抱かれると、以前よりもペタっとくっついているような感じでした。
どうにも気になって罹りつけのドクターに受診するも、「何処も悪くないよ。でも、何かストレスがあったのかな?」と言われました。
やはりストレスを感じていたからなのでしょうか?
幸い今ではおっぱい星人だった頃のように笑顔も弾けているし、活発に動き回っています。

<SOLANINの回答>
直接診させてもらっているわけではないので、何とも言い難いのですが、言い聞かせ卒乳の際、やはり何らかのストレスを感じていらっしゃったのだと思われます。
言い聞かせ卒乳を否定する気は無いですが、率直に言ってこの相談者さんの場合、可能であれば、時期的にもう少し待った方が良かったのかなという気がしました。
恐らく、お母さんが思う以上に、お子さんにはおっぱいに対して深い思い入れがあったのでしょう。
そして、お母さんの仰ることに対して、とても理解力のあるお子さんでもあるようです。
おっぱいとさよならする日が来ることを分かっていて、一旦は自分なりにそれを受け入れてはいたのです。
でも、名残惜しかったのでしょう。
上手く表現できませんが、相談者さんのお子さんは、何というか・・・おっぱいに失恋したのかなぁ?
失恋して、メンタル面で元気な人ってあまり居ませんよね?
病気じゃないけれど、何となく覇気が無かったというのはそういうことだったのではありませんか?
お父さんやおばあちゃんに抱かれた時に、いつもよりもペタっとくっついているように感じられたのも、おっぱいが無くなったことをスキンシップで埋め合わせしたかったのでしょう。
1ヶ月かかったものの、笑顔や動きがおっぱい星人だった頃の状態に復旧したのは幸いでしたね。
幼くても、お母さんを思いやるお子さんのようです。
今度はお母さんがお子さんの気持ちを支え、受け入れる番ですよ。

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2011年7月27日 (水)

ドロドロのおっぱいは飲み辛いです。

乳腺炎になって、助産師のマッサージを受けている最中、「おっぱいがドロドロですよ。」と叱られた方、いらっしゃると思います。
それに至る理由は各自異なるのでしょうが、ひとつ言えることは、ドロドロのおっぱいが不味いだけではなく、吸啜するのに、物凄く難儀な代物だということです。

どれくらい大変か?
みなさんは、黒酢ドリンクって飲まれたことありますか?
あれに添付されているストロー、メッチャ細いですよね?
未熟児さんのケアをされている看護師さんであれば、4Frくらいの栄養チューブってご存知ですよね?
・・・まぁ、どっちにせよ、やたらと細い管です。

あれで、マ●ク●ェ●クを吸い上げられますか?
無理ですよね?
お茶であってもスイスイとは吸い上げられませんよね?
搾乳器を使っても、ドロドロのおっぱいはそう簡単には出てきやしませんよね?
まさに、ドロドロのおっぱいを赤ちゃんに吸啜してもらうのは、図らずもそういうことをさせているということです。

お母さんが乳腺炎になると、痛くて大変ですが、赤ちゃんだって大変なのですよ。
美味しいおっぱいがもらえると思っていたら、必死に吸啜してもなかなか出て来ないし、やっと出てきたと思いきや超不味いし・・・
でも、いつも以上に吸啜してもらわないと、治るものも治りませんし。
SOLANINは、母乳育児中だから24時間365日ストイックなお食事をしてくださいとは申しませんが、暴食気味のお母さん、ちょっと踏みとどまってやってくださいな。
お願いします。

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2011年7月26日 (火)

野生の勘を鈍らせ慢心すると、赤ちゃんが怪我をしますよ。

この記事はおっぱいのケアに関することではないです。
赤ちゃんを転落事故から守るために、気が付いたことを幾つか述べさせていただきます。

1つ目。
母子同室の病産院であれば、赤ちゃんと同床することもあるかと思います。
病産院のベッドですから、当然柵があるのですが、ベッドのサイズがセミダブルであっても、赤ちゃんをお母さんのベッドに寝かせる際は、柵とお母さんの間に寝かせるかと思います。
もちろん入院の際に、病院スタッフから赤ちゃんをお母さんのベッドに寝かせる際はどのようにして寝かせるのかという説明があったり、文書で注意喚起されているのでしょうが・・・万一聞いていなかったとしても、それってお母さんになる方には分かり切っている当り前のことだと思います。
大体、柵の無い部分に赤ちゃんを寝かせたらどうなりますか?
場合によっては赤ちゃんが転落するかもしれませんよね?
お母さんには本能的に赤ちゃんを守りたいと気持ちがあるのですから、お母さんとしての野生の勘が鈍っていなければ、柵の無い部分に赤ちゃんを寝かせたりはしない筈ですが・・・

2つ目。
赤ちゃんと退院する時、或いは赤ちゃんの受診のため病産院に行く時、赤ちゃんをク―ファンに入れて運ぶ方がいらっしゃいます。
どのメーカーのク―ファンも新品であれば、持ち手を結わえる紐が付いていますが、ク―ファンに赤ちゃんを乗せた後、あの紐を結んでいますか?
そして、ク―ファンを持ち上げる前に、しっかり持ち手を握り締めたことを確認してからか、持ち手に腕を通してから持ち上げていますか?
ついつい横着をして、紐を結わえない状態で、サッと持とうとしていませんか?
サッと腕を通そうとしていませんか?
後から通す方の持ち手が握れていなかったり、通っていなかったらどうなりますか?
場合によっては赤ちゃんがク―ファンから転がり出てしまう危険性が高いです。
何度も使っているうちに、慢心して基本に忠実な使いかたをしなくなったら、悔やみきれないことになるやもしれませんね。

3つ目。
初めての寝返りは、いつ何処で起こるか分かりません。
「まだまだ先ね。」と、余裕をかましていたら、いともあっさり・・・なこともあります。
赤ちゃんを柵をしていないベビーベッドやソファに寝かせるのは、無防備過ぎます。
お祝いすべき初寝返りが落下事故では、目も当てられませんね。

4つ目。
赤ちゃんを抱っこする時に、平気でピンヒールやミュールを履く方がいらっしゃいます。
産後のお母さんのおしゃれを否定するわけではありませんが、見ていて危なっかしくて、ハラハラします。
足首を捻ったり、空足を踏んだら、バランスが崩れて赤ちゃんが落っこちてしまいかねません。
それとも、脚を綺麗に見せる方が大事なのですか?
「そんなものを履いて赤ちゃんを抱っこするな!」と、お家の方から注意されませんでしたか?

お母さんとしての野生の勘を鈍らせたり慢心していると、本当に赤ちゃんに怪我をさせることが起こり得るのです。
大袈裟でも何でもなく、日本全国津々浦々、こんな事故が後を絶たないのはなぜなのか?
「自分だけは大丈夫!」だなんて思い込まずに、ちょっと考えてみましょうね。

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2011年7月25日 (月)

夏風邪はおっぱいライフの鬼門ですよ!

一般的に夏風邪と称する、『手足口病』『ヘルパンギーナ』『プール熱(咽頭結膜熱)』ですが、「フン!夏風邪なんて数日で治るし、大した病気じゃないわ。」「ホントに赤ちゃんでも罹ってしまう病気なの?」と、侮ってはいけませんよ。
上にお子さんがいらっしゃると幼稚園・保育園や学校から持ち帰ったり、お父さんが職場で仕入れてきたり、お母さんが罹ったら、赤ちゃんにだって感染るリスクは跳ね上がりますからね。

先日の記事でも書きましたように、口腔内(頬っぺたの内側や歯茎や舌)に水疱状の発疹が出来る病気(『プール熱』の場合は咽頭の腫脹ですが・・・)に罹った場合、大抵は経過として潰れて潰瘍化してしまいます。
つまり、夏風邪に罹ると、殆どの飲食物は口にすると強烈に沁みて痛いったらありゃあしないのですね。
柑橘系果汁とは異なり、おっぱいやミルクは沁みにくいイメージがありますよね?
ところがどっこいそうでもないのです。
もちろん夏風邪に罹っても当然ですが、赤ちゃんはおなかは空くのですよ。
おっぱいもミルクも飲みたいのですよ。
でも、お口の中が痛すぎて、飲めなくなるのです。
口腔内の潰瘍部分が治るまでの数日間、一種の哺乳ストライキ状態になってしまうわけです。

離乳食が食べられる月齢の赤ちゃんだったら、搾乳やミルクをポタージュスープのベースにしたり、つるんとしたものなら沁みにくいのでゼリーにしたりして摂取させることは可能ですが、それ以前の月齢の赤ちゃんだったら、大袈裟でも何でもなくて、脱水になってしまう危険性だってあるのです。
また、これらの病気の厄介なトコロは、赤ちゃんの中に「おっぱいやミルクは飲んだら痛い!」というイメージが強烈に残ってしまうのことです。
特に1歳前後になり、記憶の保持がしっかりしてくると、治っても飲んでくれなくなることがあるのです。
そう、そのまま卒乳みたいになっちゃって、楽しいおっぱいライフがいきなり終了!なんてことも相当数あります。
夏風邪がおっぱいライフの鬼門というのは、そういう意味なのですな。
もちろん、お母さんの必死の言い聞かせが効を奏して、おっぱいライフが無事復旧することもありますが、お母さんは機嫌の悪い病気の我が子の看病に加え、それまでの間、おっぱいの分泌の維持・トラブル予防に努めなくてはならず、このうえなく大変になります。

今年は各地で夏風邪の中でも、『手足口病』が大流行しているらしいですから、この鬼門には足を向けないように、タオル等、直接肌に触れるモノの共用は避けて、含嗽や手洗いを厳重になさり、防衛してくださいね。

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2011年7月24日 (日)

産後15日目、上の子が手足口病に!

<ご相談内容>
本日産後15日目で、自分の実家に里帰りをして、養生しています。
上の子は幼稚園の関係で自宅で同居している義両親にお世話になっています。
(自分の実家と自宅の距離は車で1時間弱です。)
上の子には入院以前から寂しい想いをさせていたので、自分の養生は端折ってでも早めに自宅に戻るつもりでいました。
ところが、本日、義両親から「(上の子が)手足口病になった。」と連絡がありました。
手足口病は昨年も罹ったのに、また罹ることってあるのでしょうか?
新生児には感染る危険性はあるのでしょうか?
母親である私にも罹る危険性はあるのでしょうか?

<SOLANINの回答>
まず、手足口病とは何なのか?
これは、コクサッキ―ウイルスのA6、A9、A10、A16型か、エンテロウイルス71型に感染すると、起こり得る病気の名前ですね。
多くのウイルスが原因として判明していますから、何回も罹ってしまうことがあります。
また、現時点で予防注射はありません。
潜伏期は3〜7日程度とされています。
感染経路は飛抹・接触・糞口と、幾つもあり、しかも感染力は強いです。
症状としては2〜3日発熱が続くこと、手のひら・足裏・口腔内に水疱みたいな発疹が出ることです。
手のひら・足裏の水疱みたいな発疹は潰れずにそのまま自然に消退しますが、難儀なのは口腔内の水疱みたいな発疹です。
潰れて潰瘍みたいになり、そうすると、飲食するたびに物凄く沁みるので、痛くて堪らなくなり、おなかが空いてもおっぱいやミルクがまともに飲めなくなったりすることも稀ではありません。
哺乳力が低下するため脱水にもなり易く、月齢が小さい赤ちゃんほど危険とも言えます。
感染のリスクは新生児だから無いとは言えません。
また、妊婦さんや産後のお母さんは抵抗力が低下していますから罹る危険性は高いです。
上の子さんには申し訳ないですが、可能であればこういう状況ですから、義両親にも説明され、今暫くは、お世話をお願いすることをお勧めします。
また、上の子さんの主治医にも連絡のうえ状況を説明され、いつ頃から上の子さんと合流してもいいのかをきちんと確認してくださいね。
特に新生児〜生後3ヶ月以内の赤ちゃんは、(手足口病に限らず、原因が不明でも)発熱が続くようであれば、大事をとって通常入院になります。
症状自体は概ね1週間前後で消退しますが、うんちなどからウイルスが検出される(=感染力)は約1ヶ月間はあるとも報告されているので、厄介です。
念入りな含嗽や手洗いやマスクの装着が感染対策として重要です。

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2011年7月21日 (木)

乳腺炎のハイリスク因子???

以下に書くことは、あくまでSOLANINの仕事上の経験としてのことであり、その経験にしても症例数が少ないし、専門雑誌に掲載されていることではないので、書くべきかどうか迷いました。
けれども、あながち外れではないかもしれないとも思えたので、敢えて書きますね。

妊娠中に乳頭・乳輪ケアをしていて、程度にバラツキがあるものの血乳が出る妊婦さんは20人に1人位遭遇する旨を過去記事に書いた記憶があります。
そして、血乳の出た妊婦さんは、どうも産後に乳腺炎になり易いような印象があります。
もうひとつ、GBSに感染している妊婦さんも、同様な印象があります。
何回も乳腺炎になったり、炎症度の高い方(=1~2回の対処では、症状の軽減が出来なかった方)の多くは妊娠中に血乳が出たり、GBS感染していた経験があるようなのです。
もちろん、それはたまたまの出来事であって、私の思い過ごしかもしれません。

けれども、もしもそうであるならば、決して脅かすつもりは無いですが、「もしかして自分は乳腺炎になり易い体質(?)かもしれないから、産後は他のお母さんよりも充分に気をつけよう!」という意識付けになれば有意義なことだし、1回でも予防出来るのではないか?と、思うのです。

妊婦さんの時血乳が出た方、GBS感染だった方、いらっしゃいませんか?
無事に過ごしておられたら善しですが・・・

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2011年7月20日 (水)

過飲症候群と言われました。(2ヶ月)

<ご相談内容>
母乳育児推進病院で出産し、おかげさまで最初から今まで完母です。
赤ちゃんはスクスク成長しています。
体重増加度も標準以上で産後6日目に母子揃って元気に退院してから、50g/日を超える勢いを未だに持続しています。
(3160gで生まれて、生後67日目現在、6210gになりました。)
ただ、1点、気になることがあります。
ウチの子は兎に角背中を反らせるのが好きというか、寝かせていても常にイナバウアーのように反りく返っています。
何となく気になって、とある小児科系の本を読んでいましたら、「神経学的に異常のある乳児は反りくりかえる。」云々の記述を見つけ、不安になって、小児科受診をしました。
ドクターは、「神経の異常ではないと思いますが、過飲症候群ではないか?」と言われました。
帰宅後、過飲症候群で検索したら、要するに「母乳やミルクの飲み過ぎ。」と書いてありました。
これまで私は出産した病院の指導通り、赤ちゃんがほしがればこまめにおっぱいをあげるようにしていましたが、それがいけなかったのでしょうか?
赤ちゃんはいつも唸っていますし、平らなトコロに仰向けで寝るのを嫌がります。
ほしがっても抱っこしてあやせばよかったのでしょうか?
過飲症候群って、そんなに問題があるのでしょうか?

<SOLANINの回答>
先ずは、赤ちゃんの反りくり返りの理由が、神経学的な異常ではなさそうとのことで良かったですね。
しかし、過飲症候群ではないかと言われ、不安になったのですね。
これは一般的に母乳不足感からミルクの補足の量が過ぎて、飲み過ぎている状態なので、体重増加度が大きい時はミルクの量を減らせばいいのですが、完母なのですね。
完母で2ヶ月間、一向にペースダウンすることなく、グングン育っておられるということは、標準的な体重増加に必要な量以上のおっぱいが出ていて、それを赤ちゃんがグビグビと飲んでいることを意味します。
恐らくガッツリ系のスタミナ赤ちゃんだと思われます。
(逆に、おっぱいが溢れかえるくらい出ていても、少しずつしか飲めない赤ちゃんだっておられますからね。)

仮に相談者さんの赤ちゃんが、おっぱいを吸わせる時間を短かめにして、それで落ち着くならそれでいいのですよ。
けれども、多くのガッツリ系のスタミナ赤ちゃんの場合、「じゃぁ今日からおっぱいの量をセーブしましょう!」と諭したところで、「ハイ分かりました!」とは言ってくれないこともまた事実。(汗)
却って不機嫌になり、おっぱいのリズムの収拾がつかなくなったと訴えられるお母さんがいらっしゃるのもまた事実。(汗)
なにせまだこの時期は満腹中枢が未形成ですから、スタミナが切れるまで吸わないと赤ちゃんは承服しかねるからでしょうね。
・・・悩ましい限りです。

相談者さんは完母ですから、こう言ってはナンですが、私としては対症療法(?)でいいのではないか?と思います。
飲み過ぎて苦しそうであるならば、立て抱きに抱っこしてあやしてあげましょう。
2ヶ月くらいなら、腹這いにして遊んであげたり、お散歩に連れ出しても良いですね。
つまり、泣いたら直ぐにおっぱいではなくて、おっぱい以外のことで、出来るだけ気を紛らわせてみるのです。
「でも、どう考えてもこれはおっぱいがほしいのだな。」という様子はお母さんであればピンと来るでしょう?
その時はおっぱいを飲ませてあげて、あとは赤ちゃんのカラダがラクなように抱き方や寝かせ方を工夫すればいいのではないでしょうか?
満腹中枢が形成するまで恐らくあと1ヶ月くらいだと思われますので、過飲症候群は近い将来収束してくる見込みですよ。

それからこれは余談ですが、あまりに急激に授乳回数をセーブすると、一気におっぱいトラブルが発生したり、体重増加不良になったりすることがあるので、飲ませ方を変更した場合、1週間後位を目安に母乳外来や助産院等で乳房のチェックや体重増加のチェックをしてもらわれることをお勧めします。

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2011年7月19日 (火)

深夜帯でも3時間間隔で飲ませたいのに、起きない。(1ヶ月)

<ご相談内容>
今回の出産で2人目です。
完母ですが、2週間健診でも1ヶ月健診でも、赤ちゃんの体重増加は順調と言われました。
今困っていることは、1人目の時のは考えられなかったことですが、赤ちゃんが深夜帯に眠りこけていることです。
私は乳房が張り易いので、乳房トラブル防止のためもあり、3時間以上授乳間隔を空けない方が良いと助産師さんから指導されています。
なので、目覚まし時計をかけてでも、必ず起きるようにしていますが、肝腎の赤ちゃんを起こすのに1時間かかることも稀ではなく、今一番大変なのは、赤ちゃんを起こす作業です。
深夜帯に眠ってくれない昼夜逆転状態の方からしてみたら、「何を贅沢なことを!」と、お叱りを受けそうですが、とても困っています。
実家の両親は、「眠っている赤ちゃんを起こすなんて可哀想だ。」の一点張りで、話になりません。
ちなみに授乳間隔が4時間だったら、深夜帯でも自力で赤ちゃんは起きてきます。
どうしたらいいのでしょうか?

<SOLANINからの回答>
助産師から指導されたことをきちんと守り、授乳間隔が空き過ぎないように努力をされているのは素晴らしいと思います。
なのに、肝腎の赤ちゃんが眠りこけてしまい、3時間間隔では、起こせども起きずなのですね。

過去記事にも書いておりますが、深夜帯はお昼間の2倍もおっぱいを作るホルモンである「プロラクチン」が分泌されます。
カラダが休まると、さらに乳房緊満は増しますね。
かといって、もう一人、飲み手をスカウトしてくるわけにもいきませんから、まずは乳房が深夜帯に暴発しないように、緊満をコントロールするのも良いかもしれません。

その方法ですが1つ目は、夕食を軽い目にすることです。
生ものはその場で食べるしかないでしょうが、冷蔵庫に保管出来て、温め直しの効くおかずであれば、取り置いて翌朝にシフトさせましょう。
朝から色々おかずを作るのは、結構大変ですからね。
3食のバランスで夕食の比重を若干でも軽くしてください。
2つ目は、乳房の冷罨法です。
基本的に乳房は冷やすものではありませんが、じゃがいも湿布位であれば、丁度良い加減のヒンヤリ感になるかと思います。
(保冷剤はちょっと冷やし過ぎになるかもしれないし、眠っている時は当てる部位がズレてしまうおそれがありますからね。)
3つ目は、3時間を過ぎたら適当な時間にお母さんは一旦起きて、先搾りをしてください。
先搾りといえども、ラクになりたいからと沢山搾るのはいけません。
実際に乳房をチェックさせてもらったわけではないので、どの程度とお伝えするのは難しいですが・・・最大公約数的には、左右合わせて10分か15分くらいで搾れる量か、左右合わせて30ml程度か、左右の乳頭・乳輪が柔らかく咥え易くなる程度の量・・・のいずれかにしておきましょう。
搾り終えた頃に、赤ちゃんが起きてくれたら良いかな?というタイミングで先搾りを開始しましょう。

そして、明るいうちは、授乳間隔が空き過ぎないよう、1日の授乳回数が10回以上になるように努めてください。
深夜帯に授乳間隔が空いてしまうのを明るいうちに「巻いて」挽回するという作戦です。(笑)
尚2人目さんということですから、1人目さんの時よりも全般的に乳房緊満が落ち着くのは早期化するかと予測されます。
赤ちゃんの発育が順調で、乳房緊満が落ち着けば、これらの対処法を続けなくても良いかもしれません。

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2011年7月18日 (月)

帝王切開のバースプラン(おっぱいについて)

<ご相談内容>

母乳推進と言われている県立病院で予定帝王切開をしました。
赤ちゃんは元気に生まれてきてくれました。
バースプランもきっちりお話しして、こちらの希望を伝えていたものの、入院診療計画書(?)には、「帝王切開当日は、赤ちゃんは保育器からは出られません。」
「明日からおっぱいのたびにお部屋に連れて行きます。」とのこと。
私はなおも、「出来れば当日から少しずつおっぱいをあげたい。体調がよければ、母子同室で添い寝でやりたい。」と伝えました。
しかし、先方は、「随分ハードね。私たちは赤ちゃんが脱水になったら不安だから先生と相談するまで何とも言えないわ。」と、言われてしまいました。
結局手術後に赤ちゃんにちょっとだけ触り、その後はまだ、赤ちゃんを触っていません。
過去記事に【抱っこから布団に寝かしつけが全くできないくらい離れなくなった例がある】記事を読んだこともあり、このままでは赤ちゃんがどんなになってしまうのか、おっぱいは大丈夫なのか、不安な夜を過ごしています。

<SOLANINの回答>

赤ちゃんの状態に関わらず、相談者さんがご出産された県立病院では、帝王切開された赤ちゃんは1日間保育器収容される決まりがあるのでしょうね。
となると、なかなか病院の方針を変えることは難しいでしょうね。
(一般的に、その病院の標準的な方針とは異なるバースプランは、入院までに提出のうえ交渉され、予め病院側が受け入れてくれないと、入院後の変更はとても難しいと思います。)

また、私の過去記事の内容が、相談者さんの不安を助長したのであれば、ごめんなさいね。
私としては、NICUNに搬送されたり、保育器収容等の理由で母子分離になった赤ちゃんが、お母さんから離れたがらなかったり、かなり甘えん坊になるのは、寂しかったからなので、ウザがったりせずに赤ちゃんの気持ちを受け止めてあげてほしいという意味で書いたのですが・・・(汗)

希望されたバースプランが受け入れてもらえない状況は辛いですね。
でもね、翌日から授乳の度に、赤ちゃんを病室に連れてきてくれるのでしょう?
だったら、客観的にみて良心的な病院だと思いますよ。
少なくとも8回/日くらいは、連れてきてもらえる機会があるということですからね。
授乳時間は赤ちゃんとのふれあいタイムなのですから、その時に赤ちゃんにお母さんの気持ちを伝えましょう!
「お母さんもあなたと離れている時間は寂しいよ」「大きなお口を開けておっぱいを飲んでね」「あなたが大好きだよ」等々。
そして、お母さんの温もりが感じられるように、赤ちゃんを抱き締めてあげてください。
可能であれば、お母さんの匂いがするガーゼ等を保育器に入れてもらったり、コットの枕元に置いてもらっては如何でしょう?
赤ちゃんがお元気で、お母さんの体調さえよければ、近いうちに母子同室にしていただけるのでしょうから、あと僅かの辛抱ですよ。
今は置かれた状況の中で、どうしていくかということを前向きに考え、出来る限りのことを対処されるのが最善だと思いますよ。

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2011年7月17日 (日)

職場復帰時の研修のために断乳!?

<ご相談内容>
子どもが1歳の誕生日に職場復帰をすることになりました。
復帰時期が年度初めではないため、保育園の途中入園は難しいことは分かっていたので、近くに住む私の母に世話してもらうことになりました。
ただ私の職場は、復帰後3日間は研修のため、帰宅が22時過ぎになります。
(それ以降は、19時までに帰宅できますが。)
先日、私の母から、「1歳迄おっぱいをあげたのだから、もう充分でしょう?私は10ヶ月で断乳したわよ。」「22時まで、グズグズ泣く子を3日間も面倒を見なくてはならないなんて、私には荷が重いわ。」と、言われてしまい、これは言い聞かせ卒乳をするしかないのかと思い、実行中です。
(それまでは、おっぱいが大好きで、1日に5~6回は飲んでいました。)
言い聞かせは2~3日間、さらっと行いました。
しかし、子どもはとても不機嫌で、乳房はパンパンです。
こういう場合、母乳外来か、助産院で後処理してもらえばいいんですよね?

<SOLANINの回答>
お子さんのために1歳まで、おっぱいをあげてこられたのですよね。
それはそれで、ご立派だと思います。
早々とおっぱいを止めてしまわれる方も少なくない中、一人の助産師としては1年間お疲れ様と言うべきなのでしょうね。

でも、私釈然としません。
何でこうなるのかなぁ?(泣)
思うに、「母乳育児とは?」という最初の話を聞く機会が無く、おっぱいを栄養分とか免疫という物質面の利点を優先してあげてこられたから、こういう結末になられたのでしょうね。

職場復帰に際し、母方のおばあちゃんにお子さんを託せるのは、ある意味とても恵まれた環境だと思われます。
母方のおばあちゃんという存在は、一般的にお母さんの意向を一番理解してもらい易い方だからです。
お子さんが体調不良でも、受診や看病も対応していただけるからです。
保育園でお世話になる場合、子育ての方針とかまでは、個別で希望を受け入れてもらえるとは限らないですし、病児保育をしていない限り、37.5℃を超えれば、即刻お迎えを要請されますからね。(←それはもちろん当然のことなので、保育園がどうのこうのというものではありませんよ。)

実母さんの仰ることは、ごもっともなのですが、決定的に欠けているのは、やはり、「母乳育児とは?」という視点です。
娘さんの職場復帰に際し、「ウチの孫はおっぱいに対し、どういう想いを抱いているのか?」という考え方自体、そもそも想定外のようですね。
そして、肝腎の相談者さん!
実母さんに対し、我が子が世話になるにあたり、遠慮があるのかもしれません。
けれども、こんなにあっさり娘のあなたが寄り切られてどうするの?

キツいようですが、ここから先は、SOLANINが相談者さんのお子さんの気持ちを代弁していると思って聞いてください。
「大好きなおっぱいを、無理やりオトナの都合で止めさせることに、お母さんであるあなたは何の躊躇もないの?」(嘆)
「言い聞かせを2~3日間、さらっと行ったですって?そんな短期間で納得できるワケがないでしょう!」(怒)
「これって殆ど一方的な断乳ですやん。」(涙)
「機嫌の悪さが何処から来るものなのか、分かりませんか?」(訴)
「こんな尻切れトンボみたいな止め方、メンタル面でのフォローの乏しさ、お母さん!あんまりだよ。」(悲)

私的には、今一番望ましい対処は、おっぱいを復旧させることだと思います。
でも、肝腎の相談者さんに端っからその気が無いのであれば、せめてお子さんにきちんと謝ってください。
これからどうなるのか、じっくり時間をかけて説明してあげてください。

なお乳房のケアは、母乳外来でも助産院でも、然るべきところでしていただけます。
言うまでもないことですが、おっぱいに対し未練たっぷりのお子さんを帯同させないでくださいね。
それが仁義ってものですよ。

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2011年7月14日 (木)

オススメの一歯(いっし)ブラシについて。

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「オススメの一歯(いっし)ブラシについて。(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事

以前、一歯(いっし)ブラシを乳幼児の仕上げ磨きにオススメした記事を書いたことがありますが、憶えておられますかな?

あの記事を参考に一歯(いっし)ブラシをご購入され、愛用されていらっしゃる方も少なくないと思います。
確かあの時、一歯(いっし)ブラシを仕上げ磨きに活用するというSOLANINが記事に書いたアイデアを現役歯科ドクターの「rinaccikun」さんがお褒めくださって、物凄く嬉しかったので、未だにしつこく記憶しております。
いつからか「りなちくん」さんに改名されたようで・・・お元気でしょうか?(爆)

特定のメーカー名(ブランド名)を推奨するのは、こういうトコロでは良くないことなのかもしれませんが、SOLANINはあれからも一歯(いっし)ブラシが気になって気になって。

ところで、一歯(いっし)ブラシって、分かりますか?
通称ワンタフトと呼ばれるあの毛先の小さな歯ブラシのことです。
アレを色々入手しました。
プ○フィ○ト、バ○ラ―、オ―○ル○ア、テ○・・・殆どワンタフト・オタクのように、ブラシの硬さも普通と柔らかめと2種類買ったものもあります。
そして、次々にSOLANINの口腔で試してみました。
歯科衛生士さんでもないのに、新品の歯ブラシを耐毛検査のように、(まぁ、機械が無いので、指先を使ってゴシゴシ擦りまくったり・・・)してみました。

結果。
大人が使う分には、兎に角として、乳幼児に使う分にはやはりテ○が最高に良かったです。
その理由は、「毛先のカットが尖っていない。」(他社は円錐状で尖っている)
「毛先の質感が素晴らしい。(素材:ポリアミド)」(他社はナイロン、飽和ポリエステル樹脂、ポリプロピレン等)
「毛先が長過ぎず、短過ぎずの絶妙な長さ。」(口腔内の刺激が少ないと考えられる)
もしも、まだ一歯(いっし)ブラシなるものを使用したことが無い方、現在使用しているけれど、そろそろ交換用の一歯(いっし)ブラシを追加購入される予定がある方は、テ○の一歯(いっし)ブラシ(商品名:コ○パ○トタフト)を使ってみてください。
他社よりも若干お値段が高いのですが、値打ちがありますよ。
比べれば違いが分かります。
恐らくSOLANINの言いたいことを理解してくださる、歯科のドクターや歯科衛生士さんはいらっしゃると思うのですが・・・もしよろしければ、フォローお願いします。(笑)

追記1:いちごチョコ☆さんから、「ワンタフトを使った磨き方は、歯科衛生士さんに教えてもらうといいですよ」とのアドバイスを頂きました。
罹りつけの歯科を受診された時、お願いしてみるといいかもしれませんね。
                         (2011年7月15日0時00分)
追記2:おーたんさんから、「ワンタフトは歯と歯の接する面や歯と歯茎の間がピンポイントで磨けます。フッ素ジェルと併用すれば最強ですよ。」というアドバイスを頂きました。
                         (2011年7月17日4時22分)

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2011年7月13日 (水)

おっぱい=お餅という概念の意味するところ。

<ご相談内容>
いつもいつも疑問に思うのは、年配者になればなるほど、私が授乳中だと知れば、「お餅を食べなさい!」と言われたり、実際に持って来られることです。
でも、大抵の助産師さんは、「お餅は食べたらダメよ!乳腺炎になっちゃうよ!」と、キツく戒められます。
お餅を食べたら、確かに乳房は張ります。
(もちろん、乳腺炎が怖いので、食べるとしても1週間に小さいのを1個食べるかどうかというレベルですが、今のトコロ、乳腺炎になったことはありません。)
そして、いつもよりも沢山おっぱいが出るような印象があります。
これはどう考えたらいいのでしょうか?

<SOLANINの回答>

ご出産された方の恐らく90%以上のお母さんは身内の年配者(いわゆるおばあちゃん世代)から、確信を持った口調で「お餅を食べると、おっぱいが張って、沢山出るようになるから是非とも食べなさい。」とアドバイスされたり、入院中や退院後にお見舞い品として、大福餅や餡ころ等を受け取ってしまった経験がおありではないでしょうか?
(お断りしたくても、角が立つから受け取らざるを得ないという状況もあると思います。)
ちなみに私もあります。

「おっぱい=お餅」という概念は、ある種の習俗的な言い伝えなのですね。
お餅は本来はハレの日(お正月や今風に言えば重要なイベントのある日)の有り難くお目出度い日の食べ物で、ケの日(つまり普段の日)に、口にできるような食べ物ではなかったこと。
現在でも北陸地方や名古屋方面では新築の上棟式や婚礼の日に古式ゆかしく屋根に上がってお餅を撒く地域もあると聞きます。

かつての日本の国の庶民は、驚くほど質素なお食事しか食べられなかったこと。
産後の肥立ちが悪くて、体調を崩したり死亡する産褥婦が少なからず居たこと。
食料が配給制で、食うや食わずの時代が今から数十年前にあり、それを経験された年配者が現存され、一種の語り部になっていらっしゃること。
もしかしたら、食うや食わずの時代だったら、お餅を食べても乳腺炎になる方が実際に稀だったのかもしれません。
せめて産褥期はお餅でも食べさせてあげて、お産を労ってあげようという思いやりの気持ちがこもっていること。
お餅は豊かさの象徴でもあったこと。
等々の理由があってのことです。

でも、現代は飽食の時代、グルメの時代でもあります。
今風の食生活から鑑みれば、お餅のようにカロリーがハイパーなものを常態的に口にすれば、乳腺炎への危険水域に自ら近寄っているようなものです。
食べれば乳房は張りますから。
でも、今風の食生活を送っていらしゃるお母さんにとっては、乳房が張る=おっぱいが沢山出る・・・以前に乳汁がドロドロになりますからね。
もちろん、人によっては1回食べていきなりドカンということも充分にあります。
そういうお母さんたちにこれまで大勢遭遇してきた者が言うのですから、間違いないと思います。
反対に、今風の食生活なのに、お餅を胸やけするくらい常食されても、無事に過ごされるお母さんもいらっしゃるのも、また事実。
恐らくそれは、身体的(乳頭・乳輪の形態が赤ちゃんに咥え易い形だったとか、乳管が太いとか、分泌過多傾向ではないとか・・・)及び赤ちゃん的(いつもガッツリ間隔を空け過ぎないように催促してくれたり、飲み方の技巧が超絶的テクニシャンであり、尚且つ、おっぱいの味が不味くなっても不問に付するタイプとか・・・)というような幸運な条件がすべて揃っている母子のカップルなのではないかと推察します。

そういうこういうが重なり、年配者の善意としての「おっぱい=お餅」の概念が、現代にまで残っているのでしょうね。
今後の人間関係に支障をきたすといけませんし、乳腺炎にだけはなりたくないという想いもあるでしょうから、年配者の仰ることを頭ごなしに否定するのではなく、お餅に対する捉え方の世代間ギャップというものがあるということを認識してくださいね。
その上で、やんわりと説明するとか、華麗にスル―される等、今後もトラブル無しで赤ちゃんに美味しいおっぱいをあげるための対処をしてくださいね。

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2011年7月11日 (月)

何処から来たの?

お子さんが胎内記憶について、お話ししてくれる日を楽しみにしていらっしゃるお母さんはとても多いと思います。
統計的には3割くらいのお子さんがお話ししてくれることが報告されていますので、してもらえないことの方が確率的には高いのですが・・・

私が勤務先で出会ったお母さんで、「残念ながら胎内記憶はお話ししてもらえませんでした。」と仰る方が数人いらっしゃったのですが、何の気なしに、「○○ちゃんって、お母さんのおなかに入るまでは、何処に居たの?」と、尋ねたら、黙って人差し指を天井に向けたり、「お空の上に決まってるやん!」「雲の上ですよん♪」というお返事が返って来ました!という報告を受けたことがあります。
お話ししてくれたお子さんは3歳から小学生まで様々です。
(それ以上はお話ししてもらえなかったそうですが・・・)

胎内記憶は無いものの、それ以前の世界に居た時の記憶があるのですね♪
そういうお子さんはそれ以前の世界に居た時に、お母さんであるあなたを選んでくれたという記憶があるのですから、それはそれで、素晴らしいと思います。
「それ以前の世界では、どんな暮らしをしてたのか?」
「どのようにして、おなかの中までやってきたのか?」というようなことをお話ししてくれることもあるようです。
そういうサプライズも有り得るということです。

現在妊娠中のみなさん、あなたがおなかに手のひらを当てたその下には、あなたの赤ちゃんが居るのですよ。
あなたの手のひらの温もりも感じていますよ。
おなかの赤ちゃんにいっぱい語りかけてくださいね。

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2011年7月10日 (日)

飲みっぷりのピークが過ぎたら、油断するとヤバいですよ。

一般的におっぱい星人のお食事は進みがゆっくりで食が細い傾向があります。
(もちろん何事にも例外がありますから、ドンドン進んでガッツリ食べるおっぱい星人もいらっしゃいますけどね。そういう場合はラッキーだったと思っていただいたら結構ですよ。)
それもあってか、月齢が進んで、何を食べても、授乳間隔が空いて回数が8回未満/日になっても乳房トラブル知らずの幸せな状況が続き、たまにヤバいことがあっても、必死に飲ませたら危機的状況を脱出というパターンもよく聞かれます。

しかし、おっぱい星人とはいえ、いつか必ず食べるスイッチが入る日が来ます。
食べるスイッチが入ると、食前におっぱいを飲まなくなっても、お食事がそこそこ入るようになります。(この段階では、食後のおっぱいは別バラで飲んじゃいますが。)
もっと強力なスイッチに切り替わると、お食事の後は、おっぱいをさほど飲まなくなります。(そして、更に強力なスイッチに切り替われば、食後のおっぱいを全く飲まなくなります。)
このようにおっぱいの飲みっぷりのピークが過ぎたのではないかという兆候が、徐々に顕れてきているのに、ご自分の乳房を過信されると、一気に乳房トラブルが発生します。

「いつも、いつまでも私のおっぱいはトラブル知らずで大丈夫!」だなんて、油断召さるるな。
特に授乳回数が増やせそうにない場合は、お母さんは兎に角ご自分のお食事内容や量を見直してください。
トラブル回避のためには、それは必須ですよ。

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2011年7月 8日 (金)

うつ乳を甘く見てはいけないよ!

うつ乳(=乳汁うっ滞)は何故起きるのでしょうか?
もちろんケースバイケースではありますが、単純に考えて生産量よりも哺乳量が少ないことが常態的に起こっているからです。

その母子に合わないポジショニングであれば、当然ラッチオンも不適切になります。
客観的に見て、分泌過多(=過分泌)であることも一因です。
かといって、後搾りをすれば、余計に分泌過多を助長することになりかねませんから、安易な後搾りは止めましょう。

赤ちゃんのキャラにもよりますが、よく眠る赤ちゃんや、咥えても1クールするかどうかの段階で直ぐにくったりする赤ちゃんの場合、いつもハフハフしたり、ガツガツ飲む赤ちゃんと比較して、危険度が高いです。
1回の哺乳量が少なめだからです。

授乳間隔も大事です。
眠っているからと授乳間隔を3時間以上空けると危険です。
初産婦さんで特に産後3ヶ月以内であると、いつもよりもおっぱいが溜まった状態ですから、爆弾の導火線に火を付けたようなものです。

そういう状態で、甘いモノや脂っこいモノを何の気なしに食べてしまうと、決定的な銃爪を引いてしまうことを意味します。

ただでさえ、産後は抵抗力が低下していますから、このような条件が重なると、「痛い!これって乳腺炎なの?(汗)」という展開が待っています。
逆に条件が重ならなければ、無事で過ごせる可能性は高いわけです。
条件が重ならないようにする努力をすることは、トラブルの無い楽しいおっぱいライフに繋がります。
なので、セルフメンテナンスは重要なのですよ。
「私と私の赤ちゃんはどうだろうか?」と、1日1回は振り返ってみてくださいな。
ヤバい時の対処方法ですか?
それはメッセージボードの★記事を検索してください。

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2011年7月 7日 (木)

思い通りにならないと、大声を出す時の対応。(10ヶ月)

<ご相談内容>

最近我が子は、思い通りにいかないことやイヤなことがあると、顔を真っ赤にして大きな声を出します。(声で脅している感じ?)
それを止めさせたくて、自分なりに言い聞かせをしてるのですが、なかなかうまく行きません。
目を合わせて『大きな声を出してもダメだよ。ママもつらいし、あなたものどが痛くなるよ。』と言っていますが・・・

何か足りないでしょうか?
というか、的外れでしょうか!?
アドバイスいただけると嬉しいです!

<SOLANINの回答>

重い通りにならない時には様々なシチュエーションがありますね。
☆欲しいものがもらえない時。(例:スーパーでお菓子をねだるが、買ってもらえない。)
☆カラダが上手く使えない時。(例:ハイハイして前進しようとしてもムーンウォークしか出来ないからドンドン後退してしまう。スプーンでご飯を掬って食べようとしても全部零してしまった。)
☆気持ちに反する対応をされた時。(例:お母さんと一緒にお出かけしたいのに、お父さんとお留守番をさせられた。)
☆楽しみを奪われた時。(例:ティッシュペーパーをうっとりしながら次々に引き出していたのに、叱られて取り上げられて続きをさせてもらえなかった。)

・・・等々、赤ちゃんであっても普段から「これはしてはいけないよ。」と言い聞かせをされたらダメなんだということは何となく分かるのです。
分かるのだけど、分かりたくない時は目を合わさないようにしたり、やりたい気持ちが強い時はまだ上手く喋られないから、大声を出したり泣き叫んだりして、自己主張を通そうとするのですね。
何でもかんでもダメというのは、赤ちゃんも気の毒だし、何でもかんでもOKでは、単なる甘やかしではないか?ということもあり、兼ね合いが難しいですね。

まず、どういう時はダメなのか?という条件を、今一度考えてみてください。
お父さんやお母さんの気分で、同じことなのにダメとOKが入れ換わると赤ちゃんは混乱しますから条件を決めてください。
これは赤ちゃんに限らず、躾の基本だと思います。
で、どうしてもダメなことについては、親として分からせるしかないのですが、赤ちゃんが興奮している時は、やはり聞く耳を持たないので、言い聞かせは不発に終わりがちです。
こういう場合は、赤ちゃんの気持ちを鎮めることが優先事項です。
出先であれば、他の用事は置いておき、抱きかかえてでも、その場から離れた方がいいですね。
お家の中に居るのであれば、思い切ってお外に出て、風に当ったら良いかもしれません。
環境を変えると、わりかし早く気持ちが鎮まります。
そして気持ちをしずめるには、1にも2にも抱っこです。
暴れてもとにかく抱っこ。(スキンシップ)
耳元で、「大丈夫、大丈夫、お母さんは●●ちゃんの気持ちはよ~く分かったよ。」と囁き続けてください。
併せて、「出来なくて悔しかったんだよね。」とか「イライラしたんだよね。」と、きっと我が子は○○だったんじゃないかな?という気持ちを忖度(=そんたく)言葉に出して、労ってあげてください。
呼吸が落ち着いてきたら、「ダメだって分かってたけど、してみたかったんだよね。」とか「よく我慢したね。偉いね。」と、赤ちゃんを認めてあげてください。

何だか回りくどい気がするかもしれませんが、焦ると上手くいかないものです。
回を重ねる毎に、落ち着くのが少しずつ早くなってきますよ。
まずは試してみてね。

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ミルク育児推進病産院では、ドクターはこう仰います。

まず、WHO/ユニセフの『母乳育児成功のための10カ条』は、完全無視されます。
変な期待をしない方が良いです。
入院中にミルク屋さんの調乳指導を必修で聞かされます。
最初から「おっぱいの後はミルクをあげるのが当り前。」と指導されるので、「私は大しておっぱいが出ない。」と思い込まされてしまいます。

それでも、当ブログに辿り着かれたり、近隣の母乳外来や助産院のサポートを受けられて、完母を目指そうという意欲のあるお母さんが、1か月健診の際などに、「私はもっとおっぱいが出るようになって欲しいので、どうすればいいのか、教えてください。」「頑張る気持はあるので、完母になりたいんです。」と、ドクターにお尋ねしても、「最近のミルクはとても品質が良いから、おっぱいに拘ることはおかしいのですよ。」「子育てはそれだけで大変なのですよ。完母になろうと頑張れば、頻回授乳になるから、それでは却ってストレス増えますよ。今のままで良いんじゃないですか!」と、決めつけてしまわれます。

そもそも、おっぱいをあげることが難行・苦行だけだったら、おっぱいを続けようというお母さんは存在しないと思います。
また、おっぱいを通して、子どもの成長が感じられたり、楽しいことがあるから、長く続けようというお母さんが少しずつ増えてきているのではないかと思います。
価値観が違い過ぎるドクターとお話をしても、実のあるアドバイスを頂けるかどうかは、甚だ疑問です。

産まれた赤ちゃんにおっぱいをあげたいという気持ちは、お母さんとして、何も特別なモノではなく自然で尊い気持ちです。
ドクターとお話をしても一向に埒が明かない場合は、新しい罹りつけを確保する必要がありますね。

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2011年7月 5日 (火)

乳輪の奥が硬いと、おっぱいが飲めません。(新生児)

妊娠中の乳頭・乳輪ケアをしていなかったり、冷え症のお母さんに多く見受けられるようですが、乳輪の奥が硬くてほぐれにくいと、赤ちゃんはおっぱいが飲めません。
乳房表面に静脈が浮き出て見えるのに、乳房の熱感は乏しいのが特徴です。
特に新生児は、体重が大きめ(例えば生下時体重が3500g以上)で、相応の吸啜力が期待できる状態でも・・・です。
生後4日目以降なのに体重が地滑りのようにダダ下がりしたり、同じく生後4日目なのに胎便(?)が排出されることすらあります。
直母量を測定してもヒトケタ~10gが精一杯といったトコロで、助産師がお手伝いしても搾母乳も薬杯の底溜まり程度しか取れません。

乳輪の奥が硬いと、どうしても浅飲みになってしまいます。
仮に乳頭が充分に突出していても、立て抱き以外のポジショニングをすると乳頭頂に血疱(=血マメ)が形成されるようなら、まず間違いなく硬くて飲めないと言えます。

対策としてはカラダを内側から温めることと、多少痛いかもしれませんが、乳輪の奥の硬い部分を地道に用手でほぐしていかないと、いつまで経っても埒が明かないものです。
逆に硬い部分をほぐして、カラダを中から温めて、立て抱きにすれば、一気に問題解決も夢ではありませんよ。

 

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2011年7月 4日 (月)

良く出る方のおっぱいを争奪戦!(タンデム授乳中)

<ご相談内容>

乳首のカタチのせいなのか、私の利き乳は右乳です。
左乳からはどんなに頑張っても、右乳の半分くらいしかおっぱいは出ません。
タンデム授乳中ですが、上の子(4歳)には、「赤ちゃんが生まれたら左だけだよ。」と、言い聞かせ、この1年間そのように授乳してきました。
1日1~2回のことですが、素直に且つ喜んで左乳を飲む毎日でした。

ところが先日人生初のうつ乳(しかも黄金の右乳!)になってしまい、下の子(1歳)に飲ませても飲ませてもどうにもならず、辛抱出来ずに上の子にも右乳を飲んでもらったのです。
有り難いことに4歳児の吸引力は凄まじく、あっという間にフワフワに回復しました。
「ありがとうね!」と上の子を労いましたが、変な表情をしています。
「どうしたの?」と、尋ねたら「右乳はいっぱい出るんだね。」と、呟きました。「(自分は)いつでも左乳だったから忘れていたけど、右乳は温かくていっぱい出て美味しいね・・・」と恨めしそうなのです。
そう言えば、左乳を飲ませていたら、「お母さん、途中からあまり出なくなってきたよ。もっと飲みたいのに!」と、クレームを付けてくることもありました。(汗)
そして昨日、「(自分だって)右乳飲みたいよ!」とハッキリ意思表示してきたのです。
下の子は1歳ですが、典型的なおっぱい星人で離乳食は殆ど食べません。
おっぱいだけで、約10kgになりました。
ゆくゆくは離乳食も進むと思いますが、今はまだ無理っぽいです。
どうしようと案じていたら、今日、二人は右乳をどちらが飲むかでかなり逼迫した争奪戦を開始したのです。(汗)
エライことになってしまいました。
どうしたらいいでしょうか?

<SOLANINからの回答>

止むを得ない事情があったとはいえ、上のお子さんには封印してきた右乳を飲ませてしまったのですね。
そして、パンドラの匣を開けてしまったのですね。(汗)
ううむ。
どうしましょうか?

お母さんの心情的には恐らく下のお子さんに沢山おっぱいをあげたいのだと思います。もちろんそれはそうだと思いますが、上のお子さんも色々な意味でおっぱい功労者であります。
おっぱい功労者の気持ちを無下にしてはいけませんよね。
となれば、まずは交渉開始です。
例えば週1回だけ上のお子さんに右乳を開放するという条件が通じるならば、食の細いおっぱい星人でもある下のお子さんの上前を撥ねるほどにはおっぱいを飲み干されはしないでしょう。

交渉しても、そのような譲歩を引き出せない時はどうするか?
ちょっと味気無いのですが、タイマー作戦は如何でしょうか?
例えばタンデム授乳で右乳を先に飲む子は3分間だけ飲ませてもらうのです。
3分間終了のタイマーが鳴ったら、何があっても途中交代することを約束させます。
左乳を先に3分間飲み、右乳を後に飲む子は気の済むまで咥えさせてもらえる・・・というやり方です。
(右乳を先に3分間飲む子はそれで終了しても良し、次に左乳を咥えていても良しとします。)
公平を期するなら、カレンダーで日替わりにしても良いです。
二人とも保育園に行っておられるならば、順番を決めてそれを守るのは集団生活をする上で避けて通れないことですから、躾にもなりますね。

お母さんは、タフな交渉人になってください。
健闘を祈ります!

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2011年7月 3日 (日)

トラブル時の食事指導をどう受け止めるか?

おっぱいトラブルになると、多くのお母さんは助産師の元に駆け込んで来られます。
(お近くに母乳外来や助産院が無い方は、当ブログを参考に出来る限りのセルフケアをされる方もあるでしょうし、それはそれで適切な判断ですけれど。)

ただ、一部のお母さんは、助産師にケアをしてもらうと、ほぼ必ずと言っていいくらい、食事内容についての指導を受けるので、それが嫌だからケアを受けないとか、何回もおっぱいが痛くなって母乳育児が嫌になったから断乳するという方もいらっしゃるようです。(涙)
確かにイキナリそれまでの食生活とかけ離れた、あまりにもストイックな食事内容を提示されたら、「むむむ!こんなの無理!」と唸ってしまうでしょうが、2つか3つの食物を、取り敢えずおっぱいトラブルが改善するまでお休みするくらいなら、赤ちゃんのために出来るのではないかと思うのですが。(汗)

最近ちょくちょく耳にするのは、妊婦さん時代に体重管理が厳し過ぎる病産院でご出産されると、出産するやいなや「さぁ、喰うぞ!」とばかりに、お菓子やファストフードの差し入れをガッツリと満喫される方がいらっしゃるそうです。
大抵は産後3日目あたりにおっぱいトラブルになってしまわれますが。
(もちろん、世間には何をどれだけ食べても、おっぱいトラブルとは無縁のお母さんもいらっしゃるので、いざエライことになってしまわれると、「何故自分が?」と、何となく不公平感を抱かれるのでしょうが。)

また、一方で、おっぱいトラブル予防のためだけに、一部の流派の助産師たちが提唱する超ストイックな食事制限を極めてしまい、激ヤセされたり、摂食障害になってしまわれる方も出現されているそうです。
そういう話を聞くと、私にはこれまで経験はないけれど、おっぱいトラブル時の食事指導の匙加減って、繊細だなぁと思う今日此頃です。

最近の医療の現場では、クリニカルパスを活用し、指導項目でも何でも標準化というか画一化されてきていますが、それをどう活用するかが大事なのでは?と、思います。
口はばった言い方で恐縮ですが、経験の浅い助産師の場合、自分の言ったことに対し、お母さんの反応を見る余裕が無く、指導項目を抜かさずに伝えるだけで精一杯かもしれません。
お母さんのキャラをきちんと把握した食事指導が、楽しく母乳育児を続けて行ってもらうためには必要だなぁと、改めて感じました。

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2011年7月 1日 (金)

熱し易く、冷め易い乳房って?(産褥早期)

年齢に関係なく、産褥入院中乳房がパンパンに張り、熱感が強く、寝返りしても痛いくらいで、試しに哺乳量を測定したら3日目なのに50gとか80gとか、ビックリするくらいの分泌量のお母さんに遭遇することがあります。
体質的に冷え症のお母さんはおっぱいの分泌が軌道に乗るのは遅めなのですが、稀に例外的に産褥入院中に乳房が活火山のようにフィーバーする方が居られます。

赤ちゃんがガッツリ系であれば、そのまま分泌が維持出来るのですが、下手っぴちゃんだったり、低出生体重児や早産児、眠り姫や眠り王子であると、良く出るおっぱいをしっかり吸啜して哺乳するのではなく、ほぼ毎回1クール出来るかどうかの流し込みで飲み下す状態が続いてしまいがちです。
そうすると、早ければ産褥10~14日頃には、初産婦であっても乳房の緊満が完全に消失して、おっぱいの分泌がガクンと低下します。
産褥早期は授乳間隔が2~3時間空いていれば、それなりの乳房の張りがある筈なのに、おっぱいを飲ませると柔らかくなる・軽くなるというのではなく、いつも「ぺっしゃんこ」のままなのです。
ジンジンするくらい熱感のあった乳房の皮膚表面が、温かみすら消失し、冷たい汗でじっとりしている感じに変貌します。
何故こんなことになるのでしょうか?
効果的な乳頭への吸啜刺激が得られないため、生産量が急降下するからです。
お母さんにしてみたら、痛くて堪らない乳房パンパン状態を離脱出来て良かったね~と思ってらっしゃるのでしょうが、助産師の立場として良かったね~とは言い難い事態に陥ることがあります。
赤ちゃんの体重増加度も不良になったり、ギリギリOKであっても・・・ねぇ。

そのような事態にならないためには、お食事内容や食べ方に配慮して、下半身を冷やさないことと、毎回の授乳で左右ともしっかり吸啜させることです。
どうにも乳頭への吸啜刺激が少ない時は搾乳をしてください。
熱し易く冷め易いおっぱいには注意が必要です。

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