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2011年5月

2011年5月31日 (火)

断乳後の水分補給はどうすればいいの?(1歳代)

<ご相談内容>
生後半年よりストロー、コップ飲みの練習を始め、麦茶や湯冷ましなどの水分補給ができるようにと少しずつトレーニングしてきました。
今息子は1歳5ヶ月ですが、ほとんど水分を摂りません(涙)。

以前はおっぱいがあったので、問題なかったのですが、事情があり泣く泣く断乳せざるを得ず、復旧することは叶わない状況です。
断乳してから2週間以上経ちますが、相変わらず息子はほとんと水分を摂りません。スプーンであげるとたまにちびちび飲む程度で、脱水にならないか心配です。

この年齢だと、だいたい1日どの位の水分をとったら良いのでしょう?
また、息子が水分を摂るようにするにはどうしたらよいのでしょうか(涙)。
何か良い方法があればご教示くださいませ。

<SOLANINの回答>
ついこの間までおっぱい星人だったのですね。
で、事情があり断乳され、復旧が叶わないと。
このトコロ、一気に気温も上昇してきましたから、特にご心配だと思います。
確かにおっぱいの水分量は全体の88%くらいありますから、おっぱいを飲まなくなったら、水分補給は必要です。
しかしながら、意外でしょうが、実際におっぱいを飲まなくなったお子さんがいきなりお茶やお水をガブガブ飲むのか?といえばそうでもなく、徐々にお食事の量が増えていくことが多いようです。

さて、どの位水分が必要かということは、幼児の場合、大まかですが体重1kgあたり100(~120)mlと言われています。
例えば体重10kgであれば、1000(~1200)mlの水分が必要ということです。
でも、これはコップやお椀から摂取する水分に限定するわけではありません。
ご飯でもリンゴでも水分は含まれますから、そういった食品全般に含まれる水分量もトータルしてという意味です。
あ、そうそう、それだけではなく、体内で代謝され、生成される水をも含むそうです。

ちょっと伺いますが、普段の生活の中で、毎日数時間の外遊びをされていますか?
恐らく1歳代では、そこまではされていないと思います。
あ、しなくては駄目というのではないのですよ。(気を悪くなさらないでね。)
どんなお母さんだって外遊びさせてあげられない時がありますからね。

私が申し上げたいのは、空調の行き届いたお家の中で過ごしておられることが殆どであれば、さほど喉が乾かないのかもしれないということです。
なので、1回にスプーン2杯くらいのお茶で満足してしまうことが推定されます。
1回に沢山飲むことは無理でも、こまめにあげたら脱水にはならないと思われます。
仮に脱水傾向になれば、まずは濃縮尿で回数が半減するでしょう。
いよいよヤバくなればおしっこがまともに出なくなったり、発熱したりします。
お子さんによっては頑固な便秘になったりしますよ。
断乳されて以降、そういう様子が見受けられますか?
そうではないのであれば、まずは大丈夫でしょう。
濃縮尿や便秘が気になるレベルであれば、お母さんが意識して誘って一緒にお茶を飲むようにされては如何でしょうか?

先日、元おっぱい星人だった1歳4ヶ月のお子さん(保育園通園中)に接する機会があり、寝起きのおやつタイムに、彼は赤ちゃんせんべいを貰っていましたが、観察していたら赤ちゃんせんべい2枚に対し、ぐい呑み(お猪口)1杯のお茶を飲んで満足していました。(それ以上は首を横に振り拒否していました。)
どう目測しても、1回に飲んだのは30~50ml以内の容量であることは間違いなかったです。
もちろん脱水症状は無く、元気でしたよ。
お茶やお水に拘らなくても、普段のお食事に、水分を多めに含むもの、例えば塩分の薄い汁物を取り入れるのも良いですね。
繰り返しますが、水分はトータルで考えて行けばいいですよ。

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2011年5月27日 (金)

ミルクの量が多くても少なくても。(完ミのお母さんの気持ち)

当ブログには、割合としては少ないものの、事情があって完ミのお母さんも居られます。
完ミということは、完母のお母さんとは違い、毎回何ml哺乳したかについては明確に分かるわけです。
ミルクのあげ方(1回あたりの哺乳量や1日あたりの授乳回数)は各ミルク屋さんは缶蓋に詳細に記されているので、参考にされているのでしょうが、完ミだからといって、必ずしもどの赤ちゃんもガブ飲みするわけではなく、飲みっぷりには個人差があるわけですね。
完ミの場合、割合として沢山飲みたがる赤ちゃんの方が多い傾向があものの、沢山飲んだら飲んだで、「デブったらどうしよう?」と心配されるお母さんは少なくないようです。
逆に少数派ですが少食ちゃんの場合、缶蓋に書いてある量は到底飲めないわけです。
仮に飲めても、あるところから哺乳スピードが眠るわけでもないのにガクンと落ちて飲みきるまでに物凄く時間がかかることもあるのです。
例えば生後1ヶ月で80ml哺乳するのに1時間半を要したという赤ちゃんだって居られるのです。

そして、少食ちゃんの場合、完ミであっても体重増加が緩やかで、「もう少し多目にあげてください。」と、小児科ドクターから指導されても、飲めないものは飲めず、缶蓋に書いてある量がノルマに思えて、飲ませられない現状がお母さんにはプレッシャーになってしまわれるようです。
「完ミなのに発育不良になったら?」「個人差とはいえ、どうして飲んでくれないの?」と、不安が頭を過ぎることもあるそうです。
たまに、何が気に入らないのかミルク嫌いになったり、哺乳ストライキを起こす赤ちゃんも居られるそうです。

ミルクを飲ませるにも、赤ちゃんの個性に配慮する必要があるのです。
おっぱいだから大変、ミルクだから楽チンという簡単な構図は描けないのですね。
そして、栄養方法に関係なく、赤ちゃんの発育に心を痛めるのは、お母さん共通なのですね。

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2011年5月26日 (木)

早飲み出来るよう、竹串を刺してお鍋で茹でる?

お母さんがHTLV(+)のため、悩んだ末に、生後3ヶ月以降、完ミに切り替えた方とお電話でお話をしました。
少しでも直母とのギャップを少なくするために、また、ガッツリ系の赤ちゃんなので飲み過ぎを助長しないように「母〇相〇室®」のゴムの乳首を入手されて活用中でしたが
その時の赤ちゃんの体重が6kg台だったので、大体1回120mlで1日7~8回ほど飲ませていたそうです。
「母〇相〇室®」は、中々吸うには力が要るお品なので、そのガッツリ系の赤ちゃんであっても、平均で25分を要し、その後満足するという、絶妙なパターンが出来上がっていたそうです。

しかし、そんな哺乳の様子を見ていた義母さんが、次の授乳の前、「このゴム乳首、時間かかり過ぎよね。10分間くらいでチャッチャと飲む方がラクでいいわよ。それでちょっと前に、ゴムの乳首孔に竹串刺して、お鍋で茹でて孔を大きくしておいたの。次からは時間短縮できるわよ~。」と、笑顔でのたまったそうです。(驚)
全くもう、何を考えてんだか・・・年を取っていても、こんな無茶苦茶する方が居られるのですねぇ。
で、赤ちゃんのお母さんは、まさかと思いながら、デカ孔に加工された「母〇相〇室®」でいつものように赤ちゃんにミルクを飲ませたところ、何と10分もかからずに早飲みをしてしまったそうです。
デカ孔のゴム乳首では、「母〇相〇室®」といえども全然満足感が得られないので、赤ちゃんが「ミルクもっと寄越せ」状態になり、150ml以上飲まないと、満足しないようになったそうです。
しかも、満足どころか苦しくてグズるので、あやすのも一苦労だったそうです。
そして3日間が過ぎ、お母さんも困り果て、精神的にも限界だったようで、「どうしたらいいですか?」と、泣きそうな声で、電話されてきました。
幸い、予備用として、スペアの「母〇相〇室®」をお持ちでしたので、それを使っていただくことにしました。(このような場合、デカ孔のゴム乳首は百害あって一利無しなので廃棄してもらいました。)
早めの対応が良かったのか、言い聞かせが効を奏したのか、赤ちゃんはどうにか復旧されました。
しかし、この義母さん、ホントにしょうもないことをしでかしてくれましたなぁ。
本人は親切心なのでしょうが、「母〇相〇室®」のコンセプトである、“直接授乳訓練用”ということが、な~んも分かっちゃいないのね。
HTLV(+)のため、良く出るおっぱいなのに泣く泣く完ミに切り替えざるを得ないお母さんにしてみたら、せめて直母とのギャップを少なく(=しっかり大きなお口を開け、舌を前から後ろにうねらせる)して、飲み過ぎ防止を図ろうとしておられたのに、それを台無しにしちゃう行為をされたのですからね。
きっと、吸啜運動の持つ意味や、赤ちゃんにとってミルクはどのような役割を果たすものなのかということが、な~んも分かっちゃいなくて、「赤ちゃんには早くいっぱいミルクを飲ませればいい」と安直に考えているからこういうことをしちゃうのね。
何というか、あるまじきおばあちゃんだと思いました。(怒)

そしてその、あるまじきおばあちゃんに告ぐ。
「最強母乳外来に来なさい!」

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2011年5月25日 (水)

反対側の乳首を触りながら飲むのは、止めてほしい癖ですね。

月齢が進むと、それまで一心不乱におっぱいを飲んでいた赤ちゃんも、余裕が出てくるのか、遊び飲みをするようになってきます。
それはひとつの発達でもあるのですが、時に困ったことも起こります。
例えば、一方のおっぱいを飲みつつ、反対側の乳首を捏ね回したり摘まんで引っ張ったりしながら飲む癖が付いてしまった時です。

乳首の先はデリケートで、傷つき易く、ちょっとした刺激にも痛みを感じてしまいます。
赤ちゃんにしてみたら、大好きで馴染みのある乳首を触っていると、気持ちが和むので、或る時から病みつきになってしまったのかもしれません。
けれども、大抵のお母さんにしてみたら、これはかなり厭なことです。
ムギュッと摘ままれたり、爪で引っ掻かれたら痛みのあまり、叫んでしまいそうです。
楽しい筈のおっぱいタイムが苦痛以外の何ものでもなくなってしまいます。
それはまるで乳首を噛まれた時と同じような苦痛を感じることを意味しています。
下手に甲高い声で叫んだ日には、百万回でもリピートする、あの苦痛を感じ続ける羽目になりかねません。

過去記事でも述べましたが、痛みを堪え、噛まれる恐怖に慄きながら、おっぱいをあげるのは、誰だって厭です。
であれば、この癖だけは、止めて貰わないと困るわけです。
そのためには、1にも2にも言い聞かせが大事です。
スキンシップ欲求を満たすには、反対側の乳首を触ろうとする小さな手を握ってやってください。
「お母さんと●●ちゃんは仲良しだから、手を繋ぐのよ。乳首は触らないのよ。お母さんは痛いのは厭だから止めてね。」という風に語りかけてください。
何度でも呪文を唱えるかの如く、お願いします。
こういうことは、お母さんがイニシアチブを執ることも大事なのですよ。

 

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2011年5月24日 (火)

集団健診の際の最低限のマナーとは?

集団健診に赤ちゃんを連れてくるお母さんには、病院・保健センター等場所を問わず、くれぐれも気を付けてほしいこと(=最低限のマナー)があります。
1つ目は、
時間厳守することです。
待たされるのが嫌だからというのは分かるけれど、時間に遅れてくると、その方のせいで、待ち時間がズレてしまう場合もあります。
2つ目は、
おむつ等のゴミは持ち帰ることです。
たまに、捨てさせて貰えるところもあるようですが、多くの市町村ではおむつは一般のごみとは分別されることも多く、処理にかかるコストも違います。
大丈夫そうな場所であっても、念のため「捨てさせてもらっていいですか?」と、確認しましょう。
3つ目は、
母子ともに何らかの感染症の疑いのある場合は、絶対に健診会場には行ってはならないということです。
俄かには信じ難いでしょうが、あちらこちらの集団健診の会場で、ドクターや看護師さんや保健師さん達から聞いた話をさせていただきます。
例えば、「1週間くらい前、上の子が水疱瘡だったのよね。丁度健診で小児科のドクターに診ていただけるから、赤ちゃんに出てきたこの発疹が、水疱瘡なのか、そうではないのか、聞いてみようっと!(笑)」というお母さんが居たそうです。
他にも「昨日から旦那も私も風邪を引いたみたいで、吐気があって白っぽい下痢もしているけど、今のトコロ熱発してないから大丈夫よね。」というお母さんも居たそうです。(おいおい、それって、ロタウイルス感染ではないのかな?)
もっと凄いのは、集団健診の待合場所にお父さん(小学校の先生をしておられる方だそうです)が来られた事件です。
あ、いや、お父さんが集団健診に来られたらダメというのではありませんから、早とちりしないように。
問題なのは、そのお父さんに明らかにおたふく風邪の症状が見受けられ、看護師さんが確認すると「実は今朝、内科でドクターにそのように診断されました。」と、病識もあるのに、奥さんと赤ちゃんにくっ付いて集団健診に来たということなのです。
おたふく風邪と診断されたら、子ども達は登校も外出もしてはいけないことは、小学校の先生であれば先刻ご承知の筈です。
オトナだったら外出してもいいのでしょうか?
そんなわけないですよね?
自分の子どもを診て貰うためには、他の赤ちゃんやお母さん達に、自分の病気を感染させる恐れがあっても、厭な想いをさせても、知ったこっちゃないってことでしょうかね?
もしも、集団健診会場に心臓や肺の病気の赤ちゃんが居られたら、感染させたら生命に関わることを知らないのでしょうか?(汗)
・・・というような脳天気かつ自己中心的なことを言いつつ、健診会場に来られる方が居るそうです。
しかも、「集団健診は予防接種と同じく、元気な方が受けるものであり、病気の方が受けるのは非常識ですよ!」と叱られたら逆ギレする人も居るし、「周囲に迷惑かけることになるでしょう?」と、注意しても「へぇ~、そうなんですか?」と、暖簾に腕押しというか、罪悪感も何も無い人も居るそうです。

そんな自分しか見えていないトンでもさんと同席して、大切な赤ちゃんに病気を感染させられたら、堪ったものではないですよね!
いやしくも当ブログの読者さんにはそんな人は居ないと思いますが、もしも周囲の赤ちゃんのお母さんからそういう発言が聞かれたら、「あなた、それだけはしたらダメだよ。」と、上記の理由付きで説明してあげて、無謀かつ無責任な振る舞いをしないように、声掛けしてあげてくださいね。

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2011年5月23日 (月)

助産師ってどんなお仕事?(幼児期の長女がイメージしたもの)

昔話です。
私がまだT病院に勤務して、次男と長女を保育園に預けて働いていた頃のことです。
T病院では、他部署への一時的な応援も含め色々な業務をさせていただきましたが、9割方は、もちろん産婦人科病棟か産婦人科外来の業務でした。
「お仕事」というものに興味心津々の長女から毎日のように、「お母さん、今日も赤ちゃんおっぱいたくさん飲んでくれた?美味しそうに飲んでくれた?」というようなことを聞かれていました。
それ自体は幼児期の子どもの質問として、なんら問題は無いのですが、T病院で勤務してから1年以上経った或る日、長女が私の仕事内容を誤解していることが発覚しました。

私が助産師で、新生児ちゃんやそのお母さんのためにお仕事しているというイメージには間違い無いのですが、どうやら長女は、自分の母親が、自らの乳房を新生児たちに差し出し、直母をしていると思い込んでいたのです。
つまり、SOLANINが、乳母のような仕事をしていると思っていたらしいのです。
私にしてみたら「え゛ぇ〜っ!」って叫びそうなくらい、衝撃的でした。

思わず、「違うよ〜、それは無いよ。新生児ちゃん達はそれぞれのお母さんのおっぱいを飲むんだよ。(汗)」と説明したら、それ以外の私の仕事内容は想像もつかないようで、「だったら、お母さん、1日病院で何しているの?」と不思議そうに尋ねられました。
・・・決して、油を売ったりせず、至って真面目にお仕事していたのですけどね。

ところで医療者以外の読者のみなさんは、ご出産前から助産師の仕事について、どんな仕事をする人たちなのか?という知識がおありでしたか?

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2011年5月22日 (日)

ドクターから除去食を勧められたお母さんの心意気。

赤ちゃんに食物アレルギーがあることが発覚すると、アレルギーの程度やドクターの治療方針にもよるのでしょうが、母乳育児中のお母さんであれば、「除去食」を勧められることがあります。
「除去食」を続けることは、精神的な負担が大きいのだと思いますし、事実多くのお母さんはとても忍耐強いので、私はいつも感服しています。

先日お出会いしたお母さんは、お子さんに離乳食を始めようとした矢先、卵と牛乳の食物アレルギーがあるために、ドクターから「除去食」を勧められたそうです。
私が、「それは大変ですねぇ~。」と、水を向けると、意外なことに、
「いや、それがそうでもないんですよ。あまり苦にならないと言うか。自分で色々考えたのですが、上の子の時を含め、ミルクは1回も飲ませたことが無いのです。こんな離乳食が始まるようになってから、ミルク道具揃えて、果たしてミルクをすんなり飲んでくれるかどうかも分からないし、今更ながら毎回調乳・洗浄・消毒することや、外出時に荷物が増えることや、ゴミが増えることを考えたら、私の価値観の中ではそちらの方が、大変そうだなぁ~という結論に達したのです。」
「どっちにせよ、離乳食は作ることになるし、おっぱいだったらいつでもポロっと出したら直ぐに飲ませられるから、そっちの方が私にはラクなのです。」
「除去食も一生食べ続けなければならない訳ではないですから。」
「周囲はアレルギー用のミルクに切り替えたら、赤ちゃんの食物アレルギーが早く治ると思い込んでいるけれど、実際、私が「除去食」を食べてから、少しずつ赤ちゃんのお肌が綺麗になっていくし、やっていることが無駄ではないのだと思えば、頑張れると言うか・・・あまり頑張ってないですけど。(笑)」と、仰いました。

つ、強いっ!
いつお会いしてもニコニコしておられ、おっぱいを楽しんでおられる方だという印象はありましたが、ここまでとはっ!天晴れです。

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2011年5月21日 (土)

「赤ちゃん、要らない!」と上の子に言われた!

産科退院されお家での生活が始まって、てんやわんやの最中、「赤ちゃん、要らない!」と上の子さんに言われたら、そりゃあもう、大ショックですよね。
どの子も可愛い我が子ですから、新しい家族の一員である赤ちゃんを受け入れてやってほしいのは、下の子さんをお産された全てのお母さんの願いだと思います。

子ども達はお空の上では無二の親友なのです。
だからこそ現生で兄弟姉妹になる道を選ぶのです。

しかしながら、現生で兄弟姉妹になると、お空の上での人間関係とは、少し変化が出てしまうのです。
どういうことかと申しますと、子ども達はお母さんを選んで現生に生まれてくるのですから、どの子もお母さんのことが好きで好きで堪らないのです。
お母さんに自分だけを見つめて欲しいのです。
お母さんに自分だけを愛して貰いたいのです。
なのに、弟妹が生まれるということは、それまで王子・姫ともてはやされていたのに、強力なライバルが登場することを意味しています。
心中穏やかでいられる筈がありません。
もしもお母さんが赤ちゃんの方しか見ていなかったら?
もしもお母さんが自分よりも赤ちゃんを愛しているのではないかと疑心暗鬼になってしまったら?
そう思うと、いてもたってもいられなくなるのですね。
愛と憎しみ(?)は紙一重なのですよ。

くれぐれも、「赤ちゃん、要らない!」というような、ブラックなことを上の子さんが言っても、頭ごなしに叱りつけないでやってくださいね。
上の子さんは不安や寂しさで、気持ちが不安定なのです。
こういう時は育児に於ける要注意時なのですよ。
「お母さんは●●ちゃんが大好きだよ。」「赤ちゃんも●●ちゃんが好きだから、そんな風に言ったら、悲しいと思うよ。」と、優しく抱き締めてあげてください。
意識して兄姉となった上の子さんに、スキンシップをとって、気持ちを安らかにしてあげてください。
そして、上の子さんにかまけて赤ちゃんから離れる時は、忘れずに、「今、●●ちゃんが、呼んでいるから、ちょっと行ってくるね。御用が終わったら戻ってくるからね。」と声掛けをしてやってくださいね。

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2011年5月19日 (木)

離乳食の途中で遊び出す。(困)

過去記事に何度も書いているように、おっぱい星人は離乳食の進みがゆっくりで、小食の傾向があるのですが、食べることに興味が薄い場合、途中から遊び始めることがあります。
食べ物を手でこねたり、こねたものを投げつけたり、スプーンを落としたり、お椀の中身をぶちまけたり、立ち歩こうとしたり・・・そいうことが続くと、温厚な性格のお母さんであっても、キレそうになることもあるかと思います。

そりゃあそうです。
食べ物を粗末にしたらバチが当たるって、小さい頃親御さんに注意された方も居られることでしょう。
キツい口調で叱られた方も居られることでしょう。
勿体ないし、一生懸命作ってくれた方のことを思うと、それは「やってはいけないこと」ですからね。
悪いこと、繰り返してほしくないことは、赤ちゃんでも「ダメだよ!」とはっきり注意しましょう。
でも、キンキン声で叱ったら、赤ちゃんは確実に喜びます。
そして、ニヤニヤ笑いながら何度も繰り返してお母さんの反応を見ようとします。

そんな時はどう対処すればいいのでしょうか?
「もう食べないのよね!?」と、低い表情を抑えた声で赤ちゃんに聞いて、一呼吸置いて、テーブルの上のお食事は下げてください。
いくらも食べていない時はおなかも空くでしょうが、そこでおやつをあげてはNGです。
食べ物で遊んだら、お食事は無くなってしまうことを教えてください。
何回か行えば、同じ結果になり、お母さんの反応を見たくても見られないことが分かれば、次第に飽きてきます。

もちろん、思いがけず遊ばずにしっかり食べられたら、う~んと褒めてあげてくださいね。

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2011年5月18日 (水)

腹ばいで遊ばせよう!(生後2週間から)

最初に誤解の無きよう、また、早とちりをされることのの無きよう申し添えますが、私がオススメしているのは、赤ちゃんをつ伏せの姿勢で眠らせる=うつぶせ寝を推奨しているわけではありませんよ。
ぜんっぜん、違います。

故・南部春生先生も仰っていますが、赤ちゃんが起きている時に、腹ばいの姿勢にさせ、お母さんも同じく、腹ばい(乳房が痛くなると困るので、床に肘を付いても良いかと思います。)で遊んであげると、視界が変わるので喜びますよ。
最初は頭が挙がらなかった赤ちゃんも、カメが頸の向きを変えるかのように右から左、或いはその逆にお顔の向きを自力で転換します。
正面のお母さんの方を向こうとしてグイッと挙げます。

腹ばい同士で目を合わせ、話しかけ、手を繋いで、触ってあげることは、赤ちゃんを遊ばせながら、発達を促すと言われています。
楽しい遊びはお母さんと赤ちゃんの絆を育んでくれますよ。(笑)

仰向けばかりでベッタリ寝かせられている赤ちゃんとは異なり、頸の据わりも早くなるし、腹筋背筋も使いますから、便秘傾向のある赤ちゃんには、解消の一助となるかもしれません。

しばしば耳にするのが、3~4ヶ月の集団健診等で、頸の据わりの遅い赤ちゃんに、ドクターから腹ばい運動を勧められたという話です。
それはそれで、赤ちゃんの状況に応じた指導だとは思いますが、であれば最初からしていれば尚良いのではないでしょうか?
と申しますのも、3~4ヶ月にもなれば、赤ちゃんとはいえ、おなか周りが大変ご立派になられ、腹部圧迫されるような姿勢を好まなくなることが多いのです。
しかもそういう赤ちゃんに限って、頸の据わりが遅い目ときています。

けれども、生後2週間頃から地道に腹ばいで遊ばせていたら、おなか周りがご立派になろうとも、意外と大丈夫なのですね。
あ、腹ばいは哺乳直後と、眠っている時はNGですよ。

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2011年5月17日 (火)

唐突な卒乳後、お母さんのお食事はどうすればいいの?

卒乳の時期も兆候(サイン)の有無もお子さんによりけりですが、ひとつ言えることは、おっぱい星人のお母さんの胃袋は毎日モリモリ食べるせいで、概してデカくなっているということです。

言い聞かせ卒乳の場合や、何となく近い将来卒乳しそうだな~という兆候(サイン)が察知出来れば、徐々に食事量を減らせるから問題ないのでしょうが、そうでない場合、自然卒乳であっても、唐突なフィナーレを迎えることもあり、そうなると、乳房の緊満がハンパなく大変なことになる恐れがあります。
そんな時はどうかダイエットをしてくださいね。

飲み手が居なくなるのに、お母さんは全盛期と同じレベルで食事を摂取されたら、おっぱいが異様に緊満したり、断乳した方のように中々すんなり分泌がセーブされなかったり、それらは免れても「母、肥ゆる!」になってしまいますからね。
お子さんの体重増加は成長の証ですが、お母さんの体重増加は・・・ですからね。
危険過ぎます。

特におっぱいの分泌が落ち着かないウチから、ケーキやスナック菓子やお餅や霜降り肉なんぞを解禁なんてした日にゃあ、尋常ではない乳房緊満や、乳汁のドロドロ化が待っていますから、くれぐれもご注意召され!

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2011年5月16日 (月)

圧迫授乳の極意とは?

圧迫授乳って、聞いたことがありますか?
普段から気を付けてポジショニングを色々変えながら授乳されたり、同じポジショニングであっても赤ちゃんの吸啜テクニックが超絶技巧派だったりしたら、乳房に硬結(=しこり)が出来にくいと思います。

しかし、ポジショニングを助産師から「○○抱き以外はしないでくださいね。」と釘を刺されていたり、赤ちゃんが下手っぴちゃんだったり、硬結の部分に赤ちゃんのお口の中央が来ないポジショニングしか出来ないと、そうもいかず、結果気が付けば乳房に硬結が出来てしまうことがあります。
そんな時、圧迫授乳をしてみると良いかもしれません。

暫く前に過去記事にも書いたのですが、乳房の硬結そのものをグリグリと揉みながらおっぱいを飲ませると、乳腺を痛めてしまうので、NGですよ~という記事、憶えておられますか?
あれと同じ理屈です。
硬結のある部分の乳房基底部(要するに乳房の付け根、硬結よりも外側)を親指と人差し指の指叉で、乳頭方向に押さえながら赤ちゃんに吸啜してもらいましょう。
長期間、乳房の硬結を放置していたのでなければ、、赤ちゃんがゴキュゴキュ飲んでくれれば、硬結が徐々にラクになってきますよ。
これが圧迫授乳の極意です。(爆)

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2011年5月15日 (日)

乳房トラブルでマッサージを受けた日は。

乳房トラブルになり、母乳外来や助産院で乳房マッサージを受けられたことのあるお母さんはご存知かもしれませんが、もしかしたらご存知ない方も居られるやもしれずと思い、書かせていただきます。

一般的に乳房マッサージを受けると、患部の循環不全が改善されます。
早い話、乳房の血の巡りが良くなるのですね。
でも、乳房マッサージをしてもらったからといって、一気に美味しいおっぱいに改善すると考えるのはムシが好過ぎますね。
赤ちゃんも少し飲んではプイッとしたりという状態が暫く続きます。
ですので、このような段階で注意をしていただきたいのは、乳房マッサージを受けた日は、肩までどっぷり浸かるような長湯をしてはいけないということです。
乳房に熱いシャワーを長時間掛けるのもNGですよ。
乳房マッサージを受け、折角コンディションが改善したのに、そんなことをしたら自己流の乳房温罨法を施したも同然です。
瞬く間にリバウンドしたかのように乳房がパンパンに張ってしまい、元の黙阿弥になってしまうのが関の山です。(泣)

乳房トラブルで乳房マッサージを受けた日は、どうしてもお湯に浸かりたいならば、短時間の半身浴が限度です。
シャワーであっても乳房はささっと洗ってささっと流すだけに留めましょう。
それでは身体が冷えて風邪を引くかもしれない場合は、背中と下半身を温めて貰ったら問題ないと思われますので、その程度で我慢してくださいね。
もちろん、乳房トラブルの状態によっては、担当助産師から、「本日は入浴・シャワー共に厳禁です。」というお達しが出されることがあるかもしれません。
その場合は、必ずお達しに従ってくださいね。

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2011年5月14日 (土)

1回毎の授乳終了は赤ちゃんが眠るまで?

頻回直母が分泌アップのカギなのですが、時々、「そんな大変なことは出来ない。」と仰るお母さんが居られます。
大変と言えば大変かもしれないけれど、納得がいかなくて、詳しくお話を伺うと、どうも1回の授乳は赤ちゃんが眠りにつくまで・・・という解釈らしいです。

新生児といえども、授乳の度に毎回眠ってくれる保障など、何処にもありません。
私も経験ありますが、1時間半かかって授乳した後、抱っこして、トントンしながら歩きまわり、漸く眠ったと思ったら、20分足らずで覚醒したことがあります。
あの時は物凄い脱力感でしたね。
「私、シャカリキになって、何やってだんだろう?」って思いましたもの。
でも、その時気が付いたのです。
「赤ちゃんだって機械じゃない。おっぱいを飲んでも、毎回ぐっすり眠りたくなる時ばかりじゃないんだなぁ。」と。

赤ちゃんであろうとも、どうしても眠りたくない時もあるだろうし、意地になって眠気を堪えている時もあるだろうし、狸寝入りをすることもあるだろうし、直ぐにスタミナが切れてしまう小さい赤ちゃんの場合、どうしても途中で仮眠というか休憩タイムが入ることもあるからです。

ぐっすり眠るまでは1回の授乳が終わらないと解釈するから、大変なのです。
ここはひとつ割り切って、お母さんが飲ませようと思うだけおっぱいを飲ませてあげたら、赤ちゃんがウトウトしようが起きていようが一旦そこで終了しちゃえばいいのです。
(ミルク補足の必要が無いくらい、赤ちゃんが順調に育っているといわれたら尚のことです。ミルクの補足をされている場合は、その時の状況に応じて補足してあげてください。)
その後はお布団の上に寝かせるもよし、バウンサ―に座らせるもよし・・・です。
早ければ15分くらい後に泣き出して、おっぱいを飲みたそうなそぶりを見せることもあるでしょう。
だったらまた飲ませてあげればいいのです。
毎回のおっぱいで赤ちゃんがぐっすり眠りにつくまで延々と飲ませ続けたり、飲ませた後にずっと抱っこしている状態で、ハッと気が付いたら次の授乳予定時間(?)になるから、しんどくて大変でやっていられないのです。

もちろん、おっぱいを飲んだら速攻で眠ってほしい時間帯(恐らく深夜帯?)もあるかと思います。
であれば、尚のこと、朝からゴールデンタイムくらいの間は、頻回授乳で頑張ろうではありませんか!

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2011年5月13日 (金)

1日ミルク800ml、おっぱいは2回。(生後6か月)

<ご相談内容>

最初は完母だったのですが、3ヶ月くらいから乳房が3時間経っても張らなくなり、赤ちゃんが乳首を引っ張ったりしながら飲むので、これはおっぱいが足りないのだと思いミルクを補足するようになりました。
最初はほんの少しだけ補足しようと思っていたのに、今では1日800mlもミルクを飲んでいます。
逆におっぱいは張らないとしっかり飲めていないような気がして、今では1日2回しか飲ませていません。
ホントはずっと完母で行きたかったので、現状は残念なのですが、先日旦那から「1日にたった2回しかおっぱいをあげないなら、あげても大して意味が無いのでは?もういっそ、踏ん切り付けて完ミにしたら?」と言われました。
これからはボチボチ離乳食も始まるし、栄養面ではおっぱいは傍役になっていくのですよね?
私のような授乳スタイルの者がおっぱいをあげる意味があるのでしょうか?

<SOLANINの回答>

ううむ。
最初はずっと完母で行けたらな~と思っておられたのですよね。
でも、乳房の張りや赤ちゃんの飲み方の変化から、「おっぱいが足りていないのでは?」と、不安になられ、ミルク補足が始まったのですね。
確かにご指摘の兆候は、母乳不足であると大抵の育児書に書いてあるし、そういう風にアドバイスする医療者も少なくないですからね。
そう思ってしまった不安な気持ちは分からなくないけれど、ミルク補足をする前に、ホントに補足しないと発育に支障をきたすレベルなのかということを、助産師や母乳育児に理解のある小児科ドクターに相談してほしかったですね。(汗)

離乳食をまだ開始していない赤ちゃんで、1日にミルク800ml飲ませているとなると、栄養学的割合としては、恐らく8割以上がミルクということになります。
旦那さんにしてみたら、「たった2回。」なのでしょうが、踏ん切り付けて完ミに切り替える必要は無いと思いますよ。
「たった2回。」であっても、赤ちゃんはおっぱいの免疫を貰うことが出来るではないですか!
それは、赤ちゃんの健康を誰よりも願うお母さんとしては、無視できないのでは?
第一、おっぱいを嫌がるわけではなく、すんなり飲んでいるのでしょう?
ということは、赤ちゃんは今でも間違いなくおっぱいが好きなのですよ。
基本的に私は、オトナの都合で赤ちゃんの好きなモノを一方的に奪うのは、良いことだとは思わないです。(恐らく私のスタンスについては、読者さんであれば、ご存知かと思いますが・・・)
それに、おっぱいをあげることが、お母さんにとってストレスってわけではないのでしょう?
そもそもあなたが本気でおっぱいを止めたいのであれば、旦那さんが何と言おうとも、私なんかに相談される前にあっさり止められるのではないですか?

確かに離乳食が進めば、徐々におっぱいは傍役になっていくのでしょう。
でも、赤ちゃんは離乳食を開始したからといって、一気に栄養摂取の中心が離乳食になるわけではないのですよ。
もしも私があなただったら、今おっぱいを止めるのではなく、その分ミルクを減らしていきますがねぇ。
如何でしょうか?

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2011年5月12日 (木)

妊娠中の鉄欠乏性貧血は出来るだけ早く治しましょう!

昨日の0時アップの記事ですが、妊娠3ヶ月以降の妊婦さんでその記事を読まれた方、いらっしゃいますよね?
今日はそれに関連した記事です。

今まで以上におなかの赤ちゃんに「鉄の貯金」を充分に持たせてあげられるように、日々の食生活で改善できる点については出来る限りの努力をしてくださいね。
特に妊娠後期、赤ちゃんがグングン大きく育つ時期はラストスパートですから、赤ちゃんへの貯蔵鉄のことを念頭に置いてくださいね。

では、妊婦さんとしておなかの赤ちゃんに具体的に何が出来るのかについて、お話ししましょう。
まずは鉄の吸収を悪くする、タンニンを含むもの(緑茶・紅茶・コーヒー)はやはり控えてもらった方が無難だと思います。
それから、鉄鍋を使ってお料理を作ることは、鉄を多く含むレバーやあさりが苦手な妊婦さんであっても毎日出来ることだと思います。
お家の調理器具がIHでもガスでも鉄鍋は使えますからね。
鉄はビタミンCを含む食品と一緒に摂取したり、調味料にケチャップやお酢を使うと、鉄の吸収率が高まること・・・は基本的知識なので、恐らく病産院の方で聞いておられるかとは思いますが。(おられますよね?)
知らなかった方はメモしてくださいね。(笑)

間違っても、妊娠中の血液検査の結果、鉄欠乏性貧血が発覚し、産婦人科ドクターから鉄剤の処方を受けたのに、「便秘になるから」とか「う○ちが真っ黒で気持ち悪いから」とか「(鉄剤を内服すると)ムカつくから」等の理由で、安易で自己中心的な服薬中断をすることだけは避けてくださいね。
便秘やむかつき等の不快症状があるならば、その旨産婦人科ドクターに相談され、対処しつつ服薬を続けられ、鉄欠乏性貧血の改善を図ってくださいませ。

たまに、赤ちゃんが早産児でも低出生体重児でもなく、お母さんも妊娠高血圧症候群でもなく妊娠糖尿病でもないのに、鉄欠乏性貧血になる赤ちゃんが居られます。
どのような場合かと申しますと、お母さんが妊娠中に鉄欠乏性貧血になられた場合です。
妊娠中の貧血の程度によっては新生児の段階で既に貯蔵鉄が少なく、離乳食開始の時期以前から赤ちゃんが鉄欠乏性貧血になる恐れがあるそうですから、くれぐれも油断しないでね。

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2011年5月11日 (水)

離乳食の開始時期を早めたら赤ちゃんの貧血は予防できるの?

通常、生まれてから6~9ヶ月頃迄の赤ちゃんが貧血にならないのは、お母さんのおなかに居る時(特に妊娠末期)、「鉄の貯金」を貰っているからです。
「鉄の貯金」というのは、いわゆる貯蔵鉄と呼ばれているものです。
 

おっぱいや育児用粉ミルクにもは含まれますが、赤ちゃんの成長・発育に必要なの大半はこの貯蔵鉄に依存しているのです。
しかし先に“通常”と書きましたが、元々貯蔵鉄の少ない赤ちゃんも居られるのは事実です。
 

具体的には、早産児・低出生体重児・妊娠高血圧症候群のお母さんから生まれた児・妊娠糖尿病のお母さんから生まれた児はそうではない赤ちゃんに比較して、鉄欠乏性貧血になり易いということが予測できるということです。
それから、妊娠中鉄欠乏性貧血が続いたお母さんの児も同様であることが最近分かってきました。
 

かといって、鉄欠乏性貧血防止のために離乳食の開始時期を前倒しにしては、消化不良やアレルギーの恐れがあるので避けなくてはならないし、離乳食の開始時期を早めても、予防できるという相関関係は無いとのことです。
であれば、育児用粉ミルクよりもの吸収率の良いおっぱいを出来るだけ多く、長くあげる方が、の補給として理に叶っているわけです。
 

元々貯蔵鉄が少ないと予測される赤ちゃんにつきましては、離乳食開始前の時期に、小児科ドクターに相談され、血液検査で鉄欠乏性貧血の兆候の有無について、調べてもらわれることをお勧めします。
また、万一赤ちゃんに鉄欠乏性貧血が発覚したら、月齢に関わらず小児科ドクターから治療を勧められることになるかと思われます。
その場合はしっかりと指示に従ってくださいね。

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2011年5月10日 (火)

風邪を引いたら結膜炎になった?

大人もそうですが、特に乳幼児が風邪を引くと、しばしば結膜炎を併発することがあります。
風邪を引いたなと思っていたら,黄色っぽくてネチョッとした眼脂が目頭から目尻までべったりくっ付いて、清拭しなければ開眼できないことだってあります。
白眼が充血してウサギのように真っ赤になってしまうこともあります。

風邪の原因となるウイルスは数多くの種類がありますが、結膜炎を起こすウイルスと似ているので、このようなことが起こり得るのですね。
大抵の場合、風邪の症状が収まれば目の症状も自然に収まってきますが、目の清拭を繰り返しても症状が収まらない場合は、点眼薬による治療が必要なこともあります。
乳幼児に点眼薬を使う場合のコツは、「あっかんべぇ」して、ピチョンと1滴垂らすことです。
命中率が高くていいですよ。(流出した分は清潔なティッシュペーパーで拭き取りましょう。)

そうそう、余談ですが市販の清浄綿の多くは、希釈した逆性せっけん系の消毒薬が含まれているのをご存知でしょうか?
清浄綿の入った箱の側面には取扱説明(適用)の欄がありますよね。
清浄綿の適用として、「目の清拭」と書かれていますが、経験的にデリケートな目には合わないと思います。
希釈した逆性せっけん系の消毒液の含まれた清浄綿で目の清拭をすることに懐疑的な眼科のドクターも多いと聞きます。

どうしても清浄綿を使いたいのであれば、モ○リ○ク○ン®のように、滅菌水だけの製品がありますから、そちらの方が目に刺激を与える恐れが無いので適していると思われます。

それから、母乳育児中のお母さんが結膜炎になったとして、点眼薬を処方されたとしても、授乳禁止にはなりませんから、安心してください。
それよりも、赤ちゃんに感染させないように、早く治しましょうね。

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2011年5月 9日 (月)

いつ補足していいか分からない。(混合栄養中)

混合栄養中でおっぱいの比率をアップさせるには頻回直母は必須ですが新生児ちゃんだったり、体重が少なめでパワフルな哺乳が出来ないタイプの赤ちゃんの場合、直母後はクッタリして、眠ってしまうこともあるかと思います。

母乳外来や助産院で、「今は赤ちゃんの発育のために止むを得ずミルクの補足を1回○○mlで1日○回。トータルで1日○○○mlはあげてください。」と指導されたにもかかわらず、「赤ちゃんが眠っているからまぁ~いいか。」と反故にされるお母さん、時々居らるようですね。(泣)
挙句「いつミルク補足をしればいいのか、タイミングが分からない。」と、助産師が仰天するよなことをのたまう方も・・・(汗)

混合栄養の場合、おっぱいだけの時とおっぱいの後にミルクを足す時があり、確かにややこしいとは思います。
でも、例えば3分1クールの短時間の直母後に柔らかいゴムの乳首でミルクを吸啜する体力がまだ追いつかない入院中の未熟児ちゃんならいざ知らず、お家に帰っている赤ちゃんであれば、そこまで体力が無いことはないと思います。
クッタリ眠っているようでも、半ば惰性であっても、ゴムの乳首をあてがえば、ミルクの吸啜は出来る筈です。
別腹は存在します。
吸啜に必要な筋力は、直母とゴムの乳首では50vs1であると、過去記事にも書きましたからね・・・それは読者のみなさんはご存知ですよね?
万一直母後にゴムの乳首を吸啜出来ないくらい疲労が激しいのであれば、直母に要する時間が長過ぎるということを意味します。
もっと早く1回に要する直母の時間を切り上げる必要がありますね。

直母後に赤ちゃんが起きてようが眠りそうであろうが、ミルクの補足が必要だと指摘された場合は、時間を決めてあげて貰ったらいいのです。
例えば「4時間毎に1日6回、1回当り○○mlのミルクの補足をしてください。」と指導されたら、きっかり4時間毎に赤ちゃんのおなかに入れてあげてください。

どうかよろしくお願いします。

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2011年5月 8日 (日)

卒乳のサインって、あるのでしょうか?

<ご相談内容>
最初の1ヶ月は混合栄養でしたが、それ以降は幸い完母になれました。
現在私ははあと2ヶ月余りで1年間の育児休暇復帰となりますが、最初が大変だった分、こちらのブログのみなさんのように、おっぱいを続けたい気持ちはあります。
卒乳は自然卒乳が出来たらと思っています。
っていうか、断乳だけはしたくありません。

そこでふと疑問に感じたのは、「自然卒乳のサインって、あるのでしょうか?」ということです。
実際のトコロ、どうなのでしょうか?

<SOLANINの回答>
自然卒乳のサインですか?
有ると言えば有るし、無いと言えば無いです。
ベビーサインでも「自然卒乳します。」は、無かったと思います。
まして自然卒乳の歌や踊りがあるわけではありません。

でも、何となくですが、おっぱいが無くてもねんねが出来たり、外遊びに夢中になっていたら、うっかり飲むのを忘れているのか?という時が徐々に出現してきます。
「おっぱい、おっぱい!」と、うるさいくらいにおねだりしていたのに、やがてお食事をしっかり食べたら、別バラのおっぱいを飲もうとはしなくなります。
まぁ、そのあたりが、「有る」のサインだと思われます。
喋られるお子さんであれば、「おっぱいと○○(例えばアイスやお菓子)どっちがいいか聞いて!」とお母さんに尋ねさせておいて、ほぼ9割方「○○の方がいい!」というお子さんも居られます。
どう答えるかを決めているのに、敢えてお母さんに尋ねてほしいのですね。

自然卒乳については、お子さんの気持ちを尊重し、お子さんが決めるものですから、お母さんが何かしなくてはいけないというモノではありませんし、
お母さんはきちんとそれを受け止めてあげればいいのですよ。

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2011年5月 7日 (土)

離乳食開始時期とうんちの性状について。(6か月)

<ご相談内容>
こんにちは。
もうじき6か月になる赤ちゃんがいます。
3カ月迄は混合栄養でしたが、O式のマッサージにも通い、一般の育児書には書かれていない母乳育児の秘訣が沢山書かれている『最強母乳外来』を熟読したお蔭で、以後は完母で現在に至ります。
教えていただきたいことがあってメールをさせていただきました。
以前、solaninさんのブログで、「赤ちゃんのうんちのツブツブは、脂肪とカルシウムが結合したもので、消化機能が未熟な月齢の若い赤ちゃんに見られるもの。」との記事を拝見したのですが、うちの娘は6ヶ月になろうとしているのに、未だにツブツブうんちのままなのです。
そろそろ離乳食を始めようかとも思っているのですが、うんちにツブツブが混ざっているということは、まだ消化機能が未熟なままなのでは?と思い、開始を見合わせている状態です。
脂肪も分解吸収しきれないようなら、タンパク質などは当然無理なのでは?と思うのですが、このようなうんちはたいていどのぐらいまで続くものなのでしょうか?
また、ツブツブうんちでも離乳食を開始してしまっても問題はないのでしょうか?
お忙しいところ大変恐縮ですが、お時間のある時で結構ですので、教えていただけると幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。

<SOLANINの回答>
紆余曲折を経て、完母になられたことを、先ず、お喜び申し上げます。
また、完母になられるにあたり、『最強母乳外来』が微力ながらお手伝いできたことは大変嬉しく思います。
さて、うんちの粒々ですが、長期にわたり出ておられるので、消化機能が未熟ではないか?離乳食を進めても差し支えないか?と、心配なのですね。
確かにあれは、脂肪とカルシウムの塊です。
6か月になられるのに出ているということは、若干長い印象があります。
しかし、機嫌も良く、体重増加が順調であれば、お気になさらなくても大丈夫かと思います。
但し、ご指摘の通り、脂肪を分解する酵素がまだあまり出ていないから出るとも考えられます。
幸い、離乳食のスタートは野菜や穀類ですから、脂肪とは無縁の内容ですね。
たんぱく質や炭水化物を分解する酵素はそれぞれ脂肪を分解する酵素とは別物ですし、それらは出ていると思います。
なので、離乳食はスタートしても差支えないと考えます。

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レアケースですが、事実です1

最初にお断りしておきますが、これはあくまでレアケースだと思われます。
しかしながら、所見に変化があったことは担当の小児外科ドクターが認めておられますから、事実でもあります。

Aちゃんは1歳5か月時に右顎のラインに沿って良性のリンパ腫が出来ました。
経過観察中であるものの段々大きくなるし、担当の小児外科のドクターから、「涼しくなったら手術しましょう。」と言われておられました。
入院手術は心配だけど、こればかりは止むを得ないとお母さんもお父さんも腹を括っておられました。

ところが、手術適応の大きさになってしまったリンパ腫が、どういうわけか徐々に縮小してきたのです。
何も変わったことはしていないのに。
ちなみにAちゃんは4歳前まで長期授乳をしてこられました。
つまり当時は現役バリバリのおっぱい星人だったのですね。
おっぱいの免疫は1歳を過ぎても続くものも多くあり、1歳を過ぎても濃度が高まるものがあると過去記事に書きましたが、その生き証人のような存在がAちゃんなのです。
担当の小児外科のドクターはもうビックリされて、「こういう現象は有り得ないのですが、でも、リンパ腫は消えてしまったので、手術は不要ですね。」と仰ったそうです。

Aちゃんのお母さんは「私はこれっておっぱいの効果だと思うのです。それしか考えられません。」と、ニコニコ顔で仰いました。
もちろんその後も、おっぱいを卒業しても、再発することなく元気に過ごしておられるAちゃんでありました。

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2011年5月 6日 (金)

おっぱい製造工場を稼働させるスイッチは大きな力が要りますよ。

おっぱい製造工場を稼働させるためには、3つのおっぱいスイッチを入れることが必要です。
その1つが、「赤ちゃんの吸啜」であることは、読者のみなさんは既にご存知かと思います。

さて、このおっぱいスイッチ、何となくイメージ的には、タッチパネルに触れる程度かな~?という感じでしょうか?
確かにおっぱいの立ち上がりが早い傾向にある経産婦さんで、前回も分泌過多のお母さんにとっては、おっぱいスイッチはその程度かもしれません。


けれども、大抵の場合、それは違います。
バラエティー番組の「深○○ハナシ」のスイッチのように、力を入れてガッチャンとレバーを引かなければ入りません。


つまり、赤ちゃんの「しっかりと力強い」「頻回の」「深いリズミカル」な吸啜が無ければ、おっぱいスイッチはいつまで経っても入らないのです。(汗)

ですので、「怒るように、ギャン泣きするくせにおっぱいを咥えたらクッタリして、まともに吸いつけない」や「下手っぴちゃん」場合は、おっぱいスイッチが入らないものですから、お母さんは「私っておっぱいの出ない体質なの?」と悩まれることが少なくないです。
でも、実際はそうではないこともあるのですね。


時にはミルクの力も借りつつ(←あっ、自己流はNGですよ!)、赤ちゃんの体重増加を図り、日にちの経過と共に、哺乳力が身に付いてくれば、力を入れてガッチャンとレバーを引けるようになるのです。
直母量を抜き打ち測定し、回を追う毎に、少しずつでも直母量がアップしてくるのであれば、脈はありますよ。
簡単に諦めないでね。

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2011年5月 5日 (木)

分かりきったことを何故聞くのか?

ウチの次男は赤ちゃんの頃から鉄ちゃんのくせに無軌道な子でした。
当時お気に入りだった機関車トーマスのお話にしても、特に機関車がぶつかった場面は真剣に観ていたくらい、軌道に乗らない子でした。
スタミナ王子で、動くモノ…まさにヒトというよりも動物のようでした。
長男がおなかの中での様子や生まれて間もない頃の記憶をしっかりお話ししてくれる子であったのに対し、抱っこして目を合わせようにも次男の目はせわしなく泳ぎ、何をどう尋ねてもはぐらかすか、「知らん!」とのたまい、「ああ、この子はこういうキャラだから、仕方ないか。」と落胆しつつも納得していました。

そして、先日、ふと当時のことを思い出して「あの時全然答えてくれなかったから残念だったんだよね〜。」と、次男にこぼすと、「俺はいつも他にしたいことが一杯あったから、小さい頃は母さんの言うことを聞こうとは思わなかった。(←だから3人の中でことのほか聞き分けが無かったのか!!)おなかに居た時の記憶は今は無いけれど、あの頃はあったと思う。(←ええっ!そうだったの?)でも、他にしたいことがあった時だから、面倒臭いなぁ〜、逆に分かりきったことを何故聞くのか?と思ったんだなぁ。」と、しれっとして答えるではありませんか!
つまり、次男の言葉(分かりきったことを何故聞くのか?)を翻訳しますと、次のようになります。
「赤ちゃんがおなかの中で何をして、どのようにして生まれてくるかくらい、お母さんなら分かるでしょ?それを何故敢えて聞くのか?俺は遊びに夢中なのに・・・」ということだそうです。
張り切って胎内記憶を聞いたのに答えてくれなかったとお嘆きのお母さん、こういう展開もありますです。(笑)
ということを、PCで某動画(多分仮面ライダだと思う)を観ながら、答えてくれたのでありました。(汗)
鉄ちゃん改めヲタな次男です。

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2011年5月 3日 (火)

ミルク補足の指示は守ってください。(新生児期)

退院時に直接授乳が上手く行かなかったり、おっぱいの分泌が追い付かず、止む無くミルク補足が必要になられる母子が居られます。
最低限の成長はどんな新生児にも必要ですから、頻回直母をしても、体重増加に繋がらない場合は、おっぱいだけで育てたい気持ちをぐっと我慢しなくてはならないこともあります。

もちろんミルク育児推進病産院であれば、「ミルクは新生児が欲しがるだけ飲ませてやってください。上限は特にありません。」というような、信じられない指導が待ち受けていますから、鵜呑みにしてはいけませんよ。
必ずセカンドオピニオンを聞くべきです。
そうではなく、ミルク屋さんの営業の手が伸びない、正真正銘の母乳育児推進病産院でご出産されたにもかかわらず、「1回40mlで1日5回ミルクの補足をしてください。」と、小児科ドクターや助産師に指導されたなら、それはホントにどうしようもなく新生児の最低限の成長のために補足しなければならない『医学的適応』ってヤツですから、何があっても次回再診まではお母さんとしての義務だと思って補足してくださいね。

例えば当ブログの読者のみなさんは充分ご存知かと思いますが、新生児であれば退院から1ヶ月健診まではどんな栄養方法であっても、体重増加度はせめて18g~30g/日は欲しいトコロです。(過去記事にも書いているように、これはWHO/ユニセフの規準です。)
仮にミルクの補足を小児科ドクターや助産師の指導通りに行い、新生児の体重増加度が40g~50g以上/日とかべらぼうに多ければ、それはミルク減量の適応になると思います。
でも、ミルクの補足を指導通りに行ったにもかかわらず、体重増加度が18g未満/日であれば、まだまだ直母が上手く行っていない証拠ですから、逆にミルク増量しなくてはならない段階です。
ミルクの補足を指示通りに行って、体重増加度が18~30g/日であれば、赤ちゃん直母の状況がまだまだ危なっかしい段階であることを意味します。
ですので、このような段階でお母さんの自己判断でミルク減量するのは、新生児の成長発達には大変危険ですから絶対にしないでください。
どうかよろしくお願いいたします。

なお月齢の進んだ赤ちゃんの体重増加度の目安は過去記事検索していただければヒットするかと思いますので、必要な方は各自お調べくださいね。

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2011年5月 2日 (月)

退院時一ケタの直母量であっても。

どんなにおっぱいだけで育てたいと熱望されてもさすがに退院日の直母量が一ケタであれば、ミルクの補足も止むを得ないかと思います。
しかしながら、おっぱいの分泌は入院中の経過が全てではないのです。
出産時の疲労や入院中の集団生活(?)が大きなストレスになっているお母さんも居られるのは事実でしょうから。(もちろん、助産師がしっかりサポートしてくれたら、出産時の疲労や集団生活(?)のストレスも緩和されるのでしょうが・・・)
退院されて暫くしてから、おっぱいが湧きだすお母さんだって居られるのです。
他院されて暫くしてから赤ちゃんの飲み方が上達されることだってあるのです。

簡単には諦めないでください。
おっぱいのことで困ったらおっぱいのことが分かる人に頼ればいいのです。
一人で立ち向かうのはハッキリ言って無謀です。
自己流でミルクの減量をするのだけはくれぐれも止めてくださいね。
退院時におっぱいが上手く行かなかったお母さんは、母乳育児支援をしてくれる母乳外来や助産院を探してください。

助産師は病産院の中で働くのではなく、お母さんのお家まで出張してくれる形態で業務をしている人(出張開業)も居ますよ。
そういう人はタウンページには掲載されていませんからね。
地域の保健センターの母子保健担当の保健師さんは、そういう情報(出張開業も含めて)をお持ちでしょうから、「何処に行けばいいのか分からない。」とお困りのお母さんは、是非とも地域の保健センターにご連絡されることをお勧めします。

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2011年5月 1日 (日)

重症乳輪浮腫では乳頭保護器を使用しないでね!(産科入院中)

産科入院中に乳輪が浮腫む方が居られます。
何故乳輪が浮腫むのかという原因については、乳房うっ積に伴い、血液循環が悪化するから56なのですが、このような段階で、避けなくてはならないことがあります。
それは乳頭保護器を使用して直母することです。
乳輪が浮腫み易い方は、元々の乳頭も短めで、直接授乳が困難なことがしばしば見受けられます。
確かに乳輪の浮腫みが軽度だったり、先ほぐしを丹念に行い、乳輪の柔軟性が復元出来たり、うっ積(=乳房に血液が大量に流入し、乳房がパンパンに張って痛いけれど、滲むくらいしか分泌しない状態)とうっ滞(=生産された母乳が乳房内に沢山貯留している状態)が混在しているような場合には、乳頭保護器を使用しても赤ちゃんは哺乳出来るかもしれません。

しかし、漢方薬(柴苓湯とか)を服用してもらった方がベターではないかという重度の浮腫みであったり、乳頭に水疱(水ぶくれ)や血疱(血マメ)を形成していたり、うっ積のみでうっ滞には至らない場合に乳頭保護器を使用すれば更に重症度がアップするやもしれませんので、使用は避けて貰った方が得策ではないかと考えます。
浮腫みのある段階の乳輪はとても傷つき易いというか、デリケートだからです。

こういう場合、2~3時間毎に先ほぐしというか、搾乳は必要です。
恐らく乳頭保護器無しの直母は乳輪の浮腫みのせいで深い吸着そのものが出来ず、吸啜も数回で挫折する有り様と予測出来ます。
間隔を空け過ぎないように配慮しつつの先ほぐしをせずには快方に向かいませんので、是非ともしていただきたいと思います。

 

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