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2011年4月

2011年4月29日 (金)

上の子が僻まないようにという配慮。

喩え1歳代2歳代3歳代の幼な子であっても、お母さんを慕う気持ちは本物です。
お母さんに一番愛されたいのです。
特に赤ちゃんが生まれた時。

家族みんながわぁ~っと赤ちゃんを取り巻いたら、物凄く寂しい気持ちになります。
赤ちゃん返りはそのせいです。
お母さんの家族の愛情の行き先が、自分ではなくて、赤ちゃんではないかと不安になり、気持ちがぐらつくのです。
自分に自信が無くなってしまうのです。

程度の差はあれ、これは致し方ないことなのですが、出来るだけ緩和してあげるにはどうしたらいいのか?
赤ちゃんを放っておいてでも、上の子さんに関わってあげればいいのか?
確かに正論ではあります。
では、赤ちゃんはどうなってもいいの?
新生児だって、周囲の雰囲気を感じ取ることは出来ます。(無様式の感覚)
自分の存在を忘れられてしまったら、眠っているからと授乳時間が空き過ぎているのでは?というような気配りさえしてもらえなかったら、やっぱり悲しい。
発育不良になってしまいます。

やはりこれは妊娠中からの上の子さんへの言葉掛けが重要です。
妊娠中から家族みんなで赤ちゃんを迎える気持ちを高めていってください。
赤ちゃんが泣いたら、おっぱいを飲んだら・・・と、一緒に何度もシュミレーションしてください。
そして、赤ちゃんが生まれたら、毎日必ず、例えば何かお手伝いしてくれて、それが役立ったり上の子さんの気持ちが嬉しい時は声に出して「ありがとう」「うれしいな」「助かるわ」と伝えてください。
反対にしてほしくないことや有難迷惑なことをしでかした時は、「お母さんそういうの嫌なの」「お母さん悲しいの」「お母さん困っちゃうの」と、“お母さん”を強調して伝えてください。
くれぐれも“赤ちゃんが”とは言わないでね。

時々幼稚園・保育園に上の子さんが通園されるお母さんで、「でも、ウチの子は何処も褒めるところが無い。」と嘆かれる方が居られますが、毎日元気に通園してくれているからこそ、母乳外来や助産院にも行けるのだし、家事もこなせるし、赤ちゃんが割を喰うことなくお母さんの愛情を受けることが出来るのですから、上の子さんにあまりキビシイ評価をしないでね。
本来上の子さんはご機嫌の麗しい時に、赤ちゃんに優しい言葉を掛けられたらそれで充分なのですよ。
赤ちゃん返りをしつつも、自分で自分のことが出来たら100点満点ですよ。
どうかお願いします。

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2011年4月28日 (木)

おっぱいとお薬/その71『サルタノール』『べネトリン』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その71『サノタール®』『べネトリン®』(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

『サルタノ―ル』『ベネトリン』というお薬があります。
いずれもβ受容体刺激薬の一種で吸入薬として使用されます。
気管支拡張作用があるので、気管支喘息等で喘鳴が酷い時や咳止めとして処方されます。
妊婦さんでも使えるお薬です。
もちろん小児にも適用されます。

吸入薬としては以前に『パルミコート』も大丈夫ですよと記事化しましたが、第一選択薬としては『サルタノール』『ベネトリン』となります。
気管支喘息の持病がある方でお薬の必要な方は、我慢し過ぎると症状が増悪しますから、注意してくださいね。
『サルタノール』『ベネトリン』の吸入でコントロール出来るのであれば、上手に活用できるといいですね。

追記:読者さんのズイズイさん(ご職業は薬剤師さん♪)がコメント欄に大変有益な情報をくださいました。コメントに書かれたことを追記として書かせていただきたいがよろしいでしょうかという旨お尋ねしましたら、ご快諾くださいましたので、ほぼ原文ママで書かせていただきます。

喘息治療について、SOLANINさんが記事中で「サルタノール/ベネトリンが第一選択薬」と書かれてらっしゃいますが、厳密には少し違うのでコメントさせていただきました。

喘息治療薬には種類が2種類あり、長期管理薬(毎日使う薬)と発作治療薬(発作止め)があります。
『サルタノール』『ベネトリン』は発作治療薬になります。
発作が起きた時には、当然この薬剤が第一選択薬になります。

しかしながら、喘息治療において最も重要なのは、発作が起こらないように長期管理薬をしっかりと使い、発作治療薬を使う頻度が減るようにコントロールしていくことです。
長期管理薬とは、過去記事でも取り上げられている『パルミコート』やコメント欄で質問のあった『アドエア』などの吸入ステロイド薬等です。
(種類は沢山ありますが、ガイドラインでは吸入ステロイドが第一選択です)
長期管理薬を使用せずに、『サルタノール』『べネトリン』等の発作治療薬のみを、ちょっと具合が悪くなったときだけ使う、というのは危険な使い方なのです。
(喘息死が増えることがわかっています)

しかし、どちらも吸入薬があるため、Drの中でも未だに区別が付いていない方もいらっしゃるのが現状です。
喘息治療をされている方は、必ず発作治療薬だけでなく、長期管理薬も使用するようにしていただきたいです。(2011年4月29日23時34分)

念のためアレルギー情報センターのURLをこの下に貼りますね。
ここにはガイドラインに基いた喘息治療についての解説が記されています。
↓        ↓         ↓

http://www.allergy.go.jp/allergy/guideline/02/index.html 

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2011年4月27日 (水)

口角から舌が見えていますか?

赤ちゃんが上手に吸啜していたら、口角から舌が見えます。
あ、いや、そのままでは多分見えませんが赤ちゃんの口角に指を置き、クイッと耳方向に1.5cmくらい引くと、見える筈です。

口裂け女のようにグイグイと大幅に引かないと見えなかったり、引けども見えずの場合、恐らく乳頭乳輪の効果的な巻き付け自体が出来ていないので、直母をしても量にならなかったり、乳頭に傷が付いて痛かったりだと思われます。

このような状態が続くと、おっぱいをあげることに対し挫けそうになりますが、「まだちょっと浅いね。」「もう1回やってみてね。」と、赤ちゃんにダメ出ししながら、咥え直しを繰り返すことで、或る日偶然かも知れませんが、上手な吸啜が出来るようになってきます。

偶然であったとしても、「もう1回今の調子ね♪」と励ましながら授乳すると、またひょっこり出来ることがあります。
やがて、何回も何回も成功体験を繰り返すことで、赤ちゃんは上手な吸啜の確実性を高めて行くのです。
そして、或る日いつかは分かりませんが、1回でスイッチが入って、パクっと上手な吸啜が出来るようになられるかと思います。

何事も日々の精進です。(笑)

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2011年4月26日 (火)

産後カラダが熱くても、冷たい飲み物をガブ飲みしないでね!

冷え症の妊婦さんがご出産された後にしばしばおこる現象なのですが、カラダの奥から皮膚表面まで何故か燃えるように熱く感じてしまい、辛抱堪らず冷たい氷入りの飲み物を毎日ガブガブ飲まれることがあります。
それに加えて寒い季節や冷房が利いている時期であっても、裸足で過ごしておられると、産後「厄介なこと」が起こります。
勤務先でそういうお母さんが目に付けば、直ぐに「温かいものを飲んでね。最低でも常温の飲み物にしてね。」とか「産後はカラダを冷やすとよくないわよ。」と注意できるのですが、目に付かないこともあるし、ましてや画面の向こうの読者さんであれば、注意のしようがありません。(泣)

「厄介なこと」とは何かと申しますと、乳輪の奥がゴリゴリに硬くなり、浮腫みがなかなか引かず、痛くて直母が出来なくなるということです。
本来上手に吸いつける赤ちゃんであっても、どうにもならず、効果的な乳頭刺激を与えるには至らず、結果的に退院日なのに、母乳の分泌がタラリタラリ程度に留まってしまいがちです。
どうしても産後熱くて困ったら、頭部をア○ス○ン等で冷やしてみてください。
頭寒足熱は構いません。
けれども、カラダの内側から冷やすのだけはくれぐれも避けましょうね。

 

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2011年4月25日 (月)

産後も遊びに行きたいから、哺乳瓶の練習をする?

完母でバリバリに上手く行っているのに、いともあっさりと、混合栄養に切り替えるお母さんが居られます。
産後2~3ヶ月というまだ赤ちゃんの頸も据わっていない時期から、
「遊びに行く時に旦那や実母に預かってもらうのに便利だから。」
「旦那が赤ちゃんに(ミルクを)あげたがるから。」
「スプーン授乳は旦那や実母は難しそうと尻込みしてやってくれないから、哺乳瓶に慣らすしかないのよね。」等々、耳を疑うようなしょうもない理由で、完母であることを放棄してしまうなんて、私にはちょっと理解出来ないです。
もちろんSOLANINは、ミルク育児や混合栄養がダメだと言っているのではないですから、早とちりしないでね。
逆に事情があって、ミルク育児や混合栄養をされているお母さんにしてみたら、おっぱいの子に引けを取らないくらい、スキンシップを重視しておられる方も少なくないと思いますから、「預けるためにミルク」的な発言はかなりカチンと来るかと思います。

母乳育児をするからには、ストイックでなければならないとか、お母さんは遊びに行ったらだダメだとか、そんな説教臭いことを言うつもりは有りません。
時にはサロンや一人での買い物等、お出掛けしたいこともあるかと思います。
お友達の結婚式に参加するのも、同窓会に出席するのも、二次会でカラオケに行くのもいいと思います。
ただ、赤ちゃんから離れる時は、栄養方法にかかわらず、事前に念入りにお話しをしておかなくてはね。
それ、赤ちゃんに対する最低条件です。

赤ちゃんのお母さんになるということは、暦の年齢が何歳であっても、まず赤ちゃんのことを優先して考えられる人になるということではないでしょうか。
お母さんになったのに、ライフスタイルの優先順位が常に「自分の遊び>赤ちゃん」というのはおかしいです。
そしてそれを易々と許している旦那さんや実母さんもどうかしています。
っていうか、自分の妻や娘に対し、無責任過ぎます。
もしかして、「赤ちゃんから離れる≒ストレス解消≒虐待防止」的な考え方をしていらっしゃるのかな?
違うと思いますけどね。

そもそも、産後2~3ヶ月やそこいらで、頻繁に赤ちゃんを人に預けて、何時間も平気で遊べる神経を持てることが理解出来ないです。
途中でおっぱいが張って来たら、WCで搾るのですか?
赤ちゃんが泣くのはおなかが空いた時やおむつが汚れた時だけではないのですよ。お母さんが恋しくて寂しくて泣くこともあるのですよ。
ミルクでおなかは満たせても、お母さんが傍に居てくれない状況では、赤ちゃんのココロが満たせない時もあることを、想像したことがありますか?
大事な赤ちゃんを「お荷物」や「借金のカタ」の如く、簡単に人に預けないでほしい。

それでもどうしても自分の遊びが大事ならば、気の済むまで存分に遊び倒していたらいいと思います。
そしていつか、「赤ちゃん>自分の遊び」と考えられる日が来たら、妊娠を検討したらいいのではないでしょうか?
「お荷物」扱いされる不憫な赤ちゃんが1人でも減って欲しいです。

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2011年4月24日 (日)

ビタミンやファイバーの摂取のために玄米を食べさせる?

玄米の栄養分については、誰しもが認めるところでしょうが、離乳食の主食として、玄米を使うことには、反対です。
玄米の栄養分は、とてつもなく噛み続けて食べることで吸収に至ります。
ですが、赤ちゃんに「しっかりモグモグしてね。」と言い聞かせても、やはり限界がありますよね?
そもそも咀嚼するための奥歯が生え揃っている0歳児なんて居ませんからね。
丸呑みなんかしたら、オトナよりも内臓機能未熟な赤ちゃんには消化吸収が悪すぎるし、おなかを壊しかねません。

玄米は食材として魅力的ですが、赤ちゃんには合わないと思われます。
母乳育児中にお母さんが玄米を摂取されるのは良いのですが、もちろんその際も一口ずつ必ず顎がダルくなるくらい、噛み続けてください。
「忙しくて(早喰いだから?)そんな悠長に噛んでいられないわ。」という方はくれぐれも避けられた方が無難です。

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2011年4月23日 (土)

新米ママに食べてほしいカレー、キムチ、魚のフライ?

プ●ジ●ン●べ●ーという育児雑誌の記事で、「新米ママに食べてほしいカレー、キムチ、魚のフライ」というのがあり、興味深く読ませてもらいました。
現役産婦人科ドクターでラクテーションコンサルタントであり、ラ・レーチェ・リーグのリーダーであり、7人のお子さんのお母さんでもある高名な方の記事でした。

 

要約しますと、以下のようにQ&Aされていました。
Q1 [脂っこいものは避けた方がいい?」⇒A1「避ける必要なし。むしろ魚の脂はオススメ」
Q2「甘いものは控えた方がいい?」⇒A2「母乳が甘くなったり糖分が多くなることは無し」
Q3「においの強いものや刺激物は母乳の味に影響するか?」⇒A3「影響あり。風味の違いが赤ちゃんの味覚を育てます」

 

ふむふむ。
いやぁまぁ何と申しましょうか、ラクテーションコンサルタントやラ・レーチェ・リーグのリーダーさんならではのお答えだと思いました。

 

A1の魚の脂についてはDHAやEPAを含むので、同意できる部分もありますが、「量は問題無く中身に気を付けましょう」という答えの補足に関しては、かつて土用の丑の日に特大サイズの鰻の蒲焼きを2匹食べたり、魚のフライを食べ過ぎたりで、一気に乳腺炎になられた方々の対応をした経験のある者としましては、魚の脂とはいえ、量もある程度は関係あるのでは?と考えざるを得ませんね。
実際、お母さんの脂肪摂取が増えれば、ある程度母乳中の脂肪量が増えることが分かっていますからね。
脂肪の中身については、やはり動物性脂肪(特に肉の脂身やバター、生クリーム)については出来るだけ避けてほしいなと思います。
そこはご存知なのかな?と思いました。

 

A2の糖分が多くなることは無い件については、答えの補足で「現代のお食事でカロリー的に不足することは無い。お母さんの健康のためちょっと控えめが丁度いいでしょう」という点については同意できます。
母乳中の糖分量はお母さんの摂取量が増えても、脂肪量ほどにはお食事内容が反映されないことは、私でも知っています。
でも、調子に乗ってドンドン食べちゃって!という意味ではないと思います。

 

A3のにおいや刺激物に関しては答えの補足で「大量の激辛の食べ物とかではなかければ、味覚を育てることに繋がります」と記載されています。
これについては、実際に飲まされる側の赤ちゃんが嫌がるのであれば、はやりそれは避けた方が無難であると考えます。
赤ちゃんが嫌がっているのに、それを克服するために敢えてお母さんが食べるというのもナンセンスですよね?
色々な味やにおいを知って欲しいのは山々ですが、肝腎の飲み手である赤ちゃんが嫌なのに、お母さんが好きだからという理由でバンバン食べちゃうとなると、キツい言い方ですが、それってお母さんのエゴではないでしょうか?
言い方を変えますと、赤ちゃんの味覚を育てることは、赤ちゃんが楽しみ乍ら行うものであり、鍛錬の一環として行うものではないと言いたいのですが、違いますかね?
おっぱいの成分分析しても、においや味の違いについては、計測機械では数値化が困難だったり、有意差が出ないけれどこれはやはり違うのだという要素もあるのではないでしょうか?
赤ちゃんの舌は敏感ですからね。
また、長期授乳中のお子さんの場合、抱っこが好きで飲むお子さんも居られますが、おっぱいの味が好きで飲むお子さんも居られるという事実がある以上、やはりにおいや味が嫌で飲まない場合は、きめ細やかな配慮が必要だと思いました。

 

結論としては、プ●ジ●ン●べ●ーという育児雑誌の「新米ママに食べてほしいカレー、キムチ、魚のフライ」の記事内容は、一理あることもありましたが、でもちょっと違うのではないかと感じたことがいくつもありました。

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2011年4月22日 (金)

超短時間睡眠でも、毎日元気な子はスタミナちゃんかも?

2DKとか3DKのアパートやマンション、社宅や官舎等にお住まいの赤ちゃんのお母さんが1日1歩も外出せず、家事と育児に明け暮れていたとして、大体何歩くらい歩くのか、万歩計で測ってみたことがありますか?
私はあります。
何回測っても1000歩を超えることは稀でした。
オトナの女性が1km歩くのに要する時間は大体12分間かかります。
1万歩歩くのに要する時間は約1時間半かかります。
そう、7km歩くことになります。

個人的な昔話ですが、我が家の3人組は揃いも揃って赤ちゃんの頃からスタミナちゃんで、お昼寝は超短時間睡眠で、毎日家事が捗らずうんざりしていました。
特に長女は10ヶ月には達者に小走りする有り様で、大きなお兄ちゃん達の動きに付いて行ける子でした。
長女が1歳半過ぎになった或る日、私と子ども達3人連れで、1日ずっと外出していたことがあります。
公園で8時間くらい遊び倒し、お昼はバーコラの下で持参したおにぎりとお茶で済ませ、お昼寝はさせず、お買い物もベビーカーは使わず、何から何まで全て徒歩で過ごしたことがあります。
その日、ふと思いつきで、朝イチからスタミナ長女に万歩計を付けたてみたところ、夜就寝までの彼女の歩いた歩数は・・・なんと24000歩を超えていました。
その日は生まれて初めて長女はメッチャよく眠りました。
もちろん私も爆睡しました。
1歳半過ぎのチビちゃんですから、オトナと歩幅は全く異なりますから、一概には申せませんが、オトナの女性に換算したら15kmくらい歩いたことになります。

オトナの女性が毎日15km歩くことはまず無いですよね?
毎日遠足しているようなものですからね。
そんなことをしたら、脚に実が入ってパンパンになりますって。(汗)

そこまでしたら、夜間良眠してくれるって、ウチのスタミナちゃんって、どんだけ体力が有り余っているの?ってことになりますよね?

読者さんのお子さんで、「トコトコ歩くようになったのに、中々長時間眠ってくれない。」「しっかり遊ばせているのに、いつもお昼寝は超短時間睡眠で困るわ。」とお嘆きの方、もしかしたら、ウチの長女のようにスタミナちゃんかもしれませんよ。
お母さんは毎日消耗戦ですが、家事はほどほどに手を抜いて、頑張りましょう!

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2011年4月21日 (木)

某育児雑誌のフォローアップミルク推奨の記事を読んで。

プ●ジ●ン●べ●ーという月刊誌に、フォローアップミルクをお勧めするような論調の記事が掲載されていたと当ブログのコメント欄で教えていただいたので、「どんなことが書いてあるのかな?」と興味が湧き、早速購入してみました。
 
結論から申し上げますと、フォローアップミルクに関する記事内容について、じっくり何度も読み直しましたが、どう考えてもミルク屋さんへの援護射撃をしているとしか、考えられませんでした。
 
確かに離乳食が開始する時期以降の赤ちゃんには、鉄が必要なのは分かります。
 
乳幼児期の鉄欠乏には精神運動機能の発達が遅れる危険性があることも、当ブログでは過去記事に書いておりますし、読者のみなさんも充分に認知されているかと思います。

一般的におっぱい星人の離乳食は少食傾向で尚且つ進みはゆっくり傾向があることは、ご経験されている方も多いとは思います。(もしも「ウチの子はおっぱい星人だけど離乳食はかなりしっかり食べてくれているなぁ。」という印象であれば、それはそれでラッキーだったなぁと思ってくださればよろしいです。)
 
また、育児用粉ミルクを飲ませておられるお母さんであっても、「ウチの子はミルクっ子なのに、離乳食は少食で・・・」と悩んでおられる方も居られるかと思います。

しかし、いずれにせよ、明らかに鉄欠乏が心配される状態で、精神運動機能に問題が出てきているのでは?という場合、フォローアップミルクを飲ませてどうにかしようとするのではなく、まずは信頼できる小児科を受診され、診察や検査をしていただき、必要な治療をするのが先決でしょう。

そうではなく、あくまで鉄欠乏にならないようにするための転ばぬ先の杖として、フォローアップミルクを与えることを推奨するのであれば・・・どうなのでしょう?
 
であれば、わざわざおっぱいや育児用粉ミルクから切り替えてまでフォローアップミルクを与えることに、いかほどの効果があるのか?というデータをミルク屋さんから提示されないことには、切り替えの判断の目安としてフェアではないと考えますが、多分・・・それは無いでしょうね。

念のため某ミルク屋さん関連のサイトを確認してきましたが、ある高名な小児科ドクターが、「離乳食がまだ進まないうちに、母乳や育児用粉ミルクに代えてフォローアップミルクをあげるのは間違い。」「母乳の子が(フォローアップミルクを)喜んで飲めば与えてもよいかもしれませんが、一般に母乳育ちの乳児はフォローアップを含めて粉ミルク自体をあまり飲みたがりません。鉄分の補給は赤身の肉・魚・卵黄等を離乳食で摂取しましょう。」と、解説しておられました。
 
至極真っ当な解説だと感じました。

特に育児用粉ミルクに含有される鉄の量とフォローアップミルクに含有される鉄の量は各社若干の差がありますが、最近販売されている商品の成分表によりますと、各製品を白湯で規定濃度に溶解したと換算して、育児用粉ミルクはおよそ0.8mg/dlであり、フォローアップミルクはおよそ1.0mg/dlでした。
 
多いことには違いないですが、やはりキャッチコピーから得られるイメージほどの差ではないと感じました。
 
栄養方法に関わらず、「何が赤ちゃんのためになるのか?」ということを、お母さんは冷静に判断していきましょうね。

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2011年4月20日 (水)

大きくなったのに、飲んでいたらおかしいの?(4歳1ヶ月)

いつも申し上げていることですが、おっぱいを飲むことはお子さんの権利ですし、一生おっぱいを飲む子もいません。
病気知らずで活発に遊び、夜も眠り、好き嫌いも無く食べて、仕上げ磨きもしっかりさせてくれて、幼稚園生活でも何も問題なくお友達とも仲良くでき、ひらがなで自分の名前をかけるようになっても、おっぱいが好きなお子さんや、おっぱいが精神安定剤で、眠る前にちょっと咥えてみたいというお子さんは居られます。
ある程度(大体2歳以上)お子さんが大きくなられたら、それまでおっぱいライフで様々なトラブルを経験してきたお母さんであっても、腹を括れるのか、「ここまで来たのだから、本人納得の上の自然卒乳させてやりたいと思います。」という言葉が聞かれるようになります。

しかし、暫く前のことですが、幼稚園の先生や祖父母から「まだ飲んでいるの?」「もう止めたら?」と言われ続け、「大きくなったのに、おっぱいを飲んだらおかしいって言われた。おっぱいを飲まないと眠らないのはダメなんだって。」と、泣きながら1週間我慢して飲まなかったお子さんのお母さんとお話しをする機会がありました。
お母さん自身もモヤモヤしておられたようで、「ここまでおっぱいを頑張り、楽しんできたのに、こんなフィナーレでいいのでしょうか?」と、尋ねられました。
確かに飲まなくても眠れたことは、そのお子さんの努力だとは思います。
でも、辛い気持ちを押さえて、泣きながら1週間我慢して飲まないで眠りについたというのは、どうなんでしょうね?
僅か4歳のお子さんに、そこまで精神的に追い詰める権利を持つ者は何処にも居ないし、あまりにも切な過ぎると思いました。
私は、「眠る時におっぱいを飲まなくても、悲しくなったり、泣けてくることが無くなったら、その時こそが自然卒乳の日なのですよ。」とお母さんに話し、「おっぱいは悲しくなったり、泣けてくるうちは飲んでも良いのよ。」と、お子さんに伝えてくださいと頼みました。

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2011年4月19日 (火)

ポジショニングは軌道に乗るまで勝手に変更しないでね。

飲み残しを作らないようにするには、普段から様々なポジショニングで飲ませてあげるのが理想です。
そうすることで、赤ちゃんの授乳テクニックが上達され、乳房トラブル発生時に効果的なポジショニングでの授乳がすんなり出来、改善に繋がることを私は過去記事でも書いてきました。
であれば、「この記事タイトルは矛盾しているのでは?」と思ってしまう方も居られるかもしれませんね。

 

言葉足らずにならないように、私がこれからお伝えしたいのは、おっぱいが立ちあがり始める産後3日目から退院間際に授乳介助をしてくれた助産師から、「●●抱きが一番合うわね。」(若しくは「●●抱きにしてね!」)」とアドバイスを受けた方に対してなのです。
少なくとも「母乳育児を応援しています。」と、公言している病産院であれば、助産師が様々なポジショニングを日々教えてくれるかと思います。
その際、「●●抱きが良いかな~♪」というアドバイスと、「●●抱きが一番合うわね。」(若しくは「●●抱きにしてね!」)というアドバイスの意味は月とスッポンほどに違うのです。

 

「●●抱きが良いかな~♪」の意味は、「どのポジショニングでもOKだけど、乳房の張りやしこりの出来そうな位置を考えてより一層そうした方がいいですよ。」ということです。「ある程度お母さんにお任せしますよ。」というニュアンスですね。
極端に言えば、ポジショニングに関しては助産師は見守りだけで大丈夫と思える方に言う言葉なのですね。
反対に「●●抱きが一番合うわね。」(若しくは「●●抱きにしてね!」)の意味は、「入院中色々やってみたけれど、現段階では●●抱き以外の方法では、乳首を歪めたりつぶしたりのヘンな飲み方をしたり、哺乳量にならないから、おっぱいが軌道に乗るまでは、万全を期して、ポジショニングをいじったらダメだわ。」ということなのです。
「まだまだひとり立ちとは言い切れませんよ。」というニュアンスですね。
ビシッとモノ申す助産師であれば、「●●抱き以外はしないでね!」と、強く念を押されてしまうこともあります。
中には助産師の強圧的な言い方に気分を害されるお母さんも居られるのでしょうが、基礎(=その母子に最適なポジショニング)をマスターすることが最優先事項なので、悪く思わないでくださいね。

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2011年4月17日 (日)

おしっこが半日出ない。体重が増えない。(生後5日目)

直母後に搾乳すれば毎回20mlくらいはスムーズに採取出来て、おっぱいの分泌には問題なさそうで、お母さんにお尋ねしても、「直母の後はおっぱいの張りがラクになる。」と仰っても、生後5日目の赤ちゃんで半日もおしっこが出ない、体重測定しても前日比で10gも増えないという場合は、客観的に見て、直母はあまり飲めていないと判断して間違いないと思います。

もちろん飲めている時もあるのでしょうが、飲めていない時も同じくらいはある確率は高いです。
直母の確実性が低い(不安定)ということですね。

生後5日目といえば、多くの病産院で退院日に相当します。
ミルクの補足を検討した方がいいのかどうか、悩むところかもしれませんが、自己搾乳が可能であれば、取り敢えずはミルクの補足は行わず、直母後に毎回搾乳を補足するというの方法でもよいのではないかと思われます。
(1日の搾乳の補足の目安は退院日の赤ちゃんの体重や直母1回量がおよそどの程度かにより異なります。)

但し、体重チェックのための来院は退院後3日以内をお勧めします。

2週間健診は大事ですが、そこまで待つにはリスクが大き過ぎます。
お母さんも不安でしょうが、担当した助産師も不安だと思います。
(正直言って私はこんな状態で退院してほしくないですね。)
でも、諸般の事情で退院となるのは致仕方ないことですが、であれば、退院後のフォローは早目であることが必須です。
曲がりなりにも母乳育児を応援していますと、標榜する病産院であれば!

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2011年4月16日 (土)

魔乳って知っていますか?

魔乳(まにゅう)…ちょっと、おどろおどろしいイメージが浮かぶ言葉かもしれません。
生まれて間もない新生児ちゃんであれば、男児・女児を問わず乳房が硬くしこりがあるような感じになっていることがあります。
丁度思春期の女の子のようなこりっとした膨らみの…あの感じです。
これは、胎盤から分泌されるホルモンの影響で、新生児ちゃんの乳腺が刺激されてできるしこりなのですが、乳輪から摘まみ出すように触ると出てくる白っぽい液体のことを指します。

成分としてはヒトのおっぱいと同様です。
でも、下手に触ると乳管が開通してしまい、おっぱいが何日も(場合によっては何週間も)分泌し、収拾がつかなくなる危険性が高いですし、不潔な手で触ると新生児の抵抗力では感染性の乳腺炎になる恐れがありますので、くれぐれも面白がって搾ったりしないように。
特に好奇心が旺盛な旦那さん(=赤ちゃんのお父さん)自重してください。
新生児の乳房の硬いしこりに対しては、何もしないのが一番正解です。

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2011年4月15日 (金)

え~っと、それは逆ですね。(汗)

仕事中に育児相談のお電話をいただくことがあります。
分からないことは相談してもらっていいのです。
今回は「聞いてくれたから善しとしましょうか?」とも思います。
でも、「え~っと、それは逆ですね(汗)」と言ってしまうことがありました。

生後1ヶ月の赤ちゃんのお母さんDさんからです。
今回の赤ちゃんが3人目さんで、毎回私の勤務先でご出産いただき、毎回完母でいけている方です。
先日上の子さん達の具合が悪くなったそうです。
それで、「上の子さんの看病は(娘である)Dさんがして、赤ちゃんは(Dさんの実母さんである)おばあちゃん自らがお世話してあげるから、1回にどのくらい搾乳なりミルクなりを飲ませればいいのか、病院に電話して聞いてみなさい。」と指示されたそうです。
確かに「赤ちゃんが生まれたら上の子が僻まないように、気を付けましょう!」と、育児書に書いてあります。
上の子さんも病気の時だから、グズグズ言うかもしれないし、Dさんもお母さんとして看病してあげなくては!という気持ちになるのもよく分かります。
でも、上の子さんも年長さんなので、言い聞かせれば分かってくれます。
上の子さん達は、Dさんのおばあちゃん家としょっちゅう往来しているので、とても懐いておられ、人間関係の面でも特に問題はなさそうです。
まして、産褥期は病気に対する抵抗力が低下していますから、看病していたら今度は赤ちゃんのお母さんであるDさんがが病気をもらってしまう危険性がアリアリです。
だいたい、搾乳は想像以上に大変な作業ですし、3人とも何の問題も無く今まで完母で来られたのに、それをいともあっさりと投げ出してしまうことに何の躊躇もないのか?と私は驚きました。(「Dさんにとって、おっぱいってその程度のモノだったのか?」と、衝撃を受けました。)
ボチボチ離乳食でも食べられるような月齢ならともかく、生後1ヶ月なんて新生児同然ですやん!
安易に哺乳瓶であげれば、それがきっかけで乳頭混乱になる赤ちゃんだって居られるのです。
万一ミルクアレルギーだったとしたら、安易にミルクをあげたら赤ちゃんを死ぬほど辛い目に遭わせることになります。
Dさんのトコロは仲良し母娘のようですが、実母さんの仰ることが、「何か変だなと思わなかったのかな?」とか「母乳育児中の赤ちゃんとお母さんが離れることに対して抵抗感は無いのかな?」と、心配になりました。
なので、思わず、「え~っと、それは逆ですね。(汗)」と言い放ってしまいました。

追記:Dさんの相談内容が分かり辛いというご指摘を受けて、何度か読み返してみて、「はっ!」と気が付きました。
太字の文字の部分が追加の補足部分です。
大変失礼いたしました。(滝汗)

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2011年4月14日 (木)

体調不良時は乳口炎が多発するかも?

乳口炎、痛いですね。
なったことのある方だったらあの痛みはよく分かると思います。
ビリビリ・チクチク…何とも表現し難いイヤラシイ痛みです。

恐ろしいことにお母さんが体調不良や病気の場合、乳腺炎だったら左右両方が悪くなると過去記事にも書きました。
であれば、乳口炎も、左右両方に出来る可能性は有るのか?という疑問が湧いてきませんか?

実はそうなのです。
暫く前の話ですが、「両方の乳首がとてつもなく痛いので何とかしてほしい。」という依頼がありました。
診せていただいたところ、確かに左右合わせて…6個もの乳口炎がっ!
お食事や授乳間隔に問題が無いようだったので、「何かご病気されていますか?」とお尋ねしたら、「虫歯菌が原因で耳下腺が腫れたと耳鼻咽喉科のドクターに指摘され、歯科での治療を勧められた。」とのことでした。
来院時は歯科での開始して間もない時期だったので、まだ治療効果が顕れない段階だったでしょうね。
恐るべし虫歯菌。
恐るべし体調不良や病気。

只でさえ乳口炎部分からの開通はとても困難です。
1個でもなかなかなのに、6個なんて!
「こんなになるまでどのくらい辛抱していたのですか?」と、聞いたところ、「丸1日半です。」とのこと。
意外と速い展開であることが、更に恐ろしく感じられました。

 

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2011年4月13日 (水)

おっぱいに理解のあるドクターも居られます!(某病院呼吸器科)

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいに理解のあるドクターもいらっしゃいます。(某病院呼吸器科)(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

<ご連絡いただいたこと>
先日風邪を引いた時のkもとです。
症状が辛く、我が子(もうすぐ8ヶ月)を生んだ総合病院に行きました。
呼吸器科(内科も担当してる先生でした)に通され、「授乳中」だと伝えると、ドクターはパソコンの画面を見ながらお薬を探してくれてました。
なんと!★おっぱいとお薬/番外編で紹介されていた、

国立成育医療センターの「授乳とお薬」のページでした。
それに気づいたときはなんだかすごく嬉しくなって、一人「次もこの病院で産もう」と心に決めました(笑)
(実はそこの病院、息子を産んだ頃に産婦人科が再開したばかりだったので、正直そこまでオッパイを大事にしてくれてるとは思っていませんでした。)

<SOLANINからひとこと>
妊娠中とか授乳中の方にお薬の処方を避けたいとお考えのドクターは、正直言ってまだ多数派と思われます。
現時点では、お薬の添付文書にはNGと書いてあるから断乳を勧められるドクターやおっぱいを続けたいならお薬は処方できないとお断りされるドクターに遭遇する確率の方が圧倒的に高いのです。
そういう事情があるので、体調不良の際は産婦人科の受診をお勧めしているわけですね。

けれども、今回はご出産された総合病院の呼吸器科を受診されたところ、幸いにもPCに国立成育医療センターの「授乳とお薬」のページを閲覧できるようにしておられるドクターに診ていただくことが出来たのですね♪
良かったぁ~!
これが有るのと無いのとでは、大違いです。
こういうドクターもいらっしゃるということは、おっぱいライフを過ごしている母子にとって、大変有り難いことですね。
心強いですよね!
「次もこの病院で産もう」という気持ち、とても共感できます。
ご連絡いただいたことを読ませていただき、私も嬉しくなっちゃいました。

ただ、念のため、産婦人科以外の診療科や初めて受診する病院の場合は、可能であれば事前に授乳可能なお薬の名前を調べてからにされるか、それが無理ならば、「先生、国立成育医療センターのHPをチェックしていただけませんでしょうか?」と、一言申し添えていただくことが、赤ちゃんとご自身とおっぱいを守ることに繋がるかと思います。
この記事のSOLANINからの注意事項の部分が、SOLANINの老婆心だねと笑い飛ばせる日が来ることを願って止みません。

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2011年4月12日 (火)

いくら吐乳が怖くても・・・(新生児)

赤ちゃんが吐乳をすると、お母さんはとても心配だし、新生児であれば尚更だと思います。
でも、どんな時でも母乳育児をするからには、頻回直母が基本です。
中には超過分泌で、早期新生児(生後7日目以内)でありながら毎回100ml以上コンスタントに飲む故に、新生児が殆ど自分からおっぱいを催促することが無く、授乳回数が6〜7回/日になる方も居られますが、ハッキリ言ってそれは極端なレアケースです。

中には赤ちゃんが病気ではないかとご心配されるお母さんも居られるかと思いますが、例えば「先天性肥厚性幽門狭窄症」という病気であれば、腹部XP撮影をしたら、胃拡張であることが見られます。
「ヒルシュスプルング病」という病気であれば、頑固な便秘を伴います。
そしてそれらの病気は、そう滅多にあるものではないことは確かです。
吐乳の殆どは心配のないもので、どうしても大丈夫かどうかが気になるのであれば、お母さんの自己判断で授乳回数を減らす前に小児科で診察を受け、相談すればいいのです。

退院時に直母のみでOKの段階に到達していても、新生児に1回3分1クールで、6〜7回/日しかおっぱいをあげなかったら、ほぼ確実に干上がります。
体重増加不良だけではなく、新生児が衰弱したら大変ですから、くれぐれも無茶な授乳回数の制限をしないでくださいね。

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2011年4月11日 (月)

乳頸部亀裂に対する創部被覆材の活用について。

産科入院中の段階であっても、アトピー性皮膚炎のお母さんの場合、乳頸部に亀裂が入ってしまう場合があります。
アトピー性皮膚炎ではないお母さんの場合は、産科入院中は乳頸部に亀裂が入ることは頻度的に少なく、万一亀裂が入っても、過去記事にあるように凍らせた“
乳首リング”を直母前に3分間装着していただければ、吸啜時の痛みを緩和しつつ徐々に亀裂が軽快していくのを待つことが出来ます。
もちろん口内炎治療薬の『デスパコーワ』を塗布されても良いかと思います。
ただ、アトピー性皮膚炎のお母さんで、産科入院中の「超」頻回直母中であると、、『デスパコーワ』を塗布してラップしていこうにも、塗り剥がし状態なので効果が出にくいことが経験されます。
もちろん凍らせた“
乳首リング”を毎回装着されても良いのですが、亀裂の回復がアトピー性皮膚炎ではない方よりも遅いことが想定されます。

そこで、喫緊の吸啜時の痛みを緩和するために何か良い方法が無いか?と、考えていましたところ、創部被覆材の活用することを閃きました。
ポリウレタンフィルム・ドレッシング材を亀裂部に貼付するのです。
看護師さんや介護士さんだったらどなたもご存知かとは思いますが、商品名で言えば、テガダーム®・オブサイト®・バイオクル―シブ®等です。
片面が粘着面になっている透明でとても薄いフィルム材です。
性能面では水蒸気や酸素を透過させることが出来るため、貼付した内側が蒸れにくい構造となるスグレモノです。
適応をチェックすると、出血を伴わない創面、浅い褥瘡(じょくそう…と読みます。一般的には床擦れと称されるものです。)、水疱の保護等と記載されていました。
さすがに適応には乳頸部亀裂とは書いてありませんでしたが、素材がとても薄くて透明であることから、万一亀裂部から血液や滲出液が出てきたら?の場合でも、直ぐに気が付くことが出来ます。(そういう場合は創部の段階として適応外であることが、明らかなので使わない方がいいと思われます。)

私の勤務先にはオブサイト®がありますが、幅が10cmくらいあるロール状のモノを切って貼るので、赤ちゃんが吸いこんで食べてしまう恐れは無いと思われます。
もちろん、1枚貼りでは薄過ぎて、痛みの緩和が困難なので、同じ大きさに切ったモノを2枚重ねて貼り付けます。
早速アトピー性皮膚炎で乳頸部亀裂のあるお母さんに貼付させていただいたところ、「直母をした瞬間の強烈な痛みの衝撃波が、殆どありません。」と満面の笑みで感謝されました。

余談ですが、以前乳頸部亀裂に対し、キズパワーパッド®を使用することについて、ヒトや動物の噛みキズには貼らないようにという注意書きの解釈判断について、ある読者さんとSOLANINとの間でひと悶着がありました。
個人の責任(=自己判断)で乳頸部亀裂に貼る分については、なんら問題ないのではないかと思われます。
常識の範囲内で患部の観察やケアを怠らなければ、感染の恐れは低いと考えられるからです。
もちろん、SOLANINは、乳頸部亀裂へのケアとして、ポリウレタンフィルム・ドレッシング材やキズパワーパッド®の使用を強要するつもりは毛頭ありませんので、くれぐれも記事内容を曲解なさらないようにご注意願います。

 

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2011年4月10日 (日)

乳頭保護器は使いたくないけれど。(新生児)

私は時々、おっぱいを飲むときに必ず左右両方の頬っぺたの内側のお肉を吸引して肝腎の乳頭・乳輪は超おちょぼ口で舌の巻き付けが出来ていない赤ちゃんに遭遇します。
乳頭・乳輪の巻き付けが出来ないどころか、乳頭を口唇や歯茎で挟み込むだけの場合もあります。
(えくぼちゃんの一種ですが、バキュームちゃんと呼んでいたりします。)

こういう場合直母に拘ると、乳頭損傷が酷くなり、大きなお口でガブっと咥えることや、乳頭・乳輪は舌でしっかり巻き付けるという、正しい哺乳動作がいつまで経っても出来ないおそれがあります。

たとえ0.5mlであっても搾乳が出来るのであれば、毎回でも搾乳はしてください。
バキュームちゃんのお母さんは乳頭への有効刺激が少ないので、おっぱいの分泌が遅れるのを防ぐ意味でもあります。
そして、その搾乳はフィンガーテストをする要領で、シリンジであげてください。(搾乳量が極少量の場合適宜5%ブドウ糖液を加えることもあります。)
バキュームちゃんの場合、フィンガーテストは正常であることが殆どなので、このようなあげ方をすることが、直母上達のためのトレーニングになるのです。
同様に、ある程度おっぱいの分泌が増加してきたら、乳頭保護器を使用して直母させると、やはりフィンガーテスト同様、頬っぺたの内側のお肉を吸引しないようなので、これも直母上達のためのトレーニングになるようです。
もちろん、乳頭保護器は各社様々な商品が販売されていますし、ゴム乳首も代用できますので、どれがその赤ちゃんに合うかは、何種類か試さないとぴったりくるモノにヒットしないこともありますが。
直母上達のためにであれば、試してみる価値は大いに有ると、私は思います。

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2011年4月 9日 (土)

どんな方でも乳腺炎になると、分泌低下します。

赤ちゃんの性別、体重、授乳回数、月齢その他ありとあらゆる条件に関わらず、お母さんが乳腺炎になると、おっぱいの分泌機能は低下します。
普段から分泌過多傾向で、赤ちゃんの体重増加度が標準ペースの2倍3倍のお母さんであっても…です。

只でさえ乳腺炎になると、おっぱいのお味が悪くなるので、グルメな赤ちゃんの場合、哺乳意欲がガクンと低下することもありますから、更に困ったことになります。

暫く前におっぱいの分泌が伸び悩み、赤ちゃんの体重増加度があまりに低調で、止むを得ずミルクの補足をせざるを得ないお母さんが居られました。
元々お母さんが極度の冷え症で、おっぱいがガチガチでほぐれにくいことに加え、赤ちゃんが下手っぴちゃんだったのです。
こういう母子の組み合わせの場合、お食事には人一倍気を付けて貰わないといけないパターンなのに、こともあろうにおばあちゃんが「お餅を食べたらおっぱいが張るから、しっかり食べなさい。」と、強く勧められたので、1日2~3個ずつ食べて、3日目におっぱいが赤い岩石化し、熱発したそうです。(当たり前ですが…)

おっぱいは滲むような出方にまで低下しました。
赤ちゃんはおっぱいを近付けても仰け反って嫌がります。
以前から少なかった体重増加度、はそれまでの半分強程度に下落して、惨憺たる結果です。
赤ちゃんに沢山おっぱいを飲ませてあげたい気持ちは痛いほどよく分かりますが、だからこそせめて、こういう方の場合、乳房トラブルを起こさないように自己管理することこそが、最重要課題なのですね。

乳腺炎はおっぱいが痛くなったり、おっぱいの味が不味くなるだけではないのです。

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2011年4月 8日 (金)

乳口炎でおっぱいが全く滲まない場合は?(6ヶ月)

<ご相談内容>
私は現在、6ヶ月の赤ちゃんを母乳育児中ですが、乳口炎と闘っている最中でして…この一週間で4回マッサージに通いました。

最初に助産院に行った時、乳口炎の部分に表皮が出来て母乳が一滴も滲まない状態で埒があかないということで、注射針で皮を突かれました。

※針で突かないほうがいいという記事は後で見つけ、時すでに遅しでした(涙)

そこで教えていただきたいのですが、乳口炎の部分に皮が出来た場合、針で突く以外はどのように対処するのですか?素人の単純な考えだと、「皮を破かないことには、詰まった母乳出せないのでは?」と思ってしまうのですが…
SOLANINさんはどうされているのですか?
お世話になっている助産院を切り盛りしているのは70歳前後のおばあちゃん先生で、乳口炎になる数ヶ月前にも2回乳腺炎でお世話になり、マッサージは痛くなく1度で解決してくださいます。

そのようなベテランの方がマッサージしても開通しない場合があるんだ?!という驚きと共に、針で突くのは良くないという記事を読み大きな疑問を抱いたので教えていただきたいです。

ちなみに一刻も早く治るよう、授乳後のデスパコーワ、じゃがいも湿布、ごぼうし服用、食事内容の見直しを始めました。
授乳中・後のおっぱいビリビリな痛みは減ってます!

 

<SOLANINの回答>

少し話がのっけからズレますが、今年の2月末に岡山で開催された「助産師のための母乳育児セミナー」(毎年開催され、私の勤務先からは大抵新人さんが毎年参加されています。今年は池川明ドクターが講演されるので、トウの立った私も参加したかったのですが、個人的な事情で、叶いませんでした。)で、乳口炎に針を使うか否かで侃侃がくがくだったそうです。

ベテランの助産師であっても、乳口炎の部位からの開通は困難を極めます。
開通するまではかなりの痛みを伴います。
ですので、お母さんの苦痛を減らすとか緊急避難の意味で針を使うのだと私は解釈しています。
これは針使用反対派のSOLANINとして、あくまでどうしても針を使うのであればという場合の私見ですが、
今速攻で開通しても大変再発し易いこと、3~7日のうちにリバウンド状態になっても構わないか?という最悪の場合の情報提供をして、お母さんの同意が得られたらしてみられたら?ということです。
それをせずしていきなり針で突くのはフェアではないと考えます。
再診が重なると、お母さんの心理的・身体的・経済的な負担が大きくなってきますからね。(でしょ?)

確かに乳口炎の薄皮部分が取り除けなかったら滲みもしないことは自明の理です。
乳口炎は慢性乳腺炎でもあると故・山西みな子先生も仰っています。
慢性乳腺炎のケアも必要です。
SOLANINは何をしているかですって?
そうですね~。
乳房マッサージも必要ですが、健康な部位からは分泌させないようにします。
できるだけ乳口炎の部位を刺激するような形のマッサージをします。
この時、アロマオイルを乳房に塗布してからマッサージをすることもあります。
(普段のマッサージにアロマオイルは使用しませんが、乳口炎の時は使った方がお母さんの苦痛が少ないように見受けられるので。)
赤ちゃんと共に来院していただき、健側の乳房からのおっぱいを赤ちゃんに飲んでもらいながら、乳房マッサージをすると、開通し易いと思います。
(もちろんお母さんは仰臥位です。)
こういう場合にありがちな、S○C式的な乳頭をビュンビュンと引っ張り伸ばすようなマッサージは痛いだけなので、私はしません。
水疱状に膨らんで来たら、圧の掛け方を調節したら、勝手にプチンと弾けると思います。
膨らまない時は、乳房マッサージはボチボチで止めて、背中のリンパドレナ―ジュをします。
初めての方は対処法も何もご存じないので、内服と外用(罨法と塗布)の必要性と飲ませ方とお食事の内容や食べ方の説明をします。
こんな感じですかね。
相談者さんが一刻も早く治るようにセルフケアをされた諸々のことは、治療効果を高めますから、続けていただくよう説明することも欠かせません。
それから…きちんと説明したのに後で、「聞いていない。」と言われたら困るので、私はパンフレットを作成し配布するようにしています。

 

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2011年4月 7日 (木)

エナメル質減形成とは?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「エナメル質減形成とは?(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事

エナメル質減形成って、聞いたことがありますか?
原因は遺伝性の疾患の一種であることもあれば、未熟児さんであったからということもあり、様々だそうです。(原因はよく分からないという説もあります。)
元々乳歯のエナメル質は粗く薄い構造なのですが、減形成の方はそれすらもままならず…という状態なのですね。
「これって虫歯?」というような白い濁点が1歳そこそこで歯の表面に出現したり、実際に虫歯リスクの高い歯であると言えます。

サホライド(いわゆる虫歯の進行止めですな)を使うこともあると聞きますが、Agが入っていますから、歯が黒くなることは否定できません。
場合によっては、レジンでコ―ティングすることもあるそうです。
フッ素塗布は…確かアレはエナメル質に塗布するものですから、どうなんでしょう・・・
レジンでコ―ティングしてから塗布なのでしょうか?(ちょっとその辺りは私には分からないです。)
実際にはどのような方法で虫歯の予防及び治療をしていくものなのか、実際に歯科領域でエナメル質減形成のお子さんへの対処をしておられる専門家の方、ご教示いただけませんか?
私の穿った見方かもしれませんが、「おっぱい=虫歯}説を唱えられる歯科のドクターは、もしかして、こういうお子さんに対して、指摘されているのではないかと思えてしまうのです。

普段からお母さんが気を付けることとしては、当たり前ですが以下の通りです。
一つ目は、虫歯リスクを減らすためにお菓子は禁止された方がいいです。
近隣に甘過ぎる祖父母が居られる場合は、もちろん祖父母の協力も欠かせません。
理性的な祖父母であればいいのですが、甘いお菓子で可愛いお孫さんを「餌付け」もしくは「籠絡」しようとする危険過ぎる祖父母は世間にゴマンと居られますからね。

二つ目は、仕上げ磨きをきっちりすることです。
子どものセルフ磨きはチャラいということは、もうみなさんご存知ですものね。

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2011年4月 6日 (水)

花冷えの季節です。保温に注意。

桜前線が北上してきて、入学入園の季節になると、麗らかな日が増えてくるせいか寒さが気になるお母さんは減ってくるようです。
けれども、花冷えという言葉もあるように、高緯度地方から冷たい空気を持った高気圧がそれよりも低緯度地方に進んで来ると、一時的ですが気温が低くなる時期でもあります。

赤ちゃんのお部屋の室温は大丈夫ですか?
室内環境が相対的に寒くて、体重増加不良になる赤ちゃんは、木枯らしの吹く頃から花冷えの頃までしばしば出現しますので気をつけてね。
体温調節が上手く出来ていますか?
脛や前腕の色が紫色になっていたり、冷え冷えになっていませんか?

お母さんの冷えや肩凝りが酷くなっていませんか?
たんぽぽ珈琲や蓬茶や生姜湯を摂っていますか?
入浴をシャワーで済ませるにはまだ早いですよ。
入学入園の上の子さんが居られる方や引っ越しを伴う転勤のあった方は、家族中気が張っている時期です。
出来る限り就寝時間を早くして、体力の消耗を防ぎましょう。
保温と適度な休養は乳腺炎の予防としても重要です。

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2011年4月 5日 (火)

乳腺炎?乳口炎?鑑別は?(7ヶ月)

<ご相談内容>
我が子はもうすぐ8ヵ月ですが、完母にて8300gを超え、体重増加は順調です。
先月上旬に、左乳首の横にしこりが出来歩くのも乳房が揺れて痛いほどでした。
体温は37度ちょっとでした。
出産した病院は大学病院で、祝日で産科病棟に電話したところ、病院では急外での対応しか出来ないので、唯一ある助産院を教えて頂きました。
紹介された助産院でのマッサージはかなり痛くて、歯を食いしばるほどでした。
その日は1時間半ほどマッサージして頂きましたがしこりは開通しなかったと言われました。
実は私は全身アトピーが酷く、乳房も真っ赤、乳首も赤みがあるような状態だったので、乳首にステロイドを塗るように言われました。
夜になり最強母乳外来のおチチトラブルの記事を読み返して自分のチチを見たところ乳首に白いぽつぽつがありました。
だけど、助産院では乳腺炎と言われたし乳首の奥にチリチリピリピリする嫌な痛みが続いていたので、それは乳口炎っぽいように思いました。
芋湿布は痒くなり出来ず、取り敢えずステロイドを塗りました。
(授乳のたびに洗い落としました)
そして頻回授乳をしました。
翌朝赤みが少し引いたのでデスパコーワ塗りました。
1週間ほどでしこりは消失しました。
ただ、万一また同じ状況になったらどうしたらいいでしょうか?
助産院の助産師さんには乳腺炎の原因はアトピーだと言われたのですが、私には乳口炎じゃないかと思うのですがそれもやはりアトピーが原因にあるのでしょうか?
今はアレグラで乳首は悪くありませんが白いぽつぽつは消えません。
またトラブルになったらとにかくステロイドを塗るようにと言われたのですが、ステロイドを塗るべきかデスパコーワを塗るべきか。
失礼だと思ったのですが、他の助産院を探してみましたが、車で2時間ほどかかるところにしかなく到底かかれません。
大学病院の母乳外来について電話をして聞いたのですが、マッサージなどもあまり上手な助産師さんがいないから、その助産院の方がトラブルのときはいいよと言われてしまいました。
産後7ヶ月経って初めてのトラブルで不安です。
どうかよろしくお願いいたします。

 


<SOLANINの回答>
ひゃ~。
1時間半もの乳房マッサージ、痛かったでしょうね。(泣)
と、同時に、その助産師さんも頑張られましたなぁ。
その日開通しなかったのはとても残念でしたが、客観的に見て、独立開業されているくらいなので、決して腕の悪い方ではないと思いますよ。
大学病院には大勢の助産師が居ます。
なのに、大学病院の助産師で乳房マッサージの上手な方があまり居なくて、開業助産師を勧めるということは、もしかしたらおっぱいケアについて、今イチ熱意に欠ける病院なのかもしれませんね。

さて、本題です。
まず最初にお断りしなければいけないことは、私が、直接相談者さんのおっぱいを診させてもらったわけではないので、いただいた文章から判断した限りにおいて・・・ということです。
軽々しいことは言えませんが、今回の場合、私は診断的には相談者さんの方が正しいと考えます。
痛みの出方、乳頭の所見、熱発していないこと等を鑑みて、乳口炎である可能性が一番高いです。
その次に可能性があるとしたら乳栓でしょうか。

また、相談者さんはアトピー性皮膚炎とのことですが、もしもアトピーが重症化して乳腺炎になったのであれば、両側とも痛くなる筈です。
でも、今回は片方でしょう?
ということは、アトピー由来の乳腺炎とは考え難いですね。

いずれにせよ、乳房の循環が悪くなっていることは確かですから、『葛根湯』の内服はされた方が治りが早くなることが期待出来ます。
嘱託医に処方箋をきってもらえるならいいのですが、何かの事情で処方箋をきってもらうことが難しい場合は、自分で薬局で購入することになるかと思います。

また、乳口炎のケアについては『デスパコーワ』の塗布&ラップ療法がベターです。
乳頭・乳輪の皮膚がズルズルに剝けて、滲出液が出ているならば、過去記事(まなりんさんの知恵)に書いてあるように、ステロイドを塗布された方がいいのですが、そこまで酷くはなっていないのであれば、『デスパコーワ』で充分です。

アトピー性皮膚炎の方は、痒みの問題もあるので、じゃがいも湿布も厳しいかもしれませんが、もしもしこりを冷やした方がラクであるならば、しこりを保冷材でアイシングしてもいいですよ。(冷やしてもラクでないならば、冷やさないでください。)

まずはおっぱいトラブルは予防が肝腎です。
次に同じようになった時のことを想像すると不安でしょうが、ならないようにする努力はもっと大事ですよ。
今回のトラブルが発生した原因が何かということをよく掘り下げていけば、予防策は自ずと出て来ますよ。
その他詳細については、当ブログ★記事の「★乳頭・乳輪トラブル」をご精読くださいませ。

 

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2011年4月 4日 (月)

疳の虫が騒ぎ出す。(2ヶ月)

<ご相談内容>
ご相談したいことは、赤ちゃんの『疳の虫』についてです。
生まれたときから、聞き慣れない物音がすると、天を仰ぐように両手を広げ全身をこわばらせる子です。
また、睡眠中に突然火がついたように甲高い声で泣き出し、オムツが汚れているのだろうとベビー服のボタンをパチパチと外すだけで驚き、ひきつけを起こしたかのように悲鳴をあげます。
そんな娘を見て、私の母は「疳の虫が強いね。あんたが妊娠中に情緒不安定だったからだよ」と言います。

たしかに、仕事のことなどで毎日泣いて暮らしていた時期がありましたが、それが赤ちゃんの性格(気質?)に影響してしまったと思うと、悔やんでも悔やみきれません。
過去記事を読ませていただくと、『お母さんの食事の内容がカンの強さとリンクしている』とありましたが(髪の毛が逆立つ話。ちなみに我が子の髪も逆立っています)、具体的にはどのような食事が良くないのでしょうか?
正直なところ、インスタントのものは食べず、お肉より魚・野菜中心の食事にしている以外はあまり厳しくは節制していません。乳製品も卵も、大量ではありませんが一般的な分量を食べています。
今からでも食生活を改善することで我が子の症状を治せるのなら、どうしても治したいです。

我が子が絶叫するたびに、落ち着くまで立て抱きで強めに抱き締めるようにしているのですが、毎度毎度生きた心地がしません。
どうかアドバイスいただけると嬉しいです。

<SOLANINの回答>
ううむ。
赤ちゃんの疳の虫に困っておられるのですな。
(もちろん昆虫図鑑には掲載されていませんぞ。)
確かにお母さんのお食事があまりにも乱れているようであれば、キツく症状が出ることもあるのですが、ご相談の文章からは大きな問題点は見つからないように思えます。
おばあちゃんのご意見も尤もなのでしょうが、今更時間を巻き戻せない以上どうにもならないですから、振り返るのではなく、前を向いた方が建設的だと思います。
では、何故こんなに疳の虫が騒ぎ出すのか?
ご相談の文章から察するにかなり繊細な感性をお持ちの赤ちゃんのようです。
怖がりさんというか、何かにつけ不安感も強い印象を受けます。

これは穿った見方かもしれませんが、赤ちゃんの疳の虫が騒ぎ出すと、お母さんの方もテンパッてしまい、表情も引き攣っていませんか?
声掛けをする余裕がないのではありませんか?
えっ?ちゃんとしてますって?
でもね、「何で泣くの?」とか「お願い泣かないで~!」では、NGなのですが・・・

ひとつの方法として何かをする時には、必ず説明をしてあげては如何でしょうか?
「ドアが閉まっただけだよ。ビックリしたの?」とか「今からおむつを替えるからボタンパチパチ音がするよ。」とか「じゃあこれからお尻を拭くよ。」「あれ、冷たかった?ごめんね。」とか。
そして「お母さんはここに居るよ。大丈夫だよ。」と必ず教えてあげてください。
それから抱き締める。
時にはスクワットもしてますか?
手をワナワナと震わせたり、突き上げるようなポーズを取るならば、赤ちゃんを過剰に刺激しないように、寝かせる時はおひな巻きにして、U字クッションに乗せて寝かせていますか?
疳の虫が騒ぎ出すと、何となく赤ちゃんが小っこくて凶暴なモンスターに見えてくるかもしれませんが、決してお母さんを取って喰らうわけではありません。
もちろんもっとお母さんがイニシアチブを取ってもいいのですよ。
お母さんが不安だと、赤ちゃんはもっと不安になってしまいますからね。

もうひとつは、ベビーマッサージです。
私が赤ちゃんを育てていた頃は殆ど普及していなかったですが、今は全国津々浦々、普及してきていますね。
もちろんお教室に通わなくてはならないけれど、赤ちゃん連れの目的のある外出って、お母さんにとっても気分転換になるのではないでしょうか?
昨今はインストラクターさんの人数も増えてきましたから、環境的に昔よりもお教室に通い易くなっていると思いますよ。
ベビーマッサージが普及してきたのは、赤ちゃんに心地よいものであることと、お母さんとのスキンシップやコミュニケーションタイムとして、優れているからだと私は思います。

それから、小児鍼灸。
これも効果的だと言われています。
ウチの次男は暫く通院したり、虫ローラーというモノを購入しました。
(背骨の両側を刺激する先の丸い針がいっぱい付いたローラーです。)
赤ちゃんに鍼灸をしてくださる治療院はお近くにありませんか?

それから、2ヶ月では早いのでしょうが、漢方の丸薬も市販されていますよね?
もしかしたら、合うかもしれないですね。

何が合うかはやってみないと分かりませんし、即効性があるかどうかは個人差があるので何ともお答できませんが、試してみる価値は有ると思います。

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2011年4月 2日 (土)

他サイトのフォロ―アップミルク礼賛に惑わされないでね。

<ご連絡いただいたこと>
 
先日ミ○シ○の方でフォローアップミルクについてのトピックがあったので、「要らない。」とコメントしたら、見事に反論されました(;´Д`A
「あげないと寝てくれないんだもん!」と。

 
しかも「ココはフォロミについてのトピックだから、反対派は書き込まないで。」とも…(-_-;)
 
うーん。
 
さらに強烈だったのは最強母乳外来の某読者さんからも「わたしも読者だけどあげてますが、何か?」というコメントがっ。
 
「読者ならフォロミが赤ちゃんにはよくない&不要なものと記事で学んでいる筈なので、尚更あげたら駄目でしょ~が!」とツッコミたくなりました。
 
もう救いようがないです。(涙)

SOLANINからひとこと>

どうもフォロ―アップミルクに関しては深くて暗い闇があるようです。
 
他サイトでは性懲りも無く、フォロ―アップミルク礼賛ちっくなスレがバンバン立っています。
 
ミルク屋さんの陰謀ではないか?というくらい。(汗)
SOLANIN
としても、正しい知識を普及させたいのは山々ですが、返り討ちに遭っては大変ですから、無理なさらないでね。

私はミルク育児を否定する気はさらさら無いのですが、個人的に許せないのは、「フォロ―アップミルクは安いから、家計が助かるのよね。」という理由であげておられる場合です。
 
愛する赤ちゃんのカラダに負担をかけてまで切り詰めなくてはならない家計って、どんな家計なのでしょうか?
 
貧しくても、そこは切り詰めちゃあいけないですよ。
 
よくも恥かし気もなく、しゃあしゃあと言えたものです。
 
それってまるで、やり過ぎた事業仕分けじゃないですか!違いますか?

このほか、「大きくなった赤ちゃんには鉄分とたんぱく質が多く必要だから良いモノに決まっている。
 
良いモノでなかったら販売している筈が無い。」と頭から決めつけて、フォロ―アップミルクがどんなものなのか検証しようとしないお母さんも世間にはゴマンと居られるってことなのでしょうね。
 
どうかご自分がキャッチコピーに踊らされていることに気が付いて欲しいです。
 
これまでご自分のしてきたことを否定されて逆上される心理は分からなくもないですが、そこはお母さんとして一旦冷静になっていただいて、当ブログの過去記事に書いていることが事実かどうか検証してみられる行動力を持っていただきたいですね。
 
そうすれば黒白ハッキリとカタが付きますからね。

理性的な行動力を持っておられる方は、もちろん他サイトのお母さんにも少なからず居られることを私は知っています。
 
そういう方はきちんとご自分で検証され、当ブログの読者さんに登録され、熱心に過去記事も読んでおられます。
 
そして、途中からとはいえ、「何が正しいのか気が付きましたから。」と、きっぱりフォロ―アップミルクを止めて赤ちゃんの健康に配慮しておられます。
 
「どうせなら、赤ちゃんにはより良いことをしてあげたい!」と願うのは、お母さんとしての本能のようなもので、栄養方法に関わらずだと思いますが、フォロ―アップミルク擁護派のお母さんは、そうはお考えにならないのでしょうか?
 
その点がとても心配です。

しっかし、当ブログの読者さんの中にもフォロ―アップミルクをあげている方が居られると聞いて、正直言ってビックリしました。
 
なんでですか?
 
「最強母乳外来の読者ですが、フォロ―アップミルクをあげてますが、何か?」ってレスはどうみても逆切れですやん?
 
悲しいですわ。


追記:厚生労働省が2007年に出した『授乳離乳の支援ガイド』のダウンロードは下記からできるようにURLを貼り付けました。
 
↓       ↓       ↓
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T20110307N0091.pdf#search=' 厚労省、授乳離乳の支援ガイド'
 

P42
27行目から、「フォローアップミルクは、母乳または育児用ミルクの代替品ではない。必要に応じて(離乳食が順調に進まず、鉄の不足のリスクが高い場合など)使用するのであれば、9か月以降とする。」と、記載されていますが、それがフォローアップミルク推奨派の方には、「9か月になれば、わざわざ切り替えてでも飲ませるべきもの」という風に解釈されるということなのでしょうか…


WHO
でも、1975年には、「フォローアップミルクは乳児の食物の液状部分として使用する食品」と定義しています。フォローアップミルクは食品であり、育児用粉ミルクではないのです。
WHO
の定義(つまり世界標準)が36年を経た現在の我が国で未だに周知徹底していないということは、ある意味とても嘆かわしいことであり、同時にミルク屋さんの営業がいかに凄まじいかということを物語っているかということなのでしょうね。
 
201142日)

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2011年4月 1日 (金)

胃腸炎が治ったのに、離乳食をえずいて食べません。(10ヶ月)

<ご相談内容>
ウチの子は10ヶ月で、完母で育てています。
まだ上手くおっぱいを飲めず、体重が増えなかったとき、こちらのブログに出逢い、幸い一度も哺乳瓶を使うことなくおっぱいをあげることが出来ました!
今も、毎日楽しくおっぱいlifeを満喫しています♪

ただ、ウチの子は現在.離乳食を、全く食べません(汗)
過去記事でも、おっぱい星人は離乳食の進みが遅い傾向があるとおっしゃっていましたのでさほど気にしていませんでしたが、ウチの子は、ヨーグルトしか食べません...。
現在2回食です。1回食の頃はお粥や野菜とうふ等、かなり量は少ないながら順調に食べていましたが、2回食にしてすぐ今年始めにロタウイルスにかかり、離乳食を10日ほどお休みしてから食べなくなりました。
離乳食再開してからずっと、ヨーグルト以外の食べ物を口に入れると、(一応食べようと口は開くのですが。)『オエッ』と、えづくようになりました。
吐きはしないのですが。
小児科では、ロタウイルスも完治してるし特に体調が悪いところもないのでお腹を空かせて、おっぱいをあげる回数を減らすように言われました。(笑)
そこでお聞きしたいのですが、ある程度食べないのはしょうがないと思うのですが、
今までsolanin さんは離乳食を『えづいて食べない』お子さんは、ご存じでしょうか?
離乳食相談や、小児科で解決しなかったのでご意見をうかがいたいとおもいプチメさせて頂きました。
変な質問で申し訳ございません。

追記:唯一食べるヨーグルトはプレーンヨーグルト(プチダノンのカボチャやほうれん草など、甘い味のものはもちろんぱくぱく食べますが、砂糖が入っているのでほとんど食べさせて居ません。)
味噌汁の上澄みなどのスープもえづきます。
体重も現在8200gあり順調に増えています。

<SOLANINの回答>
赤ちゃんの嘔吐反射は様々な場面で発生します。
病気ではなくても、食べ過ぎ飲み過ぎの時、指しゃぶりで自分の指を突っ込み過ぎた時、仕上げ磨きをして居て、うっかり歯ブラシが喉の奥の方に入ってしまった時、小児科でドクターが舌圧子をお口に入れた時、泣き過ぎた時なども、オエっとなったり、実際にリバースすることもあります。
もちろん胃腸炎で嘔吐や下痢を繰り返していた時もそういうことはあるでしょう。
何も吐くものが無くても、カラえずきをしたりとか・・・

確かに病気は治り、ドクターの仰ることも分からないでもありません。
では、ホントにおっぱいの回数を減らして、何があっても離乳食を食べるように仕向けたとして、嘔吐反射が収まるかといえば、どうなんだろう?という疑問符が付きますね。
誤解の無きよう申し添えますが、私はドクターの診立てを否定する気は無いです。
ただ、あくまで経験的なものですが、おっぱい星人でなんらかの病気で離乳食の食べるペースや量が復旧するのに、長いと発症から治癒迄の期間の2〜3倍の期間を要するように見受けられます。
例えば病気の期間が10日間であればドクターが「再診不要、あとは様子見てください。」と仰った時点から20〜30日くらいかかるのは想定内という意味です。
病み上がりの赤ちゃんの食事面でのリハビリ期とでも言いましょうか。
食べることに対する意欲や、消化能力には個人差もあるし、ましてオトナと同列に論じるにはいささか無理があることはご理解いただけるかと思います。
おっぱいは荒れてしまった消化管の修復にも有効と考えられますので、制限する必要性は無いと思います。
今はプレーンヨーグルトだけですが、えずくことなく食べられるのですから、それで良いと思います。
徐々にえずかずに食べられる食材も増えてくる筈ですよ。
現在の体重が8200gで、順調に増えているのですから、これも問題なしですね。
もちろん、入院し、持続点滴をしなくてはならないくらい重症だった場合は、僅か1週間で赤ちゃんの体重が500gくらい減少することも稀ではありません。
そういうことも無く病気が治癒したのであれば、これはある意味ラッキーです。

少し話はズレますが、これまで離乳食を手掴みで食べさせたことがありますか?
食べさせてもらうのではなく、赤ちゃん自身が食べるくらいの力が付けば、お口に食べ物を入れたとして、突っ込み過ぎ以外の理由でえずくことは無くなると思われます。
また、離乳食のペースや量が復旧するのが長期化するようであれば、ご心配かとは思いますので、運動機能の発達、頭囲、体重増加に問題が無いか、月イチくらいでチェックしてもらっては如何でしょうか?
それらに問題が無ければ、もう少し待ってみようというスタンスで良いと思います。

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