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2010年12月

2010年12月31日 (金)

卵アレルギーの子どものインフルエンザワクチン接種について

インフルエンザワクチンの製造には無菌性の有精鶏卵を使用し、発育させ、そこでインフルエンザウイルスを増殖させることが必要です。
ですので、昔から卵アレルギーのあるお子さんにインフルエンザワクチンを接種するべきか後回しにするべきかといった論議がなされてきました。

インフルエンザワクチン1回分にどの程度の鶏卵成分が混入する可能性があるのか調べたところ、数ng/ml(ngとは、ナノグラムと読みます。1ngとは、10億分の1gです。)だそうです。
通常この程度の量の鶏卵成分の混入があったとしても、アレルギーが起きるとは考えにくいです。
しかし、お子さんのアレルギーのレベルにもよりますから、例えばラストクラスがめっちゃハイレベルならば、接種してくださるドクターに確認してくださいね。
(万一接種してくださるドクターとアレルギーでお世話になっているドクターが別の場合、必ずアレルギーの状態について説明したり、検査データのコピーを見ていただくようにしましょう!)

たかがワクチンと言うなかれ。
過去記事(“卵アレルギーのある子どもの麻疹ワクチン接種について。”)のコメント欄にもありましたよね?
アレルギー科のある病院に紹介されたり、ワクチン液の皮内反応を行い結果を見てから接種するかどうか決めるたり、分割して接種することだってあるのです。

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2010年12月30日 (木)

生まれて直ぐからお父さんの抱っこを喜ぶ子にするためには?

SOLANINは、普段は★病院の母乳外来のお仕事をしているのですが、土日祝日はお母さんと赤ちゃんの係になって、主に赤ちゃんのケアや授乳のお手伝い全般をしています。
もちろん検温等の訪室業務もあるわけですが、お部屋に伺う度に土日祝日は新米お父さんが日がなベッタリとベッドサイドを占拠状態ということも稀ではありません。
つまり、赤ちゃんを抱っこしまくっておられるほほえましい光景に遭遇するのですね。
但し抱っこされている赤ちゃんの反応は二極分化しておりまして、新米お父さんが抱っこした途端に号泣し始める場合と、泣いていてもピタッと泣き止んでしまう場合があるのです。
「この違いは何なのか?単なる偶然なのか?抱っこのテクニックの差なのか?いやまだ抱っこのテクニックに差が出る時期ぢゃないぞ。何でだろう?」と思いながら過ごすこと数年。
それは先日池川明ドクターのご著書を読んで、確信に変わりました。

妊娠中、奥さんのおなかに手を当てて、毎日短時間で良いから何度も赤ちゃんに楽しみながら語りかけておられた旦那さんの場合、泣いていてもピタッと泣き止むことが多いです。
反対に、残業・出張・当直・接待等を口実に、或いはこっ恥ずかしいからと、おなかの赤ちゃんに語りかけることが無かった旦那さんの場合、抱っこした途端に号泣する傾向が強いですね。

夫婦仲にも依るのでしょうが、旦那さんがおなかに手を当てて赤ちゃんに語りかけてくれると、手のぬくもりも声もおなかの赤ちゃんにしっかり届くのですね。
しかも、旦那さんに愛されている感じ(多幸感とでも言いましょうか・・・)が強くなるので、奥さんはβ―エンドルフィンが分泌されるのですね。
β―エンドルフィンは胎盤を通しておなかの赤ちゃんにも流れ込みます。
その日々の積み重ねが、「お父さんって良い人なんだな。お父さんのこと大好き。」という感情がおなかの赤ちゃんに刷り込まれるわけです。

その違いが差を生むのですよ。
生まれて間もない頃からのお父さんの抱っこを喜ぶ子になるか、ムズがって泣きだす子になるかという。
おなかの赤ちゃんに対する日々の積み重ねが殆ど無い場合、新米お父さんが生まれた赤ちゃんに馴染んでもらうには、かなりの時間と意識と努力が必要です。
キツいようですが、お馴染さんでないと、生まれた赤ちゃんにとって新米お父さんはそこいらへんのおっさん同然なんですね。(涙)

当たり前ですが、お父さんにおっぱいはありません。
だけど、折角これからお父さんになられるのなら、赤ちゃんから煙たがられるお父さんよりも、おっぱいに匹敵するくらいの抱っこ(スキンシップ)の達人を目指され、お馴染さんになられては如何でしょうか?
仕事場からお家に帰るのが楽しくなりますよ♪

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2010年12月29日 (水)

おっぱいの分泌維持に努めるべきか否か?(1歳4カ月)

<ご相談内容>
「自然に授乳回数が減って、今はお昼寝の前と夜中だけおっぱいを飲んでいる」
「夜だけおっぱい」・・・なんて話をよく耳にするのですが、それって自然卒乳の一過程ですよね。
その場合って、母乳は沢山出ているものなのでしょうか?
(個人差はあると思いますが)
母乳の分泌維持の為に、搾乳や圧抜きをしているのですか?
それとも、卒乳に向かっているので、余程の時以外は触らずに刺激をしないようにしているのですか?
もし良ければ教えてください。

うちの子は、1歳4ヶ月でまだまだ授乳回数は多いのですが、時々、日中の授乳間隔が4~7時間開きます。
あまりにパンパンに張る時は、少し搾っています。
大丈夫そうな時は何もしないのですが、そんな日は分泌が落ちる気がします。
なので、いざ寝る前や夜中の飲みたい時に母乳の出が悪くて、かわいそうです。

授乳回数が減った時、分泌維持に努めるべきか?否か?教えてください。
それとも状況によるもので、一般論を論じるものではないのでしょうか…そうだったら、すみません。

<SOLANINの回答>
おっぱいの回数が自然に減ってくるのは、自然卒乳の過程で見られる現象と捉えて間違いないと思われます。
但し、自然卒乳の時期には、個人差がありますから、0歳児なのに何故かおっぱいの回数が減少し、おっぱいに執着しないお子さんも居られます。
そして、そういうお子さんの多くはご飯に走っている傾向があります。
反対に2歳3歳であっても、1日に数回おっぱいを欲しがるお子さんも居られます。
どちらかと言うと、そういうお子さんは食の細い傾向があります。

授乳回数が減少するということは、おっぱいの分泌にブレーキがかかることを意味します。
ブレーキのかかり始めこそ乳房はパーンと張ったりしますが、やがて授乳間隔が半日近く空いても、乳房はパーンと張らなくなります。
乳房が張って辛い、若しくは乳房トラブルを再三繰り返した経験があり、またあのようになるのは真っ平ゴメンだというのであれば、適宜搾乳しても良いかと思います。

なお、大丈夫そうな日に何もしないとおっぱいの分泌が低下するような気がするとのことですが、1~2日続くくらいならば、ホントに気のせいだと思います。
しかし、大丈夫そうな日に何もしないことが常態的に1~2週間続けば、おっぱいの分泌は徐々に低下してくると思います。

お子さんが夜寝る前におっぱいを飲みたがり、ある程度の分泌が必要ならば、お風呂に浸かってカラダを温かくしたり、夕食後かお風呂上がりにたんぽぽ珈琲かハーブティ―等を嗜まれては如何でしょうか?

授乳回数が減った時に、分泌維持に努めるべきか否かというご質問の答えですが、それはケースバイケースではないでしょうか?
おっぱいへの依存度というか執着というか、つまり栄養面でも情緒の安定でもお子さんにとっておっぱいの役割がまだまだ大きいならば、ある程度分泌の維持は必要でしょう。(いや、待てよ。それならばそもそも1歳4ヶ月でも授乳回数が減る筈が無いので、普通にしていれば分泌の維持など意識する必要性は無いのです。)
けれども、自然に授乳回数が減少してきているのであれば、恐らく徐々にご飯を食べるようになっておられるのでは?おっぱいよりも楽しいものを見つけつつあるのでは?と、お見受けします。
であれば、何が何でもおっぱいの分泌維持に努める必要性は薄いと思います。
もしかしたら・・・お子さんがおっぱいを欲しがる気持ちよりも、お母さんがおっぱいをあげたい気持ちが勝っているのかな?という気がしました。
違っていたら、ごめんなさいね。

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2010年12月28日 (火)

1歳5ヶ月の双子たちに授乳中、妊娠発覚!

<ご相談内容>
私は現在も1歳5ヶ月の双子に授乳中です。
先日、3人目を妊娠した事が分かりました。
今8週目です。

つわり中で少々きついですが、双子への授乳は続けています。
(一日3~5回くらい)
出血や腹痛もなく、今のところ順調です。
おっぱいの出も良いです。

私としては、双子がおっぱい要ると言うなら将来的に3人タンデムになってもいいかなと思っているのですが・・・
ちなみに3人目が産まれるのは、双子が2歳0ヶ月の頃です。
3人以上の子にタンデムされているお母さんって、SOLANINさんの勤務先の病院には居られますか?

私の行っている産科では、母乳推進と掲げてはいるものの中身はどちらかというとミルク推進ぽい感じです。
双子を産んだ時も「双子に母乳育児は無理」と言われてしまい、こちらのブログを参考に自力でやってきました。
まだ病院には双子に授乳中だと伝えていないのですが、伝えるのが怖いです。
断乳しろと言われてしまうのかな?と。

ちなみに、まさか授乳中だとは思われていないのか、授乳してますか?とは病院側からは聞かれていません。
双子さんは元気ですか?とは聞かれましたが・・・。
やはり授乳している事を病院に言うべきですよね・・・。
とても気が重いです。

<SOLANINの回答>
まずはご懐妊おめでとうございます。
現在8週と、初期のため、おっぱいの分泌にはあまり変化が見られないのだと思います。
(妊娠の経過とともに、分泌量が低下してくるようなことがあっても、それは想定内として心つもりしておいてくださいね。)

さて、私の勤務先ですが、タンデム授乳中のお母さんは、結構いらっしゃいますが、双子ちゃん自体、年に10組くらいしか生まれておられませんから、3人に授乳しておられる方は人数的には少ないです。
パターンとしては、相談者さんとは逆で下の子が双子ちゃんということになりますが。

現時点で私が把握しているのは、5歳の上の子さんと10ヶ月の双子ちゃんに授乳中のMさんと、2歳8ヶ月の真ん中の子さんと新生児の双子ちゃんに授乳中のKさんです。
MさんもKさんも、上の子さんたちも、双子ちゃんも完母です。(Mさんは一時双子ちゃんにミルク補足をしておられましたが、双子ちゃんたちが嫌がり、そうこうしているうちに、離乳食も始まりました。案の定おっぱい星人ゆえ、あまり食は進まないものの、体重が普通以上のペースで増えているから、補足は中止しました。)
MさんもKさんも、とも直ぐ上の授乳中のお子さんは、双子ということで管理入院の期間がありました。
なので、おかあさんにべったりくっついて、おっぱい三昧という訳にはいかない時期もありましたが、お母さんの外泊許可の出た週末とかは、授乳しておられたようです。
MさんもKさんも37週以降に自然分娩されました。

授乳中であることは、一応伝えた方が良いとは思いますが、問題はいつドクターに伝えるか?ですね。
個人的には、切迫症状が無いうちは、敢えて言う必要性はないように思いますが。
余り考えたくないことですから、仮の話として聞いていただきたいのですが、おなかの赤ちゃんそのものに、なにか育つことのできない理由があって、流産することは、授乳の有無は関与しませんし、そもそも、オキシトシンのレセプターが出ていない時期は、過去記事にも書きましたように、上の子への授乳が子宮収縮を引き起こすことはない筈ですからね。

おなかの張りや出血等の自覚できる切迫症状の自己チェックは言うまでも無いですが、頸管長の短縮化や子宮口の開大は、妊婦さんの自己チェックでは分からない間に進行することもありますから、念のため妊婦検診のたびに内診や経膣エコーで、診ていただくことをドクターにお願いしては如何でしょうか?

それと、普段から切迫にならないように腹圧を掛ける動作(双子ちゃんたちを抱っこしまくるとか、重いものを持ち続けるとか、お通じの際いきみ倒すとか)を避けることは、上の子への授乳の有無を問わず、重要なことですね。

また、どうしても心配ならば、双子ちゃんたちに、おっぱいの回数を1回でも少なくするか、短めの時間で終わらせてもらうようにお願いしてみるのも一案です。

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2010年12月27日 (月)

新生児座瘡って?

新生児座瘡(しんせいじざそう)と読みます。
平たく言えば赤ちゃんのニキビです。
生後1週間を過ぎるころから、ポツポツと出始めます。
(全員に出るわけではありません。)
1個目を発見してから、ものの3日くらいで、おでこや頬っぺたに、赤または白ニキビ様の皮疹がワラワラと増えてきます。
白ニキビ様の皮疹の周囲の皮膚が、発赤していることもあります。
赤ちゃん本人は痛くも痒くもないのですが、周囲の大人たちは、何か悪いものではないか?と、とても心配になります。(何しろ、新生児ですからね。)
発生はホルモンの影響によるものとも言われますが、ハッキリした原因は解明されていないようです。
男児に多いと言われますが、女児にも見られます。

そのまま放置されても、恐らく1~2ヶ月のうちに、沈静化してきます。
しかし、その間はニキビ仮面であることは、間違いないわけです。
いくら放置しても、「時が経てば沈静化する。」と聞いても、「やっぱり放置できないわ!」と思う場合はどうしたらいいのでしょうか?

実はこれは有る程度スキンケアで対処できます。
と申しますのも、新生児座瘡の出来た赤ちゃんは、期間限定でオイリースキンになっているわけですから、アブラ取りをすればいいのです。
すなわち、石鹸洗顔です。
ビ●レやオ●シー等の洗顔フォームのCMに登場されるタレントさんのように、目・鼻・口に入らないように、指先でクルクルとマッサージします。
(爪で引掻いたりしないでね。)
石鹸の泡で洗う⇒お湯で搾ったガーゼハンカチで泡を拭き取る⇒ガーゼに付いた泡を洗面器に張ったお湯で濯ぐ・・・という動作を繰り返します。
(これで、石鹸洗顔したことになります。)
これを1日に2~3回はしてください。

かつて思春期にニキビに悩まされたお父さん・お母さんであれば、石鹸洗顔の要領は分かると思います。
頑張って1週間石鹸洗顔を続けても全く改善の兆しが無ければ、小児科受診も検討してください。
程度によっては、塗り薬を処方されることもあります。
また、悪化しないように、赤ちゃんのお顔を触る時はきちんと手洗いをした手で直ぐに触るようにしてください。
手洗いしても一見綺麗でも、ちょっと用事をしたら、直ぐにオトナの手や指先には色々な雑菌が多く付着してきます。
単純なニキビであっても、そういった菌が付着すれば、症状が悪化して範囲が拡がったり、膿が出てくることもあります。
お母さんを含め、無意識&しょっちゅう赤ちゃんのお顔を触る癖もある方がいらっしゃると、個人的な見解ですが、症状が悪化する(もしくは、なかなか症状が改善しない)赤ちゃんが多いような印象があります。
気を付けてくださいね。

なお余談ですが、ニキビ仮面になられた赤ちゃんのお写真、撮りたくても撮れないわとお嘆きのお母さん、良い方法があります。
ケータイで写真撮影される時、美白モードってありますよね?
あれで撮影されたら、お肌の荒れた感じが目立ちませんよ。
元ニキビ仮面の赤ちゃんを育てたSOLANINの、ちょっとした知恵です。(笑)

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2010年12月26日 (日)

ミルクを減らしたいのは分かるけれど。

母子異室の他の産院でご出産された方が★病院の母乳外来を受診されました。
何でもご身内の方が、★病院の助産師のうち2人(つまり、SOLANINの同僚)と看護学校の同窓生だとかで、「ひとりで悩んでいるくらいなら、受診してみたら?」と勧められたそうです。

入院中、高ビリルビン血症で、光線療法を48時間されたそうです。
退院時まで眠りがちで黄疸がキツいから、赤ちゃんが疲れるからと言われ、3分1クール舐めるような吸い方で、2g程度/回の直母量だったそうです。
おっぱいが殆ど量にならない状態だったので、直母後は毎回、看護師さんがミルクをあげておられたそうです。

退院時の指示は「ミルク80ml×7~8回/日を確実に補足すること。」だったそうです。
退院3日後の体重チェックでは、退院時から300gくらい増えていたのですが、産院のドクターからは「このままのペースでミルクをあげるように。」との指導があったそうです。
しかし、どう考えても「増え過ぎではないか?」と思われ、そうこうしているうちに、深夜帯以外は、直母したら満足しているようなので、自己判断でミルクを徐々に減らし1ヶ月健診の時は40ml×8回/日にされていたそうです。

そして、生後27日目に1ヶ月健診を受けられたのですが、その日は生下時から300gしか増えていなかった(3300gだった)ので、ドクターから叱り飛ばされ、「ミルクは100ml×8回/日必ずあげるように。」と、強く念押しされたそうです。(ちなみに最低体重からは500gくらい増えてはいました。)
しかし、ドクターの指示通りにミルクをあげたら、赤ちゃんは日に何回も滝のようにミルクを吐き、唸り倒し、不機嫌マックス状態になったそうです。
抱っこして体重測定しても、5日で400g増えていることは確実で怖くなり、産院に電話したら「げっぷが上手に出せていないから、吐乳するんだ。げっぷさせたら吐かない筈。」と言われたそうです。
そこで、言われたとおりに必死にげっぷさせられたのですが、それでも吐乳の状態は変わらず、どうしていいか分からなくなって、★病院に来られました。

来院までの1週間、哺乳瓶でガブ飲みだったから、物の見事に直母が下手っぴになって、哺乳量測定したのですが、8gしか直母出来ませんでした。
でも、おっぱいそのものが出ない訳ではなく、乳管が詰まっているのをマッサージして開通させたら、どんどんおっぱいが溢れてきました。
さすがに胃拡張状態ですから、一気にミルクを減らすのは難しいかもしれませんが、徐々に減量するのは充分可能だと思いましたので、諸注意説明の上1週間後に再診していただくことになりました。

哺乳瓶でのミルクの補足は「母●実●」だったので、「母●相●室」に変更しました。
おっぱいとミルクの消化時間の違いも、赤ちゃんの胃袋のキャパシティーも何もかもご存知なかったので、正直言って説明が大変でした。
でも、頑張ろうというお母さんの気持には応えたいので、今後も出来るだけフォローしようと思います。

過去にも記事で何度も申し上げていることですが、自己流で、赤ちゃんの飲み方・飲む量・体重の変化をアセスメントすることなく、ミルクは減量するものではありません。
確かに産院のドクターの指導や対応には問題があるのではないかと思いますが、結果として赤ちゃんに無理をさせたことになります。
お母さんの勘は、とても鋭いセンサーではありますが、この方の場合、キツいようですが、赤ちゃんの哺乳や成長に対し、客観性のある視点が欠けていたのは、間違いありません。

ただ、出来るだけはせねばと思う、この方と赤ちゃんへのフォローにあたっての問題は、この方が里帰りであること。
★病院の母乳外来の初診は37日目であるため、年明けには自宅に戻らなくてはならないそうです。
★病院からかなり遠方な自宅に帰られるので、継続したフォローが出来るかどうかということです。(里帰り先から★病院を受診するにも、決して近くではなく、少なくとも車で片道1時間を要するそうです。)

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2010年12月25日 (土)

卵アレルギーの子どもの麻疹ワクチン接種について。

麻疹ワクチンの製造には、鶏卵が使用されていることは、周知の事実ですね。
ですので、昔から卵アレルギーのあるお子さんに麻疹ワクチンを接種すべきか止めるべきか後回しにするべきかといった論議がなされてきました。

けれども、昨今の国内製造の麻疹ワクチンには、卵それも卵白部分が殆ど含まれていないことが判明していますし、それでも起こるアレルギー反応は、実は卵によるものではなく、ワクチン製造過程で添加されるゼラチンによるものであることが、明らかになってきました。

現在では国内製造のワクチン全般について、ゼラチンが添加されなくなりましたから、ワクチン接種時にゼラチンアレルギー(?)は起きません。
従って、麻疹ワクチン接種の際、卵アレルギーの心配は元より無いと考えていいのですから、接種は可能だと思われます。

もちろん、アレルギーの程度によっては、麻疹ワクチンを接種することに主治医が難色を示すこともあるかもしれません。
事前に皮内テストをされることも有るでしょう。
主治医とよ〜く話し合って、最終的にどうするか?を、お父さん・お母さんが決めていくことになりますね。

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2010年12月24日 (金)

乳腺炎は繰り返す?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「乳腺炎は繰り返す?(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

乳腺炎になりやすい方は確かにおられます。
お母さんの乳管がとても細かったり、赤ちゃんが下手っぴちゃんで、歪め飲みやつぶし飲みをしている場合等、傍で見ていても、「色々気を使って工夫しておられるのに、また乳腺炎とは気の毒だなぁ・・・」と思うことはあります。

その一方、酷い乳腺炎になり、高熱でとてもしんどくて、痛くて散々な目に遭っているにも拘わらず、授乳間隔やお食事やポジショニングといった基本的なことが全く無頓着で、マンスリーで乳腺炎を繰り返しておられるお母さんもおられます。

例を挙げてみましょうか?
1.助産師から「この段階で授乳間隔は4時間以上空けないようにしてくださいね。」と注意されていても「ここ数日、夜間6時間くらい眠っちゃったんですよね~。」と、他人事のようにしゃあしゃあ言われるお母さん。
2.「もち米が合わないから、食べないようにしてくださいね。」と、念を押されているにも拘わらず、「おこわ食べていたのですが、おこわってもち米でしたっけ?」とおとぼけ発言のお母さん。
3.「フットボール抱きぢゃないと、このしこりは取れないですから、夜間の添い乳以外は全部フットボール抱きで授乳してください。」と総計3人の助産師から受診の度に指導されているのに、完全無視して横抱きに拘って、一向に改善の兆しが見られず、聞く耳を持たないお母さん。

キツいようですが、このような助産師の助言を全く受け入れてくださらず、自己流を貫くあまり乳腺炎を繰り返す方たちを、私は自爆型乳腺炎と呼ばせてもらっています。

1.2.3.のような例が原因の場合、助産師の助言を素直に受け入れてさえくだされば、そう滅多に繰り返したりしません。
痛い目を繰り返したくなければ、どうすればいいのか?ということは、オトナだったら分かる筈だと思います。

無茶はしないでね。

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2010年12月23日 (木)

妊娠してから上の子のジェラシーが大変!どうすれば?

池川明ドクターのセミナーで学んだこと第6弾です。
子どもの感受性はオトナの想像以上で、例えばお母さんよりも早く妊娠に気がつく幼児は、34.7%も居られるそうです。
凄いですね。

教えてくれる場合もありますが、態度で示すこともあるようです。
例えば、すっかり自立したと思っていた上の子が、まとわりつくような甘え方をするようになり、「何でだろう?」と不審に思っていたら妊娠していたことが判明したというような場合です。

そうこうしていくうちに、悪阻、上のお子さんの度重なる抱っこ要求、おなかの張り、まとわりつくような甘え方への対応等で、「こんな子ぢゃなかったのに、大変だわ〜。」という嘆きともぼやきともつかない独り言がちらほら口の端に上がってきます。

お母さんは無意識のうちにおなかの赤ちゃんを守ろうとしますから、うっかりであっても上の子からおなかを叩かれたりするようなことがあれば、「おなかの赤ちゃんが痛いから止めて!」と言ってしまい、その一言が上の子のジェラシーに火を付けることになり、余計におなかに攻撃を受け・・・ということも、しばしば耳にします。

どうすればいいのでしょうか?
池川明ドクターは、こう仰っています。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんはおなかの赤ちゃんの通訳さんになってもらってください。」と。
例えば、「赤ちゃん、今何をしているの?」とか、「赤ちゃん、今なんて言っているのか、お母さんは教えてほしいなぁ。」とか、本来聞こえる筈のない声ではありますが、
真剣に頼んでみてください。
頼んでみたら、意外と「よし来た!」と張り切って、おなかの赤ちゃんの通訳さんになってくれる気の良い兄姉はかなり居られます。
中には自分の希望を述べるという、“高等戦術”を駆使される兄姉も居られますが、「嘘おっしゃい!」と責め立てたりしないでね。
ホントにおなかの赤ちゃんの代弁者になれる兄姉も居られるのですから。

そうやって、おなかの赤ちゃんの通訳さんになってもらうことで、お母さんの役に立つ自分を誇らしく思え、自尊感情が芽生えてくるきっかけになることだってあるのです。

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兄姉にしてみたら、弟妹は可愛くない筈がないのです。
でも、現実には取っ組み合いの喧嘩をしたり、どちらかが泣く羽目になるのは、お母さんを巡ってライバルでもあるからです。
お母さんを独占したいという衝動がどの子にもあるのですよ。
そうですよ。
貴女を愛しておられるのは旦那さんだけではないのです。
お子さんたちもそれぞれに愛しておられるのです。
毎日愛され過ぎて辛いですか?(笑)
でも、考えようですが、これって人生最大のモテ期かもしれませんよ。

池川明ドクターのお話を聞いて、「おなかの赤ちゃんの通訳になってもらう。」という発想は素晴らしいなと感嘆したSOLANINでした。

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2010年12月22日 (水)

新しい歯が生える前は色々あります。

 (注)最強母乳外来・フェニックスにて「新しい歯が生える前は色々あります。 (改訂版) 」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。


以下、過去記事。

個人差はありますが、初めて生える時期はおよそ生後6ヶ月前後です。
乳歯は全部生えたら20本ですが、1歳までに生えてくるのがおよそ8本前後と言われています。(もちろん、1歳迄に8本生えていなくても心配ないのですが。)

今からお話しすることは、文献等にはあまり掲載されていないことで、経験知としてのお話ですが、新しい歯が生えてくる時は、赤ちゃんには色々な反応(?)が起こります。
よく耳にするのは、「乳首を噛む。」ということです。
乳口炎や乳腺炎の所見はないのに・・・です。
これについては、過去記事にも再三取り上げています。
先日は効果的な言葉かけの実例を記事化しましたので、憶えておられる読者さんも少なくないと思います。
歯の生えかけは、何ともいえずムズムズするので、噛みつきたい衝動が湧き起こってくるのでしょうね。

最近★病院の母乳外来を受診されたFさんは、数日間赤ちゃん(8ヶ月)が病気でもないのに飲まず喰わずに近い状態だったそうです。
赤ちゃんは、おしっこの回数や1回の尿量も減り、便秘になりました。
Fさんも、乳頭の刺激が急に減ったためかおっぱいの張り感もぺしゃんこになり、このまま放置したらおっぱいが枯れるんぢゃないかと不安になられ、受診予約をされました。
たまたま希望日時と空枠の兼ね合いが合わず、電話から3日後の受診となったそうです。
1か月前に某所で測定された時は7330gだったものの、数日間のプチ断食が効いたのか、受診日の体重は7310gと、微妙に減ってしまいました。
ところが、何の前触れもなく、受診前日の夜にいきなりおっぱいをしっかり飲むようになたそうです。
離乳食もドカ喰いか?というくらい食べるようになったそうです。
とにかく、「受診不要かな~?」と、思えるくらいの豹変ぶりだったそうです。
ただ、「何故なのか?」ということが、とても気になり、原因を知ることが出来たら良いなと思い、キャンセルせずに受診されたとのことでした。

来院時は、抜き打ちで哺乳量測定したら110gも哺乳出来て、特に問題ない飲み方でした。
でも、この程度の減少で済んだ(若しくはもっと減っていたけど、ドカ喰いによってリカバーした?)のは不幸中の幸いでした。

この赤ちゃんのプチ断食は、いわゆる一種の哺乳ストライキでした。
その原因をあれこれと探っているうちに、Fさんとの会話の中で、乳歯の萌出が原因だったことが判明しました。

実はSOLANINは毎年、★病院の母乳外来で、Fさんの赤ちゃんと同様の状態になられた赤ちゃんに何人も出会っているのですね。
哺乳ストライキはお母さんを悩ませる最たるもののひとつです。
その原因として、新しい乳歯の萌出ということは、母乳育児中に充分想定されますので、万一の際は、確認してみてくださいね。

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2010年12月21日 (火)

ばね指って知っていますか?

ばね指って知っていますか?
弾発指というのが正式名称です。
妊娠中から産後にかけて、なり易い病気です。
ホルモンなバランスが通常とは全く異なる状況にあることと、慣れない子育てで手指の誓い過ぎが原因とされています。
このあたりは腱鞘炎とほぼ同じですね。

症状としては、「ある特定の指が曲げ難い感じがする。」「じゃんけんのグーからパーをすると、ある特定の指だけ伸ばせない。」というのが特徴です。
リューマチの患者さんの手のこわばりとは少し違います。
なぜなら、リューマチの患者さんはある特定の指だけではなく、手指全体が強く強張ってしまうから、ばね指とは違いますので、注意してくださいね。

対処方法は腱鞘炎と同じように考えてもらったらいいです。
患部の安静が第一です。
冷やすことは良くないので、温かくして血行促進するくらいのつもりでお願いします。
お風呂以外でも温かいお湯に手指を浸したり、使い捨てカイロで温めた上で、じんわりゆっくりなグーパー体操もしてみてください。(もちろん痛みが強い場合は安静が大原則です。)
最終的にはステロイドの注射や手術もあります。
しかし、産後の方はホルモンバランスが整ってくると、症状が落ち着いて来ることも想定されます。
いきなり手術!ということは無いかと存じます。
貼り薬や塗り薬の類は、授乳中でも使用可能ですが、どのような成分のお薬が良いかは、過去記事等を参考になさってくださいね。

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2010年12月20日 (月)

保育園で離乳食を全く食べてくれません。

<ご相談内容>
『最強母乳外来』は、我が子が3ヵ月位の時から読んでいます。
お陰様でずっと完母で、我が子はおっぱい星人です。

今月から我が子が1歳になったのを機に、職場の保育室に8時30分から16時まで預けています。
困ったことに保育室で昼御飯をほとんど食べてくれません。(朝は7時30分に離乳食とおっぱいで、帰りはバスの中でせがまれ16時30分におっぱいをあげます)。
なので、お昼休みにおっぱいをあげに行くべきかどうか迷っています。

中途半端に昼だけ行くのが、良いのかどうか…。
おっぱいがあるとわかると、かえって、昼御飯を食べなくなりそうですよね。
でも、お腹が空いたままも可哀想で…。

ただ、3時のおやつは食べているそうです。
おやつは補食ではなく、お菓子だそうです。

ちなみに、自宅付近の保育園に申し込みしています。
空きがあり次第、入れます。
職場と自宅はあまり近くないため、保育園に入れたら昼に授乳には行けません。
SOLANINさんのご意見を伺いたいと思いました。
よろしくお願いします。

<SOLANINの回答>
ううむ。
まずSOLANINが気になるのは、育児休暇中、ご自宅で離乳食はよく食べてくれる方だったのでしょうか?
そして、果たしてお子さんは保育室の雰囲気や保育士さんに慣れてきておられるのでしょうか?
出勤前、保育室でのお子さんの受け渡しの際(=お母さんとバイバイする時)泣かずにすんなり保育士さんに抱かれてお部屋に入って行きますか?
保育中の様子は聞いておられますか?
保育士さんに遊んでもらって楽しそうな表情が見られているのでしょうか?
保育士さんに甘えたり抱っこしてほしいとか、要求を出していますか?

もしかしたら、そもそもお子さんは日中、お母さんがお仕事に復帰されるのにあたり、周辺環境が変わるという根幹的なこと(=お母さんがお仕事をされている間は保育室に行くことや、そこで離乳食を食べるということ)を、イマイチ分かっておられないのかもしれませんね。
育児休暇中、言い聞かせ(=呪文)は毎日複数回、お子さんと視線を合わせて、唱えておられましたか?

もちろん当ブログの読者さんですから、言い聞かせはされてきたかと思いますが、事前に保育室の見学や、保育士さんとの顔合わせはしてこられたのでしょうか?
その際、お子さんは、なんとなくでも、納得されたような表情はされていましたか?
その辺りの情報が全く無いので、「離乳食を食べてくれないから、お昼に授乳しに行った方が良いのか否か、どう思いますか?」と聞かれても・・・答え難いです。(汗)

お住まいのお近くの保育園は空き(=欠員)があれば入園出来るとのことですが、未満児それも0歳児で、年度途中から入園出来る可能性は、都会でも地方でもラクダが針の穴を通るよりも難しいと思いますよ。
順当に考えてみれば新年度ではないでしょうか?
となると、あと3ヶ月以上は保育室でお世話になる可能性大です。

保育室の雰囲気や保育士さんにも慣れてきて、自分がどういう状況なのか、それなりに把握出来るようになれば、徐々に離乳食は食べ始めますよ。
相手はプロですから、色々なワザをお持ちですからね。
現におやつ(=お菓子)は食べておられるのでしょう?
食べる意欲が全く無いわけではなさそうですね。

逆に保育室や保育士さんには馴染めず、未だに泣いてばかりいるようならば、お昼休みには保育室に出向かれて、お子さんにおっぱいをあげた方が、情緒の安定に繋がりますよ。
おっぱいをあげながら、呪文を唱えるのは、保育室であろうとお家であろうと、場所を選ばずに、してくださいね。(それは言うまでも無いことですが・・・)

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2010年12月19日 (日)

喋るおっぱい星人は、おっぱいの味が変わると教えてくれます。

おっぱい星人で喋ることが出来る場合、お母さんが尋ねたら、おっぱいの味の感想を喋ってくれますよ。
普段の美味しいおっぱいの時は、「美味しいね。」とか「○○の味(=そのお子さんの好きな食べ物。例えば葡萄とか林檎など・・・)がするね。」と好意的なコメントです。

しかし、一旦乳腺炎になると、「しょっぱい。」とか「辛い。」とか「不味い。」とクレームが付きますのでご注意くださいませ。

先日は、弟さん(4ヶ月)とタンデム授乳中のお兄ちゃん(3歳)が、乳腺炎になってしまったお母さんのおっぱいを、頑張って飲んでくれていたのですが、ちょっと飲んでは休み・・・の繰り返しで、相当困惑した表情だったそうです。
お母さんも気になり、「何の味がするの?」と尋ねたら、北●康●選手のように「何も言えない。」とのたまったそうです。(汗)
かなりひどい味だったのか、3歳児のボキャブラリーには無い味だったのか・・・

ちなみに弟さんは小言ばかり言って、真面目に飲んでくれなかったので、お兄ちゃんに飲んでくれるようお願いされたそうです。
お兄ちゃんは義理堅い性格なので、お母さんからのお願いだから、何とかしようと頑張ってくれたのですが、どうにもならなかったのかなぁ・・・

乳腺炎の予兆というか、微妙な味の変化は(もちろん例外もあるのでしょうが)大抵は2~3日前には、起こるようです。
おっぱい中のお子さんの表情を見落とさず、思い当たるフシのある場合は、こまめにモニターさんのご意見を伺ってくださいね。
乳腺炎も初期だったら、自力回復出来ると思います。

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2010年12月18日 (土)

おっぱいの湧きだすタイミングをよく見て飲ませましょう!

これまでの記事で私は「出来るだけ(3~)5分2クールで。」というように、短時間で左右を切り替える飲ませ方をお勧めしてきました。
その理由は、ラッチオンが上手にできていたとしても、仮に片方30分飲ませるようなやり方だと、射し乳の方は、湧きだす回数が少なくなることや、乳頭がふやけてしまうと、乳頭損傷を来たし易くなり、「これでは痛くて飲ませられない。」という事態に陥る危険性が高いので、それを予防するためです。
長時間で1クールよりも現実的ではないかということで、お勧めしてきました。

確かに「●分で左右を切り替えて。」という説明は、誰にでも出来ます。
時計を見ればいいのですから、お母さんたちにしても飲ませる目安として分かりやすいと言えば分かりやすいでしょうね。
でも、逆にもしも時計が無ければ、何を目安にすればいいのか分かりませんから、いつも通りに授乳出来ないということになりますね。(困)

また、おっぱいが吸啜刺激を受けて湧きだす時間は、およそ3~5分くらいかかると言われています。
しかし、酷い乳頭亀裂を経験されたお母さんだったりすると、同じ方を3~5分飲ませるにも、「またキズがつくのではないか?」という不安と痛みへの恐怖で、自己流に1~2分くらいで左右を切り替えて頻回授乳を励んでおられる方もいらっしゃったりします。

その気持ちが分からなくもないのですが、あまりにも短時間で左右を切り替えることは、良くないと思います。
個人差があると思いますが、飲ませ始めて1~2分で確実におっぱいが湧きだすお母さんは割り合いとして少ないからです。
なので、1~2分では、「いよいよおっぱいが湧きだすぞ~。」という段階で左右を切り替えることになり、哺乳量が酷く少なくなることだって有り得るのです。
そして、結果、頻回直母に励んでいるにも拘わらず、おっぱいの分泌は非の打ちどころがないくらい素晴らしくても、赤ちゃんはおっぱいが飲めていない⇒体重が増えていない・・・ということだってあるのです。

赤ちゃんの飲み方を観察しているとよく分かりますが、アムアムして、やさしくお口を動かしたり休んだりしながら、暫くしたらゴックンゴックンとおっぱいを嚥下する音が聞こえてくると思います。
そのように喉を鳴らして飲み下す時間はおよそ30秒前後ですが、ゴックンゴックンという音が聞こえなくなれば、左右を切り替えるタイミングという風に考えてもらったら、大変合理的なのですね。

もちろん赤ちゃんはおなかを満たすためだけにおっぱいを飲むわけではありませんから、お楽しみタイムや、眠りにつくためのオプションもあるでしょうし、しゃっくりを止めるために飲ませてあげる時もあるでしょう。
それはそれでいいのですが、今回申し上げているのは、いかに確実に、赤ちゃんのおなかにおっぱいを入れてあげるか?ということなのですね。

赤ちゃんの飲み方を観察することは大事ですよ。
その旨、ご理解いただけましたでしょうか?

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2010年12月17日 (金)

5本目の乳歯が生えてきたのに、磨かせてくれない!

 (注)最強母乳外来・フェニックスにて「5本目の乳歯が生えてきたのに、磨かせてくれない! (改訂版) 」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。


以下、過去記事。

<ご相談内容>
現在7ヶ月の我が子は、5本目の乳歯が生えてきています。
しかし、歯ブラシでもガーゼでも磨かせてくれなくて困っております。
歯ブラシ持たせれば口に入れてカミカミしますが…まだ生えてない奥の方で。
元々あまり触れられるのも好きじゃないみたいで、スキンケアのときも嫌がります。

一応、離乳食のあとは麦茶を飲ませていますが虫歯にならないか心配です。
何かいい方法ありますでしょうか?

<SOLANINの回答>
段階としては、歯ブラシに慣れてくれる前に、まず、指に巻いたガーゼをお口に入れさせてくれるように、お話ししてみましょう。
赤ちゃんは歯磨きの大切さはまだ理解出来ませんからね。
お母さんとしては気合を入れて綺麗に歯を磨きたくなりますが、そうすると表情や目つきが険しくなります。
赤ちゃんはいつも優しいお母さんが怖い顔をしているので、余計に嫌がります。
磨きにくいからと押さえ込んだら、却って赤ちゃんは大暴れしてしまいます。
無理強いして、いよいよ歯磨き嫌いになっては困りますから、強引なやり方は止めましょう。

相談者さんの赤ちゃんはスキンケアが嫌いとのことですが、くすぐり遊びやベビーマッサージも嫌いなのですか?
赤ちゃんの喜びそうなBGMを聞かせながら、お母さんも笑いながら、楽しい雰囲気を作ると、遊びの一環として徐々に乗ってきてくれるようになりますよ。

若しくはお風呂。
相談者さんの赤ちゃんは、お風呂が嫌いですか?
お風呂が好きならば、頭や体を洗う一環で、「お口の中も綺麗にするのよ~。」という流れでさらっとやってしまうのもいいかもしれません。

何処で行うにしても、「さっぱりしたね。」「綺麗になって良かったね。」「気持ちいいね。」「お母さんも一緒にするよ。」「お口の中を綺麗にしたらおっぱいだよ。」と、赤ちゃんがガーゼや歯ブラシを受け入れやすくなるような言葉(呪文)を繰り返して掛けてくださいね。
もちろん、仮にまぐれでも、嫌がらずにガーゼで拭かせてくれたら、褒めちぎってくださいね。

虫歯予防に歯磨きは重要ですが、それと同じかそれ以上に重要なことは、糖分の摂取をコントロールすることと、オトナからの虫歯菌の感染を予防することです。
それらについての具体的な方法は、過去記事にいっぱい書いてますから、是非とも参考になさってくださいね。

なお、赤ちゃんが自分で歯ブラシをお口に入れてカミカミするのは構いませんが、突っ込み過ぎてえづいたりしないように傍で気を付けて見守ってあげてくださいね。

また、お母さんが赤ちゃんに使う歯ブラシは、(これも過去記事に書いていますが)ワンタフトやコンパクトタフトといった、1本磨きの歯ブラシが磨き易いし、嫌がり難いようですよ。
是非とも試してみてくださいね♪

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2010年12月16日 (木)

5ヶ月間も放置した乳房のしこりからは、排乳できません。

先日★病院で2歳2ヶ月のおっぱい星人のお母さんであるKさんが受診されました。
コレまで何度か乳腺炎になったものの、自力で治してきたとのことでした。
しかし、5ヶ月くらい前に出来たパチンコ玉大のしこりが消失せず、気になって受診されたのです。
痛みは全く無いそうです。
もちろん、副乳ではありません。
触らせていただいたところ、印象としては乳汁貯留したものでした。
とても念入りにマッサージをしましたが、肝心の乳管開口部からは、全く排乳されません。
パチンコ玉大のしこりはそのままです。
恐らくこの5ヶ月くらいのうちに、このしこりに繋がっている乳口開口部が閉鎖したようです。
ただ、母乳外来ですから、エコーもレントゲンもありませんから、悪いものではないと思うけれど、念のため乳腺外科の受診を勧めました。

1ヵ月後、Kさんからお電話がありました。
「乳腺外科のクリニックを受診したら、やはり古くなったおっぱいが溜まったものだと言われました。気になるようなら、来月にでも、局所麻酔して、取ってしまいましょうとドクターに言われました。人気のクリニックなのでなかなか予約が取れず、1ヶ月待ちで漸く診ていただけました。不安だったけど、受診してよかったです。気に掛けてくださっていたので、報告しようと思って・・・」とのことでした。

無事でよかったです。
ただ、今回の事で、しこりを放置したら、場合によっては排乳できなくなることもあるということを、改めて実感しました。
読者のみなさんもお気をつけくださいね。

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2010年12月15日 (水)

断乳したら、新たな心の拠り所が見つけられる?

断乳したらご飯を食べるようになったとか、夜中眠ってくれるようになったとか、そういうコメントは他サイトでしばしば(いいや・・・しょっちゅうですね)耳にします。
様々な武勇伝(?)も自慢げに披歴されています。
強行した方のエピソードですから、それらのお話は事実であろうと思います。

でも、そこまでやる必要性はホントにあるのでしょうか?
もちろん、お母さんの熱い想いとは裏腹に、1歳までに呆気なく自然卒乳される赤ちゃんもおられますし、断乳したから、新たな心の拠り所が出来た(見つけられた)ということもあるのでしょう。
結果としては・・・ね。
ただ、じっくり考えると、断乳に踏み切った時点では、そのお子さんにはおっぱいを超えることはおろか、おっぱいと同等の心の拠り所は存在しなかったわけです。

お子さんの気持ちを完全無視して断乳することは、喩えてみたらニ階に上がって遊んでいたら、知らない間に梯子を外されたようなものです。
一階に降りたければ、飛び降りるしかなかった・・・というのが断乳。
おっぱいを取り上げられて、悲しくて泣き叫んでいるのは、飛び降りた時に打ち所が悪かったから。
怪我はやがて治るでしょうが、なにか不都合なことがあった時に古傷は疼きます。
古傷のケア迄考え対処してほしいです。

どうしても断乳を決行したいのならば、その前におっぱいよりも美味しいもの・楽しいことをお子さんと一緒に探すことが、せめてもの思いやりではないでしょうか?
おっぱいを超えることは無理でも、せめて、おっぱいと同等の心の拠り所を確保してからという配慮をしてやってほしいです。

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2010年12月14日 (火)

未だ○○タイムに痛い。(産後10ヶ月)

<ご相談内容>
ここでお尋ねすることではないのでしょうが、誰にも聞けなくて、ずっと悩んでいるので、相談させてください。
我が子は10ヶ月になり、完母でスクスク成長しております。

産婦人科のドクターからは、産後の1ヶ月検診で、「産婦人科的には異常ありません。順調な経過を辿って居られますよ。夫婦生活も可能です。」とのことでした。

しかし、産後10ヶ月になったのに、夫から誘われても、膣口に激痛が走り、中も軋んだような違和感があり、受け入れ難く困っています。
ちなみに月経再来はしておりません。
オリモノは、妊娠前より若干減っているような気がします。
もちろん、出産までの夫婦生活で、このような激痛を感じたことはありません。

本来ならば、産婦人科を受診するのがスジだと分かっています。
しかし、1ヶ月検診で異常がないのに、今更受診というのもどうなんだろうか?と思ってしまい、受診できずに今日に至ります。
出産の際は、「上手にお産が出来ましたね。」と、助産師さんに褒めてもらいました。痔にもならず、切開や縫合等は必要なく、産後すぐ円座無しで座れるくらいでした。

<SOLANINの回答>
ううむ・・・困りましたな。
確かに『最強母乳外来』からは、ちょっと逸脱していますね。(汗)
結論からすれば、やはり産婦人科受診のうえ、ドクターに相談された方が良いかと思います。

けれども、その前に出来るだけのことをしてみてもいいかもしれません。
一つ目は、コトを起こす暫く前に、バーユやホホバオイル等でオイルパック(アーユルヴェーダ的にはピチュっていいます。)してから会陰マッサージをすることです。
伸展性を高める効果が期待できます。
二つ目は、同じくコトを起こす暫く前に。熟年世代の女性で性交痛のある方が使用され「リュ―ブゼリーを使用することです。
軋む部分に潤いを与える効果があります。

バーユやリュ―ブゼリーはドラッグストア等でフツーに販売されていますから、購入し易いので、トライしてみては如何でしょうか。

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2010年12月13日 (月)

山も谷も乗り越えて…4歳4カ月で自然卒乳!

<ご連絡いただいたこと>
SOLANINさん、我が子がとうとう卒乳しました。
ユニセフ平均を少し上回る4歳4ヶ月です。
ここ2ヶ月ほど、おっぱいの出方が悪くなってきて(今まで良く出ていたことにビックリですが・・・)最近は徐々に飲んだり飲まなかったりになり、ここ3日間、おっぱいを飲まずに就寝するようになりました。
もうこれはホントに卒乳かな~?と。
ホントに長い長いおっぱい生活。
最初はトラブル続きで泣きながらの授乳でしたが、ホントにここまで続けてきて良かったですし、幸せでした。

仕事に復帰してもおっぱいを手放さず、周囲の声(おっぱい止めろコール)は、激しい時もありましたが、そんなものはなんのその。
『最強母乳外来』の「★卒乳」の記事に励まされながら、続けることが出来ました。
ここまで続けてこられたのは、SOLANINさんと出会いがあったからこそです。
有難うございました。

<SOLANINのお返事>
そうでしたか。
S君は、自然卒乳されたのですね。
4年4ヶ月。
S君の人生のスタートと共に始まったおっぱい生活のフィナーレなのですね。
感無量です。
自然卒乳の場合、乳房の張り返しは殆ど無いと思います。
入院中~退院~2週間健診の時は絶好調だったのに、1ヶ月になるかならないかの頃から、度重なる乳腺炎に見舞われましたね。
そして、あんなにしっかり飲めていたのに、飲めなくなったり、分泌が低下したりでまさかの体重増加不良に陥りました。
乳糖不耐症にもなりましたね。
おっぱい生活のスタートから半年くらいまでは、痛いことや心配なことの連続で、必死の毎日だったかと想像します。
おっぱいを飲むSくんを可愛いと思いながらも、おっぱい生活を楽しむという気持ちには、なかなかなれなかったかもしれません。
やがて、お仕事にも復帰されましたが、おっぱいは続けておられることは、しばしばご連絡いただいておりましたね。

朝起きぬけに「おっぱ~い!」と言って元気に起床するSくんのお話しに一人爆笑したこともありました。
これぞ、おっぱい星人だなぁ~って。
この4年4ヶ月、おっぱい生活に幾つもの山や谷があったかと思います。
でも、一つずつ確実にそれらをクリア―されたのですね。
お見事です。

帰省されることがありましたら、是非★病院にもお立ち寄りくださいね♪
(Sくんのお母さんは『最強母乳外来』開設初日からの読者さんです。)

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2010年12月12日 (日)

月経前後の乳頭痛への対処法

<ご相談内容>
我が子は1歳4ヶ月になりました。
今まで完母で育ててきました。
離乳食もよく食べてくれ、授乳の回数もだいぶ減りました。
大きな問題もなく、すくすくと育ってくれています。
自分としては、このまま自然卒乳を目指していきたいのですが、1歳過ぎてから生理が再開したことにより、排卵前から生理開始後数日までの2週間ちょっとの間、乳頭痛が起きるようになってしまいました。
洋服がすれる程度でもちょっと痛いのに、授乳となると本当に激痛で、歯をくいしばって我慢しなくてはならないほどなのです。
この痛みがどうすることもできなくても、私自身としては少なくとも子どもが1歳半になるまでは母乳をあげ続けていきたいとは思っています。
ネットでいろいろ調べてみても、このブログで検索してみても、そういう時についての記事が見当たらないので、もしなにかよいアドバイスなどがあれば聞いてみたいなと思っています。

<SOLANINの回答>
ううむ。
月経が再来すると、おっぱいの分泌にも影響があると言われています。
分泌が若干低下するので、お子さんの吸啜力との兼ね合いで、痛むのだと思われます。
妊娠中に授乳を続けていると、乳頭痛があるという方が、(私から見て)割合として妊娠中母乳育児継続の妊婦さんの半分くらいは居られるようですので、理由は異なりますが、似たような状況なのでしょう。

対処法としては、やはり授乳を短時間で済ませることです。
お子さんの目を見て、語りかけます。
「時々おっぱいを吸ってる時、おっぱいが痛くなってしまうの。」
「痛い時はちょっとだけしかあげられないけどごめんね。」
「痛いのが治ったらいっぱいあげるからね。」と率直に言って、場合によっては、「痛いよう~。」と、お子さんの目の前でホントに泣いてもらっても良いかと存じます。
吸わせて痛くても、30分間吸わせ続けるのと、5~7分程度吸わせるくらいとでは、痛みの状況も雲泥の差ですよね?

それから、普段下着が掏れただけでも痛いとのことですが、それについてはランシ―をたっぷり塗布し、その上から乳頭・乳輪をカバーするくらいの、ラップを切って貼ってくださいね。

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2010年12月11日 (土)

風邪によるおっぱいの味の変化ってありますか?

<ご相談内容>
もうすぐ8ヶ月になる赤ちゃんはあまりおっぱい好きには見えず、おっぱいが飲みたくない時は、体を反らせて要らないと意思表示をします。
授乳間隔も4時間おきで、片乳5分で満足ということが多々でした。

ところが、最近風邪を引いて寝込んでしまったのですが、その頃から赤ちゃんのおっぱいの飲み方が変わったような気がするのです。
風邪で丸3日程、ほとんど食事を取ることができませんでした。
私の体調が悪いと、おっぱいの味ってどうなるのかな?まずくなっちゃうのかな?とか授乳中に考えていました。

幸い赤ちゃんは嫌がることもなく、むしろいつも以上におっぱいを飲むのです。
ほとんど食事もしなかったので、おっぱいの出方が悪いのかな?と思うくらい、おっぱいにくっついてゴクゴクと飲むのです。
5分2クール飲んだり、30分もおっぱいにくっついているのは、数ヶ月ぶり!というくらいだったので本当にびっくりしました。
また、食事を取らないときのおっぱいの味がどうなっているのか不思議で、少し自分でも舐めてみたのですが、風邪で味覚もおかしかったので、実際はいまいちよくわかりませんでした。

風邪が治りかけている今も、食事量は減ったままでいます。
食べられるものも限られていて鍋料理などがメインです。
おっぱいは、5分2クールということは少なくなりましたが、5分1クールは飲む状態が続き、離乳食の食べ方があからさまに悪くなり、おっぱい!おっぱい!という感じになっています。

3日も食事を取らないとプチ断食状態でデトックス効果というか、今までの不味いおっぱいがリセットされたのでしょうか?
風邪を引いている間など、病気などで食事がほとんど摂取できない場合、おっぱいの味や分泌はどうなるんでしょうか?

<SOLANINの回答>
一般的にはお母さんの体調不良時には、おっぱいの分泌が減少するとか、味が悪くなるとか言われています。
なので、嫌がったり、しっかり飲んでくれないということもしばしば耳にします。

しかし、お話しを伺ったことからの推測ですが、相談者さんの場合、おっぱいの1回の分泌量は若干セーブされていたかもしれませんが、寝込まれてから美味しくなったとしか考えられません。
鍋料理も食べ過ぎはNGですが、他のメニューと比較して、さほど意識しなくても野菜を摂取する割合が多くなると思われます。
そうすると、O式のセンセイが仰るところの、「乳質が良くなった。」という状態に変化してきたのかと考えられます。

失礼ですが、相談者さんは妊娠中に体重は何kgくらい増えられましたか?
風邪を引いてしまう迄に産後の体重は産前に戻って居られますか?
もしかして、丸3日お食事がまともに入らなかった頃は、お母さんの体重が普段よりも減っていたかもしれませんね。

赤ちゃんにも味覚はありますので、恐らく好みのタイプのおっぱいに変貌した可能性大です。
ですので、今まで執着していなかったおっぱいが、思いがけず美味になったので、ここぞとばかりに飲みたくなっているのだと思われます。

お母さんが風邪のせいでお食事はまともに摂取出来なくても、水分は摂取出来ていたと思われますので、おっぱいは分泌はしていたと思います。
でも、1回に飲める量はさほど多くはないので、トータルでしっかり飲めるように、数を稼いでいたという側面も否定出来ません。

離乳食の食べっぷりが明らかに悪くなっても、おっぱいがしっかり飲めていて、運動機能の発達に問題なく、頭囲も体重もほぼ月齢相当に増加傾向であれば、心配無いと思われます。

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2010年12月10日 (金)

我が子が耳の手術で入院!でも、おっぱいは続けられますよ!

<ご連絡いただいたこと>

先日、我が子の副耳&耳漏口の手術、無事終わりました。
言い聞かせの呪文が効いたのか、手術前日は入院して環境の変化のこともあったのでしょうが、夜間、1~2時間毎の頻回授乳でした。
きっと、今のうちに!!って思ったのかもしれません。
9時オペ開始だったので、4時半までが最終母乳だったのですが、4時ちょっと前に目覚め、25分ほどおっぱいにぶらさがってました。
朝は、多少泣きましたが、全投薬のセルシンがきいたのか、入室時には笑顔でバイバイして入室していきました。
術後、4時間は絶飲食だったので、3時間経過したあたりから、さすがにおなかが空いたのかギャン泣きでしたが・・・
久しぶりのおっぱいをほおばりながら、安心して眠っていしまいました。
そして、入院生活は無事に終わり、ほっとした気持ちで週末を迎えることができました☆

SOLANINさんのブログに出会えてなかったら、間違えなく、入院までには断乳・・・になっていたと思います。
仮にドクターから、「手術までに断乳してください。」と言われたら「そういうものなのか。」と諦めてしまっていたと思います。
そして、言い聞かせなんて、絶対しなかったと思います。
これからもおっぱいライフを満喫します。

<SOLANINからのお返事>

まずは無事にお子さんの手術が済み、退院できて良かったですね。
おめでとうございます。
一般的に乳幼児のの手術は、全身麻酔になりますから、お母さんとしては色々心配もあったかと思います。
お子さんの入院に際し、病院によっては、「完全看護」を盾(?)に取り、お母さんから引き離すトコロもあると聞きますので。

今回はそういうことも無く、お母さんは病室で付き添いすることが出来たのは何よりでした。
ドクターによっては、手術前後の絶飲食だけなのに、赤ちゃんであっても手術の際は、断乳という言葉を使う方も居られるそうです。
生後何ヶ月であろうと、「これを機会に・・・」とかナントカ。
怖ろしい話です。

子どもであっても、近い将来、自分の身に何か(今回は入院と手術)が起こることは漠然とした不安があったと思います。
それに対し、事前にしっかり言い聞かせをされたことは、お子さんがそれらを乗り越えられるように、助けてあげたことになり、素晴らしいと思います。

術後の絶飲が解除されるまでは、お子さんも辛かったろうけれど、許可が下りて、おっぱいが飲めるようになった時は、嬉しさと安心感でいっぱいだったと思います。

お話しを伺って母と子の絆が深まったのではないかと感じました。

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2010年12月 9日 (木)

完母の赤ちゃんにビタミンA・C・Dの補給は必要?

<ご質問内容>
我が子が生後2ヶ月の頃からこのブログに辿り着いて、読者をしています。
現在はアメリカ在住です。
今、過去の記事を読んでいる最中なのですが、『最強母乳外来』には、お薬のこと・離乳食のこと等、アメリカではなかなか知ることができない情報がたくさん詰まっているのでとても有り難いです。

アメリカでは、3ヶ月健診から日本人の小児科の女医さんにお世話になっています。
こちらでも、6ヶ月までは母乳でいいですよと言われたのですが、唯一日本で聞いたことのないことを言われたので質問させてください。
母乳だけだと、ビタミンが足りないので『Tri・Vi・Sol』というビタミンA,C,Dのシロップ(ファーマシーに売っているもの)をあげてくださいと言われました。

匂い・味ともに小児用シロップなのですが、スポイトであげたところ全部口から出されてしまいました。
説明書には、ミルクや離乳食に混ぜて…などと書かれているのですが母乳オンリーなので結局最初の1回切りで中断中です。
女医さんからも、絶対あげてくださいとのことではなかったので無理しなくてもいいのかなとは思っているのですが…。

過去の記事を読み進めていけば、書いてあるのであれば特にお返事はいりませんので気になさらないでください。
ちなみに、4ヶ月検診で6.21㎏と順調に大きくなっています。

<SOLANINの回答>
あ~『Tri・Vi・Sol』という名前なのですね。
人づてに、アメリカではビタミンの補給を乳児にするらしいとは聞いていましたが、そういう名称なのですね。
サプリメント大国らしい、アメリカならではの考え方なのでしょうね。

念のため調べてみましたが、ラクテーションコンサルタント関係の文献でも、日本母乳の会の出版物等にしても、母乳育児中の乳児に絶対的な論調でビタミンの補給が必要だというのは、明記されていないようです。
保健所や保健センターでの3~4ヶ月児の集団健診でも、ビタミン補給の指導はなされていないようです。

あっ、新生児にビタミンKは必須ですよ。
ビタミンKは脂溶性ビタミンですが、そもそも殆ど胎盤を通過しないので、胎児の体内に蓄積されることが、とても少ないですからね。
~レメディ事件以降に、日本小児科学会が生後3ヶ月以内の乳児に毎週ビタミンKの投与することが望ましいという声明(?)を出しておられるのは聞いたことがありますが、今回は話がごちゃごちゃになるので、その件は割愛します。~
他には以前、北欧圏の読者さんから、「新生児にビタミンKは投与しているかどうか、聞いたことが無いけれど、ビタミンDの投与は必須です。」という報告を受けたことがあります。

彼の国々では、日照時間が短いですから、くる病の予防ということが重視されているのだと思われます。
日本国内で乳児に対しビタミンDの投与というのは、NICU卒業生(この場合≒未熟児さん)には普遍的に行われているようですね。
~何故NICU卒業生に必要なのかは、該当児のお母さんは小児科ドクターから聞いておられる筈なので、その説明も本題から外れるので省略いたします。~

お母さんの食べたものがおっぱいになることは、読者のみなさんはよくご存知かと思います。
仮の話ですが、母乳育児中のお母さんの食生活がメチャクチャで、慢性的にビタミンの摂取量が極端に少なければ、おっぱいに含まれる何らかのビタミンが欠乏するかもしれないことは・・・あるかもしれません。
しかし、常識的に考えて、そういうことはちょっと考えられないと思うのですね。
本来おっぱいに含まれるビタミンの量は安定的です。
特に脂溶性ビタミンであるAやDは、お母さんに蓄積されていますから、水溶性ビタミンのBやCに比較して、食事の影響を受けにくいと言われています。

やはりこれは、国情の違い、食生活の違いということに端を発しているのではないかと思われます。
ちなみに私はミルク育児全盛期に赤ちゃんだった者ですが、今とは違い、昔のミルクは牛乳の粉末のような代物だったとかで、赤ちゃんにビタミン補給は必要だという指導が一般的だったそうです。
そのため「ポ●ンS」というビタミン剤を服用させていたと、実家の母から聞いたことがあります。
また、私自身は3人の子どもをおっぱいで育ててきましたが、赤ちゃんにビタミン剤を服用させたことは一度もありません。

追記:この記事を書いた後、更に色々調べていたら、ベジタリアンの方はビタミンB群が不足しがちなので、おっぱいへの配慮をするならビタミンB群の補給をすることが望ましいという考え方があることを知りました。
ご質問はA・C・Dなので、B群では少し内容がズレますから、記事本文の追記というカタチで補足させていただきました。

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2010年12月 8日 (水)

アレルギーっ子は小粒ちゃんが多い?

<ご質問内容>
SOLANINさんは、「アレルギーっ子には小粒ちゃんが多い」かどうかについて、どのような印象をお持ちでしょうか?
現在10ヶ月の我が子は卵・米・一部の魚に対してアレルギーがあり、食事制限が必要です。
生後1ヶ月迄は、生下時から約1.3kgも体重増加がみられましたが、2ヶ月時にはプラス150g(!)とガクッと停滞してしまいました。
頻回授乳を頑張ったところ、一時はパーセンタイルグラフの下限を割り込みながらも、横這いではなく少しずつ右肩上がりとなりました。
いつの頃からか、食べることにも貪欲になり、9ヶ月になりようやくパーセンタイルグラフ内に復帰しました。
もちろん個人差もあるでしょうし、アレルギー持ちだからといって体重管理を疎かにしていいというわけではありませんが、全体的な傾向の印象としてお聞かせ頂ければ幸いです。

<SOLANINの回答>
私はアレルギーの専門家ではないですし、データを取っているわけでもないのですが、複数の食物アレルギーを持つ場合や、IgE等の数値が測定不能に近い赤ちゃんの場合、体重増加が緩やかだなという印象は持っております。

質問者さんの母乳育児に造詣の深い小児アレルギー治療の専門医の仰る通り、「アレルギー持ちのお子さんは、消化機能が優れないため、どうしても一時期体重の伸びが悪いことがあり、小柄であることが多いです。」というのは、大いに肯けます。
と、同時に、食物アレルギーが徐々に克服されてきたら、それも出かなり不調だったかと思われますが、体重増加度も月齢相当以上にギュ~ンと増えることもありますよ。

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2010年12月 7日 (火)

アクトヒブにプレべナ―・・・接種するべきか?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「アクトヒブにプレべナ―・・・接種するべきか?(改訂版)公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

<ご相談内容>
兄弟で中耳炎になりました。
中耳炎の諸症状は収まってきたのに、熱だけが続きました。
いつもの罹りつけのドクターは「風邪ですよ。」とのことでしたが、長引くし、おかしいのではないか?と受診先を変更したところ、二人とも既に肺炎になっていることが発覚しました。
原因菌は肺炎球菌とのことで、いつもの罹りつけのドクターには「添い乳でおっぱいをあげるから中耳炎になった!」と指摘されて、凹んでいましたが、関係ないこともハッキリしました。

 

ところで、『最強母乳外来』では、以前アクトヒブやプレべナ―について記事化していますが、現在はどのように考えていますか?
個人的には二人に接種しようと考えていますが・・・

 

<SOLANINのお返事>
病気と言っても様々な病気がありますが、基本的にはワクチンで防げる病気は、そうした方が良いのではないかと考えています。
ただ、今から10年以上前の話ですが、認可されたばかりの某ワクチンを我が子に接種したばかりに、怖い目に遭った経験があります。
なので、個人的には新しいワクチンに対しては、「認可されたから。」と、直ぐに飛びつくようなことは、もう懲り懲りなのですね。

 

(アクトヒブが接種開始されて、1年以上経ちましたが、今のトコロ目立った副反応はないようですね。)
プレべナ―もは来年2月で1年になるのでしたっけ?
こちらも、世間やマスコミを賑わすような、安全性に懸念ありという報告もないようですね。

 

ご存知かと思いますが、肺炎球菌といっても、型は色々あるのです。
病原性の強いものだけでも、20種類くらいあるとか。
つまりこれは一度肺炎球菌に感染し、肺炎になったからといって、二度と罹患しないとは限らないということです。

 

細菌なので抗生物質が効きますが、最近は耐性のある型も出現していますからね。
肺炎や髄膜炎に罹患するリスクを考えると、体調の良い時を狙って、接種してもらうのもいいかもしれませんね。

 

そうそう、いずれも月齢や年齢によって接種する回数が異なります(6ヶ月迄は4回・11ヶ月迄は3回・1歳代は2回・2歳以上は1回だった筈ですが・・・)から、詳細については,接種先の病医院に確認してくださいね。

 

追記:2011年3月4日付けの朝刊でアクトヒブ・プレべナ―・三種混合等の同時接種をした後1〜2日後に関西圏で死亡されたお子さんが4人も居られるとの報道がありました。
現時点では基礎疾患があったお子さん、逆にそうではないお子さんもいらっしゃるようで、厚労省も因果関係を調査中とのです。
詳細が分かるまで同時接種はもちろんのこと、これらのワクチンの単独接種も、一時見合わせるとのことです。
ワクチンの特定のロットに問題があっったのか、同時接種がいけなかったのか、現段階では不明です。
お亡くなりになったお子さんたちのご冥福をお祈りするとともに、真相究明を待っております。(2011年3月5日)

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2010年12月 6日 (月)

夜間の授乳は赤ちゃんの胃が休まらないですって?

<ご連絡いただいたこと>
今回はびっくりする話を聞きました。
先日、いつも行く児童館でたまに会うお母さんから聞いた話です。
そのお母さんではないんですが、他のお母さんがドクターから指導されたことです。
「夜間の授乳は、赤ちゃんの胃が休まらないから止めるべきだ」と…。
意味不明です。
こんな医療者がいるなんて、とても残念な気持ちになりました。
お母さん自身が母乳について勉強不足で、ドクターから言われたら、完全に信じてしまうと思います。
大人なら夜間の飲食は控えるべきですし…。
母乳について勉強してないママさんも悪いのかもしれませんが、こういうトンでも情報を流す医療者が減ってくれたら、もっと母乳育児しやすい世の中になるのになぁ…と思いました。

改めて『最強母乳外来』に出会えてよかったと感じました。
これからも更新楽しみにしてます。

<SOLANINからのお返事>
世の中、至る所にトンでもさんが居られるものなのですね。
へぇぇぇぇ〜?
「夜間授乳したら、赤ちゃんの胃が休まらないから、止めるべきだ・・・」ですかぁ?
これは初耳です。

もしも、そのお説が真実ならば、NICUでも母子異室の病産院でも、夜間の授乳はおっぱいでもミルクでも全面的に撤廃しなくては理屈に合いませんね。
そもそも、時間に関係なく、こまめにおっぱいをあげることの重要性が全く分かっていらっしゃらないとしか思えません。
赤ちゃんとオトナの消化能力や胃の体積の違いは・・・完全無視なんでしょうね。
体重増加を含む成長が必要な赤ちゃんと体重に関しては現状維持で充分なオトナとを同列に論じるのは、その段階で無理があるかと思います。

赤ちゃんがおっぱいを消化するのに要する時間は、当ブログの読者さんは・・・もちろんご存知ですよね?
対して、赤ちゃんよりも遥かに内臓機能の高いオトナであっても、例えばコッテコテのホルモン焼きを消化するのに要する時間は、明らかにおっぱいよりも長いであろうことは容易に推察できるかと思います。
仮に夜間にホルモン焼きなんか食べたら、胃がもたれるでしょうね。
もしかしたら、赤ちゃんが夜間におっぱいを飲むことを、そういう感覚で論じておられるのかもしれませんね。

お母さんにとって、ドクターの言葉の意味は大きいのだから、もっとよく考えてからお話ししていただきたいですね。

ご連絡いただいた読者さんは、「そのお説はトンでもだわ!」と、気が付いてくれる賢明な方で良かったです。
しかし、気懸かりなのは、直接指導されたお母さんです。
大丈夫なんだろうか・・・?

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2010年12月 5日 (日)

授乳スタイルに拘りのある子の外出時の授乳をどうするか?

<ご相談内容>

私の赤ちゃんは9ヶ月になりますが、おっぱいをあげているときに、集中力がないのか、人影があったり場所が変わったり(自宅以外の場所という意味です)すると飲まなくなります。

また、授乳クッションがないと、横抱きを嫌がりすぐ乳首をはなして怒ってしまいます。
縦抱きも試しましたが、すぐはなしてしまいます。
これらは仕方がないのでしょうか?
今は授乳時間にかぶらないようにささっと外出して対応しています(>_<)
何かよい対策がありましたらアドバイスいただけたら嬉しいです。

<SOLANINの回答>

恐らく相談者さんの赤ちゃんはキョロちゃんだと思われます。
静かな集中できる環境でないと、気が散って飲めないのだと思われます。
普段からおっぱいを飲む部屋を設定したり、ケータイの呼び出し音や玄関チャイム等、授乳中は音の出るものはご法度だと思います。

予め自宅に居られる時で、赤ちゃんと視線が合うタイミングで授乳ケープを見せ乍ら、「この中に入って飲むのよ。そうしたら、気が散らずにおっぱいが飲めるよ。」と、何度も説明してください。
授乳ケープを使うのは、ぶっつけ本番ではなく、外出前数回、お家で練習するのもいいかもしれません。
キョロちゃんの程度が軽ければ、外出先で間仕切りのある授乳室が利用できれば、授乳ケープは要らないかもしれませんが・・・

次に9ヶ月になられて立て抱きというのは、ポジショニングとして取りにくいことと、この月齢でいきなり普段とは違うポジショニングを取っても、赤ちゃん自身に哺乳するというイメージが浮かびにくいので、嫌がったり遊んだりしてしまいます。
普段が横抱きなら横抱きで通すしかないでしょうね・・・

でも、授乳クッション無しでは横抱きを嫌がるとのこと。
う~む。
背中が痛いのか、お母さんの姿勢が良くないので、咥えにくいのかもしれませんね。
アフガンやバスタオル等、手持ちのモノを工夫して、お母さんの乳首と赤ちゃんのお口の高さ合わせをして飲ませるのは如何でしょうか?

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2010年12月 4日 (土)

パン食>米食でも大丈夫?

<ご相談内容>
我が子はは昨日で9ヶ月になりましたが、離乳食を今は二回与えています。

先日相談したときよりはましになりましたが、まだあまり食べてくれません。
特に、お粥が主食の時はお粥以外の食がすすまず、途中から少し無理やり食べさせています。
そんな我が子ですが、最近、パンが好きなのかパンにはものすごい勢いで食い付くことが判明しました!

そこで質問ですが、これから三回食になるにあたり、パンを朝昼二回、お粥を夕食一回というふうに食べさせてもいいのでしょうか?
パンが多いと良くないでしょうか?

<SOLANINの回答>
一般的に日本人の主食はお米と言われていますが、主食となるものはいわゆる炭水化物ですから、パンであっても大きな問題は無いと思われます。
強いて言うなら粉食のパンは、カロリーの割におなかが空くのが早い(つまり粒食のお米よりも血糖値が急激にアップしてダウンする傾向にあるということ)ことを念頭に置くくらいで今は良いと思います。

今はお粥よりもパンがお好きなようですが、この嗜好が一生続くとは限りません。
1日1食でもお米を地道に食べさせていけば、長ずるにつれ、徐々にお米の美味しさにも気が付く日が来ると思いますよ。(ちなみにウチの長女はこのパターンでした。)

おっぱい星人の子にありがちなのは、お粥は苦手で、硬めのご飯が好きというパターンです。(ちなみにウチの長男はこのパターンでした。)
奥歯が生え揃い、咀嚼が達者にできるようになれば、硬めご飯でもしっかり噛めばいいのですから、問題ないと思われます。

但しパンを食べさせる際は、甘いジャムやあんこを塗りたくるのは止めましょう。
食べてくれないとイライラするお母さんが多いようですが、根気よく・無理強いしないのが上手くいくコツですよ。

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2010年12月 3日 (金)

おっぱいとお薬/その70『ラミシ―ル』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その72『ラミシール®』(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

『ラミシール』はOTSでもありますから、CMやドラッグストアの店頭で見かけたり、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
そうです。
いわゆる、水虫の治療薬です。
何となく、水虫関係CMはの夏場に多いような気がしますけれど、寒くなったらブ―ツを履きますから、冬場も少ないわけぢゃないのですよね。

『ラミシール』は内服であっても、妊婦さんでも授乳中のお母さんでも概ね可能とのことですが、同じ抗真菌薬でも『イトリゾ―ル』は、妊婦さんは避けてくださいね。
(そもそも、おなかの赤ちゃんへの影響を考えたら、妊娠中に敢えて内服による水虫治療に踏み切るものでもないと思います。)
『イトリゾ―ル』は授乳中であれば、概ね内服可能とのことです。

尚、『ラミシ―ル』は外用薬についても、妊婦さんでも可能とのことですが、『イトリゾ―ル』は外用薬についての情報を私は持っていないので、妊婦さんはドクターに確認してくださいね。

ちなみに排泄については『ラミシ―ル』が72時間で85%であるのに対し、『イトリゾ―ル』は7日間で糞便中に54%、尿中に35%と長いこともあるからだと思われます。

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2010年12月 2日 (木)

白玉団子2個でもおっぱいが詰まる?

常識的に考えて、「白玉団子2個でおっぱいが詰まるか?」と尋ねられれば、恐らく詰まらないお母さんの方が人数的には多いので、「そうとは限らない。」と言えるかもしれません。

しかし、乳房トラブル中では、治りきっていないうちにそんなものを食べたら一発で詰まることもあります。

おっぱいトラブルの厄介なことは、或る一定のレベルに到達するまでは、所見的に大したことが無く、或る日ドカンと一発トラブルが表面化してやってくることです。
この方はアイス・チョコ大福・ピーナッツ・クッキー・マシュマロ・キャンディ等々、珍しくないものばかりですが、毎日ちょこちょこ食べておられたのですね。

大抵の乳房トラブルはコップの水が溢れるように発症します。
こんな食生活では乳房トラブルのための下地が出来あがっていたようなものですから、白玉団子2個は、今回の乳房トラブルの発症のトリガ―になったのですね。(汗)

SOLANINは、お母さん方が母乳育児をしていく上で、危険(?)なものを食べてしまったならば、何処かで中和するくらいの勢いで、食事内容を考えたり、頻回直母するしかないと思います。

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2010年12月 1日 (水)

後搾りをしないからトラブルを繰り返す?

1歳2ヶ月のKちゃんのお母さんが★病院の母乳外来を初受診されました。
Kちゃんの上にはSくんというお兄ちゃんも居られ、兄妹とも完母です。
Kちゃんのお母さんは近隣市のR産院でご出産されたので、これまで乳房トラブルの際は、かかりつけであるR産院でケアを受けておられたとのことでした。

今回★病院を受診しようと思われたのは、乳腺炎と乳口炎を繰り返しているため、いつもR産院のドクターから「後搾りを毎回きちんとしていないからだ!」と、叱責され、挙句「1歳過ぎたらおっぱいなんて水みたいなものだから、もう止めてしまいなさい。」と引導を渡されたため、どうしたものかと友人に相談したところ、「だったら★病院に行けば?」と言われたからとのことでした。

その日の乳腺炎の所見はピークを過ぎており、軽症でした。
乳房マッサージをして、直ぐにクリアしました。
乳腺炎と乳口炎を繰り返していることや、R産院のドクターのありがちな(しかし、正解とは言い難い)指導を聞いて、Kちゃんのお母さんに必要なのは、母乳育児に関する正しい知識ではないか?と私は思いました。

そこで、「乳房トラブルの原因として多いものは?」
「乳口炎はなぜ起きる?」
「授乳中にお勧めのお食事の内容と食べ方は?」
「服装で気を付けることは?」
「授乳中でも服用可能な解熱薬とは?」
「じゃがいも湿布の作り方は?」
「乳口炎には局所ケアが必要であること。」
「乳腺炎や乳口炎の予防として後搾りは必ずしも必要ないこと。」
「特に過分泌の方が後搾りをされることは危険であること。」
「1歳過ぎてもおっぱいには免疫も栄養分もあること。」
「卒乳は自然にしていけばいいこと。」等々、★病院でご出産され、母乳外来を受診された方ならば、大抵ご存じのことを説明しました。

「今まで知りたくても誰に聞いていいのか分からなかったことが、今日ようやく分かりました。早くここに来ればよかった・・・」と仰ってました。
お役に立てて良かったですが、きっとこういうお母さんは世間には少なからず居られるのだろうな、だからこういうお母さんは大変な想いをして母乳育児をしておられるのだろうなと思いました。

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