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2010年4月

2010年4月30日 (金)

保護器離脱できたのに、直母途中で怒るんです。(1か月)

<ご相談内容>
こんにちは。
2ヶ月の男の子の、まだまだ新米ママです。
私の乳首は偏平のため、最初、赤ちゃんはなかなか吸えず、「母〇実〇®」の乳首を使ってました。
1ヶ月になる前くらいに直で吸えるようになり、とても嬉しかったです。
1ヶ月検診までは2回に1回ミルクを40~60g足し、検診で、体重が退院2950→4188gと順調だっため、夜と夕方に80~100g足すのみにしました。
昼間は2時間ごとに授乳です。だいたい1回に付き5分で2クールあげていました。
 

体重も先週は1週間で300g増加で、痛かった乳首も治りました。
ところが、その頃から、2分ほどでイライラして吸わなくなり、首をふって乳首を離してしまうようになりました。左右の乳首を変えても同じ感じ。
2クール目!としても泣いて嫌がります。
スケールで量ると120g飲む時もありますが、だいたい60~80g。
少ない時は30gしか飲めてません。
 

電話で、小児科に相談すると、途中から出が悪くてイライラしてるのだろうからミルクを足した方が良いかもと言われました。「
どうすればもっとちゃんと吸ってくれるでしょうか?
それとも、やはり途中から出なくてイライラして吸わないならミルク足すべきですか?
アドバイスお願いします!!
 

<SOLANINの回答>
扁平乳頭でしたが、乳頭保護器を離脱出来て、尚且つ乳頭痛も治り、努力の甲斐があり直母が出来るようになって良かったですね。
しかし、その頃以降赤ちゃんが哺乳途中から泣いて怒って吸ってくれなくなり困っておられるのですね。
 

体重4kg台の赤ちゃんであれば、通常600(~700)ml/日も哺乳すれば、順調に体重が増加します。
赤ちゃんが怒っても体重増加度が良ければ、栄養面で不足ではないということです。
つまり、赤ちゃんは機械仕掛けのミルク飲み人形ではありませんから、直母の場合は1回毎に飲みムラはあって当然なのですよ。
例えば、たくさん哺乳してもうんちがどっさり出たり、ずっと起きていれば直ぐにおなかが空くから次のおっぱいを早く欲しがります。
逆に、少ししか飲まなくても、欲も得もなく眠たい時はちょこ飲みでも眠ることはありますね。
1か月健診以降のミルクの補足が100ml以下/日で、体重増加度がかなりありそうなので、やはり総合的に考えても母乳不足ではないと思います。
泣いて怒って吸わない理由は、この「母〇実〇®」の乳首に慣れ切って、軽い乳頭混乱になっているからと思われます。
 

ここのところミルク飲み干すのが早くなってきているでしょう?
急激に体力付いて来ると、せっかちさんに変貌するから、「手っ取り早く飲ませてくれ~。」と怒っているのね。
でも、哺乳瓶でミルクを飲むのと異なり、おっぱいは出てくるまでに時間がかかるから、待ちきれないのです。
 

では、どうすれば良いのか?
ミルクの補足が止むを得ないならば「母〇相〇室®」のように、時間がかかる乳首にするのが良いかも知れません。
ミルクであってもそう簡単には飲めないのだということを分かってもらうためです。
分泌をアップさせる方が良いのであれば、「マリアアザミ」や「コロハ」のサプリメントの摂取もお勧めです。
そうこうしていくうちに、段々と落ち着いてきます。

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月経再来したお母さんのおっぱいは空乳ですって?

<ご相談内容>
とあるサイトで目についた投稿がありました。
「完母で育てており、息子は5ヶ月になりますが生理が2ヶ月の時にきました。小児科医に、生理が来た人の乳は空乳だからミルクを足すようにと言われた」

私も生理が2ヶ月の時にきたため、その方と重ねてみてしまいます。
最近は私自身母乳の出る感じが遅く、少し悩んでたもので、妙にその方の投稿が気になってしまいました。
彼女にもきちんとした回答をしてあげたいのと、自分も安心したいです。
その小児科医の言う空乳ってなんなんでしょうか?「空(カラ)」ときいて気分が少し落ち気味です。
どうかお答え頂けると嬉しいです。
拙い文章を最後まで読んで頂きありがとうございました。
どうか宜しくお願いします。

<SOLANINの回答>
まず、一般論から申しますと小児科のドクターにとって乳房や母乳育児に関する知識は「専門外」であることをお伝えしたいと思います。
それが証拠に、体重増加不良になった赤ちゃんに対し、その場でお母さんの乳房を診察されるドクターって遭遇したことがありますか?・・・多分ないと思いますよ。
乳房だけではなく、どのようにおっぱいを飲んでいるのかと授乳の様子を見てくれて、その場でアドバイスをしてくれるドクターって、恐らく皆無に近いと思われますが如何でしょうか?

例外があるとしたら、ラクテーションコンサルタントの資格を持つ方くらいでしょう。
でも、国内にラクテーションコンサルタントの資格を持つ小児科ドクターは2010年現在、数えるほどしかおられません。
なので、投稿のドクターの発言内容から察するに、僭越ですが「専門外」の方の発言としか思えませんね。
私の知る限り、ラクテーションコンサルタントの資格を持つ小児科ドクターのご著書で、そのような記載はありません。
BFH認定病院の小児科のドクターですら、(一般的な小児科ドクターよりもずっとたくさんの知識を持っているのでしょうが)乳房や授乳に関することは、助産師に任せてくれますよ。

小児科ドクターの言葉の重みをお母さん方はひしひしと感じられるのでしょうが、ハッキリ言ってこの表現をする時点で、こと母乳育児に関する知識は「トンでもさん」であるということが、露見したと私は解釈します。

尚、月経再来とおっぱいについての詳細は既に過去記事にて説明しています。
そちらをご精読いただくよう、お願い申し上げます。

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2010年4月29日 (木)

帝王切開・双子ちゃんでも途中から完母に!

<お便りの内容>
SOLANINさんこんにちは。
メッセージは初めてさせていただきますが、相談ではなくお礼のメッセージです(笑)

去年の12月に双子(♀♀)を出産しました。
36週・帝王切開です。
双子だけど出来れば二人共母乳で育てたいなと思っていて、妊娠中動けなくなったときから、出産してからの入院中まで、最強母乳外来を読みあさりました(笑)

初めは量的に一人分しか出なくて、また私の体力不足・睡眠不足もあって私が休んでいる間は母や夫にミルクをあげてもらっていたのですが、根気よく飲ませてきた結果、現在4ヶ月で(実際には二ヶ月半頃からですが)二人共完母になりました。

一度、細い線があったり飲み残しが溜まり、高熱が出て乳腺炎になりかけましたが、最強母乳外来を読んでいたので知識的にも精神的にも余裕があり、双子に
「飲んでくれてありがとうね。」と言いながら飲ませ続け、出産した病院の母乳外来にも一度通った位で済みました。

今は、自分の食べ物飲み物を量を調節しながら順調に完母で来れてます。
双子は約2600gと2400gで生まれ現在は約6500gと6440gまで成長しました。

先日、3~4ヶ月健診に行ったとき、助産師さんとの問診で、完母である事を話したら、「一人分でも完母って大変なのに、二人共完母で育てているなんて、これって本当に素晴らしいことですよ!自分をもっと誉めてあげてくださいね。」と言ってもらえて嬉しく思いました。
その時、改めてこの最強母乳外来を読んでいたお陰だなと思い、勝手ながらメッセージさせていただきました。

ちなみに、現在は双子の姉が左担当、妹が右担当で、一回15分前後、1日それぞれ6~7回です。
SOLANINさんのおすすめしている飲ませ方ではありませんが…ここ二ヶ月は、これで落ち着いています。
双子は生まれたときから小さい割にガッツがあり、パワフルに乳首を吸ってくれました。

始めの1~2ヶ月はやや浅い飲み口で乳首が痛いこともありましたが、くわえるときに「おっきい口であーんして!おっきい口!!」と言い続け(笑)今はしっかり飲んでくれてます。

完母にできたのは二人のお陰でもあると思います。
二人に感謝する毎日です。
本当にありがとうございました☆
これからもブログ楽しみにしています。
お仕事頑張ってください。

<SOLANINのひとこと>
双子ちゃんを育てる毎日、目が回るくらいお忙しいことでしょう。
妊娠中から過去記事を読み漁っていただいたことが、双子ちゃんの完母ライフへの一助となったのであれば、こんな嬉しいことはありません。

3~4か月健診での助産師の言葉、私も一票入れたいくらい、素敵な言葉です。
誰か一人でも頑張ってるお母さんを認め、ねぎらい、褒めてくれたら、今までの苦労が報われるというか、楽しみに変わる瞬間が訪れますね。

母乳育児は山あり谷ありだけど、良いことも沢山あります。
お母さん性質に母乳育児を通じて良いことがたくさん見つかるように、お手伝いできる記事を書いていきたいと思います。

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2010年4月28日 (水)

母乳不足感が拭えなくて、ブルーでした。(生後2カ月)

<お便りの内容>
もうすぐ1歳1ヶ月になるおっぱい星人(SOLANINさん風)の息子のママです。
毎晩、息子が寝静まってから、もくもくと過去記事を読ませてもらっております。
ある記事で、涙がどばどば出てきました。
長いトンネルにいるような気がするが、トンネルはいつかは必ず終わります。
という内容の言葉が、私の胸にぐっときまして。
涙が止まりませんでした。
生後2ヶ月くらいはおっぱい地獄だ・・・私の母乳は足りていない・・・
と、思って悩みまくっていたので。
でも今はホントに楽しいおっぱいライフです。
おっぱいは出すもの!!!
もうすぐ出産予定の友達にメールしときました!!
「最強母乳外来」の宣伝もばっちりしときました!!!
SOLANINさんに、たくさんの感謝とお礼をお伝えしたくてメッセージを送らせていただきました。
毎日お忙しいでしょうから、返信は要りません。
代わりに、私のような「おっぱい大好き!楽しい!」と思える新米ママさんを増やす記事をこれからもたくさん書いてくださいね。

<SOLANINのひとこと>
『最強母乳外来』の記事をを通して、「母乳育児は辛いもの。必死で頑張るもの。」から「母乳育児は楽しい。」に気持ちが転換されたことは、私にとっても大変大きな喜びです。
「おっぱいが足りないのでは?」という不安は、程度の差こそあれ、おっぱいをあげている殆どすべてのお母さんが感じておられると思います。

かつての私もそうでした。
助産師ではありましたが、まだ若く経験不足で無知でしたから。
長男の時なんて退院時から1か月健診の間、完母で体重増加度は67.5g/日もあったのに、義母たちからの「おっぱい足りないんぢゃないの?」攻撃が凄まじく、入院中の完母で大丈夫だという自信は吹っ飛び、母乳不足感で打ちのめされた気持ちの暗い毎日でした。(涙)
そんな風には思えないかもしれませんが、SOLANINだって母乳育児で地を這うような時代があったのです。
その頃の辛い経験から、一念発起して、母乳育児支援に目覚めて行ったのですね。
それで、今こうしてみなさんに記事を書くことができるようになった訳です。
反対に何の苦労も無く、自分の母乳育児が順風満帆だったら、そこまでの思い入れは生まれて来なかったと思います。
なんちゃって。(笑)

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2010年4月27日 (火)

舌小帯短縮症で、乳頭亀裂が…(涙)

<ご相談内容>
こんにちは。2ヶ月の男の子の母です。
友達からこちらのブログを教えてもらい、お聞きしたい事があってメールしました。
退院直後から母乳外来に通っており、生後2週間から完母です。体重も40グラム/日のペースで順調に増えています。
ただ、息子は舌小帯癒着症で浅飲みしてるようです。
その為、私の乳首は治っては傷つき…の繰り返しです。
(乳首から乳輪が赤く変色もしてます)
母乳外来の先生には手術も勧められているのですが、私としてはなんとか避けられないものかと思っています。
今気をつけている事は・・・
①縦抱きで飲ませる
②大きいお口で咥えさせる
③乳首と口の位置を合わせる
です。乳首亀裂の予防に他に何かできる事があれば教えていただきたいのです。
よろしくお願いします。

<SOLANINの回答>
舌小帯短縮症の赤ちゃんは深くラッチオンすることが、なかなかに難しいですね。
程度が強ければ、キズが付くこともありますが、じっと我慢の子で居るのは辛いですね。
ちなみに助産師でも初級クラスの方ですと、こういう場合、「それでは乳頭保護器を使いましょう!」な~んて言っちゃうんでしょうね。(汗)

相談者さんの母乳外来の担当者がアドバイスされた①②③は、私もそう思います。
間違ったことは何一つ無く、適切なアドバイスです。

で、改めてそれ以外で乳頭亀裂に効果的なことは無いか?考えてみました。
④吸啜時間を3分間交代にする。・・・乳頭亀裂は、ふやけるほどに深くなりがちですから、片方を長く吸わせない。
乳頭亀裂があると、吸われ始めが超痛いから、どうしても片方長く飲ませる傾向のお母さんは多いのですね。
でも、それは悪循環なので、どこかで断ち切らないと前に進みません。
⑤乳頭頂であれば、ランシノ―を塗布して飲ませます。
ランシノ―は拭き取りが全く必要ないので、飲ませていない時間帯はラップしてもらえばいいです。
若しくはデスパコーワを塗布してラップするのもいいです。(これは過去記事をご参照くださいね。)
⑥乳房を緊満させないうちか、乳頭・乳輪がゴリゴリしていたら乳頭・乳輪をを引っ張っても、痛くない程度に先ほぐししてから、ラッチオンさせます。
⑦含ませて30秒~1分間経過して痛みが収まらない時はトコトン浅いラッチオンなので、直ぐに撤収して再度大きなお口を開けさせます。
⑧乳頸部であれば、キズパワーパッドを患部に貼付して、直母します。(これも過去記事をご参照くださいね。)
⑨これは、ちょっと話が逸れますが、一般的に4800gを越えると殆どの舌小帯体委縮症の赤ちゃんは、格段に飲み方が上達されます。
希望を捨てないでくださいね。

追記:キズパワーパッドの添付文書には「動物や人の噛みキズには使用しない。」という注意書きがあります。
ですので、最終的に使用されるか否かについては、各人添付文書をお読みいただき、その上で判断してください。
これまで実際に見てきた限りでは、貼付前に患部に付着したよだれを拭きとったり洗ったりしてからという常識的な対処の後にされてますので、感染兆候の所見は見たことがありません。
キズパワーパッドは商品の性質上、剥がれるまで数日間貼付可能のようですが、私は赤ちゃんが咥えることを考え1日1回は貼り替えるようにお勧めしています。

 

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2010年4月26日 (月)

3回食段階時の体重増加と母乳分泌について。(生後10ヶ月)

<ご相談内容>
いつもお世話になっています。
これからの授乳と体重増加について教えてください。10ヶ月になる娘がいます。
生後間もなくから、頻回授乳をしてきましたが、おっぱいの分泌が増えず(ベビースケールレンタルしてます)、離乳食開始前まではミルクを160~200/日補足し、開始後は1回食、2回食となるにつれ、ミルクが減ってきて、約10日前から3回食にして、それからは全くミルクを足していません。
離乳食は3回食になってもよく食べて、おっぱいも今まで通り、飲んでくれています。
分泌量が減るのを防ぐため、今でも夜中に起こして授乳、1日トータル600mlを飲んでいます。

3回食にステップアップしてもその600mlのままなので、なかなか増えなかった体重がこの10日で230g増えました。
出生時2794g、離乳食開始時(生後169日)6410g、2回食スタート(生後229日)6810g、3回食スタート(生後288日)7290g、現在(生後299日)7525gです。

離乳食では、よく食べるからと言ってタンパク質の食べ過ぎは負担がかかると聞きましたので、規定量を守り、お粥は全粥90g、野菜は50~70g、毎回ほぼ完食です。
10日で230gは増えすぎですか?
今までなかなか体重が増えなかったので、嬉しい反面、胃腸に負担がかかっているのでは、と不安になっています。
やっと3回食になった今完母になれましたが、分泌量の低下を防ぐため、日中も頻回、夜中も3~4時間おきに起こしています。(1日10回以上授乳)

①やはり、固形食での急激な体重増加はこんな小さい子にとって負担ですか?
(この時期の体重増加は1日約10g増えたらいいくらいとblogで拝読しましたので。間違っていたらすみません。)
これから、おっぱいの頻回を少しずつ回数減らして、おっぱいの飲む量を減らしていいのか、あるいは、食べさせ過ぎで離乳食の量を減らした方がいいのか、悩んでいます。
②娘の体重、月齢相当の必要哺乳量はどのくらいでしょうか?
③夜中起こして飲まさなくなると、昼の分泌量が減りますか?(夜中はホルモンが2倍とのことですので)

保健所の育児相談もありますが、私の所の保健士さんは、ミルク推奨の方で、新生児の頃、母乳不足でミルクどんどん足して、と言われ(その時は確かに不足してましたが)それ以来相談していません。

SOLANINさんのblogを支えにし、今日まで頑張って来れました。本当にありがとうございます。
大変お忙しい中、申し訳ありませんが、上記の私の不安や疑問、ご回答頂けますよう、何卒宜しくお願い致します。
過去記事も読ませてもらっていますが、blogですでに既述してくださっていた内容の質問をしておりましたら、お許しください。

<SOLANINの回答>
まずはおっぱいをあげることを諦めずに頑張って来られたことに敬意を表します。
と同時に、この10カ月間、スケールで哺乳量をはかり続けて来られたことには、大変驚きました。
10か月・3回食になり、いきなり体重増加度が大きくなり、嬉しい中にも不安がおありになるのですね。
そのお気持ちはよく分かりますよ。
離乳食とおっぱいのバランスについては、とても詳しく説明してくださったので、状況は把握できました。

さて、先ず、①についてですが、離乳食の量は過不足無く丁度良いと思われます。
盛りきった量を完食されたなら、敢えてお代りまではさせなくても良いかと思います。食べることが好きなお子さんのようですので、お食事の後におっぱいをあげるという順番で良いと思います。
過去記事にもありますように、厚労省から出ている『授乳・離乳の支援ガイド』をお読みいただけると判るのですが、育児用粉ミルクとは異なり、おっぱいには回数や量の制限はありません。

従いまして②の体重・月齢相当のおっぱいの必要哺乳量と言うのは、離乳食が3回食でしっかり食べておられる段階では随意量・見計らいということになりますから、厳密に何ml/日とは、断言できません。
離乳食を食べない月齢の赤ちゃんであれば、体重からすれば、1000ml/日くらいになりますが、離乳食が3回食でしっかり食べておられる段階なので、1食当たりカロリー換算すれば、およそ200mlの「乳」に相当すると言われています。
仮に育児用粉ミルクであればその計算でいけば、400ml/日あげれば充分ということになります。

ある意味非常にレアなことに、相談者さんは直母量をスケールで測定しておられます。
その結果、現段階で相談者さんの赤ちゃんは600ml/日のおっぱいを飲ませてあげておられることが判明しています。
3回食に進められていきなり体重増加度がアップしたのは、恐らくそのためかと思われます。

しかし、重ねて申し上げますが、おっぱいには回数も量も制限はありません。
「沢山飲んだら肥満を誘発するのではないか?」とか「内臓に負担がかかるのではないか?」ということは、懸念されなくても大丈夫ということです。
今まで体重増加度が月齢相当よりも小幅だったとのことですから、「ここにきてようやく挽回しているのかな?」と見守っていくというスタンスで良いと思われます。

また、③については、ご指摘の通りで、乳頭刺激が少なくなればおっぱいの生産量は自ずと減少してくると思われます。
但し一気に生産量が減少するわけではないので、いきなり夜間の授乳を中断したら、乳房トラブルを引き起こす恐れがあります。
なので、眠っておられる赤ちゃんを起こさないようにするのであれば、まず、お母さんの夕飯のボリュームの調整が必要になってくると思います。
でも、これまでの習慣から、赤ちゃんが眠っておられても、お母さんの方が目が覚めてしまって・・・ということも充分想定されますが。

ちなみに、10か月児の体重増加度は、パーセンタイルグラフから算出すると、10g/日ではなく、6~7g/日です。
ということは、200g前後/月も増えていれば、体重増加度的には「順調」と言えます。
これまでの相談者さんの頑張りが、赤ちゃんの成長に結びついてきたのかな?と、私としては喜ばしい気持ちです。
特に問題ないと思われます。

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哺乳中息が詰まってヒ―ヒ―言いますが大丈夫?(生後2カ月)

<ご相談内容>
いつも読ませてもらってます。
今、二ヶ月の赤ちゃんがいます。
生まれたときから完母なんですけど、母乳が出すぎでなのか、赤ちゃんがよくむせるんです………
で、母乳が詰まるのか息ができなくなって、『ヒーヒー』って言うんです……慌てて背中叩いたりさすったりすると、また息しだします。
これがおっぱいのときだけじゃなく、ツバでも詰まるのかたまになるんです。
息ができなくなった後はいつも元気にしてるし、おっぱいも飲みます。
赤ちゃんにはよくあることなんでしょうか??
病院に行ったほうがいいんですかねぇ?

<SOLANINの回答>
乳房が張っていたら(張っていなくてもおっぱいが湧き出す瞬間)、赤ちゃんは一生懸命おっぱいを飲もうとします。
考えてみたら赤ちゃんって器用な(?)コトしています。
液体飲みながら呼吸していますから。(厳密に言えば解剖学的にそれが可能な身体構造になっているのですが。)
大人には出来ない芸当です。(笑)

しかし、それとて限界があります。
嚥下ペースをはるかに超えておっぱいがフルスロットルで出てきても同じように飲もうとすると・・・。
フルスロットルのおっぱいが喉に流れ込んできて・・・
「陸(=おか)に居ながら溺れる。」という現象に陥ります。
先搾りしてから飲ませてあげたほうがいいですね。
パンパンに張ってる時は、なりやすいですから。
搾乳を頬乳瓶であげるのは、モノによっては却って勢いが良過ぎますし、安易な哺乳瓶の使用は乳頭混乱の原因ですから止めておきましょう。

おっぱいではなく、唾であってもそうなるのは何故か?
それは大人でも無防備な時は唾でむせることも有りますよね?そのあたりは一緒です。
なので、頻度としては、おっぱいの最中の方が多いと思いますよ。

で、ゲホゲホと咽たり、ヒ―ヒ―言ったり、のた打ち回るような仕草で苦しさを表現します。
お背中をさすったり、トントンしたりして呼吸を整えてあげれば大丈夫です。
まさに、赤ちゃんにはよくあることなので、それだけにとどまっていれば、病院で診てもらわなくても大丈夫ですよ。

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赤ちゃんのおやつの内容とタイミングは?(生後11カ月)

<ご相談内容>
むすめももうじき11カ月を迎えます。
最近、お菓子を与えないとかわいそう と母、義理母からくどくいわれます。。。
赤ちゃんせんべいをあげたくて仕方ないようです。
わたしは1歳までは与える気はないのですが。
おっぱいは8時、10時、12時、15時、17時、20時、4時の7回です。
(チョコっと飲みも数回あったりしますが)
離乳食は3回、いわゆる規定量をなんとか食べてくれます。
まだもう少し先ですが、今あげてるおっぱいの 10時、15時 をおやつにかえるのか、おやつとおっぱいの関係はどうなんだろうと考えてしまいます。。。
あげるとしても お芋のふかしたのとかおにぎり程度のつもりですが。

お忙しいかとは思いますが よかったら教えていただきたいです。
よろしくお願いします。

<SOLANINの回答>
1歳前後となると、周りからの餌付け希望(?)要望(?)が殺到してそういう意見を捌くのに、大変な時がありますね。
さて、どうしたものか?悩みますよね~。

これはある意味、「おやつにお菓子をあげないのは可哀想だ。」ということに通じます。
周りはあげたいばっかりなのですが、お子さんにとっては「貰ったことが無いものには我慢しているという概念が無い。」訳ですから、ちっとも不憫ではないのですね。
不憫だと思うのはある意味大人のエゴなんですね。

お菓子はあくまで歯磨き(=仕上げ磨き)が出来る(=嫌がらずにさせてくれる)までは、あげない方がいいのです。
上げるとしたら、文中にも有りますように、「お握り」や「蒸かし芋」など、食事を補うモノが好適です。
微妙な塩気や天然の甘味に舌鼓を打ってくれることを大切にしましょう。
時間的にはご指摘の時間が良いと思いますよ。
おやつ食べて、おっぱいは一応勧めて、欲しがればのませてあげる、欲しがらなければ敢えて無理強いはしない・・・で桶ですよ。

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2010年4月25日 (日)

頻回授乳は糖尿病発症因子にならないのか?

<ご相談内容>
いつもブログ参考にさせてもらっています。
お聞きしたいのですが、私は、今完全母乳で育てています。
娘は3ヶ月です。
ブログを拝見するまでは、3?4時間空けておっぱいをという情報が沢山あり、娘には我慢させてきましたが、ソラニンさんのブログに出逢い、泣いたらおっぱいに変えました。
ですが、疑問が出てきました。
それは、授乳にリズムがなくても、大人にあるペットボトル症候群みたいな感じにはならい無いのでしょうか?
私自身、糖尿病合併妊娠で娘を出産しました。
娘はただでさえ糖尿のリスクはあるとおもいます。
しかしあまりにも小さい時から糖尿を発症させてしまっては可哀想だと思いメッセージさせてもらいました。
分かりにくい文章で申し訳ありません。

<SOLANINの回答>
糖尿病発症には様々な原因・誘因があります。
糖尿病は種類としてもI型とII型とありますね。
ともあれ、糖尿病合併妊娠だったので、頻回授乳が糖尿病発症因子にならないかとご心配なのですね。
小児の糖尿病発症因子には、頻回授乳は該当しません。
では、該当するものは何なのか?
「親御さんが肥満体形。」「運動量が少なく、インドア派の生活スタイル。」「睡眠時間が短い。(3歳児の段階で10・9時間未満/日)」「BMIが生後3歳半以前から急激に増えた。[通常は4~6歳で増える。)」「妊婦の喫煙。」「夜更かしライフ。(成長ホルモンの分泌が関与)」「低出生体重児で極端な体重増加が乳児期に見られる。」等々です。

3カ月と言えば、満腹中枢が形成する時期です。
必要なおっぱいを腹八分目に飲めるようになってきます。
頻回であっても、調整が利くようになってきます。
そもそも、おっぱいのカロリー自体、他の飲み物に比較して決して高くなく、哺乳したからといって、血糖が跳ね上がったり急降下するような飲みモノではありませんね。
WHO/ユニセフが母乳を推奨する理由の一つが、そういった生活習慣病・肥満の防止をあげています。
昨年の母乳育児シンポジウムでWHOのランダ・サ―ディー女史(栄養学者)の講演でも、肥満の予防に母乳を挙げておられたくらいです。

離乳食(固形食)の方が明らかにカロリーベースで高いですから、「果汁やスープ等の離乳準備食はあげない。」「おばあちゃん世代よりもゆっくり6カ月頃からのスタート。」「少々食が細くても、体重がパーセンタイルグラフ内にある赤ちゃんであれば、決して焦らない。」ことの方が重要項目と言えるでしょう。

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2010年4月24日 (土)

こま切れ睡眠に対応できます。

独身時代には考えられないと思いますが、妊娠後期になると、睡眠パターンまでお母さんモードになります。
その一例が夜間のWCタイムによる数回の覚醒です。
数回の覚醒ということは、こま切れ睡眠ということで、当然のように昼間睡魔が襲ってきたりしてお昼寝をしたり・・・という経験は殆どの妊婦さんがお持ちではないかと思います。
産後のおっぱい生活が始まると、まさにこま切れ睡眠になりますが、睡眠時間が短い割にはカラダが動くのは実は妊娠中から準備ができているからなのですね。

ちなみにこの睡眠パターンの司令塔は松果体から分泌されるホルモンです。
そしてこの松果体ホルモンはおなかの赤ちゃんにも大きな影響を与えていまして、一般的に生後2カ月迄の赤ちゃんは夜行性の場合が圧倒的に多いのはこのお母さんからおなかにいた時に貰った松果体ホルモンのせいなのですね。

赤ちゃん自身のカラダが松果体ホルモンを造り出し、赤ちゃんなりの睡眠パターンが形成されるのは2カ月以降です。
実際その頃になると、「わりと眠ってくれるようになりました。」と仰るお母さんが増えてきます。

でも、おっぱいを造るプロラクチンというホルモンは夜中は昼間の2倍出るので、夜中に起きてしっかりおっぱいを飲むことは赤ちゃんの成長発達には不可欠のことですから、決して端折ってはいけないのですね。

色々なトコロで人間のカラダは上手くいくようにプログラミングされているのですね。

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仕事復帰されたお母さんからの嬉しいお便り。(5か月)

<お便りの内容>
現在5ヶ月の男の子ママですが、4月より保育園に預けて職場復帰する予定です。
私の住む地域は保育園激戦で、認証保育園に陳情の末入園が決まりましたが、搾乳は受け付けていませんでした。
しかし、最強母乳外来で培ったパワーで、入園の書類にサインしたあと(笑)要望書を作成しました。
要望書はSOLANINさんから頂いた知識を最大限に盛り入れ、厚生労働省の保育所保育指針を上げ、超大作に仕上げました!
そうしたら、園長も私の必死のお願いを聞き入れて下さり、会社に掛け合い、冷凍母乳を受け入れてくれることになりました!
ほんとにうれしくて涙がでました。

このブログに出会えていなければ、母乳育児にここまで喜びを見つけられていたかな?こんなに頑張って保育園に掛け合うことまでできなかったかも、と思います。母は強しですね。
それを教えていただいたSOLANINさんに感謝してます。
毎日ブログの更新大変でしょうが、頑張って下さい。

<SOLANINの感想>
産後5か月での復帰、様々な不安があると思います。
「せめて保育園にお世話になっている間は搾乳をあげたい。」というお母さんの熱意が園長先生を、そして制度を動かしたのですね。
何事もそこで初めてのことをお願いするというのは勇気が要るし、易々とは聞き届けて貰えないと思います。
でも、悶々としているだけでは先には進みませんからね。
そういう場合は相手を説得するのではなく、相手を納得させればいいのです。
『最強母乳外来』で培った知識が赤ちゃんとお母さんのためになり、良い結果をもたらしてくれてSOLANINとしても大変うれしいお便りでした。

母乳育児は山あり谷ありですが、何とかお仕事と母乳育児を両立させていけるように、SOLANINはいつも応援しています。

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2010年4月23日 (金)

赤ちゃんには靴下は履かせなくていいと思います。

歩くようになって、靴を履くような段階ならともかく、新生児であっても、それ以降の赤ちゃんであっても、おしゃれや外出時の防寒以外つまり普段室内で靴下は履かせる必要はないです。

しばしば言われることですが、赤ちゃんは手足の先で体温調節をしています。
室温的には大抵の病産院の新生児室は24~26℃ですが、ご家庭では季節を問わずこの室温を保つのは難しいので、私は退院指導の際は今の季節ならば20℃にしてくださいと、お母さんたちにお話ししています。
病院で赤ちゃんは2枚着てますから、およそ4℃下がれば衣服気候(家庭科で習いましたよね?)的に新生児には1枚増やせばいいのですね。

寝かせている時、寒いかどうかは体温測定すればいいですが、それ以外に様子を知るための手っとり早い方法は赤ちゃんの手足を触ることです。
それも手首足首の先を触って冷たくても、正しいジャッジは出来ません。
それよりも中枢側つまる前腕や脛を触って、冷たければ室温設定を上げるか、布団を着せるか、行火や湯たんぽをするか、1枚多く着せるかすればいいのですね。

ちなみに赤ちゃんの靴下は非常に脱げ易いですね。
あれは、赤ちゃんの足裏にはまだ土踏まずが出来ていないから、フィットしそうでしないからです。
なので、外出時は片方だけ靴下を落とし易いので気を付けましょうね。

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2010年4月22日 (木)

赤ちゃんにベビーパウダーって使わない方が良いと思いますが。

三丁目の夕日時代までは、乳幼児は湯あがりやおむつ交換の際はサラサラするようにとベビーパウダーをフワフワパフでポンポンと叩かれ、羽二重餅みたいになっていたそうです。

そして間違いなく、今の50歳代以上のおばあちゃん世代は「ホントにベビーパウダーって使用しない方が良いのですか?」と尋ねて来られます。
そこで、理由をお話ししたいと思います。
今を去ること昭和の終わりも近い1987年、主原料の滑石にアズベストが混入している事件が起きました。
その反省から現在の製品検査は厳しく、危険な混入物は出荷された製品からは見られなくなったのですが、赤ちゃんにはパウダーを吸いこむリスクや、厚く叩くと毛孔を詰まらせてしまう恐れがあり、お肌のデリケートな赤ちゃんには汗疹や湿疹が却って酷くなることも有ります。
皮膚と皮膚がくっつく部分は洗い残しになりやすいので、サラサラになるように叩いても結局余計にコテコテになりがちです。

尚、主原料はメーカーにより若干異なりますが、滑石とコーンスターチ等の植物性澱粉、昔はキカラスウリの澱粉(=天瓜粉=てんかふん)を使用しているものもあったらしいです。

ただでさえ、【皮膚バリア】のことを考えると、これ以上皮膚の乾燥を助長させても・・・という気がいたします。
大人が付ける分には問題ないそうですが、赤ちゃんにはちょっと・・・です。

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母乳育児の「トンでも」情報に惑わされないでね。

いきなり刺激的なタイトルになってしまいました。
いわゆる一般的な育児書の中身や医療者の保健指導についてですが、他の項目はともかく、母乳育児に関する項目はいやはや、トンでも情報満載です。(汗)

例えば生後3カ月頃までの実例を挙げます。
1.夜間授乳は赤ちゃんが起こしてくれなくてもおっぱいが起こしてくれることもあります。(←この部分は正解!)
その時は、寝ている赤ちゃんを起こしてまで飲ませる必要はありませんので、或る程度搾乳して捨てて、乳房管理だけはしておきます。(←この部分は「トンでも」情報!)
⇒これをすると大抵の場合、いきなり赤ちゃんが体重増加不良に陥ります。また、スーピーと眠っている赤ちゃんの横で夜毎何度も搾る作業は想像以上に孤独です。搾乳をしなかったらしなかったで、うっ滞性乳腺炎になり易いです。

2.おっぱいはちょこちょこ飲ませるよりも、泣いても直ぐには与えずに3~4時間間隔を空けて飲ませた方が体重増加が良いです。(←全文「トンでも」情報!)
⇒おっぱいは赤ちゃんが成長していくために飲むものですから、無理に間隔を空ける必要性は全くありません。泣いてほしがるのにあげないなんて、酷い仕打ちです。
おっぱいの消化時間は1時間半~せいぜい2時間程度なのです。3時間以上は粉ミルクの消化時間ですから、そちらに合わせる意味が分かりませんね。

3.おっぱいに張りが無くなれば、出が悪くなったということです。(←全文「トンでも」情報!)
⇒不眠症で全く眠れないとか、水分も摂らずご飯を抜いているとか、ひとつも吸わせていないならともかく、赤ちゃんの欲しがるペースに合わせてこまめに吸わせていたのであれば、張らなくなったのは母乳不足ではなく、赤ちゃんが吸ってくれるのに応じておっぱいが直ぐに出てくるという理想的なリズムに変ってきたからです。
この時期に到達するのは出産経験を積むほどに早くなります。

4.赤ちゃんがお口をモグモグ動かすのは母乳不足の兆候です。(←全文「トンでも」情報!)
⇒このころの赤ちゃんはお口に触れるものを取り敢えず舐めたり吸いついたりします。モグモグもします。お口で確認し、認証しているのです。百歩譲って母乳不足だとしても、こまめに吸わせることでおっぱいの出方は向上します。

5.体重増加順調でも抱っこしないと眠らないのは母乳不足だからです。(←全文「トンでも」情報!)
⇒体重が順調に増えているのであれば、誰が何と言おうとも母乳不足ではありません。抱っこが気持ち良いから抱っこではネンネしているだけです。寝かせるタイミングが早いとか、お布団が冷たいとか、一人では寂しいとか、頭を高くしてギュッとカラダを包んでから寝かせてあげればいいのに、フラットな姿勢でカラダを包みもせずにポンと寝かせているとか・・・置いたら直ぐに起きるのは何か理由がある筈で、それを改善していないからではないでしょうか。

如何でしょうか?
SOLANINとしては、「有り得ないことばっかり言わないで頂戴!」と言いたくなります。
お母さんになるからには正しい知識を身に付けないと、こういう「トンでも」情報に惑わされ、出来る筈の母乳育児が出来なくなってしまいます。
正しい知識を身につけて、ブレないお母さんになってくださいね♪

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2010年4月20日 (火)

眠りがちで活気が無い赤ちゃんの授乳はどうすればいいの?(新生児)

<ご相談内容>
生後9日目のベビーの育児をしている新米ママです。

実は赤ちゃんが通常の日程より、退院を2日延期しての退院になりました。
理由は活気不良とミルクを飲まない事が原因でした。
生後3日目ぐらいから、30㏄ぐらいしか飲まず、母乳も5分吸ったら疲れてしまうのか、寝てしまいます。
足を刺激したり、オムツを取り替えたり、様々な事をして起こしてたのですが、だんだん慣れてしまったのか最終日ぐらいには助産師さんもお手上げするほどずーっと眠って、たまに起きては、ちょっと吸って寝てしまいます。

現在は退院しました。
退院してからは片乳5分づつのんでみたり、右左右5分づつのんでみたり、バラバラではありますが、2~3時間置きに起きてくれてます。ただ飲むのに時間もかかりますし、やっぱり満足すると寝てしまいます。

病院からは
『20分以内に5分づつを2往復して、なにがなんでも三時間置きに飲ませなさい』と言われました。
昨日は母乳外来指導に呼ばれて行きました。きちんとお腹を空かせた状態で連れて行きました。しかし家だと最低でも5分づつは飲むのに、昨日は3分ぐらい片乳を吸って寝てしまいました。

体重の増加は多少ですが、退院時よりありました。
母乳外来の助産師さんは飲みっぷりを見てすぐ小児科に連絡して、小児科を受診しました。結果は異常なしでした。
指導とゆう指導はなく、結局どうしたらいいのか分からない状態で帰って来ました。

ブログを拝見して、起こさないのは優しさではないと、書いてあったので、必死に起こしてはいるんですが、寝てしまいます。
どうしたらいいのでしょうか。
やっぱり5分づつ吸って寝るんでは量も少ないですよね。
 

<SOLANINの回答>
満腹中枢が形成する生後3ヶ月頃迄の赤ちゃんがおっぱいを飲むのを止めるタイミングは「スタミナ切れ」の時です。
自分から起きて催促してくれるといいのですが、促さないと起きて吸ってくれないのは、大変だと思います。

過去記事にも書いたかと思いますが、1回のおっぱいに1クールで成長に必要な量が飲める赤ちゃんは半分も居ません。
2クールは必要なので2クールしたら1回飲んだという概算をします。
その計算で1日10回授乳。
しかし、眠りこけて1クールがやっとこさで、2クールなんてとても無理だわ・・・であれば、1日16クールはしてほしいです。

それさえも無理ならば、搾乳するしかありません。
相談者さんの赤ちゃんの体重・哺乳量等が全く分からないので、何とも言えませんが、仮に2500gで完母であれば、1回の目安としては30~40mlも飲んでくれたらそれで桶です。
それ以下だったら、頻回に飲ませてあげます。
1回量は目標?に到達しなくても、1日トータルで飲めていればいいのです。

日齢が進み、体重が増えたら活気も出てきます。
スタミナも増えてきます。
それに至るまではおっぱいの分泌を維持しましょう。

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身震い発作とは?

身震い発作とはどんなものなのでしょう?
ウチはの子ども達はなったことが無かったので、経験者?に尋ねてきました。

生後半年以降の乳幼児で、興奮や癇癪等が原因で、10秒くらいの短い時間ですがカラダを硬直させワナワナと手足を振るわせる発作のことを指すそうです。

歯をくいしばったり、奇声を発しながら・・・のこともあるそうです。
初めて見た方はけいれん発作と同じように見えますから、驚きと恐ろしさで小児科受診させると思います。
しかし、念のためと検査した脳波では、異常所見は見られません。
ちなみに泣き入り引きつけは身震い発作とは異なる病気です。

身震い発作自体は予後は悪くありません。
月齢と共に、発作の回数は少なくなります。
特に何か治療というのは、する必要性は全くありません。

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2010年4月19日 (月)

離乳食とおっぱいと体重増加のバランスについて。(9ヶ月)

<ご相談内容>
現在9ヶ月の赤ちゃんで最近離乳食を3回食に進めました。
離乳食の食べる量は多くはありません。
なのに離乳食の後のおっぱいを飲まなくなり、体重の増加が緩やかになり、おっぱいの分泌が低下してきていると相談した者です。
地道におっぱいの「訪問販売」をしていますが、嫌だと仰け反って拒否して飲んでくれません。(涙)

私としては出産当初は体調不良で日常生活に支障を来たしていましたが、それを乗り越えおっぱいを続けてきました。
拘りすぎかもしれませんが、おっぱいを長くあげたいと思います。
離乳食前のおっぱいはいつもと同じようにあげていいんでしょうか?
離乳食前におっぱいをあげて食べるということはおっぱいでお腹いっぱいになっていないということですか?

私の赤ちゃんは小粒ちゃんでキョロちゃんなのでお腹いっぱいは飲んでいないと思うのですが…「いつも通り飲んで離乳食を食べられると足りてない!?」なんて思ってしまったり…
確か3ヵ月を過ぎると満腹が分かり調整出来るようになると…おっぱいを前にして離乳食を食べるということは足りていないということですか?

<SOLANINの回答>
キョロちゃん相手に毎日おっぱいの「訪問販売」お疲れ様です。
奮闘しておられる様子が目に浮かぶようです。
小粒ちゃんでもあり、体重増加のためにもおっぱいをあげたいのですね。
離乳食が好きでよく食べるなら一般的な育児書に記載してあるとおり、離乳食⇒おっぱいの順番でいいと思います。
沢山食べた後ならば飲みっぷりも控えめでも当然でしょう。

私は基本的に離乳食の食べっぷりが控えめな赤ちゃんはおっぱい⇒離乳食の順番の方が適していると考えます。
先におっぱいをあげるメリットは赤ちゃんの気持ちを落ち着け、離乳食という苦手分野?に気持ちよく進んでいくためです。
こういう赤ちゃんは順序を逆にすることで、いつもより一口でも多く食べるチカラが発揮できるのです。
離乳食を大して食べてくれないのに、食後のおっぱいをまともに飲んでくれないということは、「二兎を追うもの一兎をも得ず。」になってしまいかねないです。
おっぱいは乳頭を吸啜する刺激で分泌されることはご存知ですよね?
であれば、そういう意味でも先におっぱいをあげて分泌の維持を図ることが大切ではないでしょうか?

満腹中枢はもちろん形成されていますが、おっぱい星人にとっておっぱいは前菜であり主菜でありデザートなんです。
先におっぱい飲んでも食べるのは、飲ませてもらうことで食べることのモチベーションが上がるからです。
おっぱいが足りてるとか足りてないとかの問題ではないのです。

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2010年4月18日 (日)

水分を沢山摂取するとおっぱいが良く出る?

おっぱいに含まれる水分は88%もあります。
赤ちゃんの哺乳量は月齢やおなかの空き具合、喉の渇き具合、体調、眠いかどうか等の諸条件により、毎回少しずつ変動しますが、少なくとも完全母乳で充分体重増加が見られる赤ちゃんであれば、1日に850~1000mlのおっぱいを哺乳しています。

一般的な話ですが、成人で1日に必要な水分は1000~1500mlですので、授乳中はそうでない時よりも水分が多く必要と言えます。
つまり、お母さんのカラダを養う水とおっぱいのための水分です。
しかし、滅多やたらに水分を摂取すればおっぱいの出方が良くなるというものではありません。
水分よりもおっぱいの分泌に大きく関与する因子は「乳頭刺激」「食事」「休息」です。
では、授乳中のお母さんの水分摂取量は、どう考えたら良いのでしょうか?
食物には水分が含まれますが、それぞれの食物の含水量をカウントすることは現実には困難です。
大まかな目安ですが、少なくともコップやお椀で飲む分については1500mlはあった方が良いとは思います。
但し喉の渇きに任せて冷たい飲み物をガブガブと一気に大量に飲むことは避けましょう。
何故なら胃腸が冷えるからです。
胃腸の冷えはカラダの冷えに結びつきます。
カラダが冷えると乳管が詰まったり、おっぱいの分泌が低下し易くなります。
まぁ、碌なことがないのですね。
授乳中の水分摂取は温かい飲み物をゆっくりこまめに飲むことが望ましいです。

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帝王切開後、次回の妊娠インターバルは?

<ご相談内容>

二人目は、どれくらい空けなければならないか!
今、8か月の男の子が居ます。
出来れば年子が希望です。私の背が152センチと小さいうえに、第一子の出生体重が3524グラムだった為、念のためレントゲンを撮ったら骨盤が狭いため帝王切開で出産しました。
帝王切開だと1年は空けなくてはならないですか?
年子をと思うと、来年の3月生まれの子→今年の6月に妊娠!
そうするとお腹の子宮は、耐えられないのでしょうか?
教えてください。
よろしくお願いします。

<SOLANINの回答>

帝王切開に限らず、次の妊娠までのインターバルがあまり詰め詰めですと、切迫早産や妊娠高血圧症候群等に罹る割合がとても高まります。
一昔前ほどではありませんが、「次の赤ちゃんの妊娠は1年待ってね。」とドクターから退院指導を受けていれば、それに従ってくださいね。
但し、10か月で次のお子さんを妊娠するのはさほど常識はずれというわけではありません。

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2010年4月17日 (土)

夕方になると乳房が張らない。

よくある話です。
「夜中は比較的よく眠ってくれて、おっぱいが飲んでもすぐに眠ってくれます。朝のウチも乳房は結構張って、おっぱいをゴクゴク飲んでくれるのに、お昼からは段々授乳間隔が狭くなってきて、夕方からは乳房にぶら下がり、ゴールデンタイムはグズグズが続き、その日の最後のおっぱいはしつこいくらい飲む。」・・・身に覚えありませんか?

おっぱいのことをあまりご存知ない方(医療者であってもです。)は簡単に「あっ、それって母乳不足ですからミルク足しましょう。」と仰います。
赤ちゃんの様子を見もしないで。
百歩譲ってホントに母乳不足だったとしたら、赤ちゃんの体重増加度が月齢相当よりもかなり少ないか急落していることが分かります。
(もちろん、急落するのはキョロちゃんということも想定されますので即断するのは軽率だと思いますが。)
赤ちゃんの体重増加度は全く問題なくても、上記の現象は起こり得るのです。
でも、それを知っている方(医療者であってもです。)はとても少ないのです。

千歩譲って慣れない育児で疲れが溜まって来る時間帯だからというのもあるでしょう。
だったら、お昼寝をすればいいのです。
30分間でも1時間でもいいです。
元々深夜帯に比較してお昼間の血中プロラクチン濃度は半分ですので、お昼寝すれば血中プロラクチン濃度は上昇すると言われています。
お昼寝をした日はなんとなく乳房が温かいとか、張ると仰るお母さんはおられます。

もちろん張らなくてもこの頻回の繰り返しの乳頭刺激でおっぱいの分泌は確実に増えます。
逆にここで頑張るから、夜中すんなり眠ってくれるのですよ。
次の日のおっぱいの分泌が維持・向上してくるカギ~つまり、これはおっぱい製造工場への矢継ぎ早の発注~なのですから。
ここを端折ってどうするの?と私は言いたいです。
乳頭に受ける刺激というのは想像以上に大変重要で、例えば残乳を搾るだけでおっぱいの分泌は増えます。
(なので、過分泌の方は残乳を搾ってはいけませんよ。収拾がつかなくなるから。)
どうしても分泌不足が心配なら、夕方だけカイロやゆたんぽ等で乳房を授乳前に数分間でいいので温めます。
(長くすると乳房のコンディションがおかしくなったり、低温やけどしたら大変だからあくまで数分間に留めましょう。)

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乳管炎とは?

乳管炎(=にゅうかんえん)・・・って聞いたことがありますか?
諸説ありますが、メジャーなものとしては、乳口炎が深部に向かい進行していったものとされています。
また、引き金としては、乳頭をとても強いチカラでしごくとなり易いそうです。
症状としては乳頭・乳輪を指先で摘むと、乳房の奥深い部分にまで痛みがジンジン響きます。
乳口炎同様に乳腺炎の原因となりますから、抗生物質の処方を受けたり、早めの治療が必要です。
状況により、鎮痛薬の処方を受けます。
繰り返すようであれば根本的にトラブルが起き難いように「ごぼう子」を服用されたらいいと思います。

 

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2010年4月16日 (金)

乳房神経痛(?)って?

心臓病や肋間神経痛等、乳房の痛みを感じるような基礎疾患は全く無く、もちろん乳房にうっ積やうっ滞に伴うしこりや熱発等の所見は全く無く、なのにうずくまって動けないくらいに唐突に乳房が痛くなることがあります。
ズキンズキンと拍動するような痛みです。

このような、他の疾患を全て否定できる状態の場合、乳房の神経痛(?)と言われることがあります。
原因は定かではなく、いきなり襲ってくる痛みは恐怖ですが、悪性のものではないので、痛みが鎮まるのを待つしかありません。
お守り代わりに鎮痛剤を処方してもらう方もおられます。
血液循環が悪いと起こり易いという説も有りますので、その場合は基底部マッサージや温罨法をして循環の改善を図るという対処法も有ります。

そのような対処をしているうちに「あれれ?治ったかな?」ということもあるようです。
私もこれまで乳房神経痛ではないか?という方には2名しか遭遇したことがありません。
なので、これ以上の詳しい説明は出来ませんが、まぁ、こういうこともあるかもしれないという知識だけでも持っていてくださいな。

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「母乳育児を妨げる囁き」に耳を傾けないでね。

家庭訪問や集団健診の場で保健師さんや栄養士さんから「その日の最後の授乳の際はミルクを足しなさい。そうすれば夜ぐっすり眠ってくれるわよ。」という一見親切そうなアドバイスを受けた方、相当いらっしゃるのではないでしょうか?
あっ、あれね、「母乳育児を妨げる囁き」なんです。
だから、真に受けて従ったりしないでね。

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2010年4月15日 (木)

母子分離を甘くみてはいけませんよ。

母子分離と聞いてどんな状況をイメージしますか?
私なりに思い浮かぶことを挙げれば、「NICUに新生児搬送される。」「光線療法で母乳を中止させられる。」「母子異室で時間授乳している。」「お母さんが帝王切開だったからという理由で赤ちゃんが保育器に入り、面会すら制限されている。」「お母さんが病気・手術で入院のとなり、赤ちゃんの同伴を断られる。」「上のお子さんが入院で付き添いのため、赤ちゃんと離れて過ごす。」「お母さんが仕事復帰する。」等々ですかね。
何日間・何週間・何カ月・・・期間は様々ですが、赤ちゃんをお母さんから離すと、様々な不都合が噴出してきます。

ミルクや哺乳瓶に慣れて「乳頭混乱」「哺乳ストライキ」になってしまうリスクが高まります。
定時搾乳しないと、「乳房トラブル」になり易いです。
毎日授乳していたらこの辺りという時間帯に同くらいのペースで搾らないと、おっぱいを造るプロラクチンというホルモンがあまり出なくなってきます。
僅か1週間でプロラクチンの血中レベルは妊娠前のレベルにあっという間にドド~ンと低下します。
つまり、「おっぱいの分泌の低下」を招きます。
最近の過去記事で“張って来なけりゃ、搾らなくていい?”というのはまだ記憶に新しいと思いますが、まさに、あの記事は此処の一部分のお話で出来た記事だと自分でもそう思います。

そういう目に遭ってほしくないので、母子分離に敏感なお母さんで居てくださいね。
その時に慌てふためかなくても大丈夫なように、過去記事をご精読くださいね。

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理解し難い!便秘症の赤ちゃんへの処方について。

赤ちゃんにどのようなお薬を処方するかは診察されたドクターが決められることです。
また、これから書くことは、私の勤務先ではない某開業小児科での処方ですから、もちろん私はその場に立ち会ったわけでもありません。
他院勤務の一助産師が或るドクターの処方に付いて異議を唱える場はありませんし、そんな権利はないことは承知しています。
しかし、どう考えても「これって変ぢゃないか?」という処方を知ったので、ちょっと聞いてくださいね。

時々★病院の母乳外来に受診される便秘症の赤ちゃんへの処方です。
お薬手帳を見せてもらったので間違いありません。
肛門刺激等の処置をしてもうんちが出なくて苦しそうだったら「頓服」を内服させなさいと言われ処方されたお薬がなんと、『セフゾンドライシロップ』だったのです。(驚)

医療関係者だったら、このお薬が何であるかご存知かと思います。
知らない方のために簡単に説明しますと、これって、抗生物質なんです。
ドライシロップというのは錠剤やカプセルが内服出来ない乳幼児に対し、服用し易いように細粒の形になっており、ちょっと甘くなっているものです。

抗生物質は細菌感染の場合に処方されます。
ドクターによってはウィルス性の風邪ではないかという場合でも二次感染の予防とかで処方されることがありますが・・・
そこまでは百歩譲りましょう。
でも、便秘症の解消に抗生物質って、どうなんでしょう?
いいんでしょうか?
抗生物質を服用すると程度の差はあれ、腸が荒れますから、下痢っぽくなります。
その作用を期待して処方してるってことですよね、多分。
そりゃあ、うんちはユルくなって出るでしょうよ。
けれども、そんなやり方って・・・
抗生物質を安易に処方⇒内服することは耐性菌を産み出す原動力?になりかねません。
ある程度の規模の病院だったら、こんな処方箋切ったら、薬剤部が黙っちゃいないと思うのですが・・・
赤ちゃんにホントに抗生物質が必要とされる時、効きが悪くなったらどうします?

困ったことに、このお母さんは単純に「(この便秘症の頓服)良く効くんですよね。」と喜んでいらっしゃるし、「○○小児科はお薬たくさんくれるし、ドクターが優しいから、ウチの近所で良かったな~って思うんです。」とニコニコ顔です。
私としてもいかんともし難く、「これは抗生物質だから、うんちが出ない時に使う薬ではないのですよ。ホントに記憶違いとかではないのですね?次回受診の際、念のためドクターに確認してみてくださいね。」と申し伝えましたが、コトの内容を正しく理解して居られないような気がします。(あまり人の話を聞かないタイプのお母さんではありました。)
このお母さんには何故かそれ以降、お出会いしていないので、『セフゾンドライシロップ』を「頓服」で内服した赤ちゃんがどうなったのか謎のままです。(汗)

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2010年4月14日 (水)

赤ちゃんにミトンは不要?(生後1ヶ月)

<ご相談内容>

私は1ヶ月になる息子がいるのですが、退院してから毎日ミトンをつけています。
しかし最近、ミトンをつけていると体温調節の妨げになるとか、指からの刺激が感じられず成長過程においてよくないと聞きました。
顔を引っ掻いたり、目に指が入るのが怖くてつけていたのですが、やはりミトンはつけないほうがよいのでしょうか?

<SOLANINの回答>

ご指摘の通りかと思います。
お顔を引っ掻くのは防ぎようが無いようですが、赤ちゃんがイライラしてなかったら、そう頻繁に引っ掻いたりしませんよ。
(母子異室の赤ちゃんよりも母子同室の赤ちゃんのお顔の引っ掻き傷は少ないという報告を聞いたことがあります。お母さんが傍に居てくれると、要求の察知が早いから赤ちゃんがイライラしなくて済むのでしょうね。)
引っ掻き傷については、少しでも防止するため爪をこまめに切ってください。
赤ちゃんの爪は伸びるのがやたら早いですから、週2カットが目安です。
目に入りそうなこともよくあり、実際半分くらい入ることもあるようです。(汗)
ですが、眼球を傷つけないように赤ちゃんは反射で目をとじようとしますから、実際にそのせいで怪我をしたという話は昔も今もは聞いたことがありません。

医学的理由でミトンをすることがあるとしたら、重症のアトピーで、痒すぎて掻き壊して浸出液がダラダラ出るとか、よほどの事情がある場合です。

尚、ミトンは一般的に外側に縫い目がありますが、見た目重視でたまに内側に縫い目があるものもあります。
縫い方がヤワい製品もあり、お洗濯を繰り返すと、縫い目がほつれてきます。
赤ちゃんが手指をもぞもぞ動かしているうちに、ほつれた糸を指に巻き付け、指先が壊死して切断という事故が過去には発生しています。

ミトンの使用の際は充分注意してくださいね。

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2010年4月13日 (火)

テンパッた泣き方の時の宥め方は?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「テンパッた泣き方の時の宥め方は?(改訂版)」が公開中です。
最新の内容は上記にてご確認ください。


以下、過去記事。

おなかの空いた時や、気が向いたときでなければ、おっぱいを勧めてもギャンギャン泣いて仰け反って嫌がって・・・となると、お母さんとしては暗澹たる気持ちになってしまいますよね?
舌を前に出して乳首を巻きつけてくれないと、おっぱいは飲めないのに、舌を引っ込めたり巻き上げてしまったら、余計飲めなくなってしまいます。

最初の頃は曲がりなりにも飲めていたのに、満腹中枢が形成してくる頃になると、酷くなる赤ちゃんが居られます。
気難しくなったのか?という印象さえ受けると思います。

こういう場合はまず咥えさせるための格闘をお休みして、横抱っこをしましょう。
出来るだけ赤ちゃんの背中が「真っ平ら」になるような横抱っこです。
基本的に赤ちゃんの抱っこは背中が丸々になる抱っこをするのが普通ですが、気難しくなったのか?という印象を受ける赤ちゃんは私の経験から言わせて貰うと、背中が丸々になる抱っこはあまり好まないようです。

このままでは、ギャンギャン泣きは止まりません。
次に肩幅よりも少し広く脚を空けて立ちます。
そして、太腿の内側を寄せるようにして、膝頭がくっつくまでしゃがむような姿勢をとります。
そう、赤ちゃんを「真っ平ら」に抱っこしたままスクワットみたいにそれを繰り返すのです。
したらば、あら不思議。
赤ちゃん泣き止みます。
我に返ります。

半分哺乳ストライキが入ってるんぢゃないのか?と疑惑がある場合は長泣きしますから、この方法を知っていれば宥めるのが早く出来ます。

赤ちゃんが我に返ったら、目を見て語りかけます。
その後は、タイミングが合えば、おっぱいを吸ってくれますよ。
試してみてね♪

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体重増加が急激に少なくなってしまった!

<ご相談内容>
予定日1日前に出産しました。
男の子です。
生後75日目までは大変順調な体重増加が見られ、その時点で生下時の2倍というハイペースな増え方でした。
生後75日目~85日目までの体重増加度は20g/日でした。
ここまでは月齢相当でした。
しかし、生後85日目から94日目までは11.1g/日に急減しています。

入院中からよく出ていて助産師さんにも太鼓判を押していただき、これまで母乳のみで頑張ってきました。
生後2カ月位までは2~3時間おきに欲しがったら授乳。
その後も、間隔は3時間おき位に落ち着きましたがほしがったらあげていました。

元々長くは飲まず、片方5分ずつの1クールだったんですが、5日前から突然飲む量(時間)が急激に減り、片方のおっぱいを3分位吸った所で離し(出すぎで離してしまうこともあります)
再び吸わせようとすると、激しく泣いて飲んでくれなくなりました。
宥めて何度か飲んでもらおうと挑戦するのですが、『飲ませようとすると泣く』の繰り返しで、諦めて置くとほとんどの確率で指を吸って寝ます。

飲む量が少ないので心配で、3時間おきのぺースで様子を見て吸わせてはみるのですが、飲んだり飲まなかったりです。

お風呂上りの授乳はさすがに喉が渇くのか5分ずつ飲んでくれますが、夜は1度も起きず9時間程寝て、翌朝1回目の授乳の時も片方長くても5分位しか飲んでくれません。
(夜、長寝してくれるようになったのは2ヵ月半の頃です)
機嫌はすごくいいのですが、体重の増加もあまりよくないように感じますし、このまま飲んでくれないと母乳が出なくなってしまわないかと不安です。

指を吸うのはお腹が空いた時だけではないと言いますが、飲む時間が短いだけに足りていないのでしょうか??
それとも、満腹中枢が分かってきて自分でうまく調節してくれてるのでしょうか?
どうすればいいのでしょうか?

<SOLANINの回答>
赤ちゃんをご出産されてこの方、順調に母乳育児をされてきたにもかかわらず、ここに来ていきなり壁にぶつかり、困惑しておられるのですね。
これまでおっぱいの分泌にも問題が無く、トラブルもなかったのはなによりでした。

メリハリのあるおっぱい飲みスキルは、まさに生下時体重も3kg台の男の子で短時間でおっぱいを飲み終えるのは哺乳力が強く、ガッツリ型であるためでしょう。(典型的な男の子飲みですね。)

おっぱいの飲み方が変化したのは、満腹中枢が形成してきたからです。
眠たい時・寝呆けている時でなければ、これまでのようなガッツリ型の飲み方は恐らく滅多にされなくなります。
何故かと言うとたくさんおっぱいを飲んでおなかが苦しくなると、遊ぶのに支障を来たす(?)ので、ボチボチの飲み方に変貌してくるのですね。
(最近おっぱいの後は唸ったり呻いたりしなくなったでしょう?)
また、指しゃぶりを憶えると、それが楽しくてハマってしまうのですね。

このような哺乳パターンの変化はある意味止むを得ないのです。
しかし、それに加えて長く眠られるようになると、お母さんのカラダはラクかもしれませんが、分泌の維持・トラブルの予防・赤ちゃんの体重増加の維持という3つの問題が浮上します。

この中で今現在問題になりそうなのは、赤ちゃんの体重増加度です。
パーセンタイルグラフ内に入っていますから今のところ大丈夫ですが、11g/日という体重増加度は6ヶ月頃の赤ちゃんのそれですから、ペースダウンし過ぎのように思います。

3時間以内ですと、まともに飲んでくれないでしょうから、これは夜中若しくは眠たくなる前にここぞとばかりおっぱいを飲ませるのが得策かと思います。
特に昼間は指しゃぶりすると、ウトウトしてくるでしょうから、そこを狙うのです。
夜間9時間連続睡眠というのは、いくら考えても授乳間隔として空き過ぎです。
今現在は大丈夫でも、毎日こんなに連続睡眠が続けば近い将来うっ滞性乳腺炎になるリスクは高いでしょう。
吸われることも、搾ることもしなければ、やがておっぱいの分泌は低下してきます。
賢明なことに相談者さんはそのことに気が付いてくれているのですから、アドバイスしましたように対処して貰えれば上手くいくと思います。

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2010年4月12日 (月)

赤ちゃんのおしっこが最近臭います。(7か月)

<ご相談内容>
もうすぐ8ヶ月の女の子のママで、完母す。
7ヶ月過ぎてから朝一で取り替えるオムツの臭いが臭くなりました。
臭いは芋焼酎の様な臭いです。
うんちの臭いは変わりません。
アトピー体質のようなので、まだ離乳食はやっていません。
やはり私の食生活と関係があるのでしょうか?
それとも内蔵系の問題なのでしょうか?
成長と共におしっこの臭いも変わるのでしょうか?

<SOLANINの回答>
新生児期におしっこから異臭がしたら、先天性代謝異常の一種かもしれない可能性がありますが、7か月なのですね。
一般に離乳食が開始したらうんちの性状やおしっこの臭いも変化してきますが、相談者さんはお嬢ちゃんがアトピーかもということで、離乳食はスタートしておられないとのことですね。

では、何なのか?
一つは朝イチで交換するおむつなので、夜間の交換はお休みしておられ、従って、CM風に言えば3回分のおしっこ(!)が、吸収されているのかもしれません。
つまり、量の問題です。
おむつの膨らみがパンパンになっていませんか?
昼間はこまめにおむつ交換されるお母さんであっても、月齢が進めば夜間、赤ちゃんが眠ってくれていると交換されないお母さんもおられますので。
時間経過したおしっこは発酵したような臭いになるかと思われます。
ご指摘の「芋焼酎のような」というのはまさにコレかもしれませんね。

他の可能性があるとしたら、新生児期から徐々に内臓機能は発達してきます。
腎臓もおしっこを濃縮する機能が高まります。
つまり、濃さの問題です。
おしっこが、濃ゆくなっていませんか?
今は春先ですが、これから暑くなるに従って、いよいよ濃ゆくなっていきそうです。

お母さんのお食事については、赤ちゃんのおしっこの臭いが気になるようになってから、余程臭いのキツいものを常食しておられるのでなければ、関係ないと思います。

体重の増え方も機嫌も特に変りなければ、様子見でいいと思います。
尚、おしっこについては色もチェックポイントです。
明らかに血が混じる時は至急小児科受診して下さいね。

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おっぱいに執着していないような1歳児の卒乳とは?

<ご質問内容>
もうすぐ1歳になる息子がいます。
最近こちらのブログを知り、毎日少しずつ読ませて頂いています。
山あり谷ありの日々でしたが、試行錯誤しつつ今日まで完母です。

息子は哺乳瓶嫌いでしたし、私も母乳でという思いがありましたので今まで完母できましたが、そんなにおっぱいには執着がないように思います。
現在は午前、午後、寝る前、夜間に2~3回の1日に5~6回の授乳です。
欲しがるようなことありませんが、おっぱいをあげようと抱っこするとすぐに口を開けてくれますので拒否するようなことはないです。
しかし、夜間はともかく日中はおっぱいがなくても大丈夫な気もしています。(寝る時も指しゃぶりで寝つきます)
欲しがらないならあげなくても大丈夫なのかな?これが息子の卒乳のタイミングなのか?それとも飲むならあげたほうがいいの?となんだか分からなくなってきました。
二人目も欲しいのですが(生理はまだきていません)おっぱいをあげなくなるのは寂しい気もして…(私自身が揺らいでいますね)

<SOLANINの回答>
自然卒乳の時期はもちろん個人差はありますが、1歳迄で20%、1歳半迄で50%、2歳迄で80%です。(2歳以降もおっぱい生活が続くお子さんが20%はおられるわけです。)

理由は定かではありませんが、10か月から1歳くらいのお子さんに、一時的におっぱいに執着しない現象が時々見られることは私も見聞きしています。
離乳食が順調に進んでいれば、栄養面に於けるおっぱいの比重はだんだん少なくなってきます。
つまり、それ以外の理由の占める比重が大きくなってきます。
眠るためということも大きな比重ではありますが、相談者さんのお坊ちゃんは指しゃぶりをしてネンネされますから、どうしてもおっぱいが無いと眠れないお子さんではありませんね。

となると、ここはひとつ、お坊ちゃんに聞いてみるのが良さそうです。
えっ?
「もうすぐ1歳のお坊ちゃんでは、まだ喋ってくれないのでは?」ですって?
・・・そうですね。
確かに会話としては難しいかもしれません。
でも、ベビーサイン的にはどうでしょうか?
「普段からしていないので分からない。」って?
でも、専門的な知識がなくても、「おなか空いてるのかな?」「眠たいのかな?」といったことは、日々察知しておられるかと思います。

そういう場合はお坊ちゃんの意思確認をしてみましょう。
「ねぇねぇ、おっぱい好き?」
「今おっぱい飲みたい?」
・・・と、尋ねてみてください。
にっこり笑っていれば「好き。」なんでしょうし、お母さんに駆け寄ってきて服をめくったり引っ張ったりする仕草を見せれば「おっぱいがほしい。」のでしょう。

何回か尋ねてみて、イマイチ反応が薄いようならば、今度はこう聞いてください。
「お兄ちゃんになったねぇ。もうおっぱいは要らないかな?」
「おっぱいとご飯、どっちが良いの?」
仮に10回尋ねて、半々くらいならおっぱいを続けてあげましょう。
お母さん自身がまだおっぱいをあげたい気持ちが残っていますからね。
仮に1~2回くらいなら、お母さんのお食事の量を減らし始め、Xデ―に備え準備してもいいかと思います。
お母さん自身に2人目が欲しいけれど、月経再来がまだである・・事実がありますからね。
お母さんはお坊ちゃんのリアクションにより、対応をしていけばいいのですよ。

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2010年4月10日 (土)

新生児のうんちのユルさについて。

<ご相談内容>
>>先月20日に出産した24歳、新米ママです。
こどものウンチについてご相談があってプチメしました。
私は完母で育てています。
こどものウンチを見ると、下痢の様な水様便をします。
完母だと水様だと聞きますが、どの程度水様なのでしょうか。
やはり、私の食生活が悪いのでしょうか?
私は便秘気味なので、毎食皿いっぱい(結構大量)の?生野菜を食べて、おかずを食べています。
白米はつわり以来ダメになり食べていない状態です。
母乳は良く出るのですが、水っぽい気がします。
下痢のせいか、お尻もただれて可哀相です。
乳首をふくむ前に吐く前の様な仕草もします。
今夜は母親から、「おっぱいが原因かも知れないから、粉ミルクに変えなさい」と言われ泣きながらミルクをあげました。
ネットで検索したりしても、不安が募るばかりで…初プチメで質問ばかりで申し訳ないのですが、解答お願い致します。
読者通知していなくて申し訳ありませんでした。

<SOLANINの回答>
うんちはゆるくてもホントに大丈夫です。
お尻が赤いのは、体質や拭き方にもよります。
スキンケアとしては、搾れるくらいにお尻拭きに湯を含ませ、うんちの度に洗い流すようにして仕上げに水分を拭き取ってください。
確かに若干うんちが固まりますが、そんなことのためにミルクは与えるモノではありませんよ。
それよりも小児科でオムツかぶれのお薬を出してもらうのが先です。

ミルクは意味が無いので止めましょう。
すぐにおっぱいに戻してください。
お母さんのお孫さんである前に貴女の赤ちゃんです。
ご自分のお子さんに対し、実母さんにイニシアチブを取られることの方が私には心配です。

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2010年4月 9日 (金)

卒乳のタイミングが分からない。(汗)

<ご相談内容>
いつも勉強させていただいてます。
今1歳2ヶ月の男の子がいます。
産後2週間で乳腺炎になり、そこから毎月乳腺炎になっていました。腺が細いようで、しかも息子があまり飲んでくれず、ごぼうしを飲んでマッサージに通う日々です。息子は体重の増えが悪く、3ヵ月からミルクをたすように言われましたが飲んでくれず…離乳食が始まっても全然たべず…今やっと8キロになりました。
おっぱいに執着のない子なので、周りからは卒乳したら?と言われますが、まだまだ出るおっぱいを今やめて乳腺炎になるのが怖く、無理やり飲んでもらってる感じです。
回数を減らすのも怖く、昼間も3回、夜中に3回は減らせません。旦那が二人目が欲しいと言いますが、おっぱいがまた1年以上続いて乳腺炎を繰り返す日々を考えると…。どうしたらいいでしょうか。
ちなみに今も乳頭が白くなって痛いです。
コンディションがいい時なんてないので卒乳のタイミングがわかりません。
息子は1歳近くなってから急におっぱいを前より飲むようになりました。
でも自分から欲しがりはしません。
私が時間を決めてあげています。
前は誰かいたりテレビがついていると飲まず、静かな部屋じゃないと飲まないので出かけると大変でしたが、今はどこでもあげれば飲むし乳首をはなさない時もあるんです。今さら…と思ってしまい複雑です。
卒乳してからどのくらいたって妊娠するのがベストなのかも教えてください。

<SOLANINの回答>
まずはこの1年2カ月、乳腺炎と闘いながら、おっぱいをあげて来られたことに敬意を表します。
また、何と言うか、この一見全くおっぱいに執着してなさそうなお坊ちゃんですが、ミルク拒否&離乳食拒否という頑固一徹なパターンは実は隠れおっぱい星人の特長なんですね。
体重的にはパーセンタイルグラフ下限ギリギリ入るかなぁ~?というトコロですが、運動機能の発達や頭囲に遅れは無いのでしょう?
だったら、目くじらたてるようなことではないですよ。
おっぱいのコンディションを整えにくい状態ですが、ごぼう子を服用しておられたら、詰まりまくることは無いですよ。
乳房トラブルで助産師の手を借りねばならない状態でなければ、先ず大丈夫です。
あと、お子さんの体調も良い時にしてください。(詳しくは過去記事の「言い聞かせ卒乳」の項目をご参照くださいね。)

卒乳の際は言い聞かせをしていくことが良いようにも思えますが、その際はお母さんのお食事の量(カロリー)をダイエットして臨んでくださいね。
だいたい、おっぱい全盛期の3/4に落としてくださいね。
(そうでないと、乳腺炎になり易くなってしまうから。)

妊娠のタイミングについては、おっぱいが落ち着くのに1ヶ月要するとしても、月経再来すれば翌月でも可能です。

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二次的な乳糖不耐症について。

赤ちゃんの体重増加不良を惹き起こす病気の一つとして、これまで何本か「乳糖不耐症」について記事を書きましたが、どちらかというと、出生早期というか、先天的な要因(体質)としての記事が多かったかと思います。

二次的な・・・というのはどういう意味かと申しますと、先天的な要因(体質)は無く、ある日突然に発症するというものです。
月齢が進んでからというのが不気味ではありますが、大きな誘引は風邪引きの後です。
フツウの風邪の後もあるし胃腸風邪の後もあります。
何らかのワクチン接種の後になる方も居られると聞きますが、ワクチン接種との因果関係は、今のトコロはっきりとはしていません。

一般に完母の赤ちゃんであっても、月齢が進むとうんちの回数は減少します。
新生児の頃のように”おっぱいを飲んだらトコロテンを押し出すかのように反射的”ではなく、“おっぱいの飲みとは関係なくまとめて”出すようになります。
ところが二次的に乳糖不耐症になると、例えば2日に1回にペースでうんちを出していた赤ちゃんが1日4?5回出すようになってきます。
それが数日間ではなくもっと長期的に延々と続きます。
「そのうち止まるだろう。」とタカをくくっていたら2ヶ月も続いた赤ちゃんも居られます。

鑑別は便クリニテストをすることが必要です。
うんちに乳糖が降りているかどうかを調べてもらいます。
かなり大雑把な表現になりますが、便クリニテストというものは痛かったり怖かったりする検査ではありません。
まっ、検便の一種です。
しかし、正確にやろうとすると、やたらと時間がかかるそうです。
(担当臨床検査技師さんのお言葉です。)
結果報告までに4?5時間は必要だと言われることもあります。
なので閉院時間直前に受診して「検査してください。」なんて言っても「今日は無理です。」と言われるのがオチです。
マナーとしては検査指定日の朝イチに検体出せるようにしましょうね。
(出るかと思えばそういう時に限って出ない場合は綿棒浣腸して出しましょう。)
余り言いたくないのですが、とても手間暇の掛かる検査なのに、単価が安い検査なので、やりたがらないドクターも居られるようです。(涙)

治療としては「ミルラクト」という整腸薬を毎回のおっぱいの直前に内服させます。
昔は大豆粉乳の類が勧められましたが、そうすると次は大豆アレルギーを誘発しやすくなるので、今はそういうのは飲ませません。
ミルクを勧めるドクターも居られますが、育児用粉ミルクにも乳糖は含まれていますからねぇ。
それでも敢えて育児用粉ミルクを飲ませる適応があるとしたら、おっぱいの分泌自体がカツカツで、パーセンタイルグラフの下限からどんどん逸脱してきている場合くらいでしょうか。
少なくとも赤ちゃんの体重がパーセンタイルグラフ内でおよそ月齢相当の体重増加度であれば、育児用粉ミルクの補足しなくてはならないという医学的根拠は無いと考えます。
(赤ちゃんの体重は常に月齢相当以上にガンガン増えなきゃ気が済まないというドクターはやたらとミルクを勧められると思います。鑑別方法としては院内にミルク屋さんの宣伝グッズが蔓延していたら要注意です。)

体重増加度の大まかな目安は乳糖不耐症ではない赤ちゃんであっても生後6ヶ月以降は10g前後/日(=1ヶ月300g前後)、生後9ヶ月以降は6?7g/日(=1ヶ月200g前後)です。
逆に乳糖不耐症であっても、この程度の体重増加度が達成されていれば、お薬無しで様子見しましょうと仰るドクターも居られます。

離乳食が始まっている赤ちゃんであれば、おっぱい以外の乳製品やそれを含むものは極力カットします。
え?べビーダ〇ンが好きですって?
あ?、それは乳糖をたんまり含みますから止めておきましょう。
乳製品は悪化を助長する恐れがありますから。(汗)
でも、例えば炭水化物は乳糖を含みませんから大丈夫です。
メニューというか食材の選択を考えてね。

「ミルラクト」が処方されたらズボラせずにきちんと服用させましょう。
軽快しているかどうかは、定期的に“便クリニテスト”をしていただき、結果を見て判断していくことになります。
いつになったら治るのかは、元々の状態・個人差がありますから何とも言えません。
長いと数ヶ月かかることもあるし、わりと直ぐに治っても、また風邪を引いたら再発する赤ちゃんも居られます。

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2010年4月 8日 (木)

今年4~6月出産の方は、家族計画しっかりと!

余計なお世話とは言わないでね。
産後の初回の月経再来がいつになるのかは人それぞれですが、今年4~6月出産の方は、下手をすると来年3月までに次の赤ちゃんが生まれる可能性を持っておられます。
「どういう意味か分からない。」という方も居られるかもしれませんね。
それはつまり、ベタな表現ですが、「双子でないけど、同級生(汗)」ってヤツです。

完母であっても避妊を怠っていたら可能性はあります。
完ミや混合の方は完母の方よりも月経再来し易いので、言わずもがなです。
赤ちゃんはご夫婦で話し合って、望まれた時に授かるのがベストです。
「えらいこっちゃ。どないしよう?」はNGですな。

ですから、産後初回の夫婦生活される場合は(もちろんそれ以降も)必ず避妊をしてくださいね。

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張って来なけりゃ搾らなくていい?(母子分離時)

母子分離…可能であれば絶対に避けたい状況です。
でも、現実には赤ちゃんがNICUに搬送されたり、産科入院時お母さんが感染症になると念のためということで赤ちゃんをスタッフが預かったり、広義には母子異室も母子分離状況と言えます。

こんな時、おっぱいはどうなるのでしょうか?
よくあるパターンがスタッフが「乳房が張って来なけりゃ搾らなくていい。」若しくは「乳房が張って来たらおっぱいを搾りましょう。でも、張りが強くなければ、お母さんもたいへんだから、何もしなくていいですよ。」という“アドバイス”です。

しかし、この“アドバイス”大きく間違っています。
本来おっぱい製造工場は、赤ちゃんの吸啜で、起動スイッチが入ります。
確かに何もしなくても、2~3日すれば張って来る方もおられます。
でも、乳管が殆ど開通していなかったら、「張るは」「痛いは」「出て来ないは」の三重苦になってしまいます。(汗)
反対に、張らない方もおられるのです。
ぢゃ、永遠に搾り始められないではありませんか!
そんな馬鹿な話有るわけないでしょ?
赤ちゃんが吸啜出来ない状況にあるのなら、お母さんが搾るしかないのですよ。
乳頭刺激は想像以上に重要なんです。
それに過去記事にも書きましたよね?
乳頭刺激を1週間もまともにうけなかったらおっぱい製造ホルモンの「プロラクチン」の血中濃度は非妊娠時レベルにドド~ンと急降下するって・・・

搾乳は1回量が少なくてもいいんです。
とにかく乳頭刺激をこまめに与えることが重要なんです。
少なくとも8回/日は搾乳します。
搾乳の仕方はスタッフに聞きましょう。
搾乳は赤ちゃんに飲ませてもらいましょうね。

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2010年4月 7日 (水)

至急次の赤ちゃん希望の場合は言い聞かせ卒乳を。

おっぱい星人のお母さんの場合、月経の再来は遅い傾向にあります。
仮に1年おっぱい生活していて、月経再来が1年無い方はザラに居られます。
それ自体は理由があってもことですから、異常でも何でもないのです。
今回のお子さんが最後のお子さんのつもりであれば、どうぞ自然卒乳をしてあげてください。
しかし、こと、“次の赤ちゃんが欲しい”となると、おっぱい星人のお母さんであるが故に月経再来が未だなのに排卵だけ起こすことはどんな名医とて不可能と言えるでしょう。
特に不妊治療を受けられて、やっとのことで授かった場合は、そうでない方よりも条件的にさらに困難であることは確かです。

年齢等の諸事情があり、2年以上待てない場合は言い聞かせ卒乳をされる方が月経再来の期待が持てますし、必要があれば不妊治療を受けることができますから望まれる方向に進むことが出来ると思います。
(おっぱい生活中では、さすがにホルモン剤を使う不妊治療は難しいですからね。)

なので、例えば「今回は不妊治療にて懐妊。」「次の赤ちゃんを出来るだけ早く希望。」「おっぱい星人のお母さん。」「月経再来はまだ無い。」という状況の場合は言い聞かせ卒乳を進めていくことを私はお勧めします。

先日上記の条件のお母さんで「きょうだいでタンデム授乳をしたい。」と熱望される方が居られました。
しかし、そればかりは、どちらも立たずなので、残念ですが無理ですと答えました。

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2010年4月 6日 (火)

お母さんの感染症で入院中母子分離になったら?

出産直前にお母さんが何らかの感染症に罹られると、入院期間中は病産院の規定で母子分離になることがあります。

感染症には様々なモノがあり、細菌・ウィルス・真菌といった感染因子による分類や、また、飛抹・空気・接触といった感染経路による分類がありますが、とにかく入院期間中は母子分離も止む無しという状況になってしまったら、さて、お母さんはどうすればいいのか?
取り敢えずは頻回搾乳です。
1回に何ml搾るのも大事ですが、時間で決めても大丈夫です。
多少波があっても気にしないでね。
下半身は冷やさない、ゆっくりよく噛んで食べましょう。
産後3日目で10mlくらい搾れたら充分です。
短期間の母子分離ですが、基本NICU入院時の対応と同じです。
抱っこしてあげられるようになった日に、きちんとおっぱいが出て、赤ちゃんが飲んでくれるようにするには、乳管開通と定期的な搾乳が重要です。

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腱鞘炎と母乳育児。

授乳中のお母さんで、手首を捻じって抱っこする癖がある方、あるいは私のように手を酷使する職業の方は腱鞘炎になることがあります。
整形外科受診すると、塗り薬を処方してもらうことになるかと思います。
ドクターによってはご多分にもれず、「おっぱいは止めてね。」と指導されるかと思います。

でも、断乳なんてしなくていいですからね。
「え~、でも、『インテバンクリーム®』でも大丈夫なの?」と、以前、某病院の看護師さんに尋ねられたことがあります。
いわゆるインドメタシンは妊婦さんは使用禁止ですし、キツいお薬であるというイメージが強いのですが、授乳中のお母さんが内服してもおっぱいに移行しにくいタイプのお薬だということが判明しているのですね。
まして、塗り薬でしょ?
過去記事にも書きましたが、塗り薬・・・は、外用薬の一種ですね。
(外用薬とは、塗り薬だけではなく、点眼薬や点鼻薬や貼り薬等を含みます。)
外用薬は内服薬よりも血液中への移行が少ないコトは、みなさん憶えていますよね?
『インテバンクリーム®』を塗った部分を赤ちゃんが四六時中ペロペロ舐めているわけではないでしょうし。
母乳育児中だからといって、腱鞘炎の痛みを我慢して、必死に耐える必要性は無いのですよ。
腱鞘炎も軽度のうちなら、塗り薬を使用して、ポジショニングを変更したり抱き方を変えることで、炎症による痛みはラクになることもあります。

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2010年4月 5日 (月)

授乳回数の申告の仕方。(笑)

至極当たり前のことなのですが、混合栄養や完ミの赤ちゃんと比較して完母の赤ちゃんは、どの月齢でも授乳回数は多いです。
育児書に書いてある通りの方はどうってことはないのですが、そうでない場合、小児科のドクターや保健師さんがビックリ仰天されることもまぁ、あるわけです。
月齢が小さいうちは体力的なことや胃の大きさが、月齢が大きくなってきたら、心の栄養としておっぱいを求める赤ちゃんは多く存在します。
それは何も、後ろめたくなるような悪いことではありません。

しかし、アタマの硬い医療者には、到底受け入れられないというか、授乳回数多い=母乳不足若しくは虐待予備軍というステレオタイプな発想しか持たないので、「混合栄養にしろ!」というような、強圧的な指導をなさいます。

こういうことが予測される場合、そのままの回数を申告するのではなく、月齢の小さい赤ちゃんは「2クールで1回と換算する。」キョロちゃんは「遊び飲みは2回で1回と換算する。」月齢の大きな赤ちゃんは「しっかり飲んだ時だけカウントする。」という風にしては如何でしょうか?
母乳育児に関して不安があったり困っていたりするならともかく、何も困っていないのに、問題母子扱いされても困ることになりますからね。

「次の健診、ヤバいかな?」と懸念のある方は一度ご検討くださいね。

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「○歳までに頑張って卒乳してね。」と指導されたら?

ムムム。
それは困りますね。
特にこれまで相手を信頼して、罹りつけとしてお世話になっていた小児科ドクターから言われたら?
お母さんとしてはお子さんの気持ちを尊重し、自然卒乳できたらいいなと考えておられるのに、診察の度に・・・○歳に近づくほどに・・・○歳を超えてしまったら・・・一体どうしたらいいのか?

ドクターに嘘はつきたくないですね。
でも、○歳なんて設定されてもねぇ。
それに合わせることは至難の業でしょう。

きっと、そのドクターにとって、○歳というのは、母乳育児のリミットだと思われます。
○歳以上の子どもでおっぱいを飲んでいる子どもに遭遇していないのか、遭遇はしているものの、何か不都合なことがあって、やはり○歳でないと・・・と、思うところがあったのかもしれません。

おっぱいを飲むことは恥ずかしいことではありません。
胸を張って堂々としていればいいのです。
こういう場合は○歳を過ぎても、おっぱいを飲んでいる子どもはこんなに素晴らしい、何の問題もないということを、そのドクターに見ていただいて、認識を新たにしていただくしかないと私は考えます。

例えば虫歯になると決めてかかっておられるなら、仕上げ歯磨きをするとか、甘いものを控えるとかの虫歯対策に重点的に取り組むとか、貧血になりやすいと懸念しておられるなら、お食事に配慮して、状況に応じて検査をしていただくとか、精神運動発達に遅れが無いか確認していただくのも効果的でしょう。

要は○歳までに卒乳出来るように「頑張る」のではなく、「○歳過ぎてもおっぱいを飲んでいたから▲▲になった。それ見たことか!」と思われないように、お母さんとお子さんのおっぱいに対する熱い想いを理解していただけるように「頑張って」は如何でしょうか?

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2010年4月 4日 (日)

母乳育児に詳しい医療者かどうかの見分け方。

その医療者がどのくらい母乳育児に精通しているかを簡単に測る方法があるって知っていますか?
会話の合間に相手がウンチク傾けたら、「へぇ~。凄いですね。そんなこと、私初めて聞きました。母乳育児のこと、お詳しいんですね。○○さん(○○センセイ)は母乳育児について、いつお勉強されたんですか?やはり、学生さんの時ですか?」とさも感心したフリをして、尋ねてみましょう♪

感心したフリを真に受けてしまう医療者はかなり多いです。(爆)
で、「そうですね。学生時代の知識は半分くらいかな?」と答えるパターンは、まぁ、ありがちですね。
「私、こう見えて、結構学生時代は真面目で、講義サボったりしなかったんだから。だから、その時のことを未だにしっかり覚えているのよ。」と答えるパターンはトンでも医療者です。(断言)
だって、医学部であろうが看護学部であろうが、母乳に関しては「栄養」については教えてもらうけど「育児」については教えてもらわないから。
キホン、カリキュラム無いし。(汗)
唯一例外があるとしたら、実習病院がBFHで、母乳育児について別枠で徹底教育されてきたのであれば、そういう答えでも大丈夫な医療者でしょうが。
「いやいや。母乳育児に関する知識の95%は卒業してから専門書やセミナーや自らの体験で学んだんですよ。」というならホンモノだと思います。

ぱっと見じゃがいものように純朴でありながら、その芽に含まれる毒のような質問で相手の力量が推し量れます。
「この医療者の力量はどれくらいなんだろう?」とふと思った方、勇気を出して質問してみませんか?(笑)

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軍配は「歯科専用キシリトールガム」です。

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「軍配は「歯科専売キシリトールガム」です。 (改訂版)」公開中です
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事

みなさんは市販のキシリトールガムを購入する際、成分表のキシリトール含有量を確認して買っていますか?

市販のキシリトールガムはリニューアルの度に、キシリトール含有量がジワジワと減量していることに気が付いていましたか?
それはキシリトールのお値段が高いからなのです。

 

歯科的にはキシリトールの効果を発揮するには、『炭水化物』に対するキシリトールの割合が50%以上でないと、NGであることを知っていましたか?
(計算式は単純で、成分表の『炭水化物』の含有量を2で割った値よりも、キシリトールの含有量が大きければいいのです。)
しかし、市販のものではキシリトール50%以上の含有量のガムが殆ど存在しません。

 

しかも最近は『クエン酸』入りや『果汁』入り等のキシリトールガムが販売されています。
これが何を意味するか、分かりますか?
『クエン酸』や『果汁』のpHって2~3と、かなりの強酸性なのですよ。
つまり歯のエナメル質が、脱灰しやすいってこと。
良かれと思って、これらの市販のキシリトールガムを噛んでいたら・・・?

 

あと、甘味料の問題も有ります。
私は個人的にはあまり気にしない方ですが、中にはゼロや低カロリー甘味料は避けたい方も居られるかと思います。
市販のキシリトールガムの甘味料は、スクラロース・アセスルファムカリウム・エリスリト―ル等が使用されています。

 

これは私の穿った見方かもしれませんが、どうも市販のキシリトールガムのメーカーさんは「キシリトールの含有量の意味なんて、誰も気にしてなんかいないだろう。」と、タカをくくっているとしか思えません。
消費者を舐めているんぢゃなかろうか?

 

キシリトール100%のガムです。
ちなみにキシリトールの推奨摂取量は5g以上/日です。
市販のキシリトールガムの場合、50%のものであっても、5g/日摂取するには、毎日ほぼ1箱は食べなくては効果が無いのですね。
市販のキシリトールガムは1箱(=1日あたり)100円くらいしますから、1か月で3000円。
旦那さんとペアで6000円/月。
たっ、高過ぎるっ。
その点、歯科専用キシリトールガムの場合、4粒/日で5g以上摂取出来ます。
オ―○ル○ア社のものは、“歯科衛生士との共同開発”とのキャッチコピーが付いています。
価格は確かボトル入り980円で、85粒=21日分入っていますから、1日あたり46.66円と市販のキシリトールガムの半値以下で済みます。
歯科専用とありますが、罹りつけのクリニックで取り扱いが無くても、お手軽にネット系ドラッグストア等で購入できます。

 

噛む手間・顎にかかる負担・効果・コストパフォーマンス等、どの項目も、キシリトールガムは市販のものよりも歯科専用に軍配が上がりますね。
お味はクリアミント・アップルミント・マスカットミントの3種類あります。
(うち、マスカットミントは殆どミントの味がしません。ミントガムが噛めない方でも大丈夫です。)
5分間以上噛むと効果的なので、市販のキシリトールガムよりもガムベースが硬くなっているのが特長です。(=フニャンとしていません。)
そこで私がお勧めするのは、歯科専用キシリトールガムです。

 

 

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2010年4月 3日 (土)

引っ越し乳腺炎。

春・・・引っ越しのシーズンです。
旦那さんに辞令が出て新任地に赴く方、お子さんの入園・入学に合わせてマイホームを手に入れた方、賃貸の更新で家移りをする方両親と同居することになった方等、読者さんの中にもおられるかと存じます。
赤ちゃんが第一子の場合は稀かもしれませんが、兄姉が居られると、授乳中の引っ越しは確率的に高くなります。

お任せパックなら余裕かもしれませんが、不景気の今は節約しなければ、家計大赤字になりかねません。
全てセルフで行うと、箱詰め・運搬・荷解き・整理を業者さん並みにこなすことになりますからとても大変です。
私も経験あるので分かりますが、1か月以上前から箱詰めは開始していました。
短期間では無理なので。
(赤ちゃんをレタスのダンボール箱に入れて遊ばせながら荷造りしてました。)
引っ越し作業は想像以上に肩・腕・胸・背中に掛かる負担が大きく、疲れも相まり、しかもお食事がコンビニ弁当続きというパターンになり、結果乳腺炎(涙)ということになり易いのですね。

対策は何でしょう?
少なくとも運搬は「ミカン箱」程度にして、重いものは男性陣に頼むしかないです。
旦那さん頑張れ。
後は、赤ちゃんはおばあちゃんに預けないことです。
それでは引っ越し作業が捗らない?
それは違いますよ。
只でさえ、普段よりもカラダを酷使するのが引っ越しです。
荷物グチャグチャ・山積み状態でお食事に気を配ることが難しいのですから、赤ちゃんにこまめにおっぱいを飲んでもらい、助けてもらうくらいのつもりで、どうにかバランスが取れるのですよ。
おばあちゃんには来てもらい、お手伝いや赤ちゃんをあやしてもらうのは大賛成ですが、車で10分とかの近距離であっても、おばあちゃんに預け放しでは、どうしても作業優先になってしまうので、授乳間隔が空き過ぎてしまいます。
おばあちゃんに手伝ってもらえない方は?
赤ちゃんをあやしながらボチボチ、普段の家事をこなすペースでやるしかないです。
旦那さんと喧嘩にならないように、予め自ら「戦力外宣言」をしておくのも一手です。
荷物の量にもよりますが、キチンと片付けしようと思ったら、1週間はかかりますからね。
引っ越し作業で1週間、母乳育児中の赤ちゃんをご実家に預け放しで、搾乳せず、結果おっぱいが出なくなったというお母さんもおられます。(それも1人や2人ではありません。)
引っ越しとはいえ、母子分離状態で、乳頭に何の刺激も与えないことが1週間も続いたら、血中プロラクチンのレベルは非妊時レベルまでドドーンと低下しておっぱいの復活が難しくなりますから大変危険です。
大体、赤ちゃんの気持ちを思うと、可哀想過ぎます。
引っ越し乳腺炎は免れたが、おっぱいが出なくなったとなっては、悔やんでも悔やみきれないと思います。
母子は不可分な一つのユニットと考えてくださいね。

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ポリオ中和抗体の保有率。

日本国内でのポリオの自然発生は、現在はありません。
2000年10月に西太平洋地域でポリオ根絶宣言が出されています。
現在ではポリオが発生している国々に行かない限り、感染する可能性はとても低いです。
だからと言って、投与しなくても差し支えないという意味ではありませんよ。
但し、ポリオワクチンは投与後にうんちの中に出されるので、その過程で野生化し感染力を持つとされています。
赤ちゃんのおむつ交換はお母さんを中心にお父さんやお家の方たちも協力してくれる機会が多いお世話項目ですね。
そのポリオワクチン投与後は、おむつ交換の際の手洗いが不十分だったりすると、(ポリオの中和抗体を持っていなか1オトナは)感染してしまうことがあるのですね。

そうそう、殆どすべての年代は、ポリオの中和抗体を80〜90%持っていますが、1975〜1977年に出生された方は、群を抜いて低いのですね。
その保有率は、1975年57%、1976年37%、1977年64%となります。
赤ちゃんに投与された時、お父さん・お母さんも同時投与をお願いしてもらっている方もおられます。
オトナは任意接種なので・・・自費扱いになります。
尚、ポリオに感染したとしても、おっぱいにウィルスは出てきませんので授乳は継続して出来ます。

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2010年4月 2日 (金)

おっぱいとお薬/その60『メイラックス』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その60『メイラックス®』(改訂版)公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。


『メイラックス』は向精神薬の一種で不眠・うつ・パニック障害等の際に処方されることがあるお薬です。
新生児期の赤ちゃんのお母さんが『メイラックス』を内服されると、赤ちゃんの体重減少が著明になったり、嗜眠状態になったり、黄疸が増強してしまうことが報告されているので、母乳育児を希望される場合、産科入院中はこのお薬は内服されないことをお勧めします。

赤ちゃんの月齢が進んだら、内服出来ないこともないのですが、かなり注意を要するお薬であることは確かです。
例えば半減期がやたらと長いのも、ネックです。(平均で5日間を要します。)
「赤ちゃんがぐったりとしている。」「眠ってばかりいておっぱいを飲まない。」「うとうとして、おっぱいに吸いつけない。」ということがあるようでしたら、内服中止するか、内服優先ならその間は止むを得ずミルクに切り替えるかということになります。
内服をしても、赤ちゃんの方にこれらの懸念される問題が発生していなければ、恐らく大丈夫だろうと思われますが。

過去記事にもありますように、比較的安心して内服出来る不眠・うつ・パニック障害のための内服薬で授乳可能なお薬はあるのです。
それらのお薬がお母さんの症状に合うかどうかということもありますが、もしも合うのであれば、お薬の変更をしてもらった方が、おっぱいとの両立に不安を抱えなくて済みますよ。
個人的にはそのほうが、お母さんの精神衛生上、より良いと思いますが。
過去記事できちんとお薬の名前をメモに控えて、受診時にドクターに相談してくださいね。

 

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産科入院中の熱発について。

ご出産の直前・最中・直後等、産科入院中にお母さんが熱発することがあります。
風邪引きやましてインフルエンザの疑いでもなく、「何だろう?」と不安に思うことがあります。

感染兆候が無く、お母さん自身が熱発によるしんどさが、あまりないようでしたら、心配無用です。
解熱薬の処方は不要です。
冷罨法はした方が気持ちよければしましょうか?というスタンスで結構です。
(つまり、冷罨法をしてかえって気分不快になるようでしたら、その必要は無いということです。)

何故この時期に熱発することがあるのか?
それは、出産というのはとてつもなく大きな運動状態なので、大量の熱が産生されるのですが、それが放出されているという、ある意味生理的な現象なのですね。
場合によっては悪感戦慄⇒38度台の熱発ということもありますが、慌てふためかなくても大丈夫。
通常は12時間以内に自然に解熱してきます。
強いて言うなら、水分の補給だけはマメにしてくださいね。

12時間を越えても一向に解熱してくる気配がなければ、もう一度感染兆候が無いかどうか確認は必要です。
一緒に暮らしていた家族にも感染兆候は無いか確認しましょう。
場合によっては相室から個室にお部屋の移動が必要になり、万全を期して面会制限を掛けられることも有りますので、ご注意願います。

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2010年4月 1日 (木)

授乳中のめまいについて。

既往歴にめまい関係のご病気が無かったのに、産後いきなりめまいが起きることがあります。
原因となる病気は様々です。
いくつかに分類されますので列記します。

①内耳トラブル・・・「ぐるぐる」回る感じ。
疲労・ストレスで発症します。
いわゆるメニエールなどがそうです。
耳鳴りや耳に聞こえ難さや吐き気を伴うことがあります。

②低血糖・・・授乳中はおなかが空きます。
血糖が急降下すると、なることがあります。
冷や汗や手の震えを伴うことがあります。
お食事を摂取したら治ります。

③自律神経の乱れ・・・「ふわふわ」浮足立った感じ。
疲労・睡眠不足・ホルモンバランスの崩れで発症します。
どちらかというと、授乳中よりも更年期の女性に多いタイプです。
ホルモン定量の採血結果をみて、診断されるようです。

④脳の血流不足・・・「くらくら」して目の前が真っ暗になったりします。
立ちくらみ、脳貧血、低血圧などに伴います。
授乳中に多いと言われています。

めまいと言っても多様性がありますから、まずは「自分はどのタイプに近いのか?」ということを見極めて、改善の兆しが無いなら、受診されることをお勧めします。
内服が必要になれば、授乳中ですから、産婦人科のドクターにご意見を伺うことをお勧めします。

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おっぱいとお薬/その59『ダ―ゼン』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その59『ダ―ゼン®』(改訂版)公開中です
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事

『ダ―ゼン』はセラペプターゼを成分とする消炎酵素薬です。
これは塩化リゾチームと同じ働きをするお薬です。
小児科領域でも処方されるお薬のひとつでもあります。
授乳中の注意点は特にないお薬です。
帝王切開の術後から鼻炎、乳腺炎に至るまで、多岐にわたり処方されるお薬です。

何より安心なのは、うっ滞性乳腺炎のお母さんに、この『ダ―ゼン』を1回10mgを1日3回の内服で5日間処方してもらったら、乳房の腫脹および疼痛が改善したと添付文書に書いてあるのですね。

お薬の添付文書と言えば、「何でもかんでも授乳中はダメ。」と書いてあることが殆どなので、そういう現実を知っている者としては、これは画期的な記述だと思います。

・・・憶えておいて下さいね♪

 

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