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2010年2月

2010年2月28日 (日)

おっぱいとお薬/その45『花粉症時の点眼薬』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その45『花粉症時の点眼薬』(改訂版)」公開中です
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事

花粉症の季節到来ですが、今年はどうなんでしょうか?
(今のトコロ、SOLANINは花粉症ではないので、詳細は分からないのです。)

さて、花粉症の症状として、眼の充血・痒み等の不快症状が挙げられますが、授乳中は何を処方してもらったらいいのか、悩まれるお母さんもおられるかと思います。

基本的に点眼薬は、使用量がごく少量ですし、吸収される量はさらに少量ですから、おっぱいをあげていても、特に差し支えないとされています。

それでも、花粉症の方の場合、使用期間が長いから、出来るだけ安全なお薬の選択をしたいと望んでおられるのなら、この記事は要チェックですぞ。

では、まず安全性の高いお薬から順に説明します。
★アズレン・・・急性・慢性・アレルギー性結膜炎等の際の炎症を抑えます。
『AZ点眼液』『アズレン点眼液』等の名称のお薬です。

★クロモグリク酸ナトリウム・・アズレンよりも作用が強い点眼薬です。
つまり、
アズレンで効果が無い時に使用することになるであろう点眼薬です。
アレルギー性結膜炎の際に処方されます。
『インタール点眼液』『クロモフェロン点眼液』等の名称のお薬です。

★フルオロメトロン・・・これはステロイドの点眼薬です。
「ええっ?」と思うかもしれませんが、濃度が薄いので、赤ちゃんへの影響は考えなくても大丈夫と見做されます。
『フルメトロン』『オドメール点眼液』等の名称のお薬です。

★アシタザノラスト水和物・・・アレルギー結膜炎の際に処方されます。
授乳中は使用を控えた方がいいと言われています。
『ゼペリン点眼液』という名称のお薬です。

★塩酸レボカバスチン・・・アレルギー性結膜炎の際に処方されます。
使用するなら授乳は中止してくださいと言われています。
『リボスチン点眼液』という名称のお薬です。

作用が強いお薬はどうしてもこのような書き方になります。
また、症状が酷くなれば強いお薬を使用しなければ症状が緩和されにくいものです。
従って、“どんづまり”になる前に対処することが肝腎です。

 

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背中マッサージの研修を受けました♪

おっぱいのためのマッサージと言えば、当然乳房にマッサージをするものというイメージが一般的ですが、背中のマッサージ(背中のリンパドレナージュ)も効果的だとの情報を得て、先日某セミナーにて半日研修を受けました。

背中のリンパドレナージュは施術する側から言えば、ツボや筋肉を揉みほぐすタイプのマッサージとは異なりました。
オイルの滑りと体重移動で、力不要で疲れ知らずで出来るマッサージでした。
難しい技術は不要でした。
背中のリンパドレナージュでは、直接皮下にあるリンパ管を刺激します。
リンパ管を刺激すると、カラダの老廃物を排出させ、新陳代謝が良くなるそうです。
背中のリンパドレナージュするにあたり、授乳中のお母さんにお勧めなオイルのブレンドはスウィートアーモンドかホホバのオイル10mlにつき、ラベンダーとローズマリーのエッセンシャルオイルを各1滴づつです。(これで十分な濃度です。)
施術される側から言えば、痛みを感じることは全く無く、背中や肩が軽くなります。
背中のリンパドレナージュの後は、背中や肩がほんわか温かくなった状態が続きます。
私のように現在進行形で授乳をしてない人が背中のリンパドレナージュを受けても「リンパの流れが良くなるってこういうことなのかな?」と感じるくらいです。
乳房うっ積やうっ滞が酷い場合は、乳房を直接触ることはお母さんの身体的苦痛が大きいから避けたいものです。
その点、別の方向からアプローチする背中のリンパドレナージュはお母さんの苦痛が少なくて済みますから、打ってつけではないかと思います。
但し、妊婦さん(特に初期の方)はカラダが過敏になっておられるので、背中のリンパドレナージュは避けた方が無難です。

ここ数日、産後のお母さんから、深夜明けのスタッフにまで30人くらい施術したところ、みなさんトロケそうになっておられました。(ほぼ全員ヨダレが出そうになり、爆睡した方もおられました。)
今回、私が教えてもらったのは3種類の手の動きのみですが、そのうちのひとつであるエルフラ―ジュだけでもしてもらったら気持ちが良いです。
エルフラ―ジュの仕方を知りたい方はおられますか?
(おられたら、記事にします。)
SOLANINは、実生活でもゴッドハンド・バージョンアップ中です。(笑)

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蓄膿症は我慢せず、早めの治療を!

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「蓄膿症は我慢せず、早めの治療を!(改訂版)公開中です
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事

ありゃりゃ?蓄膿症の記事なのに・・・
テーマが「★歯科関係」じゃないの?
SOLANIN間違えたな!と思ったアナタ、まだまだですぞ。(笑)

どういうことかと申しますと、蓄膿症という病気、そう、耳鼻咽喉科領域のあの蓄膿症ですが、(ワンちゃんの子宮蓄膿症ではないですぞ。念のため。)当然鼻が詰まっている状態が続く訳ですから、常に口呼吸になってしまいますね。
口呼吸すると口腔内が乾燥しますね。
唾液による口腔内の潤いが鼻呼吸に比較してが相対的に少ない状態になりますね。
ということは、虫歯菌や歯周病菌にとっては仲間を増やすのに有り難い状態になるのです。
そう、“敵に塩を贈る状態”になってしまうのですね。

蓄膿症は妊婦さんも赤ちゃんのお母さんも乳幼児でも等しく歯科領域でのリスクファクターになるのです。

なので、蓄膿症くらいと放置せずに早めに治療をしていただきたいのですね。
一旦治っても、風邪引いたらぶり返すのが蓄膿症ですから、ギリギリまで我慢せず、早いうちに治しましょうね。
『抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤』『抗生物質』が処方されますが、授乳中でも通常は内服&点鼻薬共に大丈夫です。
強いて言うなら『抗生物質』はこの間の記事にもあるように『ニューキロノン系抗生物質』は避けてもらった方が無難です。(「ぢゃあ、抗生物質処方しますね。」と、ドクターに言われたらその場ですかさず「先生、そのお薬、ニューキロノン系ぢゃないですよね?」と、確認すること。これ重要ですぞ。)
『ニューキロノン系抗生物質』とて、症状が酷くなければ、通常一発目の処方からチョイスされることはない筈でしょうから、具合が悪ければ早めに対処するのが賢いやり方かと存じます。
早めに対処すれば、症状が落ち着くのも早くなるから、服用期間もダラダラ長期化せずに済みますからね。

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2010年2月27日 (土)

赤ちゃんは「モーター系の音」が好きではありませんか?

車のエンジン音、換気扇の回る音、二槽式洗濯機の回る音等が好きではありませんか?
これらの単調な音は子宮の血流音に非常に似通った音なので、大変親しみと懐かしさを感じるのですね。
特に二槽式洗濯機の回る音はお水が流れる音も混じってますから、余計に好きなんですね。
私もかつて産後カンの強い長男が抱っこしても激しく泣いて途方に暮れていた時、洗濯機の前に佇んでいると、不思議と聞き耳を立てているかのような表情になり落ち着き、しまいにはウトウトしてくれたのを思い出しました。
全自動やドラム式の洗濯機ではあいにく試したことが無いので、何とも言えませんが、基本的には近い種類の音なので、イケるのではないかと思われます。
おなかが空いているわけでもおむつが気持ち悪いわけでもないのに、赤ちゃんが泣いてどうにもならない時は、スリングに入れて多少揺らしてあげながら洗濯機の前に15分間くらい佇んでください。
体験された方の速報を待っています。(笑)

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ここ10日間くらい、離乳食を食べません。(汗)

母乳育児中の赤ちゃんは離乳食の進み方がゆっくりだったり、食べっぷりが少なかったりすることが多い傾向にありますが、中には順風満帆でパクパク食べてくれる“自動ドア”ちゃんもおられます。
病気でもないのに急に食べ方が少なくなり、スプーンをお口に運んでも眉間にしわを寄せ、拒否って来られることが、何日も続くとさすがに焦ります。
また、おっぱいを欲しがる回数が増えると、離乳食が後退し、ひいては発達までも後退したかのような印象を受けられるお母さんもおられるかもしれませんね。

でも、離乳食の進み方は決して一定なものではなく、途中で躓いたり、立ち止まることだってあるのです。
後退しているように思えてもそうではありません。
食材が全く同じでマンネリによる中だるみ現象かもしれません。
硬さや量の嗜好が変わってきたのかもしれません。
ある程度おなかを空かせることも必要でしょう。
便秘気味だったら美味しく食べられないのかもしれません。

してはいけないのは、無理強いです。
お母さんが怖い顔をして、スプーンを持って近付いたら、赤ちゃんは一気にげんなりして、離乳食自体が苦痛になってしまいます。
離乳食は楽しくなくっちゃね。
量も大事だけど、それ以上に食べることの楽しさを尊重してあげたいですね。

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2010年2月26日 (金)

愛と嫉妬は紙一重です。

読者さんの中には上にお子さんのおられて妊娠中の方、これから2人目、3人目を検討しておられる方も少なからず居られるかと思います。
そして、殆どのお母さんが悩まれるのが上の子さんへの対応なんですね。
「赤ちゃんに焼餅を妬いて意地悪しないかな?」「赤ちゃん返りが激しかったらどうしよう?」など、色々な心配が尽きないかと思います。

どうしたらいいのでしょうか?
なるようになるさという考え方も有りますが、できればスムーズに、行くといいなぁと思いませんか?
上の子が赤ちゃんにちょっかいを出す⇒お母さんが叱る⇒さらにいたずらに拍車がかかる・・・というパターン、聞いたことがありませんか?

これはですね、妊娠中からの上の子さんとの関わり方が拙かったからなんですね。
上の子さんが焼餅を妬くのは、お母さんが大好きでお母さんを誰かに取られるのではないかという漠然とした不安を抱くからですね。

例えば、おなかにパンチやキックをした時、「赤ちゃんが痛いから止めて!」と言ったら、上の子さんはさらに追い打ちをかけるように、技を繰り出すものです。
この言葉かけはブッブーですね。
では、ピンポンの言葉かけはどんなものでしょうか?
それは、このシチュエーションであれば、「お母さんおなかが痛くなるから止めてほしいな。」です。
大好きなお母さんを傷つけたくはないからハッとした表情になりますよ。

分かりますか?
“赤ちゃん”を主語にしないで“お母さん”を主語にするのですね。(←ここ重要です。)
コトあるごとに逆らってしまう偏屈者?の上の子さんには「おなかに赤ちゃんがいる時はお母さんはいつもより幸せなのよ。○○ちゃんがおなかにいる時もそうだった。」「赤ちゃんがおなかにいる時は、カラダがしんどいことも有るけど、○○ちゃんがお手伝いしてくれたから助かっちゃうな。ありがとうね。」等の言葉かけを繰り返し、10か月になるまでに、家族みんなで赤ちゃんを迎えるんだという機運を高めていきましょう。
「弟や妹が出来るんだ。」という自覚を高めることは、重要ですよ。
妊娠中からおなかの赤ちゃんへの胎教と共に、お兄ちゃん・お姉ちゃんになるココロの準備をしてきたお子さんは出産にも立ち会いたがりますし、赤ちゃんの受け入れが大変スムーズです。
幼稚園・保育園・小学校から大急ぎで帰って来て、赤ちゃんのお世話をしたがる気立ての優しいお子さんになってくれます。
「お兄ちゃん・お姉ちゃんがお留守の間、赤ちゃん泣いてたよ。寂しかったのかな?」なんて言おうものなら、登園・登校前に「早く帰って来るからね。良い子にしてるんだよ。」と赤ちゃんの頭を撫でて語りかけるお子さんもいるくらいです。
きっと、赤ちゃんのことが愛おしく感じられるのでしょうね。
どうしようと悩み手を拱くのではなく、今こそ絶好のチャンスなんだと考えてくださいね。

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おっぱいの栄養部分

<ご相談内容>
私は2歳5ヶ月の子供がいて、いまでも母乳を飲んでいます。
そこで気になったのが栄養のこと。
とあるコミュで初乳より成乳(出産30日以降)で栄養が上がる成分(乳糖・カゼイン・脂肪)もあると書かれていました。
また、子どもの年齢から考えても、栄養分はお食事で摂取できると思うのですが、粉ミルクのサイトを見ると「DHAを強化!」等と、謳っています。
おっぱいのためにDHAをたくさん摂取した方が良いのかと思ったり、2歳児の母乳育児にそこまで積極的に摂取してまで飲ませるべきか、実際子どもへの影響はどうなのかと考えてしまいました。

2歳児も母乳で栄養面を考える必要があるのでしょうか?
それとも、あくまでも子の癒しや安らぎを重点に置いた方が良いのでしょうか?
ちょっと考えすぎてわからなくなってきました・・・。(ほぼ原文ママ)

<SOLANINの回答>
私は月齢や季節別のおっぱいのサンプルから各栄養成分の含有量の書いてある一覧表を見たことがあります。
確かにご指摘の通り、おっぱいの成分は月齢によって徐々に変化してきます。
各栄養成分には月齢により増えるものも減るものもありますが、その月齢に応じたおっぱいが出てきていると解釈していただいて差し支えないと思います。
また、お母さんが栄養バランスを考えてお食事を摂られることは大変良いことです。

粉ミルクのキャッチコピーの「●●を配合。」「○○を強化。」というのは従来品と比較してですが、元をただせば、おっぱいが基準なんですね。
つまり「おっぱいに多く含まれる●●を配合。」「おっぱいに含まれる○○を強化。」という意味なんです。
粉ミルクの原材料である牛乳にはあまり含まれていないから、あんな風にご大層に宣伝しているのです。(だって、キャッチコピーだもんね。)

それから、私は耳にタコが出来るくらい、過去記事で「栄養成分というものはどのくらい含まれるかというよりも、どのくらい吸収するかという着眼点が大事。」ということを書いているのですが・・・もしかして忘れちゃってませんか?
おっぱいよりも粉ミルクの方に多く含まれる栄養成分はDHAに限らず沢山ありますよ。
「だったら、おっぱいよりも粉ミルクの方が栄養成分的に優れているのか?」と言えば違いますよね?
現在までの研究等で特定の栄養成分をおっぱいを通して赤ちゃんに多く摂取させるということは、どのくらいまで可能なのかという確かな結果はまだ出ていないと思います。
さらにこれを突き詰めると、お母さんのお食事のバランスが偏る危険性をはらんでいます。
それは健康的ではないですね。

1歳でも2歳でも3歳でも、お食事をしっかり3回食べているお子さんの栄養成分摂取はやはりお食事中心で賄っていくものです。
ココロの安定剤、安らぎ、癒やし・・・がメインになって来ると考えてくださいね。

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2010年2月25日 (木)

断乳して2年後、いきなりおっぱいが出てきた!

<ご相談内容>
1歳2カ月迄完母でした。
子どもは意外にもすんなりと断乳を受け入れてくれ、お食事もよく食べ発達面は順調です。
断乳後の乳房の緊満は自己処理して凌げました。
月経は断乳後3カ月以内に再来し、現在は妊娠していません。
現在断乳して2年が過ぎ、何故だか急に乳房が張った感じがして何気なく乳頭・乳輪を触ったら、おっぱいが出てきて、腰が抜けるほどビックリしました。
乳腺外科でマンモグラフィーを撮影してもらおうと思っていた矢先です。
しかし、プラスチックの板に乳房を挟んでギュ~と押さえこんだら乳腺を刺激しておっぱいがジュワ~と出てきそうなので、行くに行けません。
でも、放置しておくのは怖いし、どうしたらいいでしょうか?

<SOLANINの回答>
断乳後月経が再来し、リズムも一定でその点は問題なさそうです。
断乳を自己流でしていると、たまに相談者さんのように1年とか2年とか3年とかジワジワ程度ですがおっぱいが出続けることがあります。
今まで気が付かなかっただけかもしれませんが、急に乳房が張って来た感じというのも少し気になります。
念のため産婦人科を受診し、血液検査でホルモンの定量検査を受けてみてはいかがでしょうか?
もしかしたら、おっぱいを作るホルモン『プロラクチン』がハイレベルになっているのかもしれません。
場合によってはお薬の内服による治療が必要になるかもしれません。
でも・・・『プロラクチン』がハイレベルなら、一般的には月経再来しにくく、リズムもバラバラになりがちですから、このお母さんはちょっと違うような気もします。

取り敢えず、受診・受検して、異常が無ければ母乳外来や助産院で対症的に乳房ケアをしっかり行い、おっぱいの処理をしていくことで解決していくと思います。

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大人が食べているものを食べたがって困る。(10か月)

<ご相談内容>
10か月の赤ちゃんですが、完母です。
離乳食開始当初は食が細かったので、雰囲気作りが大事と聞いて、それ以降極力家族揃って食卓を囲むようにしています。
しかし、10か月に入ってから、おっぱいもよく飲みますが、何故か食欲旺盛になってきました。
ただ、困ったことに、旦那が好きな肉料理や酒のアテなど、どう考えても赤ちゃんには早いのではないか?というものを食べたがります。
先日も目を離した隙に手掴みで刺身を食べようとしていました。(汗)
「ダメよ。」と取りあげると号泣します。
どうしたらいいのでしょうか?

<SOLANINの回答>
完母の赤ちゃんは離乳食の進みがボチボチなことが多いものです。
家族で食卓を囲むのは大変素晴らしいことですからそれは続けてくださいね。
理由は不明ですが、食欲が増してきて、離乳食を食べてくれるようになったのは、良かったなと思います。
ですが、「肉料理」「酒のアテ」「刺身」は仰る通り10か月の赤ちゃんにはまだ早いように私も思います。
ご指摘のメニューは塩分や脂肪分の過剰摂取を助長しそうですし、ナマものはアレルギー誘発が心配です。
離乳食に限らず、お食事はバランスが大事です。
食欲が旺盛な赤ちゃんがご禁制?の食べ物に手を伸ばさないように仕向けることも、時には必要ではないでしょうか。
そうなると、少し手間ですが、家族で食卓を囲む前に赤ちゃんに食べさせたいもの1品ずつ、時間をかけて食べさせ、ある程度おなかが膨れた状態で家族で食卓を囲むのが良いと思います。

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2010年2月24日 (水)

妊娠発覚☆ガ~ン!排卵日お薬内服してた。(汗)

妊娠発覚つまり「おめでた」が分かって喜んだのもつかの間、「私って排卵日あたりまで偏頭痛で鎮痛剤を時々内服していたじゃない~。ヤバいっ。どうしよう?もしもおなかの赤ちゃんにお薬の影響があったら・・・お薬が原因で流産になってしまったら・・・」考えただけでご飯が喉を通らなくなるかもしれません。

でも大丈夫。
お薬の影響については最終月経の初日から数えて27日以内であれば、「無影響期」です。
一般的に排卵日は最終月経の初日から14日前後ですから、バリバリの「無影響期」です。
ですから、この時期であれば、お薬を内服したからおなかの赤ちゃんにどうのこうのという心配は無用です。

最悪万一流産が起こっても、それはお薬のせいではなく、受精卵の段階でお母さんのおなかの中では育つことの出来ない赤ちゃんだったからなのです。
大変悲しいことですが、妊娠5回に付き1回はお母さんのおなかの中では育つことに出来ない赤ちゃんがやって来ることがあるのです。
少し話がずれますが・・・お母さんのおなかの中で育つことの出来ない赤ちゃんはお父さんとお母さんに何かを知らせるために神様から短期派遣された赤ちゃんだといわれています。
この赤ちゃんは任務を遂行したから、神様の元に帰らなくてはならないのですね。
この赤ちゃんのために何かしてあげられることがあるとしたら、それは忘れずにいることではないかと私は思います。

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もしかして氷食症かしら?

氷食症(=ひょうしょくしょう)って聞いたことがありますか?
文字通り氷を食べずにいられないという症状を主とする病気です。
季節お構いナシに暑かろうが寒かろうが氷ばかりガリガリ食べてしまいます。
定義によれば、毎日製氷皿1皿以上食べてしまうこととなっています。
(最近の冷凍冷蔵庫はタンクにお水を入れておけば勝手に氷が出来るから、一皿っていったらどうかなぁ・・・15キューブくらいでしょうかねぇ?)
誘惑に負けて食べ過ぎると、お腹が冷えたり、口内炎が出来たり、食欲不振になったりすることもあります。
ストレスが大きくなるといつもよりたくさんガリガリしたくなります。

原因としては血液中の鉄分が欠乏していることが多いとされています。
つまり、鉄欠乏貧血やその前段階である、貧血ではないけど、血液検査したら鉄が欠乏している状態でも起こります。

果たして鉄欠乏状態なのか否かは、血液検査をしなくては判断できませんから、かかりつけのドクターに事情を話して血液検査を受けさせてもらいましょう。
検査項目としてはヘモグロビンが正常値(女性ならば11g/dl)以下、血色素値(=MCHC)が31未満、血清フェリチン値が14ng未満/ml、トランスフェリン飽和度(=血清鉄/TIBC)が16%未満であれば鉄が欠乏している状態と言えるので、鉄剤による治療が開始されます。
内服か注射かは病状その他の状況でドクターと相談してくださいね。

妊娠中~出産時の出血によりヘモグロビン等の値が低下しても、出産後は月経再来しない限り、徐々に回復してくる筈なので、氷を食べたい衝動は収まってくる筈ですが、何らかの理由で鉄欠乏状態になっていると、産後も持続して氷食症は続きます。

カラダが冷えるのはおっぱいにも影響しますから、「もしや?」の場合は一度受診されたほうがいいですよ。

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2010年2月23日 (火)

双子ちゃんのお母さんの授乳期のお食事について。

授乳中は理屈抜きにおなかが空くものですが、その中でも双子ちゃんのお母さんはおなかの空き方がハンパない状態です。
日本人の食事摂取基準2005年版の妊婦・授乳婦の項目をみると、授乳期の必要カロリーは非妊娠時+450キロカロリーと言われています。
例えば身体活動レベルが低い(=カラダを動かすことが少ない、家事程度)の妊婦さんは30歳未満で1750キロカロリー、30歳以上で1700キロカロリーと言われています。
授乳期はそれに+450キロカロリーということは、2200~2150キロカロリーということになります。

でもこれは、一人の赤ちゃんに授乳する場合で、双子ちゃんの場合は単純計算して+900キロカロリーなので、2650~2600キロカロリーとなります。
これを3食で食べきるのは余程の大食漢でないとさすがに難しいです。
また、完母であれば授乳は1日にそれぞれの赤ちゃんに10回くらいは行っていますね?
ということは、直ぐにおなかが空くことを意味していますので、こまめに食べた方が理に叶っていると言えます。
★病院で出産された双子ちゃんのお母さんは大体5食/日のペースでお食事を摂取しておられます。
5食にすると、殆どのお母さんがおやつはナシでもおなかの空き方がコントロールできるようになります。
毎食定食形式のお食事の準備は難しいでしょうが、ご飯(お握り)と造り置きした味噌汁や野菜の煮物等の和食メニューが一番良いです。
パンや麺類が1食入っても構わないのですが、粉モノは血糖値が急上昇して急降下するので、カロリーの割に腹もちが悪いので、食べ過ぎてしまう傾向が強いです。
ご飯は血糖値が粉モノよりもゆっくり上昇し、ゆっくり下降しますからおなかの足しになるのです。

例えばの話、チョコチップメロンパンの平均カロリーは540もありますが、コンビニお握りで油を含まない具材の1個包みのものの平均カロリーは170です。
私はこの仕事長いですが、おなかの空いている時にチョコチップメロンパンを1/3食べて満足した授乳中のお母さんに未だ遭遇したことはありません。
よく噛んで食べればいいのでしょうが、チョコチップメロンパンをひと口齧って30回噛む人にも出会ったことがありません。(っていうか、途中で気持ち悪くなって飲みこんでしまいますよね?)
でもお握り1個でもよく噛んで食べたらおなかが落ち着くという意見は多くあります。

百歩譲って何食食べようが「お母さんの体重がドンドン減る。」ならもう少し食べる量を足しても良いかな?ということもありますが、そうではなく「お母さんグングン育つ。」だったらそれは誰が何と言おうが食べ過ぎです。
やはり、お食事のカロリーを控えるべきだと思います。

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乳口炎の際のおっぱいは右から?左から?

乳口炎になったことのある方は、読者さんの中にも相当数居られる印象を受けたので、今更ながらナンですが、この記事を書きます。

乳口炎俗に白斑とも言います。
小さいものはピンホールくらい、大きなものは直径が5mmくらいにもなります。
(ちなみにもっと範囲が拡がった恐ろしいものは乳頭炎と言います。)

何も知らない方は「おっぱいのカスか何かかな?」と高をくくっておられますが、そんな生易しいものではありません。
経験者はよくご存知の通り、吸わせると「ビリビリ」「チクチク」とも付かないような、いやらしい痛みが授乳中続きます。
乳頭発赤・亀裂等により、痛む場合は吸啜開始から30秒~1分間くらいが、痛くて堪らないのですが、赤ちゃんが浅飲みさえしなければ、痛みは麻痺ってくるものです。
しかし、乳口炎の場合は吸啜している間中痛いものです。
重症時は飲ませ終わってからも「ビリビリ」「チクチク」が間歇的に続きます。

そう、乳口炎はずっと痛いのです。
その中でも痛みがMAXに感じるのは吸わせ始めではないかと私は思います。
一般的に助産師は患側(かんそく=トラブルの起きた側)から赤ちゃんに飲んでもらうよう指導すると思います。
乳口炎が無く、硬結(=しこり)だけの場合はそれでもいいのですが、乳口炎の有る場合は逆です。
何故かというと、吸われ始めが痛みMAXですから、これはつまり吸啜刺激でおっぱいが湧き出す迄が超痛いということです。
ですから健側(けんそく=トラブルの無い側)からおっぱいは飲ませ始め、赤ちゃんがゴクゴク飲んでくれたら患側も湧き出すスタンバイ状態になりますから、そこで切り替えるのです。
そして患側を3分間くらい飲ませたら健側に戻る・・・という風にします。
そうすれば、痛みがゼロとは申しませんが、かなラクというか、ギリギリ耐えられるのではないかと思います。
患側に飲み残しが増えますから、出来る範囲搾って出してしまいます。
飲ませ終わった後のケアは過去記事をご参照くださいね。
拗らせないためにはどうするかという対処法もバッチリと行いましょう。

 

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2010年2月22日 (月)

赤ちゃん以外の人がおっぱいを飲むと・・・?

10年以上前の話ですが、旦那の転勤先で親しくなったとある赤ちゃんのお母さんのお家に行ったことがあります。
そのお母さんは毎日数回搾乳し、冷蔵保存にしたものを湯煎して哺乳瓶で飲ませていました。
そのお家の冷蔵庫にはいつも搾乳の入ったコップが累々と並んでいました。
赤ちゃんが飲み切れずに残った搾乳は温めて兄姉が飲んでました。
体質的な要素もあるのでしょうが、兄姉は毎日快腸だとのことでした。
旦那さんが飲んだら、おなかが緩くなったということもありました。
オリゴ糖のせいか、ビフィズス菌が増殖したためかもしれませんね。

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肺炎球菌ワクチン『プレベナー』について。

世界的に見れば肺炎球菌ワクチン「プレベナー」が認可・導入されるのは日本が98番目の国だそうです。(そのうち定期接種している国は40カ国。)
定期接種にしている国々では肺炎球菌が原因の肺炎や細菌性髄膜炎や菌血症や中耳炎の予防に大変効果があり、それらの疾患の発症率が80〜98%も減少しているそうです。

肺炎球菌ワクチン「プレベナー」は日本国内では2010年2月下旬(正にもうそろそろですな。)から実用化され、任意接種に振り分けられました。
また、このワクチンは不活化ワクチンなので、ヒブや三種混合のように複数回の接種が必要です。
ヒブとこのワクチンを接種すれば、細菌性髄膜炎の殆どの発症を制圧が出来そうな勢いがあります。

以前ヒブワクチンの記事を書いた時は、導入間もないこともあり、少し懐疑的な記事を書きました。
ヒブ導入から1年以上過ぎ、安全性に問題のある事象も起きていないようですね。
VPDという概念には共感していますが、かつて我が子にさせた任意接種で私にはとても後悔する出来事があったので・・・
ずるいのかもしれませんが新しいワクチンが認可されたからと言って、直ぐに飛びついていいのかな?と慎重になったのですね。
自分の子供が受けたことが無いワクチンなのに、(←該当年齢でないため、今後も受けさせることが不可能なんですね。)軽々しくワクチンメーカーのお先棒を担ぐような記事を書いお勧めしていいものなのか?と思ったのですね。

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2010年2月21日 (日)

風邪引きの後うんちが緩い。

赤ちゃんであっても風邪を引くことはあります。(ここでいう風邪は俗にいう胃腸風邪ではありません。)
家族の誰かが外部から仕入れてきたウィルスを感染されてしまうのですね。
風邪の症状(鼻・喉の)は数日で収まると思いますが、風邪を引いた後からうんちが緩くなってしまうことがあります。
例えばそれまでうんちの回数が1回/1~2日のペースで一定化していたのに、3回以上/日という感じでハイペースに変化するのですね。
たまたまかなぁ?と様子見していたものの、気が付けば1~2週間以上連続してそのような状態になっている。
機嫌は決して悪くなく、睡眠パターンも変りはないのに。
授乳回数・ミルクの量・離乳食の回数・量・食材など特に変化は無いのに。
なのに依然としてうんちだけ緩いままなのですね。

これは恐らく風邪を引いたことがが起爆剤になって、二次的に乳糖不耐症を発症したことが考えられます。
もちろん、便クリニテストをしてみなければ、確定はしませんが。
急に体重増加が振わなくなり、おかしいなと思っていたらコレだったということがあります。
何だか怪しい時はかかりつけのドクターに相談してみてくださいね。

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舌小帯短縮症でも沢山おっぱいが飲めてたらいいの?

一般的に舌小帯短縮症の赤ちゃんは飲み方が下手っぴです。
1回あたりの哺乳量も少な目で、特に新生児期は直ぐにウトウトしてでも直ぐにギャ~と泣いての繰り返しが多い傾向が強いです。
お母さんの乳首がキズだらけになり、なかなか軽快してくれません。

私は時々、新生児係のお仕事をしますが、新生児のお口の中をしつこく覗いて、舌小帯短縮症でないかどうかをチェックしています。
程度の差はあれ、5~6人に1人は舌小帯短縮症であることが、経験的に分かっています。
舌小帯短縮症の新生児には助産師が手厚く介入しないと直母が上手くいかないことが多いから早期発見する必要性があるからですね。
気が付かないと、大抵はお母さんのおっぱいの立ち上がりが遅くなります。
従って舌小帯短縮症の新生児の体重減少率は生後3日目以降も続いたり、軽く10%を超えることも稀ではありません。
(私の勤務する★病院は新生児に軽々しく糖水やミルクを補足しませんが、正しくラッチオン出来ていれば、頻回直母だけで体重がドーンと減ることはありません。せいぜい7~8%減少する程度で済みます。)
ところが、どういう風の吹き回しなのか「よくこの舌でおっぱいが飲めるなぁ。」というくらいシビアな舌小帯短縮症なのに、ビックリするくらい1回に沢山のおっぱいが飲める新生児がおられます。
体重のリカバーも大きいので、おっぱいのことをあまり知らない助産師だと「まっ、いっか。」と思いがちです。
これはどういうことを意味するのでしょうか?
この現象は、量としては新生児のカラダの中におっぱいは入っていますが、正しく飲めているのではないことを意味しています。
効果的な乳頭刺激を受けなければ、おっぱいの立ち上がりは遅れるものですが、何故かおっぱいの立ち上がりが上手くいき、赤ちゃんが下手っぴちゃんなのに、「流れ出てくるおっぱいを流し込むように嚥下している。」から結果哺乳量測定すればメッチャ沢山飲んでいることになるのですね。
「流れ出てくるおっぱいを流し込むように嚥下している。」だけですから、舌の巻きつけが出来てなくても量が飲めるんです。
「流れ出てくるおっぱいを流し込むように嚥下している。」だけですから、通常下手っぴちゃんが哺乳動作時にしてしまいがちな、舌先で乳頭頂を弾いたり歯茎で噛んだりする必要性がないから、乳頭損傷は酷くならないし、うやむやのうちに治っていくこともあるのです。

しかし、元々は正しく飲めていない(=効果的な乳頭刺激なし)のにおっぱいの産生は長く続きはしませんから、或るところからパッタリとおっぱいの産生が急降下してしまいます。
で、おっぱいが足りなくなる。(涙)
こういう悲劇を起こさないために、産科入院中の母子に関わる助産師は「沢山飲めるか。」ではなく「正しく飲めるか。」をもっと重視していかなくてはならないのではないかと、SOLANINは考えます。

この記事をお読みになった赤ちゃんのお母さん、助産師のみなさん、率直な感想をお聞かせくださいませんか?

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2010年2月20日 (土)

おっぱいとお薬/その44『キプレス』『シングレア』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その44『キプレス®』『シングレア®』(改訂版) 」公開中です
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事

『キプレス』も『シングレア』も抗アレルギー剤です。
大半の抗アレルギー剤は授乳中湯でも服薬可能です。
しかし・・・より一層の安全性ということを考えると、検討が必要です。

抗アレルギー剤は気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎、滲出性中耳炎などの際に処方されます。
持病として患っておられるお母さんも少なくないかもしれませんので、お薬選択の考え方としてこの記事を書きます。

『キプレス』も『シングレア』も授乳中のお母さんが内服して差し支えないとされています。
お薬の安全性は中等度です。
また、半減期が2.7~5.5時間と、このジャンルのお薬として短い部類であること、タンパク結合率が99%以上であるとが分かっているからです。
つまりこれが意味することを説明いたしますと、お薬というものは大まかに言えば血中で血漿タンパクと結合するものとしないものと分けられます。

血漿タンパクと結合したお薬はおっぱいには移行しないのですね。
血漿タンパクと結合しないお薬はおっぱいに移行するんですね。

ということは、この2つのお薬はタンパク結合律が99%以上というハイレベルなので、移行しにくいということが言えるのです。
この説明、分かりますでしょうか?

抗アレルギー剤には『オノン』という名前のお薬もあり、臨床的にも汎用されているようですが、お薬のデータというか評価がまだ出ていないようなのです。
なので、ここでは詳しくは申し上げられません。
ただ、『オノン』は0歳児つまり赤ちゃんに投与しても安全であるという国内での報告がありますから、恐らく問題ないであろうとは推定されます。
お薬の決定についてはドクターと相談してくださいね。

 

 

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赤ちゃんが吸いつく時に“えずく”んです。

おっぱいに吸い付かせ用とすると、赤ちゃんが“えずく”ことがあります。
“えずく”・・・って分かりますか?
方言ですかね?
吐き気を伴い「おえ~っ。」となることを、“えずく”と言います。
たくさん飲んだ後というわけでもないのに、吸い付こうとするやいなや「おえ~っ。」となるのは、もしかしたら、おっぱいが不味いからかもしれません。
普段はそんなことは無いのに反屈したり、首を左右に振り回したり、手足を激しくバタバタさせることもあり、飲ませようにも飲ませられなくなります。
特に“えずく”ことと、肛門周囲が赤く爛れたり、こまめにおむつを交換している(しかも、極力擦らずに、洗い流すようにしている。)にもかかわらず、おむつかぶれが中々改善しないことが同時に表れている場合はお母さんの体調が悪いか、食事に問題があるかの理由でおっぱいの品質に問題があることを意味しています。

このような場合は乳頭。・乳輪に溜まったおっぱいを少し搾りだして乳房を暑いお湯で搾ったタオルで3分間くらい温めてから、おっぱいの品質係長さんに「ごめんね~。」と謝って飲んでもらいましょう。
「すわ、哺乳ストライキか?」と焦るでしょうが、それでも夜間は寝呆けるのか、わりかしすんなりと吸い付いてくれます。
必死にこまめに飲ませていくことと、おっぱいに良くないものを控えることで、でおっぱいの味が段々復旧してきますから、お母さんは努力してこの難局を乗り切ってくださいね。

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2010年2月19日 (金)

円錐切除術後の妊娠。

日本の子宮がん検診受診率はまだまだお寒い数値ではありますが、少なくとも妊娠疑いで産婦人科を受診したら、間違いなく子宮がん検診されます。
で、子宮がんの前段階というのが、「高度異形成」という状態で、妊娠中に発見された場合、産後時期を見て円錐切除術という手術をすることになります。

円錐切除術をしてもらった後で、妊娠を希望されるのであれば、それは可能ですが、手術を受けていない方に比較して、子宮頸部が、デリケートなので、そのままの状態で妊娠を継続することは恐らく無理です。

手術を受けると子宮頸管無力症の方と同じような状態になるので、放置すると切迫でなく本物の流早産になってしまいます。

そんなことになってしまったら大変です。
取り返しのつかないことになってしまったら・・・

そのため、円錐切除術後に妊娠された方は一般的には妊娠5カ月頃までに一度入院して子宮頸管縫縮術(通称シロッカー術と呼ばれるもの)という手術をすることになります。
腹緊の状態によっては点滴や内服でおなかが張らないようにコントロールすることになります、

通常手術をすれば妊娠を継続できるので、36~37週頃になれば抜糸することになります。(抜糸は外来で出来ますから、抜糸のためだけに入院することはありません。)
抜糸後やがて陣痛発来すれば、普通に経膣分娩は出来ます。

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昔のミルクは・・・

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「昔のミルクの驚くべき真実とは?(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

今はともかく少なくとも1980年代前半頃までの育児用粉ミルクには驚くべきことにショ糖が含まれているという資料を先日偶然に読みました。

ショ糖っていうのはですね~、フツーのお砂糖のことです。
フツーのお砂糖が入った育児用粉ミルクを哺乳瓶でチクチク時間をかけて飲んだら(そりゃあ、直母に比較したら哺乳瓶は早く飲めますよ。でも、ストローやコップで飲むのに比較したら圧倒的に時間がかかりますよね?)どうなります?

ミルクを哺乳瓶で飲んだ後、乳幼児が歯磨きすることはまずないですから、毎日の栄養補給タイムが「虫歯大増殖作戦」タイムになってしまうでないの。
そんな酷い話がつい25年くらい前まであったなんて・・・
ミルク屋さんはお母さんと赤ちゃんを何だと思っているのか?
儲かったらそれでいいのかって怒鳴りたくなりませんか?

尚、念のために申し添えますが現代の各ミルク屋さんの育児用粉ミルクにはショ糖は含まれていませんから安心してくださいね。

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2010年2月18日 (木)

1歳を過ぎての哺乳瓶の使用について。

混合栄養・・・というよりも、完ミのお母さんにとって、1歳過ぎての哺乳瓶使用はおっぱいをあげるよりもある意味、風当たりが厳しいものです。

1歳を過ぎると止めにくくなるのか?と言えばまぁ、そうではあります。
何とか大泣きさせずに、止めれないものか?と模索しておられることでしょう。

私も哺乳瓶卒業?には携わったことが無いので、大したことは言えませんが、こういう場合は「言い聞かせ」が良いと思います。

もちろん、簡単ではありませんが、そのままということはやはりよくないですからね。
特にミルク以外のものを、哺乳瓶に入れて飲ませようとすると、虫歯発症の引き金になってしまいますからね。

ミルクのphは搾乳同様6.8前後です。
ph5.5より酸性になれば、歯が溶けます。
既にご存知かとは思いますが、炭酸飲料・イオン飲料・スポーツ飲料・乳酸菌飲料・清涼飲料・100%果汁全てphは2~3と強酸性なんですね。

乳幼児の虫歯予防を本気で取り組んでおられるなら、哺乳瓶卒業までの時期であっても、こういった飲み物を哺乳瓶に入れて赤ちゃんに飲ませるのはお母さんとしては絶対にしてほしくないことです。
こういった飲み物は普段からあげないのが一番です。
止むを得ずあげてもストローかコップで一気にあげて、後で速攻お茶を飲ませるとかして、ショ糖がお口に残らないように配慮してくださいね。

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2010年2月17日 (水)

お米でもアレルギーになることがあります。

日本人の主食はお米ですが、最近はお米でもアレルギーの出る赤ちゃんがおられます。
西日本新聞の2月9日の記事にもお米アレルギーに関する実例が掲載されている旨、読者さん(☆JIJI☆さん)から報告を受けました。
(西日本新聞を購読しておられる方は記事を読んであられるでしょうから、既にご存知かもしれませんが。
非常に興味深いので以下、プチメに書いてくださったことを転記いたします。(ほぼ原文ママ)

あるお母さんの息子さんが生後3ヶ月の時に、ほお、頭、耳の後ろ、ひじやひざの関節の裏など、肌が真っ赤になり、じくじくとした汁が流れ出すアトピーのような症状が出たそうです。

独身時代から旬の野菜を食べたり、料理も手作りしたり、母乳は血液からできることを考えて肉や脂ものは避け、猛烈にお腹がすく授乳期の間食もお菓子でなく、有機米のおにぎりを食べるなどして食事には人一倍気を使っていたそうです。

乳腺炎を診てもらった助産師から小児科を紹介されましたが、予約は1ヶ月待ちだったそうです。
電話口で症状を聞いた看護士さんが、「お母さんは飯と麦を止め、かぼちゃ、いもを主食にし、油を控えてください」と助言されたそうで、実行するとその日から症状は改善したそうです。
いざ受診すると、原因は、毎食食べているお米だったそうです。
お母さんは、卵や牛乳、植物油はアレルギーの原因になりやすいからと、せっせと米を食べていたそうです。
しかし、その米をよく噛まずに食べていたことでアミノ酸まで分解されず、それが体調を崩した状態になると腸から分子量の大きなポリペプチドとして吸収されてしまう。
それが血液を通して母乳となり、それを飲んだまだ未熟な赤ちゃんの腸管をそのまま通り、皮膚から排出される時に強烈な痒みとなりアトピー症状が出る。

というものでした。

この記事を読んでびっくりしたのはお米でもたんぱく質が約6%含まれていて、きちんと分解されないとアレルゲンになるということです。
子育て中で時間がないからといって噛まずに食べるとこんな落とし穴があるんだってことは知られていないのではないでしょうか?
もちろんすべてのお母さんがあてはまる話ではないのですが、これは母乳のお母さんが知ってて損ではないですよね?

昨年初夏頃に「アレルギー予防とお食事」ということで連作の記事を書いたことがありますが、早食いは良くないと書いていたこと、憶えていらっしゃる読者さんはおられますでしょうか?
お米がダメで粟や稗や黍を食べなくてはならない赤ちゃんも居られます。
大変そうです。
気をつけましょうね。

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2010年2月16日 (火)

赤ちゃんは「ヒモ」が好きではありませんか?

例えばお母さんの服装で、フード付きのトレーナーやパーカー類によく袖を通す方、赤ちゃんは直ぐにフードの両端から出ている「ヒモ」の片方を摑んだり引っ張ったりお口に咥えたりしませんか?
腹這いやハイハイが出来るような月齢の赤ちゃんのお母さん、掃除機を掛けていたら赤ちゃんが両手で掃除機の「コード」を摑んで歯茎でグニャグニャ噛んだりしていませんか?
何故でしょう?
赤ちゃんは「ヒモ」を見ると懐かしくなるからなんですね。
そう。
それは臍帯(=へその緒)を彷彿とさせるからなんですね。
お腹の赤ちゃんの最初のおもちゃは目の前にある臍帯だと言われています。
指先でクリクリしたり、引っ張ったりして遊ぶんですね。
妊婦検診で超音波検査をしてる最中でも、しばしば臍帯を触っている赤ちゃんは目撃されています。

なので、生まれてからも「ヒモ」を見ると、触らずにはいられないのです。
楽しそうにニコニコしながら見つめてしまうのです。
ついつい咥えたくなってしまうのです。
それは、おなかの中にいた時の原体験が関係しているのですね。

高価なおもちゃには目もくれないのに、「ヒモ」だけは飽きずに好むのは、こういうわけがあったのです。
類似商品として「細めで柔らかめのゴムホース」や「点滴の管」などもお好きな赤ちゃんにSOLANINはよく遭遇します。
「ホントかな〜?」と疑問に思う方、まずは試してみてね♪

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2010年2月15日 (月)

尿路感染症と母乳育児。

おっぱいをあげることは、消化器系や呼吸器系の感染症、中耳炎等の発症を低下させることは過去記事にも書きましたので、みなさん憶えておられるかと思います。
それだけではなく、尿路感染症の発症をも予防することをご存知でしょうか?

完ミの赤ちゃんは完母の赤ちゃんに比較して、尿路感染症に罹るリスクは5倍も高いそうです。(涙)
尿路感染症の代表疾患でもある腎盂腎炎に罹ったことのある生後2ヶ月半〜6歳の幼児を調査したところ、おっぱいをあげていた期間が有意に短かったと報告されています。
つまり、おっぱいをあげていた期間が長いほど、離乳後も尿路感染症の予防効果は持続することが判っています。

おっぱいの予防効果は出生時が最高で、7か月時までに徐々に減少してくるのですが、おっぱい中のオリゴ糖と分泌型IgA抗体のおかげで、原因となる細菌が上皮細胞に付着しにくいことが防御のメカニズムになっているそうです。

★病院でも毎年何人もの尿路感染症の乳幼児が入院してきますが、振り返ってみますと他院出生の完ミの赤ちゃんが殆どで、完母の赤ちゃんは稀です。
完母の赤ちゃんで尿路感染症で入院となるのは、やはり7カ月以降の予防効果が減弱してきた時期であるとか、出生前及出生後の超音波検査で、水腎症が指摘されていた赤ちゃん等の理由がある場合のようですね。

おっぱいって凄いですね♪

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2010年2月14日 (日)

乳頭・乳輪に湿疹ができた!

乳頭・乳輪は天然の皮膚保護成分が分泌されています。
なのに、授乳前に清浄綿で拭き取ると、それが無くなってしまうので、キズが付き易くなるから清浄綿の使用は止めましょうと、過去記事でもお話ししたことがあると思いますが憶えてますか?

また、最近アップした“まなりんさんの知恵”のようにお母さんが元々アトピーを患っておられるために出来る乳頭・乳輪のトラブルとは異なる理由で出来る湿疹があるので、今回はそれについてお話ししたいと思います。

出来やすくなるのは圧倒的に離乳食が開始してからです。
通常赤ちゃんが離乳食を食べ終わったら、少量の湯ざましか薄めたお茶等を飲ませたり、お口の中を濡れガーゼや拭き取りナップ等で綺麗にしてからおっぱいにしてもらうのがスジなのに、そこを端折ってしまうと、食べ物のカスや調味料が付いたままのお口で乳頭・乳輪を含むことになるので、特にお肌の敏感なお母さんはかぶれてしまい、湿疹が出来るんですね。

かぶれくらいと侮ってはいけません。
かぶれによる湿疹はかなり痛痒いっていうか、場所が場所だけに掻き毟るわけにもいかず、「まさかこんなことになるなんて・・・」というお母さんの声を聞くにつれ、やはり、みなさんに知っておいてもらった方が良いのではないかと私は思ったんですね。
些細なことですが、毎日のことなので気を付けてくださいね。

 

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お母さんが帰って来るのを待ちます。

おっぱいがないと機嫌が悪くなり、おっぱいを飲ませてもらったらにっこりするという性質をおっぱい星人のお子さんは持っています。

お母さんが仕事復帰されると、その間はおっぱいがもらえなくなりますね。
保育園でお世話になるにしても、おばあちゃんにみてもらうにしても、いきなり「その日」が来たらお子さんはパニックになりますから、遅くとも1か月前くらいから、予告はしておいてくださいね。

もちろんどんなに予告をしていても、お母さんと離れることはショックなことですから、全く泣かないということは難しいです。
でも、お子さんは説明を繰り返していけば、必ず自分の置かれた状況を受け入れてくれるようになります。
新しい環境に慣れるの要する期間は、みてくださる方やお子さんの年齢(月齢)や性格にもよりますから、一概には申せませんが、1ヶ月くらいはかかるかな?という心づもりはしておいた方が良いかと思います。(子育ての先輩のお話を聞いていると大体そんな感じです。)
子どもというのはいじらしいものです。
お迎えの時間が近付くと、玄関先でポチのようにひたすらお母さんを待ってるお子さんさえいます。
お母さんのお顔を見ると嬉しくなり、「パイ!」と叫ぶお子さんもおられます。
仕事復帰に際して、常に強調して語りかけてほしいのは「お母さんは必ずお迎えに来ること。」「お迎えに来たらおっぱいを飲めること。」「お仕事はみんなのためにしていること。」です。

心ない世間の方が「小さい子を預けてまで仕事だなんて・・・」というようなことを仰るかもしれません。
また、お母さん自身が何となくそう思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、それは良くないです。
仕事は基本的に生きるための糧を得るためにします。
(自己実現とか世界平和のためにとかは二次的な要素です。)
それは悪いことではなく当然のことです。
なのに肝腎のお母さんが変に後ろめたい気持ちになると、お子さん自身が「私(僕)って可哀想。お母さんは悪い人。」という考え方になってしまします。
逆にお母さんが誇りを持って仕事をされると、お子さんは自分自身にもお母さんにも誇りを持てるようになります。

お母さんが凛としておられることは、その後の母子関係形成於いて光り輝く礎となるでしょう。

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2010年2月13日 (土)

乳汁滞留のう腫って何?

いわゆる“おっぱいが詰まった”とか“乳腺炎”によるしこりは、乳房の炎症性疾患により生じるものです。
そうではない乳房のしこりにはどんなものがありますか?
悪性だったら乳がんですね。(まぁ、これは非常に稀ですが・・・)
良性だったら線維腺腫という妊娠前からあるしこりが代表的なものですが、他にあるとしたらタイトルにあるような乳汁滞留のう腫という可能性も有ります。

炎症性の疾患の治療を受けて完治したにもかかわらず、妊娠前には無かったしこりがあるとしたら、この疾患の可能性は高いです。

名前の通り乳汁が溜まっているだけですから基本的に切開などは不要ですが、万一必要だとしても局所麻酔で十分対応可能なものです。

乳汁滞留のう腫か否かは超音波検査や、マンモグラフィー等の検査で直ぐに判断できるものです。(マンモグラフィーの際は直前に赤ちゃんにしっかりと授乳し、乳房内に出来るだけ乳汁を残さないように努めましょう。)
穿刺吸引検査というものもありますが、検査のついでに中の乳汁を出来る限り吸引してしまうこともあるそうです。

ちなみにこのような検査は乳腺外科を受診することが必要です。
また、乳房マッサージは助産院や母乳外来で助産師が行うものです。
乳腺外科で乳房マッサージはしませんし、助産院や母乳外来で乳汁滞留ノう腫の検査や治療は出来ませんから、くれぐれも受診先を間違えないようにしてくださいね。

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麻疹や風疹は自然感染した方が免疫が付くの?

稀なことですが「ウチは自然主義なので、子どもには予防接種は一切打ちません。」と仰るお父さん・お母さんがおられます。
このような自然主義の方が理由として挙げられるのが「麻疹や風疹は自然感染した方が免疫がしっかりと付くから。」ということだそうです。

その理由は正解です。
自然感染すればワクチンよりも強く且つ長期間持続する免疫が獲得できます。
自然感染すればその後その病気のワクチンを接種する必要はありません。

しかし!そもそも何故ワクチンというものが開発されたのかを考えてみてください。
自然感染の場合、時としてかなり重症化したり、一命は取り留めたもの後遺症を背負うことになったり、最悪の場合死亡の恐れがあることからそれらを予防するために開発されたわけです。
自然感染を甘く見てはいけないのです。

ワクチンには定期接種と任意接種があることは過去記事に書きましたが、少なくとも定期接種に指定されたワクチンは、対象者全員が接種してくれるくらいでないと、アウトブレイクした日にゃあ、社会的混乱を招く恐れがあります。

単純に「自然感染=危険&ワクチン=安全」とは言い切れないのも事実です。
ただ言えることは、重症化・後遺症・死亡などのシビアな状況は、自然感染の方が確率的に高いということです。

まだ私が新米助産師だった頃、1週間のうちに麻疹性肺炎と脳炎で2人の乳幼児が立て続けに亡くなる場面に遭遇したことがあります。
ワクチンさえ打ってれば・・・免疫さえ付いていれば・・・この2人の乳幼児は麻疹なんかで死なずに済んだ筈です。
行き過ぎた自然主義は危険ではないかと思います。

でも、危険を通り越して道義的に許せないのは、「周りのお子さんみんながワクチンを接種するから、自分の子どもだけはワクチン接種しなくても(=免疫が無くても)自動的に感染らなくて済む。」という利己主義です。

みなさんはどう考えますか?

尚、コメント欄には記事と関係のないコメントはご遠慮ください。
また、質問についてはメッセージボード若しくはマイブログ紹介を最後までお読みいただいた上でお願いします。
(過去記事を検索すれば済むような質問にはお答えできません。)

もちろん、ワクチンには有る一定の割合で副反応というものが起こりますから、100%の安全性は保証されていませんが。

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2010年2月12日 (金)

トーマスで卒乳?!

★病院の母乳外来で、ラ・レーチェ・リーグの会員のDさんの体験談を聞かせてもらったので、そのお話をします。
Tくんは三人兄弟の三男で、上のお兄ちゃん達も、2歳過ぎてから自然卒乳されています。
お母さんにしてみたら2歳過ぎた辺りから「この子はいつ(卒乳)なのかなぁ?」と思っていたそうです。
2歳7ヶ月のある日、Tくんに何気なく「おっぱいはいつ止めるの?」と尋ねたら、某幼児系雑誌の広告欄を見せて「このトーマスのおもちゃ買って貰ったら止める。」と答えたそうです。
確かにTくんは「鉄ちゃん」で、トーマスのDVDは擦り切れるくらい視聴しています。
しかも、全てのおもちゃは二人の兄からの中古品で、タイヤの取れたミニカーとか、合体出来なくなったロボット等、碌なものしか与えられていませんでした。(涙)
・・・5000円のトーマスのおもちゃ買って貰ったら止めるってねぇ・・・
「ホンマかいな?でもまぁ、話半分だろうな。」と真に受けていなかったそうです。
しかし、クリスマスも近いし、Tくんのおもちゃコレクションは確かにプアだし、旦那さんと相談してトーマスのおもちゃをサンタさんからのプレゼントとして買うことに決めたそうです。

そして、イブの翌朝、枕元にはずっと欲しかったトーマスのおもちゃがあることを発見したTくんは飛び上がって大喜びでした。
そのテンションの高さは凄かったそうです。
「ここまで喜ぶなら、買ってあげてよかったなぁ。」と大喜びのTくんを眺めつつ、Dさんは、「あれっ?おっぱいは?飲まないの?」と尋ねると、「Tな、トーマス買って貰ったからおっぱい止めるんや。もう飲まん。」と言い切ったそうです。

Dさんは驚きつつも「ふふん。そんなこと言ったって、どうせ寝る前には飲むでしょうが。」とタカを括り、「あ~そうなの。はいはい。」と返したものの、Tくんはホントにそれ以降、ピタッとおっぱいを飲まなくなったのです。

今までとっても甘えん坊だったのに、激変するTくんに驚きのDさんでした。
「飲んでいいのに。」と誘っても、「おっぱい無くても眠れるからいいよ。」と袖にされ、お兄ちゃん達から通算7年以上のおっぱい生活は、思いもよらないカタチであっけなく幕を閉じてしまいました。
「夜間ぐっすり眠れるようになって良かったね。」と旦那さんはもとより、友人から言われるも、なんだか釈然としないそうです。

「なんだか私の通算7年以上の大切にしてきたおっぱい生活が5000円のトーマスに負けたのかと思うと、悔しいというか、納得できないんです。」とSOLANINに仰いました。

通常、お子さんは何かを買って貰ったくらいで卒乳することは無いのです。
けれども、『おっぱいよりも美味しいものや楽しいもの』を見つけられたお子さんは自然に卒乳していかれます。
きっと、Tくんにとって、『おっぱいよりも楽しいもの』がトーマスで、タイミングと言うか引き金になったのが5000円のおもちゃだったのでしょう。
お母さんにしてみたら釈然としなくても、2歳児にとっては金額は関係なかったのではないかと思います。
凹むDさんに「“フェラーリ買ってくれなきゃ、ヤダもんね。”なんて言われたらそっちの方が困るよ。Tくんの意思の強さを褒めてあげてね。Dさんが今までTくんを慈しんできたから、自然卒乳したのよ。Dさんの頑張りを私はちゃんと憶えているからね。」とSOLANINはココロを込めて申しました。

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2010年2月11日 (木)

ウ●メ●ズパ●クでのフォロミ論争について。

ウ●メ●ズパ●クの7か月から11カ月ルームというものがあるそうですが、そこでトピック立ててコミュニケーションを取るのだそうです。
 
読者さんからプチメをいただきました。

トピ主さんは恐らく『最強母乳外来』の読者さんで、ルームのみなさんに正しい知識を身につけてもらえるように尽力されていたのですが、トピ主さんが責められる展開になったそうです。
 
「フォロミは不要だからあげないでね。」と仰ったのだと思われますが、ルームのみなさんは「フォロミはNGだなんてショック!」というような論調であたかもルームのみなさんがトピ主さんから被害を受けたり暴言を吐かれたかのような物言いだったそうです。
 
理不尽ですね。
 
言葉を尽くして説明しても理解してくれない方はどうしようもないですな。
 
子育てするならもっと意識の高いお母さんになってほしいです。
 
フォロミがNGだと指摘され、逆上されたのでしょうがそれでは昔の誤った育児方法を娘さんやお嫁さんに指摘され、腹立ててるおばあちゃんと同レベルではないでしょうか?
 
可愛いお子さんのためになることを選択するのがお母さんになった方の使命ですよね。
 
アタマ冷やして考えたら、その方たちも自分が何をなすべきか分かると思いますが。
 
ミルク屋さんが製造中止してくれたら、問題は解決するのでしょう。
 
でも、それは難しいでしょうね。
 
フォロミを食品の一種という正しいジャンル分けすらせず、製造中止もしないからこの20年間連綿と燻ぶり続けている問題なのですから。
 
そうそう、「ダメなら何で売ってるんだ?」というコメントもあったそうです。
 
そんなの決まってるぢゃないですか!
 
だってもっともらしいキャッチコピー付けるだけで、製造コストが安いのに、それなりの値段であっても、そのトンでもトークに惑わされて沢山売れるし儲かるからです。

まぁ、そう言ってしまうのは身も蓋もないですが。

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2010年2月10日 (水)

乳輪アトピー対策まなりんさんの知恵その3

まなりんさんから、続きのプチメを頂戴いたしました。

妊娠前から疲れがたまると乳輪や乳頭にアトピーが出ていました
妊娠中もたまに出たため、皮膚科医からアンテベート軟膏を処方され塗布していました
アンテベート軟膏は強い方のステロイドですが、60年以上使用され安全性が示されている軟膏なため、妊婦にも処方するそうです
妊娠でアトピーが悪化した私は出産まで、アンテベート軟膏で対応していました

出産後は、もちろん産科医に従ってくださいと、皮膚科医からいわれました

産科医も授乳中ということと、あまりにもヒドいびらんで、取りあえずキズパワーパッドとロコイド軟膏でやってみるしかないかとなり、毎日貼り続け、何とか良くなっていきました

ちなみに、乳汁パックでは、私の場合はかえってびらんが悪化しました(涙)
良くなった方がいらっしゃったみたいですが、人によりけりですね

私の方法も、同じ悩みを持つ皆さん全員に効果があるとは思いませんが、母乳育児中のお母さんの乳輪アトピー治療の明るい兆しとなれば嬉しいです。

尚、コメント欄には記事と関係のないコメントはご遠慮ください。
また、質問についてはメッセージボード若しくはマイブログ紹介を最後までお読みいただいた上でお願いします。
(過去記事を検索すれば済むような質問にはお答えできません。)

 

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乳輪アトピー対策まなりんさんの知恵その2

SOLANINからの確認の質問にまなりんさんが答えてくださいましたので、それを原文ママの転記をします。
①「キズパワーパッド」を貼る前、ロコイド軟膏を塗るのですか?
→基本はお風呂あがりにロコイド軟膏を塗り、少ししてからキズパワーパッドをびらん部全体を覆うように貼りました
私の場合、びらん部周囲の正常な皮膚も授乳の刺激で新たなびらんになるため、最初は乳輪全てに貼っていました(正面から見たら白い乳輪になっていました)
②「塗ってから貼ると、授乳時にすぐに剥がれませんか?」
→塗った直後に貼ると、やはり剥がれます。でも少し経つと(例えると、ハンドクリームが手になじむ感じの状態になる)キズパワーパッドをつけても剥がれにくくなります。少し粘着力は落ちますが、授乳ブラを着けてると、きちんと密着していたので、剥がれませんでした
③「それとも、ロコイド軟膏を塗布してラップして過ごし、飲ませる前にラップ外し、拭き取りして「キズパワーパッド」貼って哺乳させたのですか?」
→ラップは浸出液で汚染され、いらなく汚れるので使いませんでした。
キズパワーパッドのを貼ってからの授乳です。キズパワーパッドは私は1日一回の交換でした。(2、3日つけたままが良いといいますが、私はかゆみがあったため無理でした)
医者からはロコイド軟膏を塗ったら、授乳前に水で濡らしたふきんで軽く拭き取ってから授乳してといわれたので、キズパワーパッドを貼っていない今は、そのように対応しています。
*皆さんのお役に立てたら良いと思い、メールをしました。記事にしていただいて構いません。*

尚、コメント欄には記事と関係のないコメントはご遠慮ください。
また、質問についてはメッセージボード若しくはマイブログ紹介を最後までお読みいただいた上でお願いします。
(過去記事を検索すれば済むような質問にはお答えできません。)

追記:キズパワーパッドの添付文書には「動物や人の噛みキズには使用しない。」という注意書きがあります。
ですので、最終的に使用されるか否かについては、各人添付文書をお読みいただき、その上で判断してください。
これまで実際に見てきた限りでは、貼付前に患部に付着したよだれを拭きとったり洗ったりしてからという常識的な対処の後にされてますので、感染兆候の所見は見たことがありません。
キズパワーパッドは商品の性質上、剥がれるまで数日間貼付可能のようですが、私は赤ちゃんが咥えることを考え1日1回は貼り替えるようにお勧めしています。

 

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2010年2月 9日 (火)

乳輪アトピー対策まなりんさんの知恵その1

この記事は生後2か月の赤ちゃんを完母で育てているまなりんさんの体験談です。

SOLANINはかつて、“乳輪アトピーで断乳”という記事を書きました。
しかし、体験談をお寄せ下さったまなりんさんは、まさに乳輪アトピーのある方で、ご自分が克服された方法をお役立てくださいと、惜しげなくお寄せくださいました。
ご本人了承のもとに、記事を書かせていただいています。(ほぼ原文ママです。)

まなりんさんは、産後3日目から右乳輪全体にびらんができました。
その時は授乳回数も頻回ではなく、滲出液も少量で、直ぐに良くなるだろうと、甘く見ていました。
しかし、頻回授乳になってくるとびらんは両方の乳輪に出来てしまい、黄色い滲出液がダラダラ出るくらい悪化して、痒みと痛みに途方に暮れながらおっぱいをあげていました。
強いステロイド剤(アンテベート軟膏やデルモベート軟膏等)は使用できず、我流でワセリン塗布してラップするというやり方でケアしていました。

びらん部に新しい皮膚が出来るまで搾乳をあげることも考えましたが、赤ちゃんが断固として哺乳瓶を拒否するので、びらんのまま直母をしていました。
痒みと痛みに耐えながらおっぱいをあげなくてはならないのかと思うと、悲しくなってきました。
そんな暗い気持の時にネットで『最強母乳外来』に辿り着き、藁にもすがる想いでセルフケアの方法を読みました。
『最強母乳外来』に出会って、おっぱいの素晴らしさを教わり、絶対に完母を貫いていきたいという気持ちが強まり、びらんに挫けず、おっぱいをあげながら治療をして今に至ります。

具体的にははキズパワーパッドと病院で処方されたロコイド軟膏で3週間かけてびらん部が改善してきました。
今現在完治してはいませんが、ぐじゅぐじゅしなくなり、キズパワーパッドを貼らなくてもいいくらい改善してきました。

ミルクに手を伸ばさなくても完母でやってこれたのは『最強母乳外来』のお蔭です。

・・・有り難いお言葉です。
では次回はキズパワーパッドとロコイド軟膏の具体的な活用方法について、まなりんさんに私から質問したことをQ&A方式で記事にさせていただきます。

乞うご期待でございます。 

尚、コメント欄には記事と関係のないコメントはご遠慮ください。
また、質問についてはメッセージボード若しくはマイブログ紹介を最後までお読みいただいた上でお願いします。
(過去記事を検索すれば済むような質問にはお答えできません。)

追記:キズパワーパッドの添付文書には「動物や人の噛みキズには使用しない。」という注意書きがあります。
ですので、最終的に使用されるか否かについては、各人添付文書をお読みいただき、その上で判断してください。
これまで実際に見てきた限りでは、貼付前に患部に付着したよだれを拭きとったり洗ったりしてからという常識的な対処の後にされてますので、感染兆候の所見は見たことがありません。
キズパワーパッドは商品の性質上、剥がれるまで数日間貼付可能のようですが、私は赤ちゃんが咥えることを考え1日1回は貼り替えるようにお勧めしています。

 

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離乳食が増えてきたら気を付けること。

おっぱいが始まり、軌道に乗って来ると、それまで小食だった方も、かなり召し上がる量が増えるものです。
「おなかが空いて堪らない。」とか「おっぱいをあげるようになってから部活帰りの育ち盛りの子どものように食べてしまう。」と日々実感していらっしゃる方は少なくないと思います。

周囲の方も「こんなにたくさん食べる人だったっけ?」と感じつつも「授乳中のお母さんにお食事を減らせと言っておっぱいの出方が悪くなったら責任問題に発展するから、そっとココロに仕舞っておこう・・・」という配慮がはたらくためか、特に何も仰らない傾向が強いです。

しかし、赤ちゃんの離乳食が進み、それもかなり食べるのが好きな赤ちゃんの場合、別バラ機能が作動せず、おっぱいを飲む量が減って来ることがあります。
そうすると、しばらくは同じペースでおっぱいは造られますし、お母さんの食欲をセーブしないとおっぱいがダブつき、結果うっ滞性乳腺炎になることがあります。

しかも「溜まったから搾っておこうか?」とのんびり構えていられない状態、そう、それは乳管内で乳栓を形成し、乳房がボコボコの岩のように硬くなり、搾っても飲ませても症状改善しなくなる事態になることさえあります。

先日も8カ月の完母の赤ちゃんのお母さんがたった8時間のうちにまさしくこの状態に陥り、受診されました。
乳頭は綺麗で乳口炎所見は全く無し。
でも明らかに詰まっているんです。
1時間マッサージをして、ようやく乳栓が浮いてきて、次の1時間マッサージを続けてそれが弾き飛んで、出るわ出るわの射乳(1本だけ)が15分間。
タオルに吸い込んだおっぱいが片乳房で約180g!

乳栓が出てからは嘘のようにフワフワの乳房になりました。
たまたま予約患者さんが少ない日だったから長時間マッサージ出来たけど、通常だったら1回で抜けなかったと思います。
ヤバかったです。

赤ちゃんが離乳食食べるようになったら、お母さんのお食事の量も減らすことを考えてね。

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2010年2月 8日 (月)

おっぱいとお薬/その43『ニューキノロン系抗生物質』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その43『ニューキノロン系抗生物質』(改訂版)」公開中です。
最新の内容は、上記でご確認ください。

以下、過去記事。

憶えておられますでしょうか?
昨年書いた「おっぱいとお薬」というテーマの中に『抗生物質』についての記事があったと思います。
基本的にお母さんが抗生物質を内服したからといって、授乳中止する必要は無いと書きました。
まして断乳なんて考える必要はないのは申すまでもありません。
(しかし、先日などは以前からの読者さんなのに、「歯科で治療を受けるのに、抗生物質の内服が必要になりました。この場合、断乳しなくてはいけないのですか?」という、過去記事をしっかり読んでさえいれば有り得ない質問がありました。書き手としては、とても悲しかったです。)

さて、抗生物質には様々な系統のお薬があります。
昨日お問い合わせがあったのは、『ニューキノロン系抗生物質』についてでした。
上の子さんの受診に付き添って行ったら、風邪を貰ってしまい、耳鼻科受診したら「喉が真っ赤に腫れ上がってるから。」ということで、『ニューキノロン系抗生物質』を処方されたそうです。
商品名は『ジェニナック』とのことです。
『ニューキノロン系抗生物質』に属するその他の商品名としては、『タリビット』『クラビット』『シプロキサン』などがあります。

『ニューキノロン系抗生物質』の特徴は、泌尿器科系・皮膚科系・耳鼻咽喉科系・呼吸器系等の感染症に汎用されています。
その理由は細菌の二次感染や難治性感染症に有効だからです。
アレルギー等の副作用も少なく、良く効くお薬なんですね。
しかも、お薬の半減期も5時間前後のものが殆どで、決して長くはありません。
一見何だかとっても良さそうな印象があります。
恐らく授乳中でも使用可能であろうが、授乳中は使用しないと書いてある文献もあります。
何故なのか?
それは、他の抗生物質に比較して、母乳への移行が多いからであることと、赤ちゃんが下痢し易いことと、カフェインやワルファリン(血栓溶解剤)やテオフィリン(喘息の方が服用される、気管支拡張剤)等と一緒に服用すると、それらのお薬の血中濃度を上昇させる可能性が大きいことと、授乳に関係なく過剰なくらい日光浴をすると、皮膚がんの発症リスクを助長するおそれがあります。

つまり、絶対に禁止ではないけれど、授乳中は出来るだけ他の系統の抗生物質に切り替えて貰った方が良いかと思います。
産婦人科以外の科のドクターからは「授乳はお休みして。」と言われ易いお薬なんですね。
でもその理由は上記のとおりなので、闇雲にそう仰るわけではないのです。
産婦人科のドクターはその辺りのことは良くご存知ですので、『ニューノロン系の抗生物質』を授乳中のお母さんに処方されることはまずもって無いでしょう。

尚、コメント欄には記事と関係のないコメントはご遠慮ください。
また、質問についてはメッセージボード若しくはマイブログ紹介を最後までお読みいただいた上でお願いします。
(過去記事を検索すれば済むような質問にはお答えできません。)

 

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1月28付けの週刊文春のコラムについて。

『最強母乳外来』のルーム、御覧になったことありますか?
プロフかなり真面目に細部にわたり正直に書いております。

私の愛読書(愛読週刊誌?)のひとつに、週刊文春があります。
そう、あの有名なオジ週(=オジサン週刊誌)です。(笑)
1月28日号を資源ごみに出す前に、もう一回読み直していると・・・
医療最前線というコラムで母乳に付いて記事があるではないですか!
私としたことが見落としてました。(汗)
京都の開業助産院の有名そうなO式のベテランの某センセイのお話が掲載されてました。(名前は特に秘します。個人攻撃をしたいわけではないので。)
お話の内容に「ふ~ん。」とうなずきながら目を通していたのですが・・・
百歩譲っても「ありゃりゃ?」な内容がありました。
一番気になったのはは「3~4か月になったら離乳食も始まるので・・・」って「ホンマでっか?」とツッコミを入れてしまいました。
他にもいくつか、気になる項目があったのですが、いちいち挙げるとキリが無いのでここでは止めます。
しかし、O式のベテランの某センセイだからこそ、「最新の正しい知識」を身につけてほしいし、「古い誤った知識」を発信してほしくないです。
(あっ、誤解のないように申し添えますが私は何も古い知識の全て誤っているとは申しません。念のため。)
インタビュアーの女性記者さんも、内容を検証してから掲載しなきゃ。
O式のベテランの某センセイの仰る有り難いお話しだからと、そのまま垂れ流しては記者さんとしてダメではないかな?

なにせオジ週だから、妊産婦やおばあちゃんが読まれることは稀なのでしょうが、旦那さんやおじいちゃんが読まれるかもしれません。
医療系コラムって案外人気があるから、「ほら、これ見てみぃ。離乳食は3~4か月からOKって偉いセンセイが書いてるぢゃないか。5~6か月なんて悠長なこと言って、同じ頃に生まれた他所の赤ちゃんに比べてウチの●●ちゃんが万一発育が遅れたらどうするぢゃ?」
と、競争心丸出しで、赤ちゃんのお母さんを煽るような旦那さんやおじいちゃんが出現しないとは限りません。
確か週刊文春は良く売れる号は100万部近く売れるのでしょう?
その影響力、かなり大きいと思います。
デスクは当然男性なので、分からなかったんでしょうが・・・
週刊文春さん、訂正してくれないかな?

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2010年2月 7日 (日)

ミルクしか飲んでないのにミルクアレルギーに。(涙)

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「ミルクしか飲んでないのにミルクアレルギーに。(涙)(若干改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

混合栄養で生後3カ月迄赤ちゃんを育てておられた方から相談電話がありました。
生後5カ月頃にミルクアレルギーが発覚して、治療を受けている皮膚科のドクター(某国立大学病院のドクターです。)から、「最近アレルギー赤ちゃん用の粉ミルクを勧められて切り替えたものの、不味くて臭いため、赤ちゃんが嫌がって飲まないのでどうしたらいいか?」ということでした。
お母さんの事情があって完ミに切り替えられた方でした。
困ってしまいその皮膚科のドクターに相談したところ「アレルギー赤ちゃん用ミルクを飲まないなら糖水(!)でもあげたら?と言われたが、それでいいのか?」と。
(でもこれは、その場でドクターに確認してほしい事項ですね。)

赤ちゃんは現在7ヶ月で離乳食は1回食です。
離乳食の食べっぷりは良いとのことでしたから、まず、離乳食を2回食に進めることを提案しました。お粥と数種類の野菜しかあげていないそうで、それらでが原因ということはそのドクターは言われなかったそうです。
また、念のため普通のミルクはホントに飲用禁止なのか?(血液検査等では、生後5カ月の時点でミルクアレルギー検査結果はマイナスではある。もちろん激しいアレルギー反応は起きたことが無い。背中の湿疹が酷く、受診したらアトピーと言われたとのこと。この2ヶ月湿疹はあまり良くなってないが、重症化したというのではない。)
さらに
?これまで塗り薬と普通の育児用粉ミルクで2ヶ月間凌いできたし、新たな検査をしたわけでもないので、普通のミルクではホントにダメなのか?
?アレルギー赤ちゃん用ミルクを離乳食に活用できないか?
?アレルギー赤ちゃん用ミルクといっても、様々なものがあり、例えばアミノ酸乳(エレメンタルフォーミュラ)のように、高価で不味くて(苦い)臭いというモノもありますが、カゼイン分解乳(ペプティエッド、ニューMA−1)はまだマシな味ですし、乳清タンパク加水分解乳(ミルフィー)などは比較的飲み易いそうです。
そういうものに変更することは不可能なのか?

ミルクアレルギーと言ってもどの程度なのか?
ミルクのどの部分がいけないのか?により、選択するアレルギ―赤ちゃん用ミルクのジャンルも変わるのではないでしょうか?
注)カゼインは乳タンパクの80%を占める成分で、乳清タンパクは乳タンパクの20%を占める成分で、加水分解といっても、している部分が違うのですね。
ここで言う加水分解とは乳タンパクの分子量が小さくなった方が、アレルギーを起こしにくいために行う処理のことです。

私は決してドクターの治療方針に水を差すわけではありませんが、もう少し、お母さんも知識を身に付けられ、再度相談されるようにアドバイスしました。

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乳頭保護器の適応その1

乳頭保護器は使用せずに済むなら、それに越したことは無いのです。
しかし、それ以外の方法で赤ちゃんにおっぱいを飲ませるには搾乳しかない場合で以下の条件を満たしておれば、止むを得ず一時的に使用することはアリかと思われます。

<お母さんの要因>
①とにかく乳房が常にパンパンに張っている。(熱感あり。)
②温かいおっぱいが漏れ出すくらいの分泌がある。
③ゴリゴリの乳輪を欠かさず先搾りをしている。
④あいにく扁平乳頭や短乳頭である。

<赤ちゃんの要因>
注)タイプ別に例示したので、以下のいずれかに該当すれば。
なお、舌小帯短縮症や巻き舌の場合は乳頭混乱を誘発し易いので、搾乳して吸啜トレーニングを地道に行い、時期が来るのを待つのがベスト。
A赤ちゃんの体重は普通であるが、直母で吸啜しようと頑張るもツルツル滑る。
B赤ちゃんの体重が小さめで、眠りがち・疲れやすい。
C赤ちゃんの体重が小さめで、元々の吸啜力が弱い。

もちろん、1か月健診の頃迄には<お母さんの要因>のうち、①②③は解決しているであろうことが予測されるし、<赤ちゃんの要因>についても克服できていそうなら、乳頭保護器を外すトレーニング開始です。

経験的に吸啜力に男女差があることに気が付いている助産師・お母さんは多いと思います。(一般的に男児が女児よりも強い。スッポンタイプ出現率高し。)
男児の場合体重小さめの赤ちゃんであれば3300~3500gくらいに達したら場合。
女児の場合体重小さめでも普通の赤ちゃんでも3800~3900gくらいに達した場合。
・・・についてはかなりの高確率で、直母がすんなり出来るようになります。

出来そうか否かの見極めは、直母で1回量が30g以上、哺乳出来るかどうかです。

2010年2月 6日 (土)

ゴムの乳首で補足することのリスクとは?

赤ちゃんにおっぱい以外のものを補足する必要性が発生したとして、看護師さんや一部の助産師は「哺乳瓶であげればいいんでしょう?」と仰います。

(それ以前に補足の手段なんて考えたこともない方もいるようですが。)

私は赤ちゃんのお母さんに「何故、★病院では哺乳瓶を使用した補足をしないのか?」と一度は抱く素朴な疑問には以下のように答えています。

「ポスターにも書いてあるように、大抵の赤ちゃんにとっては、ゴムの乳首と直母という、全く異なる2つの吸啜の動作をマスターするのは並大抵なことではないんですよ。2つを使い分ることは、とても難しい。そして簡単で力を要しないゴムの乳首での吸啜を先にマスターしたら、直母での吸啜が出来なくなったり、下手っぴな吸啜しか出来なくなるんです。もちろん、是々非々で使い分ける器用な赤ちゃんもおられるのでしょう。けれど、これはいわば英語のマスターのようなもので、帰国子女でもないのに何故か英語に達者な方もおられるけど、それはかなり少数派であって、大半の方にとって英語のマスターは容易ではありませんね。逆に英語を先にマスターして日本語を後に・・・となると、それはそれでひときわ大きな困難を抱え込むことになりますね。だから哺乳瓶での補足は止めているんです。」

・・・というように説明しています。

ここまで説明して、お母さん方には初めてコトの重大性が明確になるのですね。

予防に勝る治療は無いのです。

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2010年2月 5日 (金)

極端に少ない授乳回数は要注意です!

先日、1人目を仕事と両立させながら完母で2歳で卒乳された経験を持つ、Sさんが来院されました。
4か月健診の場で小児科のドクターから「体重増加が悪過ぎて、出生時に低出生体重児であることを考慮しても、どんどん正常範囲(つまりパーセンタイルグラフの下限)を逸脱している。これは一度病院で診てもらった方が良い。来月再診していただきますから。」と指導されたそうです。
健診から悩み、思い切って受診申し込みの電話を掛けて来られてから10日後の受診でした。(もっと早く受診していただきたかったのですが、ご本人の都合と予約枠が合わなかったので。それまでは意識しておっぱいの回数を増やすことと、集中して飲めるような環境整備と、保温について説明しました。)

2300g台で出生した赤ちゃんが120日目で4880gですから、確かに伸び幅が小さい。
おかしいな?上の子さんの時も順調そのものだったのに。
元々おっぱいの分泌に何ら問題が無い方で、退院後2週間健診・1か月健診では何ともなかったのです。
退院時から1か月健診までの体重増加度は30g以上/日はあります。
なのに、1か月健診から4か月健診までの体重増加度が14g/日に急降下しているんです。

何が起こったのか?
満腹中枢が未形成な時期なのにどうしちゃったんだろう?

その答えは「あまりにも良い子ちゃんだったから。」でした。
1か月健診以降は日中は4時間毎、夜間は6時間毎のペースなので、5〜6回/日のおっぱいだったのです。
俄かには信じ難いのですが、兎に角良く眠るし、起きても機嫌のよい子で、一人遊びができて、授乳予定時間になったらグズるタイプで、抱っこはおっぱいの時くらいだったそうです。
お母さんは育てにくさや大変さは感じることもなかったそうです。
特にこの1か月(4か月健診の前3週間は夜間8時間睡眠で、授乳回数はさらに1回現象だったとか。)
離乳食を食べてない赤ちゃんでこの授乳パターンは危険です。
奇跡的にお母さんは乳腺炎になってはいませんでしたし、受診日の哺乳量測定では前回から4時間空いて150gも哺乳しておられました。
4か月健診から受診日までの体重増加度は20g以上/日にアップしていました。

かように授乳回数は重要なのですね。(もちろん、集中して飲めることと、保温は言うまでもないですが。)
どんなにし易い赤ちゃんであっても(し易い故に尚更)授乳回数の減少には気を付けていただきたいですね。

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仕事場(出先)で行った搾乳の保管と運搬時の注意点は?

仕事復帰が迫るお母さんから3項目についてお問い合わせがありました。
ほぼ『★搾乳・冷凍母乳』というテーマで編集した過去記事に含まれる内容ですが、系統立てて理解していただくために、『★仕事復帰との両立』の方のテーマで書かせていただきます。

まず、「仕事場で搾ったおっぱいは、その場で冷凍するか、冷蔵で良いのか?」についてですが、赤ちゃんの預かり先(例えば保育園や保育ママさんなど)が冷凍母乳しか受け付けていない場合が多いと思われますので、そうであれば冷凍した方が良いと思います。

次に「保冷剤を入れて運ぶことになるが、何に入れればいいのか?」についてですが、これはクーラーバッグです。
大きさとしては魚釣りのオトーサンが持ってるようなデッカいのではなく、保冷剤と母乳バッグがいくつか入る程度で良いのです。
性能面では運搬時間に見合った、つまり、運搬途中で冷凍母乳が溶けださない性能でなくてはなりません。
仕事場から赤ちゃんの預かり先まで何分かかるのか、今は寒い時期ですが暑くなってきたら、外気を断熱する働きが弱いものですと、運搬途中に冷凍母乳が溶ける恐れがあります。
溶けてしまった冷凍母乳を再び凍らせることは出来ませんから、その日のうちに飲み切れないものは廃棄することになります。
そんなこと、勿体なくて出来ませんよね?

最後に「搾乳器の取り扱い、つまり洗浄・消毒・保管をどうするか?」です。
自宅から持参した搾乳器を使用する分には問題ないのですが、問題は使用後です。
洗浄は何処で行っても良いのですが、仕事場が病院等でなければ、煮沸消毒・薬液消毒は難しいと思います。
(職場の洗面所や簡易キッチン等にでも消毒機材一式を置かせていただけると良いのですが、恐らく無理でしょう。)
電子レンジの消毒は、搾乳器によっては出来ない機種もあります。
なので、消毒作業についてはご家庭で行われるのが、望ましいかと思います。

補足事項ですが、冷蔵母乳を赤ちゃんの預け先が受け入れてくださるのなら、冷蔵保管でもいいのですが、冷蔵の消費期限は24時間に設定しているところが大半です。
保管期間中に赤ちゃんに飲ませていただけるなら冷蔵母乳は良いと思います。
なぜならおっぱいの中の免疫物質が破壊されずライブの状態でいるからです。
もちろん、保管は「常温」ではなく「冷蔵」で、運搬の際に保冷剤の入ったクーラーバッグを使用することは言うまでもありません。

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2010年2月 4日 (木)

パーマや毛染めと母乳育児。

一般的なパーマや毛染めは毛髪の中に薬液が浸透し化学的変化を起こして成り立つものです。
また、市販品は素人がある程度上手く仕上げられるように、薬液成分がサロン使用品よりも濃ゆくなっているそうです。(プロは技術があるから、サロン使用品は市販品よりも濃ゆくなくても美しい仕上がりなんですね。)
ちょっと意外でしたね。

また、パーマ液や毛染め液は、取扱説明書に「妊娠中・授乳中は使用を控えてください。」と書かれていることが多いです。
主だった理由としては「妊娠中は頭皮をはじめ皮膚が敏感になっているので、湿疹・カブレ等の皮膚トラブルを起こし易いから・・・」ということだそうですが、私はもう一つあると睨んでいます。

おっぱいは血液から造られます。
お母さんの食べたものは赤血球などの血液成分が除去されたカタチで、おっぱいとなりますね。
ということは、パーマ液や毛染め液は、おっぱいを飲む赤ちゃん決して良いものではなさそうです。

もちろん、授乳中にパーマ液や毛染め液を使用しても、何も起こらないと体験しておられる方もおありでしょう。
今のトコロ、市販品でもサロン使用品でも授乳中のお母さんの使用で赤ちゃんが健康被害に遭ったという報告は無いらしいです。

も、開業されてる助産師諸姉は、授乳中のお母さんがパーマや毛染めの後、赤ちゃんが嫌がって飲まないとか、それによる乳腺炎であるとかの体験例をご存知かもしれません。
さらに、施術される美容師さんは、それらの薬液を塗布する際はビニールエプロンをされ、手には分厚いグローブを嵌めておられます。
これはつまり、ご自分のカラダに吸収される量を減らすためではないか?(もちろん、手に薬液が付いたら、落ちにくいからかもしれませんが。)
それは直に手に触れるものではないからというサインなのだと思います。
アタマ硬いかもしれませんが、私はどうにもそれらのものが授乳中でも「大丈夫ですよ。」とは言い切れないです。
誤解のないように申し添えますが、それは何も授乳中のお母さんは美容室で綺麗にしてもらったらダメというのではないのですよ。

パーマ・・・カットしてブローしてセットではダメでしょうか?
毛染め・・・しないで済むならせずに待つことは出来ませんか?
どうしてもお母さんの都合や趣味でやりたい場合、毛染めに関しては最近は自宅でも素手で塗れるカラーリング剤やトリートメント剤が出回っています。
(通販などで。)
また、毛染め液はサロン使用品でも植物由来のものも出回るようになりました。
それはつまり植物の持つ自然な色を活かした毛染め液ってことなんですね。
一般的な酸性やアルカリ性の毛染め液に比較して色味が少ないのと若干くすんだ感じの仕上がりになるのが難点ですが、髪や地肌にはやさしそうです。
そういう商品を選ぶのも授乳中のお母さんの選択肢かな?と考えてもらえたらと思います。

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大きい子におっぱいをあげることは変ですか?

「大きい子におっぱいをあげることはお母さんの自己満足だ。」とか、「ご飯が食べられるのだからおっぱいをあげるのは不自然だ。」とか、意味不明なこと仰る方が世間にはおられます。

そんなトンでもコメントは聞き流してください。
まともに受け止めて考える必要は全くナシですよ。

過去記事にも書きましたが、おっぱいはお子さんのためにあるんです。
もしも、お子さんが「お母さん、もうおっぱいは要らないよ。」と決心したら、どんなに勧めようが、無理やりだろうが飲んだりしません。

お子さんが「お母さん、おっぱいが飲みたいな~。」と言えば「あらそう?ぢゃあ、どうぞ。」とあげたらいいのです。
なのに「来月から保育園(幼稚園)だから。」とか、「あと1週間で3歳の誕生日だから。」とか、お子さん自身がそのように決意したなら別ですが、そうではなく大人側の都合で一方的に決め付けるのは間違っています。

どんなおっぱい星人であっても、おっぱいを止める日は来ます。
お子さんはずっとおっぱいを飲み続けるわけではないのですからね。

体験者のお母さんに聞いても2歳、3歳、4歳まで飲ませていても、それを後悔しているお母さんは聞いたことがありません。
「自立したなぁ~。感慨深いなぁ~。」と、自然卒乳したお子さんのお母さんは口を揃えるかのようにそう仰います。
安心感とお母さんの包み込むような愛情を目一杯貰えることで、お子さんの自立心は養われるのです。
もっと、自信を持っていいのですよ。

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2010年2月 3日 (水)

乳頭頂に水泡が出来て痛い!

乳頭頂の水疱は出産間もないお母さんに起こるイメージが強いかもしれませんが、原因を辿れば、長時間同じ側のおっぱいに吸い付かせるか、吸いつき方が浅い場合に起こるものなので、月齢が進んでからでも起こり得るものです。
例えば赤ちゃんが夜間よく眠ってくれるようになり、授乳間隔が3時間以上空くことが常態的にあり、先搾りをせずに直母することが習慣化していると、出来てしまいます。
新生児の場合、お口も小さいし、吸啜力がまだ弱いので、乳輪がゴリゴリになれば、まともに吸いつけませんから、入院中に助産師から「先搾りしてね。」と指導を受けたお母さんも居られるかと思いますが、月齢が進み、顎のチカラが強くなると、乳輪がゴリゴリしてても、一応吸い付けるのですね。
すると、水疱が出来ます。
小さいものはピンホールくらいだし、お口を離した直後でなければ膨らんで見えないので、「詰まった時みたいに吸わせている間じゅうビリビリと痛いなぁ~、でも、乳頭は見た目何ともないし。」でスル―してしまうと、やがて水疱は破裂して、痛みを感じるのが、吸われ始めだけになるから、「傷かなぁ?でも、乳頭は見た目何ともないし。」で何のケアもしないと、乳口炎への一里塚になっちゃうんですよね。

水疱は出来るだけ潰さずに、自然吸収を待つ方がいいのですが、万一破裂した場合は乳口炎時のケアに準じて、慢性化しないように、気を付けてくださいね。
先搾り・哺乳後バーユやデスパコーワなどの口内炎薬を塗布してラップしていきましょう。

 

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寒いところは危険です。

とある週明けに全くトラブル知らずのMさんが★病院母乳外来を受診されました。
「おっぱいにしこりが出来て痛くて・・・」と乳腺炎のようです。
早くから職場復帰され、お食事内容も食べ方も気を付け、搾乳も毎日きっちり励行され、授乳間隔もいつも通りで赤ちゃんの体調も悪くありません。
「何が原因だろうね~?」と言いながら乳房マッサージをしていました。
「痛くなった週末、いつもと違うことしませんでしたか?何かあると思うけど・・・」

そうした世間話の中でMさんは私の想像を超えることを仰ったのです。
なんと、産後3カ月ながら、祖父母、本人、旦那さん、赤ちゃん、上の子2人と、一家総出でスキーを楽しんでおられたのです。
当然最初は本人は車中若しくはロッジで赤ちゃんのお世話をしながら待機のつもりだったそうですが、上の子たちにスキーを教えるという役割を祖父から振られたそうです。(当初旦那さんが教える筈だったのでしょうが、自分で楽しみたかったのかな?)(もちろん祖父も教えてくれていたのですが、マンツーマンでの方が早く上達するだろうからと、授乳以外は白銀の世界に半日近く居られたそうです。)

「あぁ~、そうか、冷えちゃったのねぇ~。」と気が付いた私はそう答えました。
「着こんでいてそんなに寒さ感じなかったんですが、そうなんですか!」とMさんも驚いておられました。
スキー場やスケート場、授乳中でも行っても良いですが、服装だけでなく、例えば腰や足裏に懐炉を貼るとか、万全の対策が必要なんですね。

しかし・・・産後3カ月でスキーって・・・「やるなぁ~。」って思いました。

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2010年2月 2日 (火)

乳輪の奥ががゴリゴリして、芯が残っている。

乳輪の奥の方がゴリゴリして、芯が残ったかのように硬い時はおっぱいも冷たくなっていることが多いです。
これは、乳管が部分的に詰まっているということを表しています。
造られた乳汁が古くなり、冷たくなっているのです。
舌小帯短縮症の赤ちゃんで、まだおっぱいが軌道に乗らないうちや、遊び飲みや浅飲みが多いとこのようになります。
お母さんのカラダが冷え過ぎている時もこういう風になります。
でも、開通マッサージをして解れた感じになれば、おっぱいの排出も順調になります。
時々セルフチェックをして、コンディションがよくない場合は開通マッサージをしましょうね。

 

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SOLANINはミルク育児をどう思うか?

先日ある方から「ミルク育児をどう思いますか?母親失格と思いますか?」と尋ねられました。

一概には言えないですね。
完母であっても「テレビ見ながら、メール打ちながらやっつけ仕事のようにおっぱいをあげる。」とか「毎日おっぱいが不味くなるものばかり食べて、トラブルをウィークリーで繰り返す。」とか「ドクターからお母さんはアレルギー除去食を依頼されているのに、全く無視する。」のはNGでしょう。
完ミに至った経過を見たら、「お母さんが酒やたばこを心おきなく楽しみたいから。」とか「夫婦平等で旦那に子どもの世話させるため。」とか「預ける時にラクだから。」とか「夜中にぐっすり眠れるのではないか?」とか「バストラインが崩れないらしいよ。」というのはもっての外でしょう。
赤ちゃんではなく自分勝手な下心丸出しというのでは、おっぱいかミルクかという栄養方法以前の問題で、赤ちゃんのお母さんになるということの適性を疑ってしまいます。
つまり、過去記事にも書きましたが、“赤ちゃんにおっぱいをあげられる筈なのに、お母さんの身勝手な都合が優先してあげようとしない、あげたくない。”のは、如何なものかということです。
おっぱいで育てることは免疫や栄養やアレルギー防止といった物質としてのおっぱいの利点だけでなくお母さんと赤ちゃんの絆つくりや、赤ちゃんが大好きなスキンシップを自然に行える精神的な面での恩恵が大きいから推奨するのです。
おっぱいをあげると子育てホルモンである、プロラクチンやオキシトシンがドンドン出ますから、意識しなくても赤ちゃんのお世話が苦痛でなくむしろ楽しんでできます。
また、おじいちゃんやおばあちゃんに懐くのはいいのですが、赤ちゃんの心の中のお母さんへの絶対性が薄らぐ懸念があり、母子関係が上手くいかない(=懐かない赤ちゃんを可愛く思えない。)という状態を誘発する恐れがあります。
完ミのお母さんはそこをよく把握して、意識して赤ちゃんとのスキンシップをしていく必要があります。
私は「医学的事情があっての完ミ」のお母さんを何人も知っています。
例えば「赤ちゃんがガラクトース血症(=おっぱい自体を飲んではいけない病気)等である。」とか「お母さんが両方の乳房を乳がんで喪っておられる。」とか「お母さんの精神疾患が増悪して、内服しているお薬のせいでおっぱいはあげてはいけない。」とか「お母さんがエイズである。」とか「出産時ヘルプ症候群になられ、一命を取り留めたものの、おっぱいが分泌しなくなった。」とか、他にも色々な理由がありますが、“赤ちゃんにおっぱいをあげたくてもあげることが不可能”な場合はどうしようもないではないかと思います。
そういうお母さんには「ミルクという名のおっぱいをあげているつもりで、抱き癖付けまくりで丁度なんですよ。」と母乳外来でお話ししています。
結果的に完ミであっても、それに至る事情・過程が全然違うことを同列に論じることはいけないのでないかということです。
混合栄養の方もそうです。
一生懸命頑張ってもできない方を責める気はありません。
何となく誤解され易いのですが、私は決して母乳原理主義者ではないんですよ。

ミルク育児=お母さん失格とかステレオタイプに区分け出来ないです。
育児ってそんな簡単に区分け出来ないと思います。

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2010年2月 1日 (月)

やっと完母に近づいたのに、断乳したら?とO式で言われ・・・

<ご相談内容>
新生児のうちは直母が出来ず、搾乳10ml/回から頑張ってました。
2ヶ月を過ぎ段々直母が出来るようになり、今は授乳は8~9回/日(うち1回のみミルク補足70~100ml)に抑えられるようになり、嬉しく思っていました。
それが数日前から突然赤ちゃんが哺乳ストライキ?になってしまいました。
全力で嫌がるようになってしまったのです。
少し機嫌が良い時だけ、ちょこっと飲んでくれるのと、寝ぼけた時に頻回に飲んでもらってますが。(嫌がったら直ぐ止めて、溜まりすぎてたら搾って排乳してますが。)
今のところ、赤ちゃんの体重減少はありません。
それで、このままではおっぱいの分泌が少なくなるのではないか・と心配で、O式にマッサージしてもらいに行きました。
そして、そこの助産師から「古い母乳が相当溜まってますね。ここまでガチガチになったら、中々改善しないでしょう。そのため乳房の殆んどの組織が機能しない状態です。よくここまで頑張りましたね。でも、このまま嫌がって飲まなかったら断乳してミルクに切り替えるのもひとつの方法ですね。」という旨の事を言われました。
またこの日、「赤ちゃんは舌小帯短縮症ですね。それが原因で飲み残しが多くなり、古い母乳が溜まったのではないかしら?」とも言われました。

確かに生まれた時からおっぱいの飲み方が下手っぴちゃんで、周りの赤ちゃんが羨ましくて仕方ない日々ガ続いたけど、毎日毎日おっぱい戦争と向き合ってきて凄く頑張って1日のおっぱい分泌量も700ml近くまで増えてきたのに断乳を勧められるなんて・・・夫婦とも赤ちゃんのおっぱいを飲む顔が大好きだし、SIDSも気になるし、出来ればおっぱいを続けたいです。
O式のセンセイが仰るのだから、マッサージやお食事では持ち直せないんでしょうか?

<SOLANINの回答>
乳質管理は乳房治療手技といって、O式のセールスポイントで、お食事の内容や摂取方法にも細かい作法を要求されます。
そうして定期的な通院を勧められることが多いです。(そうでないO式のセンセイもちらほらおられることは伝え聞いておりますが。)
哺乳ストライキになって初回の乳房マッサージで「乳質不良だから、断乳?」って、天下のO式がそんなことを言って良いのでしょうか?
理解に苦しみます。
赤ちゃんが舌小帯短縮症であっても、適したポジショニングやラッチオンが出来るようになれば徐々に上手な直母は出来るようになってきます。
ここまで頑張ってきたお母さんと赤ちゃんを見捨てるようなことを言うのは看護の精神にそぐいませんね。
古いおっぱいは美味しくないことは私も知っていますが、申し訳ないけど赤ちゃんにはそれを一時は曲げてでも飲んでもらわないと先に進まないですね。
乳房マッサージで乳質は変えられるのでしょう?
だったら変えられるようにケアしてあげるのがO式の助産師の役目ではないでしょうか?
おっぱいって搾らなかったら1週間で枯れる方もおられるくらいデリケートなんです。

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混合栄養・・・おっぱいはミルクの前?後?

混合栄養で赤ちゃんを育てておられるお母さん、おっぱいの分泌を維持・向上させるには、どっちが良いか、分かりますか?
それはもちろん、おっぱいの後にミルク。
これで決まりです。
ミルクでおなか膨らませた後におっぱいというのでは、赤ちゃんは真面目に飲んでくれません。
吸啜も、なおざりになってしまいます。
おっぱいはこまめに搾るか吸わせないと、乳頭に受ける刺激が少なくなるから、段々出にくくなってきます。
「やがて完母にしていきたい。」と考えておられるなら、尚のことです。

そりゃあ、たまには機嫌が悪くて、「先にミルク寄越せ~。」と、ギャン泣きされることもあるでしょうから、譲歩することもあるでしょうが、基本、おっぱいが先です。

10日ほど前の記事にも書いたので、憶えている方も多いと思いますが、乳房を張らせて授乳間隔を空け過ぎるのは、おっぱいの分泌低下を助長しますから、「今の授乳はおっぱいだけで、次の授乳はミルクだけで、その次の授乳はおっぱいだけで・・・」としてしまうと、授乳回数がう~んと少なくなりますね。
今からおっぱい製造工場立ち上げていかなくてはならないのに、乳房をおっぱい貯蔵タンクに成り下げてしまったら、店仕舞いの方向に突き進むことになります。
くれぐれも、目指す方向と逆の方向にならないように、気を付けてね。

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