おっぱいとお薬/その44『キプレス』『シングレア』
(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その44『キプレス®』『シングレア®』(改訂版) 」公開中です 以下、過去記事 『キプレス』も『シングレア』も抗アレルギー剤です。
最新の内容は上記でご確認ください。
大半の抗アレルギー剤は授乳中湯でも服薬可能です。
しかし・・・より一層の安全性ということを考えると、検討が必要です。
抗アレルギー剤は気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎、滲出性中耳炎などの際に処方されます。
持病として患っておられるお母さんも少なくないかもしれませんので、お薬選択の考え方としてこの記事を書きます。
『キプレス』も『シングレア』も授乳中のお母さんが内服して差し支えないとされています。
お薬の安全性は中等度です。
また、半減期が2.7~5.5時間と、このジャンルのお薬として短い部類であること、タンパク結合率が99%以上であるとが分かっているからです。
つまりこれが意味することを説明いたしますと、お薬というものは大まかに言えば血中で血漿タンパクと結合するものとしないものと分けられます。
血漿タンパクと結合したお薬はおっぱいには移行しないのですね。
血漿タンパクと結合しないお薬はおっぱいに移行するんですね。
ということは、この2つのお薬はタンパク結合律が99%以上というハイレベルなので、移行しにくいということが言えるのです。
この説明、分かりますでしょうか?
抗アレルギー剤には『オノン』という名前のお薬もあり、臨床的にも汎用されているようですが、お薬のデータというか評価がまだ出ていないようなのです。
なので、ここでは詳しくは申し上げられません。
ただ、『オノン』は0歳児つまり赤ちゃんに投与しても安全であるという国内での報告がありますから、恐らく問題ないであろうとは推定されます。
お薬の決定についてはドクターと相談してくださいね。
コメント
1 ■なるほど!
淡白質結合率は母乳への移行率と比例するというかんじでしょうか?
勉強になります!
薬帯に淡白質結合率は記載があれば比較もできますね(*^_^*)
めぐみん 2010-02-20 07:19:45
2 ■無題
なるほど~!
移行するかどうか、そんな仕組みがあったんですね!
詳しく記事にしてくださって、ありがとうございます!
これで安心して、花粉症の時期を過ごせそうです
まみ 2010-02-20 09:07:29
3 ■Re:なるほど!
>めぐみんさん
そうですね。
大きい方が母乳への移行が少ないということです。
仰る通り、全てのお薬に書いてあるとは限らないのが現実ですし、私も薬剤師さんではないので全てを知ってるわけではないのですが。
SOLANIN 2010-02-20 11:18:26
4 ■Re:無題
>まみさん
どうせ選ぶなら「より安全性を高く!」の方がベターだと思いませんか?
私はそう思いましたので、記事にしました。
『オノン』のデータはこれから集積されてくるのでしょうね。
乳児に処方しても安全なら大丈夫そうではありますが・・・
SOLANIN 2010-02-20 11:20:57
« 赤ちゃんが吸いつく時に“えずく”んです。 | トップページ | 舌小帯短縮症でも沢山おっぱいが飲めてたらいいの? »
「 ★おっぱいとお薬」カテゴリの記事
- 葛根湯を内服するタイミングとは?(2012.12.08)
- 処方された漢方薬が顆粒だから服用できない場合。(2012.10.24)
- 授乳可否データの無い点眼薬を使わねばならない!(5ヶ月)(2012.07.05)
- おっぱいとお薬/その71『サルタノール』『べネトリン』(2011.04.28)
- おっぱいに理解のあるドクターも居られます!(某病院呼吸器科)(2011.04.13)