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2010年1月

2010年1月31日 (日)

我が儘にも程がある!

昨年末、私は“アタマズキズキシテキマシタ”という記事を書きました。
先日そのお母さんと再会しました。
その時の様子ですが、毎週小児科受診をドクターより厳命されていて、上手く体重が増える週とさっぱりな週とが交互に来るので、油断ならない状況ということは、伝え聞いていましたが・・・まさにその通りでした。(汗)
「上手くいくと、もう頻回直母しなくていいかなっ?って思っちゃうんですよね。」と信じられないことを仰います。
「6〜7回/日くらいでは、おっぱいの分泌は中々増えないですよ。」と諫めても、「でも毎日結構忙しいんです。」
こんな状況ですからどのくらい効果があるか未知数ですが、小児科ドクターからの依頼もあり、産婦人科のドクターに『プリンペラン』処方を依頼する際も、「1週間後に効果のほどを見せにくるのが大変。もっと最初からたくさん出してほしい。」とのたまい、「お薬は毎食後なので3回/日内服ですよ。」と念押ししても「私って、2食/日なので、3回/日とか無理です。」と自分の食事摂取の不摂生を棚に上げ、「それでは効果が表れにくいから。」と、注意しても「でも〜。」と抵抗されます。
「だったらタンポポ珈琲飲むとか自分なりに、何か工夫をされるとか?」と勧めたら「タンポポ珈琲は美味しくないから私の飲めないんですよ〜。」って・・・んなこと私は知らんがな。(焦)
挙句、「小児科に毎週通うのって大変なんですよね。車で片道15分くらいかかるし。もう少し、長いスパンで、受診できるように変更してもらえないんですかね。体重って増えなくちゃいけないんですか?」と逆切れされ、小児科外来で号泣され、診察一時中断だったそうです。(汗)
殆ど増えないか、減少して、意味不明な量と回数のミルク補足だったので、年末は赤ちゃんと一緒に入院すべきか?と取り沙汰されたくらいのコトの深刻さがまるきり分かってないんですね。
このお母さんって天然?お母さんとしての資質に何らかの欠落部分があるの?自分の赤ちゃんが成長してほしくないの?(早産で低体重で、ある程度の体重増加を待って形成外科のオペが予定されているというのに・・・)
シナジス注射を打ってもらうのに来院するのも、「ええ〜っ毎月注射ですか?」ってリアクションだったそうです。
拒否ってRSウイルスに感染しても知らないからねっ。(怒)

しかも、小児科受診が終わるや母乳外来に再び現れ、帰宅寸前の私を捕まえ、「乳房ケアをしてほしい。詰まってたら大変だから。さっき、時間切れでしてもらえなかったから。」とやって来たんです。
(実は母乳外来で哺乳量測定と乳房ケアしてから小児科受診という予定だったのです。
しかし、赤ちゃんに直母しようにも「母乳外来のお部屋が暖か過ぎて眠って飲まないんですぅ〜。」と言い放ち、お母さんがさっさと起こして飲ませなかったせいで母乳外来は時間切れになり、急ぎ小児科受診となったことは横に置いといて・・・です。)
私・・・申し訳ないけど、このお母さんは自分優先が過ぎて、一見赤ちゃんのことを心配している様子でも、自分に都合の悪いことは指摘されても改善する意思は絶対無いと強く感じました。
再度受診していただいてもこれ以上の改善は見込めないと思います。
真剣に対応するほどこちらの精神のバランスが崩れそうになるので、もう対応は御免蒙ります。(涙)

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授乳中の月経時の不快症状はどうしたらいいの?

妊娠前、月経困難症・子宮内膜症などがあった方は、妊娠・出産で月経がストップするとパラダイスです。
しかし、やがて月経は再来します。
完母の方ですと、1年くらい月経休止の方も稀ではないのですが、なにぶん個人差のあることですから、「なるべく後に来てほしい。」と願っていらっしゃる方にとって予想外に早いとがっかりかと思います。

月経が再来すると、下腹痛だけでなく、頭痛や吐き気を伴い、日常生活を過ごすのにも苦痛が大きい方も居られるので、大変です。

授乳中ですから、基本、ホルモン剤はNGですから、不快症状は産婦人科受診して、漢方での治療をドクターに相談されてはいかがでしょうか?
頭痛薬の頓用については、『★おっぱいとお薬』を参考にしてくださいね。
また、時々、貧血症状を訴えられる方がおられますが、月経再来1回で血が薄くなることは無いので、検査まではしなくていいと思います。
妊娠前や妊娠中に血が薄くて(=つまり、鉄欠乏貧血)で、献血なんて到底無理な方であっても、産後数カ月間月経が再来しなければ、比重やヘモグロビン値が献血できるレベルまで改善していることも普通にあるからです。(もちろん、授乳中は献血は出来ませんが。)

頻回直母をしていけば、月経が再度休止したり、経血量が少なくなったり期間が短くなることも有り得ます。

取り敢えず、そのように対応してくださいね。

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2010年1月30日 (土)

乳首周りの体毛について。

妊娠に関わりなく、乳首周り(乳輪やその外周)に体毛が生えている方がおられます。
かなりしっかりした毛質で、脇の下の体毛のような硬さの毛が生えている方もおられます。
出産後直母の際、体毛が邪魔にならないかと心配かもしれませんが、意外と大丈夫です。
乳輪の皮膚は柔らかくデリケートなので、除毛フォームを使用するわけにはいかないし、毛抜きで抜いても剃毛しても、よほど清潔にしないと、後から毛のう炎を起こす恐れがあります。
硬い毛質であっても、アラブ系男性の鼻下の髭のように、びっしり生えているわけではないと思いますので、安心してください。

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2010年1月29日 (金)

授乳中水分の摂り方について。

新生児のころは別として、おっぱいが軌道に乗り、赤ちゃんの体重増加も順調で(=それはつまりしっかりとおっぱいが飲めているということですが)あれば、いったいどの位の水分がおっぱいとしてお母さんのカラダから出ていくのでしょうか?

赤ちゃんの体重や飲みっぷりにも依りますが、満腹中枢が形成する頃で、少なくとも800ml~1000ml/日くらいは哺乳しているようです。

おっぱいの成分の内、水分は88%もあります。
例えば800~1000ml/日の哺乳量であれば、単純計算すれば704~880ml/日の水分がお母さんの乳房から抜けていくということです。
水分をガブ飲みすればいいというのではありませんが、喉が乾けば補給することはやはり必要ですね。
(冷たい飲み物はガブ飲みしがちなので、カラダが冷えて碌でもないので、温かい飲み物にしてくださいね。)
もちろん、食品にも水分は含まれてはいますが、例えばリンゴ1/4にはどの位の水分が含まれているかは、カウント出来ないですよね?
なので、コップやお椀でだったら、およその容量が判りますから、そこから計算してほしいのです。
お母さん自身のカラダのための水分も必要です。

もっと水分を摂った方が良いのではないか?という目安を述べます。
①元々便秘症でもないし、産後はお野菜多いメニューを心掛けているのに、明らかに便秘。下剤内服しないと、スルっと出ないという場合。
②口腔粘膜が干からびたり、口唇や顔の肌が乾燥しまくっている場合。
③以前と比較して明らかにおしっこに行来たい感じがしない。出ても濃縮尿がチョロっとしか出ない。4回以下/日くらいしか、おしっこに行きたくない。
・・・等々、思い当たるフシのある方は、カロリー・カフェインの少ない・温かい飲み物を少しずつ分けて飲んでくださいね。

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仕事復帰しておっぱいの分泌を維持するには?

<ご相談内容>
約1か月前から仕事復帰して、搾乳は1回/日のペースでしか行えません。
大体、150ml/回/日搾れます。
フルタイムなので助産院や母乳外来でケアを受ける時間がありません。
赤ちゃんは8カ月で、預かり先では搾乳100~150ml/日&ミルク300~400ml/日飲ませてもらっています。
最近明らかに、出方の悪い方の分泌・開通が低下してきています。
そちらからは60ml/回/日程度です。
乳房の張りも少なくなってきました。
夜間は頻回(朝出勤までに6~7回)は吸わせています。
やはり日中おっぱいを吸わせないと、枯れるんだなぁと悲しくなってきます。
赤ちゃんの離乳食は2回食ですが、ボチボチしか食べません。
体重増加がこの1か月で8250g⇒8550gと少ない気がします。

仕事は3月末で退職することになったのですが、このまま出なくなったらどうしよう?と心配です。
何とかおっぱいの分泌を回復する方法は無いでしょうか?

<SOLANINの回答>
分泌の維持には搾乳の回数がベストですが、1回/日以上は無理なんですね。
でも、夜間頻回で頑張ってますね。
出方のイマイチな方は、詰まりかけているのかも知れませんね。
助産院や母乳外来を受診出来ないなら、自分でマッサージするのがいいけれど、でも、そんなんだったら赤ちゃんに飲んでもらった方が良いですね。

体重増加については1か月で300g増えてますから、よく増えていると思います。
大体1日平均10g増えてますからね。
少ないなんてことは無く、月齢相当ですよ。

ストレスのない仕事なんてないです。
でも、何とかするには・・・う~ん。
まずはカラダを温かくすることです。
食べ物・飲み物は冷えたものを摂らない。
果物や乳製品も冷えるから注意してね。
下半身を腹巻きやレギンスで覆い、下腹部と仙骨部にカイロなどを当てる
(やけどに注意してね。)
搾乳は無理でも、WCタイムとかでちょいちょいで良いから乳頭・乳輪を摘まんで刺激することも効果あります。
後は、たんぽぽ珈琲・かぼちゃの種(南瓜仁)・先日の記事にもあるようにおっぱいの分泌を促すハーブのサプリメントなんかも摂取しましょう。
後、搾乳の際、可能であれば赤ちゃんの声(泣き声でもOK)をケータイに録音してそれを聞きながら搾るのもいいですね。
(泣き声聞くと、おっぱいがじわ~ッと出て来るお母さんの心理を利用しています。)
赤ちゃんの匂いのするハンカチもいいですね。
(五感の中で嗅覚は一番本能や記憶を刺激すると言われていますので、それを活用します。)
搾乳直前5分間くらい、乳房を温めても良いですね。(カイロなどで。)
出来そうなことからまずはやってみようではありませんか!

また、このアイデアはNICU/GCU入院中の赤ちゃんのお母さんのおっぱいの分泌・維持にも転用できますよ。

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2010年1月28日 (木)

入れる方のカラダに負担の少ない沐浴♪

新生児の沐浴はお風呂場でされる方が多いようですが、私は専ら、キッチンでの沐浴をオススメします。
一部の社宅等ではキッチンではお湯が出ないので・・・というトコロもあるでしょうが、現在賃貸住宅のの95%はキッチンには給湯器が付いています。

ジャンボシンクでなくても、最近のベビーバスはシンクにすっぽりと嵌るように作られています。
大昔とは違って排水栓があるから、バケツでお湯を汲み出さなくても抜けば流れるし。
しかも、大抵のキッチンの高さは85cmになってきています。
つまり、沐浴をする方の、肩や腰にかかる負担がとても少なくて済むからです。
また、大抵のキッチンはダイニングルームと隣接していますから、お風呂上りに温かいトコロで赤ちゃんのカラダを拭いたり、着衣させることが出来て、動線的に無駄がありません。
お年寄りは「キッチンで沐浴なんて・・・」と顔を顰められるかもしれませんが、病産院で大勢の新生児を沐浴する助産師や看護師は床にしゃがんで、膝立ちで入れたりしませんもの。
そんなことしていたら、自分のカラダを痛めることが分かっているからです。

ただ、病産院向けの既製品の沐浴槽には問題があり、あの高さは75cm前後なんですよね。
よほど小柄な方でなければ75cmは腰が痛くなりやすいです。
で、数年前に沐浴室をリニューアルした★病院は、脚部分に10cmの下駄を履かせて、85cmにしているのですね。
この10cmの差は大きいです。
負担が少なくてラクですよ〜。
キッチンでの沐浴、新生児のお母さんは是非チャレンジしてね♪

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母乳育児に不利な条件であっても・・・

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「母乳育児に不利な条件であっても・・・(改訂版) 」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

このテーマを選択するのはかなり久しぶりです。
5日前の記事“搾乳がストレスで断乳(産後1か月)”の返信コメントを書いていて、ふと思ったんです。
母乳育児の成功のための条件として「お母さんと赤ちゃんの組み合わせの善し悪しがあるのではないかな?」と。

どういうことかと申しますと、まずはお母さんがココロとカラダの準備を妊娠中に出来るかってことです。
「私は絶対におっぱいで赤ちゃんを育てるんだ。」という強い決意。
絶対にではなく、できれば・・・という温度の低さは、それだけでネックです。
「乳頭・乳輪のケアを着々と進める。」という直接的準備。
特に正常乳頭でなければ、妊娠中から真面目にケアをしていかないと、産後に他の人の2倍・3倍は頑張りが必要になり苦労します。
妊娠中から助産師にマンツーマンで指導を受けて毎日それを実行していくことが大切です。「出来るかな〜?」と不安がるばかりで、自分からは何もせず、漫然と放置しているのではキツいようですが不成功への一里塚です。
普段クールな方であっても「やってやるぞ!これでいいのか診てください!」という積極性が必要です。
「お食事内容と食べ方や冷え・肩凝りの防止や骨盤メンテなどを地道に取り組んでいく。」という切迫の妊婦さんであっても出来る間接的準備。

次にどんな赤ちゃんが生まれてくるかによって、おっぱいの大変さは変わります。
早産児より満期産児、低体重児より標準体重児、難産で生まれるか安産で生まれるか、舌小帯が短縮しているかそうでないか、お口を小さくしか開けられないか大きく開けられるか、巻きつけが下手か上手か、哺乳すること自体に問題のある病気があるか否か、眠ってばかりかキチンと起きるか、癇癪を起し易いか否か・・・など、生まれてみないと分からない諸々の条件があります。
この対比では、前者は後者よりも困難を伴うと言えます。

そして(ここが肝腎ですが)、もし赤ちゃんが前者だったら、それを受け止めて赤ちゃんの成長を待ってあげられるか?そして只待つのではなく赤ちゃんのパワーやスキルが上達するための手助けがしてあげられるか?・・・ということです。

仮に母子ともに困難な条件が重なっていても、上に書いた3行が出来れば、時間はかかっても、出来る日はきっと来る筈です。
特別に何かしなくても、順風満帆な(組み合わせの良い)お母さんと赤ちゃんのカップルもおられるでしょう。
その一方、茨の道を歩く(組み合わせの悪い)お母さんと赤ちゃんのカップルもおられるでしょう。
私が今言えることは、茨の道系であっても、頑張り次第で克服は可能であるということです。
そのためのお手伝いが出来る助産師を一人でも多く増やしたいです。

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2010年1月27日 (水)

先天性股関節脱臼の疑いがあると指摘されて(生後3ヵ月半)

先天性股関節脱臼・・・聞いたことのある病名でしょうが、見たことはないという方が大半だと思います。(以下、先股脱とします。)
私の高校時代からの親友の一人と、看護学科3年生時代の寮の同室の後輩がこの病気で手術しているので、私にはわりと身近な病気です。

知っている方は知っておられるのでしょうが、簡単に説明しますと、股関節にある大腿骨頭をホールドしているカーブのあるお皿があります。
赤ちゃんはオトナよりも浅いので、脚を真っ直ぐに伸ばしたりすると外れてしまいます。
但し先股脱は「外れたら接骨院で嵌めてもらう。」という訳にはいかないのです。
先天性とありますが、生まれた瞬間に分かるということは稀で、発症は後天的なことが多いとされています。
男児よりも女児に、右足よりも左足に多くで易いというデータがあります。

大昔は布おむつを「脚が真っ直ぐになるように。」との願いから、日本では赤ちゃんのおむつは巻いたり逆三角に当てたりしていたので、先股脱を助長する因子が諸外国よりも高かったので、疫学調査が未だの時代には風土病のように恐れられていました。
時代は流れ、当時京都大学におられた石田先生が「股おむつ」「コアラ抱っこ」「おむつ換えの際は赤ちゃんの足首を持って脚を伸ばすようなことはしない。」「普段からM字開脚」を推奨され、先股脱の発症率は激減しましたが、現在でも赤ちゃん1000〜500人に1人の割合で見られます。

さて、先股脱の診断のためには視診(左右の脚の長さが違う)や触診(開排制限の有無とクリック音の有無の確認)とレントゲンやエコーなど検査がありますが、病状によっては装具の装着や(私の親友や後輩のように)手術もありますが、最近では手術までに至る赤ちゃんはホントに少なくなってきておられます。
万一装具を装着することになっても、自宅療養で済むことですし、整形外科的な病気なので、おっぱいに制限は無く、今まで通りにあげられます。
装具はリーメンビューゲルと呼ばれるものですが、立体的な皮ベルト状になっているもので、股関節が良肢位を保てるようにするために装着します。
決して金属のボルトが突出しているようなものでもないし、それこそ赤ちゃんをコアラ抱っこするには打ってつけです。

少し古いハナシですが、確かシドニーオリンピックの男子110mハードルの日本代表選手の方は幼少時に先股脱だった方でそれを克服されアスリートになられた方です。
赤ちゃん時代に適切な治療を受けられたら、治る病気だと言われています。

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「かため」歯ブラシは使わない方がいいです。

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「『かため』歯ブラシは使わない方がいいです。(改訂版) 」公開中です
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事

歯ブラシの毛の硬さには色々なレベルがありますが、「かため」歯ブラシは使わない方がいいです。

理由ですか?
歯や歯茎を傷つけるからです。
もしかして「かため」歯ブラシの方が歯の汚れが取れやすいって思って選んでいましたか?
もしかして「かため」歯ブラシの方がナイロン毛がヘタりにくいから、長持ちして経済的だと思って選んでいましたか?

違うんですね~。
確かに「かため」歯ブラシは一時的には汚れが取れるかもしれません。
でも、歯の表面のエナメル質を傷つけることって、多いんです。
特に、研磨剤や粒々の入ったデンタルペーストを使ったら、余計に傷が付きます。
特に、歯をきれいにしたいからと長時間磨く方は、歯の表面が削れることだって有るのです。
そうすると、歯は飲食のたびに汚れますが、傷ついた箇所に汚れが侵入して、汚れが落ちにくくなるのです。
特に、歯周病の方が「かため」歯ブラシを使ったら、歯茎から血が出ます。

ナイロン毛の質の良い歯ブラシは、毛先が丸くなっていて、ペン持ちして毎回3分間磨くとして、1ヶ月くらいの耐毛度があるものです。

お口のケアには使う道具にも拘りたいものです。

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2010年1月26日 (火)

おっぱい以外の方法で、楽しいことを一緒にしてますか?

文化人類学者のキャサリン・デットラ―さんの調査研究によると、様々な動物の乳離れの時期を妊娠期間の長さ・永久歯の生える時期・大人のカラダの大きさとの比較から見ると、人間の場合自然にしていれば3~7歳に相当するそうです。

1歳を過ぎてもおっぱい星人でいることは素晴らしいことです。
ただ、おっぱいばかりをやたらと欲しがり過ぎでないか?という場合、お子さんとの関わり方を一度は見直してくださいね。
具体的には「おっぱい以外の時でもスキンシップに努めているか?」
「一緒におやつやご飯を食べているか?」
「本を読み聞かせているか?」
「お天気の良い日は散歩をしているか?」
「ちょっとしたことでいいので、お子さんがやりたがるお手伝いをさせているか?」
「大きな声で笑ったり、走り回るような運動量の多い遊びをしているか?」
等々、充分にお母さんと触れ合っているのに、あやしただけでは泣きが収まらなくてそれでも尚且つ欲しがるのであれば、これは問題ありません。

また、「仕事を含めお子さんと離れる時間が長い。」
「祖父母宅を含めて度々託児をして、お子さんと離れる機会が多い。」
「お子さんが病気をした。」
「引っ越しや転園など環境の変化があった。」
「お子さんの目の前で夫婦喧嘩をしてしまった。」
等々、お子さんのストレスが多い時は止むを得ないと受け止めてあげてくださいね。

そうではなく、「暇だから。」
「他に何もすることが無いから。」
「退屈だから。」
「面白いことが何もないから。」
等々、お母さんと触れ合う時間が沢山あるのに、刺激となるものが全く無いに等しい状況でやたらと欲しがる場合は、まずそこを改善していく必要があります。

おっぱいを充分に堪能したお子さんはやがて、卒乳の時期を自分で決めてきます。
焦る必要は全く無しです。

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おっぱい分泌促進のハーブ(海外編)

突然ですがカナダに在住のドクターでジャック・ニューマンさんという方がおられます。(以下ジャックさんと記載します。)
ジャックさんは母乳育児の大変深い理解がある方です。
ジャックさんのご著書には、おっぱいの分泌を高めるハーブの紹介があります。
日本国内ではまだ、おっぱいの分泌とハーブの関係については研究している方は殆どおられないようなので、知らない方の方が多いかもしれません。

さて、おっぱいの分泌を高めるハーブは何なのか?
興味のある方も少なからずおられるのではないでしょうか?
ジャックさんによれば、それらは「マリアアザミ」「フェヌグリーク」だそうです。
これらのハーブについては匂いが厭という方もおられるので、サプリメントで摂取する方法を勧めておられます。
「マリアアザミ」は一般的には肝臓に良いとされるハーブです。
「フェヌグリーク」はカレーの成分のひとつでもあります。
ジャックさんたちの経験によればこれらはおっぱいを増やし、流れをよくする効果があるそうです。
産後早期の方が良く効くそうですが、暫く経ってからでも、効く場合があるとのことです。
安全性については赤ちゃんへの影響は殆ど無いとのことです。
お母さんが大量摂取すると、腹痛や下痢をすることもあると言われています。
しかし、ジャックさんの患者さんの中には、副作用のあった方は居られないとのことです。
効果があるとしたら、早ければ24時間以内から、遅くとも1週間以内におっぱいの量が増えたと実感できるそうです。

どの位の量を摂取するかというと、1回各3錠(3カプセル)で1日3回とジャックさんは仰っています。
あまり耳にすることのない「マリアアザミ」「フェヌグリーク」なんてハーブのサプリメント、売ってあるのかしら?と検索したら、有るんですね。これが。
しかもお値段も決して高くはないし。
もちろん効果のほどには個人差があり、これらのハーブがお母さん各自のおカラダに合う・合わないということもあるでしょう。
なので、おっぱいの分泌で手を拱いているのなら、例えば1週間くらいならチャレンジしてみる価値があるのではないでしょうか?

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2010年1月25日 (月)

おっぱいとお薬/その42『ナウゼリン』

(注)最強母乳外来・フェニックスにておっぱいとお薬その42『ナウゼリン®』(改訂版)公開中です。
最新の内容は、上記でご確認ください。

以下、過去記事。

『ナウゼリン』はその名が意味するように、吐き気・嘔吐を防止するお薬です。
小児科領域でも処方実例の多いお薬です。
このお薬も妊娠中・授乳中は云々・・・とお薬の添付文書には書かれています。

しかしながら、『ナウゼリン』には持続的な催乳作用があることが、知られています。
そう、つまりそれは、おっぱいの分泌を高める働きがある・・・というか、吐き気・嘔吐を防止するための副作用?として催乳作用があることが報告されていますので、例えばカナダでは、催乳薬としての実績もあるわけです。(国内では健康保険の適用にはなりません。ドクターにお願いしても、難色を示されることがありますし、可能であっても病名が付けられないことが想定されますので、自己負担になるかと思われます。
でも、さほど高価なお薬でもないので、3錠分3×7日分での処方をされても、およそ500円台程度のお値段です。
決して高くはありませんね。

 

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気持ちは伝わる。

科学的根拠を望まれても、何とも言えないのではありますが、お母さんの気持ちは赤ちゃんには伝わります。
例えば赤ちゃんが義父母に懐かないということは、しばしば耳にします。
もちろん、赤ちゃんの気質(=持って生まれた性分)がフレンドリーか否かにもよりますが、お母さんが義父母との人間関係が薄いもしくは苦手ですと、「目を合わさない」
「抱っこされたら号泣する」といった反応を示します。

また、赤ちゃんにとっては、そもそも出会う機会が少ない方(≒1か月に1回出会うかどうかのレベルの方)に馴染むことは警戒心が先に立つため難しいのです。
逆に同居しておられ、おなかにいる頃から語りかけ、新生児の頃から理屈抜きに可愛がり、スキンシップに努めておられたら、赤ちゃんは特に意識しなくても馴染みます。
人定記憶の定着は月齢が若いほど長くはないので、こまめに更新していくことが赤ちゃんのお馴染さんになるための近道です。

それと、その赤ちゃんの好きな抱っこや言葉かけができるかどうかも重要です。

もうひとつは見た目。
お母さんから遠い印象を受ける方は、怖いんです。
例えば髭。
頬擦りされて痛かったので、それ以降嫌がるということだってあるのです。
例えば頭髪のカタチ(輝いておられるとか・・・)に強い違和感を感じる赤ちゃんもおられます。
例えば体臭や声もそうです。(ワキガだったり、だみ声だったら、それだけでNGだったりします。)
例えばメガネも、お母さんが掛けておられると大丈夫なのですが、そうでないと受け付けないということも、決して稀ではありません。

喋れない分、繊細な感覚を赤ちゃんは持っておられます。
まずは赤ちゃんの気質を把握し、対策を考えていきましょう。

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2010年1月24日 (日)

おっぱいとお薬/その41『ビオフェルミン』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その41『ビオフェルミン®』(改訂版)」公開中です。
最新の内容は、上記でご確認ください。

以下、過去記事。

『ビオフェルミン』とは整腸作用を持つ、ビフィズス菌から出来たお薬です。
授乳の有無にかかわらず、下痢をしたからといって、原因を調べることなく、安易に下痢止めを服用することは避けるべきです。
でも、『ビオフェルミン』は病原性の腸内細菌を体外に排出してくれます。
また、お母さんが抗菌薬を内服されると、悪玉菌だけではなく、善玉菌もやっつけてしまうことがあり、そのため二次的に下痢を起こすことがあります。
そんな時も、二次的に下痢を起こさないようにするために、服用をすることがあります。

そして、このお薬は乳幼児にの下痢にも処方されるお薬です。
それはつまり、安全性が高いことを意味します。
おっぱいの中にたくさん出てくるのでは?という心配も無用です。
なぜなら、このお薬は作用機序として、腸内環境を整えるわけで、おっぱいに移行するものではないことが、はっきりと判っているからです。

そうそう、同じ仲間のお薬で『ラックビー』という名前のお薬もあります。
CMぢゃないけれど、“おなか、たいせつに”してくださいね。

 

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ミルクの調乳に外国製ミネラルウオーターはNGです!

昨今は地域によっては水道水の水質が悪く、混合栄養・ミルク栄養で赤ちゃんを育てておられるお母さんは、浄水器のお水でミルクの調乳をしておられることも少なくないと思います。
浄水器のお水を使用する際の注意点として、出始めのお水は雑菌が多いので飲用すべきでないことはよくご存知だと思います。

そうではなく、買ってきた外国産のミネラルウオーターを使用して、ミルクの調乳をすることは良くないのですが、それってご存知でしたか?
国産のミネラルウオーターは軟水ですから硬度は水道水と変わらないのでいいのですが、外国産のミネラルウオーターは、ミネラルを多く含む硬水なので、調乳するとミネラルバランスが崩れて、赤ちゃんの内臓に負担がかかったり、喉の渇きが激しくなったり、吸収率が悪くなるおそれがあるのですね。
国産のミルクは国内のお水を使用して調乳することを想定して製造されています。
なので、外国産のミネラルウオーターを使用して、ミルクの調乳をすることは差し控えていただきたいと思います。

赤ちゃんには外国産のミネラルウオーターを飲ませるのも控えた方がいいですよ。

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2010年1月23日 (土)

搾乳がストレスで断乳(産後1か月)

個人的にはとても残念なことがありました。
乳頭形態に問題があり、妊娠中期から乳頭・乳輪のお手入れを個別指導の上取り組んでいただいていたお母さんですが、妊婦検診の際に母乳外来に再来されないので「変だな?」と心配していたら、「痛いしめんどくさい。」と途中から放棄されていたことが出産日に判明しました。

このままではヤバいなぁと危惧していたら案の定、産科入院中はこれまた赤ちゃんが“超”が10個くらい付くほどの下手っぴちゃんで、何回頑張っても直母はゼロ。(汗)
でも、開通は助産師の必死のマッサージで、OKとなり、搾乳は手搾り20分弱で50~60ml/回と量的に充分にあり、乳房コンディションも問題なく、オール搾乳で退院となりました。
(念のため退院までに乳頭保護器にもチャレンジしましたが、どのタイプもNGでしたので、シリンジとチューブで吸啜トレーニングを続行するしかない状態でした。)

2週間健診の時点でも、オール搾乳でした。
哺乳量測定のために直母してもらいましたが、私が介助してもゼロでした。
直母確立までには長期戦になりそうな予感がしました。
でも、分泌自体に問題は無いので、吸啜トレーニングを頑張れば将来的に直母は可能だと思われました。

しかし、このお母さんの気持ちは、「このまま頑張って行こう!」・・・ではなかったのです。

ブログタイトル通り、「搾乳がストレス・・・」とのことで、1か月健診の4日前から搾乳を中止して、いきなり完ミに切り替えておられたのです。
決して搾乳困難ではなく、短時間の手搾りで充分量の確保が出来る方だったので、私は「直母確立のためには暫くの間、吸啜トレーニングするしかない。」ということを強調しました。
しかし、このお母さんには退院しても全く直母が出来ないことに対する焦りや不安や搾乳継続のモチベーションの低下が先に来てしまったのだと思われます。
おっぱいをあげること自体に疲れ、厭になっておられました。

みずから完ミを選ばれたお母さんの希望は断乳でした。
「僅か1ヶ月で、とても良く出るおっぱいを止めるとは勿体ない。」という想いが私の中にはあり、いろいろ話をしましたが、このお母さんの翻意は無理でした。

直母が全く出来なかったためか、予想よりも乳房緊満は強くなかったです。
あと1週間くらい経てば、プロラクチンレベルは非妊時同様に低下しそうでした。
私は断乳の際の注意点(お食事や水分摂取の方法、冷罨法、お握り搾りの実技指導、月経再来と避妊の方法、ミルクの増やし方と与え方、スキンシップのあり方など。)について細かく説明しながら、断乳時の乳房マッサージをしました。

心に抱くものは複雑でしたが、このお母さんなりの決断です。
曲がりなりにも、約1か月おっぱいをあげられたのですから、決して卑屈にならなくてもいいとと思います。
でも、失恋して髪をばっさり切るかのごとく、完ミにしなくても、混合でもよかったのでは?・・・という気持ちは否定出来ません。
赤ちゃんは下手っぴちゃんだったけど、おっぱいを飲む権利だけは残しておいてあげてほしかったです。
あぁ、でもこれってもしかして私のエモ―ショナル・サポートが足りなかったのかな?

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乳房を張らせた方がたくさん飲めて良く寝てくれる?

出産直後から乳房が緊満することはありません。
出産してからおよそ2〜3日後頃から何となく乳房が温かく少し硬くなったかなという感じです。(もちろんガツンと硬くなってくる方もおられますが・・・)
でも、この段階はおっぱいがポタリポタリ滴るくらいで、期待したほどには出てきません。
そこから数日して、やがておっぱいが軌道に乗ると、飲ませ始めから次の飲ませ始めまで3時間くらい間隔が空けば、乳房が緊満してくるのを感じると思います。
その時に赤ちゃんがしっかり覚醒し、ヤル気を見せて飲んでくれたら、ゴキュゴキュ喉を鳴らしておっぱいを飲むかと思います。

この段階になるとお母さん方が陥り易い危険な罠があります。
「授乳間隔をあけて乳房を張らせたらゴキュゴキュと1回にたくさん飲んで、しっかり眠ってくれるんぢゃないかな?おっぱいと睡眠のリズムにメリハリが付いて、少ない授乳回数でまとめ飲みさせた方が合理的でないかな?」という罠です。

一見もっともらしいですよね?
でも、これをやってしまうと、それまで順調だった赤ちゃんの体重増加がパタッと止まったり、お母さんが乳腺炎になったり、おっぱいの製造工場である乳房が単なるおっぱい貯蔵タンクに成り下がり、一時的には確かに乳房がよく張るものの、おっぱい製造工場としてまともに稼働しなくなる恐れが高まるのです。
しかも古くなったおっぱいのお味は、出来たて直送のおっぱいのお味と比較すると明らかに落ちます。
しかも、一旦落ちたおっぱいの分泌を元に戻すのは、口で言うほど簡単ではありません。
「こんな筈ではなかった。(涙)」とならないように、乳房は授乳間隔を空けて張らせて飲ませるもの・・・という考え方はすっぱり捨ててくださいね。
母子健康手帳のお母さんの職業欄に「おっぱいのセールスレディー」と書き込めるくらいにこまめにあげるスタンスを崩さないでね。

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2010年1月22日 (金)

乳頭頂に血豆が出来て痛い!

大抵は産科入院中に起きることですが、乳頭頂に血豆が出来ることがあります。
原因は「妊娠中のお手入れが不十分で乳頭の伸展が不良であるかもしくは乳頭が鼻くらいの硬さであること。」と、「赤ちゃんの吸啜が浅くなっている。」・・・の2つの条件が重なった場合になり易いです。
そのまま同じ調子で飲ませると、痛すぎて耐えられなくなるし、血豆が破裂することもあります。
血豆が出来た場合は出来れば1~2日間くらい、直母を休ませると早く治ります。
その間は3時間以上間隔を空けないように気をつけて搾乳していきます。
搾乳は哺乳瓶ではなく、スプーン・スポイド・小さめのカップ・シリンジなどで飲ませます。(廃棄したら勿体ないですからね。)

直母再開したら、そのラッチオンとポジショニングで良いのか、必ず確認とアドバイスを助産師にしてもらってくださいね。

 

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おっぱいを咥えると直ぐに寝てしまう。

おっぱいを咥えると直ぐに眠ってしまうのは、低出生体重児や早産児によく見られる傾向です。
根拠を持って言えることは、哺乳力がまだしっかり身についていないうちだから、飲めていなくても眠ってしまうということです。

ここで間違えないでほしいのは「無理やり起こして飲ませるのは可哀想。」という考え方です。
おっぱいで満ち足りているなら兎も角、飲みついて直ぐに眠ってしまうというのはそうではないということです。
体力的に弱ってきているため、やたらと眠りこけることも稀ではありません。
頬っぺたや足裏を突いたりして、一瞬泣いても構わないから、きちんと起こしておっぱいに吸い付かせてくださいね。
(赤ちゃんを少しでも泣かせたら虐待だと騒ぐ方がおられますが、ホントの虐待は泣いている赤ちゃんを放置することです。泣いて起こしておっぱいに吸い付かせることは虐待とは言いません。)
どう頑張っても、赤ちゃんを起こすこと自体が無理でしたら、お母さんは搾乳せざるを得ません。
何故かというと、乳管の開通と分泌の維持を図るためにはそれしか方法が無いからです。
日にちが経てば、自力で起きてくれようになったとしても、それまでの間どうするのかが大問題なのですね。

しっかり飲んで眠ることと、飲まなくて眠ることは同じ「眠る」という現象であっても意味が全く違います。
「眠る」という現象の意味を誤解しないようにしましょう。

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2010年1月21日 (木)

黄疸値が高いから、おっぱいを中断する?(生後1カ月迄)

一般的に日齢・体重毎の基準値よりも黄疸値が高く、光線療法をした赤ちゃんは念のためということで、退院数日後に1回は黄疸値の再検ということで、ドクターから受診を促されます。

時々、活気があり、おっぱいも3時間以上間隔が空くこともなく、おしっこやうんちの量や回数も多くあり、体重増加も良好で、黄疸値以外の血液検査のデータには特に問題が無いのに、黄疸値がリバウンドしてしまうことがあります。

これはいわゆる「母乳性黄疸」と呼ばれるものですが、残念なことに、各病産院で取り扱いがまちまちで、母乳育児に全く理解のないトコロでは、赤ちゃんだけ再入院させて、経過観察もしくは再度の光線療法を施行するようです。
その間、お母さんはどうするのか?は全く指導無しです。(汗)
母乳育児を続けたいお母さんは、赤ちゃんの入院中「何も言われなかったから何もしない。」などという愚かな対応ではいけませんよ。
時間毎におっぱいを搾り、乳管が詰まらないよう、分泌を維持できるように対処されます。
必要に応じて冷凍もしくは冷蔵保存される方もおられます。
仮令1日でも母子分離になったら、その間の乳房管理をおろそかにしないでくださいね。

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おしゃぶりの弊害。

中には反対意見を持っておられる方もあるのでしょうが、赤ちゃんに安易にゴムの乳首やおしゃぶりを与えることは、乳頭混乱を助長させる恐れがあることを過去記事にて指摘しました。
母乳育児中の赤ちゃんには使わないでいただきたいものです。(西原式のセンセイは鼻呼吸を促すとか仰ってますが、おっぱいに吸い付くこと自体が鼻呼吸をしているのですから、それってどうなのか?と思います。

今回は乳頭混乱以外の理由でもlおしゃぶりが何故良くないのかということについて書いていきます。

実は先行研究でアメリカ小児科学会や日本耳科学会でも、「おしゃぶりの常態的使用は急性中耳炎発症の危険因子である。」ことが指摘されています。
(ちなみに同じようにしゃぶっても、指しゃぶりと急性中耳炎の発症には相関性は無かったそうです。)
試しにおしゃぶりの常態的使用を制限すれば、急性中耳炎の発症率は29%減少するというデータがあります。
常態的使用をする子としない子では急性中耳炎の発症率が33%も違うことも判っています。

そのため最近は耳鼻咽喉科のドクターも、急性中耳炎を繰り返す場合や、滲出性中耳炎が長引く場合はおしゃぶりの使用を中止することを指導されています。
ただでさえ、完ミの乳幼児は完母の乳幼児よりも、急性中耳炎に罹り易いことが判っています。
リスクを減らすためにも、おしゃぶりで赤ちゃんのお口を塞ぐのは、止めた方がいいですよ。

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2010年1月20日 (水)

お母さんが感染性胃腸炎になったら。

感染性胃腸炎の代表的ウイルスは「ノロウイルス」「ロタウイルス」ですが、今年の冬は新型インフルエンザ対策のおまけ効果で、例年よりも“含嗽・手洗い・マスクの装着”が徹底しているので、これらの感染が激減しているそうです。

「インフルエンザウイルス」は季節性も新型もエンべローブという膜があるので、アルコールジェルはこの膜を破壊するのでウイルスをやっつけるには大変効果的です。
しかし、「ノロウイルス」「ロタウイルス」はこのエンべローブという膜が無いので、アルコールジェルでウイルスをやっつけることが出来ません。

エンべローブの無いウイルスからの感染を予防するには、“含嗽・手洗い・マスクの装着”が必要です。
吐物や便などからの感染予防には、ゴム手袋とマスクの装着の上で、次亜塩素酸ナトリウム(ハイタ―やミルトンやピューラックス)で、それらを拭き取り、使用したゴム手袋も含め直ぐにビニール袋に全て入れて、外ゴミ箱に廃棄して、再度“含嗽・手洗い・マスクの装着”をすることです。

気を付けているつもりでも、例えば家庭内で2人以上の「ノロウイルス」「ロタウイルス」の感染者が出てしまったら、キツい言い方になってしまいますが、それはきちんとした“含嗽・手洗い・マスクの装着”ではなかったということです。
身に付けた感染防御術が適正か否か、試されているわけです。
とにかく、念入りにしていきましょう。

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何故フォローアップミルクは製造・販売されるようになったのか?

残念なことに大半の赤ちゃんのお母さん方の間では、栄養方法を問わず「9か月になったらフォローアップミルクに切り替えるもの。」とまだ信じられているようです。
 
しかし、『最強母乳外来』の読者さんは「それは違うよ。」ということを既にご存知かと思います。
 
この記事は余談と言うか昔話なんですが、何故フォローアップミルクというものが発生したのかということを知っていただくことで、赤ちゃんには不要であることを再認識し、ブレないでほしいという願いのもとに書いております。

そもそもの起源は1970年代にヨーロッパで生後6カ月前後の早い時期から赤ちゃんに牛乳を与えるという慣習のせいで、赤ちゃんの鉄欠乏が大きな問題になっていたのです。
 
鉄欠乏予防のために離乳期の赤ちゃんに与える液状食品としてフォローアップミルクは開発されたのですね。

その当時は日本国内でもミルク育児が持て囃され、乳児健診の問診では「どこのメーカーの育児用粉ミルクを飲ませているか?」と小児科のドクターや保健師さんから尋ねられたものです。(←これは当時を知る方の証言です。)
 
それと同時に、離乳準備食に代表される早期離乳が推奨されていました。
 
鉄欠乏発生への予防対策としては母乳を推進することや離乳食の工夫で改善できることなのに、敢えてそれには触れられませんでした。
 
繰り返しますが、フォローアップミルクはあくまで鉄欠乏予防のため開発された離乳期の液状食品(大まかに言えば汁物)に過ぎません。
 
決して育児用粉ミルクの代替品ではないのに、日本国内ではリーズナブルな価格をウリにして何故か「離乳期の赤ちゃんのためのFeを強化したミルク」として販売されたというのが経緯なんですね。

フォローアップミルクと育児用粉ミルクは、見た目は似ているのに、何故フォローアップミルクの方がリーズナブルな価格なのか分かりますか?
 
それは育児用粉ミルクよりも製造方法が簡便で済むためです。
 
例えば亜鉛や銅などの微量元素はフォローアップミルクには含まれておりません。
 
それに対し、脂肪は育児用粉ミルク同様、植物性に置換されていますが、たんぱく質やNaKCaなどの組成は、ほぼ牛乳に近い状態です。
 
確かにFeはたくさん含まれています。
 
但し、母乳のFeとは異なりフォローアップミルクのFeは吸収率が悪いので、それを高めるためにビタミンCも添加されています。

過去記事にもありますように、アメリカ小児科学会でも、日本小児栄養消化器病科学会でも、もちろん『授乳・離乳の支援ガイド』(By厚生労働省作成)でも、乳児期の栄養法ついての必要性は認めないといった主旨の宣言をしたり、コメントすらしていないという扱いのものです。
 
完ミや混合栄養の赤ちゃんであっても、わざわざ切り替える必要性は全くありません。
 
それどころか、Fe臭を嫌って頑として飲まない赤ちゃんや、飲むには飲むが下痢が止まらなくなる赤ちゃんもおられます。
 
赤ちゃんの内臓機能はまだまだ未熟なので、消化吸収するにも負担が大きいのですね。
 
価格はリーズナブルでも赤ちゃんのカラダには如何なものか?というものですから、あげないでくださいね。


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2010年1月19日 (火)

授乳間隔が周りと違い過ぎる。(生後3カ月)

<ご相談内容>
生後3カ月になりました。
完母で、フツーに体重増加も見られます。
ただ、私の赤ちゃんは未だに2〜3時間毎におっぱいを欲しがります。
大体10回/日は確実に飲ませています。
別にそれで困っているというのではないのですが、同じ時期に出産した友人の赤ちゃんは、夜間は4〜6時間も授乳間隔が空くし、7回/日くらいしかおっぱいを欲しがらないそうです。
友人の赤ちゃんも、フツーに体重増加しています。
何故、殆ど同じような条件なのに、こんなに授乳回数が違うのでしょうか?

<SOLANINの回答>
新生児期には頻回直母をしていたお母さんであっても、3カ月と言えば、“満腹中枢”が形成してくる時期ですし、あやすと笑ったり、喃語を喋ったりするようになり、必ずしもおっぱいではなくても、相手をしてあげれば少しは間が持つようになってくるのではないかとお考えなのだろうと思われます。
それはそうなのですが、おっぱいの飲むペースや胃の大きさには同じ月齢・同じ体重であっても個人差があります。
“満腹中枢”が形成してくる時期になっても、1回のおっぱいでがっつり飲みたがる赤ちゃんもおられるし、ちょこちょこでないとおなかが張って苦しくなる赤ちゃんもおられるのです。
どちらが良いとか悪いとか、発達しているとか遅れているとかではないのですね。
そういうことではないのです。
授乳間隔が空いている赤ちゃんのお話を聞くと、頻回授乳中のお母さんには大変羨ましく感じられるものです。
しかし、喜んでばかりはいられないのです。
授乳間隔が空き過ぎたら、その分、?乳腺炎に罹るリスクは高くなるし、?月経再来が早くなる可能性が高まりますし、?ある処から赤ちゃんの体重がパッタリ増えなくなったりということが、想定されます。
手放しで喜んで良いことばかりではないのです。
先に挙げたリスクが全くないのならばラッキーですが、引き続き注意はしていった方が賢明ですね。
頻回授乳は大変かもしれないけれど、悪いことではないのは確かです。
自身を持ってくださいね。

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乳歯の虫歯治療の必要性は?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「乳歯の虫歯治療の必要性はあるの?(改訂版)公開中です
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事

<ご相談内容>

「虫歯ができてしまったので、治療が必要です。」と保健センターでの健診で指摘されました。
子どもは痛そうにはしていません。
ご飯もフツーに食べます。
当たり前ですが、乳歯はやがて生えかわるのに、このままいっそ、抜け落ちるのを待ってはいけないのでしょうか?

<SOLANINの回答>

大胆不敵なご相談です。(驚)
子どもが食物を噛み砕くのには、乳歯はなくてはならないものです。
仮に今は痛そうにしていなくても、放置すればどんどん進行して、必ず痛くなります。
噛み難くなりますから、量的にお食事が摂れなくなったり、柔らかいものしか食べられなくなり、偏食を助長しかねません。
また、ご存知かとは思いますが乳歯の直下には永久歯が存在しています。
万一膿が溜まったりしたら、永久歯が歪んで生えてきたりする恐れがあります。
当然歯並びも悪くなります。
永久歯に生えかわるのは、およそ就学後からですから、それまで乳歯の機能を正常に保つためにも乳歯の虫歯治療は欠かせないものです。
これ以上乳歯の虫歯を増やさないためにも、適切なデンタルケアを歯科衛生士さんに学ぶ良い機会ですから、一刻も早く、歯科受診しましょうね。

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2010年1月18日 (月)

おっぱいとお薬/その40『ハルシオン』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その40『ハルシオン®』(改訂版)」公開中です。
最新の内容は、上記でご確認ください。

以下、過去記事。

母乳育児中のお母さんには出来れば避けてもらいたいお薬のジャンルがあります。
いわゆる睡眠薬・抗不安薬です。
『ハルシオン』はベンゾジアゼピン系の睡眠薬(=ジアゼパム)の一種であるトリアゾラムで、作用時間的には超短時間型のお薬です。(お薬の半減期が1.5~5.5時間程度。)
「赤ちゃんへの影響は不明であるが、分子量が小さいので母乳への移行はあるので、考慮が必要なお薬である。」というのが海外での評価です。
具体的には、赤ちゃんに嗜眠・体重減少などが見られないかということです。

母乳育児中のお母さんで、なかなか眠れないという睡眠導入剤としての処方であるなら、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬(=ジアゼパム)の一種であるロルメタゼパムで『ロラメット』『エバミール』などの短時間型のお薬の方が望ましいとされています。
(つまり、母乳育児中のお母さんに処方する睡眠薬・抗不安薬としての第一選択は『ハルシオン』ではなく、『ロラメット』『エバミール』であるということですね。)
短時間型の半減期はおよそ10時間ですから、超短時間型よりも長くなりますが、母乳中への移行が超短時間型よりも少ないのでより安全性が高いと言えるからです。

但し『ハルシオン』から『ロラメット』『エバミール』に切り替えたとしても、睡眠薬・抗不安薬の類は長期常用するタイプのお薬ではないと考えます。
これは個人的な見解ですが服用はあくまでワンポイント・リリーフというか、どうにもならない時のお守り代わりに時々服用するものと考えられた方が良いと思います。
「睡眠不足気味だから受診のついでにドクターにお願いして、処方してもらっちゃおうかな?」とか、「ということは『ロラメット』『エバミール』をSOLANINは母乳育児中のお母さんに推奨するのか?」という訳ではないので、くれぐれもお間違い(曲解)ないようにしてくださいね。

 

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2010年1月17日 (日)

急に飲みつかなくなったんです。(涙)

元看護師さんのお母さんが★病院の母乳外来を受診されました。
1ヶ月くらい前から急におっぱいに飲みつかないとのこと。
今回は3人目さんですが、実は1人目さんの時も途中から急に飲みつかなくなったとか。(で、1人目さんは混合⇒完ミになったそうです)
今回は哺乳瓶も嫌がる有様で、直母がほぼ不可能で、困り果てておられました。
生後85日目でしたが、頸がしっかり据わっておられ、発達の早い赤ちゃんでした。
元来チョコレート好きなお母さんで、ヤバいなと思って注意を促していましたが・・・
それと、ここ1か月内に水痘とおたふくのダブル罹患状態だったとか。
耳下腺周辺が痛かったのかな?
寝ぼけた時は飲みつけるので、「寝ぼけ作戦」と、後は乳頭混乱の赤ちゃんのようですが、「言い聞かせ作戦」と「お風呂でカンガルー作戦」を伝授しました。
しかし、それだけでは、後のおっぱいはどうにもなりません。
仰け反って嫌がるし、舌が前に出てきません。
そこで、思い切って、「おなか温め作戦」を試行したところ、上手くいきました。
(多少嫌がりましたが、直ぐにカプッと咥え、吸啜しました。)
お母さんのおなかと、赤ちゃんのおなかの間に電子レンジでチンする湯たんぽを当てて2~3分間待ち、正しい立て抱きでおっぱいをあげました。
おっぱいのたびにお風呂というわけにはいかないので、これは良いと思います。
冷え症のお母さん、乳腺炎のお母さんにも良いと思います。
どうぞお試しあれ。

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急に片方のおっぱいだけ嫌がる!

何度も記事に書いていると思いますが、お母さんの食べたものでおっぱいの味は変わります。
そうして、赤ちゃんには味覚があります。
向き癖や利きおっぱいとは別の理由で、急に赤ちゃんが片方のおっぱいだけ嫌がるようになることがあります。
「咥えても直ぐにプイッと離す。」「ニヤニヤ笑って真面目に飲まない。」「手足バタバタさせながら飲む。」「小言を言いながら飲む。」「溜息をつく。」「横目で睨む。」「歯が生えるとかでないのに噛みつく。」・・・思い当たるフシはありませんか?

これらの赤ちゃんの振る舞いは、「お母さん、何だかおっぱいの味がいつもと違うよ。おかしいよ。」という乳腺炎になりかけの時期のサインなのです。
もちろん、バリバリの乳腺炎になっても同様の振る舞いをしますが、赤ちゃんは予兆を知らせてくれているのです。
まだ、お母さんがしこりも痛みも何も感じない時から。
やけに左右差が露骨な飲み方をするなら気を付けてくださいね。
見逃さないでね。
万一、そういう予兆が見られたら、適切な対処(これも過去記事にわんさか書いてますね?)をして、乗り切ってくださいね。

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2010年1月16日 (土)

早喰いは百害あって一利なし。

お食事に物凄く気を付けておられて(ジャンクフードも、お餅も、揚げ物も、甘いものも、夏野菜も、乳製品も、お肉も控えているか殆ど食べない。)、乳管が特別に細いわけでもないし、、赤ちゃんが特別に飲み方が下手っぴちゃんでもないのに、何故か乳房トラブルを繰り返すお母さんがおられます。(涙)

共通点があるとしたら、このお母さんたちは「早喰いである。」ということです。
食べている口元を見ていると、数回噛んだら丸呑みしていることに気が付く筈です。
とにかく食べ終わるのが早いのです。

職業で言えば、学校の先生・保育士さん・幼稚園の先生・看護師さんは、ほぼ100%早喰いです。
既製品のお弁当を5分以内で食べてしまう方、ガソリンの給油のように食べてしまう方、それって自覚がなくても超早喰いですよ。
まぁ、SOLANINも他人様のことを言える食事所要時間ではないので、偉そうなことは申しませんが、常態的に消化吸収のために胃腸に罹る負担がハンパなく大きいと、乳房の調子は確実に悪い方へとベクトルは伸びてゆきます。

さてみなさんは、お食事の時間、どのくらいかけてますか?

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「離乳の完了」ってどういう意味?

読者さんの中には、いずこからかダウンロードされた【授乳・離乳の支援ガイド】が手元にある方もおられるかもしれません。
そこの何ページ目だかに「離乳の完了」についての説明が書いてあります。
要旨としては、「母乳もしくは育児用粉乳以外の固形物から栄養摂取できるようになること。」「1歳3カ月から1歳半位の間に出来るようになればよい。」とのことですが、その直ぐ先に「母乳または育児用粉乳を飲まないか否かは問わない。」と書かれています。
保健所や保健センターの母子担当の保健師さんだったら当然内容は理解しておられるべきものです。
しかし、先日★病院母乳外来に育児相談に来られた1歳3カ月のRちゃんのお母さんは、「1歳の時、保健センターで体重を測ってもらった時、離乳食が進まないんです。と相談したら、「おっぱいの飲ませ過ぎだから、1歳半健診までに、おっぱいを止めるようにね。おっぱいさえ止めたらお食事は食べるようになるから。」と指導されたそうです。

Rちゃんはお父さんとだったら離乳食は食べます。
(お父さんの帰りが遅いので、休日しか食べさせてもらえないのが難点ですが。)
歯は上顎4本下顎2本生えています。
受診日の体重は9120gでした。
ほぼ真ん中くらいの体格です。
トコトコよく歩き、ウニャウニャとよくお話をします。
椅子に座っているのが正直言って苦手です。
目がキラキラして好奇心の強そうな女の子です。
で、当然のようにおっぱい星人です。

そう。
保健師さんから見たら、「おっぱい止めたら食べるでしょう?」と言いたくなるタイプです。
確かに断乳すれば食べるようになるかもしれません。
でも、そこまでしなくてはならないものではありません。
おっぱいはいつまでも飲んでいるわけではないし、いつかは必ず離れてゆきます。
おっぱいが大好きだから甘えん坊になるのでも、自立が遅れるのでもありません。
奥歯が生えて、ご飯が噛めるようになって来たら、徐々に卒乳の日は近付いてきます。
Rちゃんはまだ歯が6本だけです。
もちろん虫歯はありません。
お母さんのおっぱいはよく出ていますし、Rちゃん自身は何も困っていないのです。
1歳の時出会った保健師さんが【授乳・離乳の支援ガイド】を曲解され、おっぱいを悪者に仕立て上げ、断乳を迫っておられ、そのためお母さんが困惑し悩んでおられるのです。

「どう考えても不当ではないか?」ということを指導された時は反論したって良いと思います。
お母さんはいつもお子さんの気持ちを尊重するという、一番大事なことを忘れずにいること、つまりお母さんの気持ちがブレないことが重要なんですね。

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2010年1月15日 (金)

服薬中の授乳指導の先進地。

少し前の新聞記事です。
読売新聞1月8日付の18頁に「服薬中の授乳OK?ダメ?」という5段抜きの記事、読まれましたか?
母乳育児と服薬についての考え方が変わりつつある。・・・という記事です。
これまでは赤ちゃんへの影響を心配し、おっぱいを中断する傾向が強かったが、実際には問題ないお薬が大半で、おっぱいを続けても差し支えないということが判ってきたのです。
もちろん、一部には授乳を中断しなくてはならないお薬もあるので、おっぱいとお薬に詳しいドクター等と相談することが大切なんです。
アンケートによると、「お母さんの約70%が授乳中の服薬に不安を訴え」「お母さんの約20%はドクターから授乳中止を指示された。」ことがあるとか。

・・・東京都立川市の立川相互病院薬剤部と近隣の多摩薬局、錦川薬局が共同で乳児健診会場や薬局に来られたお母さんを対象にアンケート調査を行われたのですが、これらの薬局では患者さん向けにおっぱいとお薬に関する資料を作られており、自由に閲覧できるようになっているそうです。
お薬の面から母乳育児を後方支援しておられるのですね。
医療者の不勉強や無理解で、お母さんがおっぱいを止めなくて済むような取り組みで、素晴らしいと思います。

意味のないおっぱいの中断をして、おっぱいの出が悪くなったら大変です。
中断期間が長ければ、元に戻すのは並大抵ではありません。
指示を出したドクターに「おっぱいの出が悪くなった。」と訴えても、復活のために助けてくれることを期待できないのが現実です。
このエリアにお住まいのおっぱい星人のお母さんは、特に意識しなくても、お薬に関して懸念が少ないと言えます。
有り難いですね。

ちょっと話がズレますが、3年くらい前、とある会場で立川相互病院・産婦人科の田中寧子ドクター(ラクテーションコンサルタントの資格をお持ちの方です。)に声をかけていただき、お話をしたことがあります。
お元気にしておられるでしょうか?

 

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砂糖の代わりにキシリトールを使用することの是非について。

 (注)最強母乳外来・フェニックスにて「砂糖の代わりにキシリトールを使用することの是非について。 (改訂版)」公開中です
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事

さて、歯科関係にも力を入れている『最強母乳外来』です。
虫歯予防に効果的なキシリトールのことは、過去記事を精読された読者さんであれば、よくご理解いただけているかと思いますが、このキシリトールを砂糖の代わりに調味料として使用すると、虫歯予防に効果的なのか?

みなさん、どう思います?
まぁ、確かに効果がありそうな気がしますが、実際にはどうなんでしょう?
・・・それが、イマイチなんですね。
何故だか分りますか?
キシリトール製品のラインナップと選び方を思い浮かべれば、分かりますよ。
製品のラインナップはガム、タブレット、チョコレートですね。
選び方の共通点は糖類ゼロで、炭水化物に対するキシリトールの割合が50%以上であることですね。
例えばお菓子作りに使用したらどうなのか?
クッキーやケーキを作るのに、砂糖の代わりにキシリトールを使用したら?
小麦粉の主成分は炭水化物ですが、もう少し突き詰めると、これはまさに糖類なんですね。
phも2~3といったトコロで、明らかに強酸性です。
酸を含むものは歯の脱灰を助長します。
なので、虫歯予防に効果的なキシリトールを使用しても、効果が相殺されてしまいます。
何せ小麦粉は、お口に入れたら溶けてしまい、ベタ~っと歯にくっつきますからね。

ここからは伝聞です。
昔、キシリトールが虫歯予防に効果的と周知され始めるちょっと前のことです。
なんと現役の歯科のドクターで、「キシリトール使用のクッキー」を歯に優しくて虫歯リスクの心配のないクッキーとして販売された方がおられたそうです。
しかし、直ぐに販売中止されたそうです。
キシリトールに詳しい方たちから、「商品として効果が無いのに、歯科のドクターがそんなものを販売すると、一般の方がホントか?と勘違いしてしまうから。」との指摘を受けられたそうです。
お分かりいただけましたでしょうか?

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2010年1月14日 (木)

妊娠を持続させるチカラの強弱。

旦那の従弟の奥さんが先日2人目を出産したのでお見舞いに行って来ました。
同じまちに住んではいますが、保育士さんとして働いており、勤務先では午前中にお休みを貰えないとかで、★病院ではなく、T産婦人科医院(母子異室・ミルク奨励)で妊婦検診を受けていたので、そちらでの出産でした。
私がお見舞いに行ったのは産後4日目でした。
赤ちゃんは前日から黄疸値が高くなったとかで、光線療法中で、新生児室の奥の方で保育器に入って紫色のライトに照らされていました。
アイマスクにおむつ一丁でした。

実はこの赤ちゃんのお母さん、妊娠14週という安定期目前に破水してしまい、羊水の漏出を止めるための安静と感染予防のために2カ月間入院しました。(入院している間はベッド上に臥床していて、カラダの向きを変えるだけで羊水がチョロチョロ流れていたそうです。)
22週になり羊水の漏出も収まり、感染兆候もなく、おなかが張ることも落ち着き、退院できました。(もちろん退院後は仕事なんてもってのほかです。双方の実家が協力し合い、自宅安静を守り抜いたのですね。)
そのおかげで、赤ちゃんは予定日の数日前まで妊娠を継続するという奇跡の末に生まれてきてくれました。
羊水が少なめだとか、おなかも赤ちゃんも小さめだとか色々言われていましたが、蓋を開けると3200gの元気な男の子でした。

正直言って、14週で破水して妊娠継続というのは通常は無理です。
私もこの仕事長いですが、今まで聞いたことがありません。
(レアケースなんでしょうねぇ。)
そりゃあもちろん、どうにか妊娠継続してほしいと願っていました。
でも、あまりに早期の破水なので難しいだろうなという諦観とお母さんがおなかが張るのに無理し過ぎたから破水したということもあって、安静にしたら何とかなるかも知れないという希望的観測の間で私の気持ちも揺れていました。

羊水が漏出している間で感染兆候が見られた時、抗生剤の点滴をしてもらったくらいで、後は特別な治療を受けたわけではありません。
本人や家族の話を総合すると、治療の90%はひたすら安静にしていたことではないかと思われます。
ということは、赤ちゃんがとても強い子だったということが考えられます。
(私が知る限り、20週で破水したものの、入院加療の甲斐があり、満期産に漕ぎ着けた方は1人おられましたが。)

光線療法中なのに生後4日目で直母で40g/回も哺乳出来てるそうですが、指示量が50g以上/回なので、ミルク10mlずつ毎回補足していると言っていました。
やはりこのあたりが母子異室でミルク奨励だなぁと感じました。
褥婦さんのオーバーテーブルにはミルク屋さんのロゴ入りのポットが置かれていました。病室のカレンダーもミルク屋さんの提供品だったような記憶があります。
新生児室にはミルク屋さんのキャラクターのお人形が新生児室の奥の壁側(面会用ガラス窓の突きあたり中央)に鎮座していました。
至るトコロにミルク屋さんの提供品が溢れていました。
もちろん、T産婦人科医院では、ミルク屋さんの調乳指導と退院時には粉ミルクのお土産付きであることは言うまでもありません。
これってミルク奨励のサブリミナル効果満点ですなぁ。

しかし、ビックリしたのは、この後本屋さんに立ち寄り、育児関係のコーナーで産婦人科紹介の本(ムック)をパラ見していたら・・・T産婦人科医院、“母乳育児に熱心な産婦人科医院”と、掲載されていましたが、内実を知る者といたしましては、「何をもってして“母乳育児に熱心な産婦人科医院”などと紹介できるのか?」と、SOLANINはひとりムックを見ながらツッコミを入れてしまいました。

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飲んでも抱っこしても寝てくれない。(生後1カ月)

<ご相談内容>
生後1か月の赤ちゃんです。
眠くなると機嫌が悪くなります。
おっぱいを飲んでも抱っこしても寝てくれません。
寝たと思って布団に置くと、すぐに起きてしまいます。
添い寝では結構寝てくれます。
時にはがっつり飲んで直ぐに布団に置いても寝てくれることもあります。
先日哺乳量測定したら40分かかり、45g哺乳していました。
成長すると授乳回数が増え、1回哺乳量が増えますよね?
抱っこしないでも寝てくれるようになりますか?
段々一人で寝てくれるようになりますか?

<SOLANINからの回答>
過去記事にも書きましたが、赤ちゃんは眠たくなると機嫌が悪くなるというのが、どの赤ちゃんにも共通した特徴のようなものなんですね。
残念ながら眠たくなって機嫌が良くなる赤ちゃんなんて一人もいませんよ。
幼児であって眠くなると機嫌が悪くなるものですね。
読者のみなさんで、1か月以上の赤ちゃんのお母さんはみんな体験的に気が付いておられるかと思いますが、いかがでしょうか?
抱っこされると精神的に安心ですから眠りやすくなります。
でも、眠るが浅いうちに布団に寝かせるから直ぐに起きてしまうんです。
直ぐに起きてしまうのは寝かせるタイミングが早いんですね。
長く眠る前はちょこちょこ飲みたがります。
たまには一気にがっつり飲まれるのでしょうが、おっぱいはたくさん欲しいのです。
添い寝や抱っこしなくても眠るようになるのは、ずいぶん先です。
私の知る限り、卒乳の有無にかかわらず、添い寝や抱っこをしなくても、一人でネンネ出来るようになるのは、最年少で1歳半以降ですね。
授乳間隔が空いて自分なりに飲み方をコントロール出来るようになるのも、もっと先です。(3カ月頃)
「★赤ちゃんのカラダと発達」についての過去記事をご精読くださいね。
お雛巻きやスリングの活用で、寝かせ易くなりますよ。

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2010年1月13日 (水)

乳頭混乱克服・イケッチさんの体験記のSOLANINの補足文

個人的にはシリンジとチューブの代用品として最近閃いたのは、化学実験用のポリエチレン製のシームレスタイプのピペット型スポイドです。
但し、ポリエチレンは耐熱温度が60℃なので、煮沸消毒はNGですよ。

大型だと、容量が10ml(以上)の製品もあります。(10mlの製品でウチの近くのホームセンターで135円でした。)それに搾乳やミルクを吸収して、赤ちゃんの口角に2cmくらい入れ、フィンガーテストのように、口唇に当たる人差し指の部位が第一関節と第二関節の間くらいになる深さまで真っ直ぐに舌の上に挿入し、吸啜させるのです。

最初のうちは溜まる部分を押しながら指を正しく吸啜することで、中味が出てくるということを赤ちゃんに学習してもらいます。(=哺乳トレーニング第一段階)

哺乳トレーニングが上達したら、押さなくてもみずからのチカラで、赤ちゃんは吸い出せるようになってきます。(=哺乳トレーニング第二段階)

哺乳トレーニング第二段階が確実に出来るようになったら、直母の出来る吸啜力が身に付いてきたと見做します。

何故なら、第二段階では口角を耳側に引っ張れば,舌が見えますし、歯茎での扱き方や舌が下顎の歯茎のラインよりも前に挺出し、挿入した人差し指を左右からロールするように巻きつけられるようになっているからです。
これはまさしく、直母の舌運動に相似と言えるのではないかと思われます。

乳頭混乱は赤ちゃんが哺乳瓶のゴムの乳首に慣れきってしまい、瓶哺乳の真逆の努力が必要な直母を頑張ることがアホらしくなるためサボったり、舌運動に違いがあり過ぎるためスキルとして直母が出来ず、(つまりゴムの乳首と直母の使い分けができず)怒ってずっと直母を拒否し続けるという困難な状況をいいます。

予防が大事なのですが、残念なことに殆どの病産院では、糖水や搾乳やミルクの補足は哺乳瓶で行われることが常態化しているので、いつでも誰にでも乳頭混乱は起こり得る現象なのですね。

予防のための対策としてはバースプランを聞いてくれる病産院であれば、「補足の際にゴムの乳首は絶対に使わないでください。」とか「泣いている時の口封じに絶対におしゃぶりを吸わせないでください。」と書くことをお勧めします。

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乳頭混乱克服・イケッチさんの体験記2

前回1では、イケッチさんの赤ちゃんの乳頭混乱克服が出来たという体験記を記事として書きました。

基本に忠実に、赤ちゃんの乳頭混乱に、じっくりと取り組まれているご様子が伺えました。

また、具体的に何がどうよかったのか?

お道具の調達はいかがなされたのか?

などの詳細な内容を是非知りたいと思い、再度お尋ねしたところ、困っておられるお母さんのために是非役立ててくださいという心温まる返信をいただきました。

なので、今回2では物品活用の驚異的アイデア(イケッチさんの旦那さんの秀逸な工夫と卓越した知恵)を中心にご紹介させていただきます。

文章は基本的にプチメ原文ママですが、一部日時等の表記を月齢に変更したり文意を損なわないように配慮しつつ加筆しているところもありますのでイケッチさんも読者のみなさんご了承くださいね。

①鼻注用栄養チューブ[以下長いのでチューブと略します。]にシリンジを繋ぎ、人差し指を吸啜させる哺乳トレーニングに使用された物品は、チューブは虫ゴム(1mが100円くらいで販売されている。)注射器代りの容れ物は油差し30ml(120円くらいで販売されている。)です。

記事ではチューブのサイズを3Frと記載していましたので、恐らく虫ゴムの内径はもう少し太いのでしょうが、そんなことは言ってられないので、まずはチャレンジしました。
ちなみに哺乳トレーニングは旦那さんが担当されました。

⇒素晴らしい!夫婦連携ですね♪

シリンジの内筒を押す力加減は、油差しの蓋の締め具合で出方の調節が出来ます。
シリンジの内筒を押さなくても中味を吸い出しができるかどうかの目安は、吸啜力が付いてきたら油差しを押さなくても上手に吸い出せるということが分かりました。

哺乳トレーニングの実地指導は受けてはいませんが,過去記事を読んだのと、検索で他の人が指の使い方を記述しておられたので、それらをそのまま実行しました。
哺乳トレーニングは丁度5か月に入ってから開始しましたが、おっぱいに吸いつけたのはトレーニング開始10日目のことでした。
もっと早く開始したらもっと早くできるようになっていたかどうかは、分からないです。

⇒あぁ、でも、在院中の新生児期から★病院ではトレーニングしてますから、きっと出来る可能性は高いと思いますよ。

②お風呂でのカンガルーはホントびっくりしました。なんでなんでしょう?

陸上ではあんなに嫌がり、泣き叫んでいたのに、お風呂ってだけでパック!ですよ。
上手くいかない日もありましたが、生後2カ月くらいから続けていました。
ただ、陥没乳首なので、見つけてくれても上手く吸いつけなくて申し訳なかったです。

以前過去記事のコメント欄に投稿しておられたひなたママさんと同じ5か月半で、直母が出来るようになったわけです。

ひなたママさんのコメントに勇気をもらいました。
お礼を言いたいです。

⇒ひなたママさ~ん、この記事、読んでおられますか?

③ソフトカップの代用は、100円ショップで手に入る、シリコン製のオカズ入れです。

縁がナミナミになっているのではなく、円筒形のものを選びます。
お猪口や小さいコップは赤ちゃんの口にガチガチ当り、上手くいきませんでしたが、柔らかいので上手くいきました。

④ナーシングサプリメンターの代用も、虫ゴムを哺乳瓶のゴムの乳首の穴を広げて通すと出来ます。

⑤参考文献はラ・レーチェ・リーグの「乳頭の混乱」の【必ずおっぱいに戻って来る】と、SOLANINのコメント「赤ちゃんはお母さんを困らせるために生まれてきたのではない。」です。・・・これを信じて直母諦めなくて良かったです。

プチメを読ませていただいて、イケッチさんへの返信にも書きましたが、「必要は発明の母」という言葉が浮かんできました。
旦那さんが代用品を見つけてくるのが得意な方だそうですが、発想が柔軟で素晴らしいです。

私もホームセンターや100円ショップに赴き、確認してきましたが、煮沸もしくはミルトン等の薬液消毒に耐え得る素材で問題ありませんでした。

乳頭混乱で困っておられる読者のみなさん、身近に有るもので代用できます。
悩んでどうにもならないことが続いているならまずはチャレンジではないでしょうか。

次回はこの素晴らしいイケッチさんご夫妻の努力の軌跡を知ったことで、僭越ながらSOLANINが閃いたことを補足文として記事にいたします。

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2010年1月12日 (火)

乳頭混乱克服・イケッチさんの体験記1

『最強母乳外来』の読者さんでイケッチさんという方がおられます。生後5ヶ月半になられる赤ちゃんのお母さんです。

イケッチさんは産後(というか赤ちゃんの生後ですね。)間もなくから赤ちゃんが乳頭混乱に陥ってしまわれ、苦労をされて来ました。色々調べて行くうちに、ここに辿り着いてこられ、過去記事を参考にしていただいて、頑張って取り組んでこられました。

久しぶりのプチメをいただきました。
私は「あれからどうしておられるか?」と案じておりました。
何と乳頭混乱を克服されたとの速報でした。
ブラボー&マーべラスですな。

どのようにされたのか、何が効果的だったのか興味津津だったので、返信したところ、次のような内容でした。

注)イケッチさんご本人に、乳頭混乱を克服された体験記をみなさんにご紹介したいという、私の厚かましい申し出にご快諾いただきましたので、記事にさせていただくことがデいました。イケッチさん有難うございます。

乳頭混乱で困っている方の参考になればと、私が試した方法をご報告いたします。
1.言い聞かせ
2.チューブと指でのトレーニング?補足?というのでしょうか。
3.お風呂でカンガルーケア
4.自分の子を信じる←これは方法ではないですね。
突破口となったのはお風呂でカンガルーというか入浴中の横だっこはおっぱい近くでも顔をそむけないなぁと思いたって、試しにおっぱいを引っ張って「あーん」とさせてみたら吸い始めてくれたのです。
そのまま5分。

「では反対も」と思ったら、これも吸い始めてびっくりです。
で、お風呂から上がって添い寝乳をしてみたんです。
で、できたんです。
「体勢がきつい」と私が言ってたら夫に「普通も試してみたら」といわれ試すとこれも、できたんです。
なんか、あっけに取られた感じでした。

次の日から添い寝乳、立て抱きで試して、どうしてものけぞって嫌がるときと本当に飲めているのか不安だった時はチューブ、哺乳瓶で補足してました。
(哺乳瓶は本当は使っちゃだめよねぇと思いながら・・・)

克服できた日から5日後には嫌がることが少なくなったので、これは夜間の授乳を乗り切ると大丈夫!と思ってすごして、乗り切りました!
なので、6日後から搾乳なしにチャレンジ。
「おしっこもうんちも出ているのでこれはもう大丈夫。」と、本日に至ります。

これは、時間が解決してくれたのか?とも思ってみたり。
何らかの我が子の許しみたいな、ひらめきみたいなのがあったのかなぁと思ってみたりしてます。
まだ吸い付き始めが下手っぴちゃんなのでこれは徐々に上手になっていくことを願いつつおっぱいライフを楽しみたいと思います。
(ほぼ原文ママ。日時表記に一部変更あり。)

基本に忠実に、赤ちゃんの乳頭混乱に、じっくりと取り組まれているご様子が伺えました。

また、具体的に何がどうよかったのか?

お道具の調達はいかがなされたのか?

などの詳細な内容を是非知りたいと思い、困っておられるお母さんのために役立ててくださいという心温まる返信をいただきました。

次回2は物品活用の驚異的アイデア(イケッチさんの旦那さんの秀逸な工夫と卓越した知恵)を中心にご紹介させていただきます。

向き癖を意識したポジショニングとは?

程度の強弱には個人差がありますが、赤ちゃんは生まれて仰向けに寝かせた瞬間右か左かのどちらかに向き癖があることが見て分かります。
と言うのも、新生児は頸が据わっていないから、仰向けで真っ直ぐ上向けというのは、出来なくて当然なのです。

程度が弱ければどうということはないのでしょうが、程度が強いと直母する時、上手くいきません。
向きにくい側のほうは、頸が痛いのと、大きなお口を開けることが出来ないからです。
「えっ、そしたら向き癖の強い赤ちゃんは直母が片方しか上手くいかないの?」と画面の向こうで思ったあなた、半分正解・半分不正解です。(笑)
どういうことか?
向き癖というものはやがて目立たなくはなってきますが、そうなるまでにどう手を打つか?で上手くいったり・いかなかったりするからです。(なんだか禅問答みたいな文章になってきましたね。分かりにくいかも、いかんなぁ。)

???だと思いますので、具体例をあげます。
例えば右向きが好きな赤ちゃんの場合(これは赤ちゃんの自身から見て右側ということです。念のため。)、お母さんの右側のおっぱいにラッチオンさせるには交差横抱き(真横抱きともいう・・・お母さんと赤ちゃんのおなか同士をくっつけるというスタンダードな抱き方で良いと思います。)で、左側のおっぱいにラッチオンさせるにはフットボール抱きにするのです。
つまり、赤ちゃんの向き癖に逆らわないポジショニング(下から上に掬うように)をすれば、ラッチオンは上手く出来るのです。
左右を交代する際は横方向に赤ちゃんのお口をスライドさせる感じです。
向き癖に逆らわなければ、赤ちゃんはしっかりと大きなお口を苦もなく開けることができるからです。
もちろん、赤ちゃんの下顎と下唇はお母さんの乳輪に密着し、鼻腔が塞がらない角度で、後頸部をきちんと支えることは言うまでもないのですが。
あくまできちんと支えるのであって、強い力で挟むように握るのではありませんよ。
赤ちゃんが痛いですからね。
握力の強い方、注意してくださいね。
また、可能であれば、赤ちゃんのお口の中心方向と同じ向きで、後頸部を支えているのと反対側の手で乳房を大きく外側から把持してくださいね。
より一層、深く効果的にラッチオンできますから。

但し、向き癖に逆らわないという点については一致していますが、21トリソミ―の赤ちゃんは、右向き癖があっても、右側のおっぱいはフットボール抱き、左側のおっぱいは横抱きに、赤ちゃんが斜め下方向を向いている方が、上手くいくきやすいようです。

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2010年1月11日 (月)

おっぱいとお薬/その39『アスピリン』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その39『アスピリン®』(改訂版)」公開中です。
最新の内容は、上記でご確認ください。

以下、過去記事。

妊娠中に『アスピリン』を処方され内服の必要があるとしたらIUGRで、血流をサラサラにして、おなかの赤ちゃんに必要な栄養等を少しでも多く送るためですが、産後に処方されるとしたら、それはお母さんに血栓が出来た際の治療、つまり血小板凝集抑制のためです。

一般的に『アスピリン』は赤ちゃんのサリチル酸の血中濃度が高くならないか要注意という風に言われています。
これまで『アスピリン』を内服していたお母さんで、1981年にアメリカで1例だけですが、生後16日目の女児が代謝性アシド―シスになったという報告がありますが、この症例はお母さんがリウマチによる関節炎のため『アスピリン』を4時間毎に648mgずつ内服していたことが発現機序と考えられました。

しかしながら、通常、アスピリンの母乳への移行量は0.04%です。
血小板凝集抑制のためお母さんが服用する量が100~300mg/日であれば、授乳には差し支えないと言われています。

そうそう、『バイアスピリン』と『アスピリン』の違いは何かと申しますと、成分である“アセチルサリチル酸”は同じなのですが、『バイアスピリン』の方が容量が少ない(『アスピリン』の1/3~1/4の量)ということです。

尚、『アスピリン』は風邪薬と一緒やインフルエンザかもしれない場合は服用すべきでないお薬と言われています。(ライ症候群との関連性)

『アスピリン』の服用のポイントは、「何の目的で」「どのくらいの量を」服用するかということなんですね。

 

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PMSと母乳育児

PMSという病気、知っていますか?
そう、月経前症候群というアレです。
症状には多様性があり、とても辛いものです。
辛すぎて何かに当りたくなるのも問題です。(困)
★病院母乳外来に来ておられるお母さんの中にも、何人かPMSを患っている方がおられます。
もちろん、産後直ぐには月経は再来しにくいので、一般的に再来する時期と言われる3~6か月以降の方が多い割合になりますが。

軽症のうちだったら、イソフラボンを含む豆乳がお手軽だし良いようですね。
ハーブティーを飲んでおられる方もおられます。
授乳中なので、さすがにホルモン剤で治療というのは、いかがなものかと思われますので、そういう場合は漢方薬が選ばれるようですね。
『当帰芍薬散』(とうきしゃくやくさん)など、その方の症状に合うお薬が処方されます。
但し、漢方薬は最短でも2週間くらい服用しないと、効果があるかどうかは判断出来ません。
くれぐれも、数回内服して「効かない!」と焦らないように。
月経血の量が多いと、貧血症状が出る場合がありますが、そうであればきちんと血液検査をしてもらい、ヘモグロビンが低値だったら鉄剤の処方をされることもあります。
痛みがある場合は、「★おっぱいとお薬」をご精読いただき、授乳中でも安心できる痛み止めを処方していただき、痛みのコントロールしていきましょう。

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2010年1月10日 (日)

妊娠中の乳頭・乳輪ケアが出来ないお母さん。

例えば切迫早産で入院中(頻繁な腹緊のため持続的点滴による治療中とか・・・)であれば、乳頭・乳輪ケアをすることを躊躇われるかとは思います。
頸管長が短縮していたり、子宮口が柔らかくなっていたら、何とか1日でも長く妊娠を継続させるためドクターから乳頭・乳輪ケアはお休みするように指導されるかもしれません。

今回お話しするのはそうではなく、これは・・・どうなんでしょうか・・・まぁ、なんというか、乳頭・乳輪に触ったら(たとえそれが“別件”で旦那さんが触ったとしても)、或いは乳頭がブラジャーの内側で擦れただけなのに、気持ち悪くなる、吐きそうになる、悪寒が走る、悲しくて涙が出そうになる、急に気分が落ち込む・・・などの、強い気分不快症状を訴える方がいらっしゃるということです。
強い気分不快症状があるために、「乳頭・乳輪ケアをしよう。」と思っても出来ないのです。(腹緊などの切迫症状は伴わないのです。)
私も詳しいことは分かりませんが、どうもホルモンの影響で出てくる心身の症状のようです。
出現率としては少ないものなので、周りから理解されにくいし、助産師でも知らない方がおられるかと思われます。

産後までこのような症状が続くと、母乳育児すること自体が困難になってきます。
赤ちゃんは可愛いけど、おっぱいを含ませることが無理で、おっぱいの分泌自体は良好なのに、結局直ぐに完ミになるお母さんの相当数がこのホルモンの影響ではないか?と最近の私は推測しております。
何しろ、相手がホルモンですから私もどうにもならなくて・・・
気分不快症状だけなら、アロマテラピーをお勧めしています。

一昨年出産のお母さんで、どうにか意思のチカラで、1歳3カ月の今も完母で頑張っておられる方を知ってはいますが、彼女のように強靭な精神力が無ければ、難しいのだろうなとも思います。


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2010年1月 9日 (土)

NICU/GCU卒業時に対応するスタッフさんにお願いしたいこと。

お忙しいことは重々承知しております。
しかし、敢えて申し上げます。
退院時までのお母さんへの指導ですが、おむつ交換・衣服のの着脱・沐浴・爪切り・搾乳やミルクの補足量や回数の指示・室温設定や外出時の注意点・次回健診やシナジスの予定・修正月齢についての説明など、お伝えしなくてはならないことが、てんこ盛り状態なのは分かります。

しかし、母乳育児を推進する立場の者からのお願いですが、どうか直母の仕方(ラッチオンやポジショニング・授乳間隔等)・寝た子の起こし方について、指導してやっていただけませんでしょうか?
私の知る限りですが、母乳関係のことは地方のNICUはかなり頑張って指導してくださっているのですが、意外にも残念なことに、都会の・・・というか都道府県庁所在地にあったり、大学病院に設置された大規模かつ先進的なNICU/GCUの卒業生のお母さんは母乳関係のことを全くと言ってよいくらい、何も指導を受けておられません。(汗)
赤ちゃんの入院期間が長引けば、おっぱいのメンテがなってないと、途中で枯れてしまうこともありますが、少なくとも分泌の維持が出来ているならば、教えてあげて欲しいのです。
もちろん、卒業した段階ではまだまだ直母が上手くいかないことも多々あります。
しかし、諦めなければ、直母が可能になることだってあるのです。
NICU/GCUスタッフが直々に継続的な指導が出来ないのは充分承知しておりますが、せめて何処に行けばいいのか、誰に頼ればいいのか、これから卒業していく赤ちゃんのお母さんに教えてあげてください。

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乳房の緊満が少ないのですが・・・(経産婦)

経産婦さんはご自分が初産婦だった頃に体感したことをよく憶えておられるものです。
例えば乳房の緊満。
初産婦で、おっぱいがジャンジャン出たという方は、産後1~2カ月間の乳房の緊満がハンパなく凄いものです。
喩えて言えば、「鉄板」「セメントで固めたような」「岩石」など、固い(硬い?)モノのイメージがあります。
しかし、2人目以降になると、2時間~2時間半ペースで直母していると、張らないんですね、これが。
3人目、4人目と後に行くほど、乳房の緊満はマイルドになります。
マイルドって言うか、頼りないと言うか・・・
昨年★病院で、出産されたお母さんのうち、4人目以上の出産だった方は、全体の5%でした。
その方たちが口裏を合わせるかの如く「張らないんですよね~。分かってるけど、大丈夫かな?と心配なんですよ。」と仰います。
どうかすると、「やっぱり、齢(=とし)なんですかね?」と聞いてこられる方さえおられます。

でも、齢ぢゃないんですね。
あくまで、出産経験を重ねれば重ねるほど、乳房の緊満はマイルドになるのです。
何故かということは医学的にはまだ不明のようです。(教科書にも答えは無いです。)
しかし、確かに言えることは、その一点なんですね。

ちなみに昨年★病院で4人目以上の赤ちゃんを出産されたお母さんで最年少は22歳の方(!)でした。
22歳の若い方ですら、何も張りません。(汗)
その方も「齢ですかね?」と尋ねてこられましたが、「違いますよ!」と即答しておきました。
反対に昨年★病院で高齢初産(35歳以上)の方では最年長は47歳(!)でした。
見事自然経膣分娩され、(←それだけでも凄いですが)産後は乳房の緊満はパンパン・ゴリゴリという感じでした。
緊満が凄過ぎて赤ちゃんが中々直母吸い付きが出来なかったくらいです。

ホントに何人出産したかで、乳房の緊満は変わります。
不思議ですがそれは事実です。
みなさんはいかがでしたか?

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2010年1月 8日 (金)

乳房が張り過ぎて飲めない!

母子異室時代の名残なのかもしれませんが、乳房がパンパンというか、ガチガチに張る(=過剰な緊満状態)と、おっぱいがたくさん造られて、たくさん出てくると信じておられる方はまだかなり多いのではないかと思われます。
どうかすると、助産師であっても、そう思い込んでおられる方が幅を利かせているかもしれません。
ホントのトコロはどうなんでしょう?

そうですね。
「おっぱいが張る=乳房の緊満」は、おっぱい工場の立ち上げの段階で見られる現象と考えて貰ってもいいかとは思いますが、張らなければでないというわけではありません。
そうではなく、過剰な乳房緊満は、うっ滞性乳腺炎への一里塚なんですね。
赤ちゃんの舌が短かったり、巻き付けが下手っぴちゃんで、尚且つお母さんの乳頭が正常形態出ない場合は、深く吸着すること自体が困難になります。
上滑りしてしまい、巻き付けなんて端から出来なくなってしまいます。
先搾りは痛いけど、せざるを得ないことですから、とにかく赤ちゃんが吸い付けるように,乳頭・乳輪の外側1cmの範囲(乳頭から同心円で)を柔らかくほぐしてから赤ちゃんに吸い付かせてくださいね。
そうそう、その場合のポジショニングは、「立て抱き」ですよ♪

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新生児のお部屋、寒くないですか?

2週間健診を受診された新生児ちゃんのうち、体重増加度の振るわない赤ちゃん(18g未満/日)が増えてきました。
もちろん季節を問わず、体重増加度の振るわない赤ちゃんはちらほらおられますが、寒くなるとともに、出現率がアップしてしまいます。
もちろん、「効果的な吸着」で「頻回直母」をすることは言うまでもありません。
「乳管の開通良好」で「乳汁分泌も標準以上にある」ことも必須条件です。
さらに「お母さんにも新生児ちゃんにも基礎疾患が無い」ことが前提です。

新生児は(まぁ、赤ちゃん自体がそうですが・・・)体重に対して体表面積が大きいのです。
これはつまり、体熱が逃げやすい構造なんですね。
新生児室の室温って知ってますか?
★病院の場合、夏で26℃、冬で24℃です。
その室温で赤ちゃんはレンタルの肌着と上着の縫い合わさった着物を着ています。
掛け物はバスタオル半折にしたものと、キルトの薄掛けをかけ布団代わりにしています。
それに、ソフトあんかを点けて体温が36.5~37.5℃の平熱を保てます。
新生児期といっても、早期(1週間以内)と晩期(生後1~4週間以内)に分類されますが、いずれの時期でも体温調節機能は未熟です。
想像している以上に新生児には保温は大事なのです。
仮に体温を平熱で維持していても、それが必死の努力で維持できている状態(=つまり、寒さの我慢大会状態)ならば、成長にエネルギーが回らないような現象が生じると考えます。
室温や着物を調整するだけで、念のために再診してもらったところ、急激に体重増加度が改善することが充分に有り得るのですね。

ポカポカしている方が赤ちゃんの寝つきも良いようですし。
汗疹の出来ないくらいの、温かさを心がけてやってくださいね。
室温20℃で、着物3枚着せて冬は丁度です。
ちなみに母乳外来のお部屋も24℃あります。
私は年中、半袖の白衣(上着とズボン)で過ごしています。(常春です♪)

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2010年1月 7日 (木)

アトピーと母乳育児

<ご相談内容>
生後1〜2か月の時点で赤ちゃんに湿疹が出て受診しました。
ドクターからは、「今の段階では何とも言えないが、このままの状態が続けばこの赤ちゃんはアトピー性皮膚炎になる可能性が高い。」と言われたそうです。
この赤ちゃんのお父さんはアレルギー体質ではないのですが、お母さんが幼少時からアトピー性皮膚炎で、そのことを知った義母から「アトピーのお母さんの母乳を飲んでいるから赤ちゃんに湿疹が出て、ゆくゆくアトピーになるのではないか?」と言われました。
赤ちゃんがアトピーになる可能性大と言われただけでも、かなりショックなのに、義母からおっぱいのせいで、アトピーになるのでは?みたいなことを言われ、どうしていいのかと悩んでいます。
果たして母乳からアトピーが感染るかのようなことが有り得るのか?教えてください。

<SOLANINの回答>
早い時期からアトピー性皮膚炎の予告めいた説明を受け、ショックは大きいと思います。
特にお母さん自身がアトピー性皮膚炎で、旦那さんの方には要因らしきものが無いというこのような場合、お嫁さんの立場としてみても、さぞ、お辛いだろうなとお察しします。
結論から申しますとトピー性皮膚炎は感染りません。
アレルギーというのは、ある程度体質というか、遺伝的な要素があるものなので、親子で似てしまうということがあるのは否定出来ません。
アトピー性皮膚炎の原因は様々です。
こうだから酷くなると分かるまでに時間がかかることもあります。

食物アレルギーもそうですが、月齢の若い赤ちゃんに血液検査をしても結果が出ないことがあります。
今の段階では可能性が高いということは予告されていますが、確定したわけではありません。
僅かでも希望は捨てないでね。
もし、何かお母さんとして今のうちから心がけた方が良いこと(例えば普段からのスキンケアとか、寝具の選び方とか・・・)があれば、ドクターに尋ねて教えてもらいましょう。
また、時期が来て万一アトピー性皮膚炎だと診断されればどうすればいいのかは担当のドクターの指示に従ってくださいね。

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2010年1月 6日 (水)

定期接種と任意接種の違いとは?

MR,三種混合、ポリオなどは定期接種にに分類されます。
BCGは法律が異なりますが、定期接種に準ずるものと考えて良いようです。
いずれも決められた期間内に、指定された医療機関で、決まった回数を無料で受けられるというものです。
それに対し、Hib、新日本脳炎、水痘、流行性耳下腺炎(=おたふくかぜ)B型肝炎、インフルエンザ(新型も季節性も)などのワクチンや定期接種に分類されるワクチンであっても、決められた期間内に接種出来なかった場合は、全額自己負担の有料となり、任意接種と分類されています。

どうしてこのように、分類されているのかと申しますと、病気自体の重病度と、ワクチンの有効性と安全性等及び重篤な副反応が生じた場合、救済するための法律が異なるからです。
定期接種による因果関係が認められる健康被害が生じた場合、予防接種法に基づき、認定されれば国から救済措置が行われます。
(健康被害を受けた本人(子供なら保護者)から、市町村の予防接種担当課(保健センター等)へ申し出て協力を要請し、得られることが必要とされています。
任意接種による因果関係が認められる健康被害が生じた場合、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構によって救済措置が行われます。
被害者からの申し出と、接種してくれたドクターの協力を得て記入する・・・という段取りです。
国が認可した国内製造のワクチンであっても、任意接種になると、万一の場合は、国は救済に関して関与しないわけです。
任意接種のワクチンはそれだけ自己責任が大きくなるということです。
救済措置をしてくれるトコロが異なるのですね。

もちろん、任意接種の全てが危ないワクチンだとは申しません。
有用性・安全性の確認ができたから、ワクチンとして認可されたわけです。
(例えば、水痘ワクチンは、血液のがんの子どもが罹患すると命取りになりかねません。それを防止するために、開発されたと聞いたことがあります。)
特に任意接種のワクチンはメリットとデメリットを考えて接種するか否かを決断することが、親御さんの役割なんですね。

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2010年1月 5日 (火)

ペットの毛アレルギーについて。

15歳以下の子供人数よりも、ペット(犬・猫等の哺乳類に限っても)の匹数の方が多いと言われてもう何年にもなりますね。
愛犬家・愛猫家のみなさんは、読者さんにも多いかと思います。
先日読者さん(猫アレルギーのあるお母さん)からご相談を受けました。
1 「自分に猫アレルギーの症状が出ている時は、母乳はあげないほうがいいのか?」
2 「旦那さんの実家に猫がいるが、赤ちゃん連れでいくべきかどうか悩む。」といった内容でした。

さて、ご相談の回答ですが、1については何ら問題なくおっぱいをあげることができます。
症状が出て、『抗アレルギー剤』や『抗ヒスタミン剤』を内服せざるを得ない場合でも大丈夫です。(目次化した編集記事「★おっぱいとお薬」をご精読された方はご存知ですよね?)
2については、まず、旦那さんに率直な気持ちを聞いてもらうことが必要です。
猫をはじめ、ペットの毛がアレルゲンになることは否定出来ません。
愛犬家・愛猫家の方は気を悪くされるかもしれませんが、例えば実際にこのご相談者のお母さんは、「猫アレルギー」と診断されているわけですし。
ペットの毛がアレルゲンと分かっている方は、症状が出始めるとそれが収まるまでが大変でしょうから、出来るだけ避けられる方法を考えて実行することがご自分を守ることになると考えます。
相手の方はペットは家族同然と思ってらっしゃるでしょうから、嫌味たらしいかもしれませんが、ご自分をプロテクトするために目の細かいマスク(花粉症の方がされるようなマスク)は装着すべきでしょう。
手洗いをこまめにすることは、申すまでもないことですし。
もちろん、お食事をご一緒される場合はその時だけ外すしかないですが。
ただ、お料理を作るキッチンにもペットが自由に入れるお家ですと、それはかなりヤバいですから、食べないという選択肢も必要になるかもしれませんが、そこはアレルギーの程度にもよりますから、ご自分で判断していただかなくてはならないと思います。
ネット上では1歳までにペットの毛を常態的に吸引・接触する機会があれば、ペットの毛由来のアレルギーにはならないという体験談も氾濫してることは私も知っています。
しかし、それは毎日のこまめなお掃除=「コロコロなどでの抜け毛取り」があってというのが大前提ですから、仮にお掃除がズボラなお家に訪問するなら、それは該当しないかもしれませんね。
旦那さんがペットの毛は大丈夫な方でも、奥様がNGな方だったら、(あるいはその逆でも同様に。)赤ちゃんがどちらの体質に似るかは確率50%ですからね。

小児科のドクターでアレルギー最前線におられる方は、少なくとも新生児にはペットを近付けることはお勧めされません。
出来るだけ避けてくださいと言っておられるようです。

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2010年1月 4日 (月)

お母さんの便秘。

妊娠・出産から体質が変わる方もおられます。
特に産後便秘になる母乳育児中のお母さんは稀ではありません。
なぜかというと、ゆっくりWCに座って(しゃがんで?)いることが難しいからです。
赤ちゃんのお世話は忙しいですからね。
授乳回数も多いし・・・

それと、完母のお母さんは最大で1リットル[双子ちゃんのお母さんはその2倍?)くらい/日のおっぱいを分泌しておられます。
しかも、おっぱいの成分で水分は88%もありますから、1リットルのおっぱいのうち、0.88リットルが水分としてお母さんのカラダから毎日抜けていくわけです。
もちろん、食品にも水分は含まれますが、ご飯やリンゴで水分の計算するのって、事実上不可能ですね?(そんな煩雑な計算はやってられないですよね?)

では、どうすればいいのか?
私はコップや汁椀で大まかなカウントをすることをお勧めします。
お母さん自身のカラダに必要な水分も考えて、コップや汁椀での計量できる形で1.5リットル/日は摂られた方が良いとお話ししています。(これは産後になり易い膀胱炎の予防でもあります。ある程度水分を摂らないとおしっこに行く回数が、産後はがくんと減りますからね。)
(あと、食物繊維を含むものを摂取することは言うまでもありませんね。)

そのうえで、やはり、便秘であるならば、下剤の登場です。
「★おっぱいとお薬」にもあるように、『マグミット®』『ラキソべロン®』は授乳中でもOKですね。
下剤を使用しないと、便が硬くなったり、いきみ過ぎて痔になることもあります。
市販の『ボラギノール®』は使用OKですが、下剤で排便コントロールをした方が苦痛が少ないのではないでしょうか?
便秘はおっぱいにも良くないですから、早めの対応が望まれますね。

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2010年1月 2日 (土)

月経再来しても慌てないでね。

個人差が大きいのですが、産後の月経再来は完母であっても産後3~6ヶ月頃と言われています。
一般的には、月経再来しても分泌が低下するとかおっぱいが不味くなることはないと言われます。
しかし、現場を預かる者としましては、やはりそういう兆候は少なからずあると感じますし、お母さん方も「乳房の張りが低下した。」「赤ちゃんが怒っている。」などの悩みを相談される方も少なくありません。

たくさん分泌させるには赤ちゃんに頻回に飲んでもらうことです。
赤ちゃんにお話して、仮に不味くても飲んでもらうようにしましょう。(月経が終了すれば味は復旧しますよ。)

なのに時々、授乳間隔を空けて乳房を張らせたり、いきなりお餅やお赤飯を食べまくったりする方がおられます。
あの~、いつもSOLANINは言ってますが、それって真逆の対応ですからね。
月経期間中はお餅やお赤飯をたらふく食べても、思ったほど張らないこともあります。
しかし、確実に「ツケ」は後から利息付で回ってきます。
月経終了後にババ~ンと乳房が張ってゴリゴリの硬結が出来てしまいます。
そう、ボディーブローのようにある日乳房に痛みが走ります。
気が付けばマヨネーズ様のおっぱい(=通称マヨ乳)がっ。

くれぐれも、無茶はしないようにね。
一時的なことだから、慌てなくてもいいんですよ。

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2010年1月 1日 (金)

赤ちゃんのよだれ。

新生児や月齢の若い赤ちゃんはよだれはあまり出ないものです。
拳骨を舐める頃になると、朝露に煌めく蜘蛛の糸のように、艶やかで粘っこいよだれがツツーっと口唇から垂れてきたりします。
昔は「胃腸の丈夫な子」の証のように言われてきましたが、ホントかどうかは不明です。
でも、よだれが多いということは、口腔内の清浄に役立ちますから、意味が無いのではありませんよ。
顎周りがかぶれてくると、ヨダレンジャーに変身する赤ちゃんもおられますが。(汗)

先日はこの逆に「これまでたくさん出ていたよだれが減ってきたのですが・・・?」というご質問を離乳食開始前の月齢の子母さんから受けました。
色々聞いたり調べてみたのですが、原因はよく分かりませんでした。
もしかして、衛生面での心配から、何でもお口に入れて舐めたがるこの時期、「ばっちからね。」と舐めさせないようにしていませんか?
若しくは、赤ちゃんがここのところ、あまり拳骨や、手に触れるものを舐めることがなかったとか?
しかし、赤ちゃんの機嫌が良く、おっぱいの飲み方も変わりなく、口腔粘膜が乾燥していなければ、様子見でいいそうです。
よだれの出方には波があり、一旦減っているようでも、新しい歯が生える度に、増えることも有ります。

よだれの分泌量はオトナと赤ちゃんでは10対1くらいの割合ですが、オトナの方が分泌量が多いのに、よだれを垂らしたりしませんよね?
それは、口唇の締りがしっかりしてるのと、理性の力と分泌しても無意識のうちに飲み込んでしまうからです。
オトナと比較して赤ちゃんは口唇の締りがまだ緩く、理性は芽生えていませんね。
さらに、おっぱい以外のゴックンがスムーズに出来ないので、ひたすらよだれを垂らしてしまいます。
このような段階の赤ちゃんにはスタイが必需品ですね。
また、話が戻りますが、衛生面を気にされるなら、赤ちゃんの舐めるものは洗えて乾きやすいものがいいですよ。

もちろん、赤ちゃんも成長されますから、ある日気が付くとよだれが垂れてこなくなる段階に進んだことに気が付く日が来るかと思います。
成長するにつれ、ドンドン増えるものではないということです。

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母乳性血便について。

母乳性血便って聞いたことがありますか?
おっぱいを飲んでいる赤ちゃんのうんちの中に点状若しくは細かく切った糸くずのような血が混じる状態のうんちのことです。

うんちに混じっているその赤い物体が血か否かは簡単に判別することができます。
具体的には、うんちの付いたおむつを、そのまま空気に触れるように放置するのです。
空気に触れるとその赤い物体が血であれば、酸化して、茶褐色~黒褐色に変色します。
赤い物体の色が変わらなかったらそれは血ではないということです。
これは生後半年までの赤ちゃんに生理的に起こり得る現象で、赤ちゃんの体調が悪いわけではありません。
なので様子見で結構です。
万一重篤な病気、例えば腸重積だったら?
時期的違いがあり、生後半年までは起こりにくいものです。
まず風邪症状が先立ちますし、赤ちゃんの泣き方が間歇的でいつもと違うし、機嫌は悪く、ゴボっとおっぱいを吐いたり、意識レベルが低下したり、血便の性状がケチャップをボトっと落としたような感じなので、違いは分かる筈です。
血便と言っても色々あるのですね。
うんちに混じる赤い物体を見ても慌てずに赤ちゃんの様子とうんちの両方をよく観察してください。

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