おっぱいとお薬/その39『アスピリン』
(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その39『アスピリン®』(改訂版)」公開中です。
最新の内容は、上記でご確認ください。
以下、過去記事。
妊娠中に『アスピリン』を処方され内服の必要があるとしたらIUGRで、血流をサラサラにして、おなかの赤ちゃんに必要な栄養等を少しでも多く送るためですが、産後に処方されるとしたら、それはお母さんに血栓が出来た際の治療、つまり血小板凝集抑制のためです。
一般的に『アスピリン』は赤ちゃんのサリチル酸の血中濃度が高くならないか要注意という風に言われています。
これまで『アスピリン』を内服していたお母さんで、1981年にアメリカで1例だけですが、生後16日目の女児が代謝性アシド―シスになったという報告がありますが、この症例はお母さんがリウマチによる関節炎のため『アスピリン』を4時間毎に648mgずつ内服していたことが発現機序と考えられました。
しかしながら、通常、アスピリンの母乳への移行量は0.04%です。
血小板凝集抑制のためお母さんが服用する量が100~300mg/日であれば、授乳には差し支えないと言われています。
そうそう、『バイアスピリン』と『アスピリン』の違いは何かと申しますと、成分である“アセチルサリチル酸”は同じなのですが、『バイアスピリン』の方が容量が少ない(『アスピリン』の1/3~1/4の量)ということです。
尚、『アスピリン』は風邪薬と一緒やインフルエンザかもしれない場合は服用すべきでないお薬と言われています。(ライ症候群との関連性)
『アスピリン』の服用のポイントは、「何の目的で」「どのくらいの量を」服用するかということなんですね。
コメント
1 ■よく分かりました。
量が多くなければ、授乳にも差し支えないのですね。安心しました。「ただミルクにすれば良いこと」と言われましたが、そんなに簡単には行きませんよね(>_<)もし、飲まなければいけなくなったら、教えて頂いたことを話してみます。ありがとうございました。
プータ 2010-01-11 17:58:47
2 ■Re:よく分かりました。
>プータさん
悪気は無いのでしょうが、循環器のドクターはおっぱいのこと、そこまで踏み込んで考えてはおられないと思います。
私の知る限り、★病院の循環器のドクター以外でおっぱいに明るい循環器のドクターは過去記事にも登場されるコト―さんくらいですから。
SOLANIN 2010-01-11 21:42:24
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