(注)最強母乳外来・フェニックスにて「親知らずを抜かなくてはならない時は? (改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。
以下、過去記事。
生後5か月赤ちゃんを完母で育てておられるお母さんからの相談です。
歯が痛くなり、歯科受診したら、親知らずが悪くなっていることが判明したそうです。
取り敢えずは応急処置としても、近いうちにきちんと治さなくてはならないし、歯科のドクターが仰るには、お薬(鎮痛剤)の内服をしたら、そのお薬が抜けるのに24時間くらいかかるとのこと。
それと、麻酔が効きにくい体質で、これまでに歯科での治療を受けた時も、追加で麻酔をしなくてはならず、人よりもたくさんお薬を使う可能性があるので心配だということでした。
まず、鎮痛剤の件ですが、おっぱいとお薬の記事はすべて読まれたとのことですが、私の文章力が足りないため、ご心配なんだろうと察せられます。(涙)
お薬の抜ける時間はモノにより確かに24時間くらいかかるものもあります。
おっぱいに出ることもあるでしょう。
でも、お母さんの血中濃度よりも、さらにう~んと少ない量がおっぱいから出ることがあるにしても、赤ちゃんに問題がなければ大丈夫と考えていいと考えられるのです。
つまり、赤ちゃんに健康被害が起きたという報告があるお薬でなければ、差し支えないと考えていいということです。
まず、お薬というものは、全く検出が出来なくなるまでおっぱいをあげてはいけないものではないということを、理解してください。
願わくば折角記事を読んでもらっているのですから、それを柔軟に応用してくださると、文章力の足りない書き手としては大変有り難いです。
例えば記事に書いてあるお薬ならば心配ないのですから、「鎮痛剤は何を処方されるかわからない。」と今からいたずらに不安がるのではなく、赤ちゃんのお母さんなのですから、そこのトコロもう少しお気持ちをしっかりしていただいて、対処することは可能ではないかと思います。
率直に歯科のドクターに「鎮痛剤は●●にしてもらえませんか?」と頼むことくらい出来るのではないでしょうか?
それならば安心なのではありませんか?
少し話がずれますが、赤ちゃん自身が何らかの病気になれば治療のためにお薬を飲むことがありますよね?
「ウチの子は生まれてこのかた、お薬なんて使ったことがない。」と断言されるお母さんもおられます。
でも、それって有り得ません。
例えば生まれた時、結膜炎防止のため点眼薬を垂らされることは、かなりありがちなことです。
例えばおむつかぶれが酷かったら、止むを得ず塗り薬を処方していただくこともあるでしょう?
例えばメレナや頭蓋内出血予防のためには「ビタミンK」というお薬の内服なしには不可能です。
NICUに入院中の小さな赤ちゃんはもっとたくさんのお薬を使って治療されています。
もし、ちょっとでも何らかのお薬が赤ちゃんの体内に入ったら不都合だとしたら、全ての赤ちゃんは生きることが不可能ということになります。
でも、現実にはそうではないですよね?
こう言ってはナンですが、お薬を使うことの意味と、優先する項目(=母体の血中濃度云々やおっぱいに出るか出ないかではなく、赤ちゃんへの影響が有るか無いかが大事だということ)を、今一度冷静になって、考えてみてくださいね。
そうすれば、局所麻酔のお薬についても、同様だということがご理解いただけるのではないでしょうか?
・・・ん?もしかして、まだご理解いただけませんか?
産科領域つまり分娩時の会陰切開や縫合時は、局所麻酔のお薬を20ml以上使用することもあります。
帝王切開では腰椎麻酔や硬膜外麻酔をかけていても、直ぐに赤ちゃんにおっぱいをあげているという事実・現実があるのは過去記事に書いてある通りですが(その点はこのブログの読者さんならば有る筈の知識として)ご存知ですよね?
ということは、どう考えても歯科領域で(最大どのくらい使用されるのかということは歯科のドクターに確認してもらったらいいのですが)使用する局所麻酔のお薬がそれより多いとは考えられませんから、心配ないと考えて差し支えないということです。
折角記事を読んでいただいているのですから、しっかりと読みこなし、丸ごと活用しなくては勿体ないでございます。