無料ブログはココログ

« 赤ちゃんのうんちがたくさん出たら・・・ | トップページ | 省エネも大事ですが・・・ »

2009年10月15日 (木)

最近の助産師教育にモノ申す!

助産師教育というのはホントに手がかかるというか、座学も盛りだくさんですが、実習もハンパなく大変です。
その中で、「直接介助」という実習項目があります。
分かり易く言えば、「赤ちゃんをひとりで取り上げる」ということです。

あっ、誤解のないように申し添えますが、「ひとりで」というのは産婦さんと学生を二人きりにして、臨床指導者やドクターや助産師がいない訳ではありませんから、安心してね。

実習時間(というか、赤ちゃんを取り上げるために待機する時間も含めて)はある程度学校の裁量に任されています。
赤ちゃんはいつ生まれるか分かりませんから、まぁ、当然ですが。

で、法令的にはひとりの助産学生は10例のお産に「直接介助」することになっています。
私の出身校は、日本最古の産婆教習所が前身ですから、その辺は厳しくて何日も産直実習を続けて正味で10例に到達するまで、やり抜きました。
私の場合、10例に達するまでに実習開始(最初の1か月は日中だけの実習だったのですが。)から終了まで、6ヶ月半かかっています。
その間に講義はあるし、継続して受け持たせていただく妊婦さん2名に対する実習も込みです。
母性衛生学会への参加や、マタニティークラスの講師役の練習、国試の勉強もありますし、とにかく忙しくて暇がない状態でした。

今も出身校の実習は大筋では変わらないと思いますが、この間ある方から聞いたのですが、驚くべきことに某大学の助産学科は実習期間がたったの5週間しかないそうです。
「5週間で10例の直接介助なんてどうやってこなしていくの?」と私は尋ねました。
そうしたら、「実習は3人ひと組だから、間接介助とか、外回りとかそれなりに役割分担してるけど、3人が3例ずつ直接介助したら、(ほんとは違うけど)そこで9例直接介助したと計算してしまうわけよ。書類もそう仕上げるのね。だから、数合わせなんてどうにでもなるのよ。」という答えが返ってきたのです。

私ぶっとびました。
助産学生の教育の場でそこまで大きな不正が罷り通るなんて。
ということは、実数としてせいぜい3~4例の直接介助しかこなしていない学生が、国試受験資格をゲットして、ペーパー試験でミスらなければ、「助産師でござい0。」と就職してくることも有り得るということなんですね。

助産師として大事な「直接介助」の実習でこの有り様ですから、この某大学で行われている助産学生に対する教育内容は想像するのが怖いですね。

誤解のないように申し添えますが、これはごく一部の大学・学校だと思います。
ただ、殆どすべての助産学生は「直接介助」の座学と実習だけでで手一杯です。
そのためかどうかは知りませんが、座学・実習のカリキュラムでも母乳育児という項目が無いうえに、実習先によってはミルク至上主義の病産院もあるわけです。
母乳育児を学ぶことなく卒業して就職することは、自分が困るだけでなく赤ちゃんのお母さんにも迷惑かけちゃうんですよね。

母乳育児が教育の現場(助産学生はもちろん、医学生・看護学生はもとより、アタマの柔らかい小学生くらいから)でオプションでなく、必須となれば病産院での状況は好転するのかなと思いました。

コメント

1 ■未来に期待
こんにちは。いつも楽しみに読んでいます(^-^)/
統計的に見ているわけではないですが、10例カウントの仕方、一部かどうか・・・。だいぶ以前から、これはされていると思いますです(^_^;)
10例きちんと「ひとりで」取り上げる大学や養成機関はどのくらいの率なのでしょう・・・?
保健師実習も、ワタシの時代と様変わりして、家庭訪問実習など、ほとんど経験できないところも多いのです( ̄_ ̄ i)。
現場は以前より忙しいですし、現場の新人教育力にも限度がありますし。
でも、改善として、看護師と保健師や助産師の統合カリキュラムが変化しているので、見直しがされていますね。って、いろいろ書きたいことはあるのですが0( ̄▽+ ̄*)
SOLANINさんみたいな「プロ」になる道を学生はきっと知りたいはずです('-^*)/ワタシはいつもすごいな、って思いながら読んでいます。
セクシャルヘルス・コンシェルジェ 2009-10-15 15:25:52

2 ■こんにちは
私も去年実習していて思いました。同じ実習場所で、学生の人数もこっちは倍以上いるのに、こちらはしっかり10例取り上げさせていただきましたけど、あちらは某大学でしたが、間接介助も数に入れておりました。
うちの学校も昔からの養成所ですので、その辺は厳しかったですねぇ。
でも、継続事例は一人だし昔の学生に比べると、楽なのではないかと思いますが、それでもかなり大変でしたねぇ。
これから助産師教育はほぼ大学で…という風になっていくようなので、やはり実践的な面でこれでいいのかな…という感じはしました。
現場に出て先輩助産師につきながら数をこなしていくしかないとは思いますけど、お産の数が少ない施設では自分の技術をあげるにも難しい状況ですかねー。
はにわちゃん 2009-10-15 17:29:51

3 ■Re:未来に期待
>セクシャルヘルス・コンシェルジェさん
おおおおお!
そうだったのですか!
隔世の感がありますね。
そんな段階でいいのでしょうか?
ちなみに私の看護学科時代の母性看護の恩師は大阪の聖バルナバ出身で当時30例直接介助したと仰っていました。
SOLANIN 2009-10-15 19:34:25

4 ■Re:こんにちは
>はにわちゃんさん
私の出身校も産直実習は昔は附属病院のほかは1院だけでしたが、今は5院ローテーションらしいです。
少子化だからでしょうか?
★病院で実習している学生さんはもちろん夜間もOKですが夜間実習を認めない施設もあるとのことです。
SOLANIN 2009-10-15 19:38:54

6 ■えーー!
こんばんわ。お疲れ様です。
そんな、ひどい…(´Д`)読んでいてびっくりしました。そんな学校あるんですね……。
あたしは、新設の助産学科だったんですが先輩方の話を聞くと、あたしの受けた教育は甘いんだと感じました。
内容はかわりませんが、教育方針が厳しくないとゆうか…。学校が過保護すぎたりしました。
独立した職業なのできちんと規定を守ってほしいですね。
母乳育児の内容盛り込んでほしいとあたしも切に思います。
asa 2009-10-16 22:58:33

7 ■Re:えーー!
>asaさん
助産師という職業の人を増やそうということで、こんな風になったのでしょうか?
厳し過ぎてもどうかと思いますが、ユル過ぎ教育では使えない人になっちゃいますからね。
新設校のセンセイは開設前に老舗校での研修を必須にしてほしいですね。
SOLANIN 2009-10-17 12:05:29

« 赤ちゃんのうんちがたくさん出たら・・・ | トップページ | 省エネも大事ですが・・・ »

★SOLANINのブログ」カテゴリの記事