へんてこりんな保健指導3
先日の記事に読者さんからのコメントで、びっくりすることがありましたので、記事にさせていただきます。
生後1ヶ月の赤ちゃん健診で、医療者から「ビタミンKの補給にたまにミルクをあげてね。」という指導があったそうです。
ビタミンKは赤ちゃんの体内では合成されません。
母乳に不足している唯一の栄養素とも言えます。
なので、生後1日目と退院前(通常生後4日目~6日目頃)、そうして生後1ヶ月健診の計3回にわたりシロップのカタチで投与します。
(NICU入院中の小さい赤ちゃんには、注射のカタチで投与されることもあります。)
確実な投与をすれば、新生児の消化管出血(いわゆるメレナ)や頭蓋内出血を予防できます。
ビタミンKは母乳に不足しているものの、この3回の投与を受ければまず安心です。
また、お母さんが納豆やキャベツ、小松菜やほうれん草などを積極的に食べられると、おっぱいにビタミンKが出てきます。
それで事足ります。
なのに、「ビタミンKの補給にたまにミルクをあげてね。」・・・とはどういうこっちゃ?
おかしいやないの!
お母さんが何も知らないだろうということで、こんな悪質な指導をするのですね。
医療者に言われたら、驚きつつも真に受ける方だっておられることでしょう。
どういった職種の医療者だったかは詳細は不明ですが、可能性が大有りなのはミルク屋さんから派遣されて健診室の一角に鎮座している栄養士さん。(もちろん、自社製品のセールスウーマンですな。)
もしくは、担当の小児科のドクター。(ミルク屋さんから〇〇を頂戴されていて、赤ちゃんのお母さんにミルクを勧めることを使命としておられるのですな。)
WHO/ユニセフでは「医学的必要がないのに、母乳以外のもの(=糖水やミルク)を与えないようにしましょう。」と、10か条で表明しています。
「ビタミンKの補給に。」・・・という一見もっともらしい言い草に惑わされてはいけませんぞ。
賢いお母さんになってくださいね。
コメント
1 ■無題
納豆やほうれん草たべたら、あのマズそうな液体と同じ成分のお乳が出るんですかぁ~勉強になりました(^∀^)ノ
で、あの1ヵ月検診の際に飲む液体は何の役割が有る物なんですか??
ぴよし 2009-08-16 14:44:12
2 ■よかった
私、「母乳だけで大丈夫ですよ」って言いたかったけど根拠が自分の中になくて…
ありがとうございます☆
紫苑 2009-08-16 14:45:58
3 ■無題
すみません(^-^;
見落としてました…出血を予防する効果が有るんですねぇ~(^O^)すご~い♪
ぴよし 2009-08-16 14:47:59
4 ■Re:無題
>ぴよしさん
ぴよしさん、ナイスツッコミ!
あの不味そうなお薬がビタミンKで、赤ちゃんの出血性疾患を予防するお薬ですぢゃ〔爆〕
SOLANIN 2009-08-16 15:32:10
5 ■Re:よかった
>紫苑さん
どういたしまして。
これからはこの記事を根拠にしてくださいね。
SOLANIN 2009-08-16 15:34:30
6 ■Re:よかった
>紫苑さん
どういたしまして。
これからはこの記事を根拠にしてくださいね。
SOLANIN 2009-08-16 15:34:39
7 ■Re:無題
>ぴよしさん
うふふ。
湯冷ましで薄めて飲ませるのはご存知でしすよね?
濃ゆいと吸収されないのですわ。
SOLANIN 2009-08-16 15:36:55
8 ■K2シロップ…
こんにちは、いつも勉強させて頂いているぷちみそと申します。
うちは子供の1ヶ月健診の際、
その『健診場所の一角に座るミルク屋さん』
からK2シロップの哺乳瓶を渡され
息子にくわえさせましたが、
いやいやをして半分くらい?口から出してしまって…(涙)
『飲めなくて口から出しちゃったんですが…』
と某ミルク屋さんに言ったのですが、流されてしまいました(>_<;)
(この方たちは『栄養指導』と称したミルク推進係だったからなのか…)
多分それが三回めの投与だったと思うのですが、
そんな量でも効果がきちんと出るのかどうかが不安です。
出産後、数日間も軟口蓋裂のためか
ミルクが5ccほどしか飲めず、だったので
K2シロップも飲めたのかどうか疑問だったので尚更心配です(>_<。)
口から こぼしてしまったりしても
効果がきちんと出るものか、、
それとも規定量を きちんと摂取していなければ
意味がないもなのか
お解りでしたら教えて下さい(涙)
ぷちみそ 2009-08-16 16:15:09
9 ■Re:K2シロップ…
>ぷちみそさん
赤ちゃんの出血傾向には個人差があります。
どの赤ちゃんでも大丈夫なようにというのが今の3回投与と聞いております。
内服状況が怪しければ、血液検査をお願いするのも一手です。
また、飲めない状況の赤ちゃんには鼻注や注射で投与されている筈ですが、念のため担当のドクターに確認してみてくださいね。
SOLANIN 2009-08-16 16:54:21
10 ■私も受けた「変な指導」
私は、某?ジャスコの授乳室で保健師さんに「あなたの子供は、大きく産まれたのに、発育曲線の下の方にいるからミルクを足して、産まれたときと同じような上の曲線になるように」と指導されました!私は助産院で産んだので、助産師から正しい知識を頂いていましたから、笑ってしまいましたが、普通のお母さんなら、ミルクをあげると思います。 今後も助産師さんには、ぜひとも正しい知識の普及に取り組んでもらいたいです。頑張って(^-^)
歯磨き屋 2009-08-16 19:00:16
11 ■Re:私も受けた「変な指導」
>歯磨き屋さん
大きく生まれたら大きく育たなくてはいけないと決まっているのでしょうか?
一時は成長曲線の下の方でもそれがずっと続くとは限らないし子供の成長のペースは、流動的なものですのにね。
ドンドン割り込む〔=パーセンタイルグラフの下限から離れる度合いが大きくなる。)とか減るならまだしも、まずまずのペースで育っていれば大丈夫なんですが。
無知なくせに知ったかぶりされると、迷惑ですよね。
その医療者が何を目的にしているのか、要チェックですね。
SOLANIN 2009-08-16 21:18:19
12 ■大学生の友達が
栄養士を目指して女子大に通う友人が、大学の教授に講義のなかで「月齢が進んだら母乳だけではとれない栄養があるから、ミルクをあげなければならない」と教えられたそうです。
友人は信じきっていました。
講義を受けたたくさんの方が、将来この言葉を信じて、飲ませなくてもいいミルクを無理にでもあげようとするのかと思うと、恐いです。
(友人の通う大学は名の知れた有名なとこだったと思います)
ねこ 2010-06-05 00:21:49
13 ■Re:大学生の友達が
>ねこさん
ぐはっ!
名の通った大学の栄養学の教授がそんなこと仰ってどうすんの?
WHOのランダ・サーディー女史(栄養学者)はそんなこと仰ってませんがね。
困りますね。
もし、その教授先生の薫陶を受けた学生さんがミルク屋さんの栄養士さんで営業に入られたらと思うと、怖いです。
私の考えすぎかな?
SOLANIN 2010-06-05 00:27:18
« 哺乳ストライキ7 | トップページ | 哺乳ストライキ8 »
「 ★気をつけてね」カテゴリの記事
- 気をつけてね★貴女の赤ちゃん、歪め飲みしていませんか?(2009.11.06)
- もう直ぐお正月♪(2009.12.30)
- ウチの赤ちゃん良くネンネする良い子です。(生後2週間)(2009.12.30)
- へんてこりんな保健指導5(2009.09.18)
- へんてこりんな保健指導4(2009.09.10)