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2009年7月13日 (月)

出産時の点滴の量について

緊急時に備えての血管確保という名の「曲がっても漏れたりしない柔軟なプラスチックの針による点滴ルートの確保」はやはり必要だと思います。
出産時は大量出血に繋がる緊急事態がある一定の割合で起こります。

大量出血(=定義としては500ml以上)してしまってから、血管確保しようとしても、血圧がド~ンと下がってしまい、おもむろに血管確保しようにも、技術的に困難です。
私が伝聞した一番の大量出血は5000mlです。
子宮頚管と膣壁が裂けたそうです。
一般的に妊婦さんのの血液量は体重の1/10ですから(通常時より血漿量が増える=血が薄くなるので、このくらいの割合になります。)
注射や点滴で早急に投薬しないと、生命にかかわることがあるのに、針が入らなければ・・・想像するだに恐ろしいです。

まぁ、そういうわけで、血管確保は必要な医療行為だと思いますが、経口的に水分が摂取出来るならば、たくさん(何本もという意味)入れる必要はないのではないかと思います。
というのも、出産前(産後も)に大量の点滴を行うと、乳房がパンパンに張りすぎて、結果赤ちゃんが上手く吸いつけなくなることがあります。
誘発剤(=プロスタルモンとかアトニンとか)を使用した時も浮腫みやすいので、同じようなことがいえます。
妊娠前から真剣に乳頭・乳輪のお手入れして、赤ちゃんが器用で、パンパンになる前に毎回のように助産師が張りつき介助してもらいつつ頻回直母していれば、事なきを得るかもしれませんが、条件が揃うとは限らないですからね。

点滴は詰まらない程度にゆっくりめに落としてもらいましょう。
あっ、B群溶レン菌の点滴はお産の進行状況によっては早く落とさなくてはならないこともありますから・・・でも、抗生剤のボトルは100mlと少量ですからね。
あれは気にしなくてもいいかな。

 

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