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2009年7月

2009年7月31日 (金)

体重増加度判定の被害者の赤ちゃん

他院で出産されたOさんは、難産だったこともあり、出産直後からの頻回授乳が出来ませんでした。
また、母子異室であったため、授乳回数が制限されていました。
助産師の少ない病産院であったため、満足な授乳指導や介助が受けられませんでした。
妊娠中からの乳頭・乳輪のお手入れは、必要性を知りつつも、おなかが張るからと殆んどされていませんでした。
赤ちゃんは初っ端から哺乳瓶でミルクを足されて、完全な乳頭混乱に陥っていましたそうです。
直母をするには、ソフトタイプの保護器を使用されていました。

退院後頻回直母を頑張るも、効果的な吸啜が出来てなかったので、小児科受診した生後14日目迄体重減少してしまいました。
「これではいけない。」と、ミルクの補足を小児科で指示されつつも、直母が出来ないなら母乳外来に行ってきなさいと勧められたそうです。

さて、生後19日目に母乳外来に来られ、いつも通りの保護器使用の直母をされましたが、充分な時間をかけたのにも関わらず、哺乳量は6g。
お母さんがっかり。(この時点でミルクの補足は400ml/日だったそうです。)

でも、乳管開通マッサージをしたら、今まで滲む程度のおっぱいが、ピューピュー飛ぶくらいに分泌し始めました。
赤ちゃんにこれまでのことを謝ってこれからのことを言い聞かせました。
ポジショニングを変更しました。
その日のうちに生まれて初めて、怒らずに直母が出来るようになりました。

生後25日目の再診では哺乳量が30gにジャンプアップしました。
生後19日目から、ミルクの補足は200ml弱まで減量していました。

そして生後31日目の1ヶ月健診日。
生後25日目からミルクの補足は100ml程度に減量していたそうです。
でも体重増加度は生後19日目~生後25日目までは、20g/日でしたが、生後25日目~生後31日目までは、40g/日に倍増していました。

ミルクの補足を減量しても、体重増加度が上昇するということは、直母がしっかり哺乳出来ているということです。

なのに、生下時からの体重増加が500g台だから、「もっとミルクを足さないと、ヤバいから・・・」という理由で、ミルクの量を増やせといっているそうですね。
必要ないのにね。
アタマ痛くなってきました。

 

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出産が大変だと、おっぱいの立ち上がりは遅れます。

分娩所要時間が長かったり、時間は短くても逆子とか、VBACだったり、分娩時の出血が多量だったり、帝王切開だったりというのは、「難産」の部類に入るのではないかと、私は思います。

それに加えて、赤ちゃんがクベースに収容されたり、小さすぎて直母が難しかったり、クタクタしていて元気がなかったり、舌小帯短縮症だったりすると、効果的な吸啜が出来ません。

例外はありますが、お母さんが「難産」ですと、赤ちゃんもカラダがしんどいのが、後を引くことが多いような印象があります。

こういう場合、体重減少が10%以上になりやすく、体重減少も生後4日目になってもまだ止まらないこともありがちです。
分泌量を測定しても、「直母はヒトケタ、搾母は助産師が介助しても薬杯の底溜り、合わせて10g前後」が精一杯というところでしょうか。

こういう母子を担当している助産師は正直言って怖いと思います。
すぐにミルクを足さなくちゃって気持ちになるでしょう。
でも、正常新生児で活気があり、熱発もなく、おしっこも濃縮尿ながら生後日齢と同じ回数が出ていて、口腔粘膜も乾いておらず、黄疸の数値が跳ね上がっていなければ、補足はミルクぢゃなくて、5%糖水にとどめてもらえませんか?

因みに、生後4日目まで体重減少していた赤ちゃんでも、その後吸啜が上手くいけば、6日目退院時で直母10g台は可能となります。
直母10g台でも、頻回直母可能で、黄疸の数値も正常範囲ならば、それでいいのです。
但し、こういう母子を1ヶ月健診まで、放置しては絶対ダメ。
2週間健診には必ず受診してもらうのが絶対条件。
最初の受診は退院後2~3日目。
そこで体重減少していたら、翌日再診。
小幅でも増加していたら、その2~3日後に再診。
上手くいかないには理由があるから、担当者さんはそれを見つけ出してね。
そうすれば、完母でのフォローも決して不可能ではありません。

そして・・・確かに言えることは、この修羅場を乗り越えてきたお母さんと赤ちゃんのタッグはホントに無敵だということです。

 

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おっぱいが不味くなると、急に飲まなくなる!

お母さんの食べたものが赤ちゃんのおっぱいになることは、以前にもお話しましたね。
おっぱいにあまりよろしくない食べ物を頻回かつ多量に摂取すると、おっぱいの味が不味くなります。
時々「えっ、おっぱいの味が変化することがあるのですか?」とか「赤ちゃんに味覚があるのですか?」と、驚かれるお母さんがおられます。
驚かないでください。

そりゃあ、例えば牛乳は何時も牛乳の味でしょうが・・・
例えば、低温殺菌牛乳なら、コクとほのかな甘みがありますし、低脂肪乳はあっさりというか、少し物足りない感じがしますし、蒜山ジャージーはまったりと濃厚な舌触りを感じませんか?

●治牛乳の紙パックの側面の方に、「無脂乳固形分」と「乳脂肪分」の年間変動のグラフが描いてあるのを見たことありませんか?
夏は乳脂肪分少なめですよ。
冬は乳脂肪分多目ですよ。
0.5%近く、差がありますよ。
図体の大きな乳牛だって、餌が異なり、運動量が異なれば、乳脂肪分に差が出るのです。
ましてヒトは乳牛ほど図体もデカくないし、色々なものを食べますからねぇ。

乳腺炎になりかけの場合、乳腺炎になった時、しこりのある方のおっぱいを厭がって飲まなくなることがあります。
赤ちゃんの舌は敏感ですから、味の違いを感じ取ると、(=つまり、いつもより不味い)飲まなくなります。
おっぱいだったら何でもOKの赤ちゃんもおられますが、私はそうでない赤ちゃんの方が多いと日々実感しています。

おかしいな?という時は、まず、おっぱいのお味見をしてください。
左右差がありませんか?
そして、赤ちゃんに謝ってください。
それから、お食事や授乳間隔を見直して修正してくださいね。

乳腺炎になっても、赤ちゃんの飲み方に左右差が見られなくなれば、それがホントの意味での完治なんです。

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2009年7月30日 (木)

1ヶ月健診までの乳児の体重増加度について

いつの頃からか、誰が言い出したのか、1ヶ月健診までに生下時体重から1kg増えていなければならないという規準、アレおかしくないですか?
誰だって赤ちゃんにはすくすくと育ってほしいです。
でもなぜその規準が1kgなのか。

私にはさっぱり分かりません。
この馬鹿馬鹿しい規準でどれほど多くのお母さんが母乳育児を諦めているか、母乳不足感に苛まれているか、凹んでいるか、不要なミルクを足しているか・・・

『赤ちゃんはお弁当と水筒を持って生まれてくる』というかの有名な故・山内逸郎先生の言葉を知らないのか?
『赤ちゃんには生理的体重減少というものがある。』ってことは、高校の家庭科や保健の教科書のだって書いてあります。

つまり、赤ちゃんの体重が順調に増加しているか否かは、生下時からではなく、医療者の手(=援助・介助)を離れて自力でお母さんと赤ちゃんが頑張り始める退院時か、最低体重となった日を起点として、1日当りどのくらい増えているかを計算すればいいのです。
ユニセフの規準によると、それは18g~30g/日です。

生下時体重から計算するのは、間違い。
体重増加度には、幅がある。
スタートダッシュで躓いた赤ちゃんには待つ姿勢を持つこと。

それこそが、1ヶ月健診に携わる医療者に求められる知恵と包容力と冷静さではないでしょうか。
あんまり”わからんちん”なら、「先生の規準は何を根拠にされているのですか?私はユニセフなんですが・・・」くらいは、言ってもいいはずです。

それで激怒されるようなら、それまでの人です。
どのドクターに罹られるかは、お母さんが選んでいいのです。
でも・・・と、躊躇っておられるお母さんに聞きます。
「そのドクターに後ろめたい弱みを握られているのですか?」
「そのドクターに欠かせない義理でもあるのですか?」
フツー、そんなモノないですよね?

 

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退院までの新生児の体重増加度について

昔気質のドクターですと、生理的体重減少として、減ってしまった体重を退院時には生下時体重まで戻さないと気が済まない方がおられます。
ミルク屋さんから、〇〇でも貰っておられるのか、吐く寸前までグイグイとミルクを飲ませてハイ一丁あがりという段取りです。
必要のないミルクを飲ませても、ドクターのハラは痛みません。
というのも、ミルクはサービスの名のもとに、殆んどが無償供与されるからです。
お母さんに調乳指導という名目で、ミルク屋さんの栄養士さんを派遣し、お土産と称して、自社製品を配布されますが、それもミルク屋さんの”好意”ということで、処理されます。
つまり、ミルク屋さんを病産院に招き入れるだけで、営業に貢献してくださって有難う!と、大変感謝されます。

おっぱいだけで、順調に体重増加が見られていれば、たまに退院時に生下時体重に戻っている新生児がいますが、それはあくまで「たまに」であって、全員が戻るわけではないのです。
順調に戻る兆しが見えていれば、体重面で退院には問題ないのです。
★病院ではおおむね10~14日くらいまでに生下時体重に戻っていれば、OKとしています。
その規準で、新生児に大きな問題が生ずることはまずありません。
新生児の体重は退院時に生下時体重に戻っていなくても、順調に戻る兆しが見えていれば、自信を持って完母でいっちゃってくださいね。

 

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2009年7月29日 (水)

糖尿病合併妊娠のリスク4

そうなると、「糖尿病だったら、おっぱいはあげられるの?」「もし、インシュリンを打たなくてはならない場合でも母乳育児は可能なの?」というギモンが出てくるかと思います。

でも、有り難いことに、糖尿病であっても、母乳育児は可能ですし、母子共に良いことがたくさんあるのです。
まず一番助かるのは、赤ちゃんの糖尿病の発症予防に有効である。・・・ということです。
大まかに分けて、糖尿病には1型と2型がありますが、どちらに対しても、完ミの方よりは発症率が低いんです。
小児肥満にもなりにくいんです。

インシュリンはおっぱいには移行しないので、インシュリンを打ちながらでもおっぱいはあげられます。
妊娠中よりも授乳中は血糖値が低くなりますから、インシュリンの使用量は少なくなります。

おっぱいの分泌量が増えると、お食事の量も増えますが。
おおよその目安はおっぱい100mlにつき、1単位(=80Kcal)増やしますが、個別性がありますから、主治医や栄養士さんの指導に従ってくださいね。

二番目に助かるのは、お母さんの糖尿病の進行を抑えるということです。
ご自分のウェルネスにも繋がります。

糖尿病合併妊娠のリスク3

妊娠性糖尿病の妊婦さんも増えています。
「妊娠性」ということは、出産したら後は関係ないと、”昔”は思われていましたが、実際はそうでないことが判ってきました。

出産後3~6ヶ月の間もない頃の検査でも、5.4%のお母さんが「(妊娠性でない)糖尿病」を発症しています。
出産後5~16年も経った、”忘れた頃”まで追跡した調査によると、17~63%の高頻度で「糖尿病」を発症してしまいます。

でもこれは、「妊娠性糖尿病になったから糖尿病を発症する運命。」ではないのです。
出産後も、定期的にスクリーニングを受けて、お食事や運動をしていくことで、発症を免れることだって可能なんです。

もしかしたら、この記事を読んでおられるお母さんの中に、「あたし、妊娠性糖尿病って言われてた。ガ~ン。」という方も、おられるかもしれません。

毎日のお食事をおろそかにしないこと。
そして、この先妊娠する予定・可能性のある女性は、一度は『糖負荷試験』を受けて、ご自分が大丈夫か否かをはっきりさせ、必要ならば治療を受けることが、必要なんだと、お考え下さいませ。

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糖尿病合併妊娠のリスク2

2007年に岡山大学の平松祐司先生が発表されたデータによると、糖尿病合併妊娠で危惧される胎児の異常は「奇形」だそうです。
赤ちゃんに奇形が発生するかどうかの器官形成期というのは、妊娠の極初期なんですね。
つまり、「もしかして、妊娠したのかな?」という時点では、はっきり言って遅いのです。
一般的に糖負荷試験を行うのは、妊娠中期頃です。
(もちろん、尿検査は初診から毎回行われますが、尿糖だけでは何とも言えないこともあります。)

胎児が奇形かどうか、いわゆる『奇形発生率』というものは、糖尿病のない(=血糖がコントロールされている)妊婦さんですと、1.7%なんです。
妊娠前に治療を開始した妊婦さんは2.1%。
それはど大きな差はありません。
しかし、妊娠後に糖尿病が発覚し、治療開始した妊婦さんは後手に回るので9.0%と、かなりの高率なんです。

さらに、血糖管理が上手くいかないと、『奇形発生率』の数値はドンドン跳ね上がります。
下に大阪府立母子センターのデータを貼り付けさせてもらいます。
血糖だけではなく、HbA1c(=ヘモグロビンエーワンシーと読みます)の数値も重要です。
このHbA1cは「2ヶ月前の食生活が反映される。」と、言われています。
一番上の”~5.9”というのが、正常な方と考えてください。
大事な赤ちゃんに奇形が起きにくくする努力も、妊娠する前の女性ならば、実践してもらいたいなぁと、私は思います。
私もこのデータを見るまでは、ここまで大きな差があるのだということは、知りませんでした。
これからは、妊娠を考えている女性はまず、糖尿病の検査を受けるのがいいのではないかと思います。

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糖尿病合併妊娠のリスク1

5年毎に行われる厚生労働省の調査によると、国内の糖尿病患者さんは毎年新たに10万人、予備軍の方は40万人のペースで増え続けているそうです。
「糖尿病なんて、関係ないわ。」と画面に向かって呟いた貴女、最後まで記事を読んでからにしてくださいねっ。

糖尿病を合併する妊婦さんがも増えているのですよ。
私が学生の頃に習っただけでも、「胎児が巨大児になりやすい」「胎児が低出生体重児になりやすい」「羊水過多症になりやすい」「早産をしやすい」「妊娠高血圧症候群になりやすい」「流産率が高い」などが挙げられます。
出来ることなら、なりたくないことばかりです。

しかも、日本人の女性の場合、”自分が糖尿病だったんだ!”と、判明したのが妊娠中の諸検査を通してというパターンが6割もいらっしゃるということです。
つまり、決して中高年になったから・・・というわけぢゃないのですね。

そして、大きな問題となるのは、糖尿病というのは、自分ひとりの問題ぢゃ済まないということです。
糖尿病合併妊娠のお母さんから生まれた赤ちゃんはやはり糖尿病になりやすいということです。
特に、女の子は将来において妊娠・出産する可能性があるわけですから、その子にも、その次の子(=つまり、貴女のお孫さん)にもリスクが受け継がれていくということです。
でも、その連鎖は断ち切ることが可能なのです。

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2009年7月28日 (火)

乳首が吸われて痛いのは強く吸っているってこと?

誰にも教わったわけではないのに、赤ちゃんが乳首に吸い付くさまは、傍で見ている者にとっても感動的な瞬間ですね。
お母さんになったという実感がこみ上げてきた瞬間はいつですか?という質問に、『誕生の瞬間』に次いで多いのが『おっぱいを吸ってくれた時』というアンケート結果があるくらいです。

但し、痛いくらいに力強く・・・というのはちょっとおかしい。
授乳(直母)=痛いものという図式が成り立ってはいけないのです。
それは効果的な吸啜が出来ていないということ。
浅いか、潰してるか、歪めているか・・・

吸啜が力強いのはいいのですが、痛いはNG.。
そういう時は、一旦赤ちゃんのお口を離して、もう一度咥え直させてくださいね。
正しい吸啜を教え、赤ちゃんにマスターしてもらわないと、乳首ズタボロになっちゃいますよ。
痛過ぎて、母乳育児が出来ないなんて、悲し過ぎるよね。

 

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B型肝炎から家族を守る2

赤ちゃんへの垂直感染(=母子感染)は防御できたとして、旦那さんはどうなるのか?
というギモンが湧いてくると思います。
水平感染(=夫婦間感染)も血液を介して感染します。
例えば局部が怪我をしている時に、性生活をすれば感染の可能性大です。

「わざわざ病院に行くのもナンだしなぁ。」というお父さんは、職場健診や人間ドックの際にお願いして採血をしてもらったら感染しているか否かは判明します。
HBe抗原が(+)ならば、感染の可能性大なんですね。

こればっかりは、個人で頑張ればどうにかなる・・・って言うものぢゃ有りません。
1回は検査してもらいましょう。
検査を受けなくちゃ感染の有無は判断出来ません。

また、B型肝炎のワクチン接種は、年齢的なリミットがあります。
臨床的に見ていますと、おおむね40歳以上の方に接種しても、HBs抗体は出来ません。
可愛いお子さんのためにも、B型肝炎のワクチンは接種した方がいいと思います。
もし、気づかぬうちにキャリアになったら・・・これまで通りに仕事が出来なくなったり、入院せねばならない事態にだってなるかもしれません。
40歳までの旦那さんは、今が防御のチャンスだと思ってくださいね。

このB型肝炎のワクチンは、血液に触れる可能性のある医療関係者ならば、HBs抗体を作るために接種しています。
なかなかHBs抗体が出来なくて、毎年受ける方もおられます。

SOLANINは、B型肝炎のワクチンの接種していませんが、何故か、20歳以降にHBs抗体だけが出来ました。
実家の家族は誰も抗原はおろか抗体もありません。
内科のドクターには、「若い頃、軽い感染をしたのでしょう。」と言われましたが、思い当たるフシは全くありません。
未だに謎です。
もちろん旦那も調べてもらいましたが、抗原も抗体もありません。
子供たちも。
SOLANINは誰かに感染させることはないけれど、B型肝炎の患者さんが来られても、HBs抗体があるから怖くないです。

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B型肝炎から家族を守る1

その昔、血液を介して感染る病気の一種であるB型肝炎は防御の方法が分からず、出産時の「垂直感染(=母子感染)」は不可抗力のように捉えられていました。

時は流れ、B型肝炎は防御が可能な病気になりました。
特に赤ちゃんには絶対に感染させたくないと思います。
万一出生後の赤ちゃんに何もしなければ、95%以上の確率で感染します。
85%以上はキャリア(=保因者)になってしまいます。
B型肝炎はC型肝炎に比較しても感染力が強く、もしキャリアになってしまったら、病気が進行すると命に関わるから、恐ろしいのです。(もちろん、肝機能正常な無症候性キャリアという可能性もあります。・・・血液検査で分かります。)

可愛い赤ちゃんを感染から防御するためには?
そのためには『予防プログラム』を進めていかなくてはなりません。
まず、出生して48時間以内に赤ちゃんに免疫グロブリンを注射します。
担当のドクターから血液製剤を使用するにあたり、同意書にサインしてくださいと依頼されると思います。
その後赤ちゃんへの免疫グロブリンは1ヶ月健診の時くらいに注射します。
2ヶ月時にも赤ちゃんに注射するのが基本ですが、ウイルス量が少なければ、稀に注射しないこともありますが、注射されるもんだと心しておいてもらった方が無難です。

しかし、免疫グロブリンだけでは防御としては未完成です。
もうひとつの柱、つまりB型肝炎ワクチンを接種しなくてはなりません。
このワクチンは通常2ヶ月時、3ヶ月時、5ヶ月時の3回接種します。
これらを全て行って『予防プログラム』が完了したことになります。

赤ちゃんが感染防御に成功したか否かは、生後6ヶ月の時点で赤ちゃんがHBs抗体を獲得していたら”成功”したことを意味します。
もし、HBs抗体が出来ていなければ、B型肝炎のワクチンの追加接種が必要です。
もし、HBs抗原が出来てしまったら、『予防プログラム』は”失敗”したことになります。
”失敗”だからといって、B型肝炎のワクチンを接種しても、残念ながら効果はありません。
また、念のため、『予防プログラム』が完了しても最短で3年間はキャリア化しないかどうか、フォローアップが必要です。
適切な時期に、適切な防御行動を取れば、B型肝炎は防御できると考えていいです。

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2009年7月27日 (月)

自然災害と母乳育児

夏休みに入ってから、山での遭難が相次ぎ痛ましい結果となった報道を見ておりますと、ご冥福をお祈りしなくてな・・・という気持ちになります。
が、山に登るということは、ある程度自分で選択したことでもあります。

そうではなくて、集中豪雨の影響で、山津波が発生したり、浸水したりというのは、本人が選びようがないことですよね。
読者やアメンバーのみなさんは、今のところ大丈夫でしょうが(被害に遭われて避難しておられるのは、ご年配の方が多い印象ですので・・・)こと、自然災害に関しては、ある日突然ですからねぇ。

さて、もし(考えたくもないでしょうが)赤ちゃんがおられる状況で被災してしまったらどうなるのか?
そういう場合でも母乳育児は威力を発揮します。
万一被災して避難所暮らしを余儀なくされた場合でも・・・です。
なぜなら、完ミですと、赤ちゃんが困らないように調乳・洗浄のためのキレイな水や、沸かすための電気ポットやカセットガスや、消毒液を常備してすぐに活用出来るようにしなければ、1日たりとも過ごせないからです。

ライフラインの大半が遮断されても、授乳場所さえ確保されれば、最悪お母さんがお握りとお水しかもらえなくても、衛生面その他赤ちゃんの授乳で心配なことは何も無いからです。
東京都の知事さんは、ミルク育児推進なのか、災害対策関係の資料を見た方からの伝聞ですが、『ミルクの備蓄がどうのこうの・・・」という文書を都職員に作らせておられるとのことです。(もし違ってたら、都知事さん、ごめんなさいね。)
出来る限り母乳でということを推進したほうが、弱者となる赤ちゃんを守ることになると思うのですが・・・
そのためには、妊娠出産の段階から妊婦さんに『いかなる時も、何を優先するか。』ということを、認知してもらえるように、予め情報提供するべきぢゃないでしょうか?
お母さんとなる方のスタンスが変われば、ドクターも変わらざるを得ませんから。

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おっぱいの消化時間は粉ミルクの半分です!

おおまかに言って、食物は胃で消化し、腸で吸収することは、読者のみなさんはご存知ですか?ですよね?
粉ミルクの消化時間は3時間です。
だから、母子異室の病産院で「授乳室に3時間毎に通う。」という授乳スタイルが成り立つわけです。
つまり、粉ミルクをあげることを前提にしているから、「授乳間隔は3時間は空けてね。」なぁんていう授乳指導が行われちゃうのですね。
「おっぱいだろうが、粉ミルクだろうが、どっちだっていいのよ。」という方にはそれでいいのかもしれませんが、こと母乳育児をしようとしているお母さんにとっては、何のメリットもない仕組みです。
おっぱいは消化が早いし、赤ちゃんの胃は小さく、これから先、ドンドン成長していく存在だから、おっぱいで育てるなら頻回直母は必須ですね。
なので、おっぱいの赤ちゃんは3時間空くこともあるかもしれないくらいに考えておいてもらった方が産後と惑わないのではないかと思います。

ところで・・・最近は母子異室でも授乳に際し、赤ちゃんが泣いたらお母さんに来てもらうか、お母さんのお部屋に連れて行くスタイルの病産院もあるそうですね。
ではなぜそこまでして、母子同室に転換されないのかな?
もしかして、赤ちゃんを預かることが医療サービスのひとつだとお考えなのでしょうか?
違うんだけどなぁ・・・

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2009年7月26日 (日)

乳房の緊満のコントロールについて

初産で3ヶ月以内ですと、授乳間隔が3時間も経てば、乳房がほんわか温かくなったり、強烈な場合はカチカチになってきます。
左右同じように緊満しているならば、同じように先搾りしてからおっぱいを飲ませるといいのですが、過去の記事にも書いたように、「利きおっぱい」はあるわけで、片方だけカチカチになるお母さんもおられることでしょう。

これはつまり、片方だけ分泌過剰な状態です。
コントロールとしては、緊満しないほうから飲ませるようにすることと、授乳の度に先搾りするといいのですが、あまり緊満の程度がキツくなければ、毎回でなくてもいいです。
また、乳頭・乳輪が柔らかく、舌で巻き付けやすくなる程度にすれば充分です。
分泌過剰な方ですと、片方の乳房からだけで100mlくらい搾れてしまうこともありますが、それをやっちゃうと、2時間後にはおっぱいが暴発しそうになるおそれがありますから、止めてくださいね。

それから、基本的に乳房は冷やさない方がいいのですが、左右差が出過ぎて、カップサイズが3つくらい変わるなら、分泌過剰な側だけ数日間冷罨法することもあります。
じゃがいも湿布で宥めることもあります。
飲み終わった後、乳房を触って、痛みを伴うしこりがないかどうか、時々チェックしてくださいね。

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生後1カ月以降で、夕方からすっぽんになる赤ちゃん

一人目さんで、おっぱいが上手くいかなかった経験をお持ちのお母さんは、とても心配性になってしまいがちです。
Kさんもそうでした。
一人目は、いわゆるカンの強い赤ちゃんで、1か月経たないうちにおっぱいを諦めてしまわれた方でした。
二人目は一人目とは「別キャラ」らしく、飲んだらすぐに寝る赤ちゃんで、とてもしやすく、1ヶ月健診でも完母で体重増加度は60g/日を超える物凄い増え方でした。
それからたったの2週間後、浮かない声で★病院の母乳外来に相談の電話があったのです。
「夕方になったら、虐待してるみたいにギャン泣きして、30分以上おっぱいに吸いつくし、離そうとするとまたギャン泣きなんです。
上の子の時に買った育児書にも30分間以上ダラダラ飲ませてはいけないとか、母乳不足の証拠みたいに書いてあって、そうならミルクの補足を検討しなくてはならないのかなと心配で。」とのこと。

読者の皆さんなら「そりゃあ違いますよ。」ってことは分かると思います。
これで母乳不足なんて言われたら、みんな母乳不足になっちゃいますから。
そんな筈ないですから。
でも、きっと、一人目さんの時の経験が虎馬みたいになって、ご自分のおっぱいに対する評価が低いのですね。
で、ネガティヴな考え方に陥ってしまうのですね。
とりあえず、30分間以上でも、赤ちゃんの気の済むように飲ませてあげたらいいことと、充分足りていてもおなかが苦しくて泣いたりすることもあるのだということをお話して、2か月同窓会に参加するよう、勧めました。

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育児休暇明けで、添い乳でしか赤ちゃんがネンネしてくれない場合

育児休暇明けで職場復帰した際、仕事中に乳房が張って来て、すぐには搾れない場合の対処法については、過去の記事でも書きました。
が、日勤帯ばかりのお仕事に復帰される方ばかりぢゃないですもんね。
看護師さんだと、準夜帯や深夜帯にお仕事することだって、充分あります。

育児休暇明けの夜勤をするお母さんが憂鬱なのは、添い乳でしかネンネが出来ないわが子を旦那さんや、実母もしくは義母さんに預けるとして、どうやって寝かせるか?
迷惑はかけたくないし、かといって夜勤免除は難しいし・・・というトコロではないでしょうか?

育児休暇がどのくらい取得出来るのかにもよりますが、看護師さんで比較的多いのは「1年間」というパターンです。
お母さんにしてみたら、「物心つきかけてるし、どうすんのよ?」と悩ましいでしょうが、
赤ちゃんに真剣に職場復帰のことをお話してますか?
1歳くらいになれば、短いセンテンスの会話なら理解出来ます。
「お母さんはもうすぐ、お仕事に出ることになるよ。」
「しばらくはお昼間のお仕事だから、その間は保育園に行くよ。」
「お迎えの時はおっぱいを飲めるよ。」
「そのうち夜もお仕事するよ。」
「その日の夜はおっぱいナシだけど、お父さんと(おばあちゃんと)ネンネするよ。」
「お母さんはいなくても、おりこうさんしてネンネしてね。」
「お母さんがお家に帰って来たらおっぱいは飲めるから待っててね。」
「でも、今日はネンネの時におっぱいが貰えるから安心してね。」

これだけのことを、繰り返し何度もお話してください。
最初の1~2回は確かに寝つきが悪いかもしれませんが、お母さんがお家に帰られたら、「おりこうだね~。待っててくれたんだね~。さぁ、おっぱいしよう。」と誘ってあげましょう。
「今日はおっぱいナシだけど、おりこうにして、ネンネしてね。」と伝えると、赤ちゃんも翌朝のおっぱいがひときわ美味しく感じられるでしょう。
赤ちゃんはお母さんが心配するよりも、順応性があります。
でも、必ず予告はしっかりとね。

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2009年7月25日 (土)

哺乳瓶哺乳がNGな赤ちゃんを預ける時は?

親戚、友人を問わず、結婚式・披露宴などに出席するにあたり、おっぱいをどうするか?という問題に直面することは、誰にだって有り得ることです。
離乳食を食べられる時期の赤ちゃんならば、その時間食べさせてもらうことで、出かけることも可能ですが、半年までのおっぱいだけの時期ですと、そうもいきませんね。

その時だけミルクにする?
う~ん。でもねぇ。
赤ちゃんだって味覚くらいありますから、いつもとかけ離れているお味のものを与えられても困惑しますよ。
特に「生まれてこのかた哺乳瓶なんて使ったことない場合。」
「以前に何度か試したけど哺乳瓶が嫌いな場合。」
「生まれてしばらくは直母が出来ず、搾乳を哺乳瓶であげていたけど、ようやく乳頭混乱を克服して直母が出来るようになった場合。」などは、そもそも、哺乳瓶による哺乳がNGな赤ちゃんなので、たった1日のために何日も前から練習しても、首尾よくマスターしてくれるとは限らないです。
赤ちゃんにしてみたら、
「なぜこんなことしなくちゃならないのか?」
「目の前にいつものおっぱいがあるのに、なんでいつも通りにもらえないのか?」
という心境だと推察されます。

ぢゃ、どうすればいいのか?
これは、私も経験ありますが、実母もしくは旦那に付き添いしてもらい、控室で待機してもらいます。
予めウエイター・ウエイトレスさんにメッセンジャーになって頂く旨お願いしておきます。
赤ちゃんが泣いたらメモなどで知らせてもらい、さりげなく控室に赴き、おっぱいをあげます。
終わったら、再び席に戻ります。

付き添いが頼めない場合、誰かに自宅か実家で預かって貰う場合、せめて冷凍母乳を多目に準備しておきます。
1回の授乳の前に10mlずつでもいいから、まめに搾り、冷蔵します。
ホントは1回分ずつ専用バッグに入れるのですが、衛生的に作業するなら、2~3回分の冷蔵母乳を合体させてから冷凍バッグに詰めてもいいです。
家庭の冷凍庫でゆうに1カ月は品質保持出来ます。
1か月以内ならば、日付の違うのを混ぜても大丈夫です。(詳しくは冷凍母乳についての過去の記事を読んでね。)

飲ませる場合は、当日までに何度か、おなかが空き始めた頃か、お風呂上りやお散歩の後で喉が渇いているような時を狙って、小さいコップか、ストローか、スポイドなどを活用し、お母さん以外の方がお味見程度に少量あげてもいいでしょう。
その際はもちろん、普段通りにおっぱいを飲む時も、月齢の大きい小さいを問わず、何日も前から赤ちゃんには予告をしておいてください。(赤ちゃんにもココロの準備が必要ですから。)「お母さんが留守をすることがあること。」「その間は誰がお世話をしてくれるかということ。」「おっぱいはどんな方法で飲むかということ。」「お母さんは必ず帰って来て、またいつも通りにおっぱいが飲めること。」・・・くらいは、何度もくどいくらいに繰り返して聞いてもらってね。
もちろん、赤ちゃんを抱っこして、目を見て真剣に語りかけてください。

花嫁・花婿いずれも恐らく赤ちゃんのいる日常が判っていませんから、招待状を寄越すんですね。
で、貰った方は困るわけです。
自分の結婚式や披露宴の時に来てもらってたら、義理を欠いてはいけないし、そりゃあまぁ、ちょっとくらいは気分転換に出かけてみたい気持ちもあるかもしれないけどね。
もちろん、招待する側が親族などで断りようがないこともありますが・・・
赤ちゃんはモノぢゃないから、いつも一緒にいて当然の存在だから、お母さんと離そうとするから、問題になるのですね。

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上の子の粘血便が心配だけど、ドクターは大丈夫って・・・

幼児期になると、カラダも大きく逞しくなり、病気に対する抵抗力も付いてきますから、大抵はお母さんも慌てたりはされないでしょうが、ある日、少量とはいえ、粘血便が出てきたら、びっくりですね。
心配になり、小児科に受診されることもあるでしょう。

一般的に粘血便というものが起きるには原因があります。
ざっと思いつくままに挙げますと、「腸重積」(腹痛・嘔吐を伴う)「切れ痔」「胃や十二指腸潰瘍による出血」などが挙げられますが、感染る病気に罹ると、粘血便が出ることもあります。
O157とかサルモネラのような怖い菌による細菌感染(=いわゆる食中毒)もありますが、症状が軽い(=機嫌が良く、食欲もあり、熱発もなく、活気がある)ならば、ありふれた菌だし、子供の抵抗力の方が勝っていますから、様子を見ましょうと仰るものです。

うんちが緩い目の時も、下痢止めの類を安易に使用すると、腸の中で細菌が増える一方となり、症状が悪化しますから、止めましょうね。

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レントゲン撮影と母乳育児

いわゆる、レントゲン撮影といっても、様々なカタチがあります。
単純X線撮影(例えば胸部のレントゲン・・・健康診査などで撮影するアレです。)は全く問題なし。
歯の治療のために精査目的のレントゲンに至っては、方向も違うし、線量も微々たるものですから、大丈夫。
造影剤を使用しない単純CT撮影もOK。
胃の検査でバリウムを使う、胃透視も、バリウムは消化管から吸収されないので、おっぱいひいては赤ちゃんにも影響はないと考えてもらっていいです。
点滴型の水溶性造影剤(オムニパーク、イオパークなど)は添付文書には48時間は授乳を避けると書いてありますが、確かに乳汁中にも分泌はされるのですが、半減期が短いタイプの造影剤ですし、消化管からの吸収も、0.1%未満だということが判明していますので、撮影直後からの授乳をしても、赤ちゃんには何ら心配は要りません。

唯一?24時間以上搾乳して廃棄しなくてはならないのは、ガリウムシンチの時くらいかなぁ。

残念なことに、放射線科のドクターは、授乳との関係について、あまりお詳しい方が少ないのが現状なんですね。
なので、造影剤の添付文書の通りの説明しかしてもらえないことは、往々にしてあります。

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2009年7月24日 (金)

舌小帯短縮症と手術

舌小帯短縮症の赤ちゃんが何に難儀するかというと、「舌運動がぎこちないので疲れやすい」「ちょこちょこ飲みになりがち」「先ばかり吸うので、乳頭損傷が酷くなりやすい」「しっかり飲めないから体重増加不良になることがある」「しっかり飲めないから飲み残しが多く、しこりが出来やすかったり、乳腺炎になりやすい」「癇癪をおこしやすい」等々が挙げられます。

O式の先生は舌小帯短縮症の赤ちゃんに手術を勧められることが多く見受けられます。
重度の吸啜障害なら必要かもしれませんが、日本小児科学会では推奨していません。
手術をして、舌の動きが良くなったように見えても、「見えるだけ」のこともあるし、瘢痕化して、結局効果なしということもあるからです。
また、小なりとはいえ、「手術」ですから、赤ちゃんのカラダへの負担を考えると、如何なものか?ということです。

ぢゃあ、SOLANINはどう考えるのかと申しますと、私も基本的には安易な手術はお勧めしません。

吸啜障害といっても、程度があるし、ポジショニングや乳房のコンディションを調整するだけで、解決することが多くあるからです。
物心ついてからの手術はしのびないという保護者もおられますが、舌小帯短縮症が本当に問題になるのは、お話が出来るようになってからです。
「舌足らずな喋り方しか出来ない(例えば、「さとしくん」という名前なら「たとちつん」としか発音出来ない)」「RとLの発音が使い分けられない」「睡眠時無呼吸症候群である」など、本人が必要性を感じて受けるという方が納得できるのではないでしょうか。

吸啜については過去の記事にもあるように、4800gを超えれば大抵解決しますからね。

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幼児が空腹感を持たないことの弊害

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「幼児が空腹感を持たないことの弊害。(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

空腹感を持たない状態とはどういうことでしょうか。
それは、ダラダラと糖分を摂っているということからきます。
つまり、糖分を含む飲み物(ジュース類やスポーツドリンク、乳酸菌飲料など)やお菓子をいつでも好きなだけ飲みかつ食べる状態です。

おなかが空いていないのに、惰性で口に入れているのです。
ヒトはおなかが空いていないのに、食べると、あまり噛もうとしなくなります。
噛むことが少なくなると、口腔機能の発達が妨げられます。

ダラダラ食いは、歯の脱灰が助長されます。
歯の再石灰化には、脱灰の2倍の時間がかかると言われています。
乳歯のエナメル質の厚みは永久歯の1/2ですし、その段階に達するまでに、2~3年かかることは、読者のみなさんはよくご存じですよね?
つまるところ、ダラダラ食いは歯の『溶けホーダイ・ダブル』って感じなんですね。
あちゃ~。
この間、仕事帰り(もちろん夕方)の道端で、袋入りスナック菓子を持って歩きながら食べている推定年齢2歳児を見たものですから・・・
お~い。
保護者出てこ~い。

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気をつけてね★ミルクを与えてからおっぱいを与えるぅ?

ミルク屋さんの回し者の医療者は時々トンでもないことを、赤ちゃんのお母さんに吹き込むので大変困ります。
いわく「体重増加が少ないから、ミルクを足すことになります。まず、ミルクをたっぷりあげて、そのあとにおっぱいをあげましょう。」・・・これ、実例ですよ。
信じられますか?

私に言わせてもらうと、この医療者はとんでもないアンポンタンですよ。
馬鹿ぢゃなかろうか。
信じられないです。

そんなことしでかしたら、おいっぱいの分泌がドンドン低下して、あっという間に完ミに移行してしまいますよ。
もし、どうしても、貴女を担当した医療者が補足が必要というならば、”母乳育児の専門的知識を持つ医療者”に、足す前にセカンドオピニオン聞いてください。
それでも補足が必要ならば、必ず、おっぱいの後にミルク。
これが鉄則です。
順番逆にしては駄目なんです。
混合栄養の場合粉ミルクの缶蓋の数値を鵜呑みにしては危険です。
あれは、足し過ぎの元凶です。
ミルク屋さんの回し者の医療者の文言を盲信しないでね。
お願いします。

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2009年7月23日 (木)

断乳を焦るお母さん3

生まれてこのかた、お母さんが大好きで、毎日何度もおっぱいを飲んできたのです。
初めての赤ちゃんならば、日中何時間もお母さんと離れることなんて、殆ど経験が無い筈です。

なのに、ある日お母さんが何処かに行ってしまう。
子供は(特に赤ちゃんに近いほど)暦なんてカンケーないんです。
それは大人の都合に過ぎないんです。
寂しくて、悲しい想いをするのです。
そりゃあ、少しずつ、保育園には慣れますよ。
ウチにはないおもちゃがあって、お友達がいて、色々な遊びを楽しんで、みんなと同じおやつやお給食を食べて、お昼寝して・・・
保育士さんっていい人なんだな、優しいんだなということに、気が付きますよ。

でも、いいことばっかりぢゃない。
お友達と喧嘩したり、先生に叱られちゃったり、トイレに失敗して情けない気持ちになることだってあるでしょう。
運動会前ならば、お遊戯やかけっこの練習があります。
頑張ってるのにお友達より上手に出来なかったり、負けて悔しい想いを抱えていることだってあるでしょう。

そんな時、お迎えに来てくれたお母さんが抱っこしておっぱいを飲ませてくれたら、子供はモヤモヤした気持ちをリセット出来るんですね。
魔法のように。

お母さんだってそうですよ。
仕事が上手くいかない日だってあります。
お客さんからクレームがあったり、書類をうっかり間違えて上司に叱られることだってあります。
早く帰りたいのに、余計な仕事を押し付けられることだってあります。
訳の分からないズブズブの濡れ衣を着せられることだってあります。
旦那さんと言い争いになることだって、義母とバトルの火ぶたが切って落とされることだってあります。

そんな時、抱っこしたわが子が安心しきった表情で、おっぱいを飲んでいるのを見ると、自分のささくれ立った気持ちが癒されます。
お母さん自身が、おっぱいで気持ちのリセットが出来るんですね。
簡単に手放すようなことぢゃないと思いますよ。
勿体ないですよ。

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断乳を焦るお母さん2

断乳・・・やろうと思えば出来ますよ。
でもねぇ、ある日突然お母さんと離れて、そんでもって生まれてこのかた一番大好き
なおっぱいが無くなったら、子供がどんな思いをするだろうか?

断乳を強行したら、食の細い子だったら反動で食べるようになることもありますが、逆にハンストして、弱っていった赤ちゃんを私は知っています。
チック症状が出た子もいます。
仕事に明け暮れてても、子供が病気になったら、保育園はお休みしなくちゃなりませんからね。
病気の子供は誰が見てくれるんだろう?
近くに住むおばあちゃんが見てくれないから、保育園のお世話になるのよね?
おっぱいを止めたら、病気に罹り易くなるのにね。
治りだって遅くなるし。
軽い鼻水や咳くらいでお休みなんかさせませんから、なにがしかのウィルスが、グルグル回っていることだってありますよ。

SOLANINは長男が1歳、次男と長女は2歳から保育園にお世話になりましたから、未満児がどのくらい感染症に罹るかは、身をもって体験してますからね。
まして、途中入所の0歳児でしょう?
下手すりゃ毎週小児科通いしつつ、保育園にお薬持参で、それこそ薄氷を踏む思いで、出勤しなくちゃなりませんわな。
子供が病気になったら、大事な仕事に大穴空けてしまうのは、確実ですな。

お母さんが仕事を続けることは、もちろん家族や職場の理解と協力が必要ですが、
わが子が健康でいてくれればこそ・・・なんですね。
これまでずっと自宅にいて、初めての赤ちゃんならば、大きな病気なんてしませんからねぇ。(二人目以降は、上の子が園や学校から、何やかやと”仕入れて”きます。)
せいぜい、軽い風邪か突発性発疹くらいでしょうから、イメージがつかないのかも。

でも、はっきりと言えることは、仕事復帰されたお母さんがどんな形にせよおっぱいを続けることは、離れて過ごすわが子に『免疫の護符』を持たせているようなものなんですね。
お母さんの方から易々と手放してはいかんのです。
(以下続く)

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断乳を焦るお母さん1

約1ヶ月後にお仕事に復帰されるお母さんが★病院の母乳外来に来られました。 赤ちゃんは、3週間後から、慣らし保育で、その2週間後からお母さんはフルタイム勤務だそうです。
離乳食は一応3回食に入ったトコロで、食べっぷりはフツーとのことでしたが、おっぱいは日中5回で夜中2~3回は咥えたがるとのことでした。
お話から、「お仕事は幼児教育関係」「休憩時間は昼休みがあるものの、のんびりとはお休み出来ない」「以前1度だけ乳腺炎になったが、物凄く痛くて辛かった」「まともに搾れるのは多分1回/日」「仕事復帰してからの断乳は、夜中ギャン泣きされると次の日の仕事に差しさわりがあるので、とても不可能」「なので、今のうちに断乳したい」とのことでした。

う~ん。
断乳したいオーラ全開ですな。
このお母さん、お仕事に復帰されることにしか見えてないですね。
赤ちゃんは10カ月で、お母さんの悩みとは無関係に元気にハイハイしたり、つかまり立ちして笑っていました。
オメメがキラキラのいたずらっ子でした。
「君の大事なおっぱいの一大事なんだぞ。笑ってる場合ぢゃないんだからね。」

このお母さん、仕事大好きなんだろうな。
団塊の世代風に言えば、「モーレツ社員」ってトコロかな。
もしかして、これまでの育児休暇中、おっぱいあげることを全く楽しめなかったのかな?
幼児教育では立派なキャリアを積んでおられるも、わが子=乳児のお世話は苦手だったのかな?
相談の言葉から、赤ちゃんやおっぱいへの想いが一言も述べられないことに、私は言いようのない違和感を感じました。
(以下続く)

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2009年7月22日 (水)

臼歯が生えてきたおっぱい星人のお口のケア

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「臼歯が生えてきたおっぱい星人のお口のケア。(改訂版)公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。


以下過去記事


臼歯の生える時期には個人差がありますが、おおむね1歳半を過ぎると生えてきます。
お食事の内容も赤ちゃん時代とはかなり変化してきます。
おやつのバリエーションも増えてきます。

この時期気をつけるのは、お砂糖の摂り過ぎです。
以前、赤ちゃんのお砂糖の摂取量は微量である旨をお話しましたが、お砂糖をたくさん摂取すると、虫歯リスクはババ~ンと跳ね上がります。
歯磨きの注意ポイントは上顎の乳中切歯の裏側ということは変わりないですが、それに加えて、食べ物のカスが溜まる臼歯の溝は要注意です。
お砂糖を制限する習慣はそれだけで、お口のケアのひとつでもあります。

2歳を過ぎると、ダラダラ飲みは危険です。
ダラダラ飲みとは、外にも行かず、遊びもせず、TVやDVDを観る以外は、ご飯そっちのけでおっぱいにしがみついているような飲み方をしている状態です。
仕上げ磨きをした後ネンネの前や、兄弟げんかに負けた際、悔しくて悲しい時に「おっぱいちょうだいよ~。」と、擦り寄って来ておっぱいを飲むのは自然な振る舞いですし、そんなことでは虫歯リスクは高くなったりしません。
母乳不足でお悩みですか?

※この記事のコメントは見つかっておりません。ご了承ください。

手掴みで食べるということ

離乳食が始まってしばらくすると、赤ちゃん自身がスプーンを持ちたがったり、手掴みで食べようとするようになってきます。
溢すから汚くなるからと、自分で食べたい気持ちを制限すると、食べようとする意欲を摘み取ることになりますから、将来的なことまで視野に入れると、よくないです。
この時期は出来るだけレジャーシートや新聞紙などを、赤ちゃんの下に敷いて、溢してしまっても、大目に見てチャレンジさせてやってください。
合間にお母さんが上手く赤ちゃんのお口に離乳食をちょいちょいと入れてやってくださいね。

但し、食べ物を捏ね回したり、投げつけたら叱り、一度お口に入れ噛んでいたものを吐き出したり、遊んでいるようならば、毅然として叱り、止めさせましょう。

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モンスター父ちゃん登場3

私が久々に衝撃を受けたモンスター父ちゃんですが、今日は小児科外来でもこの話題がトップニュースだったようで、外来の看護師さんも事務員さんも呆れてものが言えないというコメントでした。
でも、外来の看護師のUさんは、S病院に勤務してらした数年前に強烈な父ちゃんに出会ったお話をしてくれました。
それはですね、あっ、そうそう、SOLANINはプロフで『政治と宗教にはカブレないAB型』と自己紹介してますが、これは宗教絡みなので最初にお断りしておきます。
宗教・・・何教かは分からないのですが、粉ミルクは低栄養だからあげても意味がないというか、あげてはいけないという教義だったそうです。
S病院は母子異室なので、おっぱいが上手くいく方が少なかったようです。
その方も、おっぱいだけでは困難だったとかで、入院中からミルクの補足をしていたのですね。
そうしたら、旦那さんが退院して帰宅するや否や、Z○○○Sのプロテインをシェーカーで溶かし、赤ちゃんに毎日毎回補足していたそうです。

赤ちゃんはいつまでたっても下痢が止まらず、3kgで生まれてきて、1歳健診で5kgしかなかったそうです。
これって虐待ですよね?

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2009年7月21日 (火)

モンスター父ちゃん登場2

その電話はまさに仰天モノでした。
「妻が眠りこけて起こしておっぱいを・・・というのが可哀想で、○永乳業のク○ープを飲ませました。乳製品だから、まぁいいかと思って。家に粉ミルクはなかったし。熱湯で溶いたんですが、さすがにそのままでは熱過ぎるので、蛇口から水道水を足して冷ましたものを哺乳瓶に入れ、赤ちゃんに飲ませたんです。丁度飲み終わった頃、何だか心配になって、今こうして電話してるんですが、ヤバイですか?」
ヤバ過ぎます。
問題外です。
妻に気を遣い過ぎです。
っていうか、気を遣う方向が全くトチ狂ってます。
だいたい、生後数日の新生児にいくら乳製品とはいえ、○永乳業のク○ープを飲ませるなんてありえない。(メーカーさんだって、ビックリだと思います。)
私もこの仕事長いけど、ク○ープを新生児に飲ませた父ちゃんは初めてですな。
そんなに眠りこけてる妻に気を遣いまくって、深夜帯の忙しい病院に、時間ごとに変な電話掛けてきて、そっちの方には気を遣えないのか?

赤ちゃんはその後グズグズ泣きっぱなしで、自分のしでかしたことを、妻に報告したら、妻は金切り声をあげて、自分の連れ合いをコテンパンになじったとか。
そして、赤ちゃんは結局小児科受診されたみたいで、その前に病棟で、主任さんが対応した時、赤ちゃんがうんちをしたので、チェックしたら、真っ白な塊がゴロっと出てきたそうです。
そう、言うまでもなく、真っ白な塊はク○ープの塊です。
それが出たらフツーの黄色い乳便が出ました。
きっと、赤ちゃんおなかが痛かったんだと思います。
眠りこけてる妻を起こすより、新生児にク○ープ飲ませる方が可哀想だし、異常だし、許されないことです。
病院も、これから毎日、深夜帯に時間ごとに変な電話掛けられては堪りませんから、
「保健センターの保健師さんが無料で家庭訪問してくださるので、頼みにくければ、病院から連絡させてもらいましょうか?」と聞いたら、速攻で、「結構です。子育てには何の不安もありませんから。」ですと。
変でしょう?
明々後日、私、その方の2週間健診の対応をしなくてはならないんです。
大丈夫だろうか?
イマイチ自信ありません。

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モンスター父ちゃん登場1

★病院に限らず、最近はどこの病産院でも、「ちょっと、おかしくない?」と言いたくなる方がたまにおられるのではないでしょうか?
今日の深夜勤と日勤のスタッフを仰天させる事件が発生しました。

育児不安のある方は電話相談も承っていますが、夜勤帯はスタッフが3人なので、出産が立て込むと対応は出来ません。
人員に余裕がある日勤帯にしていただくようになっております。

ところが、2日前に退院したばかりの赤ちゃんのお父さんが、夜中の1時過ぎに電話を掛けてこられ、「赤ちゃんの黄疸が気になるが今から受診したい。ついては検査してほしい。」と。
What?   意味分かりません。今、夜中の1時過ぎなんですよ。
どこの世界に夜中の1時過ぎに新生児を受診させて黄疸の検査をする病産院がありますかね?
もちろん、この赤ちゃんは入院中から黄疸の検査にはデータ的にかすりもしない健常児ですから、緊急性のカケラもありません。
それからも、1時間置きくらいに「うんちが毎回出る。」「赤ちゃんが泣きだすが、妻がグッスリ寝て起こすのがかわいそうだがどうしたらいいか?」等々、威力業務妨害かとしか思えないことを電話相談してきたそうです。

そして・・・日勤のスタートあたりで、とんでもない事態が発生したのです。
(以下続く)

乳がんと母乳育児

最近は乳がんの手術療法も全摘ではなくて、部分切除・温存する術式が増えてきています。
今日、アヒルちゃんのCMのがん保険のパンフがなぜかウチに来ていたので、ざっと目をとおしたところ、乳がんの5年生存率は83.1%とのこと。

ということは一昔前よりも、乳がんを患った女性が出産されることが増えてきていることが想定されます。
実際、片側の乳房を手術され(温存する術式)、健側の乳房でおっぱいをあげておられる(しかも完母で)という方に(数人ですが)、SOLANINは出会っています。

妊娠出来る段階で、抗がん剤を使用されてないですから、授乳は可能なんです。
注意すべきは、患側の乳房は乳腺組織が少ないものの残っていますから、折に触れ冷罨法などで鎮めておくことが必要です。
不用意に「お菓子祭り」などを開催すると、患側も酷い乳腺炎になったりしますから、
危険です。
母乳育児を経験された女性の方が、そうでない場合よりも乳がんの発症率が低いんですね。
つまり、母乳育児は健側の乳房を守ることにも繋がります。

またもし、患側におっぱいが溜まったようなしこりが出来たら、適宜排乳します。

2009年7月20日 (月)

赤ちゃん用のお菓子なら虫歯になりにくい?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「赤ちゃん用のお菓子なら虫歯になりにくい?(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

ph的に酸性のものは、歯が溶けやすいのはここでも何度か記事にしましたので、ご存知の読者さんも多いと思います。
いわゆる、『赤ちゃんせんべい』『赤ちゃんウエハース』『ボーロ』の類には、成分として小麦が使用されているかと思います。
小麦のphは、かなりの酸性なので、フツーのお菓子よりは、塩分や糖分控えめかもしれませんが、虫歯になりにくいわけではありません。

もちろん、赤ちゃん用お菓子をひとつもあげたらダメというのではないですが、赤ちゃんや小さい子にとっては「おやつ=甘いもの」ではなく、「カラダ作りのための第4のお食事」くらいのつもりで丁度と考えてください。

ずいぶん前ですが、某所で『砂糖不使用・虫歯予防に効果のあるキシリトール使用クッキー』というものを販売されてるのを見たことがあります。
砂糖の代りにキシリトールを100%使用した製品でした。
その時は「ふ~ん。そうなんだ。」くらいにしか感じませんでしたが、歯科のお勉強をしてからは「意味ないし、こんな効能まがいのことキャッチコピーにしたら駄目じゃん。」ということに気づいたSOLANINでした。

お菓子をあげた後は、歯磨きちゃんとしましょうね。(仕上げ磨きも。)

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先天性胆道閉鎖症の赤ちゃんのうんち

先天性胆道閉鎖症という赤ちゃんの病気があります。
この病気の治療のためには、昔は海外で死体肝移植を受けなくてはなりませんでした。
是非はともかく、十数年前から国内では主に大学病院等で近親者間の生体肝移植が主流になっています。

この病気の鑑別方法は、「うんちの色」です。
あかちゃんのうんちの写真を見たことのあるお母さんは少なくないと思いますが、この病気の赤ちゃんのうんちは、白色便とよばれます。
丁度、練乳色か象牙色とでもいいましょうか、とにかく全体が白色なんですね。
出生間もなく発見される場合は、丁度胎便が出終わり、乳便に移行する頃から何となく怪しいうんちが出るのですが、そういう場合ばかりでなく1ヶ月健診の頃から、徐々に白色便に変わってくることもあるそうです。

これはウコン色の水様便に白い粒々が混じるのとは全く異なります。
3000人に1人の病気ともいわれますが、大当たりを見逃しては大変です。
小児科受診された時、口で説明しただけでは小児科のドクターも???なことがあるかと思われます。
おかしいな?の場合はデジカメ撮影して、写真判定をしてもらうか、現物を見てもらうのがいいと思います。

小学生以下のお子さんのいるお母さん必見!夏休み自由研究決定版

私事ですが、夏休みの宿題で困るのは『自由研究』と『読書感想文』がツートップスでした。
特に、『自由研究』は何をするかというところから仕上げまで、ホント大変です。
私は両親から宿題を手伝ってもらったことは1度もないのですが、ゆとり世代の私の子供たちはそのあたりもいけないみたいで、私は夏休みの度に憂鬱でした。

そこで・・・何かしなくちゃいけないけど、何をしたらいいのか考えるのも大変な場合にうってつけのテーマを最強母乳外来からプレゼンします。

それはですね・・・生まれてから1歳のお誕生までの母子健康手帳の記録(4計測や左側の問診表はしっかりと書いてね。あと、育児日記か、そこまではなくても、いつどんな病気をして、どんなお薬を飲んだかなどの書き込みがあればOK.)と、赤ちゃん時代の写真が毎月分あれば事足ります。

そう、自分で、赤ちゃん時代の1年の様子を綴るのです。
1日に飲むおっぱいの回数、おしっこやうんちの回数、よく食べた離乳食のメニュー、好きだった遊び、どこかにお出かけしたこと、初めての予防注射、初節句やお食べ初めなどのイベントでのひとコマ等々何でもいいです。
インタビューもいくつか入れます。
お母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃん、おばちゃん、おじちゃん、兄弟姉妹がおられたら思い出に残るエピソードも聞き書きさせ、ありのままに、織り交ぜます。

写真は、プリントアウトでもカラーコピーでもいいから、自分で気に入ったのを切り貼りさせます。
写真の横の空欄にエピソードを書き込むと、分かりやすくていいですよ。

装丁は自由です。
大学ノートでもいいし、色画用紙でもいいし、製本してもいいし。
でも、あまりきっちりしたものよりも、子供の作業だから手作り感のある方がいいかもね。
赤ちゃんの1年間はとても大きなドラマチックな変化があります。
いい作品になること請け合いですよ。
もちろん、胎児期からのエコー写真からスタートしてもOK。

ああそれから、同じ母子健康手帳の1歳~6歳の記録も、綿密に記録しておけば、次の年同じやり方で、『自由研究』が出来るから、6年のうち、2年はこれでしのげますからね。
12歳までの子供たちが自分の生い立ちのうち6年間を振り返るのは、自分の半生を振り返ることを意味します。
自分という存在が、どんなに多くの方から深い愛情を持って育まれてきたのかということを強く心に焼き付ける大事な基点になるのです。
因みに私の長女は4年と5年の時にこのテーマで『自由研究』をしましたが、やりようによっては、2年生くらいからでも出来るのではないかと思います。
是非お勧めします。

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2009年7月19日 (日)

副乳への対処法

副乳のある方、皆さんの中にもおられるかと思います。
実はヒトの乳腺組織は乳房だけにあるのではなく、腋窩(=えきか)から腹部まで、存在する可能性はあります。
その中で目立ってきたり、多いのが、腋窩に出来るグリグリです。
片方だけの方もあり、両方に出来る方もあります。

普段の生活では、全く気がつかないと思われますが、出産され、おっぱい工場の立ち上げ期にさしかかると、だんだん大きくなってきます。
副乳の大きさは様々で、小指で押さえたくらいのものから、バクダンアイスくらいまであります。
副乳が大きくなる時は乳房が張って来たのと同じく、熱感や圧痛があります。
放置してラクになるものではありません。
対処法としては、冷罨法です。
小さい保冷材をガーゼなどに包み、当てます。
(時々アイスノンを当てようとする、せっかちさんがおられますが、両脇に抱えた日にゃあ、30分以内に北極に移住したみたいにドン冷えになりますから、そういう荒くたいことはしないでくださいね。)
副乳がすっかり引くまで数日はかかりますから、その間は根気よく冷罨法をしてくださいませ。

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母乳育児中にお蕎麦を食べて大丈夫?

日本人にはお蕎麦、アメリカ人にはピーナッツが最凶のアレルゲンだというお話を知っておられる方は多いと思います。
そういう事実があると、赤ちゃんにアレルギーが出ては大変だとお蕎麦絶ちしているお母さんもおられるかもしれません。
でも、近いご身内にお蕎麦アレルギーの方がおられるならいざしらず、そうでなければ、あまり神経質に考えなくても大丈夫です。

もしかして、お蕎麦アレルギーなの?と、心配になること(=例えば授乳中のお母さんがお蕎麦を食べた後に発疹が出たとか。)があれば、控えてみてもいいでしょう。(検査を受けられるまで)
但し、5か月くらいにならないと、アレルゲンの検査は出来ませんからねぇ。

昔は検査がなかったから、アレルギーのある子はアレルゲンを含む食べ物を吐いたり、食べようとしなかったものです。
よく観察してね。

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Hibワクチンってどうなんでしょう?

Hibワクチン、昨年12月に認可供用が開始されたんでしたっけ?
みなさんの関心のあることではないか、プチメでも多くの方にご相談を受けておりましたので、記事にしますね。

このワクチンは、細菌性髄膜炎の予防注射ですが、原因菌となるのは、「インフルエンザ菌b型」でして、これはインフルエンザウィルスとは違います。
そこいらへんに存在するありふれた菌なのですが、感染すると、細菌性髄膜炎を発症することがあります。
国内の患者発生数は600人/年程度と、少ないです。
細菌性髄膜炎を発症した患者の25%に後遺症(聴覚障害や発達の遅れなど)がみられます。
致死率は5%程度です。

このワクチンは日本に先駆けて100カ国以上で、供用されていて、不活化ワクチンなので、三種混合と同じ時期から同じ回数を接種する必要があります。
アメリカのCDCでは副反応のデータとしては、局部の腫れが最大30%程度はみられるそうですが、熱発・けいれんなどの重篤な副反応はほとんどみられないそうです。
費用としては、基本4回接種なので3万円前後必要です。
これは任意接種なので、保健センターから御通知は来ません。

さて、受けた方がいいのかどうか。

3歳以上は接種の意味がないので、対象外となります。
それ以下の乳幼児に接種するべきか否か。
それは、各保護者の判断するところとなります。

気がつくのが遅れて・・・となると、大変怖い病気ですが、「細菌性」と名がつくように、この菌には抗生物質が効くわけです。
ちゃんとした小児科のドクターならば、診断できるのでは?という気がしますが、いかがでしょうか?
おたふくかぜの時に合併症的に発症する、「無菌性髄膜炎」とは異なります。
このワクチンは大変人気があり、いまや病院・診療所を問わず予防接種の5人に1人はこのワクチンの接種をする勢いで、製造が追いつかず、接種までに2〜3ヶ月待ちもザラにあるようです。
また、この予防注射に限らず、「任意接種」と名のつくものは、副反応が出ても、基本的に国の補償の対象にはなりません。
「定期接種」の場合は対象になりますが。

個人的には、供用されて日が浅いので、国内の副反応のデータ等がまだ公表されていないようですから、それを待ってからでもいいのでは?という気がします。
昔、MMRというワクチンを子供に接種させて、何事もなかったものの、そのあと副反応が大問題となり、激しく後悔したことがあるからです。

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2009年7月18日 (土)

扁平乳頭・小乳頭を咥えさせる!

扁平乳頭をたとえてみると、パッと思いつくのが、「くるみボタン」です。
(知ってますよね?洋服と共布で、作るあのボタンです。)
大きさはともかく、平べったいのですね。

小乳頭は、私の知る限りでは、小豆1/2くらいの大きさでしょうか。

こういう場合でも、乳輪が広ければ特に問題なしですが、乳輪が狭ければ開通マッサージをしてほぐす必要があります。

問題は滑りやすいため、赤ちゃんがお口で捉えにくいということです。
この時、介助者がしゃかりきになって、赤ちゃんの後頸部をガシッと掴み、お母さんの乳頭にお口を押しつけると、さらに厭がって仰け反りますから、そういう介助をしてはいけませんよ。
ぢゃあ、どうするかって?
それはね、赤ちゃんの後頸部を支えるのはソフトに(でも、もちろんぐらつかない程度に支えて)赤ちゃんが自分のチカラで、喰らいつくのを待ってほしいのです。
イメージ的にはカンガルーケアみたいにね。
気が急けると、赤ちゃんがギャン泣きしますが、そういう場合はお母さんか介助者が語りかけながら、赤ちゃんを抱っこしたままスクワットすると、ほぼ落ち着きます。
それからもう一度仕切り直しするのです。

乳頭・乳輪のコンディションを整えたら、赤ちゃんのチカラが引き出せるような授乳介助をしてね。
何度も介助してもらってるうちに、お母さんも赤ちゃんもコツが分かってきますから。
保護器ナシでも直母できますよ。

1か月健診を過ぎる頃からあまり飲まなくなった赤ちゃん

生後1カ月くらいまではおっぱいをガンガンのんで、体重もドンドン増えていたのに、健診を過ぎた頃から飲み方が少なくなって、体重増加度的には、それまでの半分くらいのペースに激減する赤ちゃんがおられます。
おっぱいを勧めてもこれまでとは異なり、がっつりと飲むことが少なく、その割に機嫌も良く、夜中もよくネンネするし、お母さんにしたらもうちょっとおっぱいをしっかり飲んでほしいところではあるものの、日常生活には困らないのです。
唯一困るのが体重増加度が少な過ぎ、成長が停滞したかのようになることです。

満腹中枢が未形成のうちは、体重を増やすのにもおっぱいの分泌を増やすにも絶好のチャンスなんですが、それが難しい状況なんですね。
「ウチの赤ちゃんはホント手がかからなくて・・・」と、言っていたら、「体重が増えにくいし、ミルク足さなきゃならないなぁ。」なんて、小児科のドクターから宣告されたり、言われなくてもお母さん自身がそう思ったり・・・

でも、ミルクを足せば問題が解決するのでしょうか。
ミルクを補足するのは、あくまで医学的理由があってのことですね。
おっぱいの絶対量が足りないならともかく、よく出ているのに飲まないからミルク足すって変ですよね。
ミルクを足す前に、まずはおっぱいの専門家の助産師に診てもらってからにしてくださいな。
こういう、知恵のほとばしりが早い?かつ胃の体積が小さめかもしれない赤ちゃん(どちらかというと、女の子に多い傾向)には、先搾りしてカロリー低めの前乳は敢えて捨てて、カロリーの高い後乳を中心にあげてください。
また、諦めずに根気よく、おっぱいをこまめにあげることは続けてくださいね。

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赤ちゃんに条件付けをすると、習慣化するみたい2

みなさんは、U字型の授乳用クッションを愛用しておられますか?
フットボール抱きや交差横抱き(=真横抱き)をする際は必ずといっていいほど使用されるのではないかと思います。

これも実例が何人もおられるのですが、おっぱいの時、判で押したように毎回授乳用クッションを使用されていると、面白いことがあります。
1歳2ヶ月くらいになると、条件付けで、「ウチのお母さんは、おっぱいの時は授乳用クッションをしないと飲ませてもらえない。」という風にインプットされます。
正直言って、1歳以上のお子さんは授乳用クッションなしでも飲ませることは可能です。
でも習慣化していると、お子さんはおっぱいが欲しくなったら、まず授乳用クッションを探します。
見つかったら、それを引き摺るなり担ぐなりして、お母さんのおられるトコロまで運び込みます。
こういう時は満面の笑みです。
きっと、おっぱいのこと想像しただけで嬉しくてたまらないのですね。
その光景を見ると、お家の方がびっくりされたり、可愛くて噴出しそうになることもあるらしいです。
おっぱい欲しくなったら、授乳用クッション持って、トコトコお母さんのトコロまで来てくれるって・・・誰が見ても愛嬌があって、分かりやすくっていいですね!

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2009年7月17日 (金)

今度こそ母乳育児★ピペトップを試していただく妊婦さんとの出会い

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「今度こそ母乳育児★「ピペトップ®」を試していただく妊婦さんとの出会い(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。


以下、過去記事。


ピペトップという商品を以前購入しましたが、いかんせんSOLANINが出会うのは

産後のお母さんが殆んどですから、使ってもらえそうな妊婦さんを探していましたが

上手くいきませんでした。


マタニティークラスでは、流石に胸元をはだけてもらうわけにはいかないので、

どの妊婦さんが扁平・陥没かは確認出来ません。
それで、産婦人科外来の看護師さんに、該当する妊婦さんがおられたら教えてくださいと

お願いしておいたのです。

そして昨日、妊婦のKさんに引き合わせてもらいました。
9週目の2経産の妊婦さんでした。
元々仮性陥没だったそうですが、今は扁平になっていました。
一人目も二人目も★
病院ではない他県の病院で出産されたそうです。
直母は無理で、ソフトタイプの保護器を使ったものの、出血したり、赤ちゃんが嫌がったりして退院後1週間目(つまり産後2週間足らずで)おっぱいを諦めたとか。

正常乳頭の妊婦さんなら、集団指導でも、乳頭・乳輪のお手入れ方法の伝授は充分ですが、扁平・陥没乳頭の妊婦さんは、個別指導でないと難しいと思います。
母乳育児が不可能ではないけれど、妊娠中から人の2倍3倍頑張らなくてはならないことを、予め知っておいてもらうことが必要だと思うのです。

説明の後、Kさんにピペトップを装着してもらいました。
ホホバオイルでマッサージした後だったので

「あっ、全然痛くないけど、確かに乳頭が前に出っ張ってますね。へぇ〜。」

とフシギそうに見ておられました。
Kさんには無償供与と個別指導の代わりに乳房の写真を撮影させてもらうことを

同意していただきました。
次回は8月の妊婦検診です。


複数の妊婦さんに試してもらい、有効な結果が出たら病院が購入してくれる予定です。(私物を無償供与というのも変な話ですが、予算が付かないし、手を拱いているのは時間の無駄ですからね。)

赤ちゃんに条件付けをすると、習慣化するみたい1

初めて新生児を抱っこされる方は、赤ちゃんが小さくて頸も据わっていないし壊れそうだから、『こわごわ斜め横抱っこ』もしくは『ライオンキングのお話で、崖の所で生まれて間もないシンバが両掌だけで下から捧げられるかのような抱き方(持ち方?)』になりがちです。
間違っても立て抱きにはされない筈です。(っていうか、多分出来ないです。)
たまに面会者で、生後間もない新生児をさらっと自然に立て抱きをしてしまう方がおられますが、そういう方は昔から周産期関係者と相場は決まってます。(笑)
(そして退院後の生活で周産期関係者と遭遇することは稀です。)

またこの立て抱きはおっぱいを飲む時独特の抱き方でもあります。
なので、おっぱいの度に立て抱きをすると、赤ちゃんの脳には必然的に『立て抱き=おっぱいのもらえる抱かれ方』とインプットされるのですね。

すると、赤ちゃんの抱っこに少し慣れてきたお父さんが立て抱きをされると、赤ちゃんは上記のような記憶がアウトプットされますから、真ッ平らなお父さんの胸からでもおっぱいがもらえるのかと一瞬勘違いして探し始めます。
でも、逆立ちしてもおっぱいの匂いはしませんし、いくらハフハフしてもおっぱいは出てきませんから、「こら~。おちょくるな~。」とパンチを繰り出して逆襲してきます。
条件付けすると習慣化する・・・お試しください。

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2009年7月16日 (木)

おばあちゃんが母乳育児実践者だと・・・

今のおばあちゃん世代が若かりし頃は、日本の国はミルク育児全盛期だったことは、このブログでも何度も申しておりますので、既にみなさん、ご存知かと思います。
この世代で、母子同室制の病産院は殆んど存在していませんでした。
そう、つまり、母子異室制・規則授乳という悪条件の中で、母乳育児を貫いた偉大な”猛者”なのですね。

”猛者”・・・笑っちゃいけませんよ。
3時間以内におっぱいをあげることは母乳不足という誤った定義を、保健指導という名の下に真っ白なアタマに注入されて、授乳回数を制限した中でやり抜いてこられたのですから、”猛者”なのです。

”猛者”の乳房の特徴は、「やたらとパンパンに張りやすい」「片方飲ませてたら、反対側からポタポタおっぱいが垂れてくる」「カラダを休めると、すぐに乳房に熱感が出てくる」「眠っている間に、母乳パッドがドボドボになり、漏れることもある」「おっぱいはピューっと飛んで出るものという自説を持ち、自分がまさにそうだったと言う」「赤ちゃんが溺れそうになって飲んでいる」「赤ちゃんの体重増加度が、退院時~1ヶ月健診時におおむね50g/日以上ある」・・・といったトコロでしょうか。

実は私は母乳育児経験者のおばあちゃんこそ、貴重な体験をしておられるので、母乳育児の強力なサポーターになれる人だと信じていました。
でも、よくよく話を聞いてみると、そうとは言い切れないことを感じるようになりました。
と言うのも、母子同室の病産院は頻回直母が基本なので、万一授乳間隔が3時間以上空いていたら、助産師から突込みが入ります。
つまり、私たちは授乳間隔を空けて乳房を張らせることをしないのですね。
実際、パンパンに張ってしまうのは、ざっと見て10~15%くらいですかね。
だから、自分のしてきたこととは、まるで違うので、結構な暴言を言われます。
言われた新米お母さんはメッチャ凹みます。
やはり、産後の2週間健診の際、おばあちゃんもご一緒に学んでもらう機会を持つ必要があることに気が付きました。

 

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乳管が詰まりっ放しでおっぱいが出ない!

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「乳管が詰まりっ放しでおっぱいが出ない!(若干改訂版)公開中です。
最新の内容は、上記でご確認ください。

以下、過去記事。

流石に、このブログのコアな読者さんは、妊娠中からのおっぱいのお手入れが大切だと言うことを,よ~くご存知だと思いますが、世間的にはそうでもないようです。
例えば★病院で出産されるお母さんの約25~30%は、里帰りの方なんですね。
マタニティー雑誌には妊娠5~7ヶ月には、ご挨拶を兼ねて受け入れてもらえるようお願いに行きましょう・・・なんて書いてありますが、それぞれの家庭には色々な事情があるでしょうから、★病院ではギリギリで構わないことになっています。

里帰りする妊婦だからうっちゃってしまうのか、忙しくてそこまで手が回らないのか、はっきり言って里帰り妊婦さんの乳頭・乳輪のお手入れは壊滅的です。
(唯一の例外はBFH認定病院からの里帰り妊婦さんです。)
地元の方は、早くから妊婦検診時に乳房チェックされたり、マタニティークラスで学ばれたりするから、意識が高くなり、大抵はさほど困難な想いをせずに済む傾向にあります。(もちろん、地元の方でも何もしていなければ、やっぱりダメですが・・・)

入院中はスタッフが頑張って授乳のお手伝いをしたり、必要に応じたケアをしますが、どうしても限界があります。
で、退院後に対応するのが、私の役割になっています。
最近ちらほら気になるのが、タイトルの通り『詰まりっ放し』の方なんです。
当然直母はヒトケタ~10g台で、乳頭頂だけが傷だらけです。
「赤ちゃんが勝手に吸ってくれると信じていた。」とか「妊娠中の乳頭・乳輪のお手入れがどうこうなんて話半分に聞いていた。」とかまだ産後2日目なのに「乳首が痛いからおっぱいを止めようかと思った。」とか、ちょっとご都合主義でないかというお母さんなんですね。(怒)
「おっぱいは出たら飲ませるけど、出なさそうならミルクでいいか。」と言うコメントにずっこけそうになります。
退院後に詰まった乳管を開通させるって、結構大変です。
開通させたら直母介助して、「ちゃんと吸啜するってどういうことなのか。」ということまで、体感して、今そのお母さんと赤ちゃんに一番マッチしたポジショニングを憶えてもらうところまでしておかないと、帰ってもらうわけにはいかないので、時間がいくらあっても足りません。
妊婦さんには、乳管が詰まりっ放しで困るのは、産後の自分と赤ちゃんなんだということを、肝に銘じてもらいたい今日この頃です。

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タンデム(=上の子と下の子の同時)授乳について

タンデム授乳と言えば、双子ちゃんの授乳を思い浮かべることが多いですが、兄弟姉妹で、お母さんのおっぱいをシェアし合いながら、授乳することは・・・大有りです。

お母さんとおっぱいが大好きな子だったら、ホントどこでも飲みます。
先日★病院で出産されたお母さんの第一子は、陣痛が来ていて、呼吸法しているお母さんのおっぱいに吸い付いていました。(もちろん、第一子もお父さんと共に出産に立ち会われました。1歳7ヶ月のお子さんでした。)
お母さんも「(第一子のおかげで)分娩時間は15時間ですが、メッチャ痛かったのは、(LDRを分娩モードにして)最後の20分くらいでした。自分では凄くラクなお産だったと思います。」と仰ってました。

小児科のドクターも『上の子が新生児の上前を撥ねて、飲み干しまくるような極端なことがなければ、飲ませてあげたほうが情緒が安定して、赤ちゃんに悪さをしにくくなるし、赤ちゃんが安全だからあげたらいいよ。生産量も増えるからね。』とユーモアたっぷりに仰います。
授乳時間の短縮化も図れるので、タンデム授乳はお勧めです。

 

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妊娠中の授乳って?

一昔前や今でも母乳育児に関心が薄い病産院では妊娠中に授乳をしているなんてことを、ドクターに言おうものなら、凄い剣幕で『今すぐやめないと、おなかの赤ちゃんがダメになってしまうわよ。(怒)』・・・by細〇和〇・・・っぽく恫喝されがちです。

これまで流産を繰り返しているとか、今現在逆子でおなかが張りやすいとか、双子のため管理入院せざるを得ないとか、子宮頚管が短縮していて切迫早産で点滴が必要な危険な状態だとか、そういうリスクを抱えている妊婦さんは念のためおっぱいは止めた方がいいこともあります。
でも、妊娠経過が順調ならば、断乳しなくてはなんて考えなくても大丈夫です。
お年寄りは『お腹の子が奇形児になる。』とか、どこにそんなエビデンス(=根拠)があるのかというような言葉を仰います。
その心配は全くなしです。

因みに妊娠中に上の子におっぱいをあげていらっしゃったら、妊娠中の乳頭・乳輪のお手入れは不要です。
先日は陣痛室で、お母さんが呼吸法を頑張ってるその場所で、上の子さんが、おっぱいに吸い付いておられました。
現役のおっぱい星人が頑張ってくれたおかげで、上手くいきます。
パワーの凄さが分かると思います。

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2009年7月15日 (水)

巨大乳頭を咥えさせる!

赤ちゃんのお口に対してお母さんの乳頭が大き過ぎると、お口に入りきらなかったり、咥えただけでモゴモゴして飲めないことがあります。
確かに大き過ぎると、舌が使えなくて赤ちゃんは難儀しますし、お母さんも先だけ吸われたみたいになって、乳頭頂が発赤したり、量になりにくく、当初は搾乳せざるを得ないこともあります。

しかし、乳頭のお手入れを妊娠中から真剣にやってると、丁度”ほおずき”を揉んで中身を出すかのように、柔らかくなります。
柔らかくなりさえすれば、私が知りうる限り、葡萄の巨峰クラスの巨大乳頭であっても3000gそこそこの標準的な体重の新生児なのに効果的な吸着が出来、おっぱいが飲めるようになります。

抱っこの仕方も合う合わないがありますから、一番スムーズに咥えられる抱っこにしていきましょう。
赤ちゃんの適応力はそれなりにありますが、乳頭混乱予防のために、くれぐれも最初から安易に哺乳瓶は使用しないで、搾乳を補足するのは、小さいカップやスプーンなどにしてもらいましょうね。

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乳頭保護器というもの

読者のみなさんは「乳頭保護器」というものを使ったことがありますか。
使ったことは無いけど、見たことはあるという方は結構いらっしゃると思います。
適応としては、「乳頭の傷による痛みの緩和」「扁平や陥没乳頭を手っ取り早く飲むことができるようにしたい」時です。

乳頭混乱を誘発するリスクが高いのでホントはお勧めしたくないです。
どうしてもの場合は、いかなる介助や手段を用いてもこれを使わなければ直母が困難な場合です。

ソフトタイプというのは、陥没・扁平・小乳頭などの際に適応します。
全体が円形のものもありますが、吸い付き方によっては赤ちゃんの鼻腔にフィットしそうになりますから、上部がカットされた形の方がいいです。
デメリットはおちょぼ口を助長することです。

ハードタイプは最近(といっても、ここ1年以内)リニューアルして、台座とシリコンのン乳首の2段式でしたが、硬めのシリコンで、台座~乳首の一体型になっています。
こちらは、大きなお口を開ける練習がしやすいです。
「アヒル」さんのお口にしてもらいます。
この癖を付けたら、外しやすいです。
乳頭損傷の際はこちらのタイプにしなくては、ソフトタイプですと、傷を巻き込んで痛すぎるからです。
デメリットは、舌口唇を内側に巻く赤ちゃんは使いにくいことです。
「アヒル」さんのお口に出来にくいからです。

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乳児ボツリヌス症について

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「乳児ボツリヌス症について。(若干改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

読者のみなさんは『蜂蜜は生ものですから、1歳未満の乳児には与えないで下さい。』という注意書きを読んだことあると思います。
ご存知のとおり、蜂蜜は、乳児ボツリヌス症の原因となる、ボツリヌス菌の芽胞が含まれているおそれがあるので、腸内細菌叢が成人とは異なり、ボツリヌス菌の芽胞の出す毒素に対する抵抗力がないので、与えてはいけないということです。

国内では1986年に千葉県内で初の症例が確認されてから20例以上発生しています。(確定診断したドクターは保健所に届出が必要です。)

確定診断には筋電図・血液検査・便検査が必要とされています。

症状としては、「いきなり頑固な便秘」「筋緊張の低下(眼瞼下垂・据わっていた頸がグラグラになる・手足がだらりとする・泣き声が弱くなる)」「哺乳力低下」「瞳孔散大」
「無呼吸発作」などがみられます。

治療としては血清の投与です。

困るのは潜伏期が長く、3〜30日間とかなりの幅があることです。

一般的なボツリヌス食中毒よりは、致死率は低いですが、1〜3%あります。
決して侮ってはいけない菌です。

国内では蜂蜜だけではなく、コーンシロップや野菜ジュースからも検出されたことがあるそうです。

臨床的に感染しやすいのは生後8ヶ月までで、9ヶ月を越えると発症は稀だそうです。

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2009年7月14日 (火)

非栄養的吸啜の意味するもの

NICU入院中の赤ちゃんは在胎週数や体重、病状などによりますが、出生当初は点滴や鼻注により、水分や栄養分を補給します。
時がたち、やがて経口摂取ができるようになりますが、一般的には哺乳量を確保するために、哺乳瓶が使用されがちです。
直母は確かに、体力を使いますし、お母さんの乳頭形態によってはお口に含めないこともあるでしょう。
お母さんのおっぱいに吸いついたところで、量にならないからねぇ・・・と医療者から言われたことがあるお母さんもおられることでしょう。

でも、これって決して時間の無駄ではないのですよ。
赤ちゃんがクタクタにならない(=哺乳瓶で飲めなくなるほどには疲れさせない)程度なら、問題ないです。
それどころか、消化液の分泌や、腸蠕動を高めますし、赤ちゃんの情緒を安定させるはたらきがあります。
ただでさえ、母子分離で、お母さんも赤ちゃんもつらい状況で頑張っているのです。
赤ちゃんの入っているクベースの前で搾乳したら、たくさん搾れることも多々あります。
お母さんのモチベーションも上がると思います。

母子分離状態でのおっぱいの分泌を立ち上げるには?

母子分離状態というのは何らかの理由があって、お母さんと赤ちゃんが離れ離れになっていることを意味します。
例えば、新生児搬送をされたとか。
大抵は週数のうんと早い早産児でだったり、赤ちゃんの状態が思わしくなくNICUで管理が必要な場合ですね。

直母は出来ません。
なので、搾乳をします。
何回位すればいいのか?最低7~8回/日は搾ります。
1回量は?少なめでもいいから、そういう場合は頻回に搾ります。
だいたい、400~500mlくらい/日は目標意識を持って搾ってください。
もちろん最初から一気にそんなには搾れませんから、毎回コツコツと搾りましょう。

 

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早産児・低出生体重児を出産されたお母さんへ

たとえ妊娠中から予測出来たとしても、実際ご自分が早産したり、低出生体重児を産むという事態に遭遇すると、精神的に不安定になってしまいがちです。
ただでさえ、産後はホルモンバランスが妊娠中と激変しますから、現実を受け入れたくなかったり、赤ちゃんに申し訳なく思ったり、この先どうなるのか(=何か後遺症が残るのか。いつになったらクベースを出られるのか。点滴や酸素やモニターは外してもらえるのか・・・)など、色々と心配になったりします。

特に女性ホルモンの類は微かな変化で、激変をきたします。
本人の意思とは無関係に激変します。
満タンのタンクローリーの注油口から小さなスポイドで、ピチョンと1滴落としたくらいの量と割合なのに・・・です。

気分が塞ぎそうな時こそ、おっぱいを搾ってみましょう。
悩んでどうにかなるなら、完徹で悩めばいいけど、どうにもならないなら、今自分が精一杯出来ることをするしかないですもん。
赤ちゃんはお母さんがクベースの前に来て、窓から手を差し入れてくれるのを待っていますよ。
お母さんが自分に触れてくれたらとても嬉しくなりますよ。
原因は何であれ、小さく、早く生まれてきたのは、胎内環境云々ということもあるのでしょうが、何%かは、きっとその時お母さんに会いたかったからですよ。
そんな赤ちゃんと初めての対面の時は必ず「生まれてきてくれて有難う。」って言ってあげてくださいね。

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2009年7月13日 (月)

経膣分娩における硬膜外麻酔

欧米諸国では帝王切開率がぐんぐん上昇し、経膣分娩でも硬膜外麻酔が頻繁に行われているそうです。
最近は日本国内の病産院でも「お薬を使った無痛分娩」というキャッチコピーで勧めておられる施設も増えてきているようです。
そりゃ、痛いのは誰だって厭ですから、痛くないならそれに越したことはないわけで。

でもね、出産間際にその手のお薬を使うと、赤ちゃんはとてもウトウトしてしまい、なかなか上手くお母さんのおっぱいに吸いつけないことが非常に多いそうです。
お薬の影響はおよそ2週間は持続するそうですから、えらいことなんですね。
まぁ、寝ながらでも哺乳瓶なら飲めるのでしょうが、過去の記事でも哺乳瓶を安易に使用することは母乳育児にとって益なしと言い続けておりますのは読者のみなさんはよ~くご存じかと思います。
しかも、起きている時に赤ちゃんが泣く時間が長いそうです。
そうするしか、産めないなら仕方ないかもしれませんが、赤ちゃんと一緒に陣痛を戦っていくくらいの気概が産む方には必要ではないかと思います。
一見、良さそうなことは、何かウラがあるってことです。
私の手術の後みたいに脚が麻痺してしまう事故だって起きていますしね。
体験者の方、そこまでのインフォームドコンセントを受けられましたか?

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出産時の点滴の量について

緊急時に備えての血管確保という名の「曲がっても漏れたりしない柔軟なプラスチックの針による点滴ルートの確保」はやはり必要だと思います。
出産時は大量出血に繋がる緊急事態がある一定の割合で起こります。

大量出血(=定義としては500ml以上)してしまってから、血管確保しようとしても、血圧がド~ンと下がってしまい、おもむろに血管確保しようにも、技術的に困難です。
私が伝聞した一番の大量出血は5000mlです。
子宮頚管と膣壁が裂けたそうです。
一般的に妊婦さんのの血液量は体重の1/10ですから(通常時より血漿量が増える=血が薄くなるので、このくらいの割合になります。)
注射や点滴で早急に投薬しないと、生命にかかわることがあるのに、針が入らなければ・・・想像するだに恐ろしいです。

まぁ、そういうわけで、血管確保は必要な医療行為だと思いますが、経口的に水分が摂取出来るならば、たくさん(何本もという意味)入れる必要はないのではないかと思います。
というのも、出産前(産後も)に大量の点滴を行うと、乳房がパンパンに張りすぎて、結果赤ちゃんが上手く吸いつけなくなることがあります。
誘発剤(=プロスタルモンとかアトニンとか)を使用した時も浮腫みやすいので、同じようなことがいえます。
妊娠前から真剣に乳頭・乳輪のお手入れして、赤ちゃんが器用で、パンパンになる前に毎回のように助産師が張りつき介助してもらいつつ頻回直母していれば、事なきを得るかもしれませんが、条件が揃うとは限らないですからね。

点滴は詰まらない程度にゆっくりめに落としてもらいましょう。
あっ、B群溶レン菌の点滴はお産の進行状況によっては早く落とさなくてはならないこともありますから・・・でも、抗生剤のボトルは100mlと少量ですからね。
あれは気にしなくてもいいかな。

 

C型肝炎ウィルスと母乳育児

C型肝炎ウィルスは1988年に発見された比較的新しいウィルスです。
C型肝炎の感染力はB型肝炎ほどには強くありません。
特に、RNA(-)ですと、母乳を介しての感染は心配ないと考えていいですから、普通におっぱいをあげてください。
RNA(+)ですと、定量検査をしてもらい、微量ならば、おっぱいは可能です。
多量ならばおっぱいを通しての感染の可能性があるので、数年前感染を恐れて、母乳育児を諦めて完ミにされたお母さんがおられました。
3歳になった時点でお子さんの血液検査をしたところ、感染していることが判明し、母乳育児を止めたから感染予防が出来るとは限らないことがを知りました。
胎盤経由で感染していたことが示唆されます。

これについては、産婦人科だけではなく、小児科のドクターにも相談してもらうのが、赤ちゃんのためだと思います。

2009年7月12日 (日)

SOLANINの仙豆(=せんず)

時々、寝不足(=自主勉強や資料つくり)とオーバーワーク(=休憩なしで、お昼御飯抜きで働きまくる状態が終業時間まで続く)と旦那関係で精神的に大きなストレスを抱えるという3条件が揃うと、翌日カラダが動かなくなります。

しんど過ぎて、ソファに横たわらずにいられないのです。
電話(=子機)が鳴っても取りに行けないくらいです。
だけど、子供のお弁当作って仕事に出なくてはならないわけです。
エネルギーの残量ゼロなのにお休み出来ない時の対処とは?

そんな時私にとって、(やじろべえがカリン様から作り方を教わった)仙豆に該当するのが「にんにく卵黄」です。
”ちょい疲れ”状態くらいの時に摂ったのでは正直言って、ホントに効果があるのかどうか、しかとは感じられない時もあります。
でも、”もうあかん”状態の時に3粒内服すると、あたかもダメージを受けた孫悟空が仙豆を摂ったように復活するのです。
2時間後にはカラダが再起動するんです。

カフェインは入っていないので、授乳中のお母さんでも摂ってOKです。
カプセル型だし、臭いがしないから赤ちゃんが嫌がることもないです。
”もうあかん”状態にまでならないことが一番なのですが・・・ね。
食事、睡眠を確保して、旦那ストレスを溜めなければ、私って大抵は大丈夫なんだということを実感する今日この頃です。(笑)

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添い寝や添い乳をしたくないお母さん

私は「添い寝をすると、赤ちゃんは安心して寝付きやすくなりますよ。」「添い乳はラクですから、ドンドンやってくださいね。お母さんがやろうと思わなくても赤ちゃんから仕掛けてきますけど。(笑)」と、お話すると、大多数のお母さんは添い寝や添い乳の良さに気が付いてくれます。

しかし、ごく少数のお母さんは「添い寝や添い乳の癖をつけたら、私としか赤ちゃんは眠ってくれなくなる。それでは困るんです。」と仰います。
いわく「旦那さんだけ自由時間が増えてずるい。」「私が感染る病気の時、赤ちゃんにまで感染してしまう。」「私がしんどい時に誰も代わって赤ちゃんを寝かしつけられないから困る。」・・・のだそうです。

そうですか。
そうきましたか。
まぁ、確かに、観たいドラマがあっても、寝かしつけの時間帯と鉢合わせすることは多いでしょうね。
ドラマを観ながら添い乳したって、赤ちゃんは寝付かないことは明白です。
でも、次の日登校してお友達と話を合わせなきゃならないわけぢゃないですから、DVDにでも録画して、空いた時間にじっくりと観ればいいではないですか。

旦那さんの自由時間については、意見が分かれますが、普通は頼めば寝かし付け以外の協力はしてくれるでしょう?
旦那さんに寝かし付けてもらうのは、おっぱい卒業してからでも遅くないと思いますし、どうしても耐えられないなら、無理やりでも旦那さんと赤ちゃんと『川の字』になって休めばいいでしょう?

感染症については、ある意味不可抗力です。
お母さんが発症した時は赤ちゃんの潜伏期だってことはよくある話です。
添い寝や添い乳をマスターしておけば、起き上がれないくらいしんどい時でもおっぱいはあげられるし。
掃除や洗濯やごはん炊きは主婦の大事な業務ですが、”ひとりコンビニ”には限界があります。
体力的に頑張れないのは主婦失格ぢゃないですよ。
そんな時は臨時休業でいいぢゃないですか。

どんなに可愛くても、赤ちゃんはやがて大きくなります。
先日次男に「添い寝大好きだったよね。」と言ったら、「それは昔の話で、今はして要らんぞ。母さん、熱でも出たんか。」と切り返されました。
次男、年相応に成長しております。

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妊娠悪阻(=つわり)を少しでも軽くしてくれるアロマセラピー

実は私、妊娠悪阻(=つわり)ってほぼ経験がありません。
3人も出産しておきながら、嘔吐した回数はトータルで10回くらいです。
しかも、そのうち5回は食あたりでないかという印象が強いです。(天ぷらの食べ過ぎとか廃棄するはずのオレンジジュースを開封して間もないと勘違いして、ゴクゴクと飲んでしまったとかのタハハな状況です。)

 

なので、自らの経験に基づくのではなく、同僚や入院された妊婦さんにお試しいただいたことから得られた結果さあることを先にお断りしておきます。

 

妊娠悪阻にも様々なパターンがありますが、臭いに敏感で、炊飯器もベランダで使用しないと耐えられないくらいの方であっても、ほぼ不快感を催さない香りがあります。
それは・・・「スウィートオレンジ」「レモン」「ベルガモット」「グレープフルーツ」「ネロリ」
「マンダリン」などの柑橘類の香りです。

 

精油(=せいゆ。エッセンシャルオイルともいいます。)は、必ず天然のものを選んでください。
お近くのショップでもいいですし、ネットで買ってもいいですが、こればっかりは、某100均で売っている”アロマオイル”ではいけません。
合成香料ではメディカルな効果は期待出来ませんから。

 

アロマポットを使用してもいいのですが、暑くなってきましたし、小さいお子さんのおられるお家では、火を使うのは危険ですから、電気式のディフューザーが安全でお手軽です。
例えば歯磨きの時、えずきそうになる妊婦さんでもスウィートオレンジの芳香を嗅ぎながらだったら、いつもより歯磨きがラクだと仰います。
もちろん、妊婦さんには使用しない方がいいエッセンシャルオイルもありますから、好きな香りだからといっても、何でも使用していいわけではありません。
妊婦さんが使用されても大丈夫なのは、これらの柑橘類の香りとラベンダーくらいです。(ラベンダーは好き嫌いが真っ二つに分かれる香りですから、好きな方は使用されたらいいと思います。どちらもリラックス効果がありますよ。)

 

私は少し前までラベンダーが苦手でした。
真正ラベンダー(フレンチとかブルガリアとか色々な産地がある。)を何種類も試しましたが、どれも香りが尖っていて、「どこがリラックスなんやろか?」という印象しかありませんでした。でも、あるところでラベンダー40/42という香りに出会って、これは柔らかで気に入りました。但し、この香りを嗅ぐと何故か私は眠くなるので、用事のある時やスケジュールが押している時は使用禁止ですが・・・)
上手にアロマセラピーを活用するといいですね。

 

2009年7月11日 (土)

永久保存版?じゃがいも湿布の作り方

母乳育児は山アリ谷アリです。
基本的なことを知らなかったばっかりに乳腺炎になってしまうことは、新米お母さんには充分有り得る話です。
また、普段は気をつけていてもストレスなどで発作的に暴飲暴食をして乳腺炎になることもあります。
どうも体質的になりやすいのではないかというお母さんもおられます。
赤ちゃんの飲み方が下手っぴなので、上の子の時は全くならなかったのに、下の子ではしょっちゅうなってしまうお母さんもおられます。(もちろん、その逆もあります。)
ある一定の時期だけなりやすいいお母さんもおられます。

いずれにせよ、乳腺炎は痛いですから、なってしまって激しく後悔し、思いっきり凹みますね。

とにかく早く回復してほしいので、普段★病院の母乳外来でお仕事しているSOLANINですが、いつもトラブルで受診されたお母さんにお渡しするパンフレットと同じ内容をここで、公開します。

適応)乳腺炎および断乳の際の乳房の過剰緊満、発赤、腫脹、疼痛、硬結など。

必要物品)じゃがいも1個、小麦粉(薄力粉)大匙4~5杯程度、お酢2~3滴、リードキッチンペーパー

作成手順)

①じゃがいもは皮を剥き、芽は掻き取ります。

②おろし金で摩り下ろします。

③小麦粉を混ぜ、お酢をたらします。(以下じゃがいも湿布の素=Aとします。)

④Aを半分に折ったリードキッチンペーパーに、大スプーン2杯分くらい乗せます。

⑤そのまま半面(つまり1/4面)にバターナイフなどで塗り伸ばします。

⑥塗っていない残り半面を重ねます。

~じゃがいも湿布の完成です。~

使用方法)お手製の湿布なので、フィットしませんから、1巻き150円くらいから販売されている、ホワイトテープの類で患部に固定するように貼ります。

交換規準)基本的に4~6時間としていますが、パリンパリンに乾燥したら、交換します。症状の程度にもよりますが、2~3日は続けてください。夜中にじゃがいもを摩り下ろす自分を想像したくないと思いますので、1日分作成し、ビニール袋などに密封して冷蔵庫に入れておけば丸1日は品質保持出来ます。

注意ポイント)Aを緩く作ると、体熱でダレてきますから、服が汚れますし、反対に硬く作ると塗り伸ばしがしにくいです。お酢は何でもいいのですが、たくさん入れると蒸れ香がキツいので、ほんの少量にしておいてください。

私がお勧めする理由)万一、赤ちゃんのお口に入っても、食品由来の湿布なので超安全性が高いです。安価です。誰にでも作れます。お住まいの地域や季節を問わず簡単に調達できる材料ばかりです。しかもよ~く効きます。

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浮腫みのある時、リフレクソロジーっていいですよん♪

実はですね、SOLANINは昨年の11月に英国式リフレクソロジーの初級セラピスト講座を長女と共に受講しました。
で、膝から下の施術だけですが教えていただきマスターしました。
それから数ヶ月間、ほぼ毎日のように次男と長女を練習台にしまして、お金は頂けませんが、人様にして差し上げることが出来る腕前になりました。
今では知る人ぞ知る『バージョンアップした魔法の手』のSOLANINです。(自分で言うと嘘臭いですが・・・)

で、★病院の母乳外来で必要だと思われるお母さん方にさせていただいております。
冷え性、肩凝りのキツい方は、浮腫みやすいので、おっぱいの鬱積が酷かったり、乳輪の浮腫み、脚や足背の浮腫みが引きにくいです。
飲みにくく、開通不良に陥りやすいので、哺乳量も伸びにくいです。
そういう場合、乳房のマッサージばっかりしていても埒のあかないことが多々あります。(助産師の皆さん、母乳育児中のお母さん、そう思いませんか?)
足浴もいいのですが、こういう時、リフレクソロジーが効果的なんですね。
私が習った英国式は副交感神経優位になるよう、ギューギューと力任せに押したりしません。
痛くしないのが大前提です。
ヘルスセンターにありがちな、(少し前に高〇克〇がCMでしてもらっていたような)中国式のグイ揉みではありませんから、グイグイされるのに慣れている男性や年配の女性には物足りなく感じるかもしれません。(痛いのは交感神経優位になるので、リラックスという点ではどうなんでしょうね?)
でも、若い女性やお子さんや痛いのは苦手な方は英国式ですとカラダがリラックスするから、合うんですね。

そうそう、代謝がよくなるからおしっこがたくさん出ます。

やってもらってはいけないのは、妊娠初期の方、お酒を飲んだ後、足に水虫のある方、足に傷のある方、骨粗しょう症の方だそうです。

暇があった時、同僚や産婦人科のドクターにして差し上げたら、とっても喜ばれました。
今では子供たちも同僚もお母さんも、声をかけるとすぐに靴下脱いで、さっさとズボンを膝までまくりあげてくれます。(笑)
読者の皆さんにして差し上げられないのがとっても残念でございます。

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乳頭・乳輪の鍛え方

妊娠中からの乳頭・乳輪のお手入れとは別に乳頭を鍛えることは出来ます。

 

お天気のいい日に、乳頭・乳輪の日光浴をすればいいんです。

 

他人に見られないよう、プライバシーの保持に努めてください。

 

1回につき、10分間もすればいいでしょう。

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2009年7月10日 (金)

赤ちゃんの舌をよく見てください!

ユニセフ推薦の母乳育児の本を読んでも、国際ラクテーションコンサルタントの本を読んでも、その他、本屋さんにある一般的な育児書を読んでも、基本的には「赤ちゃんは上手におっぱいに吸い付きます。」という旨のことが書いてあります。

そりゃまぁ、そうなんですが・・・
誰にも教えてもらっていないのに、カンガルーケア中にお母さんの胸まで這い上がってきて、おっぱいに辿り着き吸い始めるのを見ると、感動的です。
凄いなぁって思います。
でも、お口の中ってデリケートですからね。
大人だって髪の毛一本、極小ビーズ1個入っただけで、違和感があるし、吐き出そうとするでしょ?
それなら生まれたての赤ちゃんのお口は、もっとデリケートだってこと、想像つくと思います。

特に舌が下顎の歯茎のラインより前に出にくい赤ちゃん、舌小帯短縮症の赤ちゃん(=舌を伸ばそうとすると、舌先がハート型に割れそうになるタイプ)、常に舌を巻き上げる赤ちゃんは要注意です。
程度の差はありますが、★病院内で私が見ても「ヤバイなぁ~。」と感じる赤ちゃんは
5~6人に1人は見つかります。
結構高い割合で存在するのです。
決して対岸の火事ではありません。

こういうタイプの赤ちゃんは特に、安易に哺乳瓶で糖水やミルク、搾乳を補足すると、
取り返しがつかないくらい酷い乳頭混乱に陥ることがよくあります。
治すの大変です。
産科スタッフの皆さん、どうしてもの補足の際は、スポイドやカップやスプーンやシリンジを使ってくださいね。
「ウチの子はもしかしてヤバイの・・・?」と、生まれたてのわが子のお口の中を見て、察したお母さん、即、産科スタッフにチェックしてもらってください。

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産後早期の脚や足背の浮腫みについて

産後早期に脚や足背に浮腫みがでることがあります。
それまで履いていた履物が履けなくなるし、重だるく感じます。
象足になった自分を見て、不安になったりしがちです。

腎臓が悪いわけではなくて、産後早期になって初めて・・・というのでしたら、おっぱいの哺乳量が増えてくれば、ドンドン潮が引くように、浮腫みは取り除かれていきます。
およそ、2週間後には、何事もなかったかのようになりますから、心配無用ですよ。

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乳腺炎の際の保冷ジェルシート使用について

●●ピタとか〇〇シートとかいう商品名の保冷ジェルシート、知っていますよね?
お子さんの熱発時におでこに貼り付けて使用する、アレです。
貼った時はひんやりして気持ちいいですね。
テープなどで止めなくてもいいし、扱いやすいですね。
何年か前から、”冷却粒増量タイプ”とか”8時間冷却効果アリ”とかの商品も発売されています。

でも・・・熱発している乳腺炎の時に使用しても、効果がないとは言いませんが、期待しているほどの冷却時間はないというのが、長年乳腺炎のお母さんのケアを担当してきた者としての率直な感想です。
経験的な数値ですが、そうですね・・・38℃台の熱発ならば、贔屓目でおよそ2時間も保冷効果があるかどうかのレベルですね。
8時間冷却してくれるというキャッチコピー通りの効果が得られるならば、貼り換えは3回/日でOKとなります。
しかし、実際にはそんな貼り換え回数では、期待したほどの効果は感じられないですね。
しかも、お肌がデリケートな方でしたら、保冷ジェルシートを何日も連用すると、確実にカブレます。
私がもし乳腺炎だったとしたら、保冷ジェルシートではなく、じゃが芋湿布を選びますね。(作るのが多少手間ですが。)

そんなわけですから、赤ちゃんや意思表示のできにくい幼児にご使用される際は、貼り換えのペース、充分注意してくださいね。
冷やしてるつもりが、そうでないことってありますからね。

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2009年7月 9日 (木)

おっぱいとお薬/その13『十味敗毒湯』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その13『十味敗毒湯®』(改訂版)」公開中です。
最新の内容は、上記でご確認ください。

以下、過去記事。

ごっつい名前のお薬です。
”じゅうみはいどくとう”と、読みます。
一般的には湿疹やにきびのお薬として知られています。
ということは、「母乳育児中のにきびで悩むお母さん向けのお薬か。」と思う方もおられるかもしれません。
湿疹やにきびなどは、早く治ってほしいものです。
でも、そういう目的で処方されるのは私は見たことがないです。

★病院取り扱い薬品ではないので、私の知識は以前の勤務先で教えてもらったのですが、実はこのお薬、化膿性乳腺炎の際、効果大なんです。
抗生物質とどっちが効くのか?
比べたことがないので、なんとも言えませんが、ひとつだけ言えるのは、耐性菌云々の心配は無用です。
化膿性乳腺炎の時のおっぱいは赤ちゃんが心底嫌がりますから、一刻も早く治すべきですが、その時に頼りになるお薬であることは確かです。

 

 

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乳房は緊満しすぎないのが一番です!

乳房がセメントを固めたかのようにガチガチに緊満して、おっぱいがポタポタ滴り落ちるくらい出てくるお母さんは、産後暫くのうちは多く見受けられます。
さぞかし、いっぱいのおっぱいが造られるんだろうなって思うでしょ?
そう、造られます。それは間違いなく。
でも、いっぱいのおっぱいを赤ちゃんは飲めるのでしょうか。

体格の大きなスッポンタイプの赤ちゃんならば、「ゴキュゴキュ」と喉を鳴らして、おっぱいを飲み込んでいきます。
でも、おっとり型の赤ちゃんや、おちょぼ口の赤ちゃんや、舌小帯短縮症の赤ちゃんは、そうはいきません。
特に本来のお母さんの乳頭が短く扁平型ですと、赤ちゃんは正しい吸啜をマスターしなければ、寝過ごし⇒乳房緊満上昇⇒先搾りなし⇒さらに飲めない⇒堪りかねて搾乳⇒こともあろうに哺乳瓶で補足したら⇒乳頭混乱・・・というお母さんが来られました。治していくのが大変です。

 

気をつけてね★冷たいものの摂り過ぎ

蒸し暑くなってきました。
空梅雨かと思っていたら、7月に入ってから、雨模様の毎日です。
クーラー利かせて、薄着で裸足で、冷たいもの摂り過ぎてると、おっぱいが冷やっこくなります。

でも、赤ちゃんには「今日は暑いからおっぱいは”冷や”にしようね。」と、言っても納得してくれません。
”冷や”=不味いなんですね。
赤ちゃんは温かいおっぱいを美味しく感じるのです。
どうか、出来るだけお母さんのカラダを冷やさないようにしてくださいね。

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2009年7月 8日 (水)

お食事の摂取内容はおっぱいに影響しない?

国際ラクテーションコンサルタントの認定者の方々は「何を食べても、おっぱいの質とかには影響しない。」というような意味のことを仰います。
反対にO式の先生は「お食事の内容はおっぱいの質を変化させる。」というような意味のことを仰います。

う~ん。
どっちがホントなの?って思いませんか?
私はこう思います。
「お食事の内容によっておっぱいの質も味も変わる。」と。
国際ラクテーションコンサルタントの考え方は確かにグローバルなんですが、どちらかというと、欧米主導的な考え方のようです。
例えば、動物性脂肪の摂取量が多かろうが少なかろうが、欧米人と私たち日本人とはそもそもの摂取量が全く異なりますから、おっぱいの質・味云々ということにはなりにくいのでしょう。
でも・・・暴飲暴食が元でトラブルを繰り返しているお母さんは、やはり気をつけてもらった方が無難です。

乳房に左右差があったり、出てきたおっぱいの性状が異なっているかどうかは搾ってお味見してくださればハッキリしますからね。

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抱き癖をつけてください!

甘えてばかりで、べったりとお母さんにくっついている赤ちゃんを見ると、「抱き癖がついたら家事ができないよ。」「ちょっとくらい泣かせればいい、そうでないと我儘になる。」など、子育てに変な介入をしてくる、おじいちゃん、おばあちゃん、医療者にはほとほと困ったものです。
大きなお世話なんですよね。
ヒトの赤ちゃんはお母さんとの充分なスキンシップを通して人になっていくのです。
過去の記事でヒトは生物学的に早産だというお話をしましたが憶えておられますか。

最近はスキンシップ不足の赤ちゃんに色々な問題が発生しているのです。
たまたま手がかからないから、泣かないからと放置され・・・
あやしてもらう経験が少なすぎて、笑わないから愛想がない子と放置され・・・
これ以上心が傷つかないようにという自己防衛のため、心を閉ざしてしまったのに、視線が合わないからと放置され・・・

それだけではありません。
スキンシップ不足は、頸が据わるのが遅れたり、カラダが硬く突っ張ったり、腹ばいが出来なかったり、頭が歪んだり・・・
ということにも絡んでくるのです。
情緒面だけではなく運動機能の発達までもが遅れまくるという方が心配なんですね。
ウチの子抱っこが足らないかしらという心配があれば、抱っこしてあげたらいいのですし、反対に抱き癖ガついているのはお母さんと赤ちゃんの絆のひとつのカタチですから、「抱き癖上等!」とご自分を褒め称えてくださいね。

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今度こそ母乳育児★成功のための道筋3

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「今度こそ母乳育児★成功のための道筋3(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。


以下、過去記事。


妊娠中から乳頭・乳輪のお手入れをすることです。
ご自分の乳頭・乳輪が正常型かどうか、柔らかさや伸びはどうか、詰まりはないか、まずは助産師に診てもらいましょう。

いつからお手入れをするかは諸説ありますが、私は遅くとも24週(7ヶ月)に入ったら毎日地道にしていくことが必要だと考えます。

正常型であっても、硬く伸びず詰まっていては赤ちゃんは吸い付くことが出来ませんし、おっぱいは出てきません。
反対に正常型でなくても、例えば陥没型であっても、柔らかく伸びて詰まりが除去できていれば、赤ちゃんは乳頭・乳輪に吸い付くことは可能ですし、おっぱいは出てくるのです。

とかく、出産準備といえば、何を購入するかということにばかり目を奪われがちですが、赤ちゃんが普通におっぱいを飲めるようにしてあげることは、金品には換えられない心からのプレゼントなのですね。

乳頭・乳輪の硬さや伸び、乳管開口部の状態は十人十色です。
「いつ」「どんなお手入れを」「何のために」「どうやって」「どのくらいの頻度」でしていけばいいのかということを妊婦検診などの機会に教えてもらうのです。

母乳育児を推進している病産院ならば、きちんと教えてもらえます。
もし教えてもらえなかったら、地域の助産院に出向いてでも教えてもらいましょう。
開業されている助産師は腕に自信があるから、診立ては確かですよ。
ご自分のカラダにかまけることは、赤ちゃんの毎日の食料(=おっぱい)に繋がることです。
これだけは節約するようなことではありません。
自分なりにお手入れができていると自信のある方であっても、ご出産までに助産師に診てもらい、「これでいいですよね?」とダメ出ししておいてくださいね。

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2009年7月 7日 (火)

出ないおっぱいにしがみついている?

時々、「わたしは混合栄養なのですが、赤ちゃんが乳首を引っ張ったり、手で乳房をしごくようにして飲みます。出が悪いということなら、もうおっぱいは止めた方がいいですか?」と尋ねられます。

とんでもないです。
決して赤ちゃんに嫌な想いをさせているのではありませんよ。
大好きなお母さんに抱っこされ、おっぱいを吸わせてもらえるだけで、赤ちゃんは幸せなんです。
おっぱい自体が嫌いならば、吸い付いたりしません。
間違っても、赤ちゃんの性格が「竹を割り損ねたように」歪むわけではありません。
赤ちゃんの気持ちを満たしてあげるためにも、どうか、ご自分のおっぱいを卑下せずに優しい気持ちでで抱っこして吸わせてあげてくださいね。
大切なスキンシップタイムです。
赤ちゃんを誘ってでも、してあげてくださいね。

 

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椅子に座って食べない!

離乳食開始時期の赤ちゃんは椅子に座って食べるのが苦手です。
お家の方に抱っこして食べさせてもらう方を好みます。

そうではなく、食べさせ始めからスタンダップなら、「今は遊びたいよ。」ということ。
思いっきり遊んであげてから、椅子に誘導しましょう。

何口か食べてからスタンダップなら、「ごちそうさま。」ってことです。
時々、追い掛け回してでも食べさせようとするおばあちゃんがおられますが、アレは良くないですね。
完全にお食事=追いかけっこに成り下がりますから。

可能であれば、離乳食スタート前の段階で赤ちゃんの椅子選びを吟味するのも大事です。
簡単には立ち上がれないタイプの椅子がいいですね。
私は差し込み式の椅子を使っていました。
軽くて丈夫で、お値段もお安く、折りたためて、出先のレストランなどでも使えるし、普段の置き場所を取らないからです。
最初は豆椅子にしていたけど、すぐに立ち上がるし、ウチの赤ちゃんたちには合いませんでした。

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妊娠~出産でお母さんの歯は悪くなるってホント?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「妊娠~出産でお母さんの歯は悪くなるってホント? (改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

昔の人は(イマドキのお母さんでも?)、「赤ちゃんが出来る度に、歯が1本ダメになる。」と言われました。
そして、その理由として、「歯のカルシウムが溶けてしまうから。」と、まことしやかに伝えられてきました。
何だかもっともらしい話ですね。
実際、妊娠中に虫歯が酷くなるお母さんは結構多いし、厚生労働省が毎年データを取っていますが、日本人に唯一不足している栄養素がカルシウムだってことは、栄養士さんでなくても周知の事実ですしね。

でもね、「歯のカルシウムが溶けてしまうから。」というのは違うんだなぁ。
妊娠中は悪阻(=つわり)のある方はえづいてしまうから歯磨きが出来ない方が多いし、一度にたくさん食べると吐き気を誘発しやすいので、小分けにして食べている方が多いのですね。
また、レモンなど酸度が高く、クエン酸などが入っているものを好まれる方も多いです。
その他、吐き気はなくて、「食べつわり」の方もおられますね。
これらのことから、妊娠中は口腔ケアのレベルがダウンしているし、飲食回数が多い⇒脱灰優位で⇒再石灰化がし辛い状況にあることこそが、理由なんですね。

産後はどうなのかですって?
産後は”早食い族”になるお母さんがメッチャ多いのですね。
唾液がたくさん出ないうちにゴックンしてしまうことと、おなかが空きやすいので、これまたちょこちょこ喰いになりがちなんですね。

お口のケアをして、適度にカルシウムを含むものを摂取することは大事ですね。
そうそう、カルシウムといえば牛乳ですが、がぶ飲みしちゃうと乳腺炎リスク高まります。
サプリメントですか?
う~ん。どうかなぁ。
いけなくはないけど、小魚や野菜にだってカルシウムは含まれるし、マグネシウムや他の微量元素との兼ね合いで吸収率も変わってきますからね。
カルシウムだけ頑張って摂取すればいいのではないから、普段のお食事のバランスを良くすればいいと思いますよ。

2009年7月 6日 (月)

試しにミルクを足したら赤ちゃんが飲んだので・・・

月齢の若い赤ちゃんには、原始反射というものが残っています。
ギャン泣きされると、おっぱいが足りないかと思ったり、周りの人から責められたりして、止むを得ず哺乳瓶でミルクを与えたら、猛烈な勢いで飲み干すことがあります。

そういう光景を間近に見ると、「あぁ、やっぱり足りないんだ。」と、凹みますが、それは大きな誤解です。
生きていくためには、口に触れたものは探したり、捕らえようとしたり、吸いつこうとしたりする(=哺乳行動といいます。)のが、生まれるまでに赤ちゃんに組み込まれたプログラムなんですね。
特に満腹中枢が未形成なうちは、苦しくったって、吐き気が込み上げてきたって、明らかに不要であっても、赤ちゃんは哺乳してしまいます。
プログラムが作動しただけなんです。

言い方悪いかもしれませんが、赤ちゃんにだまくらかされてはいけませんです。

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乳房が張らなくなって心配で・・・

以前、おっぱい製造工場のお話を記事にしましたが、覚えておられますか?。
お母さんだけではなく助産師の中にも心配性な方がおられるようですね。
実は数日前、他院の助産師とお話する機会があり、「おっぱいが張らなくなって分泌が低下しているようで・・・」という相談を受けたのです。

おっぱいの製造工場立ち上げの際に、触られても痛くて飛び上がりそうな時期があります。(無い方もおられますが、大丈夫です。)
乳房が腫れ上がった状態とでもいいましょうか・・・
この、乳房が腫れ上がった状態を乳房緊満だと思い込んでおられるのですね。
思い込んでいるということは、実際は違うということですが。

たまたまその頃に、赤ちゃんの成長のスパートがかかる時期と重なることが多く見受けられます。
それまで以上に赤ちゃんが頻回におっぱいを欲しがったり、1回の授乳でしつこいくらい飲みまくったりすると(途中で乳首を離そうとすると、離されまいとすっぽん状態だったり、ギャン泣きされたり。)おっぱいが足りなくなったのではないかと心配になってきますが、おっぱい製造工場が無事立ち上げられた証ですから、気にしないでね。

碌に歯磨きをしていないのに虫歯ゼロってアリ?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「碌に歯磨きをしていないのに虫歯ゼロってアリ? (改訂版)」公開中です。
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以下、過去記事。

アリます。
虫歯菌に感染していなくて、酸性の飲み物や食べ物(=糖分)の摂取が少なくて、唾液が多く分泌されていたら、プラークが出来にくく、歯の脱灰が軽微で、再石灰化がスムーズですから、アルにはアリます。

但し、こういう条件の方はかなりの少数派なので、何の根拠もなく、「ウチの赤ちゃんはこれだ。」と決めつけないでくださいね。

1歳過ぎておっぱいを楽しく(必需品として?)飲んでいる『おっぱい星人』の赤ちゃんのお母さんは自衛のため&念のため、赤ちゃんのお口の中に虫歯菌がいないかどうか、調べてもらう機会を作ってくださいね。
お母さんが虫歯ゼロですと、そうでない方よりも、赤ちゃんも虫歯ゼロになれる可能性大です。
でも、私のように虫歯治療歴があるお母さんであっても、適切なケアをすれば、子供が大きくなっても虫歯ゼロを達成できるので、歯は一生モノですから、大事にしていきましょうね。

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2009年7月 5日 (日)

おっぱいとお薬/その12 『ドグマチール』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その12『ドグマチール®』(改訂版)」公開中です。
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以下、過去記事。

十二指腸潰瘍の治療薬でもあり、うつ状態の場合にも処方されるお薬で『ドグマチール』というお薬があります。
薬剤名はスルピリドです。会社が違うと名前も違いますが、「アビリット」「ミラドール」という名前のお薬もスルピリドです。

このお薬を内服されるお母さんに対し、母乳育児についてあまり見識をお持ちでないドクターは母乳中止を訴えられます。
しかし、このドグマチールですが、昔から乳汁分泌促進作用があることが知られており、裏技的な処方がされたこともあります。

内服せずに済めばそれに越したことはないのでしょうが、治療の手段として必要な場合があるわけですから、授乳中でも、断乳に踏み切らなくてはいけないお薬でないことだけは確かです。

 

 

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新生児期の体重増加はいまいちだったけど・・・

ものの本には「新生児期が乳児期のうちで一番体重増加度が大きい。」と判で押したように記載されています。
しかし、臨床的に診ておりますと、新生児期の体重増加度はいまいちだったけど、その翌月の方がグ~ンと増えてくる赤ちゃんも相当数おられます。

どちらかというと、体格の小さめな赤ちゃん、女の子、早産の赤ちゃん、出生時に呼吸障害や細菌感染等があり、小児科入院になった赤ちゃん、眠りがちな赤ちゃんなどによく見られる傾向にあります。

新生児期に体重増加度が少なめでも、原因と対策がはっきりしていれば、改善は充分可能です。
分かっていなければ、そのまま漫然と経過するから、真正の発育不良となりますから、必ず原因と対策ははっきりさせましょう。
母乳育児を体重増加度だけで諦めないでね。

新生児期は順調な体重増加がみられたのに・・・

私、最近ベビー&ママ係さんのヘルプでお仕事する際は、殆どと言ってよいくらい、赤ちゃんのお口の中ばかり見ています。
ぶきっちょさん発見&早期対策のためです。
ポジショニングをマッチさせないと、乳頭痛が酷くなり、おっぱいの立ち上がりが遅れるからです。
「このお口では難しいなぁ。」という赤ちゃんに遭遇すると、メインで係をしている助産師に注意を促します。
1~2日様子を見て、「どうですか。」と、その日のベビー&ママ係さんに尋ねると、大半は「量が飲めてきたし、赤ちゃんの体重も増えてきたから大丈夫だと思います。」と、笑顔で返してくれます。
まぁ、この段階では、お母さんが自信を持ってやってくれればいので、よしとします。

しかし、新生児期は爆発的に体重増加が見られても、早くて翌月、遅くて翌々月から体重増加度がガタンと落ちてくることがあります。
性別・体格・月齢により、体重増加度は異なります。
それはいかなる場合でも、月齢が進めば低下してくるのは自然の成り行きなんです。
そうではなくて、かつてのウチの長男のように、あるところからガタンと落ちてくるのです。

その原因として大きな要因を占めているのが、飲み方がぶきっちょさんかどうかということだと思うんです。
たまたまお母さんのおっぱいがよく出るから、湧き出てきたのを飲み下しているだけなんですね。
射乳反射の起こるのを待ち構えていれば、まともに顎を動かさなくても、飲み下せばいいだけなのです。
ウトウトしたり、お休みしていて時間つぶしをします。
しかし、だんだん大きくなると、体力が有り余ってくるから、そうそうウトウトしなくなるのです。
それどころか、気短(イラチというヤツです。)になり、噛んだり引っ張ったりするようになります。
で、トータルの哺乳量が減ってきます。
すると、おっぱいの分泌量が減ってきます。
それが、この記事のタイトルの原因なのですね。

予防としては新生児期から正しい飲み方を身につけさせることです。
ウトウトしている時はとにかくしっかり起こします。
その赤ちゃんに合ったポジショニングにします。
効果的なラッチオンができているかどうかチェックします。

もし、新生児期を過ぎていたら・・・
乳房のしこりの部分を押さえて飲ませます。
その時も、乳房をグニャグニャ揉むのではなく、手で挟み込むようにして把持して、押さえて飲ませます。
湧かなくなれば、素早く切り替え授乳をするのを繰り返します。
漫然と咥えさせ放しは良くないということです。
地道な働きかけが大切なんですね。

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2009年7月 4日 (土)

和室でフットボール抱きをするにはどうしたらいいの?

フットボール抱きという授乳のしかたがあります。
入院中はソファに座り、U字型の授乳クッションを使用して行います。
お家に帰ってからも、赤ちゃんが深く吸着出来るし、おっぱいの出方が多めのお母さんや乳房大き目のお母さんには打ってつけの授乳のしかたです。
特に、腋から乳房下縁にゴリゴリのしこりが出来やすい場合は必須とさえ言えます。

さて、このフットボール抱きですが、フローリングでのソファのないお家や里帰り先の実家で養生するお部屋が和室ですと、授乳クッションでは出来ないのですね。
さて、どうするか。
日曜日の夕方に放映される笑点の落語家さんのように、座布団を5段積みにでもして、その上に赤ちゃんを仰向けに寝かせたらいいのでしょうか?
答えはノーです。
私は実際にやったことがあるけど、グラグラして危険極まりないです。

アタマの柔らかい方は分かるかな。
そうです。ローテーブル、こたつ、ベビーベッドなど、脚のしっかりしたものを台にします。
その上にアフガンなどを敷き、赤ちゃんの背中が痛くないようにします。
その上に赤ちゃんをセッティングします。
赤ちゃんの後頸部をいつも通りに支えて、台から赤ちゃんのアタマを出します。
(お母さんの手首は台ギリギリに置きます。)
後はお母さんの乳頭の位置・高さを合わせたらOK。
台が乳頭よりも高ければ、お母さんはご自分の座布団をもう1~2枚敷き足します。
台が乳頭よりも低ければ、台の下に分厚い雑誌などをかまし、下駄を履かせればいいのですね。
お母さんの手首が台の縁に当たり痛ければ、丸めたタオルなどをかまします。
やったことのないお母さん、是非お試しください。
感想をお聞かせくださいね。

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赤ちゃんが脱水症になると大泉門が凹む?

よく育児書などに「赤ちゃんが脱水症になると、大泉門が凹む(=陥没する)。」と、書いてあります。
あれってどうなんでしょう。
まぁ、確かにそうではありますが、大丈夫な場合でも凹んで見えることはありますね。
普段意識することがないのに、暑い日だけチェックして、凹んでるのかと気にするのもナンセンスです。

 

もしも明らかに凹んでいるなら、赤ちゃんはかなりぐったりして活気が無くなっていることでしょう。
その前におしっこが出なくなっているかもしれません。
熱発しているかもしれません。
っていうか、お母さんやお父さんが赤ちゃんの傍にいるのに、赤ちゃんがぐったりしているのに何時間も全く気が付かないなんて有り得ない筈です。

 

脱水症の疑いがあるかないかは、大泉門の凹みよりも全身をチェックして見た方がよさそうです。

今度こそ母乳育児★成功のための道筋2

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「今度こそ母乳育児★成功のための道筋2(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。


以下、過去記事。


妊娠中には様々なトラブルがあります。
妊娠悪阻(=つわり)のように、妊婦さんの努力ではどうにもならないことがありますが、

切迫早産の予防のように、妊婦さんの努力で、ある程度改善することが出来ることだってあります。
切迫早産の原因は多くありますが、そのひとつとして歯周病菌を少なくするクリーニングを

定期的に行うことは重要です。
切迫早産から早産になる原因にタバコの害というのは、読者さんならよ〜くご存知ですよね。
でも、歯周病菌によるそのリスクはタバコの5倍もあるって知っていましたか。
「まだ若いから、歯周病菌なんて関係ないわよ。(笑)」なんていうことはないのです。
ハタチを過ぎた方ならば、老若男女を問わず、お口の中に歯周病菌はいるのです。
お口のケアと子宮のコンディション・・・全く関係なさげですが、実は大有りなのですね。

では何故、早産は母乳育児成功に向けてのリスクとなるのか。
週数にもよりますが、母子分離を余儀なくされることが多いからです。
早産児は吸着・吸啜が出来ないもしくは弱くて持続性がないため、

赤ちゃんが直母出来るまでに時間がかかるからです。
また、乳頭への刺激不足のために、おっぱいの分泌の立ち上がりが遅れるからです。
医学的理由から止むを得ず補足をするにしても、世間一般では安易に哺乳瓶を使用する

傾向にあり、乳頭混乱を誘発しがちだからです。

2009年7月 3日 (金)

赤ちゃんの向き癖が強すぎると、上手く咥えられない!

赤ちゃんがおっぱいを上手に飲めなかったり、乳頭頂が切れたり、片方のおっぱいは上手く飲めるのに、反対側は飲めない(乳頭形態に特異な差が無いにもかかわらず・・・)ということの原因が赤ちゃんの向き癖にあることがあります。

向けない方向は大きくお口が開けられません。
そのため、お母さんの乳頭の先っちょしか咥えられず、舌で巻きつけることが出来ない赤ちゃんがおられます。
赤ちゃんのカラダが反りくり返るからです。
咥えられても飲み残しが多く、しこりが出来やすくなるのです。
例えば右乳は横抱きで、左乳はフットボール抱きしか上手く飲ませられない・・・というような場合は(乳頭形態に問題がないのに・・・)要注意ですね。

毎日の寝かせ方で防止することは出来ますが、どうにも上手くいかない場合は赤ちゃんの整体をしてくださる専門家に罹られるといいと思います。

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妊娠中~産後の肩凝りや冷え性は早く治そう!

赤ちゃんの姿勢の話からお母さんの姿勢の話に進みます。
私が★病院で接するお母さん方を見ていると、産後乳腺炎等の乳房トラブルになる方は減ってきています。
授乳間隔やポジショニングおよびラッチオンやお食事の摂り方を変えるだけで、★病院に再々就職した頃に比べると、
乳腺炎になるお母さんの人数・程度とも、最初の4~5年以降半減しているのを維持しています。

それとは別に、産褥早期に乳房がカチカチになり、痛くて糾励根湿布を貼用してもらわずにはいられないお母さんは常に一定の割合で存在されます。
(ちゃんとした統計は取っていませんが、申し送りを聞いている分には産科入院中のお母さんの10~15%は貼用されているようです。まぁその分お母さんには痛い乳房マッサージはしなくて済みますが。)

予防のためには、普段から裸足を避ける、足湯をする、果物や果菜を控え根菜類を食べる、ゆっくりよく噛んで食べる、肩まわしをするなどして自衛することは言うまでもありませんが・・・
妊娠中から(それが出来なければ産褥早期から)肩や背中の凝りや冷え性は出来るだけ早く、改善しましょう。
自分で出来ない方は整体や按摩など、プロの手を借りてでも、された方がいいです。
妊娠中でも産後すぐでも、整体や按摩は罹ることは出来ますから。
(鍼灸は産科専門の技術をお持ちの先生でないと、妊娠中は止めた方がいいです。産科専門の技術の例としては、鍼で逆子を治すとか・・・です。また、産後ぎっくり腰を治すのに整体や鍼灸は適しています。)

乳房基底部が硬いか柔らかいかで、おっぱいの出方は変わる!

一見、関係なさそうですが、お母さんの背中や肩が凝っていると、乳房がカチカチになり、おっぱいが出ないことがあります。
肩や背中が凝っていると、動脈(乳房に流れ込む血管)の流れが悪くなり、静脈(乳房から流れ出す血管)の流れも悪くなり、乳房の静脈が怒張します。
すると、乳腺や乳管が圧迫されて、カチカチになるくらい痛いのに、雫ほどしかおっぱいが出ない・・・ということになります。

よく、O式の先生が”、乳房基底部をあける”という表現をされますが、乳房基底部を緩めるマッサージをすると、動脈・静脈ともに血流が良くなります。
すると、乳腺や乳管の圧迫が解除されるので、乳汁分泌が良好になります。
乳房マッサージをしてもらったら、肩や背中の凝りが治ったという話をしばしば聞きますが、それにはそういう意味があったのです。

私はO式の免許皆伝者ではありませんが、乳腺炎等でのマッサージの際は患部の圧迫をしないので、痛くないとお母さんから言われます。

但し、産褥早期の場合、基底部を触っていいものかどうかということもあり、その場合は文字通り、肩や肩甲骨周辺のマッサージをします。
すると、大抵は乳房のカチカチは改善し、分泌がスムーズで、赤ちゃんが飲みやすいおっぱいになります。
大抵は・・・というのは、重症の肩凝りや冷え性の方はそちらを改善しないと、なかなか思うように乳房のコンディションは改善しないということです。

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2009年7月 2日 (木)

今度こそ母乳育児★成功のための道筋1

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「今度こそ母乳育児★成功のための道筋1(改訂版) 」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。


以下、過去記事。


ルームの右上の欄、お読みいただけていますか。
アレは私の決意表明のようなものです。
母乳育児を希望するお母さんは全妊婦の95%を越えるのに、退院時の母乳率は60%程度、1ヶ月健診の母乳率は45%前後を推移しています。
4ヶ月健診では、およそ35%前後だそうです。

母乳育児って、ごく一部のお母さんしか出来ないような難しいものなのでしょうか。
それは何かの修行のように、苦しいだけのものなのでしょうか。
一人の女性として、自由を剥奪されるものなのでしょうか。

私は違うと思います。
殆どのお母さんが出来るものだと思います。
出来ない理由はお母さん本人がどうのこうのではなく、医療者の側にまだまだ至らないトコロがあるのではないかと考えます。(全ての産科施設がBFH《赤ちゃんにやさしい病院》になれたなら、別かもしれませんが・・・)

母乳育児って時には大変かもしれないけれど、やり甲斐があるし、やりぬくだけの楽しさや醍醐味のあることです。
1人目の時、おっぱいが上手くいかなかったお母さんは、随分とおられるかと思います。
辛い思い出だったかもしれません。
でも、封印を解いて思い出してください。
上手くいかなかった理由はなんでしょうか。
まず、それを把握しなくては先に進めません。
ある意味、こういうお母さんは初産婦さんよりも、慎重で綿密な準備が必要です。
今度こそ上手くいきたいという願いが実現するように、微力ながらお手伝いをします。

 

 

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集団健診事件簿ファイル1

今を去ることウン十年前?、私も長男の集団健診に行きました。
昔はパーセンタイルグラフの規準が厳しくて、今なら上限が97パーセンタイル、下限が3パーセンタイルですが、それぞれ90パーセンタイルと10パーセンタイルだったのです。
なので、体重増加不良もしくは肥満予備軍の烙印を押された赤ちゃんは、ゴマンとおられました。
(つまり、今ならグラフに納まらない赤ちゃんは全体の6%(上3%、下3%)ですが、昔は全体の20%(上10%、下10%)というものだったからです。)
ウチの長男ですか?
生後6ヶ月からしばらくはモロに『規格外』でした。(笑)
例えば集荷場に集められた果物で、大き過ぎたり小さ過ぎたりすると、不揃いということで、弾かれてしまうことがありますよね。
まさに、「貴女の赤ちゃんは小さくて出荷出来ないレベルです。」みたいなことを言われました。
ガ~ン。
どうも担当保健師さんは言動からすると、標準体重以上でないと異常扱いする方のようにお見受けしました。
ウチの長男みたいにグラフから外れて『規格外』な赤ちゃんなんかは、想定外というか、存在しちゃいけないような感じでお話されました。
因みにウチの長男は2752gで出生しました。日齢27で4240g日齢63で5900g日齢124で6800g日齢175で7050g日齢209で7150gと、最初はバンバン増えていましたが、途中から殆んど増えず停滞しました。
母乳全然足りないから、ミルク足せと言われ続けました。
その後離乳食を少しずつ食べるようになり、どうにかグラフ内になりました。
あの頃は私も若かったし、母乳育児については今と比較したら知識面では無いに等しく、保健師さんの仰ることを真に受けて、目の前真っ暗になって、泣きながら帰宅しました。
旦那ですか?
多分、仕事で不在でした。
誰にも相談せずに、一人で抱え込んでいたように思います。
知らない土地で、友達も居なくて、ご近所付き合いも通り一遍でしたから。
そんな経験をしたからこそ、今のSOLANINがいるのだと思います。
何の問題も無く、順風満帆な母乳育児経験しかしていなかったら、ウン十年後に母乳育児支援という分野に首突っ込むことはなかっただろうと思います。

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2009年7月 1日 (水)

キシリトール90%以上含有のタブレット発見!(リロ&スティッチ以外)

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「キシリトール90%以上含有のタブレット発見!(リロ&スティッチ以外)(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

過去の記事で、ガムの噛めない幼児向けの虫歯予防ツールとして、「しまじろう」改め「リロ&スティッチ」のタブレットをご紹介しましたが、最近生協で購入したものの中に、”キシリトール90%以上含有のタブレッ”トがあったんです。
それは、大阪のオリオンという製菓メーカーの『はみがき屋さん® 』というタブレットです。
私が購入したのは個包装タイプで、ワニやカバのイラストが描かれています。
大きさはどうだろう・・・100円玉くらいあり大きめです。
お味はミント系のみで、丁度「カ○ミ○®」というラムネ菓子みたいです。
ミント系のタブレットOKの方は試してみてね。
(もしかしたら、他のお味もあるのかもしれませんが、私が購入したのはミント系のもののみでした。)
もちろん、糖類ゼロですから、安心です。
そうそう、どんなにキシリトールが多く含まれていても、糖類含有ですと、虫歯予防効果は全くナシですし、かえって紛らわしくて有害ですから注意してくださいませ。

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大人の病的なシャックリを止めるには?

赤ちゃんのお母さんには滅多にないことですが、少し前に出産されたお母さんの実父さん(透析をしておられる方)で、シャックリが止まらなくて難儀したというお話を伺いました。
なんでも、24時間ひっきりなしに、シャックリが出続けて、その方も1週間シャックリが出続けて死ぬほど辛かったとか。
病院でお薬を貰ったけど効果はなかったそうです。(泣)
それで、困り果てていたら同病の患者さんから「柿のヘタを煎じて飲めば治るよ。」と聞かれたそうです。
藁にも縋る思いで、漢方薬局で柿のヘタを買い求め、煎じて内服したところ・・・何と驚くべきことに、30分後に完全ストップしたとか。

柿のヘタ自体は、ごぼう子などと同様に、それ自体が漢方薬というのではないのですが、「シャックリ止め」には劇的な効果がある民間薬のようです。

もしも、読者の皆さんの周りにそういう方がおられたら、是非教えてあげてくださいね。

噛み傷から乳腺炎に!

赤ちゃんはおっぱいが不味い時、お母さんの乳首を噛みますが、それ以外にも、新しい歯が生える前はむず痒く、やたらと噛みたがるものです。
赤ちゃんの歯は薄いとはいえ、エナメル質がありますから、立派な凶器になります。
ここのところ、★病院の母乳外来にも、「赤ちゃんに噛まれました~。」と、駆け込んでくるお母さんが毎日にようにおられます。

噛まれてすぐに受診されたら、噛み傷のケアで終わりますが、我慢したり軽く見ると、そこから乳管の中に向かって感染するのか、数日後に高熱を発し、瀕死の形相で受診する破目になるようです。
この場合の硬結(=しこり)は、石ころが入ったようなゴリゴリした感触はなくて、ゴムボールのような、弾力性を指先に感じます。
硬結の程度としては中等度の印象を受けます。
患部の熱感は著明で、皮膚はピンク色に発赤していることが多いです。
また、少し触っただけ(マッサージでなく、指先でピアニシモくらいの触診をしただけ)で呻いたり、叫ぶ方もおられます。
熱発はほぼ100%にあり、平均で38.5℃はあるようです。
(私の経験した限りではMAXの方は40.7℃というケースがありました。)
ご自分の体温をチェックすると、余計にしんどくなられるようです。
状況によっては、産婦人科のドクターから抗生物質の処方を受けられることになるかもしれません。

こんなことくらいと思わずに、噛み傷のケアで済ませられるうちに受診してくださいね。

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