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2009年5月17日 (日)

白湯(湯冷まし)を与えるという歴史

赤ちゃんのおばあちゃん世代が若かりし頃、ミルク育児が持てはやされ、おっぱいが溢れるくらい出ていても、おっぱいを止めてでも、ミルクを与えることが推奨される世の中でした。
しかし、当時のミルクは商品として、かなり不完全な代物で、(でも、そんなことを公表したら、ミルク育児が普及しないから、その点だけはマル秘扱いで)それを何とかするために、白湯だの果汁だのを離乳準備食として勧めた経緯は、読者のみなさんはご存知ですね。

でも、赤ちゃんに白湯を与えるという行為は、もっと昔からあり、90歳代のお年寄り(複数)に聞き取りをしたところ、次のようにポツポツと話してくれました。
「昔は一般家庭は井戸水や山の水を利用していた。」
「水道(=上水道)は普及していなかったし、冷蔵庫なんて存在しなかった。」
「赤ちゃんがおなかを壊したら大変だから、赤ちゃんの飲み水は煮沸消毒するのが常識だった。」
「昔はお産で亡くなるお母さんは稀ではなかった。」
「ミルクなんて市販されてなかった。」
「お母さんが亡くなった家の赤ちゃんはおっぱいがよく出るよそのお母さんの家に《もらい乳》して、命を繋いでいた。」
「但し、《もらい乳》だから、その家の赤ちゃんが優先で、授乳時間がかち合うと、ギャン泣きしても《もらい乳》する側の赤ちゃんは待たなくてはならないこともあった。」
「そういう場合白湯を飲ませてしのいだ。」という背景があったそうです。

何だか胸が痛くなりますね。
数十年前の日本は、医療水準も暮らしも、そういうレベルだったんですね。

コメント

1 ■切ないです・・。
子供を産んでから本当に涙もろくなりました(><;)
もらい乳できない子もたくさんいのではないかと思うと本当に切なくなっちゃいます。
そら豆 2009-05-17 23:16:26

2 ■Re:切ないです・・。
>そら豆さん
そうなんです。
もらえない赤ちゃんは山羊の乳を薄めて飲ませる話も聞きました。
牛でなく、何故山羊だったのかという理由は不明ですが。
今以上に昔のお産は命がけだったのですね。
(妊産婦死亡率が昔は高かった。)
SOLANIN 2009-05-17 23:56:10

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