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2009年5月

2009年5月31日 (日)

子供の歯が虫歯になっていないかどうかの見分け方

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「子供の歯が虫歯になっていないかどうかの見分け方 。(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

子供の歯が虫歯になっていないかどうかの見分け方
子供の歯を診てくださる、かかりつけの小児歯科のドクターを決めて、定期検診を受けることは大変重要です。
上下の乳中切歯が生え揃う頃には初回の受診ができるといいですが、毎日お口の中を覗いているのは、お母さんかお父さんのどちらかでしょうから、早期発見のために、簡単に判るポイントを述べますね。

それは『歯の一部が白く濁っていないか。』ということです。
乳歯のエナメル質は永久歯の半分程度の厚みしかないこと。
しかも、その半分の厚みに達するまでに、歯が生えてから2~3年を要するのは、以前からの読者の皆さんはもうご存知ですよね。

特におっぱいを飲んでいるお子さんは(哺乳瓶授乳のお子さんもそうですが)上顎の乳中切歯の裏側が一番の虫歯好発部位ですから、そこは要チェックですね。

何せ、水が滲みるとか、痛いとかの訴えをしてくれませんから、お母さんかお父さんの眼力が必要なんですね。

1歳代以上のお子さんでは、おっぱいを飲んでいる・いないに拘わらず、虫歯になりやすいのは乳中切歯に加えて奥歯(臼歯)ですが、これは、生えたての歯は溝だらけで、食べ物のカスが溜まり易いからです。

但し、虫歯発見のために、仕上げ磨きの際にお口を覗く時、目を凝らし過ぎると、お子さんには「怖い顔」になってしまいますから、スマイルを忘れずにね。

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新生児の吐乳

先に書いた記事のコメント欄に相談事が寄せられていたので、回答を兼ねて記事にさせていただきます。

生後3週間の赤ちゃんがおっぱいを吐くそうです。
それもかなりの勢いで。1日に吐くのは1~2回だけど、1回にガバっとくるのが4回くらいあるそうです。
吐乳の度に『お着替え』が必要な様子ですね。
祖父母からはおっぱいを飲ませ過ぎではないかと言われ、控えると欲しがって泣くそうです。
お母さんとしては、どうしたらいいのか困っちゃいますよね。

この状況から察するに、このお母さんのおっぱいの出方がメッチャ多いのかなということが、まず考えられます。
次に赤ちゃん自身が食いしん坊で、つまり哺乳意欲が旺盛であること。
それに加えて体力的な面でスタミナのある赤ちゃんであること。

以前からの読者のみなさんはよくご存知かと思いますが、まだ新生児には、満腹が分かりませんから、恐らくこの赤ちゃんはスタミナが切れるまで飲み続けられると思います。(そうでなければ眠りつくまで)

では、どうすればいいのか。
まずは赤ちゃんの様子を見てください。
吐乳の後は喘いだり、苦しそうですか。
チアノーゼが出ていますか。
それともケロッとしていますか。

どこも悪いところがなければ、ケロッとしていると思います。
『お着替え』させたら、もうお口パクパク、舌ペロペロしていませんか。
おっぱいちょうだいのオーラが出ていませんか。

こういう場合飲ませ方を調整すればいいのです。
過去の記事にもあるので是非ご参照いただきたいものがあります。
確かタイトルは《おっぱいの前に搾る》だったかと思います。
そうすれは、飲ませ始めから噴出すくらいの勢いで出てこないから、赤ちゃんが気の済むまでおっぱいを飲んでも吐くことは少なくなります。
大人の感覚で「もういいだろう。」と、途中でおっぱいから引き離すと、吸い足りないから怒ってしまいますから逆効果ですね。
立て抱きにして5~10分背中を擦ってあげてくださいね。

また、寝かせる時は必ずアタマを高くして寝かせてください。
吐き戻しをしにくくするためです。

そうそう、赤ちゃんがガバっと吐いてしまったら、”リセットボタン”を押してしまったも同然ですから、またおっぱいを欲しがっても止むを得ないです。
だって赤ちゃんは過剰分だけを調整して吐くことは出来ませんから。
胃の中全部リバースしちゃったら、すっきり爽やかになるから、「もう1回ちょうだい。」になっても仕方ありません。

尚、搾ったおっぱいは捨てると勿体ないと思われたら冷凍・冷蔵も可能です。

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食物アレルギー予防とお食事1

栄養士さんとお話していると、こう言われました。
「何か、お母さん自身に食物アレルギーがあるならば、妊娠中から同じものを頻回かつ多量に摂取するのはよくない。かといって、やみくもに制限すると食事内容が極端に偏るから、自己流は止めて、主治医の先生と相談してください。」と。

確かにそうですね。
お母さんとお父さんの両方に食物アレルギーがあると、その夫婦から生まれた赤ちゃんの70%以上の確率で、何らかのアレルギーを持つというデータがあるそうですね。(どちらか一方だけならば、33%だったかと記憶しています。)

今は大丈夫だけど、赤ちゃんの時、〇〇が食べられなかった(食べてはいけないと、食事制限があった。)というのも、注意が必要です。
物心が付く前に『解除』されたアレルギーについては、本人が知る由もないので、これは、ご実家のお父さんかお母さんに尋ねてみてくださいね。

月齢の小さい赤ちゃんの場合、何か症状が発現して血液検査をしても、何も反応が出てこないこともあります。
隠れアレルギーっていうのでしょうか。
その時の検査結果からは何とも言えないけど、状況証拠としては限りなく〇〇がアレルゲンではないかという場合ですね。

私が知る実例では、産後休暇明けで、おばあちゃんに搾乳を預けて仕事に行ったが、途中で搾乳のストックが足りなくなって、止むを得ずミルクを補足したら、飲ませて30分もしないうちに、赤ちゃんの顔が真っ赤に腫れてきて、ゼイゼイと喘ぎ始めたので、小児科へ駆け込んで来られました。
それまで1回もミルクを飲んだことがなかったので、他に変わったこともしていないし、それしか原因は考えられないようでした。

もうひとつは、某ファストフードの鶏肉加工品を食べてからおっぱいをあげたら、やはり赤ちゃんの顔が真っ赤に腫れあがり、胸やおなかにブワァ~と発疹が拡がって、むず痒がったので、小児科受診されました。
聞けば、お母さんは食物アレルギーはないけれど、お父さんが幼少時に鶏卵・鶏肉の類が一切ダメだったらしく、推定ではありますが、お父さんの体質に似てしまったのかなというものです。

二人とも2ヶ月の赤ちゃんでした。
血液検査をしてみたものの、これといった結果は出ませんでした。
このくらいの月齢ではやはり結果は出ないだろうなと小児科のドクターが呟いていました。

コメント

1 ■恐い…
アレルギー恐いですね…(´・ω・`)あたしは何もアレルギーないのですが、主人が何かアレルギーがあるようで、先日肌に炎症が出て皮膚科に行くと食べ物アレルギーと診断されたようです。でも何アレルギーかは調べなかったようです…主人のアレルギーを調べに行った方がいいのでしょうか?それとも娘の血液検査をした方がいぃでしょうか?(離乳食は来月からです。)ちなみに今まで母乳をあげてアレルギーが出ていた様子はありません…。
non0520 2009-05-31 13:01:53

2 ■いつも読んでいます
ここにコメントしていいのか分からないですが、書きこませて頂きます。
いつも参考にさせて頂いています。
完母の生後3週間の娘がいます。かなりの量の乳吐きで悩んでいます。毎回ではなく、1日に1・2回程度ですが、滝のようにおえーと4回くらい吐きます。
それをみた親が飲ませすぎとちゃうのかと言うので、飲む時間を短くしたのですが、足りないのか、オッパイを欲しがって泣きます。
赤ちゃんに母乳を欲しがるだけ飲ませていいのかってことを記事にしてもらっていいでしょうか。
よろしくお願いします。
11051124 2009-05-31 16:46:15

3 ■Re:恐い…
>non0520さん
5ヶ月くらいならば、血液検査をしたら、反応はでるようです。
赤ちゃんに1回だけ痛い目(採血)させますが、ドクターに事情を説明し、一度検査をしてもらわれて、結果を確認されてから離乳食をスタートされた方が安心かと思います。
多分、調べる項目のセットメニューがあると思います。
卵黄・卵白・オボムコイド・牛乳・大豆・小麦・蕎麦・米・ダニ・ハウスダストなどだったかな。
SOLANIN 2009-05-31 17:52:22

4 ■Re:いつも読んでいます
>11051124さん
分かりました。
今から記事にアップします。
SOLANIN 2009-05-31 17:53:27

5 ■無題
>SOLANINさん
ありがとうございます(*´艸`)さっそく小児科で検査して貰います☆
non0520 2009-05-31 19:14:45

6 ■Re:無題
>non0520さん
ちょうど、赤ちゃんの月齢が検査に適した月齢なので、白黒はっきりするのではないかと思います。
ヤバい食材は避けた方が無難ですからね。
SOLANIN 2009-05-31 23:40:17
 

2009年5月30日 (土)

上の子の入院による母子分離(後編)

そこで、赤ちゃん(っていうか、下の子ですね)をどうするか。
お母さんと1週間も離れるなんて、想像だにしていません。
まだ、さほど言葉が操れるわけではありませんが、分からないのではありません。
なので、ある日お母さんが居なくなる・・・というのは、最悪の運び方と言えます。

急に検査入院をするわけではないのですから、赤ちゃんには予告をしておきます。
例えば、こんな風に言い聞かせます。
お母さんは、お姉ちゃん(お兄ちゃん)の検査に付いて行くことになったよ。
帰ってこない日があるよ。
遠くにいくから、なかなか会えない。
おばあちゃん家で御飯食べて、お風呂に入って、ねんねするからいい子にしてね。
けど、3つねんねしたら、お父さんに病院に連れて来てもらえるから、その時おっぱいをあげるからね。
また3つねんねしたら、お家に帰ってくるから待っててね。

数字的なものが理解し辛い状況ならば、乳房に恐怖感を与えない絵を描いていくのです。そう、言い聞かせの逆バージョンです。
絵が描けたらお母さんに会えると言い聞かせるのです。
もちろん、1ヶ月くらい前から、仕込みます。

今まで2人に勧めて、母子分離を乗り越え、2人とも健気にお母さんを待っていてくれていました。
おばあちゃん家でもさほど暴れたりもせず、大泣きもせず、お母さんを待っていてくれていました。
面会時とお家に帰ってからは、喜んでおっぱいを飲んでくれました。

上の子の入院による母子分離(前編)

赤ちゃんが1〜2歳代で、兄姉がまだ学童期になるかどうかの年代ですと、上の子が入院になったら、お母さんが付き添いをしなくてはならないことがしばしばあります。

病院というところは、基本的に付き添い人は不要です。
そうは言っても、幼児・学童前期(3年生くらいまで)では、子供1人の入院は実際には困難です。子供も親も不安ですからね。

★病院で出生した赤ちゃんで、心臓に重い病気があると、遠方の専門病院に入院して手術をしてもらうことがあります。
一命をとりとめ、やがて元気になられると、弟妹が生まれる家庭もあります。

★病院で出産されたお母さんは、普通は母乳育児をされています。
で、困ってしまうのが、上の子の検査入院なんですね。
病状が落ち着いても、1〜2年に1回はしなくてはならないのですね。
だいたい、1週間は入院となるようです。
さすがに弟妹を連れての入院は無理ですから、おばあちゃんに預けることになります。

大抵そこで、おばあちゃんは断乳を切り出されます。
「大きくなったから、おっぱいはもう充分ぢゃないの。」「普段おっぱいでねんねしてるから、寝かしつける自信がないなぁ。」と。
お母さんはおばあちゃんに迷惑をかけたくないのですね。
でも、下の子と1週間も離れるのは辛いし、上の子をみなくてはいけないし、どうしていいか、分からなくなるのです。

そんな時、母乳外来に来られます。
続きは後で。

2009年5月29日 (金)

ピぺトップって知っていますか?

乳頭形態が扁平型や陥没型であると、直母するのが難しいことがあります。
でもあくまで、《難しい》のであって、出来ないのではありません。
そうでない方の「2倍3倍頑張らなくてはならないこと」や「準備しておくと助かること」があるということです。

最近何か変わったものはないかと色々探していたらいたら、ピぺトップという、ブラジャーの内側に常に仕込んでおける乳頭吸引器があることに気づきました。お値段は高い(通常の乳頭吸引器の10倍前後)ですが、奮発して購入いたしました。

お試しで装着したら、確かに吸引はしているようです。
私の乳頭は特徴のない正常型ですが、それでも乳頭が引っ張られている感覚がありました。
扁平型や陥没型の妊婦さんが装着されたら、効果の程が分かりますが・・・現在のところ装着に適した方は入院されていないので、確認のしようがありまえん。

読者のみなさんで、このお高い乳頭吸引器を使用された方は居られませんか。
もし、ピぺトップを使用されたことがあれば、お話をお聞かせくださいな。

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夜中の添い乳は虫歯の元凶ですか?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「添い乳は虫歯の元凶ですか?(改訂版) 」公開中です。
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以下、過去記事。

特にお父さん、お母さんが幼少時から虫歯で苦労しておられると、赤ちゃんの歯が生えてくる度に、いよいよ虫歯が心配になってくることでしょう。

旦那さんから「虫歯になるんぢゃないのかなぁ。添い乳はヤバいらしいよ。」と注意された方もおられるかもしれません。

でも、赤ちゃんに砂糖を含む食品を食べさせていなければ、ねんね前に歯磨きをしていれば、やみくもに赤ちゃんにチューしたり、お箸やスプーンを共用しなければ、虫歯の予防は十分可能です。
折を見て、歯医者さんでフッ素を塗ってもらうのもいいですね。

添い乳をしている子とそうでない子では、している子の方がリスク的に高くはなるでしょうが、添い乳が虫歯の元凶ではありません。
要は、お口のケアをしっかりと行っていれば、やみくもに心配しなくてもいいのですね。

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ねんね前のおっぱいの後に歯をガーゼで拭く?

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「ねんね前のおっぱいの後に歯をガーゼで拭く?(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

10か月健診で歯科衛生士さんから「歯が生えているから、ねんね前のおっぱいの後はガーゼで歯を拭いてください。」と指導されたという電話が★病院の母乳外来にかかってきました。

「どう頑張っても、そうすれば赤ちゃんが起きてしまってねんねどころじゃないんです。でも、やらないと、虫歯になるから。どうしたらいいですか。」と、お母さん。

出来なくて当り前です。
この歯科衛生士さんの仰ることは、正論には違いありません。
でも・・・これって、混合・ミルクを問わず、どんな赤ちゃんであっても無理っぽいです。
まさに絵に描いた餅ですね。

食べ物のカスが歯に付着しているところにおっぱいをあげたら、虫歯になるかも。
なので、歯を磨いて奇麗にしてから、ねんね前のおっぱいをあげるといいのですね。

2009年5月28日 (木)

しまじろうのキシリトールタブレットがスティッチに変身!

販売不振のためか、廃盤になってしまった、ロ○テのしまじろうキシリトールタブレットですが、此の度、リニューアルしたことが、今日、分かりました。
実は★病院では、マタニティークラスBのある日でして、相棒の歯科衛生士さんが、持参してくださったのです。

今度のキャラクターはスティッチです。
お味はりんご味といちご味の2種類が、一袋にミックスされています。
お得感ばっちりですね。
カタチは丸型で、これまでのハート型でないから、ちょっと寂しいかな。(女の子には)

しまじろうが廃盤になって、我が家も困っていました。
ロ○テさん、再開してくれて有難う。

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何かができるようになる前はたくさん欲しがります

ある日突然に、赤ちゃんが『おっぱい飲みの神様が降臨したのかなぁ。』というくらい、ひっきりなしに、おっぱいを欲しがることがあるかもしれません。
例えば、それまで、9~10回/日くらいのペースでおっぱいを飲んでいた赤ちゃんですと、いきなり、14~15回/日くらいのペースに増えてきます。
お母さんにしてみたら、乳房の張る時間がないので、こういう状況に陥ると、ほぼ100%のお母さんは「おかしいなぁ。急におっぱいが足りなくなったのかなぁ。」と不安になってきます。

しかも、この『おっぱい飲みの神様降臨状態』は超短くて3日間、通常7~10日間、超長いと14日間くらいは続きます。
何の知識も持ち合わせていないと、お母さんは自信喪失しちゃいかねません。

そう、これが母乳不足感の大元なんですね。
おっぱいは、その時、赤ちゃんの欲しいだけは出ているのです。
それは間違いありません。
では何故、赤ちゃんは突然に頻繁におっぱいを欲しがるのかという理由が、この記事のタイトルなんですね。

例えば生後3~4週目に来る第一波は、体重増加のペースのギアチェンジ期にさしかかったことを意味します。
それまでもよく増えていた赤ちゃんも、イマイチだった赤ちゃんも、加速をつけてくるときは、それこそ「ガツガツ」とか「すっぽん」という表現がぴったりと当て嵌まることでしょう。
そうして、ひと段落つけば、また元のペースに落ち着いてきます。

その次は6~8週目に来る第二波は、早い赤ちゃんですと、あやすと笑うようになります。
「あーあー」「ウックン」などのおしゃべりが始まったりします。
出来るようになると、おっぱいの回数は減ってきます。

一般的に女の子のお母さんは、「あまり分からないなぁ。」仰ることが多いです。
男の子のお母さんは、「そういえば、そうだったかも。」と仰ることが多いです。

この傾向のある赤ちゃんは、ずっとこれを繰り返します。
その次は、満腹が分かる・・・かな。その次が頸が据わる・・・かな。
『おっぱい飲みの神様降臨状態』になったら、焦らず、びびらず、「次は何だろうね。」と、興味を持って赤ちゃんを観察してください。

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歩ける子の歯磨きは一人でさせないで!

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「歩ける子の歯磨きは一人でさせないで!(改訂版)」公開中です。
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先日、洗面所のお子様ステップの上に立ち、一人で歯磨きしていた2歳児が足を踏み外し、弾みで歯ブラシの先が上顎方向に突き刺さり,QQ受診されました。

数年前綿あめの割りばし事件があったこともあり、大事をとってレントゲン撮影したそうです。
レントゲン所見的には問題なかったのですが、万一に備え、経過観察のため2日間入院されました。
入院中も特変なく退院されました。
しかしその翌日、高熱が出て、患部から膿がどろりと出たそうで、即刻受診され、緊急手術となりました。

その後無事退院されました。
歯磨きは、床の上でしましょう。
念のため、歯磨きの際はお子さんを一人にしないでね。

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2009年5月27日 (水)

祖父母が孫に甘いものを与えようとして困る

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「祖父母が孫に甘いものを与えようとして困る。(改訂版)」公開中です。
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お母さんやお父さんは赤ちゃんのうちから甘いものを控え、虫歯にならないようにと心をくばっておられることでしょう。
乳幼児期の虫歯予防のためには甘いものデビューは遅い方が無難です。

ところが、1歳を過ぎる頃から、おじいちゃん、おばあちゃんが孫可愛さ&懐かせたさで、お母さんやお父さんの意向を無視したり、隠れて甘いものを与え、トラブル話をよく聞きます。

「甘いものは美味しいのにお母さんが厳し過ぎて、全く食べられないなんて、何と不憫なことか。」とか「乳歯は抜けるから虫歯云々、堅いこと言いなさんな。」とか「脳のエネルギーは糖分だけなのに、甘いものを食べないと頭が悪くなるんぢゃないか。」とか、色々なことを言われます。

お子さんのために、一生懸命なお母さん、お父さんの気持ちをおじいちゃん、おばあちゃんが台無しにしていることは往々にしてあり、バトル勃発の火種でもあります。

3歳までは、キシリトール以外の甘味は与えるべきではないと私は思います。
お母さんやお父さんの方針を翻し、勝手なことをする場合は、毅然とした態度を見せ
「歯医者さんで、この綺麗な歯を守ってあげましょうって言われたから。」とか「私が小さい頃、虫歯治療で痛い思いをしたから、この子にだけはそんな思いをさせたくないんです。」とか「この子が虫歯になったら歯医者さんに連れていって、暴れて泣き叫ぶのを押さえつけて、治療に立ち会ってくれるんですか。」くらいは言ってもいいのではないでしょうか。

可愛い孫が痛みと恐怖で暴れて泣き叫ぶのを押さえつける自分を想像したら、少しは理性がはたらくと思います。

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SIDSは怖いですね

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「SIDSは怖いですね。(若干改訂版)」公開中です。
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以下、過去記事。

皆さんが出産された病産院や集団健診会場でもある保健センターなどに、SIDSのポスターが貼られてますよね。
一度はご覧になったのではないかと思います。

SIDSの原因は不明ですが、ハイリスク因子はよくご存知ですよね。
両親が喫煙者ならば両親が非喫煙者である場合の約5倍。
完全ミルクならば完全母乳である場合の約5倍。
そして、うつ伏せ寝は仰向け寝の約3倍。

生後6ヶ月頃を過ぎると、赤ちゃんは寝返りをするようになってきます。
そうして、お母さんを悩ませるのは、赤ちゃんがうつ伏せ寝になってしまうこと。
すごく気になり、赤ちゃんが眠っている最中、うつ伏せになる度に仰向けにひっくり返しているお母さん、結構いらっしゃるのではないかしら。
でも、キリがない。
でもSIDSは怖い。
ジレンマですよね。

基本的に寝返りをする頃はSIDSの最注意期(=生後4ヶ月まで)を過ぎているので、あまり神経質にならなくてもいいでしょう。
但し、敷き布団がふわふわですと、赤ちゃんのお顔が潜り込んでしまい、窒息の危険性はあります。
硬めの敷き布団だったら、寝返りしても赤ちゃんのお顔が潜り込まないから、安全ですね。

でも、うつ伏せ寝よりも怖い因子があることは覚えておいてね。

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おっぱいに左右差がある時の対処法

以前にもタイトルに近い記事を書いたように思うのですが、最近プチメでの質問として複数あったので、書きますね。
人間には、利き手、利き脚などがあるように、私は『利きおっぱい』があると思います。
それは、一般的にお母さんが飲ませやすかったり、赤ちゃんが好きだったりということで、何となく決まってくるようです。
もちろん、どっちも同じとか、お母さんの得手と赤ちゃんの好みが逆とか、バリエーションはあります。
両利きの方だっておられるし、子供時代に左利きから右利き(スポーツだとその逆もあり)に直させられた方だっておられますからね。

まぁ、それはともかく、例えば右が『利きおっぱい』だったとしたら、一般的に分泌も右は左よりも多いわけです。
そうすると乳房の体積も左右差が1vs3とかになったりします。
気が付くのが遅れたり、放置すると左右差が拡大することもあります。

対処法としては、この場合、左スタートで3~5分飲ませて、多分それくらいで赤ちゃんが乳頭を引っ張ったり、小言を言ったり、離すので右に変えます。
右を5~7分くらい飲ませてから再び左で締めます。

1回目にスタートした方が、強い刺激を受けるので、左にカツを入れる意味でそうします。
『利きおっぱい』の方は2回目でも刺激は充分なので、後に飲ませます。
右は生産量が多いことが想定されるので、分数を長めにして、おっぱいが滞留しにくくします。
3回目の左は乳頭への刺激の意味です。

このようにしていくと、少しずつ左右差は縮まります。
赤ちゃんが片方だけを嫌がらないように、気をつけて飲ませると良いですね。

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赤ちゃんの虫歯予防の第一歩

一番の理想は妊娠前に歯科検診を受けて、悪いトコロを治しておくことです。
切迫流産・早産の原因になるからです。
その恐ろしさはタバコの5倍です。
それが出来なければ、妊娠中、悪阻(つわり)が治まってきて安定期の入ったら、治療をします。
エックス線の影響が心配かもしれませんが、鉛入りの重たいエプロンを付けておなかをガードして撮影するのと、歯科でのエックス線というのは、おなかではなく口腔内(いわゆるパノラマとか)に照射するので方向が全く異なるし、そもそも歯科で使用するエックス線は線量として僅かなので、おなかの赤ちゃんには安全です。

口腔内に使用する麻酔薬も心配ありません。
軟膏・歯に詰めたお薬が取れたり飲み込んでしまっても、量がしれているので、血中濃度云々の問題はありません。
おなかの赤ちゃんに到達しないまでにお母さんの体内で散ってしまいます。

内服薬は気になるところですが、心配ならば産婦人科のドクターに連絡して事情説明して、おなかの赤ちゃんに安全なお薬に変更してもらうことだって可能なんです。

出産後はとても歯科受診する時間がありませんが、痛くて我慢していて手遅れになっては大変です。
何とか時間を捻り出して、赤ちゃんの歯が生えてくるまでに、お母さんは治療をしておきましょう。

想像以上にご自身の口腔衛生に傾注することは大事なんです。
可愛い赤ちゃんのためにお母さんがやるべき、最低限の作法だと思ってくださいね。

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2009年5月26日 (火)

中国人のお母さんが出産されて・・

お国柄の違いでしょうが、中国人の方はあまり母乳育児に興味がないのか、ミルクを足したがる方が多い印象を受けます。
しばらく前なんて、「★病院はミルクが貰えないから・・・」と、予め入院の際にミルク缶・哺乳瓶・消毒セットなど一揃い準備して、初日から(もちろん医学的理由もないのに)いきなり病室で調乳して、赤ちゃんにミルクを与えるという暴挙に走ったお母さんがおられました。
出身地域にもよるのでしょうが、とにかく赤ちゃんは丸々と太らせるのが美徳のように捉えられており、生理的体重減少すら許せない口ぶりでしたが、根気よく説明して、どうにか理解してもらえました。
SOLANINは中国語が喋れないから、通常のお母さん向けのパンフレットを簡単に漢字に書き換えました。
赤ちゃんのABRの結果報告書まで、漢字に書き換えました。
(これも日中友好のためになるかって・・・なんちゃって。)
文法は英語と同じようだと聞いていたので、「主語+動詞+目的語」のみでしたが。
でも、それで十分に伝わりました。
尻込みせずに、やってみるものですね。

暴挙のお母さんも退院時以降はおっぱいのみで、育てておられます。

《追伸》
外国人のお母さんの場合、大事な説明は通訳か旦那さん(ほぼ全員日本人ですが稀に夫婦で外国人の場合もあり)と一緒にお話を聞いてもらいます。
私はこれまで、愛の力で旦那さんが外国語をマスターして結婚されたのだと思いこんでいましたが、最近は「電子辞書(翻訳機)」で愛の言葉も伝達事項も済ませる方もちらほらおられます。
ある意味凄いなぁって思いました。

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おばあちゃんの余計なひとこと

言うまでもないことですが、★病院では、正常新生児は医学的な理由がなければ、ミルクの補足はしていません。
例えばそれは、「今日は0日目だから、糖水5ml/回。」とか、「体重が7%減ったから毎回ミルク30ml補足。」とかはありえないということです。

そんな現実を知ってるためか、お見舞いに来られた赤ちゃんのおばあちゃんが「おっぱいまだ出ないんでしょ。何か足してもらってるの。」と、聞かれることもあります。
お母さんが「何も足してない。」と答えられると、「赤ちゃんが干からびてしまう。」と、言われたそうです。
赤ちゃんは干物ではないのですが。
挙句、最大の禁句「おっぱいは張ってるのかな。私なんかピューピュー出たけど。」というフレーズが続きます。

特に旦那さんの方のおばあちゃん(義母さん)に言われると、ナイーブなお母さんのココロはズタズタにされます。
ご自分の方のおばあちゃん(実母さん)に言われたら、結構反論されていますが。
面会に来ていただいても、お母さんに元気を分けてくれるならともかく、毒を吐いて帰られると本当に困ります。
おばあちゃんが嫁や娘に「母乳不足感」を煽ってどうするのよ。
お願いだから、赤ちゃんのおばあちゃんは、頑張ってるお母さんとお母さんを支える私たちの努力を台無しにしないでほしいです。

母乳育児の確立に際し、身内が足を引っ張る事例が相次いだので、みなさんはどうだったのかと思い、記事にしました。

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直母をすることで、自然に噛める子に育つのです!

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「直母をすることで、自然に噛める子に育つのです!(改訂版)」公開中です。
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以下、過去記事。

東京大学医学部の井上直彦先生の調査では、保育園・幼稚園児で、噛めない子が園児4人に1人という高い割合で発生していることを、報告されています。

噛めない原因は哺乳様式の違いにまで遡ります。
それと、糖質類の摂取の多少も関係しているようだと、示唆されています。

噛まないことがなぜいけないのかというと、噛まないことは唾液の分泌が少なくなるのでお口の中の自浄作用が低下することを意味します。
つまり、虫歯や歯周病になりやすいからです。
それに、顎の骨の発達が悪くなるので、歯並びが悪くなります。
(顎の発達が悪い場合は、乳歯の時はきちっと隙間なく生え揃います。ということは、永久歯は乳歯よりも大きいですから、生え変わりの際、キレイに並びにくいという恐れがあるのですね。)
噛み合わせが悪くなることもありますから、他の病気が派生しやすくもなります。

噛めるお口に育てることの第一歩がおっぱいで育てることです。

因みに井上直彦先生の調査では噛める子の割合は直母のみ・・・93.9%。混合栄養・・・68.5%。完全ミルク(哺乳瓶オンリー)・・・33.3%。と、その差はかなりあります。

★病院は医療関係者の出産も多いのですが、歯科医、歯科衛生士、歯科助手などの職業の方も出産されます。
歯科領域のみなさんが口を揃えて仰るのは、「自分が赤ちゃんにおっぱいをあげて初めて、カルテに記載されていた、乳児期の栄養欄(母乳・混合・ミルク)の意味が分かった」ということです。

その道のプロが仰ることですから、間違いないと思います。

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ちょこちょこ飲みは癖になる?

出産後間もなくはおっぱいの出方も少しづつですし、赤ちゃんもちょっと吸ってくったりすることが多く見受けられます。
おっぱいの途中で疲れて一休みしたり、うとうと眠ってしまうことは、何も悪いことではありません。

ちょこちょこ飲みをするということは、吸啜刺激が多く得られるので、おっぱいを造るプロラクチンの分泌を促します。
そうです。
このちょこちょこ飲みがあったればこそ、おっぱいの生産量は増加の鍵ですから、何の心配も要りません。
おっぱいの生産が軌道に乗って、赤ちゃんに体力がついてくれば、ちょこちょこ飲みは解消しますから、大丈夫です。

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2009年5月25日 (月)

過分泌のお母さんが乳房マッサージを受けると・・・

乳房マッサージそのものには、乳汁分泌作用はありませんが、開通状態を改善しますし、おっぱいの出方は良くなると思います。

しかし、誰かにあげたくなるくらいのおっぱいの出方のお母さんが、トラブルでもないのに、乳房マッサージを受けると、過剰刺激になり、さらにおっぱいの生産量が増加します。

なんでもかんでも、乳房マッサージというのは、いかがなものかと思います。
もちろん、出過ぎていつもトラブル寸前なので、分泌を抑制するマッサージをするならいいと思いますが、テクニカルな面で誰にでも出来るとは限らないので、よく考えてからマッサージを受けられてはと思います。

離乳食に興味がないの?

9か月の赤ちゃんのお母さんが相談に来られました。
離乳食は6か月から開始したものの、典型的なおっぱい星人なのか、離乳食を作っても、眺めているか、お椀に手を突っ込んでこねたりして、食べさせようにも、数さじ食べたらいい方で、食べたいという意欲が全く感じられないそうです。

おっぱいは、6~7回/日以上飲んでいるとか。

お母さんは出来るだけの努力はしておられました。
ただ、努力が裏目に出ることもあります。
可能であれば、実家のお母さんに食べさせてもらったり、旦那さんが帰宅されてから(あまり遅い時間ならば難しいですが・・・だったら、休日だけでもいいから。)食べさせてもらうのもいいです。
おっぱい星人の赤ちゃんは「お母さん=おっぱい}という公式が頭の中に入ってますから、「離乳食なんか食べたらおっぱい飲めなくなるから、大変。」とさえ思っていることが想定されます。
でも、実家のお母さんや旦那さんは逆立ちしても、おっぱいは出ないから、諦めて食べてくれやすいんですね。

特に成長発達に問題がなければ、もう少し待ってもいいのではとお話しました。
無理強いして、大嫌いになるよりかは、いいですからね。

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夜中は腹持ちをよくするため、ミルクを足すといい?

おっぱいとミルクでは消化時間が異なることは、読者の皆さんはよくご存知ですよね。
出生間もなくは赤ちゃんも胃が小さいし、おっぱいの消化時間はミルクの消化時間の半分強という速さです。
深夜帯も頻回直母では、お母さんが疲れるから、腹持ちをよくして授乳回数を減らしたらラクなんぢゃないか・・・という発想ですね。
う~ん、それってどうなんでしょうねぇ。
血中プロラクチン濃度が時間帯により変動することも、読者の皆さんは覚えておられますよね。
そうです。
深夜帯の血中プロラクチン濃度は午後からの2倍くらいはあるのですね。
24時間のうちで、一番おっぱいがたくさん造られる時間帯が深夜帯ですね。
その時間帯に吸わせる回数をセーブしたら、どうなりますか。
おっぱいが出にくくなっちゃうんですね。
それはまずいです。

おっぱい、ミルクに係わらず、お母さんが困るのは、飲ませても全然眠ってくれないこと。
抱っこしていたらおとなしいけど、置いたらギャ~ではたまりません。
要するにおっぱい、ミルクを飲んだら機嫌が直り、すんなり眠ってくれたら、さほど困りはしないと思います。

やはり、夜中であっても授乳のペースは、最初の1~2ヶ月は赤ちゃんに合わせてあげたほうが、おっぱいの分泌がパワーアップしますから、おっぱいだけで順調に育っておられるならば、ミルクの補足は考えないようにしましょう。
夜中ダラダラ飲みっぽいならば、夕方からは熟睡させなければいいだけですから。

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2009年5月24日 (日)

ぐずられると、ミルクを足したくなる?(2ヶ月)

2週間健診、1ヶ月健診ともにおっぱいだけで順調に育っている赤ちゃんのお母さんが、相談に来られました。
「夕方からグズグズと機嫌が悪く、おっぱいをいくら飲ませてもキリがないように思えるんです。乳首を離したり寝かせると、すぐに泣き出します。ミルクあげたらおとなしくなるんぢゃないかって思えてくる。」とのこと。

確かにグズグズの時はおっぱいが「出涸らし」状態のようで、分泌不足が心配かもしれません。

但し今はまだ、満腹中枢が未形成なので、赤ちゃんの胃の体積と欲しいがままに哺乳する体積(=実際に哺乳する胃の体積)には違いがあるため、そのように思ってしまうのでしょう。

体重増加が標準以上で、ドンドン成長する時は、ミルクの補足は不要ですし、逆にミルクを補足したから、必ず泣き止むという保障はありません。
眠ってくれるとは限りませんね。
そうしたら、もう、切るカードがなくなってしまいます。

医学的意義のない、補足はやめましょう。

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産後3日間、全くおっぱいが出ない!

どうしても母乳育児がしたくて、わざわざ、片道車で1時間以上かかる★病院を選んで出産されたお母さんがおられます。
妊娠中から、乳頭・乳輪マッサージを行い、毎日1万歩歩き、妊婦体操を欠かさず行い、とても努力をされてきました。

ところが出産の際、赤ちゃんの頭の回り方が反対周りになり、(最後にお母さんのお尻の方を見て産まれるはずが、お母さんのおなかの方を見て産まれてしまうという状態。)微弱陣痛も相まって、分娩所要時間が60時間もかかってしまいました。
出血量も多く、出産後はヘロへロでした。

それでも、ねをあげることもなく、頑張って1日12回くらいのペースで授乳しておられました。
ただ、赤ちゃんは効果的な吸着ができにくいタイプでした。
かなり程度の重い、舌小帯短縮症でした。

母子共に悪条件が重なったのだと思います。
妊娠中は乳頭・乳輪のお手入れの際に、滲み出していたおっぱいが、全く分泌してこないのです。
入院中の他のお母さんは、全員揃いも揃って爆乳系というか、噴射するくらいおっぱいの出る方ばかりで、焦らないでというのが無理でした。

私は産後3日目に乳房チェックをさせてもらいました。
感触的には0日目でした。
産後のお母さんと赤ちゃん係の助産師に「0日目同様だわ。退院日の6日目に10g/回くらい哺乳できたら後は何とかするね。暫くは補足も仕方ないけど・・・」と、伝えました。
乳房を刺激するようなマッサージを行い、赤ちゃんの吸啜刺激が有効になるようなポジショニングに変更しました。
また、止むを得ず、プリンペランを内服してもらいました。

産後4日目、乳房に熱感が見られ、直母量を測ったら2g飲めていました。
産後5日目、乳房の緊満が強くなり、鬱積とうっ滞が一緒くたにやってきました。
辛いので、プリンペランの内服は中止して、糾励根の湿布を開始しました。
そして、産後6日目の今日、1回の授乳につき、2クールで20~30gコンスタントに直母が哺乳できるレベルになってきました。
糾励根の湿布も中止できるレベルになってきました。
当初の予測よりも、しっかりと直母できるようになってきました。

未分泌には理由があるのです。
「ずっと出ない人」というわけではありません。
理由が判り、適切な対応さえすれば、遅ればせながらおっぱいは出ます。
見極めて待つことも大事ですね

2009年5月23日 (土)

扁平乳頭・陥没乳頭のお母さんの母乳育児

まずは妊婦さんのうちから、はっきりと「私はおっぱいで赤ちゃんを育てたい。」という意思を持ってほしいです。
人一倍大変かもしれないけど、自分は挫けないぞという覚悟・・・大層ですが。

それから、妊娠中からの乳頭乳輪マッサージは、切迫の症状がない限り24週にはスタートしましょう。
腹緊があっても可能な乳房基底部マッサージは毎日何回でも行ってください。

乳房基底部マッサージをすると、分泌過剰になるのではという考え方もありますが、万一出生まもなくは直母が出来なくても、分泌が多ければ搾乳や乳頭保護器を上手に活用することで、赤ちゃんにおっぱいをあげられます。
また、乳房基底部に可動性が少ないと、乳房の鬱積が長期化しやすく、鬱積とうっ滞と一緒くたになってしまうと、お母さんの受ける苦痛が倍加します。
なので、私は妊娠中からの乳房基底部マッサージを勧めています。

そうそう、ワイヤー入りブラジャーは使わないのが一番です。(妊娠中も出産後も)

冷え性、肩凝りのキツい方は足湯やストレッチをして、授乳がしやすくなる下準備をしましょう。

動物性脂肪を多く含むものは乳管を詰まらせる元凶だから、妊娠中から控えましょうね。

ブレストシールドや、最近話題のピぺトップの装着もいいかもしれませんね。

兎に角、妊娠中から1回は母乳外来や助産院で診てもらうといいです。

特に陥没乳頭の方はマッサージの仕方が特殊なので(=ブルックス・ホフマン法)指導を受けないと自力では難しいと思います。

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おっぱいの分泌がカツカツかも知れない時こそ

授乳間隔を空けて、少しでも乳房を張らせてからおっぱいをあげた方が、何となく赤ちゃんもがっつり飲んで満足してくれるような印象を受けるでしょう。
しかし、乳房はペラペラでも構わないから積極的に頻回におっぱいをあげたほうが、赤ちゃんは育つし、おっぱいの分泌は上昇します。
最悪でも分泌の低下は避けられますから、カツカツかも知れない時こそ、頻回直母をしましょうね。

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B型肝炎のお母さんとの出会い

B型肝炎という病気があります。
体液・血液を介して感染る病気です。
大昔は出産の際、(つまり産道で)お母さんから赤ちゃんに感染ると言われてきました。

でも、出生後グロブリン注射をすれば、(その後の注射の時期は小児科のドクターの指示あり。1か月健診の時など。)赤ちゃんへの感染は避けられます。
もちろん、おっぱいをあげるのに制限はありません。

しかし、先日1人目は大阪の開業医さんで出産され、2人目を★病院で出産されたお母さんから、奇妙なことを聞かされました。
1人目の妊婦検診の際、母乳を介して感染するから、絶対に赤ちゃんに母乳を飲ませることはできないと産婦人科のドクターから宣告されたとのこと。
なので、最初からミルク育児だったそうです。
因みに1人目さんは現在3歳代で、大昔ではありません。

★病院で出産しようと思ったのは、実家があるので産前産後に上の子をみてもらうためだったからだそうです。
母乳育児を推進する病院であることはご存知でしたが、自分には縁のない話だと思っていたそうです。
里帰りで妊婦検診を受けた時、外来の看護師から「妊娠中からのおっぱいケアはしてますか?」と尋ねられ、「いいえ。」と答えたことから、会話が進み、真実が発覚したのです。

「十分母乳育児はできますよ。」と、★病院の産婦人科のドクターに説明を受けてとても嬉しい気持ちになった反面、1人目の子の時泣く泣く断乳し、初乳すらあげられなかった過去を思い出し、「あれは何だったのか。」という、やるせない想いをしたと言っておられました。

正しい知識を提供してほしいですよね。

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2009年5月22日 (金)

保育園から帰るとおっぱいを欲しがる1歳児

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「保育園から帰るとおっぱいを欲しがる1歳児。(若干改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。


以下、過去記事。

アンヨができて、片言も言えて、段々と赤ちゃんでなくなってきた1歳児のお子さん。
育児休暇明けで保育園に通園するようになるお子さんは外見的にはとても成長されています。
でも、どんなに大きく育ってても、1歳児は1歳児です。
帰宅するやいなや、「おっぱいちょうだい。」コールが始まり、「後でね。」といなすと与えるまで大泣きします。

夕食前にゴクゴクとおっぱいを飲むと、多少夕食の食べっぷりが低下するかもしれません。(特におなかが空いている時。)
でも、お子さんは昼間悔しいことや、悲しいことがあってもおっぱいを飲むことでモヤモヤした気持ちをリセット出来るのです。
お母さんと離れて寂しくても、おっぱいさえもらえれば、傍にいて甘えさせてもらってると実感できるのです。
個人差がありますから、ゴクゴクとまでは飲まないお子さんもいます。
ちょっと吸って満足してお母さんの膝を降りることもあります。

段々と成長すれば、おっぱい以外の方法で、気持ちを安定させることが出来るようになります。(自然卒乳ですね。)
「今日もお互いにお疲れ様だったね。じゃぁ、おっぱい飲もうか。」と、お母さんから誘ってあげてもいいくらいです。
きっと、おっぱい星人だったら、満面の笑みで近づいてくることでしょう。

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授乳・離乳の支援ガイドの周知が重要な理由

2007年3月に厚生労働省が策定した『授乳・離乳の支援ガイド』(以下『ガイド』とします。)は2年の経過をしたものの、周知が徹底していないという現実があります。

さて、『ガイド』を読み解くと、1995年に策定された『改定・離乳の基本』とは様々な面で解釈が変化しているのが特徴です。

例えば離乳準備食が不要ということ、開始時期、進め方、自分で手づかみで食べることの必要性、食べ方や量には個人差があり、無理強いをしないこと、おっぱいとの絡み・・・

3回食の開始時期ひとつとっても、SOLANINが長男を出産した頃は10ヶ月には断乳&10ヶ月には3回食の開始という保健指導がお定まりでした。
時代は変わり、現在は自然卒乳の考え方を尊重するようになってきつつあります。

離乳食にしても、1歳3ヶ月頃には3回食の開始ができるようにという方向なので、医療者が「早く進めなくては、発達が遅れる。」とか、「栄養不足になるのではないか。」というお母さんの不安を煽るような言動は慎むべきだし、進め方も緩やかになってきました。

さて、この『ガイド』の周知がなぜ重要かという理由は”健やか親子21”で行われている調査研究で、『ガイド』を知っている病産院の方が、知らない病産院よりも母乳栄養率が高いことが判明しているからです。
つまり、母乳育児を推進する上で重要な用件を含んでいるのですね。

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おっぱいとお薬/その5『経口避妊薬』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その5『経口避妊薬』(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

いわゆる、おっぱいを分泌するホルモンと、擬似的に妊娠状態を作り出すホルモンは真逆の関係にあります。
授乳中に経口避妊薬を内服すると、おっぱいの分泌が低下しますから、おっぱいをあげているお母さんには最も合わない避妊法です。

将来、経口避妊薬を使用することがあるかもしれませんが、授乳中に使用するお薬ではないということは確かです。

くれぐれも選択を間違えないようにしましょう。

 

 

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2009年5月21日 (木)

体重が増えにくいが、ミルクを受け付けない!

生下時3000gで、1か月時3800g、3か月時4900g、4か月時5400gというペースで成長している赤ちゃんのお母さんから、相談を受けました。
体重増加が今ひとつなので、ミルクの補足を試みるも、いつも吐き出します。

健診では頸の据わりも順調で、手足も活発に動き、喃語も出ているし、よく笑うとのこと。

確かに体重増加は少なめですが、発達に何ら心配な点はありません。
ただ単に小粒ちゃんなだけです。
こういう場合、おっぱいだけでも大丈夫。
欲しがるままに頻回直母でいいのです。
6か月になり、離乳食をスタートしても、おっぱいと離乳食で十分です。
ミルクの無理強いはしないようにとお母さんに説明しました。

 

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とても大きい完母の赤ちゃん

昨年春に生まれた赤ちゃんのお話です。
生下時体重が3450gで1か月健診には5480gにまで増えた赤ちゃんがおられます。
先日保健センターで4か月健診を受けたら、9200gに激増し、お母さんは困惑しておられました。
いくら何でも太り過ぎでないかと。

因みに完母の赤ちゃんです。健診会場でも、ヒソヒソ声が聞こえたそうです。
「あの子、4か月ぢゃないよね。」「重たそうね。」
「もう、何か食べさせてるのかな。」「まさかぁ、それはないでしょう。」などなど。

泣いたら飲ませるというのは1か月健診から止めたそうです。
必死にあやして、飲み過ぎないように気を付けていたとのことです。
でも・・・周りを見渡して、赤ちゃんの体格の違いを目の当たりにして、愕然としたそうです。

小児科のドクターは「大きいな。凄いな。もしかして、お父さんが大きい方ですか。」
と、尋ねられたとか。(お母さんは華奢なので。)

健診の後、★病院の母乳外来に来られ、お母さんは半べそでした。
「ちゃんと育っているから、喜ばなくちゃって思うんですが、肥満児にならないかと心配なんです。」
「頑張ってあやして凌いだのに、意味がなかったのかな。」
と、浮かぬ顔でした。

私は、「満腹が分かるようになる時期だから、もうそんなに増えませんよ。でも、気になるならば、離乳食の開始を遅らせてもいいかもしれませんね。もしも、たくさん食べる子だったらおっぱいよりも離乳食の方がカロリー多いから増えやすくなるかもしれないし。」とアドバイスしました。

時が流れ、6か月時の体重は10.3kgになりました。
でも、1か月当りの増え方は550gですから、かなり増え方にブレーキがかかりました。
そして、1歳健診での体重は11.5kgになっていました。
1か月当りの増え方は200gですから、よく増えているけど、変化は間違いありません。
まだ、ひとり歩きは出来ませんが、動き回るようになれば、カラダも引き締まってきます。肥満の心配はこの時期はないのです。
小児肥満が心配なのは、2~3歳になって急増する時です。
食生活に問題が潜んでいないか、外遊びはさせているか、要チェックです。

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仰天!危険なおばあちゃん!

今どきそんな人が存在するのかとビックリするような電話がありました。
他院で出産され、混合栄養のお母さんなのですが、赤ちゃんの体重が1か月健診時に生下時から1kg増えていなかったそうです。(でも、950gも増えていたそうです。)
それを義母さんに「報告」したそうです。(催促されていたとか。)
そうしたら、義母さんから、「ミルクを増やしなさい。」と指示され、おまけに、「ミルクの濃度を濃くして、カロリーアップを図りなさい。」と忠告されたとか。

因みに、小児科のドクターは体重やミルクの足し方については何も言われなかったそうです。
当然でしょうね。
何にも問題ないですから。

問題は義母さん。
赤ちゃんの体重増加は誰かとの勝負ぢゃないですよね。
増えればそれでいいというものでもないと思います。
しかも、ミルクの調乳濃度を高くするなんて、愚の骨頂ではありませんか。
そこまでして、赤ちゃんの体重をを増やして何を期待しているのか。
赤ちゃんの健康を害するだけです。

義母さんとの人間関係を気遣うあまり、赤ちゃんを犠牲にしてはいけません。
赤ちゃんを守るため、正しい知識を身に付けて、闘わなくてはいけないこともあることを説明しました。

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2009年5月20日 (水)

おっぱいの途中で泣き出す!

赤ちゃんはおっぱいの途中でギャ~と泣き出すことがあります。
また、乳房にパンチを繰り出し怒ることもあります。
そんなことが続くとおっぱいの出方が少ないのか、母乳不足なのかと心配になりますね。
体重増加が普通以上にあるならば、おっぱいの出方や母乳不足の心配は無用です。
想定されるのは、急におなかが痛くなった時、そう、うんちが出る前は「しぶり腹』状態ですから、赤ちゃんは取り敢えずギャ~と泣きます。
30分以内くらいにうんちが出ることが多いようです。
うんちが出たら放心状態になることでしょう。

他には、いきなりおっぱいが湧き出してビックリした時です。
咽そうになるのですね。
何でもかんでも『母乳不足』と決め付けない方がいいと思います。

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退院時におっぱいだけで、やっていけるかどうか?の見極め

日本では、「絶対に」「出来れば」と温度差があるものの、95%以上の妊婦さんが母乳育児を希望されています。
しかし、現実には退院時直母でOKの方は60%程度に留まります。
その理由は、必要な知識もケアもまだまだ足りないからなのだと思われます。

あまり数値的なことは言いたくないのですが、母乳不足感の強いお母さんは少なくないので、目安として敢えて申し上げます。

産科スタッフから見て、赤ちゃんのお母さんから見て、母子同室の病産院で、正常新生児であれば、産後3日目で10g、産後6日目で30gくらい直母ができていれば、まず危なげなく、退院していただけます。

このくらいの哺乳量があって、頻回直母をしていけば、おっぱいはドンドン出るようになります。
赤ちゃんの体重増加度も問題ありません。
2週間健診でフォローすればすぐに分かります。

 

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乳房を揉みながら授乳は止めてね!

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「乳房を揉みながら授乳は止めてね!(若干改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。


以下、過去記事。

赤ちゃんにおっぱいをあげているのに、今ひとつヤル気がないというか、すぐにウトウトしがちで、おっぱいをまともに飲んでない時は少しでも多く飲んでほしいですよね。

そんな時、乳房を揉みながら飲ませておられるお母さんは少なくありません。
一見分泌のアシストをしているようですが、実際はさほど分泌量は増えません。
それどころか、舌の巻きつけが上手くいかず、口唇の密着も浮いてしまい、哺乳量を測定しても、いつもと大して変わりません。

おっぱいの最中は乳房を支えて、左右とも飲ませてあげるのが一番です。

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2009年5月19日 (火)

片方の乳頭だけ傷が出来て痛くて飲ませられない!

乳頭の形態に左右差のあることはしばしばみられることです。
ミリ単位以下の違いでも、赤ちゃんのお口には十分な違いとして認識され、吸着もしくは吸啜が上手く出来ないことがあります。
そうすると、乳頭は損傷し、亀裂や出血などの強烈な痛みを伴い、楽しい筈のおっぱいタイムが恐怖と忍耐の時間になってしまいます。

今日、赤ちゃんの1か月健診に来られたお母さんの乳頭も、酷いことになっておりました。
何と乳頭の一部、直径3mm大の大きさが深さ1mm以上に抉れているのです。
母乳育児をしたくて、★病院に里帰り出産された方でした。
でも、余りにも痛すぎてもう直母が出来ないと涙ぐんでおられました。
授乳後に毎回デスパコーワを塗ってラップしておられましたが、授乳回数も12~15回/日なので、お薬の効く間がなさそうでした。

緊急避難的にハードタイプの保護器を使うことにしました。
お母さんの乳頭に被せてから吸わせると、下口唇を巻き込みます。
あ~、飲み方が下手だから、こうなったのかということが判りました。
そこで、最初に赤ちゃんの口にハードタイプの保護器を突っ込み、アヒル口にしてから、乳頭に被せましたら、上手く吸啜出来ました。
保護器を使うと、量は飲めても下手な吸い方の癖が付いたら大変です。
乳頭の傷が治っても、赤ちゃんが口が大きくあけられるようになっても、外して直母に戻したらまた傷だらけということもあるのです。

文明の利器は使うようですね。

 

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胃腸風邪の後にうんちが頻回になった!

生後8か月で、おっぱいと離乳食は2回食の赤ちゃんのお母さんが相談に来られました。
「胃腸風邪になり、(この赤ちゃんも流行しているのかな)それは治ったのですが、その後からうんちが頻回になったんです。
それまでは1日1回だったのに、おっぱいの度にすこしづつ出るんです。
しかも、ジェル状のうんちで、胃腸風邪が治って10日も経つのに、減った体重も戻らないし・・・」とのこと。

可能性としてあるのは、胃腸風邪の後は二次的に乳糖不耐症になってるかも・・・ということ。これは検便しなくては判らないので、まず調べてもらうことをお勧めしました。
違ってたらいいけれど、もしそうであれば治療しなくてはいつまで経っても赤ちゃんの体重増加は期待できませんからね。
鑑別してもらうことが大事だと思います。

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保育園で胃腸風邪をもらってしまった!

母乳育児中の赤ちゃんは胃腸風邪にはなりにくいのですが、保育園で集団生活をしている赤ちゃんは自宅にいる赤ちゃんよりも、もらいやすいのは確かです。

嘔吐・下痢・熱発などが、胃腸風邪の主症状ですが、脱水傾向と食欲不振も相まって、病気が落ち着いても暫くは体重が減ったままのことがあります。
症状の程度にもよりますが、元の体重の7%以上(例えば7kgの赤ちゃんならば、500g以上)のダイエットになることも、稀ではありません。
単純計算すると、体重50kgのお母さんが46.5kgになるということです。

症状が落ち着いても体調は本復ではないので、離乳食の食べっぷりが今ひとつだったり、保育園での哺乳瓶での搾乳やミルクの飲みっぷりもいつもの半分くらいかも知れません。
本復でない時は、月齢の小さい赤ちゃんにするように、こまめにあげてもらうよう、保育士さんにお願いしてみましょう。

例えば4時間毎に120ml哺乳瓶で飲んでいる赤ちゃんが、60mlくらいしか飲めないならば、60mlでいいので、2~3時間毎くらいに誘って飲ませてもらうのです。
ちょっと手間かもしれませんが、無理やり大量哺乳をさせると、途中で泣いて拒否するか吐いてしまうのがオチなので、何のために哺乳しているのか分からなくなります。

お家でもちょこ飲みさせて、回復をアシストしてあげましょう。

職場復帰して搾乳をしてるけど、あまり出ない!

7ヶ月の赤ちゃんのお母さんが、相談に来られました。
6か月から慣らし保育で、出来るだけ搾乳を与えたいので、職場で休憩時1回かたまに2回に搾っているとのこと。
(20分くらいで搾れる量をと、予め説明済み)
「頑張ってるのですが、50~60mlくらいしか、搾れません。
ミルクの缶にはウチの子の月齢ならば1回量が200mlとある。
そんなに搾れないし、第一飲めないんです。どうしたら、いいですか?」
・・・とのことでした。
ちなみに、このお母さんのお仕事は管理栄養士さんです。

私は、
「おっぱいの赤ちゃんはごく一部の赤ちゃんを除いて、1回哺乳量はMAXで体重(=単位はkg)の20倍ですよ。
つまり、7kgならば授乳間隔が3時間程度空いて飲ませたとして140mlくらい。
おっぱいは消化時間がミルクより早いから授乳回数はミルクを飲んでいる赤ちゃんより、月齢が進んでも1~2回/日は多くて当り前。
そういう飲み方をして育っていくのですよ。
口輪筋の動きだって、哺乳瓶vs直母なら1vs50 と、全然違うんですね。違うものなのに、同じ基準で推し量るのはおかしいですよね。」
と説明しました。
それから、「搾乳と直母では、同じ時間をかけても、直母の方がダブルスコアつまり、2倍量くらいになりますよ。」と言いました。

試しに抜き打ちで哺乳量測定をしたところ、保育園では50mlの搾乳を哺乳瓶でやっとこさで飲んでいた赤ちゃんは直母で100ml哺乳出来ました。
赤ちゃんはSOLANINの前で、『ええかっこ』なんて出来ません。
赤ちゃんに演技はできませんから、素の状態で哺乳してコレだけ飲めるのですね。

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2009年5月18日 (月)

夕方から乳房張らず、ベビーが1~2時間毎に泣く

生後3週間目の赤ちゃんのお母さんから電話がありました。
「退院当初は2~3時間毎の授乳で、授乳の合間なネンネしてくれていたのに、最近は1~2時間毎の授乳で、特に夕方からギャン泣きしたり、ガツガツ飲むんです。私も夕方は疲れてくるせいか、授乳間隔が詰まる前ほどは乳房も張ってこないんです。いよいよおっぱいが足りなくなったんでしょうか?」という内容でした。

この相談のキーワードはタイトルにもあるように「夕方から乳房張らない」「ベビーが1~2時間毎に泣く」ですね。

夕方からはどんなお母さんでも疲れがたまってきます。
疲れると乳房の張りは少なくなります。
そういう場合は過去の記事にもあるように、短時間でこまめに切り替え授乳すれば、赤ちゃんの必要とするだけのおっぱいは出てきますから心配無用です。

乳房が張ってくるまで、赤ちゃんをあやして待つのは得策ではありません。
おっぱいの分泌量は張ってくるのを待っていたのでは、一向に増えません。
おっぱいの分泌量を増やすには、張ってなくても頑張って赤ちゃんに吸わせることこそが王道なんですね。
赤ちゃんがぐずっても、ビビらないで気の済むように吸わせてあげましょう。

最初はおっぱいを飲むのに精一杯だった赤ちゃんも急激に体重増加すると体力的に余力ができるので、起きている時間も長くなり、その分おなかの空くのも早く、授乳間隔が詰まることは当然です。
そもそも、おっぱいの消化時間は1時間半~2時間くらいですから、腹時計に正直なだけで、足りないのとは違います。
授乳回数が多いのはおっぱいが足りない目安にはなりません!!
それどころか、おっぱいがバージョンアップするための通過儀礼のようなものと考えてくださった方が論理的にも無理がありませんね。

あぁ、もう駄目なんだと、早とちりしてミルクの補足をするのだけはちょっと待って!

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おっぱいとお薬/その4『パルミコート』

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「おっぱいとお薬その4『パルミコート®』(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記をご確認ください。

以下、過去記事。

パルミコートって何のお薬か聞いたことが、ありますか?
知らない?
ということは、このお薬を使わなくていい方だからそれでいいです。
知ってる!
ということは、このお薬がないと、大変なことになる方ですね。
いったい何のお薬なのか!?
それはですね、喘息発作が起きた時のステロイドの吸入薬なんです!

一昔前までは、喘息は「つ」のつく子供の病気と言われてきました。
(ひとつ~ここのつ・・・までの小児のことを指す。)
アレルギーマーチの行き着くところとも言われました。
でも、最近は成人になってから発症する方も少なくありません。
決して侮ってはいけない、生命に関わる病気です。

確か2007年にスウェ―デンで行われた薬物効能試験で安全性が明らかになりました。

お母さんに喘息発作が起きて、パルミコートを吸入して症状を抑えたとします。
その際、検査したところ、母乳中のお薬の濃度は母体の血中濃度よりも低く、赤ちゃんの血中濃度は検出限界値以下であることが判明したのです。

ステロイドを使うのは・・・って辛い発作を堪えていた母乳育児中のお母さん、このお薬は赤ちゃんに支障をきたしませんから大丈夫なんですよ。

ちなみに、同年の国際ラクテーションコンサルタント協会の年次総会でもこのことは発表されました。
もしも、このことをご存知ないドクターがおられたら、教えてあげてくださいな。

 

 

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哺乳瓶でミルクをあげる方が、ラクなのか?

粉ミルクだけをあげてると、他の人にも飲ませてもらえることは確かです。

でも、お湯を沸かして、適温まで冷まさなくてはならないし、早くに泣いても授乳間隔を詰めることは出来ません。
あやして、待たせなくてはならないのは、やるせないものでしょう。
欲しがるからと言って、やみくもにたくさんあげるわけにもいきません。
体重が激増したら、ダイエットを命ぜられます。
小児科のドクターの指導通りにしたら、授乳間隔が3時間以上空かないし、ギャン泣きします。
かといって、無制限にあげたら、小児肥満への一里塚です。
調乳は面倒だし、飲ませた後の哺乳瓶はきれいに洗って毎回消毒しなくてはなりません。
外出の際は荷物も増えます。
経済的にも負担は大きいです。
2400円くらいする、ミルク缶が下手すると4缶/月も必要です。
児童手当が吹っ飛びます。

ミルクだから、ラクだとは言えないと思います。
現在混合栄養の赤ちゃんのかなりの割合の方が、完母もあながち夢でない場合が考えられるので、母乳育児ってどういうものか、もっと積極的に学んだ方が、産後の子育てがしやすくなるんぢゃないかと、私は思います。

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母子異室の病産院にお見舞いに行ったら・・・

手術の少し前、お見舞いに行きました。
旦那の知人の奥様です。
母子異室の病院だったので、授乳はどうしているのかを尋ねると、夜中1回お休みとのことでした。
1回哺乳量が事細かに決められていて、そこでは、「日齢×10ml以上」というノルマがあるのだそうです。
3日目ならば1回に30mlは哺乳しなくてはならない!
足りない分はミルクの補足で、しかも、授乳時間内(=およそ1時間)に終了しなくてはならないというルールがあるそうです。

彼女は「私はおっぱいが出ないので、今日は毎回30mlミルクをあげなくちゃならないんだけど、おっぱいは何時出るのかな。」とのほほんモードです。
私は「おっぱいは、こまめに吸わせないと出るものも、出なくなりますよ。」と忠告しましたが、最初の段階でボタンの掛け違いがあると、修正が大変です。

現在進行形で母乳育児中のお母さんには当り前でしょうが、おっぱいは蛇口をひねれば出てくるのではなく、赤ちゃんも勝手に吸いついてくれるわけではありません。
せめて、そのことをマタニティークラスで周知させなくては、フェアぢゃないように思いました。
母子異室の病産院の全てが母乳育児に不熱心とは申しませんが、直母回数が限られているからこそ授乳介助を充実させ、どうしてもノルマがあるならば、せめて搾乳を補足するとか、いきなりミルクを補足するのではなく、糖水では駄目なのかとか、工夫をしてほしいなと思いました。

 

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2009年5月17日 (日)

新生児の低血糖

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「新生児の低血糖。(若干改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

いわゆる、正常新生児で、低血糖になる恐れは、まずもってないだろうと考えられます。
しかし、早産児、過期産児、(妊娠性も含め)お母さんが糖尿病だった場合、低出生体重児、細菌感染のため点滴治療が必要な新生児、出生時に呼吸障害があった新生児などは、低血糖に陥りやすいので、定期的な採血による、血糖管理体制が敷かれます。
止むを得ず、持続点滴が入ることもありますが、状態が落ち着けば、点滴は抜去されます。
点滴が免れても、血糖管理が必要なこともありますが、赤ちゃんが眠っているからと、授乳間隔を空けることだけは、避けましょう。
なぜなら、授乳間隔を空けることが、低血糖の誘発条件だからです。
授乳しようと思っても、赤ちゃんが起きてくれない場合は、助産師・看護師に手伝ってもらって、何とかして起こしておっぱいを飲ませます。
直母が困難な場合は搾乳してでも、与えます。

低血糖で、危険な場合は止むを得ず、糖水を補足することもありますが、確かに血糖は上昇しますが、急降下することも稀ではありません。
搾乳ならば、血糖値のジェットコースター化はりませんから、一滴でもいいから、出来るだけ多くの量のおっぱいを頻回にあげましょう。

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搾乳にまつわる、諸々の知識!

「そもそも、搾乳ってどういう時にするものなんでしょうか?」

よくある質問です。
ブログテーマの分類に困るくらいに・・・
出生間もなくからの搾乳は、未熟児さんで直母が不可能で鼻注する時や新生児搬送されて、母子分離状態になった時。
乳首のカタチのせいで直母が出来ない時や、赤ちゃんが飲み下手で乳首が傷だらけになったり、吸うには吸うが哺乳量にならない時。

月齢が進んでからは、お母さんの職場復帰や研修参加の時。
遠方のお葬式などで、赤ちゃんを連れていけない時。
お母さんが病気や手術で同伴入院が出来ない時。(最近、ヘルプコール★シリーズで取り上げましたね!)
・・・などなどでしょうか。

Q.搾乳はどうやってするのか?
A.基本は手で行うのが一番良いです。
20分くらいで搾れる量でOKです。
おっぱいの分泌は個人差も日内変動もあるし、○○mlとノルマを決めると搾るのが苦痛になります。
どうしても、搾乳器を使用したい時は吸啜モードの付
いた『メ○ラ社のハー○ニー』が個人的にはお勧めです。

Q.搾乳する時間的間隔はどれくらいがいいのか?
A.その時期に直母している間隔がベストですが、2時間までの頻回ですと、そうもいかないでしょうから、せめて3〜4時間毎にしてもらうと良いです。
授乳間隔が4〜6時間くらい空く場合は、それくらいの間隔が望ましいです。

Q.搾乳間隔を空け過ぎるデメリットとは何か?
A.授乳間隔同様、お母さんは乳腺炎リスクが高まることと、長期的にみて、おっぱいの分泌が低下しやすくなること。
赤ちゃんは大量少数回の授乳では体重増加不良に陥りやすいこと。

Q.搾乳の保存期間はどのくらいか?
月齢にもよるが、24時間は冷蔵庫で保管は可能。

Q.出先で搾ったおっぱいはどうやって保管・運搬すればいいか?
A.24時間以内に飲ませてあげるなら、冷蔵庫に保管します。
消毒さえしてあれば、哺乳瓶でも、密封できる蓋付きコップでもなんでもOK。
24時間以降に飲ませる予定ならば、専用バッグに入れ替えて冷凍します。
冷蔵・冷凍を問わず、運搬時はクーラーバッグ(内張りが銀色の簡易タイプでも可。)に凍らせた保冷剤をたくさん詰めて、キンキンに冷やして運びます。
特に、冷凍母乳の運搬時は溶けてしまわないように、真っ直ぐお家に帰りましょう。
冷凍母乳はお家の冷凍庫で1か月は品質保持が可能です。
1か月以内ならば、日付けの違うものを混ぜても大丈夫です。

Q.解凍・飲ませ方は?
A.母乳バッグに書いてあります。読んでください。

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白湯(湯冷まし)を与えるという歴史

赤ちゃんのおばあちゃん世代が若かりし頃、ミルク育児が持てはやされ、おっぱいが溢れるくらい出ていても、おっぱいを止めてでも、ミルクを与えることが推奨される世の中でした。
しかし、当時のミルクは商品として、かなり不完全な代物で、(でも、そんなことを公表したら、ミルク育児が普及しないから、その点だけはマル秘扱いで)それを何とかするために、白湯だの果汁だのを離乳準備食として勧めた経緯は、読者のみなさんはご存知ですね。

でも、赤ちゃんに白湯を与えるという行為は、もっと昔からあり、90歳代のお年寄り(複数)に聞き取りをしたところ、次のようにポツポツと話してくれました。
「昔は一般家庭は井戸水や山の水を利用していた。」
「水道(=上水道)は普及していなかったし、冷蔵庫なんて存在しなかった。」
「赤ちゃんがおなかを壊したら大変だから、赤ちゃんの飲み水は煮沸消毒するのが常識だった。」
「昔はお産で亡くなるお母さんは稀ではなかった。」
「ミルクなんて市販されてなかった。」
「お母さんが亡くなった家の赤ちゃんはおっぱいがよく出るよそのお母さんの家に《もらい乳》して、命を繋いでいた。」
「但し、《もらい乳》だから、その家の赤ちゃんが優先で、授乳時間がかち合うと、ギャン泣きしても《もらい乳》する側の赤ちゃんは待たなくてはならないこともあった。」
「そういう場合白湯を飲ませてしのいだ。」という背景があったそうです。

何だか胸が痛くなりますね。
数十年前の日本は、医療水準も暮らしも、そういうレベルだったんですね。

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10か月断乳のリスク

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「10ヶ月断乳のリスク。(改定増補版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

ふた昔前は母乳育児をしているお母さんであっても、その殆んどの方が判で押したように《10か月》で断乳していました。
その理由はいくつかあって、伝聞と自分の経験を踏まえて当時を振り返ると、
★「10か月健診でC4(=カリエスフォー)の写真を歯科衛生士さんに見せられて、おっぱいは虫歯の元ですから、続けていると、こういう風に歯が溶けて大変なことになりますよ。と脅されたから。」
★「1歳を過ぎると、おっぱいに執着して、何日も大泣きさせないと、止められなくなるし、今ならさほど執着しないから止め時っていうか絶好のチャンスなのよね。と保健師さんに言われたから。」
★「早くおっぱいを切り上げないと、子宮や卵巣が干からびて次の子を授かりにくくなるし、次の子を希望していなくても女性ホルモンが出にくくなるから、それは問題だとおばあちゃんに忠告されたから。」
★「次の子を授かって、授乳していたら、流産の恐れがあると産婦人科のドクターに凄い剣幕で叱られたから。」・・・などなどです。

しかし昨今では、発達心理学の見地から、《10か月》の頃は再接近期といわれる時期で、母子関係にとって重要な時期だということが、分かってきたんですね。

お母さんが傍にいてくれたら、暫くは「一人遊び」が出来ますが、お母さんの姿が見えないと大声で泣き叫んだり、探しまわったり、普段接触しない人に対する警戒心(=人見知り)が激しくなる・・・といえば、思い当たるフシがあるのではないでしょうか。

赤ちゃんだって凹む時がります。
怖かった時、寂しかった時、痛かった時、眠かった時、不安だった時・・・はお母さんに抱っこされておっぱいをもらうことで、凹んだことがリセットできるのです。
また、頑張るぞ、チャレンジするぞ、というモチベーションが湧きあがるのです。

ということは、この時期に断乳をすることは、赤ちゃんのココロの拠り所を取り上げることで、本来受けなくてもよかったストレスを受けることになりますから、赤ちゃん主体に考えると、間尺に合わないことと言えます。
赤ちゃんはお母さんに守られることで、自分の力を養い、自立への意欲が高まります。
なので、『たまたま赤ちゃんが自然におっぱいを欲しがらなくなる』という、自然卒乳ということでなければ《10か月》の断乳は止めときましょうね。

《追記》
☆職業柄(臨床心理士です)放置できずに書き込みます。
再接近期が10ヶ月ごろ、と書かれていますが、この出典はどちらでしょうか?

マーラーの提唱した「再接近期」であれば、おおむね15ヶ月前後から、24ヶ月くらいまで、と考えられているかと思います。
もしそのほかの理論によるものであれば、お教えいただければ、と思います。
こちらにははじめてうかがって、大変有用な内容で素晴らしいページだと思うのですが、だからこそ、不正確な内容はふさわしくないと感じましたので、不躾ながらコメントさせていただきました。
なぜこちらにたどりついたかというと、10ヶ月での断乳予定だが、再接近期という大事な時期らしいので不安、という投稿をある掲示板で読み、その根拠がこちらのブログであるらしかったので(もちろんその旨は投稿者さんは明記しておられません。私が推測したことです)。
おっぱい関係では、ナーバスになられる方も多いですし、もちろんそういう方をナーバスにさせるためではなく、むしろ逆のことを目指して運営されていると思いますので、つい気になってしまいました。(2012年3月14日キキさんからのコメント)

☆発達心理学上で使用される「再接近期」は15ヶ月頃から24ヶ月頃まで、の意で使用されることが多いように思うので(一度検索エンジンで検索してみてください)、訂正をお願いしたく思っての書き込みでした。
ただ、私がすべての学説を知り得ているわけではないと思うので、私の知らない説で10ヶ月を再接近期という用語で定義する学説があるのだとしたら、間違いとは言えないので教えてください、という思いから、文献を挙げて下さい、と申し上げました。
再接近期という用語を使わずに展開されている内容なら別にかまわないのですが、学術用語を挙げておられるので、気になったのです。
細かいことで面倒だと感じられるかもしれませんが、やはり不正確なことが一人歩きするのは危険だと思いますので。
影響力も大きいページのようですし。
ご自分も、専門の領域に関して、不正確なことが事実のように語られていたら、訂正したいという思いにはなられませんでしょうか?(2012年3月20日キキさんからのコメント)

☆コメント有難うございます。
文献というほど大きなものではないでしょうが、日本母乳の会が発行しているブックレットの「離乳食」の初版本のP23に記載されています。
この本の著者は聖マリアンナ医科大学教授でもあられた堀内勁ドクターと、元宮城県立こども病院副院長だった堺武男ドクターですね。
お二方とも、日本の小児科のドクターとしてかなりご高名な方で、私にとっては十分信用に足り得る先生方なので、引用させていただいた次第です。
実際、マーラー先生の仰ることは学説として有名ですし、理解出来ますが、10 ヶ月の赤ちゃんであっても、臨床の場で再接近期なのか?という状況はしばしば目の当たりにします。
10ヶ月だから断乳しちゃっても、どうせ分かりゃあしないでしょうというのは、オトナの都合であり、認識不足であり、お子さんの気持ちを踏みにじるお母さんが一人でも少なくなれば…という気持ちで記事を書きました。(2012年3月20日SOLANINのコメント)

☆お書きになった意図はよく分かりますし、10ヶ月で再接近期のように見える状況というのは理解できます。「再」接近とあるのは、一度離れて再び接近する、ということですから、10ヶ月時に見られるのはむしろ、一度目の「接近」状況と捉えた方がいいのではないかと想像しますが。
重ねて申し上げますと、意図を否定したいのではありません。
このことを言うために、「再接近期」という用語を持ち出す必要はないと考えるだけです。
無用な誤解をうむ可能性があります。
一般的には「再接近期」という用語で定義されるのは15ヶ月頃から24ヶ月頃、ということが明記されていればいいな、と個人的には思います。
私も主に臨床に携わっていますので、臨床上の実感を大事にしたい、ということはよく理解できます。
ただ、そのために理論を拡大解釈して使用するのは、理論の提唱者と学問というものに対して、少々礼を失した態度ではないかな、と感じたのです。
マーラーの理論をご存じだったということで、なおさら。母乳の会のHPも見せていただきましたが、理論的なことも大事にされているようですし、こういった考えが共有できるものと思い、意見させていただいた次第です。(2012年3月20日キキさんからのコメント)

・・・というやりとりが、コメント欄上でありました。
以後、読者の皆さんの記事本文への理解を深めていただくこと、専門領域の方から誤解を招かないようにすることが必要だと思いましたので、コメントをくださったキキさんの同意を得て追記をさせていただくことになりました。(2012年3月21日9時00分)

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2009年5月16日 (土)

牛乳をお茶代わりに飲むとおっぱいはたくさん出るの?

牛乳の主な栄養素はたんぱく質とカルシウムですが、この2つは他の食品からも摂取することは出来ます。
牛乳を飲むとイメージ的にはダイレクトにおっぱいが出てきそうですが、おっぱいの分泌はそんな単純なものではありません
なので、これは違うと思われます。

牛乳をお茶代わりに飲むということは、1日に1000ml以上飲むってことになるのでしょうか
そうすると、牛乳の乳脂肪は平均3.6%ですから、36ml以上の乳脂肪を摂取することになりますね。
乳脂肪は動物性脂肪ですから、そんなにたくさん摂取すると、乳管が詰まりやすくなりますね。
乳管が詰まると、どうなるのか。
読者のみなさんはよ~くご存知ですよね。
(最近の読者さんで、もしご存知ない方は過去の記事を読んでくださいね)

それから、出生間もなくの新生児は牛乳を飲んだ後のお母さんのおっぱいを嫌う傾向が見受けられます。(おっぱいがどんどん出るような時期になれば、そうでもありませんが・・・)
授乳中のお母さんが牛乳を飲むことは、基本的に構わないと思いますが、量は過ぎないように気をつけてもらえるといいですね。

おっぱいのためにビタミン剤の補給は必要か?

お母さんが健康でバランスの良いお食事を摂っておられたら、おっぱいをあげているからという理由で、特別にビタミン剤の補給をする必要はありません。
唯一、おっぱいに欠けているのはビタミンKですが、これは出生間もなく、退院時前、1ヶ月健診の3回にわたり、赤ちゃんにシロップ状のお薬を投与されることになっていますから、不足する心配はまずもってありません。
(ビタミンK欠乏症について知りたい方は過去の記事をご参照くださいませ。)

健康なお母さんのおっぱいには、ビタミンA,B1,B2,B6,B12、ナイアシン、C,Dなどがまんべんなく含まれています。
ビタミン剤よりも毎日のお食事を大切にしていきましょうね。

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10か月健診の思い出(長女編)

(注)最強母乳外来・フェニックスにて10ヶ月健診の思い出(H1編)(若干改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。


以下、過去記事。

このブログを開設してから4か月を過ぎ、読者のみなさん(登録の有無を問わず)の赤ちゃんもすくすくと育っておられることと存じます。
この年になっても子供の健診のことは不思議とよく憶えています。

なんとなく、振り返りたくなったので、長女のことから書いてみます。
3人共、運動機能の発達は早く順調でしたが、群を抜いていたのが長女です。
10か月の時の移動手段は「トコトコ歩く」で、既に「はいはい」はしなくなりました。
物おじしない性格でしたが、男の人が超苦手で、抱っこされようものなら号泣していました。
「マンマ」「あーちゃん」などの単語も出てきました。
公園から帰る時はお友達に「バイバイ」していました。

さて、10か月健診の時は小さいものを指先でつまむというチェック項目があります。
チェック項目は問診表だけではなく、保健師さんの前で実演しなくてはなりません。
いつもなら簡単に出来るし、褒めると繰り返しいつまでもやって見せますが、健診は寝起き直後でした。
生憎、長女は寝起きの悪い子で、その時もムスっとして反応が悪く、保健師さんを睨みつけています。
(因みに長男と次男の時は、小さい鈴を透明のガラス瓶に入れるやり方でした。)
とても小さいものを指先でつまむ芸当など出来そうにもありません。

それで、私も困ったなと思っていたら、保健師さんは徐にお懐紙の上にコロコロとボーロを出されました。
そして、「どうぞ。」と、長女に勧めてくれたのです。
当時、ボーロが好物だった長女は保健師さんをガン見していたのに豹変し、にっこりしながらいつも通りに指先でつまんで、口にボーロを入れました。
しかも、愛想笑いをして暗に「もっとちょうだい。」と目で訴えていました。

保健師さんの前での実演によるチェックは無事クリアーしました。
でも我が子ながら、何て現金な奴だろうかとも思いました。

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お母さんがしょっぱいものを食べるとおっぱいは?

お母さんの塩分摂取量が多いと、それに比例しておっぱいの中の塩分も増えて、しょっぱいおっぱいになるのでしょうか?
また、赤ちゃんは塩分の過剰摂取になるのでしょうか?

おっぱいだけを飲んでいるならば、その心配はありません。
元々、おっぱいのミネラル濃度は他の乳類よりも低いからです。
例えばおっぱいと牛乳を比較すると、ミネラルの中で、P(=リン)は6倍、Ca(=カルシウム)は4倍、Na(=ナトリウム)は4倍も多いことをご存知でしたか

粉ミルクにしても、おっぱいに近づけてはいるものの、Pは1.3倍、Caは1.5倍、Naは1.3倍・・・と、多く含まれています。

昔の粉ミルクや最近のフォローアップミルクというものは、ミネラル濃度が高いので、赤ちゃんの腎臓はこの余分なミネラルを排出するために、大きな負荷がかかります。
ミネラル濃度が高いものを口にすると、赤ちゃんはやたらと喉が渇きます。
そして、水分を欲しがります。
ミネラル濃度を水分で薄めておしっこにして出すわけです。
ミルク育児をしてきたおばあちゃん世代が白湯やお茶を飲ませたがるのは、こういう理屈なんですね。

もちろん、お母さんの健康のため、塩分摂取量を控えめにすることは重要ですから、それは心に留め置いてくださいね!

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2009年5月15日 (金)

おっぱいの中のCa(=カルシウム)含有量は?

牛乳にはおっぱいの3倍のカルシウムが含まれています。
一見、おっぱいをあげるよりも、骨や歯が丈夫になりそうな気がします。

ところが、逆なんですな。牛乳の中のカルシウムは同じく牛乳の中の脂肪酸と結合して、鹸化しますから、赤ちゃんの腸管からはあまり吸収されないんですね。
おまけに、牛乳の乳糖はおっぱいの乳糖よりも含有量が少なめです。
乳糖はカルシウムの吸収を促進します。

含有量は大事な目安だけど、吸収率はもっと大事ですね。
おっぱいって上手く造られているなぁっていつも思います。

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お母さんが入院時のおっぱいは?

子育て中は自分(=お母さん)の健康を保つことの大切さを日々実感しておられ、気を配っておられることでしょう。

しかし、時として思いがけなく病気になることもあります
お家で養生できる範囲ならばまだいいのですが、入院とか手術をせざるを得ない場合は一体どうしたら、いいのでしょうか

可能であれば、赤ちゃんを同伴入院できる病院を探すことです。
母子同室の病産院ならばまずOKでしょう
★病院だったら、お母さんの病気入院による母子分離はまずないですね。
もちろん産婦人科以外の科で、事前に主治医の先生にその旨の希望を伝えるのはお母さんの役割で、それをしなければ、単独入院になってしまいますが

しかし、赤ちゃんの同伴入院が認められず、個室にも入らせてもらえないとなると、授乳も出来なくなりますね。
それでもお母さんが入院とか手術をせざるを得なければ、母子分離期間のおっぱいの分泌維持が重要です。
入院中は赤ちゃんに飲ませていたのと同じ回数、同じ間隔で搾乳をしてください。
搾る量は個人差があるので○○mlとは申せませんが、左右合わせて15~20分で搾れる量でいいのです。
(手で搾るのがいいのですが、無理ならばメ○ラ社のハ○モ○ーがいいです。)
1日トータルで、完母の方ならば700~1000mlくらいもあれば十分です。
乳房は張っていなくても心配ないから、それより3時間以上の時間を空け過ぎないようにしまよう。
1回には多くを搾れなくても、小分けにすれば何とかなることもありますからね。

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離乳食が進まず体重が横這い(10ヶ月)

10ヶ月頃になると大変順調に離乳食が進んでいると3回食になっている赤ちゃんもおられますが、2回食でも全然気にしなくても大丈夫です。
『授乳・離乳の支援ガイド』にも書いてありますが、1歳3ヶ月頃に3回食に移行できたらOKですから。

体重増加度は月齢が進むと少なくなり、10ヶ月以降2歳くらいまでは、ガツガツ食べて、おっぱい飲んでても6~7g/日ですから、1ヶ月に200gあるかないかくらいです。
運動エネルギーで消費しちゃいますからね。
新生児の頃に50g以上/日というようなとてつもない増え方をしていた赤ちゃんですらそれくらいの増え方になります。
男の子と女の子でも増え方は違いますしね。

以前の記事でPとCaの栄養障害で体重が激減した赤ちゃんのことを紹介しましたが、そういう状態ではなく、曲がりなりにも小幅でも増えていればいいのですよ。
パーセンタイルグラフの下でも右肩上がりに育っていれば問題なし。

離乳食がドロドロから進まない時は思い切って大人の取り分けをしましょう。
うどんなどの麺類はつるっとして好む赤ちゃんは多いです。
元々、乳頭・乳輪を歯茎でしごいておっぱいを飲んでいますから、そのくらいの堅さのものの方がスキって可能性は大です。
コーンフレークをぬるま湯で少しふやかしたモノもいいですぞ。
簡単だし、ミネラル・ビタミンのバランスがいいですから。

貧血が出ている赤ちゃんはお薬が処方されることもありますが、お薬を飲まなくてはならないほどではない場合はお母さんのお食事を工夫し、鉄分の多いものを召し上がることで、鉄分の補給をするという手もあります。

過去の記事で、おっぱいの鉄分・ミルクの鉄分の吸収率の違い(大差!)読まれた方はご存知ですよね?
そうそう、混合栄養や完ミの赤ちゃんにもフォローアップミルクは不要であるとの記事を書いていましたから、最近の読者の方は是非とも過去の記事をご参照くださいね。

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離乳食の開始は5ヶ月?6ヶ月?

ようやく母子健康手帳には『離乳準備食』の項目がなくなり、やれやれと思っていたら、厚生労働省が通達した『授乳・離乳の支援ガイド』を読みこなしていない(=都道府県主催の勉強会に参加していないんでしょうかね・・・)保健師さんから「今すぐ、味の無い飲み物(=白湯ですかな・・・)をあげてください。」とか「慣らしのための果汁が必要。」とか、トンデモ情報を聞かされて、心を痛めておられるお母さんからプチメをいただきました。
4ヶ月健診の場でアドバイスされたとか。

しかも「5ヶ月から離乳食は開始して。」と何だか決め付けるような物言い。
そして「6ヶ月健診にはみんなが2回食に・・・」とゆっくりスタートへの不安を煽るような言い回し。

みなさん、どう思います!?
6ヶ月からスタートしたら、5ヶ月からスタートした赤ちゃんよりも開始が遅いから、当然その差はあるでしょうね。
いきなりその差が縮まることはないでしょう。
でも、そんなのはボチボチ詰めていけばいいのです焦らなくてOK!!

離乳食が大スキで、ドンドン進む赤ちゃんもおられるでしょうが、行きつ戻りつで、なかなか進まなかったり、あるところまでは順調に進んでも、「中弛み」になってしまう赤ちゃんもおられます。
離乳食がいな赤ちゃんですと、早くからスタートしても最初の1~2ヶ月間2~3さじ以上は食べないことも稀ではありません。
離乳食の進み方は個人差が大きく、蓋を開けなくては分からないことなのです。

お母さんのおっぱいにも影響があります。
例えば、離乳食がドンドン進み過ぎておっぱいの飲み方が激減したら、乳腺炎になるお母さんもおられます。
時にはドンドン進んでも喜んでばかりもいられないのですね。

ただはっきりと言えることは、
『1ヶ月早くスタートしても赤ちゃんの発達が早くなるわけではないこと。』
『アレルギーを誘発しないか慎重に見ていく必要があること。』
『どんなに喜んで食べても最初の1ヶ月は1回食にとどめておくこと。』ですね。

それと・・・僭越ですが、どんな職業の方でも資質は千差万別です。
『お母さんが理由を納得できる説明が出来ているか。』
『新しい情報を積極的に吸収して、職業人としてそれを活用し、必要としている方に還元しようというスタンスがあるか。』
『お母さんの不安を煽るような物言い・上から目線をしていないか。』
・・・などは必ずチェックして、どの程度の資質の方なのかを確かめてから、アドバイスの中身を吟味してくださいね。

そうして一番大事なのは、何が正しいのか、何がより望ましいのか、取捨選択する眼力をお母さん自身が養っていくことですね。
よろしくお願いします。

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おっぱいを飲み過ぎるから離乳食が進まない?

いわゆる完母の赤ちゃんは元来おっぱい星人なわけですから、離乳食を開始しても喜んで食べる傾向は少ないようです。

明らかに嫌そうな顔をしたり、スプーンを近づけると泣き出すこともあります。
折角作っても一口食べたら「ご馳走様!」することだってあります。

赤ちゃんには個人差があります。
たまたま離乳食が大スキで、よく食べてくれるなら儲けモノ。
順調に進んで何よりです良かったですね。
でも、おっぱいを飲み過ぎるから離乳食が進まないというのは誤解!!
おっぱいで十分だから、カラダがまだ離乳食を要求していないのかもしれません。
焦らなくてもいいのですよ気に病むことぢゃないですから。

赤ちゃんが食べてくれなくても、お母さんが悪いのではありません。
お母さん以外の人があげると比較的食べっぷりが良くなるのは、おっぱいをくれる人ぢゃないことを赤ちゃんが認識して「仕方ない。喰ってやるか。」と妥協するからです。
いずれ食べるようになるのは、ヒトの発達を見れば分かることです。
赤ちゃんの眼を見て、イキイキしているなら、心配無用。
ドンと構えて笑いましょう。

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2009年5月14日 (木)

退院日の新生児

退院する日は荷物を作ったり、色々用事があるので、お母さんはバタバタしがちです。
なのに意外にも病産院では、大人しくいい子の赤ちゃん。

退院日の授乳間隔は何故か若干空き気味になることも少なくありません。
また、授乳間隔が詰まることはあっても、おっぱい飲んだらすんなり一度は眠ってくれます。

ところが、夜になると暴れるんですね。
空気の違いを察知して不安になるのでしょうか。
ギャン泣きしたり、なかなか寝付いてくれなかったり。

でも、遅くても2~3日のうちには「ここは自分のテリトリーだな。」と認識してくれますから、『日中からの頻回授乳と、夕方からは爆睡させないぞ』作戦に励めば、夜中はすんなり眠るパターンに変わりますから焦らないでね。

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おっぱいとダイオキシンは?

おっぱいの中にダイオキシンは含まれるのか?
答えはYESです。
おっぱいの中のダイオキシンの濃度は個人差が大きいと言われていますが、含有量のピークは1974年とはるか昔です。
現代は当時の半分の濃度だそうです。

一般的におっぱいの中に含まれるダイオキシンの量は、耐容1日摂取量(人間が一生のうち、毎日摂取しても健康被害が出ない量)を越えるものの、授乳期間は一生のうちの僅かな期間なので、ダイオキシン対策でミルク栄養にするよりも、おっぱいをあげるメリットの方が圧倒的に大きいといえます。

厚生労働省研究班が行った調査で、おっぱい中のダイオキシンの濃度(個人差が大きい)と、1歳児の身体発育・免疫のはたらき・甲状腺機能・アレルギー発症などについては関連性はないと報告されていますから、やみくもに不安がったりしないでね!

2009年5月13日 (水)

月齢が進んでからの添い乳

新生児のうちから添い乳しているお母さんも多いと思います。
「私ぢゃないと、寝てくれない。」「おっぱいを飲まないと寝てくれない。」
などなど、ネガティヴに考えないで、おっぱいをマジックアイテムと考えてね。

さて、赤ちゃんは、はいはいが出来る頃になると、お母さんがパジャマをめくれば、自分でおっぱいに吸いつきます。
お母さんは仰向けでも、赤ちゃんは、四つばいの姿勢を保てるので、お母さんに覆いかぶさるようにして、おっぱいに吸いつきます。

1歳を過ぎる頃には、お母さんのパジャマくらいはセルフでめくるので、勝手に飲みにきます。
難点は、おっぱいを仕舞ってくれないことかな。(冬は寒いです)
それと、さすがにこの姿は人様には見せられないかな。
胸部フルオープンで、爆睡はちょっと・・・(笑)

そこだけ目を瞑れば、「手間要らず」なんですよね!
昔、私もそうでした。

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混合栄養やミルク栄養の赤ちゃんの離乳食の進め方は?

最近のミルクのキャッチっコピーは「母乳に近づけました!」なので、完母の赤ちゃんと同様に考えてください。

但し、混合栄養の赤ちゃんのお母さんで、おっぱいを長く続けてあげたいと考えていらっしゃるならば、おっぱい&離乳食という組み合わせ優先で、おっぱいの回数だけはなんとしても減らさないでくださいね。

というのも、1回食のボリュームとして、本に書いてあるくらい食べられるならば、それはミルク200mlに相当するのですね。
知らなかったでしょ!そんなこと、誰も教えてくれませんからね。

補足がそんなに多くなければ、ミルクを止めることは、十分可能です。
しかも、なぜか一般的に完母の赤ちゃんよりも、混合栄養の赤ちゃんの方が、離乳食の「食いつき」がいいんですね!

試してみる価値はあると思いますよ。

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2009年5月12日 (火)

祖父母の口出し(困)

お母さんの方のおじいちゃん&おばあちゃん(=実父母)ならば、そうでもないかもしれませんが、旦那さんの方のおじいちゃん&おばあちゃん(=義父母)に子育てに関するお母さんの気持ちや方針を伝えるのは簡単ではありませんね。

旦那さんが名コーディネーターならばいいのですが、そういうご家庭ははっきり言って少ないと思われます
旦那さん自身が親のいいなりだったり、嫁の気持ちを伝えるにも、テクニック的に下手(=ガンガン言うだけ)で逆効果だったり・・・

米の研ぎ方や靴下の干し方くらいなら、義母さんに合わせてもいいかもしれないけど、赤ちゃんの育て方については頼みもしないのにあれこれ口出しされたり、お母さんの気持ちを踏みにじるようなことはしてほしくないですよね

そんな時はなるべく早く、『お願い作戦』をしてみましょう。
後になればなるほど、「ぢゃ、今までのは何だったのか」ということになりますから、早ければ早いほどいいです。
項目はひとつづつ。
細かく分けた方がいいです。
旦那さんには「そういうわけだから、親父、お袋頼むよ。」だけ言ってもらえばいいのです。
これだけなら、かなりの口下手さんでも大丈夫です。
嫁の言うことは聞かない義父母も、息子の言い分には耳を傾けますから。
それから、旦那さんの兄弟姉妹を味方につけること。
これは『相談作戦』です。
相手を立てて、困っていることを、「心配なんです。どうしたらいいですか。」と、相談を持ちかけるのです。
(後でお礼を忘れずにね。)
相当性根の悪い人ぢゃなければ、強力な援軍になりますよ。

乳首の付け根が切れて痛い!

歯が生えてくる頃は、赤ちゃんの歯茎がムズムズするので、おっぱいが不味いわけでもないのに、乳首の付け根をガジっと噛まれて傷が付くことがあります。
緊急避難的に乳頭保護器を使用するという手もありますが、葉が生えてくる時期の赤ちゃんはかなり知恵がついていますから、「ふふん!こんなものは吸えないね」と拒否ることも、しばしばです。
コップやストローが使える赤ちゃんには、ひと手間かかりますが、傷の養生のため、搾乳をあげてしのぐという手もあります。

しかし、どうにもこうにも、直母ぢゃないと承知しない赤ちゃんもおられます。
かといってそのままいつも通りに直母したら、激痛が予測されるのですから、お母さんにしてみたら、おっぱいタイムが拷問タイムになってしまいます。

う~~~ん!
どうしましょうか?
そういう場合は、冷やせばいいのですね。

具体的には①ティッシュを水に濡らしてから千切れないように絞ります。
②1cm幅になるように、端から細長くなるようにどんどん折ります。
③水気が染み出さないように、ラップで細長く折ったティッシュを包み込みます。
④乳首のサイズに合うように「わっか」にします。(くるりと丸めます。)(余った分は切り捨ててください。)
⑤端を重ねてテープで固定し、冷凍庫で1時間くらい凍らせます。⇒《乳首リング》の完成です。

・・・凍った《乳首リング》を授乳前3分間装着します。
外して、直母すると、あら、フシギ痛くないのです!
3分間より短いと痛みを感じます。
3分間より長くしても効果は変わりません。
《乳首リング》は何度でも再利用出来ます。

 

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卒乳していたのに、おっぱいが復活?

何かがきっかけで、卒乳したものの、次の赤ちゃんが生まれたら、またおっぱいが欲しくなるお兄ちゃん・お姉ちゃんはかなり多く見られます。
お母さんによっては、赤ちゃんにおっぱいをあげるのは当然として、上の子におっぱいを飲ませることに、抵抗感のある方もおられることでしょう。

でも、そんな時、「もう大きいのだから駄目よ。」なぁんて言わないでね。
上の子にとってはおっぱい=お母さんという公式が頭の中にあるんですね。
「自分はホントにお母さんに愛されているのか。」
「自分だって、赤ちゃんみたいにお母さんにくっつきたい。」
・・・という心境なんです。

つまり、本気でおっぱいを欲しがってるのではないのです。
飲もうとしても、ブランクがあれば、以前のように上手に吸啜できませんし、味的にも「あれっ。こんなんだったっけ。」ってな具合で、イメージとのズレが生じますので、ご心配無用です。

それより、上の子を拒否ってしまう方が大問題ですな。
下手すると、赤ちゃんへのジェラシーが暴発して、危害を加えるかもしれません。
そこまでいかなくても、情緒不安定になってお付き合いしにくくなりそうです。

上の子が言い寄ってくる前にお母さんから「ねぇ、おっぱいあげようか。飲んでいいよ。」と、誘ってあげてくださいね。
嬉し恥ずかしでニヤニヤしながら乳房にタッチしたり、少し吸う真似をするくらいで納得してくれます。

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2009年5月11日 (月)

げっぷが出ないとおっぱいを吐くのかな?

直母の場合、赤ちゃんは乳輪まで深く咥えて、乳頭を舌で巻きつけてしごいて、ようやく飲めるのです。
密着して吸啜すれば、実はおっぱいを飲む時に空気は吸い込まないのですね。
なので、直母だけの赤ちゃんでは哺乳後のげっぷの必要性はさほどでもないのです。
1日10回以上おっぱいをあげることがスタンダードな新生児でも、哺乳後にげっぷが出るのはせいぜい2~3回くらいでしょうか。
殆んど、運試しみたいな確率です

直母なのに、たびたび赤ちゃんがおっぱいを吐くとしたら、それは胃のカタチによることが多いですね。
それと、陥没乳頭や扁平乳頭で、乳頭保護器を使用していたり、使用していなくても、まだ赤ちゃんのお口の密着度が低いうちで、空気が入り込んでしまう場合かな。
それに対し、搾母の補足や混合栄養や完ミの場合、哺乳瓶での哺乳になるから、空気を飲みこむのは当り前で、げっぷを出してあげるのは重要事項です

そうそう、ギャン泣きする時、赤ちゃんは空気をたくさん飲みこんでいるってこと、知ってますか
ギャン泣きして、がっつり飲んで、ゲボッと吐く。
・・・このパターン、経験者多数の予感がします。

直母だけの赤ちゃんの場合、げっぷが出なくても、神経質にならないでね。
もちろん、5~10分くらいは背中をやさしく撫でさすったり、軽くトントンしてあげるのは良いことです。
でも、げっぷが出るまでお母さんの肩に担ぎ挙げて鼓のようにポンポンと叩き続けるのはやり過ぎです。

適当なところで止めてよし。
心配ならば、頭を高くしたり、カラダごと、真横に向けて寝かせてあげてね。

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健康な赤ちゃんにはふさわしくない飲み物

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「健康な赤ちゃんにはふさわしくない飲み物。(改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。

以下、過去記事。

久しぶりに歯科関係の記事を書きます。
6ヶ月を迎えると離乳食がスタートするかと思われます。
みなさんの赤ちゃんはいかがでしょうか?

先の記事で6ヶ月を過ぎた赤ちゃんの水分補給についての記事を書きましたが、読んでいただけましたでしょうか?
では、読んでくださったと見做してお話を進めます。

イオン飲料ってありますよね。
あれは赤ちゃんが熱発した時、脱水予防に良いものです。
・・・なぁんて書くと「病気の赤ちゃんに良いものだったら、健康な赤ちゃんにはもっと良いのでは?」と、早とちりされるお母さんがたまにおられます。(汗)
はっきり言います。
健康な赤ちゃんには良くありません!!
健康な赤ちゃんは脱水になったりしません。
(そうなる前に自然におっぱいを欲しがりますから・・・ね。)
つまり、体液の電解質バランスは正常なんですね。
そこへ電解質たっぷりのイオン飲料を飲ませたらどうなるのか。
電解質の過剰摂取となり、かえって赤ちゃんは喉が渇いてたまらなくなります。
外出中などで、直母をせずにイオン飲料を与えると、赤ちゃんはチョコチョコ飲みをします。
これは幼児でも当てはまります。
おっぱい以外のものをチョコチョコ飲みするリスクは何か分かりますか?
乳歯が生えてきている時期なので、歯が脱灰してしまいます。
もちろん。何も飲食しなければ、その時間は歯は再石灰化します。

でも、チョコチョコ飲みをしてしまうと、再石灰化が不十分なうちにまたも脱灰してしまいます!
つまり、乳歯のエナメル質がジワジワと侵食され続けてしまうってこと。
そして(ここ、重要です。)イオン飲料のpHは2~3と強酸性なんですね。
そう、こんなものを、何気に健康な赤ちゃんに飲ませるのは、「どうぞ、虫歯になってちょうだいな」と言ってるのも同然なんです。

そうそう、スポーツ飲料ってのもありますね。
あれも同じと考えてもらって差し支えありません。
ちなみにおっぱいやミルクのpHは4~5と弱酸性に近いですから、脱灰のダメージは心配しなくても大丈夫です。
あっ、でも、食べ物のカスは取り除くのだけはお忘れなく。

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2009年5月10日 (日)

6か月以降の赤ちゃんの水分補給は?

・・・基本的にはおっぱいでいいのですが。
6か月以降といえば離乳食がスタートですね。
以前、「おっぱい星人の赤ちゃんには食べる前におっぱいをあげてください。」とも申しました。

で、水分。
離乳食を食べた「後」に、お茶やお水をスプーンやコップであげてください。
迷惑そうな表情だったら無理強いしないでね!
お水やお茶を飲まなければ、体調を崩すわけじゃないですから。

(そうそう、食べている途中にお茶やお水をあげると、食欲旺盛な赤ちゃんであっても、離乳食の食べっぷりが悪くなるから止めときましょうねそういう理由があるから「後」なんですね。)

コップぅ~?なんてビックリしないでね。
新生児だって、がっついている時は、10mlの搾乳を小さいコップに入れたら、7口で飲んでしまいますよ。カプカプカプカプカプカプカプ・・・

また、これから赤ちゃんは口腔機能が発達してくる時期なのに、敢えて哺乳瓶の練習させるのはナンセンスだと考えます。

ストローで吸いあげるには少しトレーニングが必要です。
紙パック入りのお茶をお母さんが持って、赤ちゃんのお口にストローを咥えさせます。
そうして、お母さんが紙パックをそうっと押して赤ちゃんのお口の中にお茶が入るようにします。
その繰り返しで、ストローで吸いあげることができるようになります。
いきなり、ストローマグに入れても、赤ちゃんには吸いあげるという概念がないから、
出来ないと思います。

果汁はどうしてもあげなくてはならないものではありませんが、これからの時期でしたら、スイカ・メロン・もも・ブドウ・ナシ・リンゴなどの果物の汁を搾ってから2~3倍に薄めてあげても良いですね。
かんきつ類はウンチが緩くなりやすいので、もう少し月齢が大きくなってからあげた方がいいと私は思います。
それから、100%果汁のphは2~3と、酸性度が高いです。
酸性度が高いということは、虫歯になりやすいということですから、100%果汁は絶対に哺乳瓶でクチュクチュさせながら飲ませないでくださいね。

量はあくまで、おっぱいや離乳食を妨げない程度にとどめてくださいね。

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お母さんが傷つく言葉「おっぱい足りてるの?」

メンタル面での健康は大事です。
赤ちゃんとお母さんにお見舞いに来られた方々から、ほぼ100%挨拶代わりに聞かれるのがこの言葉です。

私、この言葉、嫌いです。
聞いてる人に、悪気はないんですよね。
それは分かります。
でも、産後ってお母さんの気持ちも不安定なんですよね。
おっぱいがよく出ているお母さんでも、こういう言葉を耳にされると、「えっ、私ってまだあんまり出てないのかな」って惑わされてしまわれるから。
私はかつて自分が出産で入院している時、「おっぱい足りてるの」と聞かれた時、とても嫌だったから、絶対に使いません。

赤ちゃんはとても敏感です。
何となく浮かぬ顔のお母さんを見ると、「お母さん心配しないで。」とシグナルを送りますが、そういう時のお母さんのアンテナは低くなってるから気がつかないんですね。
で、だんだん不安にかられ赤ちゃんは泣くのですね。

そういうデリカシーのない言葉を聞いて私同様、ムカっとしたお母さんは次のように受け流してください。
「ひにちに応じた出方をしていると、助産師に言われました。」
「パンパンに張ると赤ちゃんが飲みにくいので、このくらいの張り方でちょうどいいそうです。」
「ウチの子は食い意地が張っているので、こまめにあげなさいと小児科のドクターに言われました。」
「こまめにあげるとおっぱいの出方が良くなるので、昨日は15回もあげました。」
・・・などなどです。
悪意のない嫌な言葉には、詰まるのでなく切り返しちゃいましょう。
冷静・強気で行っちゃいましょうね。

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急にミルクを嫌がるようになった!(生後2か月)

退院までにおっぱいが上手くいかないと、お母さんの自分のおっぱいに対する自己評価は低くなります。
特に、混合栄養で退院となったお母さん。
分泌が足りないと洗脳されちゃってることが多いですな。

確かにその時はそうだったかもしれません。
おっぱいの後にミルクを補足しないとギャン泣きするし、ミルクはあっという間に平らげてしまうし、周りの誰もが、「おっぱい足りないんだね。」とか「出の悪いおっぱいにしがみつかせたら、赤ちゃんが可哀相。」とか、酷いこと言われ続けたお母さんも少なくないでしょう。
私が先日出会った他院出産のお母さんは、「直母の後にミルクを補足するのが母乳育児ですよ。」というトンデモ情報を医療者からインプットされておられました。

そんな状況であっても、「4800gを越えると・・・」の記事にもありますように、赤ちゃんの哺乳力は着実に向上するので、ミルクを嫌がるようになることがあります。
「赤ちゃんのカラダが大きくなったから、飲む量は増加するし、おっぱいはいくら出てるかよく判らないから、ミルクの1回補足量もアップさせなくちゃ。」と考えるお母さんは実に多いんですね。
でもそうではなく、おっぱいが飲めるように変わってきたのに、さらに補足量を増やされると、赤ちゃんのカラダに負担がかかるのでおなかが痛くてたまらなくなるのです。
こういう場合は赤ちゃんのおなかとおしりを温かくしてあやしたり、温かくしておっぱいをあげたりすると、泣き方が変わってきます。
機嫌も良くなります。

以前のようにミルクを飲まなくなったとしたら、一度、母乳外来か助産院で乳房のコンディションを診てもらって、体重増加度や哺乳量測定もしてもらったらいいと思います。
その場合は1日に何回ミルクを補足しているか、1日トータルでミルクをどのくらいのんでいるのか、(例えば毎日6回、トータルで330mlとか、正確に。)情報提供してくださいね。
「おっぱいだけでいけますよ。」と、言われたら取り敢えず頑張って。
赤ちゃんはこまめに欲しがるけど、消化が早いから当然だと考えてね。

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注意すべき吐乳とは?

おっぱいの飲み方がイマイチ意欲的ではなく、何度もくりかえしておっぱいを吐く時は要注意です。
何かの病気が隠れていることもあります。
生後1か月くらいの赤ちゃんならば幽門狭窄症という病気があります。
普通の育児書なんかでもいの一番に書いてあるから、病名は何となく知ってるお母さんも多いかも。
昔々は透視をしなくては診断出来ませんでしたが、最近はエコーで診断がつくから、検査を受けることへの赤ちゃんの負担はとても軽減されました。

黄色や緑色の胆汁を吐く時も要注意です。
吐いたものを拭き取ったタオルをビニール袋に密封して小児科のドクターに診てもらいましょうね。

コーヒー残渣様のもの、血の混じったものを吐く時も要注意です。

完ミや混合栄養でミルクの補足が多めになっていると、体重はドカドカ増え、吐きながら飲み、苦しくて泣きます。
このブログの以前からの読者さんには考えられないでしょうが、未だに「3時間経たないうちに赤ちゃんが泣くのは母乳不足。」という誤った知識をお母さんに植え付けようとする変な医療者がいます。
ちょうど良いくらいにおっぱいが出て、赤ちゃんも飲んでいるのに、敢えてミルクを補足し、オーバードリンキングで嘔吐し、そして吸啜反射でまた飲むという悪循環ですね。
どう考えても十分に飲んでるのに、赤ちゃんが泣くならば、遊んであげましょうね。

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2009年5月 9日 (土)

乳腺炎になりにくいお母さん

よく噛んで腹八分目に食べる方。
カラダに良くないものは控えめにしておられる方。
飲み物は温かいものや常温のもので、滅多に冷たいものは口にされない方。
《噛み方の少ない方は食べ過ぎになりやすいように思われます。》

特に下半身の保温には留意しておられる方。
《下腹部と仙骨周囲が冷たい方は温罨法が効果的。足先の冷える方は足湯もいいです。》
家事は段取り良く行い、適宜休憩(赤ちゃんと一緒にお昼寝とか・・・)を取っている方。
お通じのコントロールができている方。
夫婦仲の良い方。(イライラの大元は旦那さんであることが多いので。)
スマイリーで、歌の好きな方。(赤ちゃんにも歌ってあげたり・・・)
両方の乳房から均等を心掛けてあげている方。
色々なポジショニングでおっぱいをあげている方。

順不同ですが、こんなトコロでしょうか。

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2009年5月 8日 (金)

乳腺炎になりやすいお母さん

いつも気分が優れず、旦那さんへの不満が大いにある方。
食べ方が早食い&ムラ食いの方。
食欲不振と過食か?というくらいのドカ食いを繰り返している方。
下痢と便秘が交互に来る方。
腰が痛くて、仰向けで眠れない方。

・・・はなりやすいです。
つまり体調不良ということですね。
テキパキ動こうにもカラダが重くて出来ないかと思われます。
鼻歌なんて出てこないでしょう。

体調を良くするには、まず、早起きしてみてください。
眠たかったらお昼寝すればいいですから。
それと、よく噛んで食べてくださいね。
多分これが一番簡単に改善する方法です。

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2009年5月 7日 (木)

心臓病があると指摘されたことのある赤ちゃん

(注)最強母乳外来・フェニックスにて「心臓病があると指摘されたことのある赤ちゃん。(若干改訂版)」公開中です。
最新の内容は上記でご確認ください。


以下、過去記事。

小児科のドクターに伺ったところ、新生児期に発見される心臓病は0.06%(0.6%だったかも。済みません、ウロ覚えで・・・でも、とにかく、100人に1人もいないってこと。)とかって、教科書に書いてあるとか。

でも、★病院で働いていると、絶対それより多いって、いつも思うんです。
私のお仕事はメインが母乳外来であることは、皆さん良くご存じですよね。
でも、母乳外来が暇だったり、お産が立て込んで赤ちゃんの人数が多いと、新生児&お母さん係りのお手伝いをするんですね。
で、新生児のバイタルサイン測定なんぞをするのですが、結構あるんです。
心雑音が聞こえるんです。
もちろん、一過性のもの、無害なものも多くあります。
けれど、「どう聞いてもこれはおかしい。」ということが、少なからずあるんです。
そういう場合はスタッフ同士で、「確かめてもらえますか。」と別の耳で聞いてもらっています。
それでも・・・の場合は毎日小児科のドクターが新生児室に来られるので、すぐに報告して、診察してもらっています。

怪しい時はすぐに、心電図・エコー・胸部レントゲンの3点セットの指示が出されます。
で、病名が付きます。
「心房中隔欠損症」「心室中隔欠損症」などは比較的ポピュラーに遭遇します。

小児科のドクターは言葉を選んで慎重に病状説明されますが、不安でたまらないでしょうし、ショックで大泣きされるお母さんもおられます。
病状は様々ですが、即オペの必要な赤ちゃんは搬送されますが、そうでなければ、経過観察ということになります。

赤ちゃんの病状が落ち着いていれば、体重増加は順調な筈なので、小児科の定期検診の合間に母乳外来で、体重増加のフォローとお母さんの相談にのっています。

もしも、このブログを読んでくださっているお母さんの中で、ご自分の赤ちゃんが心臓病で・・・という方もおられるかもしれません。
でも、しっかりおっぱいが飲めて、体重増加も順調ならば、最初の関門は越えたのだから、気をしっかり持って子育てしましょうね。

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おっぱいが漏れる?漏れない?

私の場合、一人目の時は3か月くらいまでは、授乳間隔が2.5時間以上になると、おっぱい(乳汁)が漏れて母乳パッドを1日に何枚も交換しなくてはならないくらいでした。
片方の授乳をしていたら、反対側から、ポタポタとおっぱい(乳汁)が落ちてきました。

3か月を過ぎると、授乳間隔が4時間くらい空いても、片方の授乳をしていても、おっぱいは漏れてこなくなりました。
当時まだ若く、母乳育児についての知識も浅かった私は、おっぱいが出なくなったんぢゃないかってとても不安になりました。
でも、ある方からそうではないことを教えてもらいました。

漏れるのが良いおっぱいとは限らない。
健康な乳房からはおっぱいは漏れることも、張ることもあまりないのだと。
気にせず、いつも通りにしていればよいと。

因みに私は、二人目と三人目はおっぱいが漏れることは最初の1か月もなく、母乳パッドを買い込んでいたのに、殆んど使うこともありませんでした。

但し、4か月くらいになって、ホントに分泌不良になることもあります。
赤ちゃんが怒ってばかりとか、嫌がるとか。
きっかけは様々ですが、胃腸の調子が悪かったり、冷えたり、睡眠不足(上の子や旦那さんの看病など)が続いたりすると、おっぱいの生産にブレーキが掛かります。
こういう場合は消化の良いものをゆっくり良く噛んで食べ、赤ちゃんもお母さんも下半身を温かくします。
そうして、新生児並に頻回授乳をするのを数日間続けてください。
疲れたら赤ちゃんと一緒に眠るのです。
また、こういう場合は乳管が詰まりかけていることもあるので、一度、母乳外来か助産院でケアを受けると、回復が早くなると思います。
もう駄目かもしれないと諦めないでね。

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2009年5月 6日 (水)

トラブルが起きた方の乳房はどうしたらいいの?

赤ちゃんは喋れません。
喋れないから、何も分からないのではありません。

乳腺炎になった方の乳房から出てくるおっぱいは、完治するまで、健側の乳房から出てくるおっぱいよりも、はっきり言って不味いです。

不味いから飲ませようとすると、イヤイヤをするかもしれません。
仰け反って怒ったり、ギャン泣きして抵抗することもあります。
にた~っと笑ったり、寝た振りもします。
ガン見したり、溜息を付いたり、乳首を噛んだりします。
もちろん、どんなおっぱいでもガンガン飲んでしまう赤ちゃんもおられますよ。
でも、もしそうだったらラッキーだったと思うけど、最初にそれを期待するのはちょっといかがなものでしょうか。

乳腺炎になったことのあるお母さんにお尋ねします。
そんな時、赤ちゃんの目を見て謝ったことはありますか。
左右のおっぱの味見をしたことがありますか。
もしも未だなら、是非してみてください。

そして、赤ちゃんの目を見て、「美味しいおっぱいは、後で必ずあげるから、先にこちらを頑張って飲んでね。お願いね。」と、頼んでくださいね。
怒りまくってるようなら、何回でも。
それでも怒るなら、寝ぼけている時を狙って乳腺炎側のおっぱいを飲んでもらってください。
乳腺炎が軽快しても、飲んでもらっていなければ(=放置していれば)血乳と同じ理屈ですから、不味いおっぱいがさらに古くなったのを飲ませることになるから、そりゃ、いやがりますよ。
でも、そこを曲げて飲んでもらわなくてはどんな素晴らしいマッサージを受けていたって赤ちゃんには、有り難味半減ですから、乳腺炎の乳房のメンテは過去記事などを参照していただき、再び赤ちゃんが喜んで飲んでくれるように、復活させましょうね。

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赤ちゃんがゴクゴクとおっぱいを飲まない!

初産のお母さんで最初のうち、長く見て3か月くらいは、授乳間隔が3時間くらい空けばけっこう乳房が張る感じのあった方が多いのではないでしょうか?
この時期は、赤ちゃんもおっぱいを飲む時は、ゴクゴクと喉を鳴らしていることも良く見受けられます。

けれども、4か月くらいからいよいよ乳房は3時間くらいでは張らなくなります。
2時間足らずで飲ませる時は殆んどペチャンコだったりして。
赤ちゃんの飲み方も何だか休み休みで、引っ張り飲みしたりされると、おっぱいが足りなくなったかと不安になることもあるかもしれません。

でも、実はこれって「分泌不足か!?」というわけぢゃないんですよね。
おっぱいを造るホルモンはプロラクチンだということは、みなさんご存知ですよね?
血中プロラクチン濃度は最初のうち、高いレベルを持続しています。
なので、最初のうちは、おっぱいの生産自体が過剰傾向にあります。
ところが、3か月を過ぎると自然に血中プロラクチン濃度はやや低下します。
そうして、赤ちゃんにおっぱいを飲ませると急激に血中濃度が上昇するのです。
赤ちゃんに飲ませるときだけ、プロラクチンがフルスロットルで出るということですな。
決しておっぱいが枯れてしまったのではないのです。
つまり、おっぱいを造る機能が低下したのではなく、おっぱいを造るシステムが変化したということなんですね。
そこを間違えないでくださいね!

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2009年5月 5日 (火)

赤ちゃんがおっぱいを飲むスピードって?

体重が4kg以下の新生児では1分間に飲めるおっぱいのスピードは私が測定した限り、最速で9mlなんですね。
いわゆる、爆乳系のお母さんですが。
爆乳系の定義としては
①母乳パッドがすぐにドボドボになり、1日に何回も交換しなくてはならない。
②赤ちゃんは咥えるだけで、がっつり吸いつかなくても、自動的にお口に流し込みで、それこそ某大臣のように「ごっくん」するだけでおっぱいが飲める。
・・・というかなり限定的な条件に於いてですが。

それに対し、P社の○○実感とかの、とても簡単に哺乳できるゴムの乳首を、出生間もなくから使い始めると、1か月経たないくらいのうちに100mlを3分で飲みきる赤ちゃんはザラにおられます。

おっぱいとゴムの乳首ではでは哺乳スピードが3倍速以上違うんですね。
おっぱいに早飲みはありえないし、普通に飲んでいれば顎は動かしますから、それはとても良いことなんですね。
スピードの違いは顎の動かし方、お口の周りの筋肉の動かし方の違いなんですね。
残念なことに、哺乳瓶メインでの授乳になっておられる赤ちゃんは離乳食が始まったら是非ともよく噛んで食べる習慣をつけてあげてくださいね。
幼児期以降も・・・です。

《追伸》
昔だったら(今でも)お肉大好きな方なら「焼肉」って嬉しいですよね。
でも、最近のおこちゃまで、とことん噛む力の無い場合、お肉大好きでも「焼肉嫌い。」って言うそうです。
「えっ、何で。美味しいぢゃないの。」と突っ込んだら、「硬いから噛まなくちゃならないから。」ですと。
念のため言っておきますが、それはホルモン焼きではありません。
スジだらけの安いお肉でもありません。
100g800円~1000円相当の和牛であってもそういうことをのたまうそうです。

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急におっぱいが出なくなった!

かなり深刻なケースの方に出会ったので、お知らせします。
「最初は混合栄養だったけど、3か月過ぎ、赤ちゃんが満腹が判るようになって、それからは完母でした。なのに、離乳食が始まる頃になって、殆んど出なくなりました。」というAさん。
もう一人のBさんは、「出産してからずっと完母で、(SOLANINが最低体重の2倍になるのは100日目くらいで十分と言っていたのに)65日目に達成するくらい、おっぱいがたくさん出ていました。けれど、7か月目くらいに入ったら、枯れたかのように出なくなりました。」

・・・こんなこと、ありなんでしょうか?
このお二人はあくまでレアケースですから、自分がそうなるんじゃないかって心配はしないでね!

じゃ、何故こんなことに?
このお二人に共通していたのは、月齢が進んだら、授乳回数を落としていたことです。
それと、家庭内のあれこれで、お母さんに物凄くストレスがかかってたことです。
赤ちゃんが欲しがる意思表示が少なくなったというのもありますが、ある程度、作為的に授乳回数を落としていたんですね。
(変な育児書読んだのか、集団健診で医療者から何か言われたんでしょうね。授乳回数を落とすきっかけについては多くを語られなかったので、詳細は不明ですが・・・)

赤ちゃんががっつりとお母さんの乳頭・乳輪を刺激する飲み方をこまめにしてくれてこそ、脳下垂体前葉は刺激され、プロラクチンが分泌され、おっぱいが造られます。
おっぱいの製造がリセットされそうになったら、イライラせずに、夜間も必死におっぱいをあげてください。
イライラの元になる問題は出来るだけ、周りの人達にも協力してもらい、解決していくこと。
問題というのでなく、自分の気持ちを落ち着けるならアロマもいいですよ。
そして、基本に忠実にこまめにおっぱいをあげること。
それが元に戻る近道なんですね。

幸い、このお二人はその後ミルクは不要になっておっぱいとご飯で赤ちゃんを育てておられます。
万一、出が悪くなったら、そこで諦めるんじゃなくて、母乳外来とか助産院に出来るだけ早く行ってくださいね。
何とかなることだって、ありますから。

スラムダンクの安西センセイが三井君に「諦めたらそこで試合終了ですよ」というセリフがあるのですが、みなさん若いから知らないかな~。
私は子どもとTVにかじりついて、夫に呆れられながら毎週ビデオに撮りながら観ていましたが・・・母乳育児も然りなんですね。

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2009年5月 4日 (月)

マタニティーブルーから脱出するには?

赤ちゃんが生まれても、なぜか可愛いと思えなかったり、うとましくなることがあります。
「こんな自分は、母親失格だ。」という気持ちにさえなるものの、それを抑えることができません。
出産が大変で、疲れが残っていたり、赤ちゃんがおっぱいに上手く吸いつけなかったりすると、お母さんの気分はとても落ち込んでしまいます。
産後はホルモンバランスが激変することもあり、このような気持になってしまうのですね。

これが、「マタニティーブルー」です。
入院中だけではなく、お家に帰ってからおもむろになることもあります。

一日でも早く、いつもの元気印に戻りたいお母さんは、赤ちゃんにおっぱいをあげてください。
どうしても吸いつけない場合は保護器の使用も止むを得ません。
夜中に眠れないと,「マタニティーブルー」はひどくなりやすいので、深夜帯以外の時間帯で、集中して飲ませてあげてください。
それも、1回の授乳で満腹まで飲ませるのではなく、腹八分目程度にとどめ、赤ちゃんを起こしておき、こまめにあげるのがコツです。
1回の授乳が終わる度に赤ちゃんを寝かしつけようという考え方は頭からとっぱらかってくださいませ。
明るいうちに赤ちゃんをぐっすり眠らせたら、夜中起きるにきまってます。
ミルクを補足しているお母さんは、一時的にやめるか減量するのもいいですね。

そうすると、深夜帯に良く眠ってくれるようになり、「マタニティーブルー」から脱出できるのですね。

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